JP4595338B2 - 燃料電池と燃料電池用電解質膜の製造方法 - Google Patents

燃料電池と燃料電池用電解質膜の製造方法 Download PDF

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本発明は、燃料電池に関し、詳しくは、電解質膜を、水素を選択的に透過する水素分離膜層と酸素欠損型プロトン伝導体化合物の電解質膜層とで構成した燃料電池と、この電解質膜の製造方法に関する。
燃料電池は、電解質膜を挟んだ両極に、それぞれガス、例えば水素ガスと酸素ガスの供給を受け、発電する。こうした水素ガス供給に際しては、高純度の水素を供給することが電極反応の進行の上からも望ましいく、種々の提案がなされている。その一手法として、水素の供給を受ける水素極側において、電解質膜に水素を選択的に透過する性質の水素分離膜層を設けることが提案されている(例えば、特許文献1)
特開平5−299105号公報
上記した特許文献では、その実施例にて、水素分離膜層を、プロトン伝導の性質を有するパーフルオロスルホン酸型イオン交換膜に接合させた電解質膜を提案している。こうした燃料電池では、水素分離膜層はその材料が金属であり、イオン交換膜は高分子樹脂であることから、その製膜手法が相違する。高分子樹脂の製膜手法では、その膜厚に限界があり、金属の製膜手法に比して膜厚が厚くなる。このため、膜厚に起因した膜抵抗が大きくなって燃料電池内部抵抗の増大も招きやすいことから、電池性能の性能向上のためには、薄膜の水素分離膜層が接合する電解質膜の薄膜化を図ることが望ましい。
水素分離膜層と同様の製膜手法で薄膜化が可能でプロトン伝導性を有する電解質原材料としては、ペロブスカイト型プロトン伝導体化合物およびその類似化合物がある。こうした化合物の薄膜を電解質膜層として用いれば、薄膜であることから、膜抵抗の低減はもとより、内部抵抗の低減を図ることができ、電池性能の高性能化を図ることが可能となる。しかし、こうした化合物では、格子間酸素の欠損への酸素原子導入が起きた状態でプロトン伝導の性質を呈することから、水素分離膜層と併用して電解質膜として用いるとしても、実用に際してはその改善の余地が残されている。
本発明は、上記問題点を解決するためになされ、水素分離膜層と酸素欠損型プロトン伝導体化合物の電解質膜層とを備える電解質膜の実用性を高めることを目的とする。
かかる課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の燃料電池では、水素含有の燃料ガスの供給を受ける水素極と酸素含有の酸素ガスの供給を受ける酸素極の両極の間に配設されて両極と接合する電解質膜を備える。この電解質膜については、水素を選択的に透過する性質の水素極側の水素分離膜層と、当該水素分離層の表面に形成された電解質膜層と、酸素極側に位置するよう電解質膜層の表面に形成された酸素極側膜層とを備えるものとした上で、電解質膜層については、これを、格子間酸素の欠損への酸素原子導入が起きた状態でプロトン伝導の性質を呈する酸素欠損型プロトン伝導体化合物で水素分離層の表面に形成された電解質膜層とした。その一方、この電解質膜層を覆う酸素極側膜層については、これを、プロトン伝導の性質を呈すると共に、膜層における酸素原子の移動を抑制する性質により電解質膜層からの酸素原子抜けを抑制する性質を呈するものとした。
酸素欠損型プロトン伝導体化合物の電解質膜層では、格子間酸素の欠損に導入済みの酸素原子が継続的に存在するとは断定できず、格子間酸素欠損への酸素原子導入反応は可逆的に起きることが知られている。つまり、ガス雰囲気(例えば、酸素過不足)、温度、電位等により酸素原子が格子間酸素欠損に出入りすることが知られている。
よって、こうした酸素原子の出入りが起き得ることに着目して、本発明の燃料電池では、電解質膜層を水素分離膜層と酸素極側膜層で挟んで電解質膜層の両表面を覆うことで、電解質膜層における格子間酸素欠損に導入済みの酸素原子が抜けることを防止、若しくは抑制する。よって、電解質膜層では、格子間酸素の欠損への酸素原子導入が起きた状態を維持できることになるので、電解質膜層でのプロトン伝導の性質を大きく損なうことがない。しかも、酸素極側膜層はプロトン伝導の性質を呈するので、プロトン伝導性が不可欠な電解質膜としての機能を損なうことはない。よって、水素分離膜層と酸素欠損型プロトン伝導体化合物の電解質膜層とを併用した電解質膜を燃料電池に使用する際の実用性を高めることができる。
水素分離膜層の形成材料としては、パラジウム、パラジウム合金などの貴金属、並びにVA族元素、例えば、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)などを用いることができ、これらから形成した水素分離膜層は、水素を選択的に透過する性質を発揮する。電解質膜層の形成材料としては、ペロブスカイト型プロトン伝導体化合物(例えば、BaCeO3系、SrCeO3系、SrZrO3系、CaZrO3系等)や、パイロクロア型プロトン伝導体化合物(例えば、GdTi系、LaZr系等)を用いることができる。そして、これらプロトン伝導体化合物から形成した電解質膜層は、格子間酸素の欠損への酸素原子導入が起きた状態でプロトン伝導の性質を発揮する。
酸素極側膜層の形成材料としては、CsHSO等のプロトン伝導性だけを発揮し酸素イオン伝導性を有しないプロトン伝導体や、WO等のプロトン伝導性と電子の伝導性を併せ持つプロトン・電子伝導体の他、プロトン伝導性と酸素イオン伝導性を併せ持ちイオン輸率の関係でプロトン伝導性を発揮する酸素欠損型プロトン伝導体化合物等を用いることができる。この場合、酸素極側膜層形成に酸素欠損型プロトン伝導体化合物を用いる場合は、この酸素極側膜層で覆う電解質膜層での格子間酸素欠損に導入済みの酸素原子の抜け防止或いは抑制の点から、この電解質膜層を形成する酸素欠損型プロトン伝導体化合物より酸素イオン伝導率が小さい酸素欠損型プロトン伝導体化合物を酸素極側膜層形成に用いることになる。
例えば、ペロブスカイト型プロトン伝導体化合物としてBaCeO3系、SrCeO3系、SrZrO3系、CaZrO3系のセラミックを採択するのであれば、これらセラミックは、この順に酸素イオン伝導性が小さいので、次のようになる。電解質膜層をBaCeO3系のセラミックで形成すれば、酸素極側膜層をSrCeO3系、SrZrO3系、CaZrO3系のセラミックで形成すればよい。同様に、電解質膜層をSrCeO3系のセラミックとすれば、酸素極側膜層をSrZrO3系、CaZrO3系のセラミックに、電解質膜層をSrZrO3系のセラミックとすれば、酸素極側膜層をCaZrO3系のセラミックとすればよい。そして、これら化合物から形成した電解質膜層は、プロトン伝導の性質を発揮すると共に、膜層における酸素原子の移動を抑制する性質により電解質膜層からの酸素原子抜けを抑制する。
上記した本発明の燃料電池は、種々の態様を採ることができ、例えば、酸素極側膜層に層を貫通する貫通孔を形成し、この貫通孔の孔範囲において電解質膜層を酸素極に対して露出させるようにすることもできる。こうすれば、電解質膜層から酸素抜けが起き得る領域が限られるので、その分、電解質膜層での格子間酸素欠損に導入済みの酸素原子の抜けの防止或いは抑制を図ることができる。また、仮に電解質膜層での格子間酸素欠損に導入済みの酸素原子の抜けが貫通孔の領域にて起きたとしても、この貫通孔を経て、格子間酸素欠損に酸素原子を注入できるので、酸素の抜けを補うことも可能である。
こうした酸素原子の注入に際しては、電解質膜層における格子間酸素欠損に導入済み酸素原子の抜けの度合いを推定し、導入済み酸素原子の抜けの度合いが高まったと推定されると、酸素極の側から貫通孔を経て電解質膜層に酸素を補給し、格子間酸素欠損に導入済み酸素原子の抜けを補うようにできる。
この場合、電解質膜層における格子間酸素欠損に導入済み酸素原子の抜けの度合いが高まったと推定する手法としては、燃料電池の温度や環境温度の推移(低下)に基づいた推定手法が簡便である。また、次のようにすることもできる。
電解質膜層における格子間酸素欠損に導入済み酸素原子の抜けの度合いは、プロトン伝導性の程度に影響する。プロトン伝導性が変化すると、発電状況や膜抵抗や内部抵抗も変化する。よって、発電状況(詳しくは、出力電流推移)や内部抵抗推移に基づいて、上記推定を行うこともできる。こうした推定に際し、燃料電池温度を加味して推定を行うようにすることもできる。
また、燃料電池の水素極と酸素極の間に配設されて両極と接合する電解質膜を製造するために本発明が採用した手順は、
水素を選択的に透過する性質の水素分離膜層を形成する工程(1)と、
格子間酸素の欠損への酸素原子導入が起きた状態でプロトン伝導の性質を呈する酸素欠損型プロトン伝導体化合物を用いて、前記水素分離層の表面に電解質膜層を形成する工程(2)と、
プロトン伝導の性質と酸素原子の移動が制限された性質とを有する化合物を用いて、前記電解質膜層の表面に被覆膜層を形成する工程(3)とを有し、
前記被覆膜層を形成する工程(3)を、前記電解質膜層が前記格子間酸素の欠損への酸素原子導入が起きた状態にある状況下で、実行するようにした。
こうすれば、水素分離膜層と酸素欠損型プロトン伝導体化合物の電解質膜層とを併用した実用性の高い電解質膜を容易に製造できる。
こうした製造方法において、被覆膜層を形成するに当たり、前記被覆膜層の形成に用いる化合物として、格子間酸素の欠損への酸素原子導入が起きた状態でプロトン伝導の性質を呈する酸素欠損型プロトン伝導体化合物であって、前記電解質膜層を形成する酸素欠損型プロトン伝導体化合物より、酸素イオン伝導率が小さい酸素欠損型プロトン伝導体化合物を用いることができる。こうすれば、電解質膜層と被覆膜層を同質の化合物で形成できるので、ほぼ同一の膜形成手法をとることができる。
また、電解質膜層を形成するに当たり、前記水素分離層をチャンバー内に配置して、前記酸素欠損型プロトン伝導体化合物を用いて前記水素分離層の表面に電解質膜層を製膜し、次いで、被覆膜層を形成するに当たっては、電解質膜層形成に用いたチャンバー内を電解質製膜時よりも酸素分圧の高い環境下に置くことで、前記電解質膜層が前記格子間酸素の欠損への酸素原子導入が起きた状態の状況下に置き、前記化合物を用いて前記電解質膜層の表面に前記被覆膜層を製膜するようにすることもできる。
或いは、被覆膜層を形成するに当たり、前記電解質膜層に膜表面から酸素原子を注入することで、前記電解質膜層が前記格子間酸素の欠損への酸素原子導入が起きた状態の状況下に置き、前記化合物を用いて前記電解質膜層の表面に前記被覆膜層を製膜するようにすることもできる。
また、被覆膜層を、電解質膜層の表面の一部領域が露出するように電解質膜層の表面に製膜しておき、その後に、この露出領域の膜表面から電解質膜層に酸素原子を注入する。そして、この酸素元素注入により、電解質膜層が格子間酸素の欠損への酸素原子導入が起きた状態の状況下に置き、露出領域を被覆するようにすることもできる。
これらの手法を取れば、より簡便に、且つ、確実に、電解質膜層のプロトン伝導性を発現させた状態で、その酸素抜けを抑制或いは防止できる。
次に、本発明に係る燃料電池の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は実施例の燃料電池10を構成するセルの断面を模式的に示す説明図である。このセルは、酸素極20(カソード)、水素極30(アノード)で電解質膜100を挟んだ構造となっている。酸素極20、水素極30は、白金など種々の導電性材料で形成可能であり、図示するようにそれぞれ酸素流路22、水素流路32を備える。
電解質膜100は、バナジウム(V)を用いて薄膜形成された緻密な水素分離膜層120と、その表面に固体酸化物を用いて薄膜形成した電解質膜層110と、酸素極20側に位置するよう電解質膜層の表面に酸化物を用いて薄膜形成した酸素極側膜層125とを備える。水素分離膜層120は、製膜材料であるバナジウムの特性から、水素を選択的に透過する性質を発揮するものであり、水素極30の側に位置して当該極と接合する。
電解質膜層110は、酸素欠損型プロトン伝導体化合物の代表例であるペロブスカイト型プロトン伝導体化合物のBaCeO3系のセラミックを用いて製膜されている。そして、製膜材料であるペロブスカイト型プロトン伝導体化合物のBaCeO3系セラミックの薄膜であることから、格子間酸素の欠損への酸素原子導入が起きた状態でプロトン伝導の性質を呈する。
酸素極側膜層125は、電解質膜層110と同様、ペロブスカイト型プロトン伝導体化合物を用いて製膜されているが、電解質膜層110の形成材料であるBaCeO3系のセラミックよりは、酸素イオン輸率が小さいペロブスカイト型プロトン伝導体化合物が用いられる。つまり、電解質膜層110の形成材料がBaCeO3系のセラミックであることから、本実施例では、酸素極側膜層125を、例えば、SrCeO3系のセラミックで形成することにした。この場合、BaCeO3系より酸素イオン輸率が小さいSrZrO3系やCaZrO3系のセラミックを用いることもできる。
酸素極側膜層125は、ペロブスカイト型プロトン伝導体化合物であることから、プロトン伝導性と酸素イオン伝導性を併せ持つが、採用した化合物の酸素イオン伝導性が小さいことから酸素イオン輸率も小さくなる。この結果、燃料電池用の電解質膜100の構成部材としての実用に足りるプロトン伝導性を発揮する。
この場合、水素分離膜層120や電解質膜層110および酸素極側膜層125の材料は、上記したものに限られるものではなく、水素分離膜層120にあっては、水素を選択的に透過する性質を発揮するパラジウム、パラジウム合金などの貴金属、並びにVA族元素、例えば、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)などを用いてもよい。電解質膜層110については、格子間酸素の欠損への酸素原子導入が起きた状態でプロトン伝導の性質を呈する他のペロブスカイト型プロトン伝導体化合物、例えば、SrCeO3系、SrZrO3系、CaZrO3系のセラミックや、パイロクロア型プロトン伝導体化合物、例えば、GdTi系、LaZr系のセラミックなどを用いてもよい。酸素極側膜層125については、電解質膜層110に用いたペロブスカイト型プロトン伝導体化合物やパイロクロア型プロトン伝導体化合物より酸素イオン伝導率が小さいものであればよい。そして、酸素極側膜層125の製膜化合物の酸素イオン伝導性が電解質膜層110の製膜化合物に比してより小さいほど、電解質膜層110から抜け出した酸素が酸素極側膜層125を経由して抜け出にくくなるので、電解質膜層110からの導入酸素抜けの抑制或いは防止の観点から好ましい。
発電過程における水素極30および酸素極20での反応を促進するために、セル中には白金(Pt)等の触媒層を設けるのが通常である。図示を省略したが、触媒層は、例えば、電解質膜100と酸素極20、水素極30との間に設けることができる。
図示する通り、酸素極20には、酸素を含有したガスとして空気が供給される。水素極30には、水素リッチな燃料ガスが供給される。燃料ガス中の水素は、水素分離膜層120で分離され、プロトン伝導性を有する電解質膜層110および酸素極側膜層125を経て酸素極側に移動する。
ここで、電解質膜100の製造プロセスについて説明する。図2は電解質膜100の製造工程を説明するための工程図、図3は薄膜形成の様子を模式的に示す説明図である。電解質膜層110と酸素極側膜層125および水素分離膜層120は、共に薄膜であることから、既存の薄膜形成手法を適用すれば足りる。例えば、電解質膜層110の厚さを1μm、酸素極側膜層125の厚さを0.1μm、水素分離膜層120の厚さを40μm程度とすれば、次のようにすればよい。なお、各層の厚さは任意に設定可能であり、製膜過程で調整される。
まず、水素分離膜層120となる基材を形成する(ステップS200)。この基材形成に際しては、水素分離膜層120の厚み40μm程度の薄膜形成に適した手法、例えば気相成長法や、バナジウム(V)等の上記金属・合金を用いた薄肉成形手法にて、基材を形成する。
次に、この基材(水素分離膜層120)を薄膜形成装置のチャンバー300のセットテーブル302に載置し、チャンバー300内を適当な減圧状態にした後、基材表面に電解質膜層110を製膜する(ステップS210)。この薄膜形成装置は、製膜機器304に供給する膜材料を切り換えることにより、異なる材料の薄膜を形成できるように構成されている。また、薄膜形成装置は、上記のセラミックの薄膜形成に適した種々の手法、例えば、気相成長法(化学的気相成長法、物理的気相成長法)、スパッタリング、真空蒸着、レーザーアブレーション等の手法で薄膜形成可能に構成されている。
電解質膜層110の製膜に際しては、その形成材料であるBaCeO3系のセラミックを製膜機器304に供給してチャンバー300内を適当な減圧状態にした後、上記した膜厚に薄膜形成する。電解質膜層110の製膜後には、チャンバー300に付属の酸素加圧供給機器306により、チャンバー300内に酸素もしくは空気を適当な圧力で導入し、所定時間に亘ってチャンバー内を電解質製膜時よりも高酸素分圧下に置く(ステップS220)。
製膜済みの電解質膜層110は、その製膜過程で、格子間酸素の欠損に酸素原子が導入されるものの、格子間酸素欠損への酸素原子導入反応は可逆的であることから、その導入程度が高いとは限らず、製膜過程での導入済み酸素の抜けが起きているとも予想される。しかしながら、ステップS220にて、電解質膜層110は、高酸素分圧下の環境に置かれることから、その格子間酸素の欠損への酸素原子導入が起き、酸素イオン輸率が小さくなってプロトン輸率が高まり、プロトン伝導の性質を確実に発揮する。
このようにチャンバー300内を高酸素分圧にして電解質膜層110の格子間酸素欠損への酸素原子導入を図るに当たり、電源308により、水素分離膜層120と電解質膜層110とに、電解質膜層110の側が負の電位となるように直流電位をかけるようにすることもできる。こうすれば、電解質膜層110は、高酸素分圧下での酸素に触れた上で負の電圧印可を受けることから、電解質膜層110表面では、酸素原子が負の電荷のイオンとして格子間酸素欠損に導入される。よって、格子間酸素の欠損への酸素原子導入がより活発となり、電解質膜層110では、プロトン伝導の性質がより確実に発現する。そして、このように電位をかけることを高酸素分圧化と併用すれば、格子間酸素の欠損への酸素原子導入に要する時間の短縮化を図ることができる。
電解質膜層110が高酸素分圧下に置かれている間に、製膜機器304に供給する膜材料を酸素極側膜層125の製膜材料であるSrCeO3系のセラミックに切り換え、電解質膜層110の表面に酸素極側膜層125を上記した膜厚に製膜する(ステップS230)。こうして、水素分離膜層120と酸素極側膜層125とでサンドイッチ状に電解質膜層110を挟み込んだ電解質膜100が完成する。そして、この電解質膜100を図1に示すように酸素極20と水素極30の両極間に配設して両極に接合させることで、燃料電池10(セル)が完成する。
以上説明した本実施例の燃料電池10では、電解質膜層110を、共に緻密な水素分離膜層120と酸素極側膜層125とでサンドイッチ状にすることで、電解質膜層110の両面を水素分離膜層120と酸素極側膜層125で被覆して構成した。しかも、水素分離膜層120に製膜済みの電解質膜層110に対して酸素極側膜層125を製膜する際には、電解質膜層110を電解質製膜時よりも高酸素分圧下に置くことで、酸素極側膜層125の製膜前に電解質膜層110において格子間酸素欠損に酸素原子の導入を図り、その上で、電解質膜層110表面に酸素極側膜層125を製膜する。
このため、電解質膜100を構成する電解質膜層110における格子間酸素欠損に導入済みの酸素原子が抜けることを防止、若しくは抑制することができるので、電解質膜層110では、格子間酸素の欠損への酸素原子導入が起きた状態を確実に維持できる。よって、電解質膜層110における酸素イオン輸率が小さくなって水素イオン輸率が大きくなり、電解質膜層110でのプロトン伝導の性質を大きく損なうことがない。ましてや、酸素極側膜層125の製膜に先立って電解質膜層110に対しては予め格子間酸素欠損への酸素原子導入を促進しておくので、電解質膜層110のプロトン伝導の性質を高い確度で確実に維持できる。その一方、酸素極側膜層125はその形成材料の選定によりプロトン伝導の性質を呈するので、プロトン伝導性が不可欠な電解質膜としての機能を損なうことはない。よって、本実施例の燃料電池10では、水素分離膜層120と酸素欠損型プロトン伝導体化合物の電解質膜層110とを併用した電解質膜100の実用性を高めることができる。また、こうした電解質膜100を容易に製造することができる。
本実施例では、酸素極20の側に位置する酸素極側膜層125は、格子間酸素の欠損への酸素原子導入が起きた状態でプロトン伝導の性質を呈する酸素欠損型プロトン伝導体化合物の薄膜ではあるものの、その酸素イオン伝導率が小さいことから、格子間酸素の欠損への導入済み酸素原子の抜けが起きにくい。このため、酸素極側膜層125におけるプロトン伝導の性質も大きく損なわれないので、電解質膜100としての実用に耐えることができる。
上記した実施例では、酸素極側膜層125の製膜に際し(ステップS230)、その膜材料を、CsHSO等のプロトン伝導性だけを発揮し酸素イオン伝導性を有しないプロトン伝導体の化合物、WO等のプロトン伝導性と電子の伝導性を併せ持つプロトン・電子伝導体の化合物、若しくは電解質膜層110に比して酸素イオン輸率が小さい酸素欠損型プロトン伝導体化合物とするだけで、これら化合物からなる酸素極側膜層125を容易に電解質膜層110表面に形成できる。そして、これら化合物の酸素極側膜層125であっても、既述した効果を奏することができる。
次に、他の実施例について説明する。図4は第2実施例の製造工程を説明するための工程図、図5は第2実施例の製造工程での薄膜形成の様子を模式的に示す説明図である。この実施例では、先に説明した実施例の製造工程における高酸素分圧工程に変え、電解質膜層110表面からの酸素注入を行うようにした点で相違する。
つまり、第2実施例の製造工程では、水素分離膜層120となる基材形成(ステップS200)、電解質膜層110の製膜(ステップS210)を、順次行い、その後、電解質膜層110への酸素注入を行う(ステップS225)。この酸素注入工程では、図5に示すように、プラズマ発生機器310により、チャンバー300内に酸素或いはオゾンのプラズマを発生させ、ステップS210にて水素分離膜層120の表面に製膜済みの電解質膜層110に酸素を膜表面から注入する。次いで、電解質膜層110の表面に酸素極側膜層125を製膜して(ステップS230)、水素分離膜層120と酸素極側膜層125とでサンドイッチ状に電解質膜層110を挟み込んだ電解質膜100を製造する。
以上説明した本実施例の製造方法によれば、酸素極側膜層125の製膜に先立ち、酸素或いはオゾンのプラズマにより電解質膜層110への酸素注入を行う。よって、格子間酸素欠損への酸素原子導入がより確実になされた電解質膜層110を、水素分離膜層120と酸素極側膜層125とでサンドイッチ状に挟み、電解質膜100とすることができる。このため、電解質膜100を構成する電解質膜層110を格子間酸素の欠損への酸素原子導入が起きた状態をより確実に維持できる。よって、電解質膜層110のプロトン伝導の性質を高いまま維持できるので、より実用性が高まる。
上記した製造工程を取るに際して、電解質膜層110の製膜と酸素極側膜層125の製膜を同一のチャンバー300内で行ったが、電解質膜層110の製膜を別の製膜装置で行い、酸素極側膜層125の製膜装置に、電解質膜層110が製膜済みの水素分離膜層120をセットすることもできる。この場合は、酸素極側膜層125の製膜装置にプラズマ発生機器310を付属させればよい。
次に、酸素極側膜層125の構造とその製膜手順・酸素注入手法が相違する実施例について説明する。図6は他の酸素極側膜層125を有する燃料電池セルの断面を模式的に示す説明図、図7は電解質膜100の製造工程を示す工程図、図8は製造工程で行う貫通孔形成の準備の様子を示す説明図、図9は酸素極側膜層125での貫通孔形成の様子を示す説明図である。
図示するように、この実施例では、酸素極側膜層125は、その膜層を貫通する貫通孔126を点在させて備え、当該貫通孔を充填材127で閉塞させている。貫通孔126の総面積は、酸素極側膜層125の総面積に比して十分小さいので、貫通孔126の形成箇所にてプロトン伝導ができなくても、酸素極側膜層125全体から見れば、膜のプロトン伝導性を損なうことはない。よって、充填材127は、プロトンの非伝導性の材料、例えばガラスやセラミックの他、プロトン伝導性を有する金属等であってもよい。なお、上記した面積の関係から、充填材127が酸素イオン伝導性を有していても、電解質膜層110を酸素極側膜層125で覆うことで得られる酸素イオン抜け防止或いは抑制を、損なうものではない。
こうした酸素極側膜層125を有する電解質膜100は、次のように製造される。図7に示すように、まず、先の実施例と同様、水素分離膜層120となる基材を形成し(ステップS200)、基材(水素分離膜層120)の表面に既述したペロブスカイト型プロトン伝導体化合物の電解質膜層110を適宜な手法で製膜する(ステップS210)。次に、電解質膜層110のペロブスカイト型プロトン伝導体化合物に比して酸素イオン伝導性が小さいペロブスカイト型プロトン伝導体化合物にて酸素極側膜層125を製膜する(ステップS240)。この製膜に際しては、図8に示すように、基板(水素分離膜層120)に製膜済みの電解質膜層110を、ジグ(図示略)から延びたテーパ状の押圧脚320で押圧し、この状態で酸素極側膜層125を既述した気相成長法等の手法で製膜する。そうすると、押圧脚320で押圧されている箇所では酸素極側膜層125の製膜がなされないので、押圧脚320を酸素極側膜層125の製膜後に取り去ることで、酸素極側膜層125に貫通孔126が形成される。なお、この貫通孔126の形成位置は、図6に示すように酸素流路22と一致した箇所に限らない。
その後、電解質膜層110への酸素注入を行う(ステップS250)。この酸素注入工程では、図5を用いて説明したようにチャンバー内での酸素或いはオゾンのプラズマを発生させ、そのプラズマにより、貫通孔126の底面、即ち電解質膜層110の露出表面(貫通孔126の開孔領域)から、電解質膜層110に酸素が注入される。或いは、図3で説明したように、高酸素分圧下の環境で電位をかけるようにして、電解質膜層110の露出表面(貫通孔126の開孔領域)から、電解質膜層110に酸素を注入するようにすることもできる。こうした酸素注入は、酸素極側膜層125に対してもなされることになるが、酸素極側膜層125は、電解質膜層110に比して酸素イオン伝導性が小さいので、酸素注入の度合いは小さく、プロトン伝導性の大きな低下は起きない。なお、貫通孔126の形成箇所とその周辺にのみプラズマ照射するようにすれば、酸素極側膜層125における酸素注入の影響(プロトン伝導性低下)は問題とならない。
こうした酸素注入に続いては、貫通孔126を閉塞し(ステップS260)、水素分離膜層120と酸素極側膜層125とでサンドイッチ状に電解質膜層110を挟み込んだ電解質膜100が完成する。貫通孔126の閉塞に際しては、押圧脚320を持ち上げて取り去り、貫通孔126の形成箇所に、溶融ガラス等を滴下した後に硬化させればよい。
以上した製造工程を経ることで、酸素極側膜層125は、貫通孔126を充填材127で閉塞した状態で、電解質膜層110をその全面に亘って被覆する。しかも、電解質膜層110への酸素注入のために設けた貫通孔126を、酸素イオン伝導を起こさない充填材127で閉塞するので、上記した製造工程で製造した酸素極側膜層125を用いた電解質膜層110であっても、格子間酸素欠損に導入済みの酸素原子が抜けることを防止、若しくは抑制することができ、高い実用性を発揮することができる。
酸素極側膜層125に酸素注入のために設けた貫通孔126は、点在する孔である必要はなく、溝状等の種々の形態を取ることができる。図10は貫通孔126の他の形態を説明するための説明図である。図示するように、酸素極側膜層125の製膜に際して電解質膜層110を押圧するジグを、格子状の押圧脚322を有するものとすることもできる。こうすれば、電解質膜層110の表面に製膜済みの酸素極側膜層125には、格子状に連続した貫通孔126が形成され、この連続した貫通孔126が充填材127で閉塞されることになる。
次に、貫通孔126をその一部について閉塞しないようにした実施例について説明する。図11は電解質膜100を組み込み済み完成させた燃料電池10の状態で貫通孔126を酸素注入に用いた実施例を説明するための説明図である。
この燃料電池10では、酸素極側膜層125は、充填材127で閉塞した貫通孔126と、解放のままの貫通孔126(非閉塞の貫通孔126)とを有する。こうした酸素極側膜層125を製造するには、図7で説明したステップS260において、一部の貫通孔126を充填材127で閉塞しないようにすればよい。この場合、総ての貫通孔126を解放のままとすることもできる。そして、この酸素極側膜層125では、非閉塞の貫通孔126を完成後の燃料電池10の状態での酸素注入に用いる都合上、非閉塞の貫通孔126を酸素流路22と合致させている。
燃料電池10は、既述したように酸素極側膜層125と水素分離膜層120で電解質膜層110をサンドイッチ状に挟んだ電解質膜100と、酸素極20と水素極30に加え、燃料電池10の発電制御等を行うための制御装置60の他、ポンプ40と改質装置50と温度センサ62と電流センサ64と電源70とスイッチ80とを有する。
ポンプ40は、酸素を含有したガスとしての圧縮空気を酸素極20の酸素流路22に供給する。改質装置50は、水素リッチな燃料ガスが改質生成し、当該ガスを水素極30の水素流路32に供給する。燃料ガス中の水素は、水素分離膜層120で分離され、電解質膜層110を経て酸素極側に移動する。
制御装置60は、上記したポンプ40や改質装置50の制御を介して燃料電池10の運転制御を司る。電源70は、制御装置60からの制御信号に基づいてスイッチ80が回路を閉じると、燃料電池10の各セルにおける酸素極20と水素極30の両電極間に、酸素極20の側が負極となるように直流電圧を印可する。こうした電圧印可は、温度センサ62や電流センサ64のセンサ出力に応じて制御装置60にてなされるが、その様子については後述する。
電源70は、燃料電池10とは別に用意された外部電源であり、本実施例の燃料電池10が車載のものであれば、車両が有する2次電池を適用すればよい。また、燃料電池10が定置式の燃料電池発電システムに組み込まれていれば、システム電源から直流の電源70を構成すればよい。
次に、本実施例の燃料電池10が行う運転制御について説明する。図12は酸素抜け抑制モード運転の内容を示すフローチャートである。
この酸素抜け抑制モード運転は、所定時間ごとに繰り返し実行されるものであるが、電解質膜層110の導入済み酸素原子の抜けを抑制するものであることから、燃料電池10を有するシステム(例えば、車両や燃料電池発電システム等)の稼働期間に限らず、非稼働の期間においても実行することが望ましい。制御装置60は、まず、温度センサ62や電流センサ64の他、システムのON・OFFスイッチ等の出力状況をセンシングし(ステップS300)、その結果に基づいて電解質膜層110における格子間酸素欠損に導入済み酸素原子の抜けの度合いを推定し(ステップS310)、酸素原子導入の要否、即ち酸素抜けの有無を判定する(ステップS320)。
こうした酸素抜けの推定は以下のような種々の手法を取ることができる。
<1>燃料電池10を有するシステム(例えば、車両や燃料電池発電システム等)の運転停止が継続すると、酸素極からの酸素イオン導入がないので、電解質膜層110において導入済み酸素の抜けが起き得る。よって、温度センサ62のセンサ出力推移と運転停止の経過時間等に基づいて、システム運転停止が継続しているような場合には、格子間酸素欠損に導入済み酸素原子の抜けの度合いが高いと推定する。
<2>また、燃料電池10の内部抵抗変化は、各セルの酸素極20と水素極30の間の抵抗変化として捕らえられるので、両極間に微少な電位を電源70からかけて、その際の電流推移を電流センサ64にて検出する。そして、その電流推移が内部抵抗の増大と関与するものであれば、格子間酸素欠損に導入済み酸素原子の抜けの度合いが高いと推定する。この推定手法は、両電極間に電位をかけることから、燃料電池10が運転を停止している間に行う。なお、上記した電流推移に基づいた推定に際しては、温度センサ62で検出した燃料電池温度にて推定の幅を持たせるようにすることもできる。
<3>水素ガス・酸素ガスの供給に対して温度センサ62の検出温度や電流センサ64の検出電流が低いまま推移するのであれば、電解質膜層110で酸素の抜けが起きてプロトン伝導性が低下し電解質膜100の機能低下(例えば、内部抵抗の増大)が起きたとも推考される。よって、こうした場合には、格子間酸素欠損に導入済み酸素原子の抜けの度合いが高いと推定する。
こうして格子間酸素欠損に導入済み酸素原子の抜けの度合いが高いと推定すれば、続くステップS330にて、酸素注入処理を行い本ルーチンを終了する。この酸素注入処理としては、次のような処置を取ることができる。
電解質膜100が運転を停止している間、或いは、起動時にあっては、水素ガス・酸素ガスの電極への供給が行われていない、或いは、電池運転のためのガス供給に備えた時期である。よって、こうした状況下での酸素抜け有りと判定した場合には、制御装置60は、ポンプ40を駆動制御して酸素極20に酸素(大気)を供給しつつ、スイッチ80をONに切り換え、酸素極20と水素極30の両電極間に、酸素極側を負極にして電源70から電圧を印可する。この酸素供給・電圧印可は、所定時間に亘って行うようにすることもできるほか、電源70から印可した積算電力が所定の値に達するまで継続し、その後終了するようにすることができる。この酸素供給・電圧印可の際に、水素極30に水素ガスを供給する必要はない。なお、電池起動時にあっては、酸素供給・電圧印可の終了後に、制御装置60は、水素ガス・酸素ガスの両ガスの供給制御を行い、燃料電池10を運転制御する。
以上説明した酸素供給・電圧印可を行えば、燃料電池10では、次のような現象が起きる。酸素極20の側の電解質膜層110は、充填材127のない非閉塞の貫通孔126の開孔領域において、酸素ガス中の酸素に触れた上で負の電圧印可を受ける。よって、電解質膜層110では、非閉塞の貫通孔126の開孔領域表面から、酸素原子が負の電荷のイオンとして格子間酸素欠損に導入(注入)される。
また、燃料電池10の運転停止時或いはその継続時にあっては、次のようにして酸素注入を図ることができる。この場合は、制御装置60は、ポンプ40を駆動制御して酸素極20に酸素(大気)を供給する。このとき、水素極30の側では水素ガス供給が起きていないので、燃料電池10での電気化学反応は進行せず、酸素が消費されることはない。このため、酸素極20では、その酸素流路22は加圧された酸素ガスで満たされることになり、こうしたガス供給がないまま運転を停止している場合に比して、酸素極20の側の酸素分圧が高まる。
このように燃料電池の運転停止時において、酸素極20の側は、高い酸素分圧の状態で運転停止の期間において継続する。つまり、上記したように発電による酸素の消費も無く、酸素ガス供給系は閉じた系となるので、ガスリークが無い以上、高酸素分圧の状況は継続することになる。よって、酸素極20の側の電解質膜層110は、高い酸素分圧の酸素に触れた状態となっていることから、電解質膜層110における格子間酸素欠損に導入済み酸素原子の抜けが非閉塞の貫通孔126の開孔領域から起きたとしても、その抜けを高酸素分圧下での酸素により補うようにして酸素注入を図る。この酸素注入により、非閉塞の貫通孔126の開孔領域から格子間酸素の欠損への酸素原子導入が進むので、酸素イオン伝導度が高まって酸素イオン輸率が小さくなり、その逆に水素イオン輸率が大きくなってプロトン伝導の性質(程度)を維持できる。
また、燃料電池10の稼働期間(運転期間)にあっては、次のようにして酸素注入を図ることができる。こうした稼働期間では、制御装置60は、負荷に応じて燃料電池を運転制御する図示しない運転制御ルーチンを実行して、水素ガス・酸素ガスを供給し発電制御を行っている。こうした発電を行っているにも拘わらず、図12のステップS320で酸素抜け有りと判定した場合は、ガス供給に対して発電が低調なために電池温度が上がらないと推考される。よって、こうした場合には、運転制御ルーチンで求められている発電を上回る発電を起こすよう、発電上乗せの指示を出力し、燃料電池10を、負荷の求めより上乗せして発電させる。こうすれば、次の現象が得られる。
プロトン伝導の性質を呈するための格子間酸素の欠損への酸素原子導入は、酸素欠損型プロトン伝導体化合物の電解質膜層110における酸素イオンの伝導で起きる。つまり、酸素イオン伝導度が高まればそれだけ格子間酸素の欠損への酸素原子導入が進み、プロトン伝導の性質(程度)を維持できる。この酸素イオン伝導度は温度に対して正の相関を持つので、例えば、燃料電池10が微少の発電で運転されそうした運転状態が継続すると、電解質膜層110の温度が昇温せず、比較的低温のまま推移することがある。
こうなると、電解質膜層110が低温であるがゆえに、電解質膜層110での酸素イオン伝導度が低くなり、格子間酸素の欠損への酸素原子導入が進まなくなる。よって、格子間酸素の欠損への導入済み酸素原子導入の抜けが起きている状況で酸素原子導入が進まないと、電解質膜層110では、酸素がイオンとして移動できる酸素イオン輸率が大きくなり、プロトンの移動できる水素イオン輸率は小さくなるので、プロトン伝導の性質が低下すると予想される。なお、ここで云う格子間酸素の欠損への導入済み酸素原子導入の抜けが起きている状況は、酸素極側膜層125を電解質膜層110に製膜したにも拘わらず、製膜ミス・不良により起きることがあり得る。
しかしながら、本実施例では、上記したように燃料電池10の発電を上乗せ実行するので、こうした発電により電解質膜層110を昇温させることができる。このため、昇温に伴い非閉塞の貫通孔126の開孔領域から格子間酸素の欠損への酸素原子導入が進むので、酸素イオン伝導度が高まって酸素イオン輸率が小さくなり、その逆に水素イオン輸率が大きくなる。よって、燃料電池10の稼働中において上記した酸素注入を行う本実施例によれば、燃料電池10の稼働期間に亘って常時プロトン伝導の性質(程度)を維持できる。
この場合、燃料電池10の上乗せ発電は、例えば現状の発電状況に対して、一律に数%〜十数%上乗せするようにできるほか、次のようにしてもよい。図13は燃料電池稼働中の酸素抜け抑制のための燃料電池10の上乗せ発電の様子を説明する説明図である。
図示するように、現状の発電状況が低調な発電状況であれば、上乗せ率を高く設定し、発電状況が高くなるほど上乗せ率を小さくするようにすることもできる。こうすれば、次の利点がある。
燃料電池10が高負荷に対処する等のために活発な発電を起こしていると、電解質膜層110は既に高温であるため、格子間酸素の欠損への酸素原子導入が非閉塞の貫通孔126の開孔領域から進むので、既述したように高いプロトン伝導の性質を維持できる。よって、こうした場合に発電の上乗せ率を低くすれば、燃料電池10の発電を不用意に高めることがないので好ましい。その反面、上記したように電解質膜層110が低温であると予想される低調な発電状況では、発電の上乗せ率を大きくして電解質膜層110の昇温を早め、早期のうちにプロトン伝導の性質を回復・維持させることができる。
上記のように上乗せ率を変更する場合、図13に点線で示したように、所定の発電状況H0より高い場合は、上乗せ率をゼロとするようにすることもできる。つまり、この所定の発電状況H0にあれば、電解質膜層110は十分高温であるため既に高いプロトン伝導の性質を発現させているとして、上乗せ発電を停止するのである。こうすれば、実際の発電状況に応じて上記の上乗せ発電の実行頻度を少なくできるので、水素ガス・酸素ガスの不用意な消費を抑制できると共に、燃料電池10を含むシステム(車両や燃料電池発電システム)の不用意な効率低下を招かない。
この場合、ゼロとする発電状況H0を温度センサ62のセンサ出力に応じて大小設定するようにすることもできる。例えば、温度センサ62の検出温度が高ければ、それだけ格子間酸素の欠損への酸素原子導入が進むと推考できるので、発電状況H0を小さな値とする。こうすれば、実際の発電状況が低調でも上記の上乗せ発電が不要となり、その実行頻度を少なくできるので、上記した利点がある。
この他、燃料電池10の運転停止が継続している期間での酸素注入を強制的な発電によって行うようにすることもできる。図14は酸素注入のための強制的な発電の様子の一例を示す説明図、図15は強制的な発電の様子の他の例を示す説明図である。
燃料電池10の運転停止期間は、本来なら燃料電池10へのガス供給を停止し、一切の発電を行わないのであるが、制御装置60は、運転停止継続期間において、強制的な発電制御を行う。この強制的な発電は、負荷の運転等のためには不要なものであるので、燃料電池10を搭載した車両であれば、図14に示すように、アイドル運転時に必要とされる発電の10%程度以下の小さな発電を継続して起こせばよい。具体的には、こうした微少な発電を起こすに足りるだけ、酸素極20・水素極30に水素ガス・酸素ガスを供給制御する。
このような微少発電であっても、当該発電の間に電解質膜層110の昇温を図ることができるので、既述したように酸素イオン伝導度が高まり、非閉塞の貫通孔126の開孔領域から酸素注入を図ることができ、これにより、プロトン伝導の性質(程度)を燃料電池の運転停止期間中でも維持できる。
また、強制的な微少発電に変えて、図15に示すように発電の停止・実行を繰り返すようにすることもできる。こうした発電の繰り返しに際しては、図中パターン1、パターン2で示すように種々の発電量・発電時間とすることもできる。こうした発電の繰り返しであっても、その発電の間に電解質膜層110の昇温を図ることができるので、既述したようにプロトン伝導の性質(程度)を燃料電池の運転停止期間中でも維持できる。加えて、強制的な発電を周期的に行えばよいことから、過度の発電運転が不要となり、水素ガス等の不用意な消費を抑制できる。発電の繰り返しで得られた起電力は、例えば、2次電池の蓄電等に用いることができる。
以上、本発明のいくつかの実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の態様で実施できることは勿論である。例えば、非閉塞の貫通孔126の開孔領域から酸素注入を図るに当たり、酸素極20と水素極30の両電極間の電圧印可を定電圧印可を想定したが、次のように変形できる。図16は酸素注入のための電圧印可の変形例を説明する説明図である。
図11に示す構成において、電源70をその出力電圧を可変のもの、或いは、回路中に可変抵抗を組み込む。そして、制御装置60により、出力電圧を上下に可変制御したり、可変抵抗値の上下制御により、酸素極20の側の電位を上下に変動させる。こうすれば、酸素極20にかかる負極電位は、図16に点線で示すように変化する。このように電位変動が起きると、格子間酸素欠損への酸素原子導入反応も電気化学反応であるという性質上、格子間酸素欠損への酸素原子導入は活発に進行すると予想される。よって、電圧印可下における酸素極20の側の非閉塞の貫通孔126の開孔領域から電解質膜層110への酸素原子の導入は促進され、電解質膜層110でのプロトン伝導の性質維持に有益である。
実施例の燃料電池10を構成するセルの断面を模式的に示す説明図である。 電解質膜100の製造工程を説明するための工程図である。 薄膜形成の様子を模式的に示す説明図である。 第2実施例の製造工程を説明するための工程図である。 第2実施例の製造工程での薄膜形成の様子を模式的に示す説明図である。 他の酸素極側膜層125を有する燃料電池セルの断面を模式的に示す説明図である。 電解質膜100の製造工程を示す工程図である。 製造工程で行う貫通孔形成の準備の様子を示す説明図である。 酸素極側膜層125での貫通孔形成の様子を示す説明図である。 貫通孔126の他の形態を説明するための説明図である。 電解質膜100を組み込み済み完成させた燃料電池10の状態で貫通孔126を酸素注入に用いた実施例を説明するための説明図である。 酸素抜け抑制モード運転の内容を示すフローチャートである。 燃料電池稼働中の酸素抜け抑制のための燃料電池10の上乗せ発電の様子を説明する説明図である。 酸素注入のために行う強制的な発電の様子の一例を示す説明図である。 強制的な発電の様子の他の例を示す説明図である。 酸素注入のための電圧印可の変形例を説明する説明図である。
符号の説明
10...燃料電池
20...酸素極
22...酸素流路
30...水素極
32...水素流路
40...ポンプ
50...改質装置
60...制御装置
62...温度センサ
64...電流センサ
70...電源
80...スイッチ
100...電解質膜
110...電解質膜層
120...水素分離膜層

Claims (7)

  1. 水素含有の燃料ガスの供給を受ける水素極と、酸素含有の酸素ガスの供給を受ける酸素極と、両極の間に配設されて両極と接合する電解質膜とを備える燃料電池であって、
    前記電解質膜は、
    前記水素極側に、水素を選択的に透過する性質の水素分離膜層と、
    格子間酸素の欠損への酸素原子導入が起きた状態でプロトン伝導の性質を呈する酸素欠損型プロトン伝導体化合物で前記水素分離層の表面に形成された電解質膜層と、
    プロトン伝導の性質を呈する材料を用いて前記酸素極側に位置するよう前記電解質膜層の表面に形成され、膜層における酸素原子の移動を抑制する性質を発揮する酸素極側膜層とを備え、
    該酸素極側膜層は、
    格子間酸素の欠損への酸素原子導入が起きた状態でプロトン伝導の性質を呈する酸素欠損型プロトン伝導体化合物で前記電解質膜層の表面に形成された膜層であって、
    前記酸素極側膜層を形成する酸素欠損型プロトン伝導体化合物は、前記電解質膜層を形成する酸素欠損型プロトン伝導体化合物より、酸素イオン伝導率が小さい化合物である
    燃料電池。
  2. 請求項1記載の燃料電池であって、
    前記酸素極側膜層は、
    層を貫通する貫通孔を備え、該貫通孔の孔範囲において前記電解質膜層を前記酸素極に対して露出させている
    燃料電池。
  3. 請求項2記載の燃料電池であって、
    前記電解質膜層における前記格子間酸素欠損に導入済み酸素原子の抜けの度合いを推定する推定手段と、
    前記導入済み酸素原子の抜けの度合いが高まったと推定されると、前記酸素極の側から前記貫通孔を経て前記電解質膜層に酸素を補給し、前記格子間酸素欠損に導入済み酸素原子の抜けを補う酸素補給手段とを有する
    燃料電池。
  4. 燃料電池の水素極と酸素極の間に配設されて両極と接合する電解質膜を製造する製造方法であって、
    水素を選択的に透過する性質の水素分離膜層を形成する工程(1)と、
    格子間酸素の欠損への酸素原子導入が起きた状態でプロトン伝導の性質を呈する酸素欠損型プロトン伝導体化合物を用いて、前記水素分離層の表面に電解質膜層を形成する工程(2)と、
    プロトン伝導の性質と酸素原子の移動が制限された性質とを有する化合物を用いて、前記電解質膜層の表面に被覆膜層を形成する工程(3)とを有し、
    前記被覆膜層を形成する工程(3)は、
    前記電解質膜層が前記格子間酸素の欠損への酸素原子導入が起きた状態にある状況下で実行される工程であって、
    前記被覆膜層の形成に用いる化合物として、格子間酸素の欠損への酸素原子導入が起きた状態でプロトン伝導の性質を呈する酸素欠損型プロトン伝導体化合物であって、前記電解質膜層を形成する酸素欠損型プロトン伝導体化合物より、酸素イオン伝導率が小さい酸素欠損型プロトン伝導体化合物を用いる
    電解質膜の製造方法。
  5. 請求項4記載の電解質膜の製造方法であって、
    前記電解質膜層を形成する工程(2)は、
    前記水素分離層をチャンバー内に配置して、前記酸素欠損型プロトン伝導体化合物を用いて前記水素分離層の表面に電解質膜層を製膜し、
    前記被覆膜層を形成する工程(3)は、
    前記電解質膜層を形成する工程(2)に用いたチャンバー内を酸素分圧の高い環境下に置くことで、前記電解質膜層が前記格子間酸素の欠損への酸素原子導入が起きた状態の状況下に置き、前記化合物を用いて前記電解質膜層の表面に前記被覆膜層を製膜する
    電解質膜の製造方法。
  6. 請求項4記載の電解質膜の製造方法であって、
    前記被覆膜層を形成する工程(3)は、
    前記電解質膜層に膜表面から酸素原子を注入することで、前記電解質膜層が前記格子間酸素の欠損への酸素原子導入が起きた状態の状況下に置き、前記化合物を用いて前記電解質膜層の表面に前記被覆膜層を製膜する
    電解質膜の製造方法。
  7. 請求項6記載の電解質膜の製造方法であって、
    前記被覆膜層を形成する工程(3)は、
    前記電解質膜層の表面の一部領域が露出するよう、前記化合物を用いて前記電解質膜層の表面に前記被覆膜層を製膜する工程と、
    前記電解質膜層の前記露出領域の膜表面から酸素原子を注入することで、前記電解質膜層が前記格子間酸素の欠損への酸素原子導入が起きた状態の状況下に置き、前記露出領域を被覆する工程とを有する
    電解質膜の製造方法。
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