JPH09199151A - 燃料電池およびその触媒処理方法 - Google Patents

燃料電池およびその触媒処理方法

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JPH09199151A
JPH09199151A JP8003766A JP376696A JPH09199151A JP H09199151 A JPH09199151 A JP H09199151A JP 8003766 A JP8003766 A JP 8003766A JP 376696 A JP376696 A JP 376696A JP H09199151 A JPH09199151 A JP H09199151A
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electrode
fuel cell
fuel
gas
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Katsunori Sakai
勝則 酒井
Tadahiko Taniguchi
忠彦 谷口
Toru Yajima
亨 矢嶋
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Original Assignee
Toshiba Corp
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    • H01M8/04298Processes for controlling fuel cells or fuel cell systems
    • H01M8/04313Processes for controlling fuel cells or fuel cell systems characterised by the detection or assessment of variables; characterised by the detection or assessment of failure or abnormal function
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Abstract

(57)【要約】 【課題】燃料電池積層体において触媒層中の3相界面形
成状態の不均一が生じた場合に、燃料電池積層体の全単
位セルを同等かつ良好な触媒状態(所定の3相界面面
積)に移行させて、均一かつ良好な電池特性を得るこ
と。 【解決手段】冷却板4間で、電圧抑制可変抵抗7を介し
て任意に電気回路8を形成し、電気回路8に配設され、
冷却板4間の電圧を測定する電圧測定手段9,10と、
電圧測定手段9,10により測定された電圧の値に基づ
いて電圧抑制可変抵抗7を制御することで、電気回路8
に発生する電圧を所定値に制御する電圧抑制制御手段1
1と、燃料電池積層体3の運転停止中に、燃料極1aお
よび酸化剤極1bそれぞれ個別に水素ガスもしくは酸化
剤ガスを供給可能な配管手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばリン酸を電
解質とした燃料電池およびその触媒層の処理操作方法に
係り、特に燃料電池積層体の部分的な単位セルの触媒層
の触媒層処理操作を改良した燃料電池およびその触媒処
理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、燃料の有する化学エネルギー
を直接電気エネルギーに変換する装置として、燃料電池
が知られている。この燃料電池は、一般に、多孔質材料
を使用した一対の電極、すなわち燃料極(以下、アノー
ドと称する)と酸化剤極(以下、カソードと称する)と
の間に、電解質を保持した電解質層を挟み、アノードの
背面に水素等の燃料ガスを接触させると共に、カソード
の背面に酸素ガスや空気等の酸化剤ガスを接触させ、こ
の時に生じる電気化学反応を利用して、上記各電極間か
ら電気エネルギーを取り出すようにした装置である。
【0003】ここで、電解質としては、酸性溶液、溶融
炭酸塩、アルカリ溶液等があるが、現在では、電解質と
してリン酸を用いたリン酸型の燃料電池が最も実用的と
考えられている。
【0004】図4は、この種の燃料電池のうち、電解質
としてリン酸を使用した一般的なリン酸型燃料電池の構
成例を示す分解斜視図である。すなわち、図4に示すよ
うに、多孔質材料を使用したアノード1aとカソード1
bとの間に、リン酸を含有した電解質層1cを挟んで形
成された単位セル1が、ガス分離板2を介して複数個積
層して、燃料電池積層体3が形成されている。
【0005】また、この単位セル1のアノード1a、お
よびカソード1bには、それぞれ電解質層1cと対向す
る面側に、白金等の貴金属による触媒が塗布されてい
る。さらに、アノード1aの背面には、水素等の燃料ガ
スが流通する燃料流通溝が、またカソード1bの背面に
は、酸素等の酸化剤ガスが流通する酸化剤ガス流通溝が
それぞれ形成されている。
【0006】一方、この単位セル1と、ガス分離板2と
を交互に複数個積層し、一定数積層する毎に冷却板4が
挿入されている。また、ガス分離板2は、アノード1a
およびカソード1bのそれぞれに供給されるガスを区分
すると共に、単位セル1間の電気的接続を確保するよう
に構成されている。
【0007】さらに、冷却板4は、内部に水等の冷媒を
流すことにより、単位セル1で起こる電気化学的反応に
伴なって生じる熱を除去して、燃料電池積層体3の温度
を一定に保つように構成されている。
【0008】また、この燃料電池積層体3には、燃料電
池積層体3で発生した電流を取り出すために、その上下
の端部に図示しない集電板が配置されている。さらに、
燃料電池積層体3の側面には、燃料ガスと酸化剤ガスを
それぞれ供給・排出する図示しないガスマニホールドが
配置されている。
【0009】なお、一般に、アノード1aおよびカソー
ド1b、ガス分離板2、冷却板4は、いずれも炭素を材
料として作られている。この炭素を用いる理由は、耐リ
ン酸性、耐熱性、電気伝導性、熱伝導性に優れ、かつ低
コストで製作できるためである。
【0010】さて、以上のような構成を有するリン酸型
燃料電池では、各単位セル1において、アノード1aに
供給された水素が、アノード1aに塗布された触媒の作
用によって、次のような反応が起こる。
【0011】H2 →2H+ +2e- この水素の解離反応により発生した水素イオン(H+
は、電解質層1cに蓄えられたリン酸中を移動し、カソ
ード1bに達する。一方、電子(e- )は、アノード1
aから外部回路を流れ、電力負荷を通って仕事をし、カ
ソード1bに達する。そして、アノード1aから移動し
てきた水素イオン(H+ )と、カソード1bに供給され
た酸素(O2 )と、外部回路で仕事をしてきた電子(e
- )とにより、カソード1bに塗布された触媒の作用に
よって、次のような反応が起こる。
【0012】4H+ +O2 +4e- →2H2 O 従って、単位セル1では、水素が酸化されて水になると
共に、この時の化学エネルギーが外部の電力負荷に与え
る電気負荷となる。このようにして、単位セル1の電池
としての全反応が完結する。
【0013】なお、上記の単位セル1における反応は、
発熱反応であるが、これは燃料電池積層体3の内部に挿
入されている冷却板4によって冷却される。また、実際
のリン酸型燃料電池では、通常、燃料ガスとしては、主
として、メタン(CH4 )からなる天然ガスに水蒸気
(H2 O)を加えて加熱し、次のような反応によって発
生させた水素ガスを用いる。
【0014】CH4 +H2 O→3H2 +CO CO+H2 O→H2 +CO2 この反応では、水素ガスと共に二酸化炭素(CO2 )も
同時に発生する。
【0015】従って、燃料電池に供給されるガスは、水
素ガスと二酸化炭素との混合ガスである。また、未反応
のメタンガスや一酸化炭素(CO)も僅かながら含まれ
ているが、これらの量は無視できる程である。
【0016】なお、以下の説明では、この混合ガスのこ
とを燃料ガスと称する。二酸化炭素は、電気化学的に不
活性であるので、燃料電池に供給されても上記の反応を
阻害することはない。
【0017】また、酸化剤ガスとしては、一般に空気が
用いられる。この空気は、主に窒素ガスと酸素とからな
るが、窒素ガスも不活性ガスであるので、燃料電池に供
給されても問題はない。
【0018】ところで、このようなリン酸等の酸性溶液
を用いる燃料電池においては、電極反応は、例えば上記
のように、貴金属触媒を担持させたカーボン等からなる
固相、リン酸等の電解質からなる液相、および燃料ガス
または酸化剤ガスからなる気相の三つの相が共存する場
合には、一般に3相界面と称されるが、この3相界面の
面積によって、燃料電池の電極反応、つまり電池特性が
決定されるといっても過言ではない。
【0019】すなわち、この3相界面の面積が小さいほ
ど電池特性は低下し、逆にこの3相界面の面積が大きい
ほど電池特性は向上して、高性能の燃料電池を得ること
ができる。
【0020】このように、燃料電池特性に影響を及ぼす
3相界面の面積を考える上において、カーボンからなる
固相へのリン酸等の電解質からなる液相の“濡れ性(浸
透性)”は重要な性質となってきている。
【0021】上述したように、リン酸等の酸性溶液を用
いる燃料電池では、貴金属触媒担持させたカーボン等か
らなる固相、リン酸等の電解質からなる液相、および燃
料ガスまたは酸化剤ガスのような反応ガスからなる気相
の三つの相からなる3相界面の面積によって、燃料電池
の電極反応、すなわち電池特性が決定されるものである
から、この3相界面の面積を長期にわたって、安定に維
持することが不可欠な問題となってきている。そして、
この3相界面は、特に固相である貴金属触媒を担持させ
たカーボンとフッ素樹脂からなる電極材料の性質によっ
て変化するものであることから、均一な電極組織を形成
するために、電極製造段階で種々の検討がなされてきて
いる。
【0022】しかしながら、数百枚にも上る電極材料の
性質を均一に製造することは困難な技術の一つであり、
製造された電極には製造上の不均一を含むことから、そ
の結果、数百枚にも上る燃料電池積層体3の単位セル電
圧特性に均一性を欠く現象が生じている。
【0023】これは、すなわち、カーボン等からなる固
相へのリン酸等の電解質からなる液相の“濡れ性(浸透
性)”の不均一によるものであることが、例えば文献
(電学論B,113巻11号、平成5年、リン酸型燃料
電池酸化剤極の初期性能不安定現象)等によって検討さ
れてきている。
【0024】一方、燃料電池の作製当初は、貴金属触媒
を担持させたカーボン等からなる触媒層(固相)には、
電解質であるリン酸(液相)が侵入していないため、反
応ガスを供給しても3相界面が形成されず、この状態で
の発電運転は困難である。このため、通常は、燃料電池
運転直前に触媒層(固相)へのリン酸(液相)侵入操
作、いわゆる“触媒層処理操作”が実施される。そし
て、この触媒層処理操作に関しては、種々の文献、特許
等によって公知報告がなされている。しかしながら、こ
れらにより報告されている初期化操作は、燃料電池積層
体3を一括して実施するものである。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
燃料電池においては、カーボン等からなる固相へのリン
酸等の電解質からなる液相の“濡れ性(浸透性)”の不
均一性に起因して、燃料電池積層体の単位セル電圧特性
の不均一が発生するという問題が生じてくる。
【0026】すなわち、具体的には、電極の“濡れ性
(浸透性)”にバラツキが有る場合には、前記のような
触媒層処理操作を実施すると、“濡れ性”が良好な電極
は、固相へ容易にリン酸(液相)が侵入して、所定の3
相界面の面積を有することができるが、“濡れ性(浸透
性)”が悪い電極は、固相へのリン酸侵入が不十分であ
り、所定の3相界面の面積まで至らない結果となる。
【0027】この状態での燃料電池定格運転は、非常に
不安定であり、特に3相界面形成が不十分な電極(濡れ
性が悪い電極)に至っては、電圧低下が顕著となり、極
端な場合には転極現象に至る恐れがある。そして、この
転極現象が生じた場合には、電極部材であるカーボンの
電食が発生するため、電池破損につながって発電運転が
不可能となる。
【0028】本発明の目的は、燃料電池積層体において
触媒層中の3相界面形成状態の不均一が生じた場合に、
燃料電池積層体の全単位セルを同等かつ良好な触媒状態
(所定の3相界面面積)に移行させて、均一かつ良好な
電池特性を得ることが可能な燃料電池およびその触媒処
理方法を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、まず、請求項1に対応する発明では、電解質を含
浸した電解質層を挟んで、貴金属触媒を担持したカーボ
ンからなる触媒層を電解質層側に有する燃料極および酸
化剤極を配置して単位セルを形成し、かつ当該単位セル
を、セパレーター、または内部に冷媒を循環させる冷却
管が埋設された冷却板を介し複数個積層して燃料電池積
層体を形成し、当該燃料電池積層体の燃料極および酸化
剤極に燃料ガスおよび酸化剤ガスをそれぞれ供給するこ
とによって電気出力を得るようにした燃料電池におい
て、冷却板間で、電圧抑制可変抵抗を介して任意に電気
回路を形成し、電気回路に配設され、冷却板間の電圧を
測定する電圧測定手段と、電圧測定手段により測定され
た電圧の値に基づいて電圧抑制可変抵抗を制御すること
で、電気回路に発生する電圧を所定値に制御する電圧抑
制制御手段と、燃料電池積層体の運転停止中に、燃料極
および酸化剤極それぞれ個別に水素ガスもしくは酸化剤
ガスを供給可能な配管手段とを備えて成る。
【0030】一方、電解質を含浸した電解質層を挟ん
で、貴金属触媒を担持したカーボンからなる触媒層を電
解質層側に有する燃料極および酸化剤極を配置して単位
セルを形成し、かつ当該単位セルを、セパレーター、ま
たは内部に冷媒を循環させる冷却管が埋設された冷却板
を介し複数個積層して燃料電池積層体を形成し、当該燃
料電池積層体の燃料極および酸化剤極に燃料ガスおよび
酸化剤ガスをそれぞれ供給することによって電気出力を
得る燃料電池で、燃料極または酸化剤極の触媒層への電
解質侵入状態不十分に依存したセル特性不良部分を有す
る燃料電池積層体の触媒処理方法において、請求項2に
対応する発明では、冷却板間で、電圧抑制可変抵抗を介
して任意に電気回路を形成し、電気回路に配設され、冷
却板間の電圧を測定する電圧測定手段と、電圧測定手段
により測定された電圧の値に基づいて電圧抑制可変抵抗
を制御することで、電気回路に発生する電圧を所定値に
制御する電圧抑制制御手段と、燃料極および酸化剤極そ
れぞれ個別に水素ガスもしくは酸化剤ガスを供給可能な
配管手段とを備え、燃料電池積層体の運転停止中に、燃
料極または酸化剤極のいずれか一方の電解質侵入状態不
十分な電極に酸化剤ガスを供給すると共に、他方の電極
に水素ガスを供給し、さらにセル特性不良部分以外の部
分を挟む冷却板間で形成した電気回路に配設した電圧測
定手段および電圧抑制制御手段により、セル特性不良部
分以外の部分の電圧を所定値に、またセル特性不良部分
のみを電気的に開回路状態とすることで、酸化剤ガスを
供給した電極を酸化剤電位に、それぞれ一定時間保持す
るようにしている。
【0031】また、請求項3に対応する発明では、冷却
板間で、電圧抑制可変抵抗を介して任意に電気回路を形
成し、電気回路に配設され、前記冷却板間の電圧を測定
する電圧測定手段と、電圧測定手段により測定された電
圧の値に基づいて電圧抑制可変抵抗を制御することで、
電気回路に発生する電圧を所定値に制御する電圧抑制制
御手段と、燃料極および酸化剤極それぞれ個別に水素ガ
スもしくは酸化剤ガスを供給可能な配管手段とを備え、
燃料電池積層体の運転停止中に、燃料極または酸化剤極
のいずれか一方の電解質侵入状態不十分な電極に酸化剤
ガスを供給すると共に、他方の極に水素ガスを供給し、
さらにセル特性不良部分以外の部分を挟む冷却板間で形
成した電気回路に配設した電圧測定手段および電圧抑制
制御手段により、セル特性不良部分以外の部分の電圧を
所定値に、またセル特性不良部分のみを電気的に開回路
状態とすることで、酸化剤ガスを供給した電極を酸化剤
電位に、それぞれ一定時間保持した後に、燃料極および
酸化剤極を不活性ガスで十分パージして、先に酸化剤ガ
スを供給した電極側に水素ガスを、また先に水素ガスを
供給した電極側に酸化剤ガスをそれぞれ供給し、さらに
セル特性不良部分以外の部分を挟む冷却板間で形成した
電気回路に配設した電圧測定手段および電圧抑制制御手
段により、セル特性不良部分以外の部分の電圧を所定値
に、またセル特性不良部分のみを電気的に開回路状態と
することで、酸化剤ガスを供給した電極を酸化剤電位
に、それぞれ一定時間保持するようにしている。
【0032】ここで、特に例えば請求項4および請求項
5に記載したように、上記燃料電池積層体の燃料極また
は酸化剤極のいずれか一方の電解質侵入状態不十分な電
極に酸化剤ガスを供給すると共に、他方の電極に水素ガ
スを供給した場合に発生する電圧に対して、セル特性不
良部分を挟む冷却板間で形成した電気回路を開回路状態
に制御し、またセル特性不良部以外の部分を挟む冷却板
間で形成した電気回路を当該冷却板間の電圧が0〜0.
8V/セル、より好ましくは、0.3〜0.7V/セル
の範囲に制御し、それぞれ一定時間保持することが好ま
しい。
【0033】また、例えば請求項6および請求項7に記
載したように、上記燃料電池積層体の温度を、常温〜摂
氏180度、より好ましくは、常温〜摂氏100度の範
囲の温度領域に一定時間保持することが好ましい。
【0034】さらに、例えば請求項8に記載したよう
に、上記電圧制御保持時間は、燃料電池積層体の温度と
セル特性不良部分へ電解質を侵入させる量との関係に基
づいて決定することが好ましい。
【0035】さらにまた、例えば請求項9に記載したよ
うに、上記燃料電池停止中に燃料極または酸化剤極のい
ずれか一方の電解質侵入状態不十分な電極に供給する酸
化剤ガスとしては、空気を供給することが好ましい。
【0036】一方、請求項10に対応する発明では、電
解質を含浸した電解質層を挟んで、貴金属触媒を担持し
たカーボンからなる触媒層を電解質層側に有する燃料極
および酸化剤極を配置して単位セルを形成し、かつ当該
単位セルを、セパレーター、または内部に冷媒を循環さ
せる冷却管が埋設された冷却板を介し複数個積層して燃
料電池積層体を形成し、当該燃料電池積層体の燃料極お
よび酸化剤極に燃料ガスおよび酸化剤ガスをそれぞれ供
給することによって電気出力を得る燃料電池で、燃料極
または酸化剤極の触媒層への電解質侵入状態不十分に依
存したセル特性不良部分を有する燃料電池積層体の触媒
処理方法において、冷却板間で、電圧抑制可変抵抗を介
して任意に電気回路を形成し、電気回路に配設され、冷
却板間の電圧を測定する電圧測定手段と、電圧測定手段
により測定された電圧の値に基づいて電圧抑制可変抵抗
を制御することで、電気回路に発生する電圧を所定値に
制御する電圧抑制制御手段と、燃料極および酸化剤極そ
れぞれ個別に水素ガスもしくは酸化剤ガスを供給可能な
配管手段とを備え、燃料電池積層体の運転停止中に、燃
料極または酸化剤極のいずれか一方の電解質侵入状態不
十分な電極に酸化剤ガスを供給すると共に、他方の電極
に水素ガスを供給し、さらにセル特性不良部分以外の部
分を挟む冷却板間で形成した電気回路に配設した電圧測
定手段および電圧抑制制御手段により、セル特性不良部
分以外の部分の電圧を所定値に、またセル特性不良部分
のみを電気的に開回路状態とすることで、酸化剤ガスを
供給した電極を酸化剤電位に、それぞれ一定時間保持し
た後に、電解質侵入不十分な電極においては、酸化剤ガ
スの供給を遮断して不活性ガスによるパージを行なうと
同時に、セル特性不良部分以外の部分を挟む冷却板間で
形成した電気回路を解除し、かつ燃料電池積層体の燃料
極と酸化剤極との間に残留電圧抑制用抵抗(ダミー抵
抗)を投入することで、燃料電池積層体内の残留酸化剤
ガスを消費除去し、最後に水素ガスの供給を遮断して不
活性ガスによるパージを行なうようにしている。
【0037】従って、まず、請求項1に対応する発明の
燃料電池においては、以上のような手段を備えたことに
より、燃料電池積層体において触媒層中の3相界面形成
状態の不均一が生じた場合には、触媒層への電解質侵入
が不十分な3相界面形成不十分電極に対して、独立して
所定の3相界面面積を有するように、触媒層へ電解質を
侵入させることによって、燃料電池積層体の個々の電極
の3相界面を所定の状態に調整することが可能となるた
め、燃料電池積層体の全単位セルを同等かつ良好な触媒
状態(所定の3相界面面積)に移行させて、均一かつ良
好な電池特性を得ることができる。
【0038】一方、請求項2に対応する発明の燃料電池
の触媒処理方法においては、燃料極または酸化剤極の触
媒層への電解質侵入状態不十分に依存したセル特性不良
部分を有する燃料電池積層体の触媒処理方法として、燃
料電池積層体の運転停止中に、燃料極または酸化剤極の
いずれか一方の電解質侵入状態不十分な電極に酸化剤ガ
スを供給すると共に、他方の電極に水素ガスを供給し、
さらにセル特性不良部分以外の部分を挟む冷却板間で形
成した電気回路に配設した電圧測定手段および電圧抑制
制御手段によって、セル特性不良部分以外の部分の電圧
を所定値に、またセル特性不良部分のみを電気的に開回
路状態とすることで、酸化剤ガスを供給した電極を酸化
剤電位に、それぞれ一定時間保持することにより、燃料
電池積層体において触媒層中の3相界面形成状態の不均
一が生じた場合には、触媒層への電解質侵入が不十分な
3相界面形成不十分電極に対して、独立して電圧不良部
分の電極触媒に電解質を侵入させることで、所定の3相
界面の面積を有する良好な3相界面状態の触媒層を形成
することが可能となるため、燃料電池積層体の全単位セ
ルを同等かつ良好な触媒状態(所定の3相界面面積)に
移行させて、均一かつ良好な電池特性を得ることができ
る。
【0039】また、請求項3に対応する発明の燃料電池
の触媒処理方法においては、燃料電池積層体の運転停止
中に、燃料極または酸化剤極のいずれか一方の電解質侵
入状態不十分な電極に酸化剤ガスを供給すると共に、他
方の極に水素ガスを供給し、さらにセル特性不良部分以
外の部分を挟む冷却板間で形成した電気回路に配設した
電圧測定手段および電圧抑制制御手段によって、セル特
性不良部分以外の部分の電圧を所定値に、またセル特性
不良部分のみを電気的に開回路状態とすることで、酸化
剤ガスを供給した電極を酸化剤電位に、それぞれ一定時
間保持した後に、燃料極および酸化剤極を不活性ガスで
十分パージして、先に酸化剤ガスを供給した電極側に水
素ガスを、また先に水素ガスを供給した電極側に酸化剤
ガスをそれぞれ供給し、さらにセル特性不良部分以外の
部分を挟む冷却板間で形成した電気回路に配設した電圧
測定手段および電圧抑制制御手段により、セル特性不良
部分以外の部分の電圧を所定値に、またセル特性不良部
分のみを電気的に開回路状態とすることで、酸化剤ガス
を供給した電極を酸化剤電位に、それぞれ一定時間保持
することにより、燃料電池積層体において触媒層中の3
相界面形成状態の不均一が生じた場合には、触媒層への
電解質侵入が不十分な3相界面形成不十分電極に対し
て、独立して電圧不良部分の電極触媒に電解質を侵入さ
せることで、所定の3相界面の面積を有する良好な3相
界面状態の触媒層を形成することが可能となるため、燃
料電池積層体の全単位セルを同等かつ良好な触媒状態
(所定の3相界面面積)に移行させて、均一かつ良好な
電池特性を得ることができる。
【0040】さらに、請求項10に対応する発明の燃料
電池の触媒処理方法においては、燃料電池積層体の運転
停止中に、燃料極または酸化剤極のいずれか一方の電解
質侵入状態不十分な電極に酸化剤ガスを供給すると共
に、他方の電極に水素ガスを供給し、さらにセル特性不
良部分以外の部分を挟む冷却板間で形成した電気回路に
配設した電圧測定手段および電圧抑制制御手段によっ
て、セル特性不良部分以外の部分の電圧を所定値に、ま
たセル特性不良部分のみを電気的に開回路状態とするこ
とで、酸化剤ガスを供給した電極を酸化剤電位に、それ
ぞれ一定時間保持した後に、電解質侵入不十分な電極に
おいては、酸化剤ガスの供給を遮断して不活性ガスによ
るパージを行なうと同時に、セル特性不良部分以外の部
分を挟む冷却板間で形成した電気回路を解除し、かつ燃
料電池積層体の燃料極と酸化剤極との間に残留電圧抑制
用抵抗(ダミー抵抗)を投入することで、燃料電池積層
体内の残留酸化剤ガスを消費除去し、最後に水素ガスの
供給を遮断して不活性ガスによるパージを行なうことに
より、燃料電池積層体において触媒層中の3相界面形成
状態の不均一が生じた場合には、触媒層への電解質侵入
が不十分な3相界面形成不十分電極に対して、独立して
電圧不良部分の電極触媒に電解質を侵入させることで、
所定の3相界面の面積を有する良好な3相界面状態の触
媒層を形成することが可能となるため、燃料電池積層体
の全単位セルを同等かつ良好な触媒状態(所定の3相界
面面積)に移行させて、均一かつ良好な電池特性を得る
ことができる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して詳細に説明する。 (第1の実施形態)図1は本実施形態によるリン酸型燃
料電池の一例を示す構成図、図2は同実施形態によるリ
ン酸型燃料電池プラントの一例を示す構成図であり、図
4と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、
ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0042】まず、図1において、燃料電池積層体3の
各冷却板4に埋設された冷却管4aには、それぞれ電気
的導線5を接続し、さらに個々の電気的導線5には開閉
スイッチ6を配置し、電圧抑制可変抵抗7を介して、冷
却板4間で任意に電気回路8を形成している。
【0043】また、各冷却管4aには、それぞれ電圧測
定線9を接続し、さらに個々の電圧測定線9間には、冷
却板4間の電圧を測定する電圧測定手段である電圧検出
器10に接続している。
【0044】さらに、個々の電圧検出器10により測定
された電圧信号を電圧抑制制御装置11に入力し、その
電圧測定値に基づいて電圧抑制可変抵抗7を制御するこ
とで、電気回路8に発生する電圧を所定値に制御するよ
うに構成している。
【0045】一方、図2において、アノード1aおよび
カソード1bの入口ライン12,13には、アノード入
口遮断弁14およびカソード入口遮断弁15をそれぞれ
設けている。このアノード入口遮断弁14およびカソー
ド入口遮断弁15は、本リン酸型燃料電池プラントの運
転停止中に、手動または自動にて全閉されるものであ
る。
【0046】また、アノード入口遮断弁14とアノード
1aとの間のラインには、不活性ガス(本例では、N2
ガス)を供給するN2 供給ライン16、H2 ガスを供給
するH2 供給ライン17、および酸化剤ガス(本例で
は、Air)を供給するAir供給ライン18を、それ
ぞれN2 供給制御弁19、H2 供給制御弁20、および
Air供給制御弁21を介して接続している。
【0047】一方、カソード入口遮断弁15とカソード
1bとの間のラインには、不活性ガス(本例では、N2
ガス)を供給するN2 供給ライン22、H2 ガスを供給
するH2 供給ライン23、および酸化剤ガス(本例で
は、Air)を供給するAir供給ライン24を、それ
ぞれN2 供給制御弁25、H2 供給制御弁26、および
Air供給制御弁27を介して接続している。
【0048】また、燃料電池積層体3のアノード1a端
とカソード1b端との間には、燃料電池積層体3全体の
残留電圧抑制用のダミー抵抗30を接続可能に配置して
いる。
【0049】次に、以上のように構成した本実施形態の
リン酸型燃料電池の燃料電池積層体3における部分的な
触媒処理方法について説明する。まず、本リン酸型燃料
電池の燃料電池積層体3を、定格運転条件(常圧、電流
密度300mA/cm2 、温度摂氏205度)において
初発電を行なったところ、各冷却板4間に設置した電圧
検出器10の測定結果(以下、冷却板4間の電圧をサブ
スタック電圧と称する)は、図3(a)に示すように、
一部のサブスタック電圧に顕著な特性不良が発生した。
【0050】そこで、種々の電池診断試験(利用率特
性、H2 ゲイン、O2 ゲイン)を実施したところ、図3
(b)、および下表に示すような結果が得られた。ここ
で、H2 ゲインは、70%H2 濃度である燃料ガスを、
100%H2 に変えた場合の電圧増大分(ゲイン)を求
めるものである。また、O2 ゲインは、21%O2 濃度
である空気を、100%O2 に変えた場合の電圧増大分
(ゲイン)を求めるものである。
【0051】
【表1】
【0052】上記表、および図3(b)に示される結果
から、電圧不良部分と良好部分において、H2 ゲイン、
2 ゲイン、およびH2 利用率特性に明確な相違は認め
られないが、O2 利用率特性において、電圧不良部分の
データーは大きく劣ることが明らかになった。
【0053】これから、電圧不良部分は、カソード1b
の触媒層のリン酸侵入状態が不十分に依存した3相界面
形成不十分と判断し、このカソード1bの触媒層へリン
酸を侵入させる以下のような処理操作(部分的な触媒処
理)を行なう。
【0054】すなわち、燃料電池積層体3の発電反応を
速やかに停止し、燃料電池積層体3の温度を保管温度で
ある摂氏50度に保持するように、冷却板4に流れる冷
却水の温度を制御する。この時、アノード入口遮断弁1
4、およびカソード入口遮断弁15は、全閉とする。
【0055】次に、燃料電池積層体3の電圧良好部分を
挟み込む冷却板4に配置された開閉スイッチ6を閉する
ことで、電圧抑制可変抵抗7を介した電気回路8を形成
する。
【0056】一方、触媒層の3相界面形成状態が良好と
判断されたアノード1aへ、H2 供給制御弁20を開し
て、H2 供給ライン17よりH2 ガスを供給する。その
後、触媒層の3相界面形成状態が不良と判断されたカソ
ード1bへ、Air供給制御弁27を開して、Air供
給ライン24よりAirを供給する。そして、この時、
発生する電圧は、各冷却板4間に配置した個々の電圧検
出器10により検出され、その出力信号は電圧抑制制御
装置11に入力される。
【0057】ここで、電圧抑制制御装置11は、燃料電
池積層体3の電圧良好部分を挟み込んだ電気回路8に配
置した電圧抑制可変抵抗7を制御することで、電圧良好
部分にあるサブスタック電圧を0.3〜0.7Vセルに
保持する。
【0058】一方、電圧不良部分は電気的に開路状態に
あるので、この部分のサブスタック電圧は、1V/セル
程度の高電圧(この場合、カソード1bが1Vの電位)
を保持することになる。
【0059】なお、上記の電圧保持時間は、燃料電池積
層体3の温度が摂氏50度であるので、12時間実施し
た。この電圧保持時間は、燃料電池積層体3の温度と触
媒層へのリン酸侵入程度とにより決定するもので、実験
値をベースに作成した図3(c)に基づいて決定される
ものである。
【0060】すなわち、図3(c)から、電圧不良部分
の現状の電池電圧と燃料電池積層体3の温度と電圧不良
部分の達成電池電圧との関係から、電圧保持時間が求め
られる。この図3(c)から明らかなように、燃料電池
積層体3の温度が高い程、電圧保持時間に伴なう電圧変
化は大きくなるが、摂氏100度以上になると、高電圧
に伴なう触媒シンタリング現象(触媒Pt粒径増大に伴
なうPt表面積の減少)が顕著となるため、保管温度付
近が望ましい。
【0061】また、図3(c)に示すように、高電圧保
持時間を長時間続けると、逆に電圧低減傾向に至る。こ
れは、高電位による触媒層へのリン酸侵入が過剰とな
る、いわゆる“濡れ過剰”状態によって気相部分が減少
し、3相界面の面積が減少することに依存するものであ
る。
【0062】最後に、12時間の電圧保持時間が経過し
た後、カソードAir供給制御弁27を開し、同時にN
2 供給制御弁25を開することで、カソード1b中に残
留するAirをN2 ガスでパージする。この時、電圧良
好部分を挟み込む冷却板4に配置した開閉スイッチ6を
開することで、電気回路8を解除する。
【0063】一方、燃料電池積層体3全体には、比較的
高い残留電圧(>0.8V/セル)が残るので、ダミー
抵抗30をアノード1aとカソード1bとの間に投入す
ることで、残留電圧を抑制する。この時、各サブスタッ
ク電圧の最大値が0.5V/セル以下にあることを確認
した後に、ダミー抵抗30を解除する。
【0064】その後、アノード側H2 供給制御弁20を
閉し、同時にN2 供給制御弁19を開することで、アノ
ード1a中に残留するH2 ガスをN2 ガスでパージす
る。上述したように、本実施形態のリン酸型燃料電池お
よびその触媒処理方法においては、電圧不良部分のカソ
ード1bの触媒層へリン酸を侵入させることで、良好な
3相界面状態を形成することができる。
【0065】これより、燃料電池積層体3の全単位セル
1が、同等かつ良好な触媒状態(所定の3相界面面積)
に移行することにより、均一かつ良好なセル特性を得る
ことが可能となる。
【0066】(第2の実施形態)リン酸型燃料電池の燃
料電池積層体3の初発電において、一部のサブスタック
電圧に顕著な電圧不良が発生し、前記第1の実施形態で
述べた診断試験の結果、電圧不良部分のアノード1aの
触媒層のリン酸侵入不十分に依存することが明らかにな
った。
【0067】この場合、電圧不良部分のアノード1aの
触媒層へリン酸を侵入させる処理操作は、前記第1の実
施形態で述べたアノード1aとカソード1bとが逆にな
る。すなわち、発電停止状態で保管温度摂氏50度にお
いて、カソード1bへH2ガス、アノード1aへAir
を供給する。この時、発生する電圧は、電圧良好部分で
は、その部分を挟む冷却板4間で形成した電気回路8に
配置した電圧抑制可変抵抗7を制御することで、0.3
〜0.7V/セルに保持される。
【0068】一方、電圧不良部分は開路状態にあるの
で、1V/セルの高電圧(この場合、アノード1aが1
Vの電位)を保持する。ここでの保持時間も、実験的に
求めた燃料電池積層体3の温度と触媒層へのリン酸侵入
程度との関係により決定される。
【0069】最後に、所定の保持時間が完了した後に、
アノード1aへのAirの供給を遮断し、N2 ガスを供
給することで、アノード1aの残留AirをN2 ガスで
パージする。この時、電圧良好部分を挟み込む冷却板4
間で形成した電気回路8を開し、一方燃料電池積層体3
に残留した電圧をダミー抵抗30を投入することで抑制
した後に、カソード1bへのH2 ガスの供給を遮断し、
2 ガスを供給することで、カソード1bの残留H2
スをN2 ガスでパージする。
【0070】上述したように、本実施形態のリン酸型燃
料電池およびその触媒処理方法においては、電圧不良部
分のアノード1aの触媒層へリン酸を侵入させること
で、良好な3相界面状態を形成することができる。
【0071】これより、燃料電池積層体3の全単位セル
1が、同等かつ良好な触媒状態(所定の3相界面面積)
に移行することにより、均一かつ良好なセル特性を得る
ことが可能となる。
【0072】(第3の実施形態)リン酸型燃料電池の燃
料電池積層体3の初発電において、一部のサブスタック
電圧に顕著な電圧不良が発生し、前記第1の実施形態で
述べた診断試験の結果、電圧不良部分のカソード1bの
触媒層、およびアノード1aの触媒層の両者のリン酸侵
入不十分に依存することが明らかになった。
【0073】この場合、電圧不良部分のカソード1bの
触媒層、およびアノード1aの触媒層へリン酸を侵入さ
せる処理操作は、前記第1の実施形態で述べた処理操作
を実施した後に、前記第2の実施形態で述べた処理操作
を連続して実施する。
【0074】すなわち、発電停止状態で保管温度摂氏5
0度において、アノード1aへH2ガス、カソード1b
へAirを供給する。この時、発生する電圧は、電圧良
好部分では、その部分を挟む冷却板4間で形成した電気
回路8に配置した電圧抑制可変抵抗7を制御すること
で、0.3〜0.7V/セルに保持される。
【0075】一方、電圧不良部分は開路状態にあるの
で、1V/セルの高電圧(この場合、カソード1bが1
Vの電位)を保持する。ここでの保持時間も、実験的に
求めた燃料電池積層体3の温度と触媒層へのリン酸侵入
程度との関係より決定される。
【0076】最後に、所定の保持時間が完了した後に、
カソード1bへのAirの供給を遮断し、N2 ガスを供
給することで、カソード1bの残留AirをN2 ガスで
パージする。この時、電圧良好部分を挟み込む冷却板4
間で形成した電気回路8を開し、一方燃料電池積層体3
に残留した電圧をダミー抵抗30を投入することで抑制
した後に、アノード1aへのH2 ガスの供給を遮断し、
2 ガスを供給することで、アノード1aの残留H2
スをN2 ガスでパージする。
【0077】次に、カソード1bへH2 ガス、アノード
1aへAirを供給する。この時、発生する電圧は、電
圧良好部分では、その部分を挟む冷却板4間で形成した
電気回路8に配置した電圧抑制可変抵抗7を制御するこ
とで、0.3〜0.7V/セルに保持される。
【0078】一方、電圧不良部分は開路状態にあるの
で、1V/セルの高電圧(この場合、アノード1aが1
Vの電位)を保持する。ここでの保持時間も、実験的に
求めた燃料電池積層体3の温度と触媒層へのリン酸侵入
程度との関係により決定される。
【0079】最後に、所定の保持時間が完了した後に、
アノード1aへのAirの供給を遮断し、N2 ガスを供
給することで、アノード1aの残留AirをN2 ガスで
パージする。この時、電圧良好部分を挟み込む冷却板4
間で形成した電気回路8を開し、一方燃料電池積層体3
に残留した電圧をダミー抵抗30を投入することで抑制
した後に、カソード1bへのH2 ガスの供給を遮断し、
2 ガスを供給することで、カソード1bの残留H2
スをN2 ガスでパージする。
【0080】上述したように、本実施形態のリン酸型燃
料電池およびその触媒処理方法においては、電圧不良部
分のカソード1bの触媒層、およびアノード1aの触媒
層へリン酸を侵入させることで、良好な3相界面状態を
形成することができる。
【0081】これより、燃料電池積層体3の全単位セル
1が、同等かつ良好な触媒状態(所定の3相界面面積)
に移行することにより、均一かつ良好なセル特性を得る
ことが可能となる。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に対応す
る発明によれば、電解質を含浸した電解質層を挟んで、
貴金属触媒を担持したカーボンからなる触媒層を電解質
層側に有する燃料極および酸化剤極を配置して単位セル
を形成し、かつ当該単位セルを、セパレーター、または
内部に冷媒を循環させる冷却管が埋設された冷却板を介
し複数個積層して燃料電池積層体を形成し、当該燃料電
池積層体の燃料極および酸化剤極に燃料ガスおよび酸化
剤ガスをそれぞれ供給することによって電気出力を得る
ようにした燃料電池において、冷却板間で、電圧抑制可
変抵抗を介して任意に電気回路を形成し、電気回路に配
設され、冷却板間の電圧を測定する電圧測定手段と、電
圧測定手段により測定された電圧の値に基づいて電圧抑
制可変抵抗を制御することで、電気回路に発生する電圧
を所定値に制御する電圧抑制制御手段と、燃料電池積層
体の運転停止中に、燃料極および酸化剤極それぞれ個別
に水素ガスもしくは酸化剤ガスを供給可能な配管手段と
を備えるようにしたので、燃料電池積層体において触媒
層中の3相界面形成状態の不均一が生じた場合に、燃料
電池積層体の全単位セルを同等かつ良好な触媒状態(所
定の3相界面面積)に移行させて、均一かつ良好な電池
特性を得ることが可能な燃料電池が提供できる。
【0083】一方、請求項2乃至請求項10に対応する
発明によれば、電解質を含浸した電解質層を挟んで、貴
金属触媒を担持したカーボンからなる触媒層を電解質層
側に有する燃料極および酸化剤極を配置して単位セルを
形成し、かつ当該単位セルを、セパレーター、または内
部に冷媒を循環させる冷却管が埋設された冷却板を介し
複数個積層して燃料電池積層体を形成し、当該燃料電池
積層体の燃料極および酸化剤極に燃料ガスおよび酸化剤
ガスをそれぞれ供給することによって電気出力を得る燃
料電池で、燃料極または酸化剤極の触媒層への電解質侵
入状態不十分に依存したセル特性不良部分を有する燃料
電池積層体の触媒処理方法において、冷却板間で、電圧
抑制可変抵抗を介して任意に電気回路を形成し、電気回
路に配設され、冷却板間の電圧を測定する電圧測定手段
と、電圧測定手段により測定された電圧の値に基づいて
電圧抑制可変抵抗を制御することで、電気回路に発生す
る電圧を所定値に制御する電圧抑制制御手段と、燃料極
および酸化剤極それぞれ個別に水素ガスもしくは酸化剤
ガスを供給可能な配管手段とを備え、燃料電池積層体の
運転停止中に、燃料極または酸化剤極のいずれか一方の
電解質侵入状態不十分な電極に酸化剤ガスを供給すると
共に、他方の電極に水素ガスを供給し、さらにセル特性
不良部分以外の部分を挟む冷却板間で形成した電気回路
に配設した電圧測定手段および電圧抑制制御手段によ
り、セル特性不良部分以外の部分の電圧を所定値に、ま
たセル特性不良部分のみを電気的に開回路状態とするこ
とで、酸化剤ガスを供給した電極を酸化剤電位に、それ
ぞれ一定時間保持するか、燃料電池積層体の運転停止中
に、燃料極または酸化剤極のいずれか一方の電解質侵入
状態不十分な電極に酸化剤ガスを供給すると共に、他方
の極に水素ガスを供給し、さらにセル特性不良部分以外
の部分を挟む冷却板間で形成した電気回路に配設した電
圧測定手段および電圧抑制制御手段により、セル特性不
良部分以外の部分の電圧を所定値に、またセル特性不良
部分のみを電気的に開回路状態とすることで、酸化剤ガ
スを供給した電極を酸化剤電位に、それぞれ一定時間保
持した後に、燃料極および酸化剤極を不活性ガスで十分
パージして、先に酸化剤ガスを供給した電極側に水素ガ
スを、また先に水素ガスを供給した電極側に酸化剤ガス
をそれぞれ供給し、さらにセル特性不良部分以外の部分
を挟む冷却板間で形成した電気回路に配設した電圧測定
手段および電圧抑制制御手段により、セル特性不良部分
以外の部分の電圧を所定値に、またセル特性不良部分の
みを電気的に開回路状態とすることで、酸化剤ガスを供
給した電極を酸化剤電位に、それぞれ一定時間保持する
か、燃料電池積層体の運転停止中に、燃料極または酸化
剤極のいずれか一方の電解質侵入状態不十分な電極に酸
化剤ガスを供給すると共に、他方の電極に水素ガスを供
給し、さらにセル特性不良部分以外の部分を挟む冷却板
間で形成した電気回路に配設した電圧測定手段および電
圧抑制制御手段により、セル特性不良部分以外の部分の
電圧を所定値に、またセル特性不良部分のみを電気的に
開回路状態とすることで、酸化剤ガスを供給した電極を
酸化剤電位に、それぞれ一定時間保持した後に、電解質
侵入不十分な電極においては、酸化剤ガスの供給を遮断
して不活性ガスによるパージを行なうと同時に、セル特
性不良部分以外の部分を挟む冷却板間で形成した電気回
路を解除し、かつ燃料電池積層体の燃料極と酸化剤極と
の間に残留電圧抑制用抵抗(ダミー抵抗)を投入するこ
とで、燃料電池積層体内の残留酸化剤ガスを消費除去
し、最後に水素ガスの供給を遮断して不活性ガスによる
パージを行なうようにしたので、燃料電池積層体におい
て触媒層中の3相界面形成状態の不均一が生じた場合
に、燃料電池積層体の全単位セルを同等かつ良好な触媒
状態(所定の3相界面面積)に移行させて、均一かつ良
好な電池特性を得ることが可能な燃料電池の触媒処理方
法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるリン酸型燃料電池の第1の実施形
態を示す構成図。
【図2】本発明によるリン酸型燃料電池プラントの第1
の実施形態を示す構成図。
【図3】同第1の実施形態のリン酸型燃料電池における
電極保持時間と触媒層へのリン酸侵入程度に伴なう電池
電圧との関係の一例を示す特性図。
【図4】一般的なリン酸型燃料電池の構成例を示す分解
斜視図。
【符号の説明】
1…単位セル、 1a…アノード、 1b…カソード、 4…冷却板、 4a…冷却管、 5…電気的導線、 6…開閉スイッチ、 7…電圧抑制可変抵抗、 8…電気回路、 9…電圧測定線、 10…電圧検出器、 11…電圧抑制制御装置、 12…アノード入口ライン、 13…カソード入口ライン、 14…アノード入口遮断弁、 15…カソード入口遮断弁、 16…アノード入口N2 供給ライン、 17…アノード入口H2 供給ライン、 18…アノード入口Air供給ライン、 19…N2 供給制御弁、 20…H2 供給制御弁、 21…Air供給制御弁、 22…カソード入口N2 供給ライン、 23…カソード入口H2 供給ライン、 24…カソード入口Air供給ライン、 25…N2 供給制御弁、 26…H2 供給制御弁、 27…Air供給制御弁。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解質を含浸した電解質層を挟んで、貴
    金属触媒を担持したカーボンからなる触媒層を前記電解
    質層側に有する燃料極および酸化剤極を配置して単位セ
    ルを形成し、かつ当該単位セルを、セパレーター、また
    は内部に冷媒を循環させる冷却管が埋設された冷却板を
    介し複数個積層して燃料電池積層体を形成し、当該燃料
    電池積層体の燃料極および酸化剤極に燃料ガスおよび酸
    化剤ガスをそれぞれ供給することによって電気出力を得
    るようにした燃料電池において、 前記冷却板間で、電圧抑制可変抵抗を介して任意に電気
    回路を形成し、 前記電気回路に配設され、前記冷却板間の電圧を測定す
    る電圧測定手段と、 前記電圧測定手段により測定された電圧の値に基づいて
    前記電圧抑制可変抵抗を制御することで、前記電気回路
    に発生する電圧を所定値に制御する電圧抑制制御手段
    と、 前記燃料電池積層体の運転停止中に、前記燃料極および
    酸化剤極それぞれ個別に水素ガスもしくは酸化剤ガスを
    供給可能な配管手段と、 を備えて成ることを特徴とする燃料電池。
  2. 【請求項2】 電解質を含浸した電解質層を挟んで、貴
    金属触媒を担持したカーボンからなる触媒層を前記電解
    質層側に有する燃料極および酸化剤極を配置して単位セ
    ルを形成し、かつ当該単位セルを、セパレーター、また
    は内部に冷媒を循環させる冷却管が埋設された冷却板を
    介し複数個積層して燃料電池積層体を形成し、当該燃料
    電池積層体の燃料極および酸化剤極に燃料ガスおよび酸
    化剤ガスをそれぞれ供給することによって電気出力を得
    る燃料電池で、前記燃料極または酸化剤極の触媒層への
    電解質侵入状態不十分に依存したセル特性不良部分を有
    する燃料電池積層体の触媒処理方法において、 前記冷却板間で、電圧抑制可変抵抗を介して任意に電気
    回路を形成し、 前記電気回路に配設され、前記冷却板間の電圧を測定す
    る電圧測定手段と、 前記電圧測定手段により測定された電圧の値に基づいて
    前記電圧抑制可変抵抗を制御することで、前記電気回路
    に発生する電圧を所定値に制御する電圧抑制制御手段
    と、 前記燃料極および酸化剤極それぞれ個別に水素ガスもし
    くは酸化剤ガスを供給可能な配管手段とを備え、 前記燃料電池積層体の運転停止中に、前記燃料極または
    酸化剤極のいずれか一方の電解質侵入状態不十分な電極
    に酸化剤ガスを供給すると共に、他方の電極に水素ガス
    を供給し、 さらに、前記セル特性不良部分以外の部分を挟む冷却板
    間で形成した電気回路に配設した前記電圧測定手段およ
    び電圧抑制制御手段により、前記セル特性不良部分以外
    の部分の電圧を所定値に、また前記セル特性不良部分の
    みを電気的に開回路状態とすることで、前記酸化剤ガス
    を供給した電極を酸化剤電位に、それぞれ一定時間保持
    するようにしたことを特徴とする燃料電池の触媒処理方
    法。
  3. 【請求項3】 電解質を含浸した電解質層を挟んで、貴
    金属触媒を担持したカーボンからなる触媒層を前記電解
    質層側に有する燃料極および酸化剤極を配置して単位セ
    ルを形成し、かつ当該単位セルを、セパレーター、また
    は内部に冷媒を循環させる冷却管が埋設された冷却板を
    介し複数個積層して燃料電池積層体を形成し、当該燃料
    電池積層体の燃料極および酸化剤極に燃料ガスおよび酸
    化剤ガスをそれぞれ供給することによって電気出力を得
    る燃料電池で、前記燃料極または酸化剤極の触媒層への
    電解質侵入状態不十分に依存したセル特性不良部分を有
    する燃料電池積層体の触媒処理方法において、 前記冷却板間で、電圧抑制可変抵抗を介して任意に電気
    回路を形成し、 前記電気回路に配設され、前記冷却板間の電圧を測定す
    る電圧測定手段と、 前記電圧測定手段により測定された電圧の値に基づいて
    前記電圧抑制可変抵抗を制御することで、前記電気回路
    に発生する電圧を所定値に制御する電圧抑制制御手段
    と、 前記燃料極および酸化剤極それぞれ個別に水素ガスもし
    くは酸化剤ガスを供給可能な配管手段とを備え、 前記燃料電池積層体の運転停止中に、前記燃料極または
    酸化剤極のいずれか一方の電解質侵入状態不十分な電極
    に酸化剤ガスを供給すると共に、他方の極に水素ガスを
    供給し、 さらに、前記セル特性不良部分以外の部分を挟む冷却板
    間で形成した電気回路に配設した前記電圧測定手段およ
    び電圧抑制制御手段により、前記セル特性不良部分以外
    の部分の電圧を所定値に、また前記セル特性不良部分の
    みを電気的に開回路状態とすることで、前記酸化剤ガス
    を供給した電極を酸化剤電位に、それぞれ一定時間保持
    した後に、前記燃料極および酸化剤極を不活性ガスで十
    分パージして、先に酸化剤ガスを供給した電極側に水素
    ガスを、また先に水素ガスを供給した電極側に酸化剤ガ
    スをそれぞれ供給し、 さらに、前記セル特性不良部分以外の部分を挟む冷却板
    間で形成した電気回路に配設した前記電圧測定手段およ
    び電圧抑制制御手段により、前記セル特性不良部分以外
    の部分の電圧を所定値に、また前記セル特性不良部分の
    みを電気的に開回路状態とすることで、前記酸化剤ガス
    を供給した電極を酸化剤電位に、それぞれ一定時間保持
    するようにしたことを特徴とする燃料電池の触媒処理方
    法。
  4. 【請求項4】 前記燃料電池積層体の燃料極または酸化
    剤極のいずれか一方の電解質侵入状態不十分な電極に酸
    化剤ガスを供給すると共に、他方の電極に水素ガスを供
    給した場合に発生する電圧に対して、前記セル特性不良
    部分を挟む冷却板間で形成した電気回路を開回路状態に
    制御し、またセル特性不良部以外の部分を挟む冷却板間
    で形成した電気回路を当該冷却板間の電圧が0〜0.8
    V/セルの範囲に制御し、それぞれ一定時間保持するよ
    うにしたことを特徴とする請求項2または請求項3に記
    載の燃料電池の触媒処理方法。
  5. 【請求項5】 前記セル特性不良部以外の部分を挟む冷
    却板間で形成した電気回路の冷却板間の電圧を、0.3
    〜0.7V/セルの範囲に制御するようにしたことを特
    徴とする請求項4に記載の燃料電池の触媒処理方法。
  6. 【請求項6】 前記燃料電池積層体の温度を、常温〜摂
    氏180度の範囲の温度領域に一定時間保持するように
    したことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の
    燃料電池の触媒処理方法。
  7. 【請求項7】 前記前記燃料電池積層体の温度を、常温
    〜摂氏100度の範囲の温度領域に一定時間保持するよ
    うにしたことを特徴とする請求項6に記載の燃料電池の
    触媒処理方法。
  8. 【請求項8】 前記電圧制御保持時間は、燃料電池積層
    体の温度とセル特性不良部分へ電解質を侵入させる量と
    の関係に基づいて決定するようにしたことを特徴とする
    請求項2または請求項3に記載の燃料電池の触媒処理方
    法。
  9. 【請求項9】 前記燃料電池停止中に燃料極または酸化
    剤極のいずれか一方の電解質侵入状態不十分な電極に供
    給する酸化剤ガスとしては、空気を供給するようにした
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の燃料
    電池の触媒処理方法。
  10. 【請求項10】 電解質を含浸した電解質層を挟んで、
    貴金属触媒を担持したカーボンからなる触媒層を前記電
    解質層側に有する燃料極および酸化剤極を配置して単位
    セルを形成し、かつ当該単位セルを、セパレーター、ま
    たは内部に冷媒を循環させる冷却管が埋設された冷却板
    を介し複数個積層して燃料電池積層体を形成し、当該燃
    料電池積層体の燃料極および酸化剤極に燃料ガスおよび
    酸化剤ガスをそれぞれ供給することによって電気出力を
    得る燃料電池で、前記燃料極または酸化剤極の触媒層へ
    の電解質侵入状態不十分に依存したセル特性不良部分を
    有する燃料電池積層体の触媒処理方法において、 前記冷却板間で、電圧抑制可変抵抗を介して任意に電気
    回路を形成し、 前記電気回路に配設され、前記冷却板間の電圧を測定す
    る電圧測定手段と、 前記電圧測定手段により測定された電圧の値に基づいて
    前記電圧抑制可変抵抗を制御することで、前記電気回路
    に発生する電圧を所定値に制御する電圧抑制制御手段
    と、 前記燃料極および酸化剤極それぞれ個別に水素ガスもし
    くは酸化剤ガスを供給可能な配管手段とを備え、 前記燃料電池積層体の運転停止中に、前記燃料極または
    酸化剤極のいずれか一方の電解質侵入状態不十分な電極
    に酸化剤ガスを供給すると共に、他方の電極に水素ガス
    を供給し、 さらに、前記セル特性不良部分以外の部分を挟む冷却板
    間で形成した電気回路に配設した前記電圧測定手段およ
    び電圧抑制制御手段により、前記セル特性不良部分以外
    の部分の電圧を所定値に、また前記セル特性不良部分の
    みを電気的に開回路状態とすることで、前記酸化剤ガス
    を供給した電極を酸化剤電位に、それぞれ一定時間保持
    した後に、 電解質侵入不十分な電極においては、酸化剤ガスの供給
    を遮断して不活性ガスによるパージを行なうと同時に、
    前記セル特性不良部分以外の部分を挟む冷却板間で形成
    した電気回路を解除し、かつ前記燃料電池積層体の燃料
    極と酸化剤極との間に残留電圧抑制用抵抗(ダミー抵
    抗)を投入することで、燃料電池積層体内の残留酸化剤
    ガスを消費除去し、最後に前記水素ガスの供給を遮断し
    て不活性ガスによるパージを行なうようにしたことを特
    徴とする燃料電池の触媒処理方法。
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