JP4595136B2 - 眼内挿入用レンズの挿入器具 - Google Patents

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Description

本発明は、白内障で水晶体を摘出した後に水晶体の代わりに挿入されたり、屈折異常を矯正する等の目的で眼内に挿入されたりする眼内挿入用レンズを眼内に挿入するための挿入器具に関するものである。
現在の白内障の手術では、眼球の前嚢の中心部を切除し、白濁した水晶体を超音波吸引装置によって除去した後、そこに人工の眼内挿入用レンズを配置する。レンズを眼内に配置する際には、該レンズの可撓性を利用し、折畳むなどして小さく変形させて小さな切開創から眼内へ挿入する術法が主流となっている。これにより、術後の乱視が防止される。
そして、手術においては、器具本体に装填されたレンズを押出し軸によって該器具本体内を移動させながら小さく変形させ、切開創に差し込まれた挿入筒の先端開口からレンズを眼内に押し出す挿入器具が多く用いられている。このような挿入器具は、白内障の手術だけではなく、視力補正治療等での眼内挿入用レンズの挿入手術においても用いられる。
眼内挿入用レンズの挿入器具は、レンズとは別に保管され、手術直前にレンズが装填されるタイプと、挿入器具の工場出荷時にレンズが装填されており、レンズとともに保管されるいわゆるプリロードタイプとがある(特許文献1参照)。
一方、眼内挿入用レンズは、水晶体の役割を果たす光学部と、該光学部を眼内で支えるための支持部とからなり、支持部としては、光学部の両端から曲線形状に延出するいわゆるループ状支持部がある。
2001−104347号公報
しかしながら、上記のような挿入器具においてループ状支持部を有するレンズを移動させながら小さく変形させる際に、ループ状支持部が光学部と挿入器具内壁との間に挟まったり、支持部同士が絡み合ったりすると、スムーズかつ適正なレンズの変形の妨げになる。
また、光学部も、特にアクリル酸エステル系等の粘着性が高い樹脂やエラストマーが含まれている場合に、挿入器具内壁との動摩擦抵抗が大きくなるために、捩れたり詰まったりする可能性がある。
そこで本発明は、眼内挿入用レンズをスムーズかつ適正に変形させて眼内に送り出すことができるようにした挿入器具を提供することを目的とする。
一つの側面としての本発明の眼内挿入用レンズの挿入器具は、光学部と該光学部から曲線形状に延出した支持部とを有する眼内挿入用レンズを眼内に挿入するための挿入器具であって、レンズが装填される本体と、該レンズを本体内から眼内に押し出す押出し軸とを有する。そして、本体は、押出し軸よって押されたレンズが移動するレンズ移動空間内に突出して、該支持部をガイドする突起部を有する。
ここで、突起部は、レンズ移動空間のうち光学部が移動する光学部移動領域とは反対側の面で支持部をガイドするようにしてもよい。
また、上記突起部のうち光学部移動領域側の面で光学部をガイドするようにしてもよい。
さらに、突起部のガイド面に、親水性高分子層を形成してもよい。
本発明によれば、眼内挿入用レンズを眼内へと送り出す際に、レンズの支持部を光学部とは独立してガイドすることができるので、光学部と挿入器具内壁との間に支持部が挟まったり、支持部同士が絡み合ったりすることが防止され、レンズをスムーズかつ適正に小さく変形させる等して眼内に挿入することができる。
特に、突起部のうち光学部移動領域とは反対側の面で支持部をガイドするようにすれば、該突起部によって光学部の変形が妨げられることも防止でき、よりスムーズかつ適正にレンズを小さく変形させることができる。
また、突起部のうち光学部移動領域側の面で光学部をガイドするようにすれば、光学部の不適切な変形を防止できる。
さらに、突起部のガイド面に親水性高分子層を形成すれば、該ガイド面に対して支持部(や光学部)をよりスムーズに移動させることができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1(A),(B)、図2および図4には、本発明の実施例である眼内挿入用レンズの挿入器具を示している。図1(A),(B)は、該挿入器具を異なる方向から見た図である。また、図2には、該挿入器具における後述するレンズ装填部の周辺を拡大して示している。さらに、図4には、図1(B)におけるIV−IV線で切断した断面を示している。
図1(A),(B)に示すように、挿入器具1は、筒体2と、該筒体2の前端部に取り付けられたレンズ装填機構3と、該レンズ装填機構3の底面部分から前方に延びるノズル(挿入筒)4と、筒体2の後端開口から筒体2内に挿入された押出し軸5とを有する。なお、筒体2、レンズ装填機構3およびノズル4により請求項にいう本体が構成される。押出し軸5は、筒体2、レンズ装填機構3およびノズル4内で軸方向に移動可能である。
ここで、本実施例では、筒体2、ノズル4および押出し軸5の長手方向に沿った軸Lを該挿入器具1の軸とし、挿入器具1におけるノズル4側を前側、押出し軸5側を後側として説明する。また、図1(A)に示された面を該挿入器具の上面とし、その反対側の面(図1の紙面裏側の面)を該挿入器具の下面又は底面とする。また、図1(A)の上面図において、軸Lに直交する方向を左右方向とする。図1(B)に示された面を該挿入器具の側面という。さらに、以下の説明において、軸方向視とは、軸Lの方向(軸方向)の一方から見ることを意味する。例えば、図4は、軸方向視での断面を示している。
レンズ装填部3には、眼内挿入用レンズ(IOL:以下、単にレンズという)20が装填される。このレンズ20は、白内障治療や視力補正等、様々な目的のための眼内に挿入される。レンズ20は、人間の眼の水晶体に代わって眼球内に配置される光学部20aと、該光学部20aの周方向2箇所(径方向両側)から曲線形状に延出し、眼球内において光学部20aを支える支持部20bとを有する。曲線形状とは、光学部20に固定された基端部から曲線を描くように延び、先端が光学部20から離れている形状を全て含み、その太さ、断面形状および材質は問わない。
光学部20aは、可撓性および復元性を有する材料、例えば、シリコーンエラストマー、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとの共重合樹脂、コラマー、水溶性ゲルなどの材料で形成されている。また、支持部20bは、ポリイミドやアクリル樹脂等、柔軟性と形状記憶性を持つ材料により形成されている。
レンズ装填機構3は、図4に詳しく示すように、筒体2の前端部に固定されたベース部材31と、該ベース部材31の開口部31a内における左右に形成された保持突起部31bの上方部分に装着される保持枠32と、該保持枠32の開口部32a内に上下方向に移動可能に配置された押下部材33とにより構成されている。ベース部材31の開口部31aのうち保持突起部31bよりも下側の部分には、図1(B)に示したノズル4の底面部4bが該ベース部材31の開口部31aの底面側開口を覆うように取り付けられている。該底面部4bは、図4に示すように、軸方向視において、略円弧形状に形成されている。
なお、図1(B)に示すように、ノズル4における底面部4bの前端部には、レンズ20を眼内に射出する先細り中空形状の挿入筒部4aが形成されており、該挿入筒部4aの先端には、レンズ射出口としての挿入口4cが形成されている。
ここで、本実施例では、レンズ装填機構3を構成する各部材を、透明、着色透明又は半透明(以下、これらをまとめて透明という)の材料により製作している。透明としなければ、後述するように挿入器具1内に注入される粘弾性物質の注入量を外部から見て確認することができず、またレンズ20の挿入器具内での挙動を確認することができないからである。透明な材料としては、プラスティックが好ましく、特に透明性、成形性、安定性、経済的観点からは、ポリプロピレン或いはポリエチレンなどのオレフィン系樹脂や、ポリカーボネート樹脂が好ましい。
ベース部材31に設けられた左右の保持突起部31bは、該挿入器具1の工場での組み立て工程においてレンズ20が装填される第1の装填部を構成する。保持突起部31bは、支持部保持面31cと、該支持部保持面31cから一段下がった光学部保持面31dとを有する。筒体2に固定されたベース部材31に対して保持枠32が組み付けられる前に、ベース部材31の開口部(装填口)31aの上方からレンズ20が装填され、左右の光学部保持面31dに光学部20aの辺縁部が載置される。各光学部保持面31dは、図2に示すように、上面視において、光学部20aの外周形状に沿った形状に形成されている。これにより、光学部20a(つまりはレンズ20)が位置決めされる。また、各支持部保持面31cには、各支持部20bの先端が載置される。
この状態で、保持枠32をベース部材31の開口部31a内に上方から挿入すると、該保持枠32の下面32bと支持部保持面31cとの間に支持部20bの先端が軽く挟み込まれる。保持枠32は、不図示の係合機構によってベース部材31に対して係止される。したがって、レンズ20は、光学部20aにこれを変形させるような応力が加わらない状態で、かつ装填された位置から容易に動かないように挿入器具1に装填される。これにより、挿入器具1に振動が加わったり、後述するように挿入器具1内に粘弾性物質が注入された場合に浮力によってレンズ20が移動したりすることを防止できる。
なお、この状態では、図4に二点鎖線で示すように、押出し軸5は、その前方への延長線がレンズ20の光学部20aよりも上方を通る位置にある。したがって、押出し軸5を前進させても、レンズ20を押し出すことはできない。
このようにレンズ20を装填した後、押下部材33を保持枠32の開口部32a内に上方から挿入する。押下部材33の左右壁部の内面には、図4に示すように上下方向に延びる円弧形状の突起部32cが形成されている。一方、押下部材33の左右外面の下部には凹部33aが形成されている。工場組み立て時にレンズ20を保持突起部31b上に装填した状態では、凹部33aが突起部32cに係合する位置(以下、上位置という)まで押下部材33を押し下げる。
このとき、押下部材33の上下方向中間部に形成されたフランジ部33cが、保持枠32の左右の内壁上部に形成された係止爪32dの傾斜面に当接する。これにより、押下部材33にある程度強い押し下げ力を加え、該傾斜面のカム作用によって保持枠32の左右壁部が弾性変形し、該壁部間の間隔が広がらない限り、押下部材33を上位置に保持することができる。なお、押下部材33は、レンズ20を装填する装填口のカバーとしての機能も果たす。
また、押下部材33の下面中央には突起部33dが、その左右には、突起部33dよりも若干下方に延びた突起部33eが形成されている。押下部材33が上位置で保持されている状態では、これらの突起部33d,33eは、レンズ20の光学部20aの上方に離れて位置する。したがって、前述したように、レンズ20は、光学部20aに応力が加わらない状態で保持される。第1の装填部である保持突起部31b上に装填されたレンズ20の下方には、底面側がノズル4の底面部4bによって覆われたレンズ移動空間Sが形成されている。
そして、このレンズ移動空間Sを上側の領域S1と下側の領域S2とに分けるように、底面部4bの左右上端には、レンズ移動空間Sの内方に向かって水平方向に延出(突出)するガイド突起部4e,4dが形成されている。
これらのガイド突起部4e,4dは、図2に示すように、挿入器具1の軸方向、つまりは後述するようにレンズ20が押出し軸5によって挿入筒部4aに向かって押されて移動する方向に連続的に、挿入筒部4aへの入口付近(導入領域)まで延びている。
このようにして光学部20aに応力が加わらない状態でレンズ20が保持突起部31b上に装填された(プリロードされた)挿入器具1は、工場出荷前に滅菌処理が施された後、出荷される。光学部20aに応力が加わらないので、病院等で長時間保管することも可能である。
そして、レンズ20を眼内に挿入する手術を行う際(直前)に、図5に示すように、押下部材33に押し下げ力を加え、係止爪32dの傾斜面のカム作用によって保持枠32の左右の壁部を弾性変形させる。これにより、両壁部間の間隔が広がり、押下部材33のフランジ部33cの係止爪32dに対する係合が外れる。このため、押下部材33を上位置から下動させることができる。
押下部材33が下動すると、突起部33d,33eが光学部20aの上面に当接してこれを下側に向かって凸形状となるように変形させる。また、光学部20aに加わる押し下げ力によって、保持枠32の下面32bと支持部保持面31cとの間に挟み込まれていた支持部20bの先端がこの間から引き抜かれる。これにより、光学部20aは、左右の保持突起部31bの間および左右のガイド突起部4d,4eの間を通過して、該ガイド突起部4d,4eよりも下側の領域S2内に移動し、底面部4bの内面に沿うように(下側に向かって凸の形状になるように)変形する。
一方、保持枠32の下面32bと支持部保持面31cとの間から外れた両支持部20bの先端は、下方に移動して、ガイド突起部4e,4dの上面4e1,4d1上に載る。つまり、光学部20aは、レンズ移動空間Sのうちガイド突起部4d,4eよりも下方の領域(光学部移動領域)S2に配置され、両支持部20bの先端はガイド突起部4e,4dの上面4e1,4d1よりも上側の領域(支持部移動領域)S1に配置される。以下、この状態でレンズ20が位置する箇所を第2の装填部という。
レンズ20が第2の装填部に装填されると、押下部材33のフランジ部33cの下面が保持枠32の内側に形成された段部32eの上面に当接する。このため、これ以上の押下部材33の下動が阻止される(以下、この押下部材33の位置を下位置という)。また、この状態で、押下部材33の左右外面に形成された、上下方向に延びる円弧形状の突起部33bが、保持枠32の内側左右の突起部32cの下側部分に係合する。これにより、押下部材33の下位置からの上動が阻止される。
このように、光学部20aと支持部20b(の先端)とがガイド突起部4e,4dによって分けられた状態で第2の装填部に装填されたレンズ20は、図1(B)のV−V線での断面図である図5に示すように、光学部20aと押出し軸5との上下方向位置が略一致するので、押出し軸5を前進させることによって、その前端部が光学部20aに係合し、レンズ20全体が前方に移動する。
このとき、図3に示すように、支持部20bは、ガイド突起部4e,4dの上面4e1,4d1に対して摺動し、光学部20aから独立してガイドされる。また、光学部20aも、ガイド突起部4e,4dの下面4e2,4d2に対してその外周面が摺動することによってガイドされる。したがって、支持部20bが光学部20aと底面部4bの内面との間に挟まったり、支持部20b同士が絡み合ったりすることなく、レンズ20を挿入筒部4aに向かって移動させることができる。
なお、図3中の二点鎖線20a′,20b′はそれぞれ、第2の装填部から挿入筒部4aに向かって押し出されている途中の光学部および後側の支持部の位置を示している。支持部20b′は、ガイド突起部4eの上面4e1によってガイドされている。
挿入筒部4aは、図7にも示すように、その内径が前方にいくほど急激に小さくなっており、この挿入筒部4a内においてレンズ20を設計通りに小さく変形させる(折り畳む)ためには、挿入筒部4aへの導入領域において、支持部20bを光学部20aに対して適切な位置に移動又は保持しておく必要がある。したがって、第2の装填部から挿入筒部4aへの導入領域まで支持部20b(の先端)を光学部20aの移動領域S2とは異なる(言い換えれば、ガイド突起部4e,4dで仕切られた)領域S1内でガイドすることにより、レンズ20をスムーズに挿入筒部4a内に導くことができ、この結果、眼内に挿入するために適正な小形状にレンズ20を挿入筒部4a内で折り畳むことができる。
ここで、レンズ移動空間Sを仕切るように設けられたガイド突起部4e,4dは、ノズル4と一体成形してもよいし、ノズル4と同質の材料で作成したガイド突起部4e,4dを熱融着、液体溶着によってノズル4に取り付けるようにしてもよい。
ガイド突起部4e,4dの軸方向長さは、第2の装填部からノズル4の挿入筒部4aの手前までの長さとすることが、安定性が良く好ましい。ガイド突起部4e,4dの厚さは任意に選択可能であるが、厚すぎると支持部20bが上のガイド突起部4e,4dに乗りづらく、薄すぎると強度面で弱く、支持部20bが下の領域S2に移動する可能性がある。このため、0.1〜2 mm程度であることが好ましい。
ここで、レンズ20を第2の装填部から眼内に押し出していく際には、レンズ20の挿入器具1内での滑りを良くするために、レンズ移動空間S内に粘弾性物質を注入する必要がある。このため、本実施例の挿入器具1では、図4に示すように、ノズル4の底面部4bに、粘弾性物質の注入口4fが形成されている。粘弾性物質としては、一般に親水性高分子が使用され、特に眼科分野ではヒアルロン酸(ナトリウム)水溶液が多く用いられている。このため、本実施例でも、ヒアルロン酸(ナトリウム)水溶液を用いる。
また、粘弾性物質の注入量は、レンズが粘弾性物質で覆われる量であれば特に制限はないが、一般的には、0.1ml(ミリリットル)〜0.3mlが好ましい。
なお、図4に示した注入口4fの位置(軸方向位置)は、図1(B)に示した断面位置であるIV−IV線の位置(図4において断面位置が変わる上下方向位置を一点鎖線L′で示している)から分かるように、第1の装填部から下方、すなわち軸方向に対して直交する方向に設けられた第2の装填部よりも前方であって、挿入筒部4aよりも後方の領域内である。但し、本発明において、注入口4fの軸方向位置はこれに限らず、また注入口4fの数も1つには限られない。
また、本実施例では、挿入器具1の底面(ノズル4の底面部4b)に注入口4fを設けた場合について説明したが、それ以外であっても、装填口が設けられた面が向く方向とは異なる方向を向いた面であればよい。例えば、図4に二点鎖線で示すように、挿入器具1の側面であってもよいし、底面と側面の両方等に設けてもよい。
なお、図6には、この種の挿入器具の代表的な軸方向視形状を示している。60は挿入器具の本体であり、70は該本体の前部に設けられたノズル(挿入筒)である。図中の一点鎖線より左側には本体60の軸方向視形状が多角形である場合、右側には本実施例のように一部に円弧形状を含む場合を示している。この図において、上方Uを向いた面61に装填口62が設けられている場合、該面61が向く方向Uと異なる方向を向いた面とは、面63〜69のすべてを指す。図示しないが、本体の軸方向視形状が円筒面のように面としては1つのみから形成されている場合は、装填口が設けられた部分が向く方向と異なる方向を向いた部分と言い換えればよい。
そして上記のように注入口4fを挿入器具1(ノズル4)の底面に設けたことにより、装填口と同様に挿入器具1の上面に設ける場合に比べて、粘弾性物質の注入量を確認し易くなる。すなわち、挿入器具1の上面側には、レンズ装填機構3を構成する肉厚の部材が複数組み合わさって配置されているので、上面視では粘弾性物質8の注入量を確認することはきわめて困難である。このため、注入と注入量の確認、すなわち挿入器具1の上下反転を繰り返す必要がある等、迅速な作業が妨げられる。
これに対し、本実施例では、図7に示すように、挿入器具1におけるレンズ装填機構3から挿入口4cまでの部分の底面側には、透明なノズル4の底面(底面部4bおよび挿入筒部4a)しかない。このため、注入口4fから注入した粘弾性物質8を明瞭に見ることができる。さらに言えば、注入口4fからの粘弾性物質の注入は、挿入器具1の底面を上にして持ち、注入口4fに粘弾性物質を入れた注射器の針(図示せず)を挿入して行うのが一般的である。したがって、本実施例によれば、粘弾性物質8の注入量を確認しながら注入作業を行うことができ、迅速に注入作業を行うことができる。
また、注入口4fの径は、注入された粘弾性物質8が、その表面張力によって漏れ出ない大きさとする必要がある。例えば、粘弾性物質を注入する針の大きさ程度が好ましい。具体的には、0.1mm〜2.0mm程度が好ましい。0.1mm未満であると、一般的な注射針の太さより小さくなってしまい、2.0mmより大きいと、この注入口4fから粘弾性物質が漏れ出てしまうことがある。
また、本実施例では、挿入器具1内において、レンズ20が接触又は移動する領域の内面(例えば、第1の装填部の表面、ノズル4の底面部4b(第2の装填部)および挿入筒部4aの先端の内面、さらにはガイド突起部4e,4dの上下面4e1,4e2,4e2,4d2)に親水性高分子膜(層)を形成している。具体的には、ヒアルロン酸水溶液およびヒアルロン酸ナトリウム水溶液のうち少なくとも一方を含む被膜を形成する。これにより、レンズ20の挿入器具1内での滑性が向上し、よりスムーズにレンズ20を眼内へ送り出すことができる。特に、挿入器具1内に注入される粘弾性物質と同じ成分であるヒアルロン酸(ナトリウム)水溶液やヒアルロン酸(ナトリウム)水溶液で被膜を形成することにより、被膜が容易に解け出し、より一層、レンズ20の滑性を向上させることができる。
その他、使用される親水性(水溶性)高分子の例としては、合成高分子では、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリアクリル酸ナトリウム(PAA)、ポリアクリルアミド(PAAm)、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(PSSNa)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンイミン(PEI)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、デキストラン硫酸ナトリウム、ヒドロキシエチル化澱粉(HEPES)、ポリ燐酸が挙げられる。
また、天然高分子で、多糖類では、ヒアルロン酸及び/又はヒアルロン酸ナトリウム(HA)、アルギン酸ナトリウム、デキストラン、デキストリン、ヘパリン、キトサン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、多糖類以外では、ポリペプチド、ポリ核酸などが挙げられる。
これらのうち、生体適合性、得られる分子量の多様性などの観点から多糖類を用いるのが好ましい。
また、被膜形成方法としては、水溶液へのディッピングなどのバルク溶液とカートリッジ表面との接触、水溶液のスプレー、水溶液或いはゲルの刷毛塗りなどによる塗布などいずれも使用可能である。使用する溶媒の水溶性高分子中、濃度としては0.1重量%〜60重量%までがディッピングやスプレーにての皮膜形成には好ましいが、ゲルを刷毛塗りなどで塗布する場合は50重量%以下のものを使用することが好ましい。
なお、ディッピングやスプレーに使用する水溶液は、水溶性高分子を単に溶解させた水溶液が好ましいが、pH調整のために水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム、リン酸緩衝溶液などの塩類や乾燥促進や結晶化度制御のためにエタノールなどの有機溶剤を添加してもよい。
また、水溶性高分子の分子量は任意であるが、被膜形成時の利便性からの点から、多くとも溶液粘性が1万mPsとなるように溶液濃度に合わせて分子量を調節することが好ましい。それ以上では、粘性が高すぎて、皮膜形成操作が煩雑となる。
なお、本発明の挿入器具に装填されるレンズとしては、いかなる構成のものでもよく、光学部と支持部とが別材料によって構成される3ピースタイプのレンズでも、光学部と支持部とが同一材料によって構成される1ピースタイプのレンズでもよい。
また、上記実施例では、テーパ形状のノズル4を用いた挿入器具について説明したが、レンズ装填機構内でレンズを小さく変形させ、ストレートなノズルによって眼内に送り出すようにしてもよい。
さらに、上記実施例では、第1の装填部にレンズがプリロードされ、該レンズを第2の装填部に装填(移動および変形)した後、眼内に押し出すタイプの挿入器具について説明したが、本発明はこのようなタイプに限らず、様々なタイプの挿入器具に適用することができる。例えば、1つの装填部に装填されたレンズをそのまま押し出すタイプの挿入器具(この場合、レンズ装填機構は有さず、代わりに装填部に蓋をするカバーが設けられる)や、手術直前に挿入器具とは別に保管されていたレンズ又はレンズパッケージを挿入器具に装填するタイプのものでもよい。
本発明の実施例である挿入器具の上面図(A)および側面図(B)。 実施例の挿入器具のレンズ装填部の拡大上面図(レンズ装填状態)。 実施例の挿入器具のレンズ装填部の拡大上面図(レンズ押出し状態)。 実施例の挿入器具の図1(B)におけるIV−IV線での断面図。 実施例の挿入器具の図1(B)におけるV−V線での断面図。 実施例の挿入器具のノズル部分の底面図。 本体の面の説明図。
符号の説明
1 装入器具
2 筒体
3 レンズ装填機構
4 ノズル
4a 挿入筒部
4b 底面部
4c 挿入口
4d,4e ガイド突起部
4f 注入口
5 押出し軸
20 眼内挿入用レンズ
20a 光学部
20b 支持部
31 ベース部材
31a 開口部(装填口)

Claims (4)

  1. 光学部と該光学部から曲線形状に延出した支持部とを有する眼内挿入用レンズを眼内に挿入するための挿入器具であって、
    前記レンズが装填される本体と、
    該レンズを前記本体内から眼内に押し出す押出し軸とを有し、
    前記本体は、前記押出し軸よって押された前記レンズが移動するレンズ移動空間内に突出して、前記支持部及び前記光学部を互いに異なる空間でガイドする突起部を有しており、該突起部は、前記レンズが移動する方向に、連続的に、前記レンズを眼内に挿入する挿入筒部の導入領域まで延びていることを特徴とする眼内挿入用レンズの挿入器具。
  2. 前記突起部は、前記レンズ移動空間のうち前記光学部が移動する光学部移動領域とは反対側の面で前記支持部をガイドすることを特徴とする請求項1に記載の眼内挿入用レンズの挿入器具。
  3. 前記突起部は、前記光学部移動領域側の面で前記光学部をガイドすることを特徴とする請求項2に記載の眼内挿入用レンズの挿入器具。
  4. 前記突起部のガイド面に、親水性高分子層が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の眼内挿入用レンズの挿入器具。
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