JP2010017459A - 眼内挿入用レンズの挿入器具及び眼内挿入用レンズ内装型挿入器具 - Google Patents

眼内挿入用レンズの挿入器具及び眼内挿入用レンズ内装型挿入器具 Download PDF

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Abstract

【課題】操作がし易く、安定したレンズの押出しが可能であるとともに、レンズにおける様々な形状の前側支持部に対してその巻き込みを回避できる挿入器具を提供する。
【解決手段】挿入器具は、レンズ1を保持するレンズ保持部11,13と、レンズを眼内に送り出す先端開口12aを有し、レンズ保持部から該先端開口に向かって移動するレンズを変形させるノズル部12と、レンズをレンズ保持部から先端開口に向かって移動させる押出し軸15とを有する。レンズ保持部は、押出し軸によってレンズが該レンズ保持部から先端開口側に移動されて、レンズに設けられた2つの支持部1b,1cのうち光学部1aよりも先端開口側に位置する前側支持部1bの先端1btがノズル部の内面12bに最初に接触するときに、前側支持部の先端での接線Tがノズル部の内面に対してなす先端開口側の角度θが90度以上となるようにレンズを保持する。
【選択図】図3

Description

本発明は、白内障により摘出された水晶体の代わりに挿入されたり、屈折異常を矯正する等の目的で眼内に挿入されたりする眼内挿入用レンズを眼内に挿入するための挿入器具に関する。
白内障の手術では、眼球の前嚢の中心部を切除し、白濁した水晶体を除去した後、そこに人工の眼内挿入用レンズ(以下、単にレンズともいう)を配置する。手術では、器具本体に装填されたレンズを押出し軸によって該器具本体内を移動させながら小さく変形させ、眼球に形成された小さな切開創に差し込まれたノズル部(挿入筒)の先端開口から該レンズを眼内に押し出す挿入器具が多く用いられる。このような挿入器具は、白内障の手術だけではなく、視力補正治療等での眼内挿入用レンズの挿入手術においても用いられる。
また最近では、レンズが予め器具本体内のレンズ保持部に設置された状態で保管され、手術時に押出し軸を操作するだけでレンズを眼内に挿入することができるレンズ内装型挿入器具も用いられている。レンズ内装型挿入器具を用いることで、手術時にレンズを挿入器具内に設置する面倒な作業を不要とすることができる。
図5(a)に示すように、眼内挿入用レンズ101は、レンズとして機能する光学部101aと、眼内で光学部101aを支持する一対の支持部101b,101cとを有する。各支持部は、例えば先端が自由端であり、湾曲した形状を有する線状(ループ状)の可撓性部材により形成されている。
そして、図5(b),(c)に示すように、レンズ101は、器具本体内のレンズ保持部102bに、光学部101aに対してノズル部102の先端開口102a側とその反対側とに支持部101b,101cが位置するように設置される。
レンズ101をレンズ保持部102bから先端開口102aに向けて押出し軸103により移動させながら小さく変形させる(折り畳む)際に、先端開口102a側に配置された支持部(以下、前側支持部という)101bがノズル部102の内面に引っかかって光学部101a側に巻き込まれる場合がある。これにより、レンズ101の押し出しがスムーズに行えなくなったり、前側支持部101bによって光学部101aが傷つけられたりするおそれがある。また、前側支持部101bが過度に折り曲げられることにより、眼内に押し出された後で、前側支持部101bが正常な形状に復帰できなくなるおそれもある。
これらの不都合を回避するため、特許文献1には、レンズを保持位置から押出し軸による押出しが可能となる使用位置に移動させる(押出し方向に対して直交する方向に移動させる)際に、前側支持部の先端をノズル部の先端開口に向かって延ばす構造を有する挿入器具が開示されている。
特開2005−131147号公報
しかしながら、特許文献1にて開示された構造は、レンズを保持位置から使用位置に移動させる操作を行うタイプの挿入器具において実現可能なものである。このため、その操作を行わないタイプの挿入器具、例えば、レンズを保持位置から直接押出し軸によって先端開口側に移動させる、いわゆる直押出しタイプの挿入器具には上記構造を適用できない。また、前側支持部をノズル部の内面の形状によって先端開口側にうまく延ばすためには、保持位置での前側支持部の湾曲を緩くしておいたり前側支持部の先端の向きを光学部に対して開きぎみに設定しておいたりする等、前側支持部の形状に制約が生ずる。
ノズル部のうちその中心軸を挟んだ両側の内面に非対称なテーパーを設け、かつ該テーパーを緩やかにして、レンズをゆっくりと移動させることにより、前側支持部が光学部側に大きく巻き込まれないようにすることも可能である。
しかしながら、この方法では、ノズル部の内面の非対称なテーパーによって先端開口に向かって移動するレンズが回転しやすくなり、安定したレンズの押出しを行うことが難しい。また、テーパーを緩やかにするためにはノズル部の長さを長くする必要があるが、この結果、押出し軸の操作量が増加し、かつゆっくりとした操作が要求され、押出し軸の操作が難しくなる。
本発明は、直押出しタイプの挿入器具にも採用できる構造を有し、操作がし易く、安定したレンズの押出しが可能であるとともに、様々な形状の前側支持部に対してその巻き込みを回避できるようにした挿入器具を提供する。
本発明の一側面としての挿入器具は、光学部と、先端が自由端であるとともに湾曲した形状を有し、光学部を眼内で支える2つの支持部とを有する眼内挿入用レンズを眼内に挿入する挿入器具である。該挿入器具は、レンズを保持するレンズ保持部と、レンズを眼内に送り出す先端開口を有し、レンズ保持部から該先端開口に向かって移動するレンズを変形させるノズル部と、レンズをレンズ保持部から先端開口に向かって移動させる押出し軸とを有する。レンズ保持部は、押出し軸によってレンズが該レンズ保持部から先端開口側に移動されて、2つの支持部のうち光学部よりも先端開口側に位置する前側支持部の先端がノズル部の内面に最初に接触するときに、該前側支持部の先端での接線がノズル部の内面に対してなす先端開口側の角度が90度以上となるようにレンズを保持することを特徴とする。
なお、上記挿入器具であって、レンズ保持部により保持された眼内挿入用レンズを含む眼内挿入用レンズ内装型挿入器具も本発明の他の一側面を構成する。さらに、該挿入器具を準備する工程と、眼内挿入用レンズをレンズ保持部に保持させる工程とを含む眼内挿入用レンズ内装型挿入器具の製造方法も本発明の他の一側面を構成する。
本発明によれば、ノズル部の内面を単純な形状に形成しつつも、レンズをレンズ保持部から押出し軸によって移動させるだけで、レンズの前側支持部の自由端をノズル部の先端開口の方向に延ばすことができる。これにより、直押出しタイプの挿入器具にも採用でき、操作がし易く、かつ安定したレンズの押出しが可能な挿入器具を実現することができる。また、本発明によれば、様々な形状を有する前側支持部の光学部側への巻き込みを容易に回避することができる。
さらに、本発明によれば、ノズル部内を移動するレンズの前側支持部の自由端をノズル部の先端開口の方向に延ばすので、ノズル部における軸方向に直交する断面積(ノズル径)を小さくすることができる。これにより、眼球に形成する切開創をより小さくすることができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の実施例1である眼内挿入用レンズの挿入器具を示す。図1の上側の図は上面図、下側の図は側面図である。なお、以下の説明において、ノズル部側を先端側又は先方といい、ノズル部側とは反対側を後端側又は後方という。また、先端側と後端側に延びる方向を該挿入器具の軸方向といい、軸方向に直交する方向を上下方向や左右方向又は径方向という。
挿入器具10は、本体筒部14と、カートリッジノズル部(以下、単にノズル部という)12と、レンズカバー部(レンズ収容部)13と、レンズ保持部材11と、押出し軸15とにより構成されている。本体筒部14の先端には、レンズカバー部13が組み付けられ、さらにレンズカバー部13の先端にはノズル部12が組み付けられている。本体筒部14とレンズカバー部13とノズル部12とにより挿入器具10の本体が構成される。
なお、本実施例では、本体筒部14とレンズカバー部13とノズル部12がそれぞれ別体として製作され、その後互いに組み付けられるようにしたが、これらを一体部品として製作してもよい。
本体筒部14の後部には、押出し軸15を押し込み操作する際に、手で支える部分としてのツバ部14aが形成されている。
ノズル部12は、先端方向に向かって徐々に内外径が小さくなっていく形状を有し、その先端開口12aから後方に向かって所定の長さの部分までは、眼球に形成された切開創を通して眼内に挿入される眼内挿入部分として、ノズル部12のうち最も細く形成されている。ノズル部12は、その内部を先端開口12aに向かって移動する眼内挿入用レンズ(以下、単にレンズという)1を、該ノズル部12の内面によって折り畳んで小さく変形させ、先端開口12aから該レンズ1を眼内に射出する。
なお、挿入器具10の本体内には、レンズ1の変形及び押し出しのための潤滑剤として、またレンズ1が挿入される眼球の前房内の空間を広げるための眼内注入液として、ヒアルロン酸ナトリウム等の粘弾性物質や生理食塩水等の液体がノズル部12の先端開口12a等の開口から注入される。
レンズカバー部13の内側には、レンズ1を保持したレンズ保持部材11が、本体筒部14の後端開口を通して挿入される。レンズ保持部材11は、レンズカバー部13の内側の所定位置に挿入された状態で、該レンズカバー部13の内面形状によって保持される。レンズ保持部材11は、レンズカバー部13内に挿入されることで、レンズカバー部13とともに挿入器具10のレンズ保持部を構成する。
レンズ保持部材11は、図2に示すように、レンズ1(特に光学部1a)に実質的に応力が作用せず、かつ押出し軸15による押出し前にレンズカバー部13内で軸方向に移動したり軸方向に対して回転したり、保持されている状態からレンズ1をその光学部1aの中心(光軸方向:図2の上面図に示す紙面に垂直な軸)を軸としてさらに回転したりしないように該レンズ1を保持する。これにより、レンズ1をレンズカバー部13内でレンズ保持部材11に保持させた状態で、挿入器具10を保管することができる。
なお、レンズ1とともに本体内に挿入されるレンズ保持部材11は、本発明において必ずしも必要なわけではない。例えば、レンズカバー部(レンズ保持部)の内面形状を上述したようにレンズを保持できる形状とすることで、レンズ保持部材11を用いなくてもよい。この場合、レンズカバー部に開閉可能な蓋(例えば、ヒンジを有する開閉蓋)を設け、該蓋を開けた状態でレンズカバー部内にレンズを設置し、該蓋を閉めてレンズの保持を行うようにしてもよい。
レンズ1は、図4に示すように、レンズとしての機能を有する光学部1aと、該光学部1aの両側から延出した、それぞれ湾曲した形状を有する2つの支持部1b,1cとにより構成されている。各支持部は、該レンズ1が眼内に挿入された後、光学部1aを眼内で弾性的に支持するための線状の部分であり、各支持部の先端1bt,1ctは自由端となっている。また、光学部1aの周囲には、互いに平行な上下の面を有する辺縁部1dがリング状に形成されている。
レンズ保持部材11は、図1及び図2に示すように、支持部1bが光学部1aよりも先端側(ノズル部12の先端開口12a側)に位置するようにレンズ1を保持する。なお、以下の説明において、支持部1bを前側支持部といい、支持部1cを後側支持部という。また、レンズ保持部材11は、光学部1aの辺縁部1dを支えることで、光学部1aに実質的に応力が作用しないように光学部1aを保持する。
押出し軸15は、レンズ1を先端開口12aに向かって押して移動させるための操作部材である。該押出し軸15は、ノズル部12内を通過するために外径が細い細軸部と、本体筒部14の内面によって軸方向に移動可能に支持される太軸部とを有する。細軸部の先端には、レンズ1(光学部1a)を把持するための二股部15aが形成されている。押出し軸15は、レンズ1を保持したレンズ保持部材11を本体筒部14の後端開口から挿入した後、該後端開口から本体筒部14内に挿入される。
押出し軸15の本体に対する押し込み前の状態(初期状態)では、二股部15aは、レンズカバー部13内にてレンズ保持部材11により保持されたレンズ1よりも若干後方に位置する。
次に、図3を用いて、レンズ1の眼内への押出しについて説明する。図3において、(a)は初期状態から押出し軸15を若干押し込んだ状態を示している。この状態では、押出し軸15の二股部15aによって光学部1aの後部が挟まれたレンズ1が、レンズ保持部材11による保持位置よりも若干先方(先端開口12a側)に移動している。このとき、レンズ1の前側支持部1bの先端1btは、まだノズル部12の内周面(内壁面:以下、ノズル内面という)12bに接触していない。
(b)は、(a)の状態からさらに押出し軸15を押し込んだ状態を示している。この状態では、(a)の状態よりも先方に移動したレンズ1の光学部1aにおける幅方向(軸方向に直交する方向)の両端部分が、ノズル内面12bによって、該光学部1aの幅方向中央部分に対して折り曲げられている。
そして、この状態で、レンズ1の前側支持部1bの先端1btが、初期位置からのレンズ1の押出しにおいて、ノズル内面12bに最初に接触する。このとき、前側支持部1bの先端1btでの接線Tがノズル内面12b(先端1btが接触した部分)に対してなす先端開口12a側の角度θが、90度以上の角度になっている。
このようにレンズ1を押出し軸15によって移動させるだけで(b)に示す状態を作り出すためには、初期状態におけるレンズ保持部材11(つまりはレンズ保持部)によるレンズ1の保持の仕方が重要である。
このため、本実施例では、レンズ保持部材11は、押出し軸15によってレンズ1がレンズ保持部から先端開口12a側に移動されて、前側支持部1bの先端1btがノズル内面12bに最初に接触するときに、前側支持部1bの先端1btでの接線Tがノズル内面12bに対してなす先端開口12a側の角度θが90度以上となるようにレンズ1を保持する。
より具体的には、レンズ保持部材11は、押出し軸15によってレンズ1がレンズ保持部材11から先端開口12a側に移動されて前側支持部1bの先端1btがノズル内面12bに最初に接触したときに、上記角度θが90度より小さくなるレンズ1の保持状態に対して、該角度θが90度以上となるようにレンズ1を光学部1aの周方向に回転させた状態で保持する。
角度θが90度より小さくなるレンズ1の保持状態に対する、角度θが90度以上となるレンズ1の回転量は、前側支持部1bの長さや形状に応じて適宜設定すればよい。
このように、前側支持部1bの先端1btがノズル内面12bに最初に接触したときの上記角度θが90度以上となることにより、その後に図3(c)に示すように押出し軸15を押し進めた際に、前側支持部1bがノズル内面12bに引っかかって光学部1a側に巻き込まれることを防止することができる。つまり、前側支持部1bを図5(b),(c)に示したように過度に折り曲げることなく、先端開口12aの方向に延ばしたまま、レンズ1を先端開口12aに向かって移動させることができる。これにより、眼内に射出された後のレンズ1の前側支持部1bを眼内で正常に機能させることができるとともに、ノズル部12における軸方向に直交する断面積(ノズル径)を小さくして眼球に形成する切開創を小さくすることができる。
なお、レンズ1の後側支持部1cは、図3(c)に示すように、後方に延びた状態でノズル部12a内を進む。このため、後側支持部1cがレンズ1のノズル部12a内でのスムーズな移動を妨げたり、後側支持部1cの眼内での正常な機能を損なったりすることはほとんどない。
また、レンズ保持部材11は、レンズ1をその光学部1aの中心を軸として回転させた状態で保持するため、押出し軸15の先端部(二股部15a)によって光学部1aの中心に対して軸方向後方に位置する部分(光学部1aの中心を通って軸方向に延びる中心線上の部分:以下、中心線上部分という)を押すことができる。しかも、本実施例におけるノズル内面12bは、挿入器具10の中心軸に関して対称なテーパー形状により形成されている。このため、レンズ1をノズル部12内で光学部1aの中心回りで回転させることなくスムーズに押し進めることができる。
なお、角度θが90度より大きく(例えば、95度又は100度以上に)なるようにレンズ保持部材11によるレンズ1の保持状態(回転量又は回転位置)を設定することがより好ましい。これにより、角度θが90度になるようにレンズ1の保持状態を設定した場合に比べて、前側支持部1bが光学部1a側に巻き込まれることをさらに確実に防止することができるとともに、ノズル径をより小さくすることができる。
以上説明したように、本実施例によれば、直押出しタイプの挿入器具10において、ノズル内面12bの形状を複雑にすることなく、押出し操作がし易く、かつ安定したレンズの押出しを可能とすることができる。
また、本実施例と同様の構成を用いることで、図4に示した形状の支持部を有するレンズに限らず、様々な形状の支持部(オープンCタイプの支持部やJタイプの支持部等)を有するレンズにおける前側支持部の光学部側への巻き込みを容易に回避することができる。
なお、本実施例の挿入器具10は、レンズ1がレンズ保持部内に設置された状態で工場から出荷され、かつ病院で手術時まで保管される眼内挿入用レンズ内装型挿入器具(プリロードタイプ挿入器具)である。
このプリロードタイプ挿入器具は、例えば、図7のフローチャートに示す製造方法によって製造される。
挿入器具10の製造は、レンズ1の設置前の挿入器具(本体筒部14、レンズ保持部材11、ノズル部12、レンズカバー部13及び押出し軸15)を準備する工程(ステップS1)を有する。また、レンズ1をレンズ保持部材11に保持させてレンズカバー部13内に挿入(設置)する工程(ステップS2)を有する。レンズ1を設置した挿入器具10を滅菌処理し、包装することで、製造工程が完了する(ステップS3)
以下、本実施例の挿入器具10を用いて行った実験の結果を示す。以下の実験では、押出し軸15によって押されたレンズ1の前側支持部1bの先端1btが最初にノズル部12の内面12bに接触するときに、前側支持部1bの先端1btでの接線Tがノズル部12の内面12bに対してなす先端開口12a側の角度θが様々な角度になるように、レンズ保持部材11により保持されたレンズ1の回転位置を変化させた。また、押出し軸15によってレンズ1を押す位置は、光学部1aの中心線上部分とした。
(実験1)
実験1では、角度θが60度になるようにレンズ1をレンズ保持部材11に保持させ、押出し軸15によって押し出した。この結果、前側支持部1bは、先端1btがノズル部12の内面12bに接触した後、光学部1a側に巻き込まれた。
(実験2)
実験2では、角度θが80度になるようにレンズ1をレンズ保持部材11に保持させ、押出し軸15によって押し出した。この結果、前側支持部1bは、先端1btがノズル部12の内面12bに接触した後、光学部1a側に巻き込まれた。
(実験3)
実験3では、角度θが90度になるようにレンズ1をレンズ保持部材11に保持させ、押出し軸15によって押し出した。この結果、前側支持部1bは、先端1btが概ねノズル部12の内面12bに引っかかることなく、ノズル部12の内面12bに沿って先端開口12a側に延びた。
(実験4,5)
実験4,5ではそれぞれ、角度θが100度及び110度になるようにレンズ1をレンズ保持部材11に保持させ、押出し軸15によって押し出した。この結果、いずれの場合も、前側支持部1bは、先端1btがノズル部12の内面12bにまったく引っかかることなく、スムーズにノズル部12の内面12bに沿って先端開口12a側に延びた。
以下、上記実験1〜5とは、条件を変えてレンズ1の押出しを行った実験を比較例として説明する。
(比較例1)
レンズ1を全く回転させずにレンズ保持部材11に保持させ、光学部1aの中心線上部分を押出し軸15によって押した。この結果、前側支持部1bは、先端1btがノズル部12の内面12bに接触した後、光学部1a側に巻き込まれた。
(比較例2,3)
レンズ1を全く回転させずにレンズ保持部材11に保持させ、光学部1aの中心線上部分から周方向右側及び左側にそれぞれずれた位置を押出し軸15によって押した。このとき、前側支持部1bが光学部1a側に巻き込まれないようにした。この結果、レンズ1は光学部1aの中心回りで左側及び右側にそれぞれ大きく回転してしまい、レンズ1をスムーズに押し進めることができなかった。
上記実験1〜5及び比較例1〜3の結果から、角度θが90度以上の角度、特に100度前後以上の角度となるようにレンズ1を予め回転させた状態でレンズ保持部材11に保持させておくことで、良好な効果が得られることか分かった。さらに、押出し軸15によってレンズ1を押す位置は、光学部1aの中心線上部分が最良であることも分かった。
実施例1では、直押出しタイプの挿入器具について説明したが、本発明は、直押出しタイプ以外の挿入器具にも適用することができる。
図6には、本発明の実施例2である眼内挿入用レンズの挿入器具を示す。図6の上側の図は側面図、下側の図は上面図である。
挿入器具30は、本体筒部32と、本体筒部32の後端開口から本体筒部32内に挿入された押出し軸33と、本体筒部32の先端に組み付けられたレンズ保持部材31と、レンズ保持部材31の下部から先方にかけて組み付けられた挿入部材35とを有する。挿入部材35の先端には、ノズル部35aが形成されている。ノズル部35aの先端には、レンズ1を眼内に射出するための先端開口35bが形成されている。
また、挿入部材35のうちノズル部35a以外の部分はレンズ保持部材31の下側を覆う形状に形成されており、レンズ保持部材31とともにレンズ保持部を構成する。
図1の上側の図において、レンズ保持部材31の内側には、図4に示したレンズ1を押出し軸33の中心軸よりも上側の位置(以下、保持位置という)にて実質的に応力が作用しない状態で保持するための形状が形成されている。また、レンズ保持部材31には、保持位置にて保持されたレンズ1を覆うように押圧部材36が取り付けられている。これにより、レンズ1をレンズ保持部材31の内側にて保持させた状態で、挿入器具10を保管することができる。
押圧部材36は、保持位置にて保持されたレンズ1を押出し軸33の中心軸上の位置(以下、押出し位置)に移動させるために、レンズ保持部材31に対して移動(押し込み)可能に取り付けられている。レンズ1を押出し位置に移動させることで、レンズ1の押出し軸33による押出しが可能となる。レンズ1は、押出し位置では、挿入部材35の底面形状によって若干変形される。これにより、押出し軸33により押されてノズル部35a内を通過するレンズ1をスムーズに小さく折り畳むことができる。
このように、本実施例の挿入器具30は、実施例1の挿入器具10のように保持状態にあるレンズ1をそのまま押出し軸15によって押し出すことができる直押出しタイプとは異なり、レンズ1を保持位置から押出し位置に移動させた後に押出し軸33によって押し出すタイプの挿入器具である。
ただし、押出し位置に移動したレンズ1を押出し軸33によってノズル部35a内を押し進める際のレンズ1の挙動は、実施例1の挿入器具10と基本的に同じである。このため、本実施例でも、レンズ保持部は、レンズ1が保持位置から押出し位置に移動された後に、押出し軸33によって押出し位置(レンズ保持部)からノズル部35aの先端開口35b側に移動されてレンズ1の前側支持部の先端がノズル部35aの内面に最初に接触するときに、該前側支持部の先端での接線が該ノズル内面に対してなす先端開口35a側の角度θが90度以上(より好ましくは90度より大きい角度すなわち鈍角)になるようにレンズ1を保持する。
より具体的には、レンズ保持部材31は、保持位置から押出し位置に移動されて押出し軸33によって押されたレンズ1の前側支持部の先端がノズル内面に最初に接触したときに、上記角度θが90度より小さくなるレンズ1の保持状態に対して、該角度θが90度以上(又は90度より大きい角度)となるようにレンズ1を光学部の周方向に回転させた状態で保持する。
これにより、本実施例の挿入器具30においても、レンズ1を押出し軸33によりノズル部35a内を押し進める際に、前側支持部がノズル内面に引っかかって光学部側に巻き込まれることを防止することができる。すなわち、ノズル内面の形状を複雑にすることなく、押出し操作がし易く、かつ安定したレンズの押出しを可能とすることができる。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
本発明の実施例1である眼内挿入用レンズの挿入器具の上面図及び側面図。 図1の挿入器具に用いられるレンズ保持部材の上面図及び側面図。 (a)は図1の挿入器具(ノズル部)内でのレンズの移動初期の状態を示す平面図。(b)は該ノズル部内でのレンズの移動中期の状態を示す平面図。(c)は該ノズル部)内でのレンズの移動後期の状態を示す平面図。 図1の挿入器具に用いられる眼内挿入用レンズの平面図。 (a)は従来の挿入器具(ノズル部)内でのレンズの移動初期の状態を示す平面図。(b)は該ノズル部内でのレンズの移動中期の状態を示す平面図。(c)は該ノズル部内でのレンズの移動後期の状態を示す平面図。 本発明の実施例2である眼内挿入用レンズの挿入器具の上面図及び側面図。 実施例1の挿入器具の製造方法を示すフローチャート。
符号の説明
1 眼内挿入用レンズ
1a 光学部
1b 前側支持部
1bt (前側支持部)の先端
1c 後側支持部
10,30 挿入器具
11,31 レンズ保持部材
12,35a ノズル部
13 レンズカバー
14,32 本体筒部
15,33 押出し軸

Claims (3)

  1. 光学部と、先端が自由端であるとともに湾曲した形状を有し、前記光学部を眼内で支える2つの支持部とを有する眼内挿入用レンズを眼内に挿入する挿入器具であって、
    前記レンズを保持するレンズ保持部と、
    前記レンズを眼内に送り出す先端開口を有し、前記レンズ保持部から該先端開口に向かって移動する前記レンズを変形させるノズル部と、
    前記レンズを前記レンズ保持部から前記先端開口に向かって移動させる押出し軸とを有し、
    前記レンズ保持部は、前記押出し軸によって前記レンズが該レンズ保持部から前記先端開口側に移動されて、前記2つの支持部のうち前記光学部よりも前記先端開口側に位置する前側支持部の前記先端が前記ノズル部の内面に最初に接触するときに、該前側支持部の前記先端での接線が前記内面に対してなす先端開口側の角度が90度以上となるように前記レンズを保持することを特徴とする眼内挿入用レンズの挿入器具。
  2. 請求項1に記載の挿入器具と、
    前記レンズ保持部により保持された眼内挿入用レンズとを含むことを特徴とする眼内挿入用レンズ内装型挿入器具。
  3. 請求項1に記載の挿入器具を準備する工程と、
    眼内挿入用レンズを前記レンズ保持部に保持させる工程とを含むことを特徴とする眼内挿入用レンズ内装型挿入器具の製造方法。
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