JP4594745B2 - 反射防止構造体を有する部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、反射防止構造体を有する部材の製造方法に関し、特定的にはX線リソグラフィを用いて形成される反射防止構造体を有する部材の製造方法に関する。
入射光に対する反射防止処理が施された部材は、様々な用途で用いられている。反射防止処理の手法としては、従来、蒸着、スパッタリング、あるいは塗装等によって、低屈折率層からなる単層膜を反射防止膜として部材の光学機能面に形成する方法、あるいは低屈折率層と高屈折率層とを積層した多層膜を反射防止膜として部材の光学機能面に形成する方法(特許文献1)等が、一般的である。しかし、蒸着やスパッタリングなどの方法により形成される反射防止膜は、複雑な工程が必要であるため生産性が悪く、高コストであるという問題があった。また、これらの反射防止膜は、波長依存性が大きく、所定の波長以外での反射防止効果は小さくなり、撮像系などにおいて必要とされる可視光領域全域で良好な反射防止効果を達成することは非常に困難であった。さらに、これらの反射防止膜は、入射角が大きくなると反射防止効果が小さくなるという入射角依存性の問題もあった。
一方、部材の光学機能面に入射光の波長以下のピッチ(例えば、可視光であればサブミクロンピッチ)でアスペクト比が1以上の非常に微細な凹凸形状をアレイ状に並べた構造を形成する技術が注目を集めている。ここで、アスペクト比とは、ピッチと高さの比を表す。このような反射防止構造体を形成すると、表面での急激な屈折率変化は解消されて、滑らかな屈折率分布が形成されるため、入射光はほとんど全て部材内部に進入し、部材表面からの光の反射を防止することができる。このような反射防止構造体であれば、特許文献1に記載されたような反射防止膜で問題であった波長依存性及び入射角依存性の問題は大部分、解消される。
このような反射防止構造体の製造方法としては、特許文献2および特許文献3に記載されているような、X線リソグラフィの技術を用いて、サブミクロンレベルの微細な構造を形成する技術が提案されている。X線は、波長が短く直進性に優れているので、従来加工が困難であったサブミクロンレベルの微細な構造を加工するのに適している。
特開2001−127852号公報 特開2000−035500号公報 特許第3521205号公報
特許文献2や特許文献3に記載されているようにX線リソグラフィにより基板上に微細構造を形成する場合、微細構造に対応するパターンをもつX線マスクを介して基板を露光する。この際、X線マスクと基板との間に一定の間隔を開けて露光する。
このようにX線リソグラフィでは、紫外線を用いたフォトリソグラフィの様に、マスクと基板を密着させて露光するのではなく、X線マスクと基板との間に一定の間隔を開けて露光が行われる。これは、X線マスクが非常に薄く破壊されやすいメンブレンにマスク材料であるX線吸収体を配置することにより形成されているため、マスクが破壊される恐れがあるからである。X線は、波長が短く直進性に優れているので、マスクと基板との間に空間を設けても、マスクに形成すべき構造に対応する所望のパターンを基板上に露光することが可能である。従って、X線を用いた露光は、レンズ面のように平面ではない基板上に微細構造を形成する場合、マスクと基板との間の間隔が大きくなる部分が生じることが避けられないので、特に有効である。
ところが、多角形や円などがアレイ状に配列された、2次元的な周期構造を持ったマスクを製造することは非常に困難であり、また、マスクを作製するのに多大な時間を要する。例えば、電子ビーム(EB)により、5mm×5mmの面中に300nmの円をアレイ状に配列したパターンを作製しようとすると、描画時間だけで約10時間もかかる。
また、サブミクロン以下のピッチの周期的な微細構造を形成するために、マスクと基板との間に間隔が存在する状態でX線露光を行うと、X線マスクの異なる領域を透過したX線同士が回折により干渉し、基板上に意図しない強度分布を生成してしまうという問題があった。2次元的な周期構造を持ったマスクを用いて露光を行うと、縦、横、斜め方向で干渉の仕方が異なるため、マスクと基板の間隔によって、反射防止構造体とならない場合がある。特に、レンズなどの曲面上にX線リソグラフィを用いて反射防止構造体を形成しようとすると、マスクと基板との間の間隔が大きい部分が存在するので、間隔が大きくなるような曲率の大きなレンズなどへの反射防止構造体の形成は出来なくなってしまう。
本発明の目的は、X線リソグラフィを用いて高精度な反射防止構造体の製造方法を提供することである。特に、レンズ面などの曲面上にも高精度に反射防止構造体を形成する方法を提供することである。
上記目的は、以下の構成を備える反射防止構造体を有する部材の製造方法により達成される。所定形状を構造単位とし、当該所定形状が反射率を低減すべき光の波長以下のピッチでアレイ状に配列されてなる反射防止構造体を有する部材の製造方法であって、ラインアンドスペースパターンを有するX線マスクを介して、反射防止構造体が形成されるべき部材となる基板にX線を露光する第1の露光工程と、X線マスクと基板との少なくとも一方をX線の光軸まわりに回転させた後、基板にX線を露光する回転露光工程を、少なくとも1回含む第2の露光工程と、露光された基板を現像する現像工程とを備える。
以上の方法によれば、ラインアンドスペースパターンを有するX線マスクを使用するので、X線マスクの製造が容易で、ホログラム露光によっても作製できるので、大面積を短時間に形成でき安価なマスクが使用できる。しかも、X線リソグラフィの際にX線マスクの異なる領域を透過したX線同士が干渉しても、ラインアンドスペースパターンの格子ベクトルに対して平行な1次元方向でのみ干渉するので、格子ベクトルに垂直な方向には強度分布は一定であり、格子ベクトルに平行な1次元方向にしか強度分布を持たない。結果的にラインアンドスペースパターンを維持した強度分布を得ることができる。したがって、以上の方法によれば、X線リソグラフィを用いて、反射防止構造体を高精度に提供することができる。以上の方法は、特にレンズなどの曲面に反射防止構造体を形成する際に好適である。
なお、この明細書および特許請求の範囲の欄において、反射防止構造体とは、所定の波長を有する反射を抑制すべき光の反射を抑制するために、光学機能面の表面に形成される微細構造の集合を意味し、所定の波長の反射を抑制すべき光を完全に反射させない態様だけではなく、所定の波長の反射を抑制すべき光の反射を抑制する効果を持つ態様を含む。
また、この明細書および特許請求の範囲の欄において、部材とは、反射防止効果が必要なあらゆる部材を含む。部材の例としては、例えば、光路中に配置され光学機能面を持つレンズ素子、プリズム素子およびミラー素子等の光学素子、それら光学素子の保持に用いられる構造部材や光学素子を含む機器全体を保護する筐体部材、各種光デバイス(半導体レーザ素子や発光ダイオードなどの発光素子、フォトダイオードなどの受光素子、CCDやCMOSなどの撮像素子、光通信に用いられる光スイッチや分岐器など)において、反射防止処理が必要な構造部分、液晶表示パネルや有機エレクトロルミネッセンスパネル、プラズマ発光パネルなどのディスプレイパネルの表示部分などが挙げられる。
本発明によれば、反射防止構造体を、X線リソグラフィを用いて高精度に製造するための製造方法を提供することができる。特に、本発明によれば、レンズ面などの曲面上にも高精度に反射防止構造体を形成する方法を提供することができる。
(実施の形態1)
図1(A)及び(B)は、実施の形態1にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法に使用されるX線マスクのパターンを示す正面図である。実施の形態1にかかる製造方法は、後述するように同一のX線マスクを用いて2回のX線露光を行う。図1(A)は、最初の露光に使用されるマスクAのX線透過領域の配置を示し、図1(B)は、2回目の露光に使用されるマスクAのX線透過領域の配置を示す。
実施の形態1にかかるマスクAは、シリコンウェハを基板とし、SiCメンブレンにX線を吸収するTa薄膜が形成されたX線吸収領域3と、Ta薄膜が形成されていないX線透過領域4とからなる。実施の形態1にかかるマスクAは、X線吸収領域3とX線透過領域4とが平行縞状に形成された、ラインアンドスペースパターン(以下、L/Sパターンという)を有している。ここで、L/Sパターンは、X線吸収領域3とX線透過領域4との幅が1対1で形成されている。
実施の形態1にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法は、L/Sパターン同士が直交する状態でそれぞれX線を露光することにより、基板上に両パターンを重畳したX線の強度分布を形成する。すなわち、この部材の製造方法は、はじめにL/Sパターンを持つX線マスクを図1(A)の配置で露光した後、X線の光軸まわりに90度回転させて図1(B)の配置で露光することに特徴を持っている。
図2(A)は、実施の形態1にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法において、露光後の基板上に形成されるX線の強度分布を示す模式図である。また、図2(B)は、実施の形態1にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法において、露光後の基板上に照射されたX線の強度分布を立体的に示した斜視拡大図である。
以下、実施の形態1の原理を説明する。X線露光は、図1(A)のL/Sパターンを有するX線マスクを介して行われた後、X線マスクAをL/SパターンのX線吸収領域3とX線透過領域4との境界部分においてX線の光軸まわりに90度回転させて、図1(B)の配置にして行われる。このように露光すると、X線マスクのL/SパターンがX線吸収領域3とX線透過領域4との幅が1対1で形成されているので、L/Sパターンが90度の角度をなす状態に重畳された正方格子パターンが基板上に照射される。
基板上に露光されるパターンは、図2(A)に示すように、X線露光量が3レベルの正方格子である。すなわち、露光後の基板上には、回転の前後でまったくX線が露光されない領域(図2(A)中、「0」と記す)と、回転の前後のいずれか1回だけX線が露光された領域(図2(A)中、「1」と記す)と、回転の前後でいずれもX線が露光された領域(図2(A)中、「2」と記す)とが形成される。
このように露光された基板を現像すると、回転の前後でいずれもX線が露光された領域および回転の前後のいずれか1回だけX線が露光された領域は、ともに現像により凹部となる。このとき、凹部の形成深さは、照射されるX線量が多いと深くなる。したがって、凹部は、回転の前後でいずれもX線が露光された領域の方が、回転の前後のいずれか1回だけX線が露光された領域よりも深くなる。以上のようにして、図2(B)に示す3レベルの単位構造が周期的に形成された形状に対応するX線強度分布を得ることができる。実際に、図2(B)に示すX線強度分布に基づき基板を現像すると、干渉と現像の際の化学的な作用の影響により、図2(B)に示す立体的な構造のように断面矩形の形状は得られず、エッジ部分がなまった構造になる。しかしながら、この構造は、3レベルの単位構造が反射率を低減すべき光の波長以下のピッチでアレイ状に配列されており、表面に入射する反射防止効果を奏する。
以下、以上説明した実施の形態1にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法を具体的に説明する。図3は、実施の形態1にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法に用いるX線マスクAの製造方法を説明する模式図である。また、図4は、実施の形態1にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法を説明する模式図である。
はじめに図3を参照して、実施の形態1にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法に用いるX線マスクの製造方法を説明する。図3において、直径100mmのシリコンウェハ21上に、30mm角のSiCメンブレン22を形成した(図3(A))。次に、SiCメンブレン22上にTa吸収体薄膜23を形成した(図3(B))。さらに、必要部分のシリコンウェハを除去し(裏窓加工)、Ta吸収体薄膜23上にフォトレジスト層24を形成した(図3(C))。この状態のままフォトレジスト24にホログラム露光を行い、図1に示すL/Sパターンを形成した。以上のホログラム露光は、露光時間約1分である。同様の面積をEB描画により作成する場合、理論上15日程度必要であるから、露光時間が大幅に削減されている。
露光した結果、SiCメンブレン22上に、ピッチ200nmのフォトレジストからなるL/Sパターンの微細構造25が形成された(図3(D))。このままドライエッチング処理を行ってTa吸収体薄膜23を選択的に除去し、厚さ1μmでピッチ200nmのTa吸収体薄膜からなるL/Sパターンの微細構造26を形成した。この結果、L/Sパターン化されたTa吸収体薄膜からなるX線マスクAが得られた(図3(E))。マスク作製に於いて、レジストパターン形成にかかった時間は、2時間程度であった。電子ビーム描画によって作製すれば、約15時間必要である。
次に、図4を参照して、X線リソグラフィにより石英ガラス基板の表面に反射防止構造体を形成する方法を説明する。石英ガラス基板Q1を20mm×20mm×5mmの大きさに切り出し、表面を中心線表面粗さRa=2nm程度まで平滑に研磨加工した。この石英ガラス基板Q1の表面に、スピンコート法を用いてX線レジスト31を0.3μmの厚みで形成した。X線レジスト31が塗布された石英ガラス基板Q1に、X線マスクAを300μmのギャップを介して対向させた。その後、X線マスクA側から10A・minでX線露光を行った(第1の露光工程:図4(A))。
続けて、X線マスクAをL/SパターンのX線吸収領域3とX線透過領域4との境界部分においてX線の光軸まわりに90度回転させて、同様にマスクA側から10A・minでX線露光を行った(第2の露光工程:図4(B))。X線露光後、2−(2−n−ブトキシエトキシ)エタノールを主成分とする現像液に浸漬して現像した結果、X線レジスト31は、図2(B)に示した立体的な強度分布に基づくピッチ200nmの微細構造32に加工された(現像工程:図4(C))。
次に、X線レジストからなる微細構造32が形成された石英ガラス基板Q1をRFドライエッチング装置の中に入れ、CHF3 +O2 ガスを用いて、石英ガラス基板の表面をエッチング処理し、石英ガラス基板Q1の表面にピッチ200nm、高さ300nmの反射防止構造体33を形成した(構造形成工程:図4(D))。反射防止構造体33は、ほぼ四角錐形状を構造単位とする周期的構造を備えている。
実施の形態1のような平板の石英基板では、マスクと石英基板の間隔が30μm以下にすることは可能であるが、レンズのような曲面形状において、マスクとレンズ形状の石英基板の間隔が数100μm以上となる場合は、従来のX線マスクを用いてレンズ表面に反射防止構造体を形成することはできない。
なお、図4に示した製造方法において、X線レジスト塗布前の石英ガラス基板Q1にエッチングマスクを形成してから、X線露光及び現像後にウェットエッチング及びドライエッチング処理を行うと、さらに高さの大きい構造体が得られる。この場合、エッチングマスクはCr、Ni、Feであることが好ましい。
なお、X線吸収体の材料として、具体的にTaを挙げたがこれに限られない。例えば、吸収材が、Ta、Ni、Au、Cu、Ag、Cr、Fe等のいずれであってもよい。
また、実施の形態1では、X線マスクAをX線の光軸まわりに90度回転させてパターンを重畳させる例を示したがこれに限られない。例えば、X線マスクAをX線の光軸まわりに270度回転させてパターンを重畳させる例を示してもよいし、複数回回転させてもよい。要は、最終的に、L/Sパターン同士が直交する関係になるようにX線マスクを回転させればよい。また、X線マスクAを回転させる代わりに基板を回転させてもよい。
また、実施の形態1では、X線マスクAのL/Sパターンにおいて、X線吸収領域3とX線透過領域4の幅を1対1としたが、任意の比率としてよい。また、回転中心付近と周辺付近との間で幅を変化させるようにL/Sパターンを形成すると、反射率に波長依存性を持たせることも可能である。
このように、実施の形態1にかかる製造方法によれば、2回の露光でマスクAのパターンを重畳させることにより、基板上で重畳したパターンに対応する強度分布を高精度に得ることができる。したがって、実施の形態1にかかる製造方法によれば、X線マスクと基板との間の間隔を大きくとることができ、レンズ面などのようにサグ量が大きい基板に高精度に反射防止構造体を形成することが可能である。
また、実施の形態1にかかる製造方法によれば、ホログラム露光により作製可能なL/Sパターンを有するX線マスクを使用するので、マスクを作製する時間を大幅に短縮することが可能になる。
(実施の形態2)
図5(A)、(B)および(C)は、実施の形態2にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法に使用されるX線マスクのパターンを示す正面図である。実施の形態2にかかる製造方法は、後述するように同一のX線マスクを用いて3回のX線露光を行う。図5(A)は、最初の露光に使用されるマスクAのX線透過領域の配置を示し、図5(B)は、2回目の露光に使用されるマスクAのX線透過領域の配置を示し、図5(C)は、3回目の露光に使用されるマスクAのX線透過領域の配置を示す。なお、実施の形態2にかかるマスクAは、実施の形態1において説明したマスクAと等しい構成を持つ。
実施の形態2にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法は、L/Sパターン同士が互いに60度の角度をなすように、それぞれX線を露光することにより、基板上に3つのパターンを重畳したX線の強度分布を形成する。すなわち、この部材の製造方法は、はじめにL/Sパターンを持つX線マスクを図5(A)の配置で露光した後、X線の光軸まわりに60度回転させて図5(B)の配置で露光し、さらに、X線の光軸まわりに60度回転させて図5(C)の配置で露光することに特徴を持っている。
図6(A)は、実施の形態2にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法において、露光後の基板上に形成されるX線の強度分布を示す模式図である。また、図6(B)は、実施の形態2にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法において、露光後の基板上に照射されたX線の強度分布を立体的に示した斜視拡大図である。
以下、実施の形態2の原理を説明する。X線露光は、図5(A)のL/Sパターンを有するX線マスクを介して行われた後、X線マスクAをL/SパターンのX線吸収領域3とX線透過領域4との境界部分においてX線の光軸まわりに60度回転させて、図5(B)の配置にして行われ、さらにX線マスクAをL/SパターンのX線吸収領域3とX線透過領域4との境界部分においてX線の光軸まわりに60度回転させて、図5(C)の配置にして行われる。このように露光すると、X線マスクのL/SパターンがX線吸収領域3とX線透過領域4との幅が1対1で形成されているので、L/Sパターンが60度の角度をなす状態に重畳された三角格子パターンが基板上に照射される。
基板上に露光されるパターンは、図6(A)に示すように、X線露光量が4レベルの三角格子である。すなわち、露光後の基板上には、まったくX線が露光されない領域(図6(A)中、「0」と記す)と、1回だけX線が露光された領域(図6(A)中、「1」と記す)と、2回だけX線が露光された領域(図6(A)中、「2」と記す)と、いずれもX線が露光された領域(図6(A)中、「3」と記す)と、が形成される。
このように露光された基板を現像すると、X線が露光された領域は、すべて現像により凹部となる。このとき、凹部の形成深さは、照射されるX線量が多いと深くなる。したがって、凹部は、いずれもX線が露光された領域、2回だけX線が露光された領域、1回だけX線が露光された領域の順に、深くなる。以上のようにして、図6(B)に示す4レベルの単位構造が周期的に形成された形状に対応するX線強度分布を得ることができる。実際に、図6(B)に示すX線強度分布に基づき基板を現像すると、干渉と現像の際の化学的な作用の影響により、図6(B)に示す立体的な構造のように断面矩形の形状は得られず、エッジ部分がなまった構造になる。しかしながら、この構造は、4レベルの単位構造が反射率を低減すべき光の波長以下のピッチでアレイ状に配列されており、表面に入射する反射防止効果を奏する。
以下、以上説明した実施の形態2にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法を具体的に説明する。図7は、実施の形態2にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法を説明する模式図である。
図7を参照して、X線リソグラフィにより石英ガラス基板の表面に反射防止構造体を形成する方法を説明する。石英ガラス基板Q1を20mm×20mm×5mmの大きさに切り出し、表面を中心線表面粗さRa=2nm程度まで平滑に研磨加工した。この石英ガラス基板Q1の表面に、スピンコート法を用いてX線レジスト31を0.3μmの厚みで形成した。X線レジスト31が塗布された石英ガラス基板Q1に、X線マスクAを300μmのギャップを介して対向させた。その後、X線マスクA側から10A・minでX線露光を行った(第1の露光工程:図7(A))。
続けて、X線マスクAをL/SパターンのX線吸収領域3とX線透過領域4との境界部分においてX線の光軸まわりに60度回転させて、同様にマスクA側から10A・minでX線露光を行った(第2の露光工程:図7(B)。さらに、X線マスクAをL/SパターンのX線吸収領域3とX線透過領域4との境界部分においてX線の光軸まわりに60度回転させて、同様にマスクA側から10A・minでX線露光を行った(第2の露光工程:図7(C))。X線露光後、2−(2−n−ブトキシエトキシ)エタノールを主成分とする現像液に浸漬して現像した結果、X線レジスト31は、図6(B)に示した立体的な強度分布に基づくピッチ200nmの微細構造32に加工された(現像工程:図7(D))。
次に、X線レジストからなる微細構造35が形成された石英ガラス基板Q1をRFドライエッチング装置の中に入れ、CHF3 +O2 ガスを用いて、石英ガラス基板の表面をエッチング処理し、石英ガラス基板Q1の表面にピッチ200nm、高さ300nmの反射防止構造体36を形成した(構造形成工程:図4(D))。反射防止構造体36は、ほぼ三角錐形状を含む複雑な凹凸形状を構造単位とする周期的構造を備えている。
実施の形態2のような平板の石英基板では、マスクと石英基板の間隔が30μm以下にすることは可能であるが、レンズのような曲面形状において、マスクとレンズ形状の石英基板の間隔が数100μm以上となる場合は、従来のX線マスクを用いてレンズ表面に反射防止構造体を形成することはできない。
なお、図7に示した製造方法において、X線レジスト塗布前の石英ガラス基板Q1にエッチングマスクを形成してから、X線露光及び現像後にウェットエッチング及びドライエッチング処理を行うと、さらに高さの大きい構造体が得られる。この場合、エッチングマスクはCr、Ni、Feであることが好ましい。
なお、X線吸収体の材料として、具体的にTaを挙げたがこれに限られない。例えば、吸収材が、Ta、Ni、Au、Cu、Ag、Cr、Fe等のいずれであってもよい。
また、実施の形態2では、X線マスクAをX線の光軸まわりに60度回転させて露光し、さらに60度回転させて露光して、L/Sパターンを重畳する例を示したがこれに限られない。例えば、X線マスクAをX線の光軸まわりに120度回転させて露光し、さらに120度回転させて露光して、L/Sパターンを重畳したり、X線マスクAをX線の光軸まわりに60度回転させて露光し、さらに逆方向に120度回転させて露光して、L/Sパターンを重畳したり、X線マスクAをX線の光軸まわりに120度回転させて露光し、さらに逆方向に60度回転させて露光して、L/Sパターンを重畳するなどしてもよい。要は、最終的に、L/Sパターン同士がそれぞれ60度の角度をなす関係になるようにX線マスクを回転させればよい。また、X線マスクAを回転させる代わりに基板を回転させてもよい。
また、実施の形態2では、X線マスクAをL/SパターンのX線吸収領域3とX線透過領域4との境界部分においてX線の光軸まわりに回転させてパターンを重畳させる例を示したがこれに限られない。X線吸収領域3あるいはX線透過領域4においてX線の光軸まわりに回転させてもよい。
図8(A)は、実施の形態2の変形例にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法において、露光後の基板上に形成されるX線の強度分布を示す模式図である。また、図8(B)は、実施の形態2の変形例にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法において、露光後の基板上に照射されたX線の強度分布を立体的に示した斜視拡大図である。変形例は、X線マスクAをL/SパターンのX線吸収領域3とX線透過領域4との境界部分においてX線の光軸まわりに回転させる代わりに、X線吸収領域3においてX線の光軸まわりに回転させた例である。
変形例において、基板上に露光されるパターンは、図8(A)に示すように、X線露光量が4レベルの三角格子である。ただし、変形例は、X線吸収領域3においてX線の光軸まわりに回転させているので、正六角形状のパターンを含む三角格子となっている。すなわち、露光後の基板上には、まったくX線が露光されない領域(図8(A)中、「0」と記す)と、1回だけX線が露光された領域(図8(A)中、「1」と記す)と、2回だけX線が露光された領域(図8(A)中、「2」と記す)と、いずれもX線が露光された領域(図8(A)中、「3」と記す)と、が形成される。
このようにして、図8(B)に示す4レベルの単位構造が周期的に形成された形状に対応するX線強度分布を得ることができる。実際に、図8(B)に示すX線強度分布に基づき基板を現像すると、干渉と現像の際の化学的な作用の影響により、図8(B)に示す立体的な構造のように断面矩形の形状は得られず、エッジ部分がなまった構造になる。しかしながら、この構造は、4レベルの単位構造が反射率を低減すべき光の波長以下のピッチでアレイ状に配列されており、表面に入射する反射防止効果を奏する。
また、実施の形態2あるいは変形例では、X線マスクAのL/Sパターンにおいて、X線吸収領域3とX線透過領域4の幅を1対1としたが、任意の比率としてよい。また、回転中心付近と周辺付近との間で幅を変化させるようにL/Sパターンを形成すると、反射率に波長依存性を持たせることも可能である。
このように、実施の形態2にかかる製造方法によれば、実施の形態1にかかる製造方法の作用に加えて、より多レベルの構造を形成することができ、反射防止効果の高い構造体を得ることができる。
(実施の形態3)
図9は、実施の形態3の部材の製造方法を説明する模式図である。実施の形態3にかかる製造方法は、X線リソグラフィによりPMMAなどの光学樹脂を直接加工することを特徴としている。
図9を参照して、実施の形態9にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法を説明する。はじめに、実施の形態1と等しいX線マスクAと、射出成形したPMMA樹脂レンズ41(サグ量:最大0.5mm、直径:3mm、曲率半径:2mmの平凸レンズ)とを、その中心でのギャップを30μmとして対向させる。このPMMA樹脂レンズ41に、X線の露光量を10A・minとしてX線露光を行った(第1の露光工程:図9(A))。続けて、X線マスクAをL/SパターンのX線吸収領域3とX線透過領域4との境界部分においてX線の光軸まわりに90度回転させて、同様にマスクA側から10A・minでX線露光を行った(第2の露光工程:図9(B))。
さらに、マスクの無い状態でPMMA樹脂レンズ41全面にX線を照射した(図示せず)。なお、X線の露光量は10A・minで同一である。
この後、PMMA樹脂レンズ41を2−(2−n−ブトキシエトキシ)エタノールを主成分とする現像液に浸漬して、基板表面にピッチ200nm、高さ300nmの図8(B)に示す反射防止構造体42を形成した(現像工程:図9(C))。このように、基板がX線に感光する材料であれば、直接反射防止構造体を形成できる。一方、比較として、正方形を千鳥配置したパターンを有するマスクを作製し、回転させずに1回の露光でパターンニングを試みた。マスク作製時間は約15時間かかった。また、露光後、パターンが形成できていなかった。これは干渉により、ある一定間隔でパターンが消失してしまったためである。
(実施の形態4)
図10を用いて、反射防止構造体を有する部材を製造するための型を複製する方法を説明する。図10は、実施の形態4にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法に用いる電鋳型の製造方法を説明する模式図である。実施の形態4にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法は、型を電鋳複製することを特徴としている。以下、実施の形態1お乃至3などの製造方法により作成された反射防止構造体が形成されたPMMA樹脂レンズ61を電鋳複製するプロセスを例に説明を行う。
実施の形態3において説明した製造方法によりPMMA樹脂レンズ61(マスタ型、図10(A))は、導電性ではないので、無電解メッキ用Ni/B溶液63に浸漬して、反射防止構造体62の表面に無電解メッキ層64を形成した(図10(B))。PMMA樹脂レンズ61の反射防止構造体62に形成された無電解メッキ層64は、40nmの厚みを有していた。
無電解メッキ層64を形成したマスタ型をスルファミン酸ニッケル電解液65に浸漬し、電気メッキを行ってマスタ型の表面にNiメッキ層66を形成させた(図10(C))。その後、Niメッキしたマスタ型を塩基溶液67に浸漬して、PMMA樹脂レンズ61を引き離し(図10(D))、Ni複製型68を得た(図10(E))。Ni複製型68の厚さは4.0mmであった。
以上のように複製された型は、加熱軟化された樹脂やガラス等を直接成形する型として用いることができる。実施の形態4によれば、反射防止構造体を成形するために用いる型を電子ビーム描画などの高コストで生産性の低い方法によらずに製造することが可能になる。
(実施の形態5)
次に、図11を参照して、反射防止構造体を有する部材を製造するための型を複製する別の方法を説明する実施の形態5にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法に用いるガラス成形型の製造方法を表す。
実施の形態1において説明した製造方法により反射防止構造体が形成された石英ガラス基板表面に、スパッタリング法によって、Ir−Rhからなる表面保護のための薄膜71を0.01μmの厚みで形成し、成形用上型72とした。下型73は、WCを主成分とする超硬合金表面にスパッタリング法により、Ir−Rhからなる表面保護のための薄膜71を0.03μmの厚みで形成したものを用いた。成形用ガラス材料74には、クラウン系硼珪酸ガラス(転移点Tg:501°C、屈伏点At:549°C)を用い、その表面に離型剤として窒化硼素(BN)を主成分とする薄膜75を形成した。
上型72と下型73とを対向して成形機に設置し、その間に成形用ガラス材料74を置いた(図11(A))。なお、上型72と下型73と成形用ガラス材料74とは、すべて、窒素ガス に置換されたチャンバー76の内部に収納される。温度590℃、1000Nの加圧力で3分間プレス成形し(図11(B))、冷却せずに上型72を離型し、成形用材料74表面に反射防止構造体の反転形状を形成し、部材77を作製した(図11(C))。その後、下型73から成形された部材を取り出し、反射防止構造体を有する部材77の製造工程が完了した。なお、表面保護の薄膜がなければ、ガラス材料は部分的に直接型に接触し、融着を起こして型から離型させることができなくなってしまう。無理に離型しようとすると、ガラス材料あるいは型が割れてしまう。
以上のように複製された型は、加熱軟化された樹脂やガラス等を直接成形する型として用いることができる。実施の形態5によれば、反射防止構造体を成形するために用いる型を電子ビーム描画などの高コストで生産性の低い方法によらずに製造することが可能になる。
(実施の形態6)
次に、図12を参照して、反射防止構造体を有する部材を製造する別の方法を説明する。図12は、実施の形態6にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法を説明する模式図である。実施の形態は、先に述べたマスタ型から電鋳複製された型を用いて光学樹脂からなる部材を成形することを特徴としている。
先に説明した電鋳型83をインサート型として、ベース型81に組み込み、樹脂が充填されるキャビティ内面全体にシランカップリング剤を塗布して、表面保護離型層82を形成した(図12(A))。次に、電鋳型83を220°Cに加熱し、流動状態にあるポリオレフィン樹脂84を型内に射出し(図12(B))、充填した(図12(C))。樹脂が冷却により固化したら、型を開き樹脂を取り出し、反射防止構造体が形成された樹脂85を得た。反射防止構造体が形成された樹脂85の表面の反射率を測定したところ、波長が220nm以上の光について平均で約0.09%の値を示した。なお、本実施の形態はアクリル、テフロン(登録商標)、ポリエチレン、ポリオレフィンなどが樹脂材料として用いることができる。
(実施の形態7)
実施の形態7は、先に述べたマスタ型から電鋳複製された型を用いて光学樹脂かならなる部材を成形することを特徴としている。シランカップリング剤により表面保護膜を形成した電鋳複製型を用いて、実施の形態4と同様の成形機を用いて、光学樹脂材料をプレス成形した。表面保護膜を形成した電鋳複製型を上型とし、WCを主成分とする超硬合金を下型に用いた。上型、下型、及びPMMA樹脂基板をセットし、180°C、20MPaでプレス成形し、樹脂基板表面に反射防止構造体を形成した。反射防止構造体が形成された樹脂表面の反射率を測定したところ、波長が220nm以上の光について平均で約0.08%の値を示した。なお、実施の形態はアクリル、テフロン(登録商標)、ポリエチレン、ポリオレフィンなどを樹脂基板として用いることができる。
(その他の実施の形態)
上記の実施の形態1では、回転後に露光されるべきL/Sパターンが、第1の露光工程において露光されたL/Sパターンと直交する関係にあるときに露光する場合を示した。また、上記の実施の形態2では、回転後に露光されるべきL/Sパターンが、第1の露光工程において露光されたL/Sパターンとそれぞれ60度の角度をなす関係にあるときにそれぞれ露光する場合を示した。しかしながら、これに限られず、さらに一般化して複数回の露光を行ってもよい。
例として、第1の露光工程の後、n回(nは自然数)の回転露光工程を含む場合を考える。このとき、X線マスクと基板とが以下の関係式を満足する位置でそれぞれ基板にX線を露光すると、周期的な形状を得るための露光パターンを得ることができる。
θi={180/(n+1)}*i
ただし、
i:1以上n以下の整数、
θi:回転後のL/Sパターンが、第1の露光工程において露光されたL/Sパターンとなす角であって、小さい順にi番目のなす角、
である。
上記関係式を満足する位置でそれぞれ基板にX線を露光することにより、2のn乗レベルの段差を持つ形状を得るためのX線の強度分布を形成することが可能である。このため、露光回数を増やすほど複雑でアスペクト比が大きい形状を得ることができるが、その分だけ製造工程が複雑になるので、反射防止構造体の性能と製造の容易さのバランスをみて回数を決定すればよい。
露光は、X線マスクと基板とがそれぞれ上記関係式を満足する位置で行えばよく、その関係にするプロセスは問わないことはいうまでもない。したがって、露光の間に行われる回転の方向や角度は適宜定めればよい。
なお、実施の形態1において説明した2回露光は、上記関係式において、n=1である場合に相当し、実施の形態2において説明した3回露光は、上記関係式において、n=2である場合に相当する。
本発明は、デジタルカメラやプリンタ装置などに用いられるレンズ素子、プリズム素子など光路中の光線に対する反射防止処理が必要な光学機能面を持つ光学素子に好適である。また、本発明は、それら光学素子の保持に用いられる構造部材や光学素子を含む機器全体を保護する筐体部材などに適用することにより、不要光を防止する反射防止面とすることができる。さらに、本発明は、半導体レーザ素子や発光ダイオードなどの発光素子や、フォトダイオードなどの受光素子、CCDやCMOSなどの撮像素子や、光通信に用いられる光スイッチや分岐器などの各種デバイスにおいて、反射防止処理が必要な部分に形成することにより、各デバイスの機能を向上させることができる。さらに、本発明は、液晶表示パネルや有機エレクトロルミネッセンスパネル、プラズマ発光パネルなどのディスプレイパネルの表示部分に適用してもよい。その他、本発明は、光学機器に用いられる反射防止処理が必要なあらゆる部材に対して広く適用可能である。
実施の形態1にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法に使用されるX線マスクのパターンを示す正面図 (A)は、実施の形態1にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法において、露光後の基板上に形成されるX線の強度分布を示す模式図、(B)は、実施の形態1にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法において、露光後の基板上に照射されたX線の強度分布を立体的に示した斜視拡大図 実施の形態1にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法に用いるX線マスクAの製造方法を説明する模式図 実施の形態1にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法を説明する模式図 (A)、(B)および(C)は、実施の形態2にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法に使用されるX線マスクのパターンを示す正面図 (A)は、実施の形態2にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法において、露光後の基板上に形成されるX線の強度分布を示す模式図、(B)は、実施の形態2にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法において、露光後の基板上に照射されたX線の強度分布を立体的に示した斜視拡大図 実施の形態2にかかる部材の製造方法を説明する模式図 (A)は、実施の形態2の変形例にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法において、露光後の基板上に形成されるX線の強度分布を示す模式図、(B)は、実施の形態2の変形例にかかる反射防止構造体を有する部材の製造方法において、露光後の基板上に照射されたX線の強度分布を立体的に示した斜視拡大図 実施の形態3の部材の製造方法を説明する模式図 実施の形態4にかかる部材の製造方法に用いる電鋳型の製造方法を説明する模式図 実施の形態5にかかる部材の製造方法を説明する模式図 実施の形態6にかかる部材の製造方法を説明する模式図
符号の説明
Q1 石英ガラス基板
3 X線吸収領域
4 X線透過領域
21 シリコンウェハ
22 SiCメンブレン
23 Ta吸収体薄膜
24 フォトレジスト層
25 微細構造
26 微細構造
31 X線レジスト
32 微細構造
33 反射防止構造体
35 微細構造
36 反射防止構造体
41 PMMA樹脂レンズ
42 反射防止構造体
61 PMMA樹脂レンズ
62 反射防止構造体
63 Ni/B溶液
64 無電解メッキ層
65 スルファミン酸ニッケル電解液
66 Niメッキ層
67 塩基溶液
68 Ni複製型
71 薄膜
72 上型
73 下型
74 成形用ガラス材料
75 薄膜
76 チャンバー
77 部材
81 ベース型
82 表面保護離型層
83 電鋳型
84 流動状態のポリオレフィン樹脂
85 樹脂

Claims (8)

  1. 所定形状を構造単位とし、当該所定形状が反射率を低減すべき光の波長以下のピッチでアレイ状に配列されてなる反射防止構造体を有する部材の製造方法であって、
    ラインアンドスペースパターンを有するX線マスクを介して、前記反射防止構造体が形成されるべき前記部材となる基板にX線を露光する第1の露光工程と、
    前記X線マスクと前記基板との少なくとも一方を前記X線の光軸まわりに回転させた後、前記基板に前記X線を露光する回転露光工程を、少なくとも1回含む第2の露光工程と、
    露光された前記基板を現像する現像工程とを備える、反射防止構造体を有する部材の製造方法。
  2. 前記第2の露光工程が、n回(nは自然数)の前記回転露光工程を含むとき、前記X線マスクと前記基板とが以下の関係式を満足する位置でそれぞれ前記基板に前記X線を露光する、請求項1に記載の反射防止構造体を有する部材の製造方法:
    θi={180/(n+1)}*i
    ただし、
    i:1以上n以下の整数、
    θi:回転後の前記ラインアンドスペースパターンが、前記第1の露光工程において露光された前記ラインアンドスペースパターンとなす角であって、小さい順にi番目のなす角、
    である。
  3. 前記基板は、自身が感光性材料からなり、
    前記現像工程により、前記基板に前記反射防止構造体が形成される、請求項1に記載の反射防止構造体を有する部材の製造方法。
  4. 前記基板は、感光性レジストからなる層を有し、
    前記現像工程において、前記基板を現像した後、さらに、
    前記感光性レジストをマスクとしてドライエッチングすることにより、前記反射防止構造体を形成する構造形成工程を備える、請求項1記載の反射防止構造体を有する部材の製造方法。
  5. 前記基板は、エッチングマスク用の材料からなる層と、更に、当該エッチングマスク用材料からなる層の上に感光性レジストからなる層とを有し、
    前記現像工程において、前記基板を現像した後、さらに、
    前記エッチングマスクをウェットエッチングすることにより、前記反射防止構造体を形成する構造形成工程を備える、請求項1記載の反射防止構造体を有する部材の製造方法。
  6. 前記X線マスクは、吸収体としてTa、Ni、Au、Cu、Ag、Cr、Feの元素のうち1種類以上を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の反射防止構造体を有する部材の製造方法。
  7. 請求項1に記載の部材の製造方法により製造された部材から電鋳もしくはプレス成形によって複製型を製造し、当該複製型を用いて部材を成形することを特徴とする、反射防止構造体を有する部材の製造方法。
  8. 前記複製型の表面に離型剤が形成されていることを特徴とする、請求項7に記載の反射防止構造体を有する部材の製造方法。
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