JP4594162B2 - 感知装置 - Google Patents

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本発明は、感知対象物を吸着するための吸着層がその表面に形成され、感知対象物の吸着により固有振動数が変わる圧電振動子例えば水晶振動子を用い、この圧電振動子の固有振動数の変化分を検出して感知対象物を感知する感知装置に関する。
微量な物質を感知する手法として水晶振動子を用いた感知装置が知られている。この感知装置は、水晶振動子の表面に感知対象物を吸着するための吸着層を形成して水晶センサを構成し、感知対象物が水晶振動子、詳しくは吸着層に付着するとその固有振動数がその付着量に応じて変化することを利用して感知対象物の有無あるいはその濃度を測定するものであり、その応用範囲が広く、装置としても簡易な構成である上、感度が高いことから極微量な物質でも測定できるといった利点がある。例えば特許文献1では、血液、尿などに含まれる疫病マーカ物質の分析を行うにあたって、水晶センサを用いれば、高価で大型の自動分析装置を必要とする免疫ラテックスキットに代わる有効な手法であることが記載されている。また特許文献2には、水晶振動子を用いて、水晶振動子に特殊高分子膜を形成して吸着ガスを同定する手法が記載されている。
そして本発明者は、最近注目を集めている汚染物質の一つであるダイオキシンを測定する手法として水晶センサを利用することを検討しているが、この手法を確立できれば画期的である。何故なら現状ではダイオキシンを測定する手法としては、ガスクロマトグラフ質量分析計を用いる方法及びELISA法(適用酵素免疫測定法)が知られているが、ガスクロマトグラフ質量分析計は装置価格が極めて高く、このため分析コストも可成り高いものになっており、更に分析に長い期間を必要とするとするし、ELISA法は、ガスクロマトグラフ質量分析計に比べて装置価格、分析価格が低く、分析に要する時間も短いが、分析精度が低いという課題がある。
水晶振動子を用いた感知装置は、水晶振動子に感知対象物質を吸着する、例えば抗体抗原反応を起こす抗体からなる吸着層を形成し、この水晶振動子に発振回路を接続すると共に発振回路の発振周波数を計測する周波数計測部を設けて主要部が構成される。
ところで既述のように水晶センサは、気体中の物質あるいは液体中の物質を測定できることから、1台の装置で広い適用範囲を確保するためには、感知対象物を測定する測定系として気体及び液体の両方に適用できる装置とすることが得策である。例えば水晶センサにより空気中におけるダイオキシン、サリンなどの毒性物質を測定することができ、また液中におけるダイオキシンや農薬などを測定できると共に血液や尿などに含まれる疫病マーカの測定にも使用できるように構成すれば、使用価値の高い装置となる。
この場合、水晶センサを液中で発振させて回路を調整すると、例えば大気中の成分を測定する場合に、液体に比べて気体の粘性が極端に小さいことから、水晶センサの振動の振幅が大きくなって副振動を伴い、周波数が不安定になってしまう。逆に水晶センサを大気中で発振させて回路を調整すると、液体中で使用するときに周波数信号の振幅レベルが大気中における使用時に比べて可成り大きくなってしまい、後段の信号処理部において正しい周波数計測ができなくなってしまう。
またこのような問題は液体中で使用する場合においても起こりうる。例えば測定系が河川などの水である場合と、液状のタンパク質あるいは血清などの場合とでは粘性が異なり、どちらか一方の液体中で回路を調整すると、他方の液体中で水晶センサを使用するときに周波数信号の振幅が大きく変わってしまう。このように感知対象物の測定を行う測定系(流体)の粘度が変わると周波数信号の振幅が変わってしまうため、測定系の適用範囲が限られてしまうという課題があり、例えば気液両用の感知装置を構築することが困難である。更にまた発振回路からの周波数信号を例えばデジタル処理して周波数を計測しようとすると、周波数信号の振幅レベルが限られた狭い範囲から外れると測定誤差が大きくなってしまうということを把握しており、こうした処理を行う場合には、特に測定系の適用範囲を広げにくいという課題がある。
特開2001−83154号公報:段落0002、0004 特開平6−241972号公報:特許請求の範囲
本発明はこのような事情の下になされたものであり、感知対象物を吸着するための吸着層がその表面に形成され、感知対象物の吸着により固有振動数が変わる水晶振動子などの圧電振動子を用いた感知装置において、種々の測定系に対して感知対象物の感知(濃度測定や感知対象物の有無の測定)を安定して行うことのできる技術を提供することにある。
本発明は、感知対象物を吸着するための吸着層がその表面に形成され、感知対象物の吸着により固有振動数が変わる圧電振動子を用い、この圧電振動子の固有振動数の変化に基づいて感知対象物を感知する感知装置において、
前記圧電振動子と、この圧電振動子により発振された周波数信号を増幅する増幅素子と、を含む発振ループにより発振する発振回路と、
前記増幅素子の出力側における前記発振ループの外に接続された第1のバッファアンプと、
この第1のバッファアンプの後段に接続された第2のバッファアンプと、
前記第1のバッファアンプと第2のバッファアンプとの間における発振出力の振幅を検出し、検出した振幅に基づいて発振出力の振幅が設定値になるように、前記増幅素子の増幅度を制御する振幅制御回路と、
前記第2のバッファアンプから出力される発振出力の周波数に関する信号を測定するための測定部と、
を備えたことを特徴とする。
発振出力の周波数に関する信号を測定するための測定部とは、周波数を直接検出する手段に限られるものではない。例えば発振出力の周波数を計数し、感知対象物質が含まれているときと含まれていないブランク値との差を求める手段であってもよいが、周波数信号に対して例えば直交変換処理を行って周波数の変化に相当する速度で回転するベクトルを取り出すといった手段であってもよい。
更に本発明は、気体中の感知対象物の感知と液体中の感知対象物の感知とを兼用するもの(気/液両用)として使用することができる。
本発明によれば、感知対象物の吸着により固有振動数が変わる圧電振動子例えば水晶振動子を用いた感知装置において、発振回路の発振出力の振幅を一定化するように制御しているので、種々の測定系に対して感知対象物の感知を安定して行うことができる。また測定部の構成によっては、例えばディジタル処理を行う場合には、振幅の大きさによって精度が左右される場合があるため、振幅を一定化するように制御することで、安定した感知を行うことができる。
そして発振回路の後段に第1のバッファアンプを設け、振幅制御を行うにあたってこの第1のバッファアンプの後段の発振出力の振幅レベルを検出するようにすれば、その検出動作が圧電振動子の発振に悪影響を及ぼすことを避けることができる。更に第1のバッファアンプの後段に第2のバッファアンプを設け、両者の間の発振出力の振幅レベルを検出するようにすれば、その検出動作が後段の測定部の動作に悪影響を及ぼすことを避けることができる。
以下に本発明に係る感知装置の実施の形態を説明する。この実施の形態は、発振回路部分に要部があるが、初めに感知装置の全体構造について簡単に説明しておく。この感知装置は図1に示すように、複数例えば8個のセンサー部である水晶センサ1と、これら水晶センサ1が着脱自在に装着される測定器本体100とを備えている。水晶センサ1は、図1及び図2に示すように配線基板であるプリント基板21の上にゴムシート22を重ね、このゴムシート22に設けられた凹部23を塞ぐように圧電振動子である水晶振動子24が設けられ、更にゴムシート22の上から上蓋ケース25を装着して構成されている。上蓋ケース25には、試料溶液の注入口25aと試料溶液の観察口25bとが形成され、注入口25aから試料溶液が注入され、水晶振動子24の上面側の空間に試料溶液が満たされることになる。水晶振動子24の下面側は前記凹部23により気密空間とされ、これによってランジュバン型の水晶センサが構成されることになる。
水晶振動子24は、図3に示すように例えば円形の水晶板20の両面に電極24a、24a(裏面側の電極は見えない)が設けられ、これら電極24a、24aは導電性接着剤26を介してプリント基板21に設けられている接続端子27に電気的に接続されている。また水晶振動子24の一面例えば電極24aの表面には、感知対象物を吸着するための吸着層(図示せず)が形成されている。
続いて測定器本体100の内部回路について図4及び図5を用いて説明する。図4中、3は水晶振動子24を発振させるための発振回路であり、この発振回路3の後段には、第1のバッファアンプ4、ローパスフィルタ5及び第2のバッファアンプ6がこの順に接続されると共に、第1のバッファアンプ4の出力側と発振回路3(より詳しくは後述の増幅素子であるトランジスタ31の入力側)との間には、当該第1のバッファアンプ4の振幅を設定値に維持するための振幅制御回路7が設けられている。また第2のバッファアンプ6の後段には、発振回路3の出力、詳しくは当該バッファアンプ6の発振出力の周波数に関する信号を測定して例えば感知対象物の濃度を得るための信号を作成する測定部8が接続されている。
発振回路3から第2のバッファアンプ6に至るまでの回路の詳細な回路構成を図5を参照しながら述べる。発振回路3はコルピッツ型発振回路として構成されている。31は、発振増幅素子としてのトランジスタであり、トランジスタ31のベースにはコンデンサ32を介して水晶振動子24が接続されている。
またトランジスタ31のベース、接地間には、分割容量成分をなすコンデンサ33、34の直列回路が接続されており、コンデンサ33、34の中間点はトランジスタ31のエミッタに接続されている。トランジスタ31のエミッタ、接地間には帰還抵抗35が接続され、コレクタはインダクタ36及びコンデンサ37の並列回路を介して電源Vcに接続されている。電源Vcとトランジスタ31のベースとの間には、ブリーダ抵抗38が接続されている。なお発振回路3の出力端V0はコレクタから取り出されている。発振回路3と第1のバッファ回路4との間、及び第1のバッファ回路4とローパスフィルタ5との間には、夫々コンデンサ40及び50が介在し、また第2のバッファアンプ6の出力端にもコンデンサ60が接続されている。また第1のバッファアンプ4及び第2のバッファアンプ6は夫々トランジスタ41、61を用いて構成されており、いずれもエミッタから出力が取り出される。42〜44及び52〜54は抵抗である。なお第2のバッファアンプ6は、図6に示すようにトランジスタ51のコレクタから取り出されてもよい。
振幅制御回路7は、発振回路3のトランジスタ31のベースとアースとの間に接続された、抵抗71及びトランジスタ72の直列回路を備え、抵抗71はトランジスタ31側に設けられると共にトランジスタ72のコレクタ及びエミッタが夫々抵抗71及びアースに接続されている。抵抗71は、発振回路3の一部をもなすものであり、ブリーダ抵抗として設けられている。また第1のバッファアンプの出力端と前記トランジスタ72のベースとの間には、当該出力端側から抵抗73及びダイオード74がこの順に接続され、抵抗73とダイオード74との中間点と、アースとの間には、抵抗75が接続され、当該中間点と電源Vcとの間には抵抗76が接続されている。
なおこの例では水晶センサが8個取り付けられる8チャンネル構成になっていて、図5に示す回路が8チャンネル用意され、各チャンネルの出力が切り替えられて測定部8に接続される構成となっている。
続いてこの実施の形態の作用について述べる。先ず水晶センサ1(図1参照)を測定器本体100に差込み、例えばブランク値を求めるために感知対象物が含まれない溶液を水晶センサ1内に満たし、水晶振動子24を発振させる。この溶液は純水であってもよいし、あるいはその他の溶液であってもよい。発振回路3における発振出力は第1のバッファアンプ4,ローパスフィルタ5及び第2のバッファアンプ6を介して測定部8に入力され、例えば発振出力の周波数が測定される。
次いで感知対象物の感知を行うために検体である試料溶液を水晶センサ1に注入し、試料溶液を入れたことによる発振周波数の変化分を測定部8により求める。そしてこのような発振回路3が発振動作を行っているときに振幅制御回路7は次のような動作を行う。即ち第1のバッファアンプ4の発振出力がダイオード74にて整流され、その整流出力がトランジスタ72のベースに供給される。このため発振出力の振幅が大きいと、トランジスタ72のベース電位が大きくなり、当該トランジスタ72のコレクタ、エミッタ間の抵抗値が小さくなるので発振回路3のトランジスタ31のベース電位が小さくなり、発振回路3の発振出力、詳しくはトランジスタ31の発振出力の振幅が小さくなろうとする。また逆に第1のバッファアンプ4の発振出力の振幅が小さいと、トランジスタ72のベース電位が小さくなるので発振回路3のトランジスタ31のベース電位が大きくなり、発振回路3の発振出力の振幅が大きくなろうとする。
このように発振出力の振幅が制御されるので、即ち増幅素子であるトランジスタ31の増幅度が制御されるので第1のバッファアンプ4の発振出力の振幅は回路定数で決まる値(設定値)に維持されるようにコントロールされる。このため測定部8には振幅がほぼ一定の発振出力が入力されることになる。
またこの例ではブランク値を得るために水晶センサ1に液体を注入しているが、液体を注入せずに大気雰囲気における水晶振動子1の発振周波数を計測してブランク値を求めるようにしてもよい。
そしてこの実施の形態の感知装置は、気体中の特定の物質を感知するために用いてもよく、この場合には、気体中例えば大気中で水晶振動子1の発振出力が測定されることになる。気体は液体よりも粘性が小さいことから、水晶振動子1の振幅は大きくなろうとするが、既述のように振幅制御が働くことから、測定部8に入力される発振出力の振幅は、液体を測定系とした場合と同じになる。更にまた測定系が液体であっても、粘度の高い液体を測定系とする場合、例えば血液中の疫病マーカなどを感知するためにこの感知装置が用いられる場合には、水晶振動子1の振幅は小さくなろうとするが、やはり既述の振幅制御の作用により測定部8に入力される発振出力の振幅は先の例の場合と同じになる。
上述の実施の形態によれば、発振回路3の発振出力の振幅を一定化するように制御しているので、感知対象物質の濃度測定や存在の有無を調べる測定系が例えば液体であっても気体であっても、また粘性の小さい液体であってもあるいは粘性の大きい液体であっても、予め設定した振幅で圧電振動子が発振する。従って液体中で回路を調整した状態で気体中で使用すると振幅が大きくなりすぎて副振動が現れたり、あるいは気体中で回路を調整した状態で液体中で使用すると振幅が小さくなりすぎるといったことを回避できるので、種々の測定系に対して感知対象物の感知を安定して行うことができる。また測定部8においても振幅を一定化するように制御することで、安定した感知を行うことができる。図7は、後述の図8にて説明する、発振出力をディジタル処理する場合において、A/Dコンバータの入力信号の振幅と周波数の検出誤差との関係を調べて示したものであるが、この例を見ても分かるように、振幅をある範囲例えば1Vから2Vの範囲に設定することにより周波数検出誤差を最小例えばゼロに抑えることができ、従ってこの実施の形態のように振幅制御を行うことは感知装置において有効であることが理解される。
そして発振回路3の後段の第1のバッファアンプ4と第2のバッファアンプ6との間の発振出力の振幅レベルを検出するようにしているので、その検出動作が水晶振動子24の発振に悪影響を及ぼすことを避けることができるし、また後段の測定部8の動作に対しても悪影響を及ぼすことを避けることができる。
以上において、測定部8は、各水晶センサ1における発振周波数を測定し、例えばブランク値と試料溶液を注入したときの発振周波数とをカウントし、それらのカウント値を記憶しておいて両者の差、つまり周波数の変化分を求め、その変化分に基づいて予め取得された検量線に基づいて感知対象物の濃度を求めて表示するものであってもよいし、あるいは周波数の変化分に対する閾値を決めておき、感知対象物の有無を判定するものであってもよい。そして測定部8は、発振回路3の発振周波数をカウントするものに限られず、発振周波数の変化分を直接的に求めるものであってもよい。
発振周波数の変化分を直接的に求める手法としては、発振回路3からの周波数信号を基準クロック信号によりサンプリングし、そのサンプリング値をA/Dコンバータによりディジタル信号とし、このディジタル信号に対応する周波数信号に対してディジタル信号による直交検波を行い、当該周波数信号における周波数の変化分に相当する速度で回転する回転ベクトルを複素表示したときの実数部分及び虚数部分を取り出すと共に、その実数部分及び虚数部分の各時系列データに基づいて周波数信号の周波数の変化量を求める手法を挙げることができる。
このような手法を実現する例について述べておく。図8において、81は基準クロック発生部であり、発振回路3からの高周波信号をサンプリングするために周波数の安定性が極めて高い周波数信号であるクロック信号を出力する。82はA/D(アナログ/ディジタル)変換器であり、発振回路3からの高周波信号を基準クロック発生部81からのクロック信号によりサンプリングしてそのサンプリング値をディジタル信号として出力する。このディジタル信号で特定される高周波信号は基本波の他に高調波も含まれている。即ち高調波ひずみを有する正弦波をサンプリングする場合、その高調波成分が折り返しの影響を受けて、場合によっては周波数スペクトルにおける周波数軸上で基本波周波数と高調波の周波数とが重なる場合が想定される。そこでこのような重なりを避けて正しい感知動作が得られるようにする必要がある。
一般に周波数f1の正弦波信号を周波数fsのクロック信号でサンプリングした場合、その取り込み結果の周波数f2は(1)式で表される。ただしmod(,)はmodulo関数を表している。
f2=|mod(f1+fs/2,fs)−fs/2| ……(1)
この取り込み結果において、基本波周波数に対してn次の高調波の周波数はn×(基本波周波数)として表されるので、これをf2と置いて上記の(1)式に代入すれば、高調波がどのような周波数として取り込まれるかを計算することができる。この計算を用いることにより基本波の周波数と高調波の周波数とが重ならないように、発振回路51からの高周波信号の周波数をfcとサンプリング周波数(クロック信号の周波数)fsとを設定することができ、例えばfcを11MHz、fsを12MHzに設定する。この場合、A/D変換器61からのディジタル信号である出力信号で特定される周波数信号の基本波は1MHzの正弦波となる。なおfc/fsを11/12にすれば、基本波の周波数と高調波の周波数とが重ならないが、fc/fsはこの値に限られるものではない。
A/D変換器82の後段には、キャリアリムーブ83及びローパスフィルタ84がこの順に設けられている。キャリアリムーブ83及びローパスフィルタ84は、A/D変換器82からのディジタル信号により特定される1MHzの正弦波信号をAcos(ω0t+θ)としたとき、この正弦波信号の周波数の変化分に対応する回転ベクトルを取り出す手段、より詳しくはこの回転ベクトルを複素表示したときの実数部分及び虚数部分を取り出す手段に相当する。
即ちキャリアリムーブ83は、図9に示すように前記正弦波信号に対してcos(ω0t)を掛け算する掛け算部83aと前記正弦波信号に対して−sin(ω0t)を掛け算する掛け算部83bとを備えている。掛け算部83aの出力及び掛け算部83bの出力は夫々(2)式及び(3)式により表される。
Acos(ω0t+θ)・cos(ω0t)=1/2・Acosθ+1/2{cos(2ω0t)・cosθ+sin(2ω0t)・sinθ}……(2)
Acos(ω0t+θ)・−sin(ω0t)=1/2・Asinθ−1/2{sin(2ω0t)・cosθ+cos(2ω0t)・sinθ}……(3)
従って掛け算部83aの出力及び掛け算部83bの出力を夫々ローパスフィルタ84a及び84bを通すことにより、2ω0tの周波数信号は除去されるので、結局ローパスフィルタ84からは1/2・Acosθと1/2・Asinθとが取り出される。なおローパスフィルタ84は、ローパスフィルタ84a及び84bから構成されるものとして記載してある。ローパスフィルタ84における実際のディジタル処理は、キャリアリムーブ82から出力される時系列データについて連続する複数個のデータ例えば6個のデータの移動平均を演算している。
そしてAcos(ω0t+θ)で表される正弦波信号の周波数が変化すると、Acos(ω0t+θ)はAcos(ω0t+θ+ω1t)となる。従って1/2・Acosθは1/2・Acos(θ+ω1t)となり、1/2・Asinθは1/2・Asin(θ+ω1t)となる。即ち、ローパスフィルタ84から得られた出力は、正弦波信号[Acos(ω0t+θ)]の周波数の変化分(ω1t)に対応する信号であり、詳しくはその周波数の変化分の速度で回転するベクトルを複素表示したときの実数部分(I)及び虚数部分(Q)である。
図10はこの回転ベクトルを表した図であり、この回転ベクトルは長さがAであり、回転速度がω1tである。従って前記正弦波信号の周波数が変化しなければ、ω1tはゼロであるからこの回転ベクトルの回転速度はゼロであるが、水晶振動子24に感知対象物質が吸着されて水晶振動子24の周波数が変化し、これにより前記正弦波信号の周波数が変化すると、その変化分に応じた回転速度で回転することになる。従ってローパスフィルタ84から出力された、回転ベクトルを複素表示したときの実数部分(I)及び虚数部分(Q)に基づいて周波数差演算部9により、その速度を演算することにより、周波数差つまり周波数の変化分を捉えることができる。なおこの演算は、例えばあるタイミングにおける回転ベクトルの位相と、次のクロックできまるタイミングにおける当該回転ベクトルの位相とを求め、その位相差を求めるといった手法が採用できる。
本発明に係る感知装置の実施の形態の外観及び水晶センサを示す斜視図である。 上記実施の形態に用いられる水晶センサを示す縦断面図である。 水晶センサに用いられる水晶振動子と接続端子とを示す斜視図である。 上記実施の形態の全体の回路構成を示すブロック回路図である。 上記実施の形態の要部の回路構成の詳細を示す回路図である。 上記実施の形態の回路の変形例について回路の一部を示す回路図である。 発振回路からアナログ/ディジタル変換部に入力される周波数信号のレベルと周波数検出誤差との関係を示す特性図である。 測定部の一例を示すブロック図である。 図4に示す回路ブロックの一部を示す構成図である。 図4に示すブロック図により取り出された回転ベクトルを示す説明図である。
符号の説明
1 水晶センサ
24 水晶振動子
3 発振回路
4 第1のバッファアンプ
6 第2のバッファアンプ
7 振幅制御回路
8 測定部
100 測定器本体










Claims (3)

  1. 感知対象物を吸着するための吸着層がその表面に形成され、感知対象物の吸着により固有振動数が変わる圧電振動子を用い、この圧電振動子の固有振動数の変化に基づいて感知対象物を感知する感知装置において、
    前記圧電振動子と、この圧電振動子により発振された周波数信号を増幅する増幅素子と、を含む発振ループにより発振する発振回路と、
    前記増幅素子の出力側における前記発振ループの外に接続された第1のバッファアンプと、
    この第1のバッファアンプの後段に接続された第2のバッファアンプと、
    前記第1のバッファアンプと第2のバッファアンプとの間における発振出力の振幅を検出し、検出した振幅に基づいて発振出力の振幅が設定値になるように、前記増幅素子の増幅度を制御する振幅制御回路と、
    前記第2のバッファアンプから出力される発振出力の周波数に関する信号を測定するための測定部と、
    を備えたことを特徴とする感知装置。
  2. 前記発振回路は、前記圧電振動子と、この圧電振動子により発振された周波数信号を増幅し、前記圧電振動子の一端にベースが接続されると共にエミッタが接地された増幅素子であるトランジスタと、を含む発振ループにより発振するコルピッツ型発振回路であり、
    前記振幅制御回路は、前記トランジスタのベース電位を調整して当該トランジスタの増幅度を制御するものであることを特徴とする請求項1記載の感知装置。
  3. 気体中の感知対象物の感知と液体中の感知対象物の感知とを兼用するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の感知装置。
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