JP4594108B2 - 空気入りタイヤ、及びタイヤ・リム組立体 - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤ、及びタイヤ・リム組立体に関する。
従来一般のタイヤをリムに装着して得られる、空気を充填できるタイヤ気室は1室である。
このため、タイヤが釘踏みや、縁石サイドカット等によりパンクしたときは、内圧の低下により著しく走行が困難となり、直ちにスペアタイヤへの交換が必要であり、交換作業が煩雑となる問題がある。
また、冬季に山道の連続するカーブを走行中に所々に氷雪路面がある状況においては、タイヤ気室が1室の従来のタイヤでは、内圧を低下させて接地面積をアップさせる事でグリップ性能をアップさせたいが、内圧ダウンに伴いタイヤ剛性がダウンするという面からは操縦安定性は不利になる。
さらに、未舗装で凹凸の大きな山道の連続するカーブを走行している状況において、タイヤ気室が1室の従来のタイヤでは、内圧を低下させタイヤの縦方向剛性をダウンさせて振動乗心地性能を良くさせたいが、内圧ダウンに伴い、タイヤの横剛性及び前後剛性も一緒にダウンしてしまい、操縦安定性には不利になる。
これらの問題を解決するために、幅方向に複数の気室を設けた空気入りタイヤが提案されている(特許文献1参照。)。
特開2003―39914号公報
ところで、特開2003―39914号に記載の空気入りタイヤでは、外側のビード部の内径と内側の隔壁部の内径とが同一に設定されていたため、以下のような問題点があった。
図3に示す形状のリム12では、ビードシートが幅方向に一定径であるため、隣接する気室の内圧が異なる場合等、隔壁部24が動いてしまい空気漏れを生ずる場合がある。
そこで、実際には、隔壁部24を固定するため、一定径のリム12では接着剤を用いて固定せざるを得ず、また、接着剤を使用しない場合には、図4に示すように、隔壁部24の移動を阻止するための背の高いハンプ部44を隔壁部24の横に配置した特殊形状のリム12を使用しなければならず、リム組みの際に隔壁部24がハンプ部44に引っ掛かり、また、タイヤ内側も見えないため、隔壁部24を所定の位置に配置することが困難で、リム組み作業が非常に困難であった。
本発明は上記事実を考慮し、リムへの組み付け作業を改善することのできる、幅方向に複数の気室を設けた空気入りタイヤ、及びタイヤ・リム組立体を提供することが目的である。
請求項1に記載の空気入りタイヤは、ビードコアを埋設した左右一対のビード部と、ビード部からタイヤ径方向外側へ延びるサイドウォール部と、一方のサイドウォール部のタイヤ径方向外側端と他方のサイドウォール部のタイヤ径方向外側端とを連結するトレッド部と、前記左右一対のビード部の間に前記ビード部とはタイヤ幅方向に離間して設けられ、前記サイドウォール部及び前記トレッド部の少なくとも一方のタイヤ内面側からタイヤ径方向内側に延び、タイヤ径方向内側端がリムに接触すると共に、リムに装着したときにリムとの間に各々独立したタイヤ気室をタイヤ幅方向に3室形成する一対の隔壁部と、を備え、前記隔壁部のタイヤ径方向内側端が、前記ビード部のベース部分からタイヤ幅方向内側に延ばした仮想線よりもタイヤ径方向内側にあり、前記ビード部の内径をRO、前記隔壁部の内径をRIとしたときに、0.02<(RO−RI)/RO<0.12を満足する、ことを特徴としている。
次に、請求項1に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
隔壁部のタイヤ径方向内側端が、ビード部のベース部分からタイヤ幅方向内側に延ばした仮想線よりもタイヤ径方向内側にある請求項1に記載の空気入りタイヤは、ビード部と同径(内径RO)に設定された外側ビードシート、及び外側ビードシートのタイヤ軸方向内側に段部を介して設けられ隔壁部と同径(内径R1)に設定された内側ビードシートを備えたリムに組み付けられ、これにより、タイヤ軸方向に独立した3つのタイヤ気室を備えたタイヤ・リム組立体が得られる。
このタイヤ・リム組立体は、釘踏み等による接地面でのパンクや、縁石擦れなどによるサイド部のパンク等の何れにおいても、他のパンクしていないタイヤ気室が荷重を支持するので、若干の操縦安定性と振動乗心地の悪化は伴うが、問題なく安全に走行を続けることが出来る。
リムには、ビード部の装着されるビードシートと隔壁部の装着されるビードシートとの間に、両者の径差によって、隔壁部のタイヤ幅方向外側への移動を阻止する段部が形成されるため、リム組みの際に隔壁部が引っかり作業性を悪化させる背の高いハンプ部を隔壁部のタイヤ幅方向外側に形成する必要がなく、リム組みが容易になる。
なお、隔壁部のタイヤ幅方向内側のハンプ部は、必須ではない。
ここで、RO=RI、または0.02≧(RO−RI)/ROであると、従来の技術で説明したように、隔壁部のタイヤ軸方向外側への移動を阻止するための背の高いハンプ部を設けたリムを用いなければならず、組み付け作業が非常に困難にならざるを得ない。
また、RO−RIが大きくなるほど現行のタイヤ製法でのタイヤ製作が困難、かつ非現実的になる。
一方、(RO−RI)/RO≧0.12となると、ビード部の内径に対して隔壁部の内径が小さくなりすぎ、それに伴ってリムの内径が小さくなるので、結果的にリム内側に装着可能なブレーキの径が小さくなってしまう。これは、車両運動性能を低下させる要因となる可能性があり好ましくない。
したがって、0.02<(RO−RI)/RO<0.12を満足させる必要がある。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空気入りタイヤにおいて、0.04<(RO−RI)/RO<0.08を満足する、ことを特徴としている。
次に、請求項2に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
0.02<(RO−RI)/RO<0.08を満足することで、(1)リムへの組み付け作業が容易になる、(2)タイヤのリムフィット性が容易になる、(3)問題となるほどリム径が小さくならない、の3点について良好なバランスが取れる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤにおいて、一方の前記ビードコアから他方の前記ビードコアに向けてトロイド状に跨り、幅方向一端側が一方の前記ビードコアにタイヤ内側から外側へ向けて巻き上げられ、幅方向他端側が他方の前記ビードコアにタイヤ内側から外側へ向けて巻き上げられた第1のカーカスプライと、前記隔壁部のタイヤ径方向内側端付近に埋設される内側ビードコアと、一方の前記内側ビードコアから他方の前記内側ビードコアに向けてトロイド状に跨り、幅方向一端側が一方の前記内側ビードコアにタイヤ外側から内側へ向けて巻き上げられ、幅方向他端側が他方の前記内側ビードコアにタイヤ外側から内側へ向けて巻き上げられた第2のカーカスプライと、を有することを特徴としている。
次に、請求項3に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
第1のカーカスプライは、ビード部、サイドウォール部、及びトレッド部を補強し、第2のカーカスプライは、隔壁部、及びトレッド部を補強する。
中央のタイヤ気室は、主に第1のカーカスプライの上に設けたベルトの張力を分担することになるので、ここでの内圧を両側のタイヤ気室対比で低めに設定することで、大きな接地面積を確保し、例えば、グリップ力の向上を図ることができる。
一方、両側のタイヤ気室は、主にタイヤのサイド部のプライ張力を分担するので、ここの内圧を中央のタイヤ気室対比で高めに設定することで、タイヤ横剛性を高くでき、例えば、操縦安定性の向上を図ることができる。
ところで、第2のカーカスプライの幅方向端が内側ビードコアに対してタイヤ内側から外側へ向けて巻き上げられている空気入りタイヤを用いた場合、仮に両側のタイヤ気室の内圧を中央のタイヤ気室対比で高めに設定すると、圧力差により隔壁部がタイヤ中央側に押圧されることになり、両側の気室の内圧が隔壁部内の第2のカーカスプライに与えるコード張力により、ビードコア及びビードコア下のゴムが図1の矢印A方向に回転しようとする力が加わる。
したがって、中央のタイヤ気室の内圧よりも両側のタイヤ気室の内圧が相対的に高く、かつ中央のタイヤ気室と両側のタイヤ気室との差圧が大きくなると(例えば、50kPa以上の差圧)、隔壁部がリムの所定位置から外れてしまう場合がある。
一方、請求項3に記載の発明のように、第2のカーカスプライの幅方向端が内側ビードコアに対してタイヤ外側から内側へ向けて巻き上げられていると、両側の気室の内圧が隔壁部内の第2のカーカスプライに与えるコード張力により、ビードコア及びビードコア下のゴムが図2の矢印B方向に回転しようとする力が加わる。
したがって、中央のタイヤ気室の内圧よりも両側のタイヤ気室の内圧が相対的に高く、かつ中央のタイヤ気室と両側のタイヤ気室との差圧が大きい場合や、釘踏み(所謂パンク)により結果的に中央のタイヤ気室の内圧が零になった場合であっても、隔壁部はリムの所定位置から外れず、タイヤ軸方向両側のタイヤ気室の内圧を維持できる。
請求項4に記載のタイヤ・リム組立体は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤと、前記空気入りタイヤを装着するリムと、を備え、前記リムは、前記ビード部の内周面に接触する外側ビードシートと、前記外側ビードシートのリム軸方向内側に段部を介して設けられ、前記外側ビードシートよりも小径に設定されて前記隔壁部の内周面に接触する内側ビードシートと、一方の前記内側ビードシートと他方の前記内側ビードシートとの間に設けられ、前記内側ビードシートよりも小径に設定されたドロップとを有する、ことを特徴としている。
次に、請求項4に記載のタイヤ・リム組立体の作用を説明する。
請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤをリムに装着することで、ビード部の内周面が側ビードシートに接触し、隔壁部の内周面が内側ビードシートに接触し、これによりタイヤ軸方向に独立した3つのタイヤ気室を備えたタイヤ・リム組立体が得られる。
このため、釘踏み等による接地面でのパンクや、縁石擦れなどによるサイド部のパンク等の何れにおいても、他のパンクしていないタイヤ気室が荷重を支持するので、若干の操縦安定性と振動乗心地の悪化は伴うが、問題なく安全に走行を続けることが出来る。
また、リムには、従来技術のようにリム組みの際に隔壁部を引っ掛けて作業性を悪化させるハンプ部が無く、リム組みの際にビード部、及び隔壁部をドロップに落とし込むことができるため、空気入りタイヤを容易に組付けることが出来る。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のタイヤ・リム組立体において、タイヤ軸方向両側のタイヤ気室の内圧は、タイヤ軸方向中央のタイヤ気室の内圧よりも高く設定されている、ことを特徴としている。
次に、請求項5に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
例えば、各タイヤ気室を標準の空気圧とし、その後、タイヤ軸方向中央のタイヤ気室の空気を抜き、タイヤ軸方向両側のタイヤ気室の内圧をタイヤ軸方向中央のタイヤ気室の内圧よりも相対的に高く設定すると、タイヤ縦方向の剛性がダウンすると共に接地面積がアップするので、悪路走行時の振動乗り心地性や氷雪路走行時のグリップ性を向上することができる。
また、タイヤ軸方向両側のタイヤ気室に空気を充填して内圧を増加させると、タイヤの横剛性及び前後剛性をアップすることが可能となるので、悪路走行時の振動乗心地性や氷雪路走行時のグリップ性を向上させたまま、操縦安定性をアップさせることができる。
以上説明したように本発明の空気入りタイヤによれば、リムへの組み付け作業を改善することができる、という優れた効果を有する。
また、本発明のタイヤ・リム組立体によれば、パンク等により1つのタイヤ気室の内圧が低下しても走行が可能である、という優れた効果を有する。さらに、複数のタイヤ気室の各内圧を各々独立して変更できるので、操縦安定性を維持しつつ悪路での乗心地や、氷雪路面でのグリップ性能を向上することができる、という優れた効果を有する。
[第1の実施形態]
以下に、本発明のタイヤ・リム組立体の第1の実施形態を図1にしたがって説明する。
図1には、リム12に空気入りタイヤ10(サイズ:225/55R17)を装着したタイヤ・リム組立体14のタイヤ回転軸に沿った断面が示されている。
(空気入りタイヤの構成)
本実施形態の空気入りタイヤ10は、一般の空気入りタイヤと同様に、リム12に装着するためのビード部16を一対備えている。
ビード部16には、ビードコア18が埋設されている。
ビード部16のタイヤ径方向外側には、サイドウォール部20が一体的に設けられている。
タイヤ赤道面CLを挟んで一方のサイドウォール部20のタイヤ径方向外側端と他方のサイドウォール部20のタイヤ径方向外側端との間にはトレッド部22が設けられている。
本実施形態では、両ショルダー部のタイヤ内面側から、夫々タイヤ径方向内側に傾斜して延びる一対の隔壁部24が、ビード部16のタイヤ幅方向内側に互いに離間して設けられている。
この隔壁部24のタイヤ径方向内側部分を、以後、内側ビード部25と呼ぶ。
内側ビード部25には、ビードコア31、及びビードフィラー33が埋設されている。
空気入りタイヤ10とリム12との間には、隔壁部24と隔壁部24との間に主気室26、矢印L方向側のビード部16と隔壁部24との間に第1副気室28、矢印R方向側のビード部16と隔壁部24との間に第2副気室30が形成されている。
ここで、内側ビード部25は、タイヤ径方向内側端がビード部16のベース部分からタイヤ幅方向内側に延ばした仮想線FL(図1参照)よりもタイヤ径方向内側にある。なお、前記ビード部16のベース部分とは、後述する外側ビードシート46(該空気入りタイヤ10に対応したリムのビードシート、本実施形態では、JATMAに規定のリムのビードシートと同じ)に装着したときのものである。
また、内側ビード部25のタイヤ径方向内側端は、リム12に密着しているため、主気室26、第1副気室28、及び第2副気室30は各々独立している。
空気入りタイヤ10の内部には、一方のビードコア18から他方のビードコア18に向けてトロイド状に跨る第1のカーカスプライ32が埋設されている。
第1のカーカスプライ32は、幅方向一端側が一方のビードコア18にタイヤ内側から外側へ向けて巻き上げられており、幅方向他端側が他方のビードコア18にタイヤ内側から外側へ向けて巻き上げられている。
なお、ビード部16では、第1のカーカスプライ32の巻上部32Aと本体部32Bとの間に、ビードコア18からタイヤ径方向外側に延びるビードフィラー34が埋設されている。
第1のカーカスプライ32は、ラジアル配列とされたポリエステルコードやナイロンコード等の互いに平行に並べられた複数の有機繊維コードをゴムコーティングした通常のものであり、ビード部16、サイドウォール部20、及びトレッド部22を補強している。
さらに、空気入りタイヤ10の内部には、一方のビードコア31から他方のビードコア31に向けてトロイド状に跨る第2のカーカスプライ37が、第1のカーカスプライ32のタイヤ径方向内側に埋設されている。
第2のカーカスプライ37は、幅方向一端側が一方のビードコア31にタイヤ内側から外側へ向けて巻き上げられており、幅方向他端側が他方のビードコア31にタイヤ内側から外側へ向けて巻き上げられている。
なお、内側ビード部25では、第2のカーカスプライ37の巻上部37Aと本体部37Bとの間に、ビードコア31からタイヤ径方向外側に延びるビードフィラー33が埋設されている。
第2のカーカスプライ37は、第1のカーカスプライ32と同様に、ラジアル配列とされたポリエステルコードやナイロンコード等の互いに平行に並べられた複数の有機繊維コードをゴムコーティングした通常のものであり、隔壁部24、及びトレッド部22を補強している。
第1のカーカスプライ32のタイヤ径方向外側には、ベルト36が配置されている。
このベルト36は、例えば、2層以上のスチールコード交錯層から構成されている。
なお、リム12には、第1副気室28に気体を充填するための第1エアバルブ38、第2副気室30に気体を充填するための第2エアバルブ40、及び主気室26に気体を充填するための第3エアバルブ42が設けられている。
ここで、ビード部16の内径(=リム径)をRO、内側ビード部25の内径をRIとしたときに、0.02<(RO−RI)/RO<0.12を満足する必要があり、中でも0.04<(RO−RI)/RO<0.08を満足することが好ましい。
例えば、タイヤサイズが225/55R17の乗用車用タイヤの場合、RO−RIは、実寸法で9mm<RO−RI<50mm、好ましくは17mm<RO−RI<35mmとなる。
(リムの構成)
リム12は、ビード部16を配置する一対の外側ビードシート46と、外側ビードシート46のタイヤ軸方向内側に配置される内側ビードシート48を備えている。
外側ビードシート46はビード部16の内径に合わせて大径であり、内側ビードシート48は内側ビード部25の内径に合わせて外側ビードシート46よりも小径に設定されている。
即ち、リム12においては、空気入りタイヤ10の寸法に合わせて外側ビードシート46の径をビード部16の内径と同径に、内側ビードシート48の径を内側ビード部25の内径と同径に設定されている。
外側ビードシート46の軸方向外側にはフランジ50が形成されており、内側ビードシート48と外側ビードシート46との間には、フランジ50と同様の役目を有する段部52が形成されている。
また、リム12の軸方向中央には、溝底の径が内側ビードシート48よりも小径とされた、ドロップ部(ウエル)54が設けられている。
(作用)
先ず、本実施形態のリム12では、ビード部16の内径ROが内側ビード部25の内径RIよりも大きく設定されており、中間部にドロップ54が設けられているので、空気入りタイヤ10を装着する際に、ビード部16、及び内側ビード部25をドロップ54に落とし込むことができ、従来一般の空気入りタイヤの組み付けと同様に空気入りタイヤ10のリム12への組み付け作業が容易になる。
本実施形態のタイヤ・リム組立体14では、空気入りタイヤ10とリム12との間に、隔壁部24で区画された第1副気室28、主気室26、及び第2副気室30がタイヤ幅方向に形成されているので、トレッド部22の釘踏み等による接地面でのパンクや、縁石擦れなどによるタイヤサイドウォール部20のパンク等の何れにおいても、他のパンクしていない2つの気室が荷重を支持するので、多少のタイヤ高さの低下、若干の操縦安定性と振動乗心地の悪化は伴うが、問題なく安全に走行を続けることが出来る。
ここで、第1副気室28の内圧と、第2副気室30の内圧と、主気室26の内圧とは同一であっても良く、互いに異なっていても良い。
例えば、第1副気室28の内圧と、第2副気室30の内圧と、主気室26の内圧とを同一にすれば、従来の空気入りタイヤと同様の特性が得られる。
また、上記のように3つの気室の内圧を同じに設定した状態から、主気室26の空気を抜いて第1副気室28の内圧及び第2副気室30の内圧よりも主気室26の内圧を低下させると、タイヤ縦方向の剛性がダウンすると共に接地面積がアップするので、悪路走行時の振動乗心地性や氷雪路走行時のグリップ性を向上することが出来る。
また、第1副気室28と第2副気室30とに空気を充填して内圧を増加させると、タイヤの横剛性及び前後剛性をアップすることが可能となるので、悪路走行時の振動乗心地性や氷雪路走行時のグリップ性を向上させたまま、操縦安定性をアップさせることができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明のタイヤ・リム組立体の第2の実施形態を図2にしたがって説明する。
なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図2に示すように、本実施形態では、第2のカーカスプライ37は、幅方向一端側が一方のビードコア31にタイヤ外側から内側へ向けて巻き上げられており、幅方向他端側が他方のビードコア31にタイヤ外側から内側へ向けて巻き上げられている。なお、その他の構成は第1の実施形態と同様である。
第2のカーカスプライの幅方向端がビードコア31に対してタイヤ外側から内側へ向けて巻き上げられていると、第1副気室28、及び第2副気室30の内圧がそれぞれに隣接する隔壁部24内の第2のカーカスプライ37に与えるコード張力により、ビードコア31及びビードコア31下のゴムが図2の矢印B方向に回転しようとする力が加わる。
したがって、主気室26の内圧が、第1副気室28の内圧及び第2副気室30の内圧よりも相対的に高い場合や、パンク等により主気室26の内圧が零になった場合であっても、隔壁部24はリム12の所定位置から外れず、第1副気室28の内圧及び第2副気室30の内圧を維持できる。
なお、その他の作用、効果は第1の実施形態と同様である。
(試験例)
本発明の効果を確かめるために、従来例のタイヤ・リム組立体を1種類、本発明の適用された実施例のタイヤ・リム組立体を5種類、及び比較例に係るタイヤ・リム組立体を6種類を用意し、内側の隔壁部とリムとのエアシール性、リム組み作業性、ホイール内容積保持性、横ばね、及び接地面積の各項目について比較を行なった。
供試タイヤは、乗用車用で、サイズが225/55R17である。
なお、横ばね、及び接地面積の測定結果は、従来例のタイヤ・リム組立体の測定値を100とする指数で表した。
横ばね指数に関しては、指数の値が大きいほど横ばね定数が高いことを表しており、接地面積指数においては、指数の値が大きいほど接地面積が大きいことを表している。
また、隔壁部とリムとのエアシール性、リム組み作業性、ホイール内容積保持性については、4段階評価を行なった。
以下に評価基準を示す。
◎:優れている。
○:普通(市場性レベルOK)。
△:やや劣っている(NGレベル)。
×:非常に劣る、もしくは非常に困難。
隔壁部とリムとのエアシール性試験方法:主気室内圧を零(0kPa)にして、両側の副気室にのみ空気を充填した時に200kPaまで充填し、長期使用しても圧力を保持できるかどうかで判断した。
以下に評価基準を示す。
◎:長期使用しても内側隔壁部のリムに対するフィット性が原因による空気漏れがない場 合。
○:長期使用すると内側隔壁部のリムに対するフィット性が原因による空気漏れが少しは ある場合(市場性レベルOK)。
△:しばらくして副気室内圧が主気室側に漏れる場合。
×:副気室に200kPa充填前に内側隔壁部がリムから外れてしまう場合。
結果は以下の表1〜3に示す通りであった。
Figure 0004594108
Figure 0004594108
Figure 0004594108
試験の結果、実施例1〜5のタイヤ・リム組立体は、隔壁部とリムとのエアシール性、
リム組み作業性、及びホイール内容積保持性の何れも問題となる事項は無かった。
図3の構造:リムと隔壁部を接着剤で固定するためエアシール性が低く、また、リムにドロップが無いのでリム組み性は非常に困難であった。また、カーカスプライの枚数は少ないものの複雑に屈曲しており、タイヤ製造は非常に困難であった。
図4の構造:両側のタイヤ気室の内圧が中央のタイヤ気室の内圧よりも大きい場合、リム外れを生じる。
図1の構造:リムにドロップがあるため、リム組みは比較的容易であるが、両側のタイヤ気室の内圧が中央のタイヤ気室の内圧よりも特に大きい場合、リム外れを生じてしまう。
図2に構造:リムにドロップがあるため、リム組みは比較的容易である。また、各気室の内圧の組み合わせは何れも可能である。
本発明の第1の実施形態に係るタイヤ・リム組立体の断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るタイヤ・リム組立体の断面図である。 従来例1に係るタイヤ・リム組立体の断面図である。 従来例2に係るタイヤ・リム組立体の断面図である。 タイヤ気室が1室の通常一般のタイヤ・リム組立体の断面図である。
符号の説明
10 空気入りタイヤ
12 リム
14 タイヤ・リム組立体
16 ビード部
18 ビードコア
20 サイドウォール部
20 タイヤサイドウォール部
22 トレッド部
24 隔壁部
25 内側ビード部
26 主気室
28 第1副気室
30 第2副気室
31 ビードコア
32 カーカスプライ(第1カーカスプライ)
37 カーカスプライ(第2カーカスプライ)
46 外側ビードシート
48 内側ビードシート
50 フランジ(外側フランジ)
52 段部
54 ドロップ

Claims (5)

  1. ビードコアを埋設した左右一対のビード部と、
    ビード部からタイヤ径方向外側へ延びるサイドウォール部と、
    一方のサイドウォール部のタイヤ径方向外側端と他方のサイドウォール部のタイヤ径方向外側端とを連結するトレッド部と、
    前記左右一対のビード部の間に前記ビード部とはタイヤ幅方向に離間して設けられ、前記サイドウォール部及び前記トレッド部の少なくとも一方のタイヤ内面側からタイヤ径方向内側に延び、タイヤ径方向内側端がリムに接触すると共に、リムに装着したときにリムとの間に各々独立したタイヤ気室をタイヤ幅方向に3室形成する一対の隔壁部と、
    を備え、
    前記隔壁部のタイヤ径方向内側端が、前記ビード部のベース部分からタイヤ幅方向内側に延ばした仮想線よりもタイヤ径方向内側にあり、前記ビード部の内径をRO、前記隔壁部の内径をRIとしたときに、0.02<(RO−RI)/RO<0.12を満足する、ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 0.04<(RO−RI)/RO<0.08を満足する、ことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 一方の前記ビードコアから他方の前記ビードコアに向けてトロイド状に跨り、幅方向一端側が一方の前記ビードコアにタイヤ内側から外側へ向けて巻き上げられ、幅方向他端側が他方の前記ビードコアにタイヤ内側から外側へ向けて巻き上げられた第1のカーカスプライと、
    前記隔壁部のタイヤ径方向内側端付近に埋設される内側ビードコアと、
    一方の前記内側ビードコアから他方の前記内側ビードコアに向けてトロイド状に跨り、幅方向一端側が一方の前記内側ビードコアにタイヤ外側から内側へ向けて巻き上げられ、幅方向他端側が他方の前記内側ビードコアにタイヤ外側から内側へ向けて巻き上げられた第2のカーカスプライとを有する、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤと、
    前記空気入りタイヤを装着するリムと、を備え、
    前記リムは、前記ビード部の内周面に接触する外側ビードシートと、前記外側ビードシートのリム軸方向内側に段部を介して設けられ、前記外側ビードシートよりも小径に設定されて前記隔壁部の内周面に接触する内側ビードシートと、一方の前記内側ビードシートと他方の前記内側ビードシートとの間に設けられ、前記内側ビードシートよりも小径に設定されたドロップとを有する、ことを特徴とするタイヤ・リム組立体。
  5. タイヤ軸方向両側のタイヤ気室の内圧は、タイヤ軸方向中央のタイヤ気室の内圧よりも高く設定されている、ことを特徴とする請求項4に記載のタイヤ・リム組立体。
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