JP4592576B2 - 放電電極、薄膜製造装置及び太陽電池の製造方法 - Google Patents

放電電極、薄膜製造装置及び太陽電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、放電電極、薄膜製造装置及び太陽電池の製造方法に関し、特にプラズマを用いて基板や製膜済みの基板に処理を行う放電電極、薄膜製造装置及び太陽電池の製造方法に関する。
アモルファスシリコン太陽電池や微結晶シリコン太陽電池、TFT(Thin Film Transistor)などで用いる薄膜を製造する薄膜製造装置では、生産効率の向上等の面から基板の大面積化が進められている。そのような大面積基板(例示:1m×1m以上)の製膜を行う場合、高周波プラズマを用いる方法が有用である。高周波プラズマを用いる場合、単なる平行平板型の製膜装置ではなく、梯子型電極を用いた製膜方法が有効である。例えば、特開2002−322563号公報に梯子型電極を用いた従来技術が開示されている。
微結晶層を含む多接合型(タンデム型)太陽電池のコストダウンのためには、発電層である微結晶i層が数μmとアモルファスシリコンi層の5〜10倍の膜厚と厚いため、i層を高速で製膜することが有効である。高速製膜のためには、例えば、基板−電極間距離を狭くし、製膜圧力を高くする方法が考えられる。一方、高速製膜に加えて、大面積基板の全面に高品質な発電層を形成すること、すなわち、膜厚(膜質)分布を均一化することも重要である。膜厚分布を均一にするためには、放電電極と対向電極との間に形成される高周波プラズマの密度を均一にする必要がある。
しかし、基板の大面積化に対応して放電電極及び対向電極も大面積になってきており、高周波プラズマの密度に分布が発生しやすい状況になってきている。例えば、各電極の長さが高周波プラズマを発生させるための電力の波長と同程度となるため、定在波の影響が顕著になり、分布の均一化が困難となる。加えて、基板−電極間距離も狭くなっていることから、放電電極及び対向電極のセッティングによっては、高周波プラズマの密度に分布が発生し、膜厚分布が不均一になることも考えられる。そのような場合、放電電極及び対向電極のセッティングの変更や、放電電極及び対向電極の設計変更が必要となり、時間と労力が掛かり、コストアップの原因となる。放電電極と対向電極との間に形成される高周波プラズマの密度を容易に均一にする技術が望まれる。不均一の発生している部分の高周波プラズマの密度を改善し、高周波プラズマの密度を全体的に均一にすることが可能な技術が望まれる。大面積基板上に、高速で膜厚(膜質)分布の均一な膜を製膜する技術が望まれている。
関連する技術として特開2000−208501号公報に、プラズマ処理装置用電極が開示されている。このプラズマ処理装置用電極は、ラダー型プラズマ電極である。ただし、プラズマ処理装置用電極は、基板をセットした加熱用ヒータと、前記基板側にガスを供給するガス供給器との間に配置され、通過するガスにプラズマエネルギを与えてガスを分解・反応させる。ラダー型プラズマ電極は、複数の第1のリブ状板とこれら第1のリブ状板を挟むように両隅に配置される第2のリブ状板とを横方向に等ピッチで立てた状態で配置されている。第1のリブ状板は上端・下端から中心にかけて徐々に幅を増加させた上下対称の形状をなしている。左右の第2のリブ状板は第1のリブ状板の上下端部の幅と同じ幅を有し、かつ左右の第2のリブ状板から中心部の第1のリブ状板にかけて第1のリブ状板の中央の幅を徐々に増加させている(又は丸棒にリブ板を付けるか,断面積が不均一な丸棒を用いて面積を変えている)。
特開2003−318118号公報に、放電処理装置及び放電処理方法が開示されている。この放電処理装置は、大気圧又は大気圧近傍の圧力下において、対向する第1及び第2の電極間に電界を形成し、前記第1及び第2の電極間の反応性ガスをプラズマ状態とし、前記第1の電極に対して設置された基材を前記プラズマ状態の反応性ガスに曝すことにより、前記基材上に薄膜を形成する。前記第1及び第2の電極の少なくとも一方には誘電体が設けられ、前記第1及び第2の電極の間の空間における静電容量分布のバラツキを補正する補正手段を設けている。すなわち、基板の形状に応じて、基板と電極との間の距離を局所的に変更するようにした電極について記載されている。
特開2002−322563号公報 特開2000−208501号公報 特開2003−318118号公報
本発明の目的は、放電電極と対向電極との間に形成される高周波プラズマの密度を容易に均一にすることが可能な放電電極、薄膜製造装置及び太陽電池の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、不均一の発生している部分の高周波プラズマの密度を改善し、高周波プラズマの密度を全体的に均一にすることが可能な放電電極、薄膜製造装置及び太陽電池の製造方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、大面積基板上に、高速で膜厚(膜質)分布の均一な膜を製膜することが可能な放電電極、薄膜製造装置及び太陽電池の製造方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、微結晶層を含む多接合型太陽電池の発電層である微結晶i層を大面積基板上に、高速で膜厚(膜質)分布の均一に製膜することが可能な放電電極、薄膜製造装置及び太陽電池の製造方法を提供することにある。
以下に、発明を実施するための最良の形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明の放電電極は、放電電極(3)と放電電極(3)に対向する対向電極(2)とを備える薄膜製造装置用の放電電極(3)である。放電電極(3)は、互いに略平行に第1方向へ伸びる二本の横電極(20)と、二本の横電極(20)の間に設けられ、互いに略平行に第1方向に略垂直な第2方向へ伸びる複数の縦電極(21)とを具備する。複数の縦電極(21)及び二本の横電極(20)のうちの少なくとも一方は、放電電極(3)と対向電極(2)との間で高周波電力により供給ガスのプラズマ(10)が形成されるとき、プラズマ(10)の密度の分布を均一化するように複数の縦電極(21)の形態が設定される。
本発明において、放電電極(3)と対向電極(2)との間で高周波電力によるプラズマ(10)を形成する場合、複数の縦電極(21)でのおよその電圧Vは、V=(d/ε)(q/S)(ただし、q:電極上の電荷、S:電極面積、d:電極間距離、ε:プラズマ(10)の誘電率)で表される。すなわち、電荷密度(q/S)を直接制御するか、又は、電極面積(S)を制御して電荷密度(q/S)を変更することで、電圧Vを調整することができ、それにより、プラズマを制御することが出来る。このような電荷密度や電極面積の制御は、複数の縦電極(21)の形態を適切に設定することで行うことが出来る。例えば、プラズマ密度の高い部分は、電圧Vを下げる(プラズマ密度を下げる)ように、電荷密度を下げる、又は、電極面積を大きくする。プラズマ密度の低い部分は、電圧Vを上げる(プラズマ密度を上げる)ように、電荷密度を上げる、又は、電極面積を小さくする。本発明の放電電極を製膜に用いることで、こうしてプラズマの密度を均一化し、高速で膜厚(膜質)分布の均一な膜を製膜することが出来る。ここで、複数の縦電極(21)の形態とは、複数の縦電極(21)の配置パターン(例示:並べ方、間隔の取り方)や、縦電極(21)の形状、及び形状の異なる複数の縦電極(21)の配置パターンを含む。
上記の放電電極において、複数の縦電極(21)及び二本の横電極(20)のうちの少なくとも一方は、隣り合う電極同士の間隔(I)が、プラズマ(10)の密度の分布を均一化するように、設定されていることが好ましい。
本発明において、例えば、複数の縦電極(21)の各々同士の間隔を変更し、例えば、プラズマ密度が高い箇所は縦電極(21)の間隔を広げ、プラズマ密度が低い箇所は縦電極(21)の間隔を狭くすることで、縦電極(21)同士の電気的な干渉を変化させることで、各縦電極(21)上の電荷密度nを変更させることが出来、それによりプラズマの密度の分布を均一化することが出来る。横電極(20)についても同様である。
上記の放電電極において、複数の縦電極(21)における隣り合う電極同士の間隔(I)は、横電極(20)と平行な方向に沿って周期的に変わることが好ましい。
本発明において、周期的な間隔の変化は、高周波電力の使用に対して周期的に発生しやすいプラズマの密度の分布を相殺し、緩和することが出来る。
上記の放電電極において、複数の縦電極(21)及び二本の横電極(20)のうちの少なくとも一方は、電極の幅(W)が、プラズマ(10)の密度の分布を均一化するように、設定されていることが好ましい。
本発明において、複数の縦電極(21)の幅を変更して電極面積を変更し、例えば、プラズマ密度が高い箇所の縦電極(21)の幅を大きくして電極面積を大きくし、プラズマ密度が低い箇所の縦電極(21)の幅を小さくして電極面積を小さくすることで、各縦電極(21)上の電荷密度nを変更させることが出来、それによりプラズマの密度の分布を均一化することが出来る。
上記の放電電極において、複数の縦電極(21)における電極の幅(W)は、横電極(20)と平行な方向に沿って周期的に変わることが好ましい。
本発明において、周期的な幅の変化は、高周波電力の使用に対して周期的に発生しやすいプラズマの密度の分布を相殺し、緩和することが出来る。
上記の放電電極において、複数の縦電極(21)及び二本の横電極(20)のうちの少なくとも一方は、電極の幅(W)における長さ方向の分布が、プラズマ(10)の密度の分布を均一化するように、設けられることが好ましい。
本発明において、複数の縦電極(21)の局所的な幅を変更して電極面積を変更し、例えば、プラズマ密度が局所的に高い箇所に対応する縦電極(21)の幅を局所的に大きくして電極面積を局所的に大きくし、プラズマ密度が低い箇所に対応する縦電極(21)の幅を局所的に小さくして電極面積を局所的に小さくすることで、各縦電極(21)上の電荷密度nを変更させることが出来、それによりプラズマの密度の分布を均一化することが出来る。
上記の放電電極において、複数の縦電極(21)における電極の幅(W)の長さ方向の分布は、横電極(20)と平行な方向に沿って周期的に変わることが好ましい。
本発明において、周期的な長さ方向の分布の変化は、高周波電力の使用に対して周期的に発生しやすいプラズマの密度の分布を相殺し、緩和することが出来る。
本発明の薄膜製造装置は、製膜室(6)と、製膜室(6)内に設けられた上記各項のいずれか一項に記載の放電電極(3)と、製膜室(6)内に設けられた放電電極(3)に対向する対向電極(2)とを具備する。放電電極(3)と対向電極(2)との間で高周波電力により供給ガスのプラズマ(10)が形成される。
本発明において、複数の縦電極(21)の形態を適切に設定することで、電圧Vを調整しプラズマを制御することが出来るので、プラズマの密度を均一化し、高速でも膜厚(膜質)分布の均一な膜を製膜することが出来る。
薄膜製造装置を用いた太陽電池の製造方法である。ここで、薄膜製造装置は、製膜室(6)と、製膜室(6)内に設けられた放電電極(3)と、製膜室(6)内に設けられ、放電電極(3)に対向する対向電極(2)とを具備する。放電電極は、互いに略平行に第1方向へ伸びる二本の横電極(20)と、二本の横電極(20)の間に設けられ、互いに略平行に第1方向に略垂直な第2方向へ伸びる複数の縦電極(21)とを備える。複数の縦電極(21)及び二本の横電極(20)のうちの少なくとも一方は、放電電極(3)と対向電極(2)との間で高周波電力により供給ガスのプラズマ(10)が形成されるとき、プラズマ(10)の密度の分布を均一化するように複数の縦電極(21)の形態が設定される。太陽電池の製造方法は、(a)対向電極(2)に基板(8)を保持する工程と、(b)製膜室(6)内に供給ガスを導入する工程と、(c)供給ガスを導入しながら、放電電極(3)と対向電極(2)との間に高周波電力を印加して、供給ガスのプラズマ(10)を形成し、基板(8)上に太陽電池用の薄膜を形成する工程とを具備する。
上記の太陽電池の製造方法において、複数の縦電極(21)及び二本の横電極(20)のうちの少なくとも一方は、隣り合う電極同士の間隔(I)が、プラズマ(10)の密度の分布を均一化するように、設定されていることが好ましい。
上記の太陽電池の製造方法において、複数の縦電極(21)における隣り合う電極同士の間隔(I)は、横電極(20)と平行な方向に沿って周期的に変わることが好ましい。
上記の太陽電池の製造方法において、複数の縦電極(21)及び二本の横電極(20)のうちの少なくとも一方は、電極の幅(W)が、プラズマ(10)の密度の分布を均一化するように、設定されていることが好ましい。
上記の太陽電池の製造方法において、複数の縦電極(21)における電極の幅(W)は、横電極(20)と平行な方向に沿って周期的に変わることが好ましい。
上記の太陽電池の製造方法において、複数の縦電極(21)及び二本の横電極(20)のうちの少なくとも一方は、電極の幅(W)における長さ方向の分布が、プラズマ(10)の密度の分布を均一化するように、設けられることが好ましい。
上記の太陽電池の製造方法において、複数の縦電極(21)における電極の幅(W)における長さ方向の分布は、横電極(20)と平行な方向に沿って周期的に変わることが好ましい。
本発明により、放電電極と対向電極との間に形成される高周波プラズマの密度を容易に均一にすることができる。不均一の発生している部分の高周波プラズマの密度を改善し、高周波プラズマの密度を全体的に均一にすることができる。そして、膜厚分布や膜質分布の発生を抑制しながら高速製膜により生産性を向上することが可能となる。
以下、本発明の放電電極、薄膜製造装置及び太陽電池の製造方法の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
まず、本発明の薄膜製造装置の第1の実施の形態の構成について説明する。図1は、本発明の薄膜製造装置の第1の実施の形態の構成を示す概略図である。薄膜製造装置1の側面から見た図である。薄膜製造装置1は、製膜室6、対向電極2、均熱板5、均熱板保持機構11、放電電極3、防着板4、支持部7、高周波給電伝送路12、整合器13、高真空排気部19、低真空排気部17、台18を具備する。なお、本図において、ガス供給に関する構成は省略している。
製膜室6は、真空容器であり、その内部で基板8に膜を製膜する。製膜室6は、台18上に保持されている。高真空排気部19は、製膜室6内の気体を排気する高真空排気用の真空ポンプと開閉弁とを含む。低真空排気部17は、製膜室6内の気体と製膜時の未使用ガスを排気する粗引き排気用の真空ポンプと開閉弁とを含む。台18は、製膜室6を保持している。内部に低真空排気部17を含む。台18は、製膜室6をz方向(鉛直方向)に対してθ=7°〜12°傾けて保持する。より好ましくは約10°傾ける。それにより、対向電極2の基板8に接する表面が、z方向に対して7°〜12°上に向くようする。基板8を垂直から僅かに傾けることは、装置の設置スペースの増加を抑えながら基板8の自重を利用して少ない手間で基板8を保持し、更に基板8と対向電極2の密着性を向上して基板8の温度分布と電位分布を均一化することが出来て好ましい。
対向電極2は、基板8を保持可能な保持手段(図示されず)を有する導電性の板であり、非磁性材料で製作される。セルフクリーニングを行う場合は耐フッ素ラジカル性からニッケル合金やアルミ合金の使用が望ましい。対向電極2は、製膜時、放電電極3に対向する電極(例示:接地側)となる。対向電極2は、一方の面を均熱板5の表面に密接するように保持されている。そして、製膜時に他方の面を基板8の表面と密接する。均熱板5は、全体が概ね均一な温度を有し、接触している対向電極2の温度を均一化する機能を有する。均熱板5は、内部に温度制御された熱媒体を流したり、温度制御されたヒーターを組み込むことで、自身で温度を制御することも可能である。均熱板保持機構11は、均熱板5及び対向電極2を製膜室6の側面(図1の右側)に対して略平行となるように保持する。そして、製膜時、均熱板5、対向電極2及び基板8を、放電電極3へ近づける。それにより、基板8と放電電極3との距離dは、例えば、3mm〜10mmとすることができる。
放電電極3は、複数の梯子型状の電極で、好ましくは給電点の数に合わせて分割され形成されている。導電性の板であり、非磁性材料で製作される。セルフクリーニングを行う場合は耐フッ素ラジカル性からニッケル合金やアルミ合金の使用が望ましい。高周波給電伝送路12aが接続された給電点53と、高周波給電伝送路12bが接続された給電点54とから、それぞれ高周波電力を受電する。製膜時、対向電極2(例示:接地側)に対向する電極(例示:高周波電力投入側)となる。放電電極3と対向電極2との間の放電で発生する原料ガスのプラズマ10により基板8に膜が製膜される。防着板4は、接地され、プラズマの広がる範囲を抑えることにより、膜が製膜される範囲を制限する。支持部7は、防着板4に結合し、放電電極3と絶縁的に結合し、防着板4と放電電極3を製膜室6の側面(図2の左側)に対して略平行となるように保持する。
整合器13(13a、13b)は、出力側のインピーダンスを整合可能である。図示されない高周波電源から高周波給電伝送路14(14a、14b)を介して高周波電力を供給され、高周波給電伝送路12を介して放電電極3へ送電する。高周波給電伝送路12(12a、12b)は、一方を放電電極3に、他方を整合器13に、それぞれ電気的に接続されている。整合器13から供給される高周波電力を放電電極3へ供給する。放電電極3の温度調節が必要な場合に、高周波給電伝送路12は、例えば、その円管の中心部分に設けられた細管を用いて熱媒体を通し、その周辺部を用いて電力を給電する。
整合器13bは、更に、熱媒体供給装置(図示されず)から熱媒体供給管15bを介して供給された熱媒体を、高周波給電伝送路12bを介して放電電極3へ供給する。整合器13aは、放電電極3から高周波給電伝送路12aを介して熱媒体を受け取り、熱媒体供給管15aを介して熱媒体供給装置へ送出する。熱媒体の温度を熱媒体供給装置で制御することで、放電電極3の温度を所望の温度にすることが出来る。また、放電電極3の温度を所望の温度に制御して製膜室6内のヒートバランスを適切に保つことで、基板8の表裏温度差にともなうソリ変形を抑制することができる。
図2は、本発明の薄膜製造装置の第1の実施の形態の構成の一部を示す部分斜視図である。図中に矢印でXYZ方向を示す。放電電極3は、梯子状の電極を備える。本実施の形態では8個の梯子状電極としての放電電極3a〜3hを備える。ただし、梯子状電極の数は、この数に限定されるものではなく、高周波を均一に給電してプラズマの密度を均一化できることと、製作が容易であることから適切な数を選定できる。また放電電極3を1個の梯子状電極で構成しても良い。放電電極3a〜3hの各々は、互いに略平行にX方向へ伸びる二本の横電極20と、二本の横電極20の間に設けられ、互いに略平行にX方向に略垂直なY方向へ伸びる複数の縦電極21とを備える。ここでは、放電電極3a〜3hは、各横電極20が隣り合う横電極20と互いに接続されて一体となっている。
放電電極3a〜3hの各々に対して、整合器13a、高周波給電伝送路14a、高周波給電伝送路12a、熱媒体供給管15a及び原料ガス配管16aが給電点53側にそれぞれ設けられ、整合器13b、高周波給電伝送路14b、高周波給電伝送路12b、熱媒体供給管15b及び原料ガス配管16bが給電点54側にそれぞれ設けられていて、製膜室6の壁面との間でOリング等を用いて真空シールをする。ただし、図2では、放電電極3aに関する整合器13a、13b、高周波給電伝送路14a、14b、高周波給電伝送路12a、12b、熱媒体供給管15a、15b及び原料ガス配管16a、16bについてのみ示している。
放電電極3a〜3hの各々は、給電点53近傍に原料ガス配管16aが接続され、原料ガス配管16aから原料ガスが供給される。同様に、給電点54近傍に原料ガス配管16bが接続され、原料ガス配管16bから原料ガスを供給される。放電電極3a〜3hの各々は、供給された原料ガスを、図中の矢印に示す方向、すなわち基板8の方向へその表面から放出する。
ただし、第1の実施の形態において8分割した放電電極3a〜3hへの電力供給を、8個に限定することはない。8個を超えるまたは8個未満(例示:1個)の整合器13a及び高周波給電伝送路14aと整合器13b及び高周波給電伝送路14bとの組みで行うことも可能である。その場合、その組の数に対応するように、放電電極3a〜3hを加減して組み分けする。
図3は、本発明の薄膜製造装置の第1の実施の形態における高周波電力の供給に関する構成を示す概略ブロック図である。薄膜製造装置1は、更に、電源部60を具備する。電源部60は、RFアンプ(高周波電源A)62、RFアンプ(高周波電源B)63、高周波(RF)発振器64、高周波(RF)発振器65、切り替えスイッチ66、ファンクションジェネレータ67を備える。
高周波(RF)発振器64は、例えば60MHzの高周波(RF)を発振してRFアンプ62と切り替えスイッチ66とへ送信する。その際、内部に有するフェーズシフターを用いて、いずれかの高周波を位相変調する。高周波(RF)発振器65は、例えば58.5MHzの高周波(RF)を発振して、切り替えスイッチ66へ送信する。その際、その周波数を例えば58.5MHzから59.9MHz、あるいは60.1MHzから61.5MHzのように変動させる。切り替えスイッチ66は、高周波発振器64、65からの高周波を受け、これらを一定サイクルで切り替えRFアンプ63に供給する。ファンクションジェネレータ67は、切り替えスイッチ66による高周波発振器64、65からの高周波の切り替えに際し、これらの高周波の時間割合すなわちデューティ比を、ガス圧やガス種などのガス条件に対応した信号により変化させる。RFアンプ62は、60MHzの高周波を増幅して高周波電力として給電点53に給電し、RFアンプ63は、一定サイクルで切り替わる60MHzと58.5MHzの高周波を増幅して高周波電力として給電点54に給電する。
ただし、放電電極3a〜3hは、それぞれ個別の8個の電源部60から電力を供給されても良い。あるいは、放電電極3a〜3hは、8個を超えるまたは8個未満の電源部60から供給されても良い。その場合、その電源部60の数に対応するように、放電電極3a〜3hを加減して組み分けする。また、放電電極3を1個の梯子状電極で構成して、1個の電源部60から電力を供給しても良い。ただし、給電点53、54は図2の場合と同様である。
この動作の詳細は、特開2002−322563号公報のとおりである。この構成及び動作により、大面積でのプラズマ発生状況の均一化に効果がある。
なお、電源部60は、例えば60MHzや13.56MHzの高周波電力を、上記のような位相変調の制御をせずに、同位相又は所定の位相差で給電点53及び給電点54の各々に供給しても良い。
図4は、本発明の放電電極の第1の実施の形態における縦電極の構成の一例を示す平面図及び断面図である。図4(a)は、図3のBB断面のうちの放電電極3aにおける縦電極21aを示す。図4(b)は、図4(a)の縦電極21aのうちの一つをその図4(a)における下側から見た平面図を示す。図4(c)は、図4(a)の縦電極21aうちの一つにおけるガスの流れを模式的に示す。放電電極3(3a)の複数の縦電極21(21a)の各々は、電極本体30a、ガス流通路31、ガス分散部36、ガス拡散路34、35、複数のガス噴出し孔32、及び熱媒体流通管33を含む。XYZ方向は、図3の場合と同じである。
電極本体30aは、一方の端部を一方の横電極20に、他方の端部を他方の横電極20に接続されている。一方の横電極20は高周波給電伝送路12aに、他方の横電極20は高周波給電伝送路12bに接続されている。なお、この図では、断面が矩形形状であるが、円形状でも楕円形状でも、多角形形状でも、それらの組合せでも良い。また、後述のように、隣り合う電極本体30aの太さや幅が不揃いである場合や、付属部品が接続されていても良い。
ガス流通路31は、電極本体30aの内部において、電極本体30aの一方の端部から他方の端部までY方向へ伸びる管(空間)である。一端を原料ガス配管16aに、他端を原料ガス配管16bに接続されている。その内部を製膜用のガスが流通可能である。ガス拡散路34、35は、電極本体30aの内部において、電極本体30aの一方の端部から他方の端部までY方向へ伸びる空間である。複数のガス噴出し孔32は、適当な間隔で設けられた小孔であり、ガス流通路31からガス拡散路34、35へ向って略均一にガスを噴出する。ガス分散部36は、電極本体30aの対向電極2側の外表面において、電極本体30aの一方の端部から他方の端部までY方向へ伸びる板状体または多孔体である。貫通した複数の孔37を有する。なお、ガス分散部36を設けていなくても良い。
これらの構成により、ガス流通路31のガスが、ガス噴出し孔32を経て、ガス拡散路34、35においてY方向へ流通しながら+Z方向へも拡散し、ガス分散部36の複数の孔37を経て、対向電極2上の基板8へ達することが出来る。
電極本体30aやガス分散部36は、非磁性材料で熱伝導性が良く、セルフクリーニング(反応性イオンエッチング)に実施時にフッ素耐性のある金属が好ましい。また、溶接が容易な金属であることがより好ましい。そのような金属の一つは、アルミ合金に例示される。
熱媒体流通管33は、電極本体30aの内部において、Y方向へ伸び、熱媒体が流通可能である。一端を熱媒体供給管15aに、他端を熱媒体供給管15bに接続されている。
温度を制御された熱媒体を流通させることにより、電極本体30aを所望の温度に制御することが出来る。
次に、本発明におけるプラズマの密度の分布(膜厚分布)の発生を抑制する考え方及び本発明の放電電極についてより詳細に説明する。
図5は、従来の放電電極の構成の一例を示す平面図である。ここでは、放電電極3a〜3hの各横電極20が隣り合う横電極20と互いに接続されて一体となった放電電極3と同様の放電電極103を示している。放電電極103は、二本の横電極120と、二本の横電極120の間に設けられ、互いに略平行に、横電極120に略垂直な方向へ伸びる複数の縦電極121とを備える。二本の横電極120は、上記3a〜3hに対応して、それぞれ給電点153、154をそれぞれ8箇所有する。横電極120の長さはL1である。縦電極121は、長さL2、幅Wで全て同一である。縦電極121同士の間隔はIで、全て一定である。放電電極103の実効的な面積S0は、L1×L2となる。このような従来の放電電極103は、高周波電力が各給電点153、及び各給電点154にそれぞれ供給され、対向電極2との間にプラズマを形成する。
図6は、従来の放電電極103で基板8上に形成された薄膜の膜厚分布の一例を示す概略図である。この図は、ある製膜条件及び放電電極103のセッティング条件により、基板8に製膜された薄膜の膜厚分布を示している。すなわち、放電電極103の領域Aに対応する位置の膜厚が相対的に厚く、領域Bに対応する位置の膜厚が相対的に薄くなっている例を示している。ここで、一般に、プラズマの密度の分布は、膜厚の分布に対応しているとみなすことが出来る。すなわち、製膜時のプラズマの密度に分布があったことを示している。したがって、放電電極103を改良して、プラズマの密度の分布を改善する必要がある。
このようなプラズマの密度の分布(膜厚分布)の発生を抑制するための本発明の考え方について説明する。図7は、薄膜製造装置におけるプラズマ生成に関わる構成を示す概念図である。この考え方はプラズマの強さと電圧との関係に基づくものである。プラズマ10を形成する放電電極3と対向電極2とは、平行平板コンデンサと考えることができる。ここで、両電極に蓄積される電荷をq[C]、両電極間に印加される電圧V[V]、容量C[F]とすれば、それらの関係は次式で与えられる。
q=CV …(1)
つまり、両電極内の電圧Vの分布がプラズマに影響すると考えられる。平行平板コンデンサとしての両電極の面積をS、電極間距離をd、プラズマ10の誘電率をεとすれば、
容量C[F]は、次のようになる。
C=εS/d …(2)
(2)式を(1)式に代入すれば、以下の式が得られる。
q=CV=(εS/d)V …(3)
(3)式を変更すれば、以下の式が得られる。
V=(d/ε)(q/S) …(4)
(4)式を参照すると、d/εが一定とすれば、電圧V[V]は電荷密度n=q/S[C/m]に比例するといえる。したがって、電荷密度nを直接変更するか、又は、電極の面積Sを変更して電荷密度nを変更することで、電圧Vを調整することができる。このような電荷密度nの変更を、放電電極3の全体ではなく局所的に実行すると、結果として放電電極3上の電圧Vを局所的に変更することができる。すなわち、放電電極3の電荷密度nの分布を調整することができ、それにより、放電電極3の電圧Vの分布を均一に調整することが可能となる。その結果、放電電極と対向電極との間に形成される高周波プラズマの密度を均一にすることが可能となる。
本実施の形態では、上記考え方を本発明の梯子型の放電電極3に適用し、電荷密度nを直接変更することで、電圧Vを調整している。すなわち、複数の縦電極21の各々同士の間隔を変更することで、縦電極21同士の電気的な干渉を変化させて、各縦電極21上の電荷密度nを変更させることが出来ると考えられる。
具体的には、プラズマ密度が高い、すなわち、電荷密度nが高いと考えられる領域に対応する放電電極3の縦電極21について、電荷密度nが低くなるように縦電極21の間隔を広げて疎になるようにする。一方、プラズマ密度が低い、すなわち、電荷密度nが低いと考えられる領域に対応する放電電極3の縦電極21について、電荷密度nが高くなるように縦電極21の間隔を狭くして密になるようにする。このように、放電電極3の複数の縦電極21の内、プラズマ密度の高低に応じて、その場所に対応する縦電極21を局所的にずらすことで、プラズマの密度を均一にすることが出来る。そのような縦電極21の配置を有する放電電極を示しているのが図8である。
図8は、本発明の放電電極の第1の実施の形態における構成の一例を示す平面図である。ここでは、放電電極3a〜3hの各横電極20が隣り合う横電極20と互いに接続されて一体となった放電電極3−1を示している。放電電極3−1は、前述のように、二本の横電極20と、二本の横電極20の間に設けられ、互いに略平行に、横電極20に略垂直な方向へ伸びる複数の縦電極21とを備える。二本の横電極20は、上記3a〜3hに対応して、それぞれ給電点53、54を8個有する。横電極20の長さはL1である。縦電極21の長さはL2、幅はW=Wである。ただし、放電電極3−1は、の密度を均一化するために、縦電極21の位置をずらして、縦電極21同士の間隔が場所により異なるようにしている。ここでは、例えば、図5の間隔Iとは異なる5種類の間隔I11〜I15を用いている。ただし、大小関係は、I11>I12>I13(=I)>I14>I15である。縦電極21同士の間隔の変化は、周期的(…−I11−I12−I13−I14−I15−I14−I13−I12−I11−…)になっている。ただし、電荷密度の不均一な部分が一部であれば、その部分に対応する縦電極21の間隔だけを変更すればよい。
図8の放電電極3−1は、図5の放電電極103を用いて図6に示すような薄膜の膜厚分布が発生した場合に対処するための構成の一例を示している。図6の薄膜は、放電電極103の領域Aに対応する位置の膜厚がより厚くなっている、すなわち、より電荷密度(電圧)が高くなっていることを示していると考えられる。この場合、領域Aの部分の電荷密度を低下させることができれば、膜厚分布をより均一にすることができる。図8の放電電極3−1は、領域Aに対応する部分での縦電極21の間隔が広く(I11、I12)、領域A間の領域Bに対応する部分での縦電極21の間隔が狭く(I14、I15)なっているので、縦電極21の電荷密度の分布を、領域Aで低く、領域A間の領域Bで高くすることができる。それにより、基板8上に形成される薄膜の膜厚分布を一定にすることが出来る。この場合、横方向に間隔の疎密が出来ていることから、横方向の膜厚分布が大きい場合に特に有効である。
本発明の放電電極3−1を含む薄膜製造装置で製膜を行った場合のシミュレーションは、以下のような結果になった。ただし、高周波電力は、周波数60MHzで位相変調なしとする。放電電極3−1は、大きさが約1.5m×1.2mである。縦電極21は直径10mmφの丸棒60本である。間隔は、I11=1.7I、I12=1.3I、I13=1.0Iである。その結果、横方向の膜厚分布が、従来の場合(図5)と比較して20%程度向上した。
また、高周波電力を放電電極3投入した場合、放電電極3内で定在波を形成し、電荷密度(電圧)の分布が周期的になる場合がある。その結果、図6に示すような膜厚分布を有する薄膜が形成されることが考えられる。そのような場合、図8に示すように縦電極21を周期的に変化する間隔で並べることで、電荷密度(電圧)の周期的な分布を打ち消して、均一性の高い電荷密度(電圧)とすることが出来、より均一性の高いプラズマを得ることが可能となる。
次に、本発明の太陽電池の製造方法について説明する。ここでは、上記に示した放電電極及び薄膜製造装置を用いて、シリコン系薄膜の太陽電池を製造する場合を説明する。
ただし、シリコン系とは、シリコン(Si)やシリコンカーバイド(SiC)やシリコンゲルマニウム(SiGe)を含む。ここでは、シリコン系薄膜として、微結晶シリコン又はアモルファスシリコンを例とする。
(1)ガラスのような透光性の基板8を薄膜製造装置1へ導入し、対向電極2にセットする。基板8は、例えば、1.4m×1.1m、板厚4mmのソーダフロートガラスで、基板端面は破損防止にコーナー面取りやR面取り加工されていることが望ましい。基板8の表面には酸化錫膜を主成分とする透明導電膜を約500nmから800nmの膜厚となるよう熱CVD装置にて約500℃で形成されている。多接合型(タンデム型)太陽電池において微結晶シリコン層をボトム電池層として製膜する際は、基板8には透明導電膜とアモルファスシリコン太陽電池層(p層、i層、n層)が形成されている。その後、製膜室6を所定の真空度(例示:10−6Pa)にする。対向電極2の温度は、例えば200℃で一定となるように均熱板5を温度制御されている。基板−電極間距離は、2mmから15mmが例示され、例えば、5mmである。
(2)製膜用のガスを、原料ガス配管16a、ガス流通路31、ガス噴出し孔32、ガス拡散路34、35及びガス分散部36(複数の孔37)を介して放電電極3と基板8との間に供給する。微結晶シリコン薄膜又はアモルファスシリコン薄膜を形成する場合、ガスは、例えば、H+SiH(SiH分圧:2〜20%)である。ただし、p層やn層を形成する場合には、更にドーパントを加えたガスとする。製膜圧力の範囲は、例えば、微結晶シリコン薄膜を形成する場合、800〜1800Paであり、アモルファスシリコン薄膜を形成する場合、200〜600Paである。ガスは、孔37を介して供給され、隙間空間29から排出される。
(3)整合器13の出力側のインピーダンスの整合をとりながら、出力側に接続された高周波給電伝送路12を介して放電電極3−1へ所定の高周波電力を供給する。これにより、放電電極3−1と対向電極2との間にガスのプラズマが発生し、基板8上にシリコン薄膜が製膜される。微結晶シリコン薄膜を形成する場合、高周波電力及び基板温度と膜厚は、例えば、1W/cm及び200℃と1.5μmから3μmである。アモルファスシリコン薄膜を形成する場合、高周波電力及び基板温度と膜厚は、例えば、0.2W/cm及び200℃と約300nmである。このとき、プラズマの密度を均一にするように縦電極21の間隔を調整した図8の構成に例示される放電電極3−1を用いているので、図6の膜厚分布の原因となるような電荷分布を生じることは無い。したがって、プラズマ10の密度を均一に形成することができ、膜厚分布の抑制された薄膜を形成することができる。
(4)製膜前から製膜終了まで、高周波給電伝送路12の内部に設けられた熱媒体供給管15を介して、放電電極3の内部に設けられた熱媒体流通管33へ熱媒体を流通させる。
それにより、放電電極3の温度を制御する。電極本体30aの温度は、例えば50℃から180℃の間の適切な温度に制御される。すなわち、電極本体30aの温度は、製膜時の基板加熱温度とプラズマ投入電力と製膜室6から排出される熱の熱バランスにおいて、基板8の表裏温度差により発生する基板ソリ変形が抑制されるように制御される。
(5)p層シリコン薄膜、i層シリコン薄膜、及びn層シリコン薄膜のそれぞれについて、上記の(1)から(4)を繰り返す。
(6)その後、n層上に銀やアルミニウムによる裏面導電膜をスパッタリング装置で形成して、太陽電池が製造される。
なお、p層シリコン薄膜、i層シリコン薄膜、及びn層シリコン薄膜をそれぞれ異なる製膜室6で形成しても良い。更には異なる薄膜製造装置で形成しても良い。また、必要に応じて各層の間に他の薄膜を形成しても良い。そのような他の膜や透明導電膜、裏面導電膜については、本発明の薄膜製造装置用いなくても良い。また、特に記載していないが、太陽電池として直列集積構造するために、途中工程にYAGレーザーなどを用いた膜のエッチング工程を実施する。
上記の太陽電池の製造方法では、アモルファスシリコン太陽電池、又は微結晶シリコン太陽電池を一つ製造する例を示している。しかし、本発明がこの例に限定されるものではなく、アモルファスシリコン太陽電池と微結晶シリコン太陽電池とを各1層〜複数層に積層させた多接合型太陽電池のような他の種類の薄膜太陽電池にも同様に適用可能である。
更に、本発明は、金属基板のような非透光性基板上に製造された、基板とは反対側から光が入射する型の太陽電池にも同様に適用可能である。
上記p層シリコン薄膜、i層シリコン薄膜、及びn層シリコン薄膜の例に限らず、太陽電池に関わる薄膜をプラズマCVD法で製膜する場合、本発明の放電電極を用いることが出来る。その場合にも、同様に均一性の高いプラズマを得ることができ、膜厚分布の小さい薄膜を得ることができる。
以上のように、本発明により、放電電極の縦電極の位置をずらして、その間隔を変更することで、各縦電極上の電荷密度を制御することができる。それにより、放電電極上の電圧分布を制御することが出来、放電電極と対向電極との間に形成される高周波プラズマの密度を均一にすることができる。すなわち、縦電極の位置をずらすという容易な方法で、不均一の発生している部分の高周波プラズマの密度を改善し、高周波プラズマの密度を全体的に均一にすることができる。そして、膜厚分布や膜質分布の発生を抑制しながら高速製膜により生産性を向上することが可能となる。
(第2の実施の形態)
本発明の薄膜製造装置の第2の実施の形態の構成について説明する。図1及び図2の薄膜製造装置の構成、図3の高周波電力の供給に関する構成、図4の縦電極の構成、プラズマの密度の分布(膜厚分布)の発生を抑制するための本発明の考え方については、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
本実施の形態では、上記考え方を本発明の梯子型の放電電極3に適用し、電極の面積Sを変更して電荷密度nを変更することで、電圧Vを調整している。すなわち、電極の面積Sは、二本の横電極20及び複数の縦電極21の対向電極2に面した面の面積に対応すると考えられる。そして、電荷密度nを局所的に変更すること、すなわち、電極の面積Sを局所的に変更する(増加又は減少させること)ことは、例えば、幅の小さい(細い)縦電極21(面積Sの減少に対応)や、幅の広い(太い)縦電極21(面積Sの増加に対応)を用いることに対応すると考えられる。
具体的には、プラズマ密度が高い、すなわち、電荷密度nが高いと考えられる領域に対応する放電電極3の縦電極21について、電荷密度nが低くなるように縦電極21の幅を大きくして面積Sを大きくするようにする。一方、プラズマ密度が低い、すなわち、電荷密度nが低いと考えられる領域に対応する放電電極3の縦電極21について、電荷密度nが高くなるように縦電極21の幅を小さくして面積Sを小さくするようにする。このように、放電電極3の複数の縦電極21の内、プラズマ密度の高低に応じて、その場所に対応する縦電極21の幅を変えることで、プラズマの密度を均一にすることが出来る。そのような縦電極21の配置を有する放電電極を示しているのが図9である。
図9は、本発明の放電電極の第2の実施の形態における構成の一例を示す平面図である。ここでは、放電電極3a〜3hの各横電極20が隣り合う横電極20と互いに接続されて一体となった放電電極3−2を示している。放電電極3−2は、前述のように、二本の横電極20と、二本の横電極20の間に設けられ、互いに略平行に、横電極20に略垂直な方向へ伸びる複数の縦電極21とを備える。二本の横電極20は、上記3a〜3hに対応して、それぞれ給電点53、54を8個有する。横電極20の長さはL1である。各縦電極21同士の間隔は、全てI(=I)で一定である。ただし、放電電極3−2は、プラズマの密度を均一化するために、幅の異なる複数種類の縦電極21を用いている。ここでは、例えば、縦電極21は、幅の異なる縦電極21a、縦電極21b及び縦電極21cの三種類を用いている。ただし、縦電極21aは、長さL2であり幅W31である。縦電極21bは、長さL2であり幅W32である。縦電極21cは、長さL2であり幅W33である。大小関係は、W31<W32(=W)<W33である。縦電極21同士の幅の変化は、周期的(…−W31−W31−W31−W31−W32−W33−W33−W33−W32−…)になっている。ただし、電荷密度の不均一な部分が一部であれば、その部分に対応する縦電極21の幅だけを変更すればよい。
図9の放電電極3−2は、図5の放電電極103を用いて図6に示すような薄膜の膜厚分布が発生した場合に対処するための構成の一例を示している。図6の薄膜は、放電電極103の領域Aに対応する位置の膜厚がより厚くなっている、すなわち、より電荷密度(電圧)が高くなっていることを示していると考えられる。この場合、領域Aの部分の電荷密度を低下させることができれば、膜厚分布をより均一にすることができる。図9の放電電極3−2は、領域Aに対応する部分での縦電極21の幅が大きく(W33)、領域A間の領域Bに対応する部分での縦電極21の幅が小さく(W31)なっているので、縦電極21の電荷密度の分布を、領域Aで低く、領域A間の領域Bで高くすることが出来る。それにより、基板8上に形成される薄膜の膜厚分布を一定にすることが出来る。この場合、横方向に幅の大小が出来ていることから、横方向の膜厚分布が大きい場合に有効である。
本発明の放電電極3−2を含む薄膜製造装置で製膜を行った場合のシミュレーションは、以下のような結果になった。ただし、高周波電力は、周波数60MHzで位相変調なしとする。放電電極3−2は、大きさが約1.5m×1.2mである。縦電極21は直径10mmφの丸棒60本である。幅は、W31=W32=1.0W、W33=1.5Wである。その結果、横方向の膜厚分布が、従来の場合(図5)と比較して5%程度向上した。更に、縦方向の膜厚分布が、従来の場合(図5)と比較して25%程度向上した。したがって、縦方向の膜厚分布が大きい場合にも有効である。
また、高周波電力を放電電極3投入した場合、放電電極3内で定在波を形成し、電荷密度(電圧)の分布が周期的になる場合がある。その結果、図6に示すような膜厚分布を有する薄膜が形成されることが考えられる。そのような場合、図9に示すように縦電極21の幅を周期的に変化させて並べることで、電荷密度(電圧)の周期的な分布を打ち消して、均一性の高い電荷密度(電圧)とすることが出来、より均一性の高いプラズマを得ることが可能となる。
本発明の太陽電池の製造方法については、放電電極3−2を用いているほかは、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。本実施の形態についても、第1の実施の形態と同様に、プラズマCVD法で製造する種々の薄膜、種々の太陽電池について適用することが可能である。
以上のように、本発明により、放電電極の縦電極の幅に変化を持たせることで、各縦電極上の電荷密度を制御することが出来る。それにより、放電電極上の電圧分布を制御することが出来、放電電極と対向電極との間に形成される高周波プラズマの密度を均一にすることができる。すなわち、幅の異なる縦電極を用いるという容易な方法で、不均一の発生している部分の高周波プラズマの密度を改善し、高周波プラズマの密度を全体的に均一にすることができる。そして、膜厚分布や膜質分布の発生を抑制しながら高速製膜により生産性を向上することが可能となる。
(第3の実施の形態)
本発明の薄膜製造装置の第3の実施の形態の構成について説明する。図1及び図2の薄膜製造装置の構成、図3の高周波電力の供給に関する構成、図4の縦電極の構成、プラズマの密度の分布(膜厚分布)の発生を抑制するための本発明の考え方については、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
本実施の形態では、上記考え方を本発明の梯子型の放電電極3に適用し、電極の面積Sを変更して電荷密度nを変更することで、電圧Vを調整している。すなわち、電極の面積Sは、二本の横電極20及び複数の縦電極21の対向電極2に面した面の面積に対応すると考えられる。そして、電荷密度nを局所的に変更すること、すなわち、電極の面積Sを局所的に変更する(増加又は減少させること)ことは、例えば、縦電極21に導電性の部材を取り付ける(面積Sの増加に対応)ことや、縦電極21から導電性の部材を取り外す(面積Sの減少に対応)ことに対応すると考えられる。
具体的には、プラズマ密度が高い、すなわち、電荷密度nが高いと考えられる領域に対応する放電電極3の縦電極21について、電荷密度nが低くなるように縦電極21に導電性部材を取り付けて面積Sを大きくするようにする。一方、プラズマ密度が低い、すなわち、電荷密度nが低いと考えられる領域に対応する放電電極3の縦電極21について、電荷密度nが高くなるように縦電極21の導電性部材を取り外して面積Sを小さくするようにする。このように、放電電極3の複数の縦電極21の内、プラズマ密度の高低に応じて、その場所に対応する縦電極21の導電性部材の取り付け状態を変えることで、プラズマの密度を均一にすることが出来る。そのような縦電極21の配置を有する放電電極を示しているのが図10である。
図10(a)は、本発明の放電電極の第3の実施の形態における構成の一例を示す平面図である。ここでは、放電電極3a〜3hの各横電極20が隣り合う横電極20と互いに接続されて一体となった放電電極3−3を示している。放電電極3−3は、前述のように、二本の横電極20と、二本の横電極20の間に設けられ、互いに略平行に、横電極20に略垂直な方向へ伸びる複数の縦電極21とを備える。二本の横電極20は、上記3a〜3hに対応して、それぞれ給電点53、54を8個有する。横電極20の長さはL1である。ただし、放電電極3−3は、プラズマの密度を均一化するために、縦電極21の一部に長さの異なる導電板24を結合させた複数種類の縦電極21を用いている。ここでは、例えば、縦電極21は、長さの異なる導電板24を結合した縦電極21d、縦電極21e、縦電極21f及び縦電極21gの四種類を用いている。ただし、縦電極21dは、長さL2であり幅W21であり導電板24を有さない。縦電極21eは、長さL2であり幅W23であり、長さ0.3Lの導電板24を有する。縦電極21fは、長さL2であり幅W23であり、長さ0.5Lの導電板24を有する。縦電極21gは、長さL2であり幅W23であり、長さ0.7Lの導電板24を有する。大小関係は、W31<W32(=W)<W33である。縦電極21の幅、及び、縦電極21の間隔の変化は、周期的(幅:…−W21−W21−W21−W21−W23(長さ0.3L)−W23(長さ0.5L)−W23(長さ0.7L)−W23(長さ0.5L)−W23(長さ0.3L)−…、間隔:…−I21−I21−I21−I22(長さ0.3L)−(I23(長さ0.3L)、I22(長さ0.3L))−(I23(長さ0.6L)、I22(長さ0.15L))−(I23(長さ0.6L)、I22(長さ0.15L))−(I23(長さ0.3L)、I22(長さ0.3L))−I22(長さ0.3L)−…)になっている。ただし、電荷密度の不均一な部分が一部であれば、その部分に対応する縦電極21の幅だけを変更すればよい。
図10(b)は、図10(a)の放電電極の一部を拡大した部分斜視図である。幅W21(=W)の縦電極21の片側に導電板24を取り付けることで、幅をW22(>W21)とすることができる。更に、幅W21の縦電極21の両側に導電板24を取り付けることで、幅W23(>W22>W21)とすることができる。それに伴い、図10(a)に示すように、導電板24が取り付けられていない縦電極21同士の間隔はI21(=I)である。一方の縦電極21に金属板24が取り付けられている場合、縦電極21同士の間隔はI22(<I21)である。両方の縦電極21に導電板24が取り付けられている場合、縦電極21同士の間隔はI23(<I22<I21)である。導電板24の幅E2は、例えば、縦電極21の幅W21の1/2程度(<0.5I)である。すなわち、W22=1.5W21、W23=2W21である。縦電極21の長さE1は、図6の領域Aの大きさに対応して自由に設定することができる。ここでは、例えば、縦電極21は、導電板24を有さない縦電極の長さL2の0.7倍(0.7L)、0.5倍(0.5L)、0.3倍(0.3L)を用いている。すなわち、縦電極21の幅が一定ではなく、縦電極21同士の間隔が一定ではない
導電板24は、その材料としては、導電性を有していれば特に制限はない。例えば、縦電極21と同じ材料(例示:ニッケル合金やアルミ合金)を用いることが出来る。その形状は、図10(b)に示すように、例えば、薄板形状である。ただし、プラズマ形成に悪影響を与えず、縦電極21の幅を実効的に増やすことが出来るのであれば、その形状は問わない。それらは、例えばねじ止め等の方法で、容易に取り付け、取り外しをすることが出来る。また、図10(c)に示すように、縦電極21の一部分を予め取り外し可能に設けていても良い。その場合、導電板24の取り付け取り外しのほかに、その部分の取り付け、取り外しで、縦電極21の幅を変更することが出来、より細かい調整が可能となる。さらに、縦電極21がパイプの場合、局所的につぶして扁平にすることで、その幅を大きくすることも可能である。
図10の放電電極3−3は、図5の放電電極103を用いて図6に示すような薄膜の膜厚分布が発生した場合に対処するための構成の一例を示している。図6の薄膜は、放電電極103の領域Aに対応する位置の膜厚がより厚くなっている、すなわち、より電荷密度(電圧)が高くなっていることを示していると考えられる。この場合、領域Aの部分の電荷密度を低下させることができれば、膜厚分布をより均一にすることができる。図10の放電電極3−3は、領域Aに対応する部分での縦電極21に取り付けられた導電板24の面積が大きいため、その縦電極21の実効的な幅が大きくなっている(W23)。一方、領域A間の領域Bに対応する部分での縦電極21には導電板24が取り付けられていないため、その縦電極21の相対的な幅が小さくなっている(W21)。したがって、縦電極21の電荷密度の分布を、領域Aで低く、領域A間の領域Bで高くすることが出来る。それにより、基板8上に形成される薄膜の膜厚分布を一定にすることが出来る。この場合、横方向に実効的な幅の大小だけでなく、縦方向の実効的な幅の大小も出来ていることから、縦横両方向の膜厚分布が大きい場合に有効に対応できる。
本実施の形態は、縦電極21に導電板24を取り付け、取り外すというように比較的容易に実施することが可能である。特に、局所的な厚膜部分に対応する縦電極21の面積を局所的に変更することが出来るので、電荷密度(電圧)の微調整に特に有効である。例えば、中央のみが厚膜になっている場合、中央の縦電極21の中央付近のみ導電板24を取り付けることで、中央付近の面積のみを変更することが出来る。それにより、中央付近のみのプラズマ状態を変更することが出来、その結果、中央付近のみ膜厚を変更することが可能となる。
本発明の放電電極3−3を含む薄膜製造装置で製膜を行った場合のシミュレーションは、以下のような結果になった。ただし、高周波電力は、周波数60MHzで位相変調なしとする。放電電極3−3は、大きさが約1.5m×1.2mである。縦電極21は直径10mmφの丸棒60本である。ここでは、縦電極21eを用いずに縦電極21dと同じとする。その結果、横方向の膜厚分布が、従来の場合(図5)と比較して5%程度向上した。更に、縦方向の膜厚分布が、従来の場合(図5)と比較して35%程度向上した。したがって、縦方向の膜厚分布が大きい場合にも有効である。
また、高周波電力を放電電極3投入した場合、放電電極3内で定在波を形成し、電荷密度(電圧)の分布が周期的になる場合がある。その結果、図6に示すような膜厚分布を有する薄膜が形成されることが考えられる。そのような場合、図10に示すように縦電極21の実効的な幅を横方向に加えて縦方向にも周期的に変化させて並べることで、電荷密度(電圧)の周期的な分布を打ち消して、均一性の高い電荷密度(電圧)とすることが出来、より均一性の高いプラズマを得ることが可能となる。
本発明の太陽電池の製造方法については、放電電極3−3を用いているほかは、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。本実施の形態についても、第1の実施の形態と同様に、プラズマCVD方で製造する種々の薄膜、種々の太陽電池について適用することが可能である。
以上のように、本発明により、放電電極の縦電極の実効的な幅に変化を持たせることで、各縦電極上の電荷密度を制御することが出来る。それにより、放電電極上の電圧分布を制御することが出来、放電電極と対向電極との間に形成される高周波プラズマの密度を均一にすることができる。すなわち、実効的な幅が部分的に異なる縦電極を用いるという容易な方法で、不均一の発生している部分の高周波プラズマの密度を改善し、高周波プラズマの密度を全体的に均一にすることができる。そして、膜厚分布や膜質分布の発生を抑制しながら高速製膜により生産性を向上することが可能となる。
上記第1の実施の形態〜第3の実施の形態については個別に記載しているが、それぞれに記載された技術は、互いに矛盾の発生しない限り、その内の少なくとも二つを同時に用いることが可能である。すなわち、縦電極間隔の調整、縦電極の幅の調整、及び導電部材による縦電極の実効的な面積の調整の内の少なくとも二つを同時に用いることが可能であり、その場合も上述した効果を得ることが出来る。
また、上記第1の実施の形態〜第3の実施の形態については縦電極について記載しているが、それぞれに記載された技術は、互いに矛盾の発生しない限り、横電極に対しても、個別又はその内の少なくとも二つを同時に用いることが可能である。すなわち、横電極間隔の調整(基板の大きさ以下にならない範囲)、横電極の幅の調整、及び導電部材による横電極の実効的な面積の調整を、個別又はその内の少なくとも二つを同時に用いることが可能であり、その場合も上述した効果を得ることが出来る。
更に、上記第1の実施の形態〜第3の実施の形態に記載された技術は、縦電極及び横電極に対して同時に用いることも可能である。その場合、より詳細にプラズマ密度の分布を制御することができ、膜厚分布や膜質分布を抑制し、膜質を向上させることが可能となる。
図1は、本発明の薄膜製造装置の実施の形態の構成を示す概略図である。 図2は、本発明の薄膜製造装置の実施の形態の構成の一部を示す部分斜視図である。 図3は、本発明の薄膜製造装置の実施の形態における高周波電力の供給に関する構成を示す概略ブロック図である。 図4は、本発明の放電電極の実施の形態における縦電極の構成の一例を示す平面図及び断面図である。 図5は、従来の放電電極の構成の一例を示す平面図である。 図6は、従来の放電電極で基板上に形成された薄膜の膜厚分布の一例を示す概略図である。 図7は、薄膜製造装置におけるプラズマ生成に関わる構成を示す概念図である。 図8は、本発明の放電電極の第1の実施の形態における構成の一例を示す平面図である。 図9は、本発明の放電電極の第2の実施の形態における構成の一例を示す平面図である。 図10は、本発明の放電電極の第3の実施の形態における構成の一例を示す平面図及び部分斜視図である。
符号の説明
1 薄膜製造装置
2 対向電極
3、3a〜3h、3−1〜3−3 放電電極
4 防着板
5 均熱板
6 製膜室
7 支持部
8 基板
10 プラズマ
11 均熱板保持機構
12、12a、12b 高周波給電伝送路
13、13a、13b 整合器
14、14a、14b 高周波給電伝送路
15、15a、15b 媒体供給管
16、16a、16b 原料ガス配管
17 低真空排気部
18 台
19 高真空排気部
20 横電極
21、21a、21b、21c、21d、21e、21f 縦電極
24 金属板
30、30a 電極本体
31 ガス流通路
32 ガス噴出し孔
34、35 ガス拡散路
33 熱媒体流通路
36 ガス分散部
37 孔
53、54 給電点
60 電源部
62 RFアンプ(高周波電源A)
63 RFアンプ(高周波電源B)
64 高周波(RF)発振器
65 高周波(RF)発振器
66 切り替えスイッチ
67 ファンクションジェネレータ

Claims (7)

  1. 放電電極と前記放電電極に対向する対向電極とを備える薄膜製造装置用の前記放電電極であって、
    前記放電電極は、
    互いに略平行に第1方向へ伸びる二本の横電極と、
    前記二本の横電極の間に設けられ、互いに略平行に前記第1方向に略垂直な第2方向へ伸びる複数の縦電極と
    を具備し、
    前記放電電極と前記対向電極との間で高周波電力により供給ガスのプラズマが形成されるとき、前記複数の縦電極及び前記二本の横電極のうちの少なくとも一方は、隣り合う電極同士の間隔が、前記プラズマの密度の分布を均一化するように設定され、
    前記複数の縦電極における前記隣り合う電極同士の間隔は、前記横電極と平行な方向に沿って周期的に変わる放電電極。
  2. 放電電極と前記放電電極に対向する対向電極とを備える薄膜製造装置用の前記放電電極であって、
    前記放電電極は、
    互いに略平行に第1方向へ伸びる二本の横電極と、
    前記二本の横電極の間に設けられ、互いに略平行に前記第1方向に略垂直な第2方向へ伸びる複数の縦電極と
    を具備し、
    前記放電電極と前記対向電極との間で高周波電力により供給ガスのプラズマが形成されるとき、前記複数の縦電極及び前記二本の横電極のうちの少なくとも一方は、電極の幅が、前記プラズマの密度の分布を均一化するように設定され、
    前記複数の縦電極における前記電極の幅は、前記横電極と平行な方向に沿って周期的に変わる放電電極。
  3. 放電電極と前記放電電極に対向する対向電極とを備える薄膜製造装置用の前記放電電極であって、
    前記放電電極は、
    互いに略平行に第1方向へ伸びる二本の横電極と、
    前記二本の横電極の間に設けられ、互いに略平行に前記第1方向に略垂直な第2方向へ伸びる複数の縦電極と
    を具備し、
    前記放電電極と前記対向電極との間で高周波電力により供給ガスのプラズマが形成されるとき、前記複数の縦電極及び前記二本の横電極のうちの少なくとも一方は、電極の幅における長さ方向の分布が、前記プラズマの密度の分布を均一化するように設けられ、
    前記複数の縦電極における前記電極の幅の長さ方向の分布は、前記横電極と平行な方向に沿って周期的に変わる放電電極。
  4. 製膜室と、
    前記製膜室内に設けられ、請求項1乃至のいずれか一項に記載の放電電極と、
    前記製膜室内に設けられ、前記放電電極に対向する対向電極と
    を具備し、
    前記放電電極と前記対向電極との間で高周波電力により供給ガスのプラズマが形成される薄膜製造装置。
  5. 薄膜製造装置を用いた太陽電池の製造方法であって、
    ここで、前記薄膜製造装置は、
    製膜室と、
    前記製膜室内に設けられた放電電極と、
    前記製膜室内に設けられ、前記放電電極に対向する対向電極と
    を具備し、
    前記放電電極は、
    互いに略平行に第1方向へ伸びる二本の横電極と、
    前記二本の横電極の間に設けられ、互いに略平行に前記第1方向に略垂直な第2方向へ伸びる複数の縦電極と
    を備え、
    前記放電電極と前記対向電極との間で高周波電力により供給ガスのプラズマが形成されるとき、前記複数の縦電極及び前記二本の横電極のうちの少なくとも一方は、隣り合う電極同士の間隔が、前記プラズマの密度の分布を均一化するように設定され、前記複数の縦電極における前記隣り合う電極同士の間隔は、前記横電極と平行な方向に沿って周期的に変わり、
    前記太陽電池の製造方法は、
    (a)前記対向電極に基板を保持する工程と、
    (b)前記製膜室内に前記供給ガスを導入する工程と、
    (c)前記供給ガスを導入しながら、前記放電電極と前記対向電極との間に前記高周波電力を印加して、前記供給ガスの前記プラズマを形成し、前記基板上に太陽電池用の薄膜を形成する工程と
    を具備する太陽電池の製造方法。
  6. 薄膜製造装置を用いた太陽電池の製造方法であって、
    ここで、前記薄膜製造装置は、
    製膜室と、
    前記製膜室内に設けられた放電電極と、
    前記製膜室内に設けられ、前記放電電極に対向する対向電極と
    を具備し、
    前記放電電極は、
    互いに略平行に第1方向へ伸びる二本の横電極と、
    前記二本の横電極の間に設けられ、互いに略平行に前記第1方向に略垂直な第2方向へ伸びる複数の縦電極と
    を備え、
    前記放電電極と前記対向電極との間で高周波電力により供給ガスのプラズマが形成されるとき、前記複数の縦電極及び前記二本の横電極のうちの少なくとも一方は、電極の幅が、前記プラズマの密度の分布を均一化するように設定され、前記複数の縦電極における前記電極の幅は、前記横電極と平行な方向に沿って周期的に変わり
    前記太陽電池の製造方法は、
    (a)前記対向電極に基板を保持する工程と、
    (b)前記製膜室内に前記供給ガスを導入する工程と、
    (c)前記供給ガスを導入しながら、前記放電電極と前記対向電極との間に前記高周波電力を印加して、前記供給ガスの前記プラズマを形成し、前記基板上に太陽電池用の薄膜を形成する工程と
    を具備する太陽電池の製造方法。
  7. 薄膜製造装置を用いた太陽電池の製造方法であって、
    ここで、前記薄膜製造装置は、
    製膜室と、
    前記製膜室内に設けられた放電電極と、
    前記製膜室内に設けられ、前記放電電極に対向する対向電極と
    を具備し、
    前記放電電極は、
    互いに略平行に第1方向へ伸びる二本の横電極と、
    前記二本の横電極の間に設けられ、互いに略平行に前記第1方向に略垂直な第2方向へ伸びる複数の縦電極と
    を備え、
    前記放電電極と前記対向電極との間で高周波電力により供給ガスのプラズマが形成されるとき、前記複数の縦電極及び前記二本の横電極のうちの少なくとも一方は、電極の幅における長さ方向の分布が、前記プラズマの密度の分布を均一化するように設けられ、前記複数の縦電極における前記電極の幅の長さ方向の分布は、前記横電極と平行な方向に沿って周期的に変わり
    前記太陽電池の製造方法は、
    (a)前記対向電極に基板を保持する工程と、
    (b)前記製膜室内に前記供給ガスを導入する工程と、
    (c)前記供給ガスを導入しながら、前記放電電極と前記対向電極との間に前記高周波電力を印加して、前記供給ガスの前記プラズマを形成し、前記基板上に太陽電池用の薄膜を形成する工程と
    を具備する太陽電池の製造方法。
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