JP4592117B1 - バイメタル式サーキットブレーカー - Google Patents

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Abstract

【課題】 構成部品点数を減少させると共に、全体を小型化ができ、また組み立て作業も容易に行えるようにする。
【解決手段】
断面略凹形のブレーカー本体2と、ブレーカー本体2の下部に一体に組み込まれた一方の端子3と、一方の端子3上に配置されたサーミスター5と、サーミスター5上に載置された湾曲状のバイメタル6と、ブレーカー本体2の上部開口を閉止するカバー部12の一側縁にその下側へ屈曲してバネ部13が一体に設けられ、カバー部12の他側縁には他方の端子11が一体に形成されてなる複合部材7とを有し、複合部材7におけるバネ部13の先端には一方の端子3に接触する接点部材13aが固定されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電力機器等における電気回路において、過電流が流れた場合に、その発熱によってバイメタルが反転湾曲して電路を遮断するバイメタル式サーキットブレーカーの構造に関する。
図5〜図7に示すように、一般に、小型のバイメタル式サーキットブレーカー51は、断面凹形の合成樹脂製下側ケース部材53Aと下側ケース部材53Aの開口を閉止する断面逆凹形の合成樹脂製上側ケース部材53Bとによってケース53が形成され、下側ケース部材53Aの左側には二段に屈曲された+側端子54が、同右側には同じく二段に屈曲された−側端子55がそれぞれ一体に成形され、また上側ケース部材53Bには補強用の金属プレート52が一体に成形されていた。
更に、下側ケース部材53Aにおける+側端子54の上段部54aには板状バネ部材56の基端部56aがレーザー溶接され、また板状バネ部材56の先端部56bには接点部材57が一体に接合され、接点部材57は板状バネ部材56の変形に伴って−側端子55の上段部55aに当接自在となっていた。
この他、−側端子55の下段部55bにはセラミック製の円板状サーミスター58が固定され、サーミスター58上にはバイメタル59が載置されていた。
特開2003−109580号公報
前項で述べた一般的な小型サーキットブレーカー51では、所定の電流が流れている場合には、図5に示すように、バイメタル59が上向きに湾曲した形状となっており、そのため、バネ部材56の先端の接点部材57が−側端子55の上段部55aに接触しており、その結果、板状バネ部材56を介して+側端子54から−側端子55への通電が継続的に行われる。
一方、図6に示すように、過電流が流れた場合には、その際の温度上昇に伴って、バイメタル59が下向きに反転湾曲して板状バネ部材56が押し上げられる結果、その先端部の接点部材57が−側端子55の上段部55aから離れて通電が停止する。
上記構造の小型サーキットブレーカー51を製造する場合、下側ケース部材53Aと上側ケース部材53Bの端縁同士を超音波溶接(W1)する必要があると共に、板状バネ部材56の基端部を+側端子54の上段部54aにレーザー溶接(W2)する作業が必要となり、これら作業に手間と時間を要するという問題があった。
また、前述した従来の小型サーキットブレーカー51の場合、基本的に下側ケース部材53A、上側ケース部材53B、板状バネ部材56、サーミスター58およびバイメタル59の合計5個の部材から構成され、部品点数が多いことから、それらの組み立て自体に多くの工程が必要となり、そのため製造コストがかかると共に、各部品の管理にも手間を要するという問題もあった。
本発明の目的は、構成部品の数を減らすと共にそれらの組み立て作業の効率化を図ることができるサーキットブレーカーを提供することにある。
請求項1記載の本発明は、断面略凹形のブレーカー本体と、ブレーカー本体の下部に一体に組み込まれた一方の端子と、一方の端子上に配置されたサーミスターと、サーミスター上に載置された湾曲状のバイメタルと、ブレーカー本体の上部開口を閉止するカバー部の一側縁にその下側へ屈曲してバネ部が一体に設けられ、カバー部の他側縁には他方の端子が一体に形成されてなる複合部材とを有しており、複合部材におけるバネ部の先端には一方の端子に接触する接点部材が固定され、前記一方の端子はブレーカー本体の一側方向へ伸び、前記他方の端子はブレーカー本体の他側方向へ伸びており、且つ複合部材のカバー部がブレーカー本体の上縁部分によってかしめられているサーキットブレーカーである。
請求項2記載の本発明は、前記請求項1記載のサーキットブレーカーについて、ブレーカー本体の両側方向へ伸びた左右一対の端子によって表面実装可能となされていることを特徴とするものである。
本発明に係るサーキットブレーカーは、接点を有するバネ部と一体に端子部が形成された複合部材を有するため、従来のように、バネ部材の一端をレーザー溶接によって端子に接合する必要がない。そのため、この種作業に要していた手間と時間が省略される。
また、本発明では、複合部材におけるカバー部によって、ブレーカー本体の開口が閉止される構造であるため、従来のサーキットブレーカーにおける上側ケース部材が省略され、これが前述したバネ部材と端子との一体化と相俟って部品点数を減少させることができ、またその管理も容易となる。
更に、複合部材におけるカバー部をブレーカー本体の上縁でかしめるようにした本発明によれば、従来の上側ケース部材と下側ケース部材との超音波溶接が不要となるため、更なる製造作業の簡略化が可能となる。
また、本発明のサーキットブレーカーは従来品に比べて、その外形を小さくすることができる利点もある。
本発明に係る小型サーキットブレーカーの一例を示す縦断面図である。 同実施形態において、過電流時の回路遮断の状態を示す縦断面図である。 同実施形態に係る小型サーキットブレーカーの斜視図である。 同実施形態に係る小型サーキットブレーカーの分解斜視図である。 前記実施形態の変形例を示す小型サーキットブレーカーの縦断面図である。 前記実施形態の更に他の変形例を示す小型サーキットブレーカーの縦断面図である。 従来の小型サーキットブレーカーの縦断面図である。 同じく従来の小型サーキットブレーカーにおいて、過電流時の回路遮断の状態を示す縦断面図である。 同じく従来の小型サーキットブレーカーの斜視図である。
次に、本発明に係るバイメタル式小型サーキットブレーカーの実施形態を図面にしたがって説明するが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。
本実施形態において、上下左右は図1基準とし、上とは図1の上側方向を指し、下とは同図の下側方向を指すものとする。また、左とは図1の左側方向を指し、右とは同図右側方向を指すものとする。
図1〜図4に示すように、本実施形態に係る小型のサーキットブレーカー1は、−側端子3が一体成形された断面略凹形のブレーカー本体2と、ブレーカー本体2の中央凹部4に収容された円板状のセラミック製サーミスター5と、サーミスター5の上側に載置されたバイメタル6と、バイメタル6の上側に位置し、ブレーカー本体2の開口を閉止する後述の複合部材7とを有している。
図4に示すように、ブレーカー本体2は、合成樹脂製であって、平面から見て略方形となされ、中央には円形透孔2aが形成され、その周囲が第一内底面2bとなされ、更に第一内底面2bの周囲には第一内底面2bよりも一段高い第二内底面2cが形成され、これら底面2b・2cを囲むように起立壁8が形成され、また起立壁8の右側部分には開離部2dが形成され、更に開離部2dを挟む起立壁8端部に上下方向に伸びる柱状部9が形成されている。
そして、−側端子3はブレーカー本体2の下部に一体に成形され、右側寄り部分には前記円形透孔2aの底面となる凹部3aが形成され、該部に前記サーミスター5が収容されている。
バイメタル6は平面から見て略方形であって、通常の正常な通電状態では上向きに湾曲した形状となっている。そして、バイメタル6は、ブレーカー本体2の第一内底面2bに形成された4箇所の凹弧部2eに嵌め入れられている。
複合部材7は、ブレーカー本体2の開口を閉止し得る略方形のカバー部12と、カバー部12から右側方向に伸びる+側端子部11と、カバー部12の左側縁からその下側へ折り返されたバネ部13とを備えている。そして、カバー部12は平面から見て外形が方形であって、外周部12aを残して上側へ膨出した形状となされている。また端子部11は前記カバー部12よりも小さい方形となされ、ブレーカー本体2の右側部分の開離部2dに嵌め入れられている。バネ部13はカバー部12よりの幅の狭い帯状となされ、先端部には銀製の接点部材13aがクラッドされている。そして、当該複合部材7は、要するに、+側端子とブレーカー本体2を閉止するカバーと通電を制御する接点バネの3つの機能を有するのである。
この他、前記複合部材7におけるカバー部12は、ブレーカー本体2周縁の起立壁8内に嵌め込まれ、その周縁部12aは、加熱して押し倒した起立壁8の上部8aと前記柱状部9によってかしめられ、その結果、カバー部12の外周部12aはブレーカー本体2内に固定されている。また、複合部材7のカバー部12における膨出部12bの周縁とこれに隣り合う起立壁8の上部8aおよび柱状部9との間隙Bに接着剤(図示せず)を流入させることによって、当該ブレーカー内の密閉性を得ることができる。
そして、図3に示すように、本実施形態に係るサーキットブレーカー1は、前述した構造によって、ブレーカー本体2の右側から+側端子部11が伸び、ブレーカー本体2の左側から−側端子3が伸びた形態となっている。
次に、本実施形態に係るサーキットブレーカー1の作動要領について説明すると、図1に示すように、通常の正常な通電状態では、バイメタル6が上側に湾曲し、複合部材7におけるバネ部13の接点部材13aが−側端子3に接触して電流が流れる状態が維持される。
一方、図2に示すように、過電流が流れた場合には、その温度上昇によって、それまで上側に湾曲していたバイメタル6が下側へ反転湾曲し、その結果、複合部材7のバネ部13が押し上げられ、これに伴ってバネ部13先端の接点部材13aが−側端子3から離れて通電が停止される。
図5に示すサーキットブレーカー21は、前述したサーキットブレーカー1の変形例であって、表面実装可能な構造としたものである。具体的には、先ず−側端子23が、前記実施形態の−側端子3と比べて、左側部分が平板状となされ、且つブレーカー本体22の左側部から僅かに突出した形態となされている。また、複合部材27における+側端子部31は、前記実施形態の複合部材7における+側端子部11と比べて、下側に伸び、且つブレーカー本体22の右側部から僅かに突出した形態となされている。また更に、このように、−側端子23と+側端子部31の各形状を一部変更することに伴って、ブレーカー本体22および柱状部29も若干変更された構造となされている。その他の部分については、前記実施形態と同様であり、図5において、同じ符号を付すことによって、説明を省略する。
図6に示すサーキットブレーカー31も、前述したサーキットブレーカー1の変形例であって、図5のものと同様、表面実装可能な構造としたものである。具体的には、先ず−側端子33が、前記実施形態の−側端子3と比べて、左側部分が平板状であって、その先端部33aが上方に屈曲した形状となされ、且つブレーカー本体32の左側部から突出しない形態となされている。また、複合部材37における+側端子部41は、前記実施形態の複合部材7における+側端子部11と比べて、下側に伸び、且つブレーカー本体32の右側部で断面略鉤形に屈曲された形態となされている。また更に、このように、−側端子33と+側端子部41の各形状を一部変更することに伴って、ブレーカー本体32も若干変更された構造となされている。その他の部分については、前記実施形態と同様であり、図6において、同じ符号を付すことによって、説明を省略する。
本発明に係るサーキットブレーカーは、より小型でしかも簡単な組立て作業で製造することができるため、幅広い利用が期待できる。
1 小型サーキットブレーカー
2 ブレーカー本体
3 −側端子
5 サーミスター
6 バイメタル
7 複合部材
8 起立壁
11 端子部
12 カバー部
13 バネ部
13a 接点部材

Claims (2)

  1. 断面略凹形のブレーカー本体と、ブレーカー本体の下部に一体に組み込まれた一方の端子と、一方の端子上に配置されたサーミスターと、サーミスター上に載置された湾曲状のバイメタルと、ブレーカー本体の上部開口を閉止するカバー部の一側縁にその下側へ屈曲してバネ部が一体に設けられ、カバー部の他側縁には他方の端子が一体に形成されてなる複合部材とを有しており、複合部材におけるバネ部の先端には一方の端子に接触する接点部材が固定され、前記一方の端子はブレーカー本体の一側方向へ伸び、前記他方の端子はブレーカー本体の他側方向へ伸びており、且つ複合部材のカバー部がブレーカー本体の上縁部分によってかしめられている、サーキットブレーカー。
  2. ブレーカー本体の両側方向へ伸びた左右一対の端子によって表面実装可能となされている、請求項1記載のサーキットブレーカー。
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