JP4591147B2 - 樹脂微粒子分散液及びその製造方法、静電荷像現像用トナー及びその製造方法 - Google Patents

樹脂微粒子分散液及びその製造方法、静電荷像現像用トナー及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真法又は静電記録法等により形成される静電潜像を現像剤により現像する際に用いられる静電荷像現像用トナー及びその製造方法、並びに、その原材料として用いられる樹脂微粒子分散液に関する。
現在、デジタル化技術の急速な普及により、一般家庭、オフィス、パブリッシング領域のユーザーにおけるプリント、コピーなどのアウトプットにおける高画質化要求が高まっており、その高画質化要求に答えるため、特に電子写真に用いるトナーにおいては、その粒子径を小粒子径化し解像度の向上が試みられており、現在では5μmの領域まで小粒子径化が図られている。この場合、トナーの小粒子径化において従来トナーの製造に使用されてきた混練粉砕法では、製造エネルギー、コストの観点で対応が難しく、現在は水系媒体中での懸濁重合法や、溶解懸濁法、乳化重合凝集法などいわゆる化学製法により樹脂微粒子分散液を製造し、それを造粒してトナーを製造する技術に移行しつつある。
このような静電荷像現像用トナーの製造に用いる樹脂微粒子分散液は、水系媒体中で樹脂粒子を安定的に分散分布する必要がある。なぜなら、樹脂微粒子分散液中での粒子の沈降、浮遊、また粒子形の経時的な変化は、後のトナー製造工程に影響を与え、その結果トナーの品質劣化、またそれに起因する画質等へ悪影響を与えることになるからである。
一方、静電荷像現像用トナーにおいて、高画質な画像を得るためにトナー粒子の粒子径及びその粒子径分布の制御をすることは広く実施されている技術である。特に粒子径分布が広くなりやすい混練粉砕法や懸濁重合法により製造したトナーは、分級によって所望の粒径のトナー粒子を得る工程を経るのが一般的である。
上述したように、現在汎用されている水系媒体中での樹脂の重合方法としては、懸濁重合法や、溶解懸濁法、乳化重合凝集法が挙げられる。乳化重合の中で、特に、臨界ミセル濃度(CMC)未満の界面活性剤量及び共界面活性剤の併用による単量体エマルジョンの重合開始剤の存在下での該単量体の重合は、ミニエマルジョン重合として知られている。これは、臨界ミセル濃度(CMC)以上の界面活性剤量の存在下での、数μ程度の粒径の単量体粒子の水性エマルジョンを水溶性重合開始剤を用いて重合させる従来の乳化重合が、界面活性剤ミセル内で重合を開始し、単量体粒子からの単量体の拡散による供給を受けて重合体粒子が成長し形成されるのに対して、ミニエマルジョン重合では、単量体微粒子内で単量体が重合することから、物質の移動(拡散等)を伴わないという点で、形状、特性において均一な重合体微粒子を形成することができるという利点がある。つまり、ミニエマルジョン重合法では、単量体分散液の液滴の大きさを調節することによってポリマー粒子の直径を調節することができる。
このミニエマルジョン重合においては、疎水性添加剤を重合すべき単量体中に混入した場合、オストワルト熟成を減少させることは公知である。オストワルド熟成とは、多分散系においてより小さい粒子が徐々に溶解してゆき、且つそれがさらに大きい粒子へと成長する過程であると理解される。この疎水性添加剤は、共界面活性剤、安定化助剤、ハイドロフォーブとも称され、(Chorng−Shyan Chern,Chi−Han Lin;J.Appl.Polym.Sci.,第92巻,1961頁(2004)、Katharina Landfester,Nina Bechthold,Franca Tiarks,Markus Antonietti;Macromol.Symp.,第150巻,171頁(2000など)ミニエマルジョン重合を実施するうえで非常に重要な構成要素のひとつとなっており、数多くの物質が検討されてきている。更に、このミニエマルジョン重合を用いたトナー、及びその製造方法に関しては、既にいくつかの開示がなされている。
特開2001−290308公報には、単量体と着色剤をミニエマルジョン重合して得た着色剤含有重合体微粒子を凝集させる静電荷像現像用トナーの製造方法が開示されているが、その重合の際に使用する共界面活性剤は公知のものを使用できるとし、同系における適切な共界面活性剤の限定にはいたっていない。
また、特開2002−49180公報においては、ミニエマルジョン重合を用いて製造した樹脂微粒子を最外層以外に含む、多段重合による樹脂微粒子を塩析/融着したトナーが開示されているが、同発明のミニエマルジョン重合においては、共界面活性剤の使用が言及されていない。
さらに特開2004−514181公報においても、安定化剤と称される共界面活性剤としては、n−アルカン類、ハロゲン化n−アルカン類、脂肪族アルコール類及び脂肪族アルコール類のエステルから選択されるとされ、特開10−60013号公報では、詳細中に補助安定剤と称される共界面活性剤の水中への溶解度は規定されており、さらに物質例示としてフリーラジカル重合したポリマー等が記されているものの、いずれもそれ以外の詳細なポリエステル共界面活性剤に関する説明がない。
また、N. Bechthold,F.Tiarks,M.willert,K.Landfester,M.Antonietti;Macromol.Symp.,第151巻,549頁(2000)においては、アジピン酸と1,6−ヘキサンジオールで合成したポリエステル(Mw=1.33X104g.mol-1)を共界面活性剤としてスチレンのミニエマルジョンラジカル重合に使用した結果が記されている。しかし、同論文、及びその他の研究論文においても、共界面活性剤に使用するポリエステルの物性と、ミニエマルジョン重合工程、ミニエマルジョン重合により製造する分散液の性状、さらには同分散液を使用して製造するトナーの物性について、その重合方法を問わずに、研究した例はない。
このように、ミニエマルジョン重合において必要不可欠な共界面活性剤に関しては、多数の物質が検討され、共界面活性剤として使用できることが報告されてきたものの、共界面活性剤に必要とされる分子量や熱特性等の物性の解明にはいたっておらず、更にミニエマルジョン重合によりトナーを製造する場合に適切な今日界面活性剤の選択に関する議論はまったくされていなかった。
Chorng−Shyan Chern,Chi−Han Lin;J.Appl.Polym.Sci.,第92巻,1961頁(2004) Katharina Landfester,Nina Bechthold,Franca Tiarks,Markus Antonietti;Macromol.Symp.,第150巻,171頁(2000など) 特開2001−290308公報 特開2002−49180公報 特開2004−514181公報 特開10−60013号公報 N.Bechthold,F.Tiarks,M.willert,K.Landfester,M.Antonietti;Macromol.Symp.,第151巻,549頁(2000)
従って、本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、水中重縮合によって得られるポリエステルの樹脂微粒子が高い分子量で且つシャープな粒度分布を持ち、しかも、乳化・分散状態が安定した樹脂微粒子分散液及びその製造方法を提供することをである。また、本発明の他の目的は、この樹脂微粒子分散液を利用し、トナー特性を十分満足したトナー静電荷像現像用トナー及びその製造方法を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
本発明の樹脂微粒子は、水系媒体中で少なくとも重縮合性単量体を重縮合して得られたポリエステル樹脂微粒子、及び共界面活性剤が分散された静電荷像現像用トナー用の樹脂微粒子分散液であり、前記共界面活性剤として、下記共界面活性剤(1)〜(4)の少なくとも1種を含有することを特徴としている。
・共界面活性剤(1):炭素数3〜14の多価カルボン酸又はそれらのアルキルエステルと炭素数3〜15の多価アルコール又はそれらのエステル化合物との重縮合物であって、且つ重量平均分子量MWが2000〜100000である共界面活性剤。
・共界面活性剤(2):下記構造(2)からなる共界面活性剤。
(構造(2)中、R1は、水素原子、又はメチル基を示す。R2は炭素数5〜24の直鎖又は分岐アルキル基を示す。)
・共界面活性剤(3):下記構造(3)を有し、且つ重量平均分子量Mwが500〜100000である共界面活性剤。
(構造(3)中、R1は、水素原子、又はメチル基を示す。R2は炭素数5〜24の直鎖又は分岐アルキル基を示す。)
・共界面活性剤(4):下記構造(4)を有し、且つ重量平均分子量Mwが500〜1000000である共界面活性剤。

(構造(4)中、R1は、水素原子、又はメチル基を示す。)
本発明の樹脂微粒子分散液において、前記共界面活性剤は、水系媒体中の単量体総量に対し0.1〜40重量%含有することが好適である。
本発明の樹脂微粒子分散液において、前記樹脂微粒子のメジアン径は、0.05〜2μm以下であることが好適である。
本発明の樹脂微粒子分散液において、前記樹脂微粒子は、ガラス転移温度が40℃以上100℃未満である非晶性樹脂を含むことが好適である。
本発明の樹脂微粒子分散液において、前記樹脂微粒子は、融点が50℃以上150℃以下の範囲である結晶性樹脂を含むことが好適である。
本発明の樹脂微粒子分散液は、静電荷像現像用トナー用であることが好適である。
また、本発明の樹脂微粒子の製造方法は、水系媒体中で少なくとも重縮合性単量体を重縮合して得られたポリエステル樹脂微粒子、及び共界面活性剤が分散された樹脂微粒子分散液であり、前記共界面活性剤として、前記共界面活性剤(1)〜(4)の少なくとも1種を含有する静電荷像現像用トナー用の樹脂微粒子分散液を製造するための方法であって、
前記重縮合性単量体及び前記共界面活性剤を水系媒体中で乳化又は分散する工程と、前記重縮合性単量体を水系媒体中で重縮合する重縮合工程と、とを含む、ことを特徴としている。
また、本発明の静電荷像現像用トナーは、樹脂微粒子分散液を用い、当該分散液中の樹脂微粒子を凝集させた後、加熱溶融することで得られる、ことを特徴としている。
また、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、上記本発明の樹脂微粒子分散液を用い、当該分散液中の樹脂微粒子を凝集させた後、加熱溶融する、ことを特徴としている。
本発明によれば、水中重縮合によって得られるポリエステルの樹脂微粒子が高い分子量で且つシャープな粒度分布を持ち、しかも、乳化・分散状態が安定した樹脂微粒子分散液及びその製造方法を提供することができる。また、本発明の他の目的は、この樹脂微粒子分散液を利用し、トナー特性を十分満足したトナー静電荷像現像用トナー及びその製造方法を提供することができる。
(樹脂微粒子分散液)
本発明の樹脂微粒子分散液は、ポリエステル樹脂微粒子及び共界面活性剤が分散された樹脂微粒子分散液であり、前記共界面活性剤として、後述する特定の下記共界面活性剤(1)〜(4)の少なくとも1種を含有していいる。そして、樹脂微粒子は、水中媒体中に重縮合性単量体及び共界面活性剤を乳化又は分散し、水系媒体中で少なくとも重縮合性単量体を重縮合して得られている。
通常、ポリエステルのような重縮合系樹脂は重合時に脱水を伴うために原理的に水中では進行しない。しかしながら水系媒体中にミセル(油相)を形成せしめるような界面活性剤とともに重縮合性単量体を水系媒体中に乳化或いは分散せしめた場合、単量体がミセル中のミクロな疎水場に置かれることによって、脱水作用が生じ、生成した水はミセル外の水系媒体中に排出せしめ重合を進行させることができる。このようにして、低エネルギで、水系媒体中に重縮合樹脂微粒子が乳化分散した分散液が得られる。
このような水中媒体中における重縮合性単量体の重縮合では、ミセル界面にて重縮合反応が進行し、重縮合後はミセル内部へと移行する界面更新が起こる。しかし、共界面活性剤がミセル界面付近に局在したり分散液の粘度が高すぎると重縮合反応の進行を阻害する。その結果、樹脂微粒子の高分子量化、粒度のシャープ化も阻害され、樹脂微粒子分散液の安定性を低下してしまう。しかし、後述する共界面活性剤(1)〜(4)は、適度な分子鎖と共に適度な分子量を持ち、分散液を高粘度化させず、ミセル界面付近に局在しない。このため、この共界面活性剤(1)〜(4)を用いた本発明の樹脂微粒子分散液は、高い分子量で且つシャープな粒度分布を持ち、しかも、乳化・分散状態を安定させることができる。
以下、本発明の樹脂微粒分散について、その製造方法と共に説明する。本発明の樹脂微粒子分散液は、目的とする樹脂微粒子原料として重縮合性単量体及び共界面活性剤を水系媒体中に例えば機械的シェアや超音波などにより乳化又は分散させる。この際、必要に応じて触媒などの添加剤も水溶性媒体に添加する。この溶液に対して例えば加熱などを施すことで、重縮合を進行させることで、得ることができる。
また、重縮合性単量体の他、他の単量体(例えば、ラジカル重合性単量体、重付加性単量体、開環重合性単量体)も添加し、他の重合(例えば、ラジカル重合、重付加、開環重合など)を進行させることで、複合樹脂微粒子としてもよい。
まず、重縮合性単量体及びその重縮合について説明する。重縮合性単量体としては、脂肪族、脂環族、芳香族の多価カルボン酸、それらのアルキルエステルと多価アルコール、それらのエステル化合物などを用いたものが挙げられ、それらを直接エステル化反応、エステル交換反応などにより重合を行うことができる。この場合、重合されるポリエステル樹脂としては、無定形(非晶性)ポリエステル、半結晶性樹脂、結晶性樹脂などのいずれの形態、又はそれらの混合形態をとることが可能であるが、特にトナーに用いるための樹脂においては、低温定着が可能であるという点から、融点が40℃以上150℃以下の範囲で融点を有する結晶性ポリエステルを少なくとも含むことが好ましい。
そのポリエステルを重合するための上記単量体成分の例としては、2価カルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸、などが挙げられ、さらに、これらの無水物やこれらの低級アルキルエステルも挙げられるがこの限りではない。
3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物、2−スルホテレフタル酸ナトリウム塩、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、スルホコハク酸ナトリウム塩やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前述の脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、2重結合を持つジカルボン酸成分を含有することもできる。2重結合を持つジカルボン酸は、2重結合を介して、ラジカル的に架橋結合させ得る点で定着時のホットオフセットを防ぐ為に好適に用いることができる。
このようなジカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマル酸、3−ヘキセンジオイック酸、3−オクテンジオイック酸等が上げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級エステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でもコストの点で、フマル酸、マレイン酸等が好適なものとして挙げられ。多価アルコールの例としては、具体的には例えば、ジオールとして、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、及びこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ここで、結晶性ポリエステルを得るために使用されるジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4,ブテンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタングリコール、1,6−ヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールZ、水素添加ビスフェノールA等も挙げることができる。
一方、結晶性ポリエステルを得るために使用されるジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコ酸、イタコン酸、グルタコ酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、これらの酸無水物あるいは酸塩化物を挙げることができる。
特に好ましい結晶性物質としては、1、9ノナンジオールと1,10デカメチレンカルボン酸、又はシクロヘキサンジオールとアジピン酸とを反応して得られるポリエステル、1,6ヘキサンジオールとセバシン酸とを反応して得られるポリエステル、エチレングリコールとコハク酸とを反応して得られるポリエステル、エチレングリコールとセバシン酸とを反応して得られるポリエステル、1,4−ブタンジオールとコハク酸とを反応して得られるポリエステルを挙げることができる。
これらの中でも特に1、9ノナンジオールと1,10デカメチレンカルボン酸及び1,6ヘキサンジオールとセバシン酸とを反応させて得られるポリエステルがさらに好ましい。
これらポリエステルの重縮合においては、必要により既知の重合触媒を予めポリエステル単量体中に配合することもできる。触媒としては例えば有機スズ化合物、有機チタン化合物、有機ハロゲン化スズ化合物、酵素触媒、希土類金属触媒を0.1〜10000ppm程度の割合で1種類又は複数添加して、200℃以下、好ましくは、150℃以下の温度で、さらに好ましくは100℃以下の温度で重縮合することができる。この場合、希土類元素触媒においては、その構成元素として特にY、Sc、Yb、Smから選ばれた少なくとも1種類の元素を含むことが好ましく、その好ましい触媒形態としてはそれら元素のトリフラート形態、またこれらの界面活性剤型触媒としてのトリスドデシル硫酸型形態などを例示することができる。
さらに酵素触媒を使用することも可能である。酵素触媒の種類としては、リパーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、リパーゼの例としては、シュート゛モナス フルオレッセンス( Pseudomonas fluorescens)由来のもの、シュート゛モナス セハ゜シア(Pseudomonas cepasia)由来のもの、ホ゜ルシンハ゜ンクレアス(Porcine pancreas)由来のもの、キャンテ゛ィタ゛ルコ゛ーサ゛(Candida rugosa) 由来のもの、 アスヘ゜ルキ゛ルス ニカ゛ー(Aspergillus niger) 由来のもの、リ ソ゛ーフ゜ス テ゛レマー(Rhizopus delemer) 由来のもの、リソ゛ーフス シ゛ャホ゜ニクス(Rhizopus japonicus) 由来のもの等を挙げることができる。これら触媒は、単独で使用が可能であるが、必要に応じて、複数の触媒を使用することが可能である。
さらに上記触媒において、より低温度での重縮合を達成するためには、希土類元素触媒、酵素触媒が有効である。特にY、Sc、Yb、Smなど希土類元素をその構成成分とする触媒の使用が望ましい。この場合、注意する点としては触媒が重合中のポリエステルエマルジョン又は粒子と水系媒体中に分配される事を念頭に、より疎水性又は分子量の大きな前記触媒化合物、さらには、界面活性剤型触媒を選択することが好ましい。このときの、触媒の添加量としては、0.1〜10000ppmが適当である。
これら重縮合性単量体を重縮合して得られるポリエステルの分子量としては、数平均分子量Mnが1,000〜20,000、重量平均分子量Mwが2,000〜100,000のものが好ましく、より好ましくは、数平均分子量Mnが1,500〜10,000、重量平均分子量Mwが3,000〜50,000のものである。分子量がこの範囲にある場合には、トナーの耐オフセット性及び樹脂製造における重縮合効率が良好となる。
ここで、重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnの値は種々の方法により求めることができ、測定方法の相異によって若干の差異があるが、本発明においては下記の測定法によって求めたものである。すなわち、ゲル・パーミュエーション・クロマトグラフィ(GPC)によって以下に記す条件で重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnを測定する。温度40℃において、溶媒(テトラヒドロフラン)を毎分1.2mlの流速で流し、濃度0.2g/20mlのテトラヒドロフラン試料溶液を試料重量として3mg注入し測定を行なう。試料の分子量測定にあたっては、当該試料の有する分子量が数種の単分散ポリスチレン標準試料により、作製された検量線の分子量の対数とカウント数が直線となる範囲内に包含される測定条件を選択する。
なお、測定結果の信頼性は、上述の測定条件で行ったNBS706ポリスチレン標準試料が、重量平均分子量Mw=28.8×104、数平均分子量Mn=13.7×104となることにより確認することができる。
また、用いるGPCのカラムとしては、前記条件を満足するものであるならばいかなるカラムを採用してもよい。具体的には、例えばTSK−GEL、GMH(東洋曹達社製)等を用いることができる。溶媒及び測定温度は記載した条件に限定されるものではなく適当な条件に変更してもよい。
この重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnの測定方法は、以下同様である。
また、得られるポリエステルの酸価は1mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であることが好ましい。この第一の理由は、高画質トナーとして実用に供するためには、水系媒体中でのトナーの粒子径、分布の制御が必要不可欠であるが、酸価が1mgKOH/gより小さい場合、造粒工程において、十分な粒子径、及び分布が達成されずその画質上、及びその製造上大きな問題となる。さらにトナーの帯電性においても1mgKOH/gより小さい場合、十分な帯電性を得ることができない。また重縮合されるポリエステルの酸価が50mgKOH/gより大きいと重縮合の際トナーとして画質強度を得るための十分な分子量を得ることが出来ず、またトナーの高湿度下での帯電性の環境依存も大きく画像信頼性を大きく損なう。
次に、ラジカル重合性単量体及びそのラジカル重合について説明する。ラジカル重合性単量体としては、ビニル系単量体、オレフィン系単量体などが好適に挙げられる。
ビニル系単量体としては、具体的には、例えば、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン等のビニル芳香族類、(メタ)アクリル酸(尚、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルを意味するものとし、以下も同様とする。)、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸エステル類、(メタ)アクリルアルデヒド、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド等の不飽和カルボン酸誘導体類、N−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物類、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル化合物類、
N−メチロールアクリルアミド、N−エチロールアクリルアミド、N−プロパノールアクリルアミド、N−メチロールマレインアミド酸、N−メチロールマレインアミド酸エステル、N−メチロールマレイミド、N−エチロールマレイミド等のN−置換不飽和アミド類、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルシクロヘキサン等の多官能ビニル化合物類、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート類等が挙げられる。尚、これらの中で、N−置換不飽和アミド類、共役ジエン類、多官能ビニル化合物類、及び多官能アクリレート類等は、生成された重合体に架橋反応を生起させることもできる。
オレフィン系単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテンなどが挙げられる。ジオレフィン系単量体としては、例えばブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどが挙げられる。
これらのラジカル重合性単量体を重合してなる重合体の中で、トナー用途樹脂としては、定着性、画像形成性の観点から、ガラス転移温度が40℃以上100℃以下であることが好ましい。また、上記ラジカル重合性単量体の中で好適に使用される樹脂としては、ビニル芳香族系、及びカルボン酸エステル類である。
これらのラジカル重合性単量体を重合してなる重合体においては、重量平均分子量は1500〜60000、好ましくは3000〜40000の範囲が適当である。重量平均分子量が1500を下回ると、トナー結着樹脂としての凝集力が低下しやすくなり、ホットオフセット性が低下する場合があり、60000を超えると、ホットオフセット性は良いものの最低定着温度が上昇する場合がある。
これらラジカル重合性単量体は、その重合方法として、ラジカル重合開始剤を用いる方法、熱による自己重合法、紫外線照射を用いる重合方等、既知の重合方法を採ることができる。この場合、ラジカル開始剤を用いる方法として、ラジカル重合開始剤は、油溶性、水溶性のものがあるが、どちらの開始剤も使用することができる。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、2,2’−アゾビス−〔2−メチルプロピオンアミド〕−ジハイドロクロライド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、クミルパーピバレート、t−ブチルパーオキシラウレート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(t−ブチルパーオキシカルボニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バリレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル‐2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、ジ−t−ブチルパーオキシα−メチルサクシネート、ジ−t−ブチルパーオキシジメチルグルタレート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼラート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジエチレングリコール−ビス(t−ブチルパーオキシカーボネート)、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、トリス(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、ビニルトリス(t―ブチルパーオキシ)シラン、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジンジハイドロクロライド)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]、4,4’−アゾビス(4−シアノワレリックアシド)等が挙げられる。
次に、重付加性単量体及びその重付加について説明する。重付加性単量体としては、ジイソシアネート類とジイソシアネート反応性多活性水素化合物に代表される単量体を用いることができる。
ジイソシアネートとしては、脂肪族ジイソシアネート類、環状基を有する脂肪族ジイソシアネート類、芳香族ジイソシアネート類、脂環式炭化水素ジイソシアネート類、ビフェニルジイソシアネート類、ジ−あるいはトリフェニルアルカン(アルカンの炭素数5以下)ジイソシアネート類等が例示される。
脂肪族ジイソシアネート類としては、エタンジイソシアネート、プロパンジイソシアネート、ブテンジイソシアネート、ブタンジイソシアネート、チオジエチルジイソシアネート、ペンタンジイソシアネート、βーメチルブタンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネート、ω,ω′−ジプロピルエーテルジイソシアネート、チオジプロピルジイソシアネート、ヘプタンジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタンジイソシアネート、3−メトキシヘキサンジイソシアネート、オクタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルペンタンジイソシアネート、ノナンジイソシアネート、デカンジイソシアネート、3−ブトキシヘキサンジイソシアネート、1,4−ブチレングリコール−ジプロピルエーテル−ω,ω′−ジイソシアネート、ウンデカンジイソシアネート、ドデカンジイソシアネート、チオジヘキシルジイソシアネート等が挙げられる。
環状基を有する脂肪族ジイソシアネートとしては、ω,ω′−1,3−ジメチルベンゼンジイソシアネート、ω,ω′−1,2−ジメチルベンゼンジイソシアネート、ω,ω′−1,2−ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、ω,ω′−1,4−ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、ω,ω′−1,4−ジエチルベンゼンジイソシアネート、ω,ω′−1,4−ジメチルナフタリンジイソシアネート、ω,ω′−1,5−ジメチルナフタリンジイソシアネート、3,5−ジメチルシクロヘキサン−1−メチルイソシアネート−2−プロピルイソシアネート、ω,ω′−n−プロピル−ビフェニルジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ジイソシアネート類としては、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1−メチルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、1−メチルベンゼン−2,5−ジイソシアネート、1−メチルベンゼン−3,5−ジイソシアネート、1,3−ジメチルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、1,3−ジメチルベンゼン−4,6−ジイソシアネート、1,4−ジメチルベンゼン−2,5−ジイソシアネート、1−エチルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、1−イソプロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、ジエチルベンゼンジイソシアネート、ジイソプロピルベンゼンジイソシアネート等が挙げられる。また、ナフタリンジイソシアネート類としてはナフタリン−1,4−ジイソシアネート、ナフタリン−1,5−ジイソシアネート、ナフタリン−2,6−ジイソシアネート、ナフタリン−2,7−ジイソシアネート、1,1′−ジナフチル−2,2′−ジイソシアネート等が挙げられる。
ビフェニルジイソシアネート類としてはビフェニル−2,4′−ジイソシアネート、ビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2−ニトロビフェニル−4,4′−ジイソシアネート等が挙げられる。
ジ−あるいはトリフェニルアルカンジイソシアネート類としては、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルジメチルメタン−4,4′−ジイソシアネート、2,5,2′,5′−テトラメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジメトキシフェニル−3,3′−ジイソシアネート、4,4′−ジエトキシフェニルメタン−3,3′−ジイソシアネート、2,2′−ジメチル−5,5′−ジメトキシジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3,3−ジクロロジフェニルジメチルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ベンゾフェノン−3,3′−ジイソシアネート、α,β−ジフェニルエタン−2,4−ジイソシアネート、3−ニトロトリフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4−ニトロトリフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート等、又はその誘導体が挙げられる。
また、上記の芳香族環含有ジイソシアネートにあって、芳香族環が水添処理された脂環式炭化水素ジイソシアネート類も好ましく例示され、芳香族環含有ジイソシアネートに比して耐光性に優れるトナーを与える。
ここで、重付加反応では、重付加性反応基を有するポリマーを反応に用いてもよい。詳細には、該ポリマーには、イソシアネート基や、水酸基カルボキシル基、アミノ基、メルカプト基等が包含される。好ましい反応基はイソシアネート基である。
多活性水素化合物としては、好ましくはジオール類、又はジアミン類等が例示される。ジオール類としては、上述の、重縮合性単量体に記載した物質を使用することができる。例えばビスフェノール類のアルキレノキサイド付加物が好ましく挙げられ、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物を単独で、もしくは両者を混合して使用できる。さらには、エチレンオキサイド基あるいはプロピレンオキサイド基の繰り返し単位数が異なる化合物を2種以上混合して用いてもよい。
多活性水素化合物として、ポリオキシアルキレンビスフェノールAエーテル類と共に酸性基を有する多活性水素化合物を併用すると、特に、低温定着性、高温での耐オフセット性、定着強度を向上することができる。ポリオキシアルキレンビスフェノールAエーテルと併用される酸性基を有する多活性水素化合物としては、例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール吉草酸、2,4−ジアミノ安息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸、3,6−ジアミノ−2−トルエンスルホン酸、2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸、2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸、4,4′−ジアミノスチルベン−2,2′−ジスルホン酸、3,4−ジアミノブタンスルホン酸、N−(2−アミノエチル)−2−アミノエチルスルホン酸等が例示される。上記の化合物はアルカリ金属塩又はアンモニウム塩であってもよく、好ましくはナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩である。
多活性水素化合物には、ナーとしての性状を損なわない範囲で、他の多活性水素化合物、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ(カプロラクトンポリオール)、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート等を添加してもよい。
ジアミン類としては、ヘキサメチレンジアミン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン等が例示される。
アミン類としては、ジアミン、3価以上のポリアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸、及びこれらのアミノ基をブロックしたものなどが挙げられる。ジアミン類としては、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどに代表される芳香族ジアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなどに代表される脂環式ジアミン、及びエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどに代表される脂肪族ジアミンを挙げることができる。3価以上のポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコールとしては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタンとしては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。また、これらのアミノ基をブロックしたものとしては、前記アミン類と、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミン類のうち好ましいものは、ジアミン類及びジアミン類と少量の3価以上のポリアミンの混合物である。
これら重付加性単量体の重付加反応に際して、触媒は必ずしも必要ではないが、例えばジブチルスズジクロライド、ジメチルスズジクロライド、オクチル酸スズ、トリフェニルアンモニウムジクロライド、トリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルアミノエタノール、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジネオデカノエート、ジブチルスズビス(メルカプト酸エステル)等を添加してもよい。その場合の添加量としては、10〜1000ppmが好ましい。
さらに、必要により伸長停止剤を用いることもできる。伸長停止剤としては、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン等のモノアミン、及びケチミン化合物等のそれらをブロックしたものを挙げることができる。
次に、開環重合性単量体及びその開環重合について説明する。開環重合性単量体としては、ラクトンを好ましく例示することができる。ラクトンとは、環内にエステル基をもつ環状化合物であり、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどが例示される。もっとも好適には、ε−カプロラクトンを使用できる。これらの、開環重合性単量体は、重合工程を経ることで結晶性の高い脂肪族ポリエステル樹脂となる。
これら開環重合単量体の開環重合には、触媒を用いることがよい。例えば、ラクトンの開環重合には、開環重合触媒として、例えば、金属酸化物、有機金属化合物などを用いることができる。開始剤として、グリコールを用いると、末端にヒドロキシル基を有するポリエステルが得られる。例えば、ε−カプロラクトンの開環重合体は、通常、ε−カプロラクトンとエチレングリコール、ジエチレングリコール等のジオールを触媒の存在下で反応させることにより得ることができる。
これら開環重合の触媒としては、有機スズ化合物、有機チタン化合物、有機ハロゲン化スズ化合物等が好ましい。その場合の添加量としては、0.1〜5000ppmが好ましく用いられる。
また、開環重合単量体を開環重合して得られる開環重合体の分子量は、数平均分子量が10,000〜200,000のものである。この開環重合体の融点は、通常、40−150℃、好ましくは50−100℃程度であることが好ましい。
次に、これら単量体の重合についてさらに詳細に説明する。単量体を重合する際には、上記単量体と予め作製しておいたプレポリマーとの重合反応とを含むこともできる。さらには、上記単量体の単独重合体、単量体を2種以上組み合せた共重合体、又はそれらの混合物、グラフト重合体等を含むことができる。
上述した単量体のうち、重縮合性単量体と共に、ラジカル重合性単量体を併用すること好ましい。特にトナーとして好適には、両単量体を混合して重合した樹脂である。
その場合、上記水中での重合工程において、ラジカル重合性単量体を予め重縮合性単量体中に混合し、最終的に重縮合及びラジカル重合を経てそれらポリマーのハイブリッド粒子とすることも可能である。さらに、予め塊状重合法や溶液重合法などにより低分子量の重縮合性重合体を形成させ、ラジカル重合性単量体と混合した後、水系媒体体中に乳化又は分散し、さらに重縮合反応及びラジカル重合を行い最終分子量に到達させる事も可能である。本発明における水系媒体での重縮合においては、重合ポリマーの酸価が最終分子量や又は重合速度に影響を与える。より容易に速い重合速度、高分子量を調整するためには、最終ポリマーの酸価を上記で述べた様に調整すると共に、水への溶解度の低いラジカル重合性のビニルモノマーなどを重縮合中に共存させる手法、さらには 予めポリエステル単量体を乳化分散に支障がない程度の低分子量体(又は中分子量体)を調整し、酸価をより低い状態に調整した上で、水系媒対中で最終的な高分子量体を得る方法、又はこれら両法の併用を用いる事が製造上好ましい。
ここで、単量体を重合させる工程とは、単量体を高分子化する工程を意味し、予め単量体を機械的なせん断力、超音波などを用いて必要により少量の界面活性剤、高分子安定剤などを溶解した水系媒体中に分散した後、加熱重合を行う。この場合の重合方法としては、水系媒体中での粒子の重合方法ならば限定されず、懸濁重合法、溶解懸濁法、ミニエマルジョン法、マイクロエマルジョン法、ミクロエマルジョン法、多段膨潤法やシード重合を含む乳化重合法など通常の水系媒体中での不均一系重合形態を利用することが可能である。これらの重合方法の中で、均一な粒子径を得、粒子径分布が揃い、均質な粒子を得られるという点から、マイクロエマルジョン法、ミニエマルジョン重合法、ミクロエマルジョン法が好ましく用いられる。最も好適にはミニエマルジョン重合法である。
また、重合工程においては、複数の重合を同時、又は逐次実施させることもできる。例えば、重合を行うモノマー成分として、ラジカル重合性の単量体を重縮合モノマーと共に混合し重縮合反応と同時又は別途ラジカル重合を行う事ができる。このとき、単量体成分と共に重縮合触媒をモノマー中に混合しておく事が可能であり、更にラジカル重合を同時又は逐次行う場合は、モノマー混合物又は水系媒体中にラジカル開始剤を、重縮合前又は重縮合中、重縮合を行った後に添加することが可能である。
そして、単量体の重合工程においては、少なくとも1種の共界面活性剤を用いる。本発明においては、この共界面活性剤としては、共界面活性剤(1)〜(4)の少なくとも1種を用いる。以下、各共界面活性剤(1)〜(4)について、それぞれ説明する。なお、以下、炭素数を「C」と略記する場合がある。
まず、共界面活性剤(1)について説明する。共界面活性剤(1)は、炭素数3〜14の多価カルボン酸又はそれらのアルキルエステルと炭素数3〜15の多価アルコール又はそれらのエステル化合物との重縮合物であって、且つ重量平均分子量MWが2000〜100000である共界面活性剤である。
共界面活性剤(1)は、脂肪族カルボン酸と、脂肪族、脂環族、芳香族多価カルボン酸、それらのアルキルエステルと多価アルコール、それらのエステル化合物の単量体の重縮合物として得ることができる。この場合、共界面活性剤であるポリエステル樹脂としては、無定形(非晶性)ポリエステル、半結晶性樹脂、結晶性樹脂などのいずれの形態、又はそれらの混合形態をとることが可能である。
共界面活性剤(1)を重合するための上記単量体成分の例としては、2価のカルボン酸は1分子中にカルボキシル基を2個含有する化合物であり、例えば、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、β−メチルアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、フマール酸、シトラコン酸、ジグリコール酸、シクロヘキサン−3,5−ジエン−1,2−カルボン酸、リンゴ酸、クエン酸、ヘキサヒドロテレフタール酸、マロン酸、ピメリン酸、酒石酸、粘液酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロルフタル酸、クロルフタル酸、ニトロフタル酸、p−カルボキシフェニル酢酸、p−フェニレン二酢酸、m−フェニレンジグリコール酸、p−フェニレンジグリコール酸、o−フェニレンジグリコール酸、ジフェニル酢酸、ジフェニル−p,p'−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、等を挙げることができる。また、2価のカルボン酸以外の多価カルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸等を挙げることができる。
多価アルコールの例としては、具体的には例えば、アルキレングリコールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4,ブテンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1、4−シクロヘキサンジオール、1、4−シクロヘキサンジメタノール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。アルキレンエーテルグリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールを挙げることができる。
脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールZ、水素添加ビスフェノールAなど)が挙げられる。3価以上のアルコールとしては、例えばペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられる。
共界面活性剤(1)の原料として使用される多価アルコール、多価カルボン酸のうち、好ましく用いられる物質は、次の通りである。多価アルコールとしては、好ましくは炭素数が6〜15であり、更に好ましくは炭素数8〜15となる得るもの。多価カルボン酸としては、好ましくは炭素数4〜14であり、更に好ましくは炭素数8〜14となり得るものである。それらの中でも、特に、シクロヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1、9ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ビスフェノール類等の多価アルコール、アゼライン酸(C9)、セバシン酸(C10)、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカメチレンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、 1,12−ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸(C8)、トリメリット酸(C9)、ピロメリット酸(C10)等の多価カルボン酸を用いることが好ましい。
共界面活性剤(1)は、水相中に分散した液滴中に配合され、液滴を安定化させるものであるために、共界面活性剤(1)は疎水性であることが必要とされる。そのため、上記多価カルボン酸、多価アルコールの炭素数が上記範囲を下回ると親水性の性質が強くなり、液滴表面に配向したり、液滴内での分散状態が悪くなり、樹脂微粒子分散液が不安定化するだけでなく、重合が十分に進行しないことがある。一方、炭素数が上記範囲を上回ると、粘性が大きくなったり、融点が高くなるために、液滴中への配合が困難になったり、油相の粘度が上がったりして液滴内での分散状態が悪化したり、反応を抑制してしまうことがある。
また、共界面活性剤(1)を用いた樹脂微粒子分散液分散液を用いて電子写真用トナーを製造する場合、R1、R2を構成する炭素数が上記範囲から外れると、目的とする低温定着性が得られず、さらに、画像が悪化する。
共界面活性剤(1)は、物性が該当すれば市販のポリエステルを購入して使用することでもできるし、公知のポリエステル製造方法で製造することができる。すなわち、ポリエステル樹脂は上記多価アルコールと多価カルボン酸を常法に従って重縮合させることによって製造することができる。例えば、上記多価アルコールと多価カルボン酸、必要に応じて触媒を入れ、温度計、撹拌器、流下式コンデンサを備えた反応容器に配合し、不活性ガス(窒素ガス等)の存在下、150〜250℃で加熱し、副生する低分子化合物を連続的に反応系外に除去し、所定の酸価に達した時点で反応を停止させ、冷却し、目的とする反応物を取得することによって製造することができる。
共界面活性剤(1)としてのポリエステル樹脂の合成に使用する触媒としては、既に記述したポリエステル重縮合触媒を0.1〜10000ppm使用することができる。
共界面活性剤(1)としてのポリエステル樹脂は、上述した重縮合性単量体を水系媒体中で重縮合した重縮合体を用いることもできる。この場合、予め、例えば界面活性剤を含む水相と、共界面活性剤原料となる多価カルボン酸、多価アルコールを公知の共界面活性剤とともに溶融して油相をなし、両相を混合乳化して重縮合を実施するものである。
共界面活性剤(1)その重量平均分子量Mwが2000〜100000の範囲であることが必要とされ、好ましくは、3000から600000、さらに好ましくは3000〜30000である。重量平均分子量が2000以下のオリゴマー領域の共界面活性剤(1)を用いると、共界面活性剤(1)の水との親和性が増し、疎水性が十分でなくなり、液滴のオストワルド熟成抑制効果が低減し、水系媒体中に生成される油相滴の安定性を保持することができない。その結果、分散滴径が時間の経過に伴い変化する結果、樹脂微粒子(ラテックス)の粒子径が大きくなり、その粒子径分布が広くなるばかりか、重合が十分に進まず、目的とする重合が妨げられたり、得られる樹脂分子量が低くなったり、樹脂分子量分布が広くなってしまう。
一方、重量平均分子量が100000を超える共界面活性剤(1)を使用して分散液を作製すると、疎水性はあるが樹脂の融点が高くなり液滴中での均一な分散が困難になったり、重合が不均一に進行するばかりか、その樹脂を用いて製造したトナーの形状が不均一になったり、該トナーを使用して作成する画像の定着性が悪化する。
次に、共界面活性剤(2)及び(3)について説明する。共界面活性剤(2)は下記構造(2)からなる共界面活性剤である。
(構造(2)中、R1は、水素原子、又はメチル基を示す。R2は炭素数5〜24の直鎖又は分岐アルキル基を示す。)
一方、共界面活性剤(3)は、下記構造(3)を有し、且つ重量平均分子量Mwが500〜100000である共界面活性剤である。
(構造(3)中、R1は、水素原子、又はメチル基を示す。R2は炭素数5〜24の直鎖又は分岐アルキル基を示す。)
共界面活性剤(2)としては、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル、等を例示することができるが、これに限定されない。
一方、共界面活性剤(3)は、上記共界面活性剤(2)の重合体及びその重合体を含む組成物であり、具体的には、ポリメタクリル酸ヘプチル、ポリメタクリル酸ヘプチル、ポリメタクリル酸n−ヘキシル、ポリメタクリル酸シクロヘキシル、ポリメタクリル酸エチルヘキシル、ポリメタクリル酸オクチル、ポリメタクリル酸デシル、ポリメタクリル酸ウンデシル、ポリメタクリル酸ドデシル、ポリメタクリル酸トリデシル、ポリメタクリル酸ヘキサデシル、ポリメタクリル酸オクタデシル、ポリアクリル酸ペンチル、ポリアクリル酸ヘキシル、ポリアクリル酸シクロヘキシル、ポリアクリル酸エチルヘキシル、ポリアクリル酸ヘプチル、ポリアクリル酸オクチル、ポリアクリル酸デシル、ポリアクリル酸ウンデシル、ポリアクリル酸ドデシル、ポリアクリル酸オクタデシルの単独重合体、又は、これらを含む共重合体であるが、これに限定はされない。
共界面活性剤(2)として好ましく用いられるのは、構造(2)におけるR2が炭素数8〜20のアルキル基であるものであり、例えばメタクリル酸オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシルである。また、共界面活性剤(2)として特に好ましく用いられるのは、構造(2)におけるR2が炭素数10〜20のアルキル基であるものである。
一方、共界面活性剤(3)として好ましく或いは特に好ましく用いられるのは、上記好ましいものとして挙げられた共界面活性剤(2)の重合体及びその重合体を含む組成物である。ここで、「重合体を含む組成物」とは、例えば、他の単量体との共重合体(例えば、ブロック共重合体)、混合物等を意味する。
共界面活性剤(2)及び(3)は、所謂ミニエマルジョン重合において、オストワルト熟成を減少させるために添加される。共界面活性剤(2)及び(3)が、水相中に分散した液滴中に配合され、液滴を安定化させるものであるためには、共界面活性剤(2)及び(3)剤は疎水性であることが必要とされる。そのため、上記構造(2)及び(3)におけるR1、R2を構成する炭素数が上記範囲を下回ると親水性の性質が強くなり、液滴表面に配向したり、液滴内での分散状態が悪くなり、樹脂微粒子分散液が不安定化するだけでなく、重縮合が十分に進行しないことがある。
一方、上記(2)及び(3)を構成する炭素数が上記範囲を上回ると、粘性が大きくなったり、融点が高くなるために、液滴中への配合が困難になったり、油相の粘度が上がったりして液滴内での分散状態が悪化したり、反応を抑制してしまうことがある。
また、共界面活性剤(2)及び(3)を用いた樹脂微粒子分散液を用いて電子写真用トナーを製造する場合、上記(2)及び(3)を構成する炭素数が上記範囲から外れると、樹脂微粒子分散液が不均一となるがゆえにトナー粒子の内部状態が不均一になったり、粒子化が困難になったり、目的とする低温定着性が得られなかったり、さ画像の悪化、あるいは、融点やガラス転移温度に影響を与えオフセット現象やトナーの流動性の悪化などを誘発する。
また、共界面活性剤(2)及び(3)は、ラジカル重合性単量体を用いた場合、そのラジカル重合性単量体とのラジカル重合により、樹脂微粒子に取り込まれる。それにより、樹脂微粒子中に、樹脂と特性を異にする化合物を含むことがなくなり、良好な画質や定着特性を維持することができる。
また、共界面活性剤(2)及び(3)は、ラジカル重合性や、特定の分子量を持つことで、トナー及び該トナーにより製造される画像の特性に悪影響を与えないだけでなく、汎用される揮発性有機化合物である共界面活性剤のように、トナー製造及び使用時に異臭の発生をも抑制することができる。
共界面活性剤(3)は、その重量平均分子量が500〜100000である必要があり、好ましくは1000〜60000より好ましくは1000〜40000である。
共界面活性剤(3)の重量平均分子量が上記範囲を下回ると、油相中に含まれる単量体と性質上相違がなくなり、オストワルド熟成抑制効果が低減し、水系媒体中に生成される油相滴の安定性を保持することができない。その結果、分散滴径が時間の経過に伴い変化する結果、ラテックス粒子径が大きくなり、その粒子径分布が広くなるばかりか、重合が十分に進まず、得られる樹脂分子量が低くなったり、樹脂分子量分布が広くなってしまう。上記範囲を超えると、樹脂粒子分散液の粘度が高くなることにより、重合が不均一に進行するばかりか、その樹脂を用いて製造したトナーの粒子化が困難になる、形状の制御が困難になる、該トナーを使用して作製する画像の定着性が悪化するなどの悪影響が生じる。
次に、共界面活性剤(4)について説明する。共界面活性剤(4)は、下記構造(4)を有し、且つ重量平均分子量Mwが500〜1000000である共界面活性剤である。

(構造(4)中、R1は、水素原子、又はメチル基を示す。)
共界面界面活性剤(4)としては、オリゴスチレン(スチレンオリゴマー)、ポリスチレン、及びそれらの誘導体を挙げることができる。例えば、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、ジブロモスチレン等のハロゲン化スチレン等を挙げることができる。最も好適に使用される共界面活性剤としては、ポリスチレンである。
共界面界面活性剤(4)は、その重量平均分子量Mwが500〜1000000の範囲であることが必要とされ、好ましくは、1000〜500000であり、より好ましくは1000〜100000である。この重量平均分子量が上記範囲を下回ると、ビニル系単量体としてのスチレンと同様の性質となり、そのオストワルド熟成抑制効果が低減し、水系媒体中に生成される油相滴の安定性を保持することができない。その結果、分散滴径が時間の経過に伴い変化する結果、ラテックス粒子径が大きくなり、その粒子径分布が広くなるばかりか、重合が十分に進まず、得られる樹脂分子量が低くなったり、樹脂分子量分布が広くなってしまう。一方、重量平均分子量が上記範囲を超えると、樹脂粒子分散液の粘度が高くなることにより、重合が不均一に進行するばかりか、その樹脂を用いて製造したトナーの形状が不均一になったり、該トナーを使用して作成する画像の定着性が悪化する。
以上説明した、共界面活性剤(1)〜(4)の中でも、共界面活性剤(2)〜(4)が好ましく、より好ましくは共界面活性剤(2)及び(3)である。また、共界面活性剤(1)〜(4)は、組み合わせて使用することも可能であるし、すでに知られている他の種類の共界面活性剤と併用することができる。その共界面活性剤としては、例えば、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカン等の炭素数8〜30のアルカン類、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の炭素数8〜30のアルキルアルコール類、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の炭素数8〜30のアルキル(メタ)アクリレート類、ラウリルメルカプタン、セチルメルカプタン、ステアリルメルカプタン等の炭素数8〜30のアルキルチオール類、及び、その他ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン等のポリマー又はポリアダクト類、カルボン酸類、ケトン類、アミン類等が挙げられる。
また、共界面活性剤(1)〜(4)と共に水溶性の共界面活性剤を使用する場合は、界面活性剤とともに水中に添加し、その水溶液と単量体溶液を、ピストンホモジナイザー、マイクロ流動化装置(例えば、マイクロフルー、ディックス社製「マイクロフルーダイザー」)、超音波分散機等の剪断混合装置によって均一に混合し、乳化させる。水中に界面活性剤、共界面活性剤水溶液を添加する際、必要に応じて温度を上昇させ、また必要に応じ、単量体溶液との乳化前に該水溶液温度を低下させることもできる。例えば、アルキルアルコールを共界面活性剤として、共界面活性剤(1)と併用する場合、高温で界面活性剤とアルキルアルコールを高温で水中に溶解し、同水溶液を室温まで低下することによりアルキルアルコールをゲル化させ、単量体溶液と乳化する。この方法により乳化性を高めることができる。
ここで、共界面活性剤の総含有量、単量体に対し0.1〜40重量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜30重量%、さらに好ましくは0.1〜20重量%である。共界面活性剤の含有量が少なすぎると、分散液への共界面活性剤配合効果が低減し、分散液中の安定性が保持できず、分散滴径が時間の経過に伴い変化する結果、樹脂微粒子(ラテックス粒子)径が大きくなり、その粒子径分布が広くなるばかりか、重合が十分に進まず、得られる樹脂分子量が低くなったり、樹脂分子量分布が広くなってしまうことがある。また、共界面活性剤の含有量が多すぎると、分散液中の粘度の制御が困難になったり、単量体の重合機構に影響を与え、目的とする単量体の重合が十分に進行しない場合がある。更には、該粒子分散液を使用して製造したトナーにおいて、その定着性や帯電性に悪影響を与えることがある。
以下、本発明の樹脂微粒子についてさらに詳細に説明する。本発明の樹脂微粒子において、重合工程における最終分子量や重合速度が粒子の最終粒子径に依存することから最も好ましい粒子径形態として、樹脂微粒子の粒径は、その体積中心粒子径で10μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは7μm以下、最も好ましい粒子径としては0.2μm〜1μm以下である。この粒子径が10μmより大きいとトナーとして使用するにあたり、その解像度など画質特性上好ましくはない。さらに、粒子径が10μmより大きい場合、重縮合における分子量増加及びその速度が十分でなく製造上、定着後の画質強度の点で問題である。
このような水系媒体中で所定の粒子径の重縮合樹脂微粒子を得るためには、重合方法として懸濁重合法、溶解懸濁法、ミニエマルジョン法、マイクロエマルジョン法、ミクロエマルジョン法、多段膨潤法やシード重合を含む乳化重合法など通常の水系媒体中での不均一系重合形態を利用することがよい。また、この場合、上記に示した様に、重縮合反応、得に最終分子量や重合速度が粒子の最終粒子径に依存することから最も好ましい粒子径形態としての1μmを達成し、しかも効率的な製造を達成することが可能である製造形態としては、ミニエマルジョン法、マイクロエマルジョン法など1μm以下のサブミクロン粒子をその最終形態とする重合方法がより好ましい。
また、樹脂微粒子のメジアン径(中心径)は0.05μm以上2.0μm以下であるが、好ましくは0.1μm以上1.5μm以下、より好ましくは0.1μm以上1.0μm以下である。このメジアン径が上記範囲となることで、水系媒体中媒体における重縮合樹脂微粒子の分散状態が安定する。従って、トナー作製の際には、このメジアン径が小さすぎると、粒子化の際の凝集性が悪化したり、遊離の樹脂微粒子の発生が生じやすく、また系の粘度も上昇しやすくなって粒径の制御が困難になることがある。一方、大きすぎると、粗粉の発生が生じやすくなり粒度分布が悪化するとともにワックスなどの離型剤が遊離しやすくなるために、定着時の剥離性やオフセットの発生温度が低下したりすることがある。
ここで、樹脂微粒子のメジアン径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定することができる。
また、樹脂微粒子は、そのメジアン径だけでなく、超微粉や超粗粉の発生がないことも好適でり、メジアン径が0.03μm以下又は5.0μm以上の重縮合樹脂微粒子の比率が全体の10%以下であることが好ましく、より好ましくは5%以下であることがさらに望ましい。なお、この比率はLA920における測定結果において粒子径と頻度積算の関係をプロットし、0.03μm以下、又は5.0μm以上の頻度積算量から求めることから得ることができる。
また、樹脂微粒子の粒度分布については、微粒子の粒径の算術標準偏差値が0.1〜1.0以下であることが適当である。この算術標準偏差が1.0を超えると、ラテックス粒子の径の分布が広くなりすぎ、ラテックスの分散安定性にも影響を与えることがあり、さらにトナー製造の際に、凝集性が悪化することにより、画像の悪化や定着性の悪化を引き起こす原因となることがある。また、算術標準偏差を0.1未満に制御することは現実的に非常に困難である。算術標準偏差は、好ましくは0.1〜0.8以下が適当である。なお、算術平均標準偏差は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)を用いて算出することができる。
ここで、樹脂微粒子の粒径、粒度分布は、次のようにして定義されるものである。測定法としては分散液となっている状態の試料を固形分で約2gになるように調整し、これにイオン交換水を添加して、約40mlにする。これをセルに適当な濃度になるまで投入し、約2分待って、セル内の濃度がほぼ安定になったところで、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700:堀場製作所製)を用いて測定する。得られたチャンネルごとの体積平均粒径を、粒度の小さいほうから体積累積分布を描き、累積16%となる体積平均粒径をD16と定義し、累積50%となる体積平均粒径をD50と定義する。さらに累積84%となる体積平均粒径をD84と定義する。そして、体積平均粒径は該D50であり、体積平均粒度分布指数GSDは以下の式によって算出する。なお、同様に、測定された粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、粒度の小さいほうから数累積分布を描き、累積50%となる粒径を数平均粒径と定義する。
式:GSD=(D84/D16)0.5
本発明の樹脂微粒子分散液において、樹脂微粒子には、トナーの低温域での定着性を実現するために、重縮合性単量体を重縮合して得られる重縮合体(ポリエステル)のうち、結晶性ポリエステルを含むことが好ましい。
樹脂微粒子には、重縮合性単量体を重縮合して得られる重縮合体(ポリエステル)に加え、トナーとしての適性を有する樹脂としてラジカル重合性単量体をラジカル重合して得られるラジカル重合遺体を含むことも好ましい。ラジカル重合体としては、好ましくはビニル芳香族樹脂類、カルボン酸エステル樹脂類で、特に好ましくはビニル芳香族樹脂類である。本樹脂はトナーの製造性、帯電性、強度等の面で、トナーに適している。
また、樹脂微粒子を水系媒体中で重縮合する際に、予め着色剤やワックスなどの定着助剤、その他帯電助剤など通常トナーに必要な成分を水系媒体中に予め混合し、重縮合と共に樹脂微粒子中に配合させることも可能である。
本発明の樹脂微粒子分散液において、樹脂微粒子に結晶性樹脂を含む場合、その融点Tmは50〜50℃が好ましく、より好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは55〜90℃の範囲が適当である。Tmが50℃を下回ると、高温度域での結着樹脂自体の凝集力が低下するため、定着の際に剥離性の悪化やホットオフセットが生じやすくなり、150℃を超えると十分な溶融が得られず、最低定着温度が上昇することがあるためのである。
ここで、融点の測定には、示差走査熱量計(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時のJIS K−7121に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めることができる。尚、結晶性の樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、本発明においては、最大のピークをもって融点とみなす。
一方、非晶性性樹脂を含む場合、そのガラス転移点Tgは40〜100℃が好ましく、より好ましくは50〜80℃、さらに好ましくは50〜65℃の範囲が適当である。Tgが40℃を下回ると、高温度域での結着樹脂自体の凝集力が低下するため、定着の際にホットオフセットが生じやすくなり、80℃を超えると十分な溶融が得られず、最低定着温度が上昇することがあるためである。
ガラス転移点は、ASTM D3418−82に規定された方法(DSC法)で測定した値をいう。
ここで、樹脂における結晶性の有無については、上記方法により測定された熱吸収曲線が JIS K7121の融解温度の定義に従い、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と融解ピーク(吸熱ピーク)の低温側の曲線に勾配が最大になる点で引いた接線の交点(融解開始温度)と高温側のベースラインを低温側に延長した直線と融解ピーク(吸熱ピーク)の高温側の曲線に勾配が最大になる点で引いた接線の交点(融解終了温度)の温度差が50℃以内であって、その曲線の形態が同じくJIS K7121で示される階段状形状を示さない場合を結晶性を有すると判断した。
本発明の樹脂微粒子分散液において、微粒子エマルジョンをなすには、例えば、共界面活性剤を加えた単量体溶液と、界面活性剤の水溶液とを、ピストンホモジナイザー、マイクロ流動化装置(例えば、マイクロフルー、ディックス社製「マイクロフルーダイザー」)、超音波分散機等の剪断混合装置によって均一に混合し、乳化させる。その際、水に対する単量体の仕込み量は、水との合計量に対して0.1〜50重量%程度とし、界面活性剤の使用量は、形成されるエマルジョンの存在下において臨界ミセル濃度(CMC)未満とすることが好ましく、又、共界面活性剤の使用量は、単量体100重量部に対して、好ましくは0.1〜40重量部、更に好ましくは0.1〜10重量部とする。
なお、臨界ミセル濃度(CMC)未満の界面活性剤量及び共界面活性剤の併用による単量体エマルジョンの重合開始剤の存在下での該単量体の重合は、例えば、P.L.Tang, E.D.Sudol, C.A.Silebi, M.S.El−Aasser ;J.Appl.Polym.Sci.,第43巻,1059頁(1991)等に記載されている、所謂“ミニエマルジョン重合”として知られており、臨界ミセル濃度(CMC)以上の界面活性剤量の存在下での、数μ程度の粒径の単量体粒子の水性エマルジョンを水溶性重合開始剤を用いて重合させる従来の乳化重合が、界面活性剤ミセル内で重合を開始し、単量体粒子からの単量体の拡散による供給を受けて重合体粒子が成長し形成されるのに対して、“ミニエマルジョン重合”では、単量体微粒子内で単量体が重合することから均一な重合体微粒子が形成され、又、更に、本発明のようなポリエステル/ビニル複合重合体の“ミニエマルジョン重合”では、重合過程において単量体の拡散が不要なことから、ポリエステルはそのまま重合体微粒子内に存在し得る利点を有する。
また、例えば、J.S.Guo, M.S.El−Aasser, J.W.Vanderhoff ;J.Polym.Sci.:Polym.Chem.Ed.,第27巻,691頁(1989)等に記載されている、粒子径5〜50nmの微粒子の所謂“マイクロエマルジョン重合”は、本発明における“ミニエマルジョン重合”と同様の分散構造及び重合機構を有するものであるが、“マイクロエマルジョン重合”では、臨界ミセル濃度(CMC)以上の界面活性剤を多量に使用するものであり、得られる重合体微粒子中に多量の界面活性剤が混入するとか、或いは、その除去のために水洗浄、酸洗浄、或いはアルカリ洗浄等の工程に多大な時間を要する等の問題が存在する。
(静電荷像現像用トナー)
以下、本発明の静電荷像現像用トナーについて、その製造方法と共に説明する。本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、少なくとも、樹脂微粒子を分散させた分散液中で、当該樹脂微粒子を凝集して凝集粒子を得る工程(凝集工程)と、当該凝集粒子を加熱して融合させる工程(融合工程)と、を有するものである。そして、この乳化重合凝集法と呼ばれる製造方法において、樹脂微粒子を分散させた分散液として、上記本発明の樹脂微粒子分散液を適用する。
凝集工程では、上記本発明の樹脂微粒子分散液における重縮合樹脂微粒子は、水系媒体中で調製されるため、そのまま樹脂微粒子分散液として利用することができ、この樹脂微粒子分散液を、必要に応じて着色剤粒子分散液及び離型剤粒子分散液と混合し、さらに凝集剤を添加し、これら粒子をヘテロ凝集させることによりトナー径の凝集粒子を形成することができる。また、このように凝集して第一の凝集粒子形成後、さらに上記本発明の樹脂微粒子分散液又は別の樹脂微粒子分散液を添加し第一の粒子表面に第2のシェル層を形成することも可能である。なお、この例示においては、着色剤分散液を別に調整しているが、重縮合樹脂微粒子に予め着色剤が配合されている場合には、着色剤分散液は必要ない。
ここで、凝集剤としては、界面活性剤のほか、無機塩、2価以上の金属塩を好適に用いることができる。特に、金属塩を用いる場合、凝集性制御及びトナー帯電性などの特性において好ましい。また、例えば、樹脂の乳化重合、顔料の分散、樹脂微粒子の分散、離型剤の分散、凝集、凝集粒子の安定化などに界面活性剤を用いることができる。具体的には硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン系界面活性剤、またポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤を併用することも効果的であり、分散手段としては、回転せん断型ホモジナイザーやメデイアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的なものを使用できる。
また、本発明の樹脂微粒子分散液以外も、従来から知られる乳化重合などを用いて作製された付加重合系樹脂微粒子分散液を合わせて用いることができる。
これらの樹脂微粒子分散液を作製するための付加重合系単量体の例としては、スチレン、パラクロルスチレンなどのスチレン類、ビニルナフタレン、塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n―ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸n―オクチル、アクリル酸2―クロルエチル、アクリル酸フェニル、α―クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのメチレン脂肪族カルボン酸エステル類、アクリロニトリル、メタクリルロニトリル、アクリルアミド、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類、例えばN―ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物などの含N極性基を有する単量体やメタクリル酸、アクリル酸、桂皮酸、カルボキシエチルアクリレートなどのビニルカルボン酸類などビニル系モノマーの単独重合体及び共重合体など、さらには各種ワックス類もあわせて使用可能である。
付加重合系単量体の場合は、イオン性界面活性剤などを用いて乳化重合を実施して樹脂微粒子分散液を作製することができ、その他の樹脂の場合は油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば、樹脂をそれらの溶剤に解かし、イオン性の界面活性剤や高分子電解質とともにホモジナイザーなどの分散機により水系媒体中に粒子状に分散し、その後加熱又は減圧して溶剤を蒸散することにより、樹脂微粒子分散液を得ることができる。
そして、凝集工程を経た後、融合工程(融合・合一工程)において、樹脂樹脂微粒子のガラス転移点以上又は融点以上の温度に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、必要に応じて洗浄、乾燥することにより、トナーを得ることができる。
また、融合工程を終了した後、任意の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て所望のトナー粒子を得るが、洗浄工程は帯電性を考慮すると、イオン交換水で十分に置換洗浄することが望ましい。また、固液分離工程には特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が好適である。さらに、乾燥工程も特に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。
以下、トナーの構成成分(その製法に使用される原料)について説明する。
まず、着色剤としては次のようなものを使用することができる。黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト等を挙げることができる。
黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、クロムイエロー、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーメネントイエローNCG 等を挙げることができる。
橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR 、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG 、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGK等を挙げることができる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンB レーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ等を挙げることができる。
青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートなどを挙げることができる。
紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等を挙げることができる。
緑色顔料としては、酸化クロム、クロムグリーン、ピグメントグリーン、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等を挙げることができる。
白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等をあげることができる。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等を挙げることができる。
また、染料としては、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料、例えば、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等があげられる。
また、これらの着色剤は単独もしくは混合して使用される。これらの着色剤は、例えば、回転せん断型ホモジナイザーやボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等を用いて着色剤粒子の分散液を調製することができる。また、これらの着色剤は極性を有する界面活性剤を用いて、ホモジナイザーによって水系に分散することもできる。
着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透過性、トナー中での分散性の観点から選択される。
着色剤は、トナー構成固体分総重量に対して4〜15重量%の範囲で添加することができる。黒色着色剤として磁性体を用いる場合は、他の着色剤とは異なり、12〜240 重量%添加することができる。
着色剤の配合量は、定着時の発色性を確保するための必要量である。また、トナー中の着色剤粒子の中心径(メジアン径)は100〜330nmにすることにより、OHP透明性及び発色性を確保することができる。
なお、着色剤粒子の中心径(メジアン径)は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定した。
また、磁性トナーとして用いる場合は、磁性粉を含有させても良い。具体的には、磁場中で磁化される物質を用いるが、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性の粉末、もしくはフェライト、マグネタイト等の化合物が使用される。水相中でトナーを得るときには、磁性体の水相移行性に注意を払う必要があり、好ましくは予め磁性体の表面を改質し、例えば疎水化処理等を施しておくことが好ましい。
また、内添剤としてフェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、又はこれら金属を含む化合物などの磁性体を使用したり、帯電制御剤として4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロムなどの錯体からなる染料やトリフェニルメタン系顔料など通常使用される種々の帯電制御剤を使用することができるが、凝集や合一時の安定性に影響するイオン強度の制御と廃水汚染減少の点から水に溶解しにくい材料が好適である。
離型剤の具体例としては、例えば、各種エステルワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を示すシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類や、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのような動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物系・石油系ワックス、及びそれらの変性物などを挙げることができる。
これらのワックス類は、室温付近では、トルエンなど溶剤にはほとんど溶解しないか、溶解しても極めて微量である。
これらのワックス類は、水系媒体中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融点以上に加熱するとともに、強い剪断付与能力を有するホモジナイザーや圧力吐出型分散機(ゴーリンホモジナイザー、ゴーリン社製)で粒子状に分散させ、1μm以下の粒子の分散液を作製することができる。
離型剤は、トナー構成固体分総重量に対して5〜25重量%の範囲で添加することが、オイルレス定着システムにおける定着画像の剥離性を確保する上で望ましい。
なお、離形剤粒子分散液の粒子径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定した。また、離型剤を使用するときには、樹脂微粒子、着色剤粒子及び離型剤粒子を凝集した後に、さらに樹脂微粒子分散液を追加して凝集粒子表面に樹脂微粒子を付着することが帯電性、耐久性を確保する観点から望ましい。
以下、本発明の静電荷像現像用トナーの好適な特性について説明する。トナーの累積体積平均粒径D50は3.0〜20.0μmの範囲が好ましく、より好ましくは3.0〜9.0μmの範囲、さらに好ましくは3.0〜5.0μmの範囲が適当である。D50が3.0μmを下回ると、付着力が高くなり、現像性が低下することがある。また、20.0μmを超えると画像の解像性が低下することがある。
また、トナーの体積平均粒度分布指標GSDvは1.40以下であることが好ましく、より好ましくは1.30以下である。GSDvが1.40を超えると解像性が低下し、トナー飛散やカブリ等の画像欠陥の原因となることがある。
ここで、累積体積平均粒径D50や平均粒度分布指標は、例えばコールターカウンターTAII(日科機社製)、マルチサイザーII(日科機社製)等の測定器で測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積D16v、数D16P、累積50%となる粒径を体積D50v、数D50P、累積84%となる粒径を体積D84v、数D84Pと定義する。これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16V1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84P/D16P1/2として算出される。
トナーの形状係数SF1は、画像形成性の点より100〜140、好ましくは110〜135の範囲が適当である。形状係数SF1は次のようにして求められる。まず、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個以上のトナーについて周囲長(ML)と投影面積(A)を測定し、(周囲長の2乗/投影面積=ML2/A)をトナーの形状係数SF1とした。
得られたトナーには、流動性付与やクリーニング性向上の目的で通常のトナーと同様に乾燥した後、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウムなどの無機粒子やビニル系樹脂、ポリエステル、シリコーンなどの樹脂微粒子を乾燥状態でせん断をかけながらトナー粒子表面に添加して使用することができる。
また、水系媒体中にてトナー表面に付着せしめる場合、無機粒子の例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど通常トナー表面の外添剤として使うすべてのものをイオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基で分散することにより使用することができる。
以上説明した本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法により得られるトナーは、静電荷像現像剤として使用される。この現像剤は、この静電荷像現像用トナーを含有することの外は特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとることができる。静電荷像現像用トナーを、単独で用いると一成分系の静電荷像現像剤として調製され、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電荷像現像剤として調製される。
また、静電荷像現像剤(静電荷像現像用トナー)は、通常の静電荷像現像方式(電子写真方式)の画像形成方法に使用することができる。本発明の画像形成方法は、具体的には、例えば、静電潜像形成工程、トナー画像形成工程、転写工程、及びクリーニング工程を含む。前記各工程は、それ自体一般的な工程であり、例えば、特開昭56−40868号公報、特開昭49−91231号公報等に記載されている。なお、本発明の画像形成方法は、それ自体公知のコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。前記静電潜像形成工程は、静電潜像担体上に静電潜像を形成する工程である。前記トナー画像形成工程は、現像剤担体上の現像剤層により前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程である。前記現像剤層としては、前記本発明の静電荷像現像用トナーを含有する本発明の静電荷像現像剤を含んでいれば特に制限はない。前記転写工程は、前記トナー画像を転写体上に転写する工程である。前記クリーニング工程は、静電潜像担持体上に残留する静電荷像現像剤を除去する工程である。本発明の画像形成方法においては、さらにリサイクル工程をも含む態様が好ましい。前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程において回収した静電荷像現像用トナーを現像剤層に移す工程である。このリサイクル工程を含む態様の画像形成方法は、トナーリサイクルシステムタイプのコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。また、クリーニング工程を省略し、現像と同時にトナーを回収する態様のリサイクルシステムにも適用することができる。
以下、本発明を実施例で詳しく説明するが、本発明を何ら限定するものではない。
ここで、本実施例での分子量の測定には、ゲル・パーミュエーション・クロマトグラフィ(GPC)によって以下に記す条件で重量平均分子量Mw(及び数平均分子量Mn)を測定した。温度40℃において、溶媒(テトラヒドロフラン)を毎分1.2mlの流速で流し、濃度0.2g/20mlのテトラヒドロフラン試料溶液を試料重量として3mg注入し測定を行う。試料の分子量測定にあたっては、当該試料の有する分子量が数種の単分散ポリスチレン標準試料により、作製された検量線の分子量の対数とカウント数が直線となる範囲内に包含される測定条件を選択する。
なお、測定結果の信頼性は、上述の測定条件で行ったNBS706ポリスチレン標準試料が、重量平均分子量Mw=28.8×104、数平均分子量Mn=13.7×104、となることにより確認することができる。また、GPCのカラムとしては、前記条件を満足するTSK−GEL、GMH(東洋曹達社製)等を用いた。
また、ポリエステルの融点の測定には、示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)を用いた。ポリスチレンのガラス転移点の測定には、示差走査熱量測定法(DSC)に従い、「DSC−20」(セイコー電子工業社製)によって測定した。具体的には、試料約10mgを一定の昇温速度(10℃/min)で加熱し、ベースラインと吸熱ピークの傾線との交点よりガラス転移点を得た。
[実施例A]
<共界面活性剤A1の製造>
以下のようにして、1,9−ノナンジオールとアゼライン酸でポリエステルを製造した。
1,9−ノナンジオール 80重量部、アゼライン酸 94重量部、酸化ジブチルスズ 1.0重量部を混合し、反応器に移し、100rpmで攪拌しながら、窒素雰囲気下で120℃で2時間エステル交換反応を行った。その後、200℃に昇温し、減圧下で10時間保持した。反応物を乾燥後、GPCにて測定した重量平均分子量は20600であった。
<共界面活性剤A1’の製造>
以下のようにして、ビスフェノールA−1EO付加物とテレフタル酸でポリエステルを製造した。
ビスフェノールA−1EO付加物 107.4重量部、テレフタル酸56.4重量部、酸化ジブチルスズ 1.0重量部を混合し、反応器に移し、100rpmで攪拌しながら、窒素雰囲気下で120℃で2時間エステル交換反応を行った。その後、220℃に昇温し、減圧下で15時間保持した。反応物を乾燥後、GPCにて測定した重量平均分子量は13500であった。
<共界面活性剤A2の製造>
以下のようにして、しゅう酸とエチレングリコールでポリエステルを製造した。
しゅう酸 90重量部、エチレングリコール 68重量部、酸化ジブチルスズ 1.0重量部を混合し、反応器に移し、100rpmで攪拌しながら、窒素雰囲気下で120℃で2時間エステル交換反応を行った。その後、200℃に昇温し、減圧下で10時間保持した。反応物を乾燥後、GPCにて測定した重量平均分子量は26000であった。
<共界面活性剤A3の製造>
以下のようにして、1,9−ノナンジオールとアゼライン酸でポリエステルを製造した。
1,9−ノナンジオール 100重量部、アゼライン酸 94重量部、酸化ジブチルスズ 1.0重量部を混合し、反応器に移し、100rpmで攪拌しながら、窒素雰囲気下で120℃で2時間エステル交換反応を行った。反応物を乾燥後、GPCにて測定した重量平均分子量は1800であった。
<共界面活性剤A4の製造>
以下のようにして、1,9−ノナンジオールとアゼライン酸でポリエステルを製造した。
1,9−ノナンジオール 80重量部、アゼライン酸 94重量部、酸化ジブチルスズ 1.0重量部を混合し、反応器に移し、100rpmで攪拌しながら、窒素雰囲気下で120℃で2時間エステル交換反応を行った。その後、220℃に昇温し、減圧下で15時間保持した。反応物を乾燥後、GPCにて測定した重量平均分子量は108000であった。
(実施例A1)
<油相の作製>
1,9−ノナンジオール 10.0g
ドデカンジオニック酸 14.0g
スチレン 25g
共界面活性剤A1 2.5g
ドデカンチオール 0.75g
上記モノマー及びポリマーを130℃で加熱溶解させ均一な油相を作製した。
<水相の作製>
ドデシルベンゼンスルホン酸 1.66g
水 200g
上記原料を混合して均一な水相を作製した。
<樹脂微粒子分散液A1の作製>
上記水溶液を調整し75℃恒温槽中で1時間攪拌した。上記水相を1リットルの容器に入れ、ウルトラタラックス(IKA社製)、8000rpmで3分攪拌した後、ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用い、吐出速度60(吐出圧力504kgf/cm2)で5パス分散し乳化物を得た。攪拌機を備えた1リットルのリアクターに上記乳化物を投入し窒素雰囲気下、70℃で24時間重縮合を実施した。この反応物を少量取り出し、下記種々の分析を実施したところ、この時点の重合体はほぼポリエステルであることが分った。作製したポリエステルの物性は以下である。
・GPCによる重量平均分子量 4400
・樹脂の示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)にて樹脂の熱特性を調べた所、78℃に融点示す結晶性ポリエステルである事が分った。
上記で得られた樹脂微粒子分散液に0.8gの過硫酸カリウムを10gのイオン交換水に溶解した物を添加し窒素雰囲気下でさらに6時間重合を行った所、メジアン径0.4μmの安定な樹脂微粒子分散液を得た。同様に少量とりポリエステル/スチレン複合重合体の物性を測定した。
・GPCによるスチレンの重量平均分子量 47000
・GPCによるポリエステルの重量平均分子量 4800
・プロトンNMRでのスチレンポリマーの重合収率 99%
・ポリエステルの融点 78℃
・ポリスチレンのガラス転移点 68℃
上記の様に得られた重合物はスチレンとポリエステルの複合粒子である事が確認された。
(実施例A1’)
<油相の作製>
1,12−ドデカンジオール 6.8g
1,13−トリデカンジ酸 8.2g
スチレン 35.0g
ドデカンチオール 1.0g
共界面活性剤A1’ 5.0g
上記モノマーを130℃で加熱溶解させ均一な油相を作製した。
<水相の作製>
ドデシルベンゼンスルホン酸 1.66g
過硫酸アンモニウム 0.8g
水 200g
上記原料を混合して均一な水相を作製した。
<樹脂微粒子分散液A1’の作製>
上記水溶液を調整し75℃恒温槽中で1時間攪拌した。上記水相を1リットルの容器に入れ、ウルトラタラックス(IKA社製)、8000rpmで3分攪拌した後、ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用い、吐出速度60(吐出圧力504kgf/cm2)で5パス分散し乳化物を得た。攪拌機を備えた1リットルのリアクターに上記乳化物を投入し窒素雰囲気下、70℃で24時間重縮合を実施した。この反応物を少量取り出し、下記種々の分析を実施したところ、この時点の重合体はほぼポリエステルであることが分った。作製したポリエステルの物性は以下である。
・GPCによる重量平均分子量 2900
・樹脂の示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)にて樹脂の熱特性を調べた所、74℃に融点示す結晶性ポリエステルである事が分った。
上記で得られた樹脂微粒子分散液に0.8gの過硫酸アンモニウムを10gのイオン交換水に溶解した物を添加し窒素雰囲気下でさらに6時間重合を行った所、メジアン径0.5μmの樹脂微粒子分散液を得た。同様に少量とりポリエステル/スチレン複合重合体の物性を測定した。
・GPCによるスチレンの重量平均分子量 56000
・GPCによるポリエステルの重量平均分子量 4900
・プロトンNMRでのスチレンポリマーの重合収率 99%
・ポリエステルの融点 74℃
・ポリスチレンのガラス転移点 67℃
上記の様に得られた重合物はスチレンとポリエステルの複合粒子である事が確認された。
(比較例A1)
<油相の作製>
1,9−ノナンジオール 10.0g
ドデカンジオニック酸 14.0g
スチレン 25g
共界面活性剤A2 2.5g
ドデカンチオール 0.75g
上記モノマーを130℃で加熱溶解させ均一な油相を作製した。
<水相の作製>
ドデシルベンゼンスルホン酸 1.66g
過酸アンモニウム 0.8g
水 200g
上記原料を混合して均一な水相を作製した。
<樹脂微粒子分散液A2の作製>
上記水溶液を調整し75℃恒温槽中で1時間攪拌した。上記水相を1リットルの容器に入れ、ウルトラタラックス(IKA社製)、8000rpmで3分攪拌した後、ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用い、吐出速度60(吐出圧力504kgf/cm2)で5パス分散し乳化物を得た。攪拌機を備えた1リットルのリアクターに上記乳化物を投入し窒素雰囲気下、70℃で24時間重縮合を実施した。この反応物を少量取り出し、下記種々の分析を実施したところ、この時点の重合体はほぼポリエステルであることが分った。作製したポリエステルの物性は以下である。
・GPCによる重量平均分子量 2900
・樹脂の示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)にて樹脂の熱特性を調べた所、74℃に融点示す結晶性ポリエステルである事が分った。
上記で得られた樹脂微粒子分散液に0.8gの過硫酸カリウムを10gのイオン交換水に溶解した物を添加し窒素雰囲気下でさらに6時間重合を行った所、メジアン径0.8μmの樹脂微粒子分散液を得た。同様に少量とりポリエステル/スチレン複合重合体の物性を測定した。
・GPCによるスチレンの重量平均分子量 61000
・GPCによるポリエステルの重量平均分子量 3000
・プロトンNMRでのスチレンポリマーの重合収率 99%
・ポリエステルの融点 74℃
・ポリスチレンのガラス転移点 70℃
上記の様に得られた重合物はスチレンとポリエステルの複合粒子である事が確認された。
(比較例A2)
<油相の作製>
1,9−ノナンジオール 10.0g
ドデカンジオニック酸 14.0g
スチレン 25g
共界面活性剤A3 2.5g
ドデカンチオール 0.75g
上記モノマーを130℃で加熱溶解させ均一な油相を作製した。
<水相の作製>
ドデシルベンゼンスルホン酸 1.66g
過硫酸アンモニウム 0.8g
水 200g
上記原料を混合して均一な水相を作製した。
<樹脂微粒子分散液A3の作製>
上記水溶液を調整し75℃恒温槽中で1時間攪拌した。上記水相を1リットルの容器に入れ、ウルトラタラックス(IKA社製)、8000rpmで3分攪拌した後、ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用い、吐出速度60(吐出圧力504kgf/cm2)で5パス分散し乳化物を得た。攪拌機を備えた1リットルのリアクターに上記乳化物を投入し窒素雰囲気下、70℃で24時間重縮合を実施した。この反応物を少量取り出し、下記種々の分析を実施したところ、この時点の重合体はほぼポリエステルであることが分った。作製したポリエステルの物性は以下である。
・GPCによる重量平均分子量 2700
・樹脂の示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)にて樹脂の熱特性を調べた所、55℃に融点示す結晶性ポリエステルである事が分った。
上記で得られた樹脂微粒子分散液に0.8gの過硫酸カリウムを10gのイオン交換水に溶解した物を添加し窒素雰囲気下でさらに6時間重合を行った所、メジアン径4.6μmの樹脂微粒子分散液を得た。同様に少量とりポリエステル/スチレン複合重合体の物性を測定した。
・GPCによるスチレンの重量平均分子量 29000
・GPCによるポリエステルの重量平均分子量 2800
・プロトンNMRでのスチレンポリマーの重合収率 88%
・ポリエステルの融点 54℃
・ポリスチレンのガラス転移点 59℃
上記の様に得られた重合物はスチレンとポリエステルの複合粒子である事が確認された。
(比較例A3)
<油相の作製>
1,9−ノナンジオール 10.0g
ドデカンジオニック酸 14.0g
スチレン 25g
共界面活性剤A4 2.5g
ドデカンチオール 0.75g
上記モノマーを130℃で加熱溶解させ均一な油相を作製した。
<水相の作製>
ドデシルベンゼンスルホン酸 1.66g
過硫酸アンモニウム 0.8g
水 200g
上記原料を混合して均一な水相を作製した。
<樹脂微粒子分散液A4の作製>
上記水溶液を調整し75℃恒温槽中で1時間攪拌した。上記水相を1リットルの容器に入れ、ウルトラタラックス(IKA社製)、8000rpmで3分攪拌した後、ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用い、吐出速度60(吐出圧力504kgf/cm2)で5パス分散し乳化物を得た。攪拌機を備えた1リットルのリアクターに上記乳化物を投入し窒素雰囲気下、70℃で24時間重縮合を実施した。この反応物を少量取り出し、下記種々の分析を実施したところ、この時点の重合体はほぼポリエステルであることが分った。作製したポリエステルの物性は以下である。
・GPCによる重量平均分子量 3300
・樹脂の示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)にて樹脂の熱特性を調べた所、72℃に融点示す結晶性ポリエステルである事が分った。
上記で得られた樹脂微粒子分散液に0.8gの過硫酸カリウムを10gのイオン交換水に溶解した物を添加し窒素雰囲気下でさらに6時間重合を行った所、メジアン径1.2μmの樹脂微粒子分散液を得た。同様に少量とりポリエステル/スチレン複合重合体の物性を測定した。
・GPCによるスチレンの重量平均分子量 35000
・GPCによるポリエステルの重量平均分子量 3300
・プロトンNMRでのスチレンポリマーの重合収率 96%
・ポリエステルの融点 70℃
・ポリスチレンのガラス転移点 65℃
上記の様に得られた重合物はスチレンとポリエステルの複合粒子である事が確認された。
(実施例A2)
<油相の作製>
1,9−ノナンジオール 5.0g
ドデカンジオニック酸 7.0g
スチレン 13g
共界面活性剤A1 22.0g
ドデカンチオール 0.75g
上記モノマー及びポリマーを150℃で加熱溶解させ均一な油相を作製した。
<水相の作製>
ドデシルベンゼンスルホン酸 1.66g
水 200g
上記原料を混合して均一な水相を作製した。
<樹脂微粒子分散液A5の作製>
上記水溶液を調整し75℃恒温槽中で1時間攪拌した。上記水相を1リットルの容器に入れ、ウルトラタラックス(IKA社製)、8000rpmで3分攪拌した後、ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用い、吐出速度60(吐出圧力504kgf/cm2)で5パス分散し乳化物を得た。攪拌機を備えた1リットルのリアクターに上記乳化物を投入し窒素雰囲気下、70℃で24時間重縮合を実施した。この反応物を少量取り出し、下記種々の分析を実施したところ、この時点の重合体はほぼポリエステルであることが分った。作製したポリエステルの物性は以下である。
・GPCによる重量平均分子量 3400
・樹脂の示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)にて樹脂の熱特性を調べた所、72℃に融点示す結晶性ポリエステルである事が分った。
上記で得られた樹脂微粒子分散液に0.8gの過硫酸アンモニウムを10gのイオン交換水に溶解した物を添加し窒素雰囲気下でさらに6時間重合を行った所、メジアン径3.2μmの樹脂微粒子分散液を得た。同様に少量とりポリエステル/スチレン複合重合体の物性を測定した。
・GPCによるスチレンの重量平均分子量 38000
・GPCによるポリエステルの重量平均分子量 3400
・プロトンNMRでのスチレンポリマーの重合収率 96%
・ポリエステルの融点 74℃
・ポリスチレンのガラス転移点 65℃
上記の様に得られた重合物はスチレンとポリエステルの複合粒子である事が確認された。
(実施例A3)
<油相の作製>
1,9−ノナンジオール 10.0g
ドデカンジオニック酸 14.0g
スチレン 25g
共界面活性剤A1 2.5g
ドデカンチオール 0.75g
上記モノマー及びポリマーを150℃で加熱溶解させ均一な油相を作製した。
<水相の作製>
ドデシルベンゼンスルホン酸 1.66g
水 200g
上記原料を混合して均一な水相を作製した。
<樹脂微粒子分散液A6の作製>
上記水溶液を調整し75℃恒温槽中で1時間攪拌した。上記水相を1リットルの容器に入れ、ウルトラタラックス(IKA社製)、3000rpmで1分攪拌し乳化物を得た。攪拌機を備えた1リットルのリアクターに上記乳化物を投入し窒素雰囲気下、70℃で24時間重縮合を実施した。この反応物を少量取り出し、下記種々の分析を実施したところ、この時点の重合体はほぼポリエステルであることが分った。作製したポリエステルの物性は以下である。
・GPCによる重量平均分子量 3300
・樹脂の示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)にて樹脂の熱特性を調べた所、74℃に融点示す結晶性ポリエステルである事が分った。
上記で得られた樹脂微粒子分散液に0.8gの過過硫酸カリウムを10gのイオン交換水に溶解した物を添加し窒素雰囲気下でさらに6時間重合を行った所、メジアン径3.8μmの樹脂微粒子分散液を得た。同様に少量とりポリエステル/スチレン複合重合体の物性を測定した。
・GPCによるスチレンの重量平均分子量 38000
・GPCによるポリエステルの重量平均分子量 3500
・プロトンNMRでのスチレンポリマーの重合収率 95%
・ポリエステルの融点 74℃
・ポリスチレンのガラス転移点 65℃
上記の様に得られた重合物はスチレンとポリエステルの複合粒子である事が確認された。
(比較例A4)
<油相の作製>
1,9−ノナンジオール 10.0g
ドデカンジオニック酸 14.0g
スチレン 25g
ドデカンチオール 0.75g
上記モノマー及びポリマーを130℃で加熱溶解させ均一な油相を作製した。
<水相の作製>
ドデシルベンゼンスルホン酸 1.66g
水 200g
上記原料を混合して均一な水相を作製した。
<樹脂微粒子分散液A7の作製>
上記水溶液を調整し75℃恒温槽中で1時間攪拌した。上記水相を1リットルの容器に入れ、ウルトラタラックス(IKA社製)、8000rpmで3分攪拌した後、ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用い、吐出速度60(吐出圧力504kgf/cm2)で5パス分散し乳化物を得た。ドロップレットの体積平均径は1.6μmであった。攪拌機を備えた1リットルのリアクターに上記乳化物を投入し窒素雰囲気下、70℃で24時間重縮合を実施した。この反応物を少量取り出し、下記種々の分析を実施したところ、この時点の重合体はほぼポリエステルであることが分った。作製したポリエステルの物性は以下である。
・GPCによる重量平均分子量 2100
・樹脂の示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)にて樹脂の熱特性を調べた所、72℃に融点示す結晶性ポリエステルである事が分った。
上記で得られた樹脂微粒子分散液に0.8gの過硫酸アンモニウムを10gのイオン交換水に溶解した物を添加し窒素雰囲気下でさらに6時間重合を行った所、メジアン径5.1μmの樹脂微粒子分散液を得た。同様に少量とりポリエステル/スチレン複合重合体の物性を測定した。
・GPCによるスチレンの重量平均分子量 27000
・GPCによるポリエステルの重量平均分子量 2300
・プロトンNMRでのスチレンポリマーの重合収率 86%
・ポリエステルの融点 72℃
・ポリスチレンのガラス転移点 59℃
上記の様に得られた重合物はスチレン/ポリエステルの複合粒子である事が確認された。
(実施例A4)
<油相の作製>
1、4ブタンジオール 10.0g
アゼライン酸 14.0g
スチレン 15.0g
共界面活性剤A1 2.5g
ドデカンチオール 0.75g
上記モノマー及びポリマーを150℃で加熱溶解させ均一な油相を作製した。
<水相の作製>
ドデシルベンゼンスルホン酸 1.66g
水 200g
上記原料を混合して均一な水相を作製した。
<樹脂微粒子分散液A9の作製>
上記水溶液を調整し75℃恒温槽中で1時間攪拌した。上記水相を1リットルの容器に入れ、ウルトラタラックス(IKA社製)、8000rpmで3分攪拌した後、ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用い、吐出速度60(吐出圧力504kgf/cm2)で5パス分散し乳化物を得た。ドロップレットの体積平均径は1.6μmであった。攪拌機を備えた1リットルのリアクターに上記乳化物を投入し窒素雰囲気下、70℃で24時間重縮合を実施した。この反応物を少量取り出し、下記種々の分析を実施したところ、この時点の重合体はほぼポリエステルであることが分った。作製したポリエステルの物性は以下である。
・GPCによる重量平均分子量 3600
・樹脂の示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)にて樹脂の熱特性を調べた所、46℃に融点示す結晶性ポリエステルである事が分った。
上記で得られた樹脂微粒子分散液に0.8gの過硫酸アンモニウムを10gのイオン交換水に溶解した物を添加し窒素雰囲気下でさらに6時間重合を行った所、メジアン径0.4μmの樹脂微粒子分散液を得た。同様に少量とりポリエステル/スチレン複合重合体の物性を測定した。
・GPCによるスチレンの重量平均分子量 52000
・GPCによるポリエステルの重量平均分子量 3700
・プロトンNMRでのスチレンポリマーの重合収率 98%
・ポリエステルの融点 46℃
・ポリスチレンのガラス転移点 70℃
上記の様に得られた重合物はスチレン/ポリエステルの複合粒子である事が確認された
(実施例A5)
<油相の作製>
1,9−ノナンジオール 10.0g
ドデカンジオニック酸 14.0g
スチレン 15.0g
共界面活性剤A1 2.5g
上記モノマー及びポリマーを130℃で加熱溶解させ均一な油相を作製した。
<水相11の作製>
ドデシルベンゼンスルホン酸 1.66g
水 200g
上記原料を混合して均一な水相を作製した。
<樹脂微粒子分散液A10の作製>
上記水溶液を調整し75℃恒温槽中で1時間攪拌した。上記水相を1リットルの容器に入れ、ウルトラタラックス(IKA社製)、8000rpmで3分攪拌した後、ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用い、吐出速度60(吐出圧力504kgf/cm2)で5パス分散し乳化物を得た。ドロップレットの体積平均径は1.6μmであった。攪拌機を備えた1リットルのリアクターに上記乳化物を投入し窒素雰囲気下、70℃で24時間重縮合を実施した。この反応物を少量取り出し、下記種々の分析を実施したところ、この時点の重合体はほぼポリエステルであることが分った。作製したポリエステルの物性は以下である。
・GPCによる重量平均分子量 4100
・樹脂の示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)にて樹脂の熱特性を調べた所、75℃に融点示す結晶性ポリエステルである事が分った。
上記で得られた樹脂微粒子分散液に0.8gの過硫酸アンモニウムを10gのイオン交換水に溶解した物を添加し窒素雰囲気下でさらに6時間重合を行った所、メジアン径0.4μmの樹脂微粒子分散液を得た。同様に少量とりポリエステル/スチレン複合重合体の物性を測定した。
・GPCによるスチレンの重量平均分子量 1430000
・GPCによるポリエステルの重量平均分子量 4200
・プロトンNMRでのスチレンポリマーの重合収率 97%
・ポリエステルの融点 75℃
・ポリスチレンのガラス転移点 102℃
上記の様に得られた重合物はスチレン/ポリエステルの複合粒子である事が確認された
以上の樹脂微粒子分散液について、分散液の安定性、及びその粒度分布について評価した。その結果を、分散液の特性と共に表1に示す。
−樹脂微粒子分散液の安定性の判定−
樹脂微粒子分散液の安定性を以下のような判断基準の下に判定した。作製したラテックスを300ccのガラス瓶に1500cc入れ、60℃の恒温槽中に1週間放置した。1週間後のラテックスの安定性を以下で判断した。判断基準は以下の通りである。なお、〇を合格とした。
〇・・・沈降、分離無く良好な分散性を示す
△・・・・やや分離が見られる
×・・・・沈降、分離あり
−樹脂微粒子分散液の粒度分布の判定−
樹脂微粒子分散液の粒度分布につき、分散液中の微粒子粒径の算術平均標準偏差値をレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定し、以下のような判断基準の下に判定した。判断基準は以下の通りである。なお、〇を合格とした。
〇・・・・算術平均標準偏差値が1.0以下
△・・・・算術平均標準偏差値が1.0〜5.0
×・・・・算術平均標準偏差値が5.0以上
次に、以上作製した樹脂微粒子分散液を使用して、以下のようにトナーを作製した。トナーに用いる各材料は以下のように調整したものを用いた。
(離型剤微粒子分散液(AW1)の調製)
・ポリエチレンワックス ・・・・30重量部
(東洋ペトロライト社製、Polywax725、融点103℃)
・カチオン性界面活性剤(花王社製、サニゾールB50) ・・・・3重量部
・イオン交換水 ・・・・67重量部
上記成分をホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で95℃に加熱しながら十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製、ゴーリンホモジナイザー)で分散処理し、離型剤微粒子分散液(W1)を調整した。得られた分散液中の離型剤微粒子の個数平均粒子径D50nは310nmであった。その後イオン交換水を加えて、分散液の固形分濃度を30%に調整した。
(マゼンタ顔料分散液(AM1)の調整)
・マゼンタ顔料(大日精化工業社製、PR122(キナクリドン))20重量部
・アニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR) ・・・・2重量部
・イオン交換水 ・・・・78重量部
上記成分をホモジナイザー(LKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて、3000rpmで2分間、顔料を水になじませ、さらに5000回転で10分間分散後、通常の攪拌器で1昼夜攪拌させて脱泡した後、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン社製、HJP30006)を用いて、圧力240MPaで約1時間分散させてマゼンタ顔料分散液(AM1)を得た。分散液中の顔料の数平均粒子径D50nは106nmであった。その後イオン交換水を加えて分散液の固形分濃度を15%に調整した。
(シアン顔料分散液(AC1)の調整)
・シアン顔料(大日精化工業社製、PB15:3) ・・・・20重量部
・アニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR) ・・・・2重量部
・イオン交換水 ・・・・78重量部
上記成分を、マゼンタ顔料分散液(AM1)と同様にして調整し、シアン顔料分散液を得た。分散液中の顔料の数平均粒子径D50nは121nmであった。その後イオン交換水を加えて分散液の固形分濃度を15%に調整した。
(イエロー顔料分散液(AY1)の調整)
・イエロー顔料(クラリアントジャパン社製、PY74) ・・・・20重量部
・アニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR) ・・・・2重量部
・イオン交換水 ・・・・78重量部
上記成分を、マゼンタ顔料分散液(AM1)と同様にして調整し、イエロー顔料分散液を得た。分散液中の顔料の数平均粒子径D50nは118nmであった。その後イオン交換水を加えて分散液の固形分濃度を15%に調整した。
(ブラック顔料分散液(K1)の調整)
・カーボンブラック(キャボット社製、リーガル330) ・・・・20重量部
・アニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR) ・・・・2重量部
・イオン交換水 ・・・・78重量部
上記成分を、マゼンタ顔料分散液(AM1)と同様にして調整し、ブラック顔料分散液を得た。分散液中の顔料の数平均粒子径D50nは120nmであった。その後イオン交換水を加えて分散液の固形分濃度を15%に調整した。
(実施例A6)
−樹脂微粒子分散液A1を使用したトナーの作製−
樹脂微粒子分散液A1にイオン交換水を加えて、分散液中の固形分濃度を40%に調整した。固形分濃度は、3gの分散液を秤量し、130℃、30分加熱して水分を揮発させ残留した乾燥物の重量から算出した。
−ブラックトナー(トナーAK1)の作製−
・樹脂微粒子分散液A1・・・160重量部
・離型剤微粒子分散液(AW1)・・・33重量部(トナーに対して10重量%)
・ブラック顔料分散液(AK1)・・60重量部(トナーに対して9重量%)
・ポリ塩化アルミニウム10重量%水溶液・・・15重量部
(浅田化学社製、PAC100W)
・1%硝酸水溶液 ・・・3重量部
上記成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中で、ホモジナイザー(LKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて5000rpmで3分間分散した後、前記フラスコに磁力シールを有した攪拌装置、温度計とpH計を具備した蓋をしてから、加熱用マントルヒーターをセットし、フラスコ中の分散液全体が攪拌される最低の回転数に適宜調節して攪拌しながら48℃まで1℃/1minで加熱し、48℃で30分間保持し、凝集粒子の粒径をコールターカウンター(日科機社製、TA II)で確認した。昇温停止後ただちに樹脂微粒子分散液(L1)を50重量部追加し、30分間保持したのち、系内のpHが6.5になるまで水酸化ナトリウム水溶液を加えてから、1℃/1minで97℃まで加熱した。昇温後、硝酸水溶液を加えて系内のpHを5.0にして、10時間保持して凝集粒子を加熱融合した。この後系内を50℃まで降温、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを12.0に調節して10分間保持した。その後フラスコから取り出し、イオン交換水を用いて充分にろ過、通水洗浄した後、さらに固形分量が10重量%となるようにイオン交換水中に分散し、硝酸を加えてpH3.0で10分間攪拌した後、再びイオン交換水を用いて充分にろ過、通水洗浄して得られたスラリーを凍結乾燥してブラックトナー(トナーAK1)を得た。
ブラック着色粒子に、ヘキサメチルジシラザン(以下、「HMDS」と略す場合がある)で表面疎水化処理した一次粒子平均粒径40nmのシリカ(SiO2)微粒子と、メタチタン酸とイソブチルトリメトキシシランの反応生成物である一次粒子平均粒径20nmのメタチタン酸化合物微粒子とを、それぞれ1重量%づつ添加し、ヘンシェルミキサーで混合し、ブラックトナーを作製した。
このようにして作製したトナーの累積体積平均粒径D50Vと体積平均粒度分布指標GSDvをレーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定した。累積体積平均粒径D50Vは6.0μmであった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は125〜135のポテト形状域であることを確認した。
(実施例A7)
−シアントナー(トナーAC1)の作製)−
上記ブラックトナーと同様の方法で、ブラック顔料分散液(AK1)をシアン顔料分散液に変えた以外は同じくし、シアントナーを得た。シアントナーAC1の体積平均粒径D50Vは6.0μm、であった。このトナーの表面を走査電子顕微鏡(SEM)で、断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、樹脂、顔料及びその他添加剤が狙い通り融合されており、穴や凹凸などは見られず、顔料の分散状態も良好であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は125〜135のポテト形状域であることを確認した。本トナーにブラックトナーと同様に外添剤を外添しシアントナーを得た。
(実施例A8)
−イエロートナー(トナーAY1)の作製−
上記ブラックトナーと同様の方法で、ブラック顔料分散液(AK1)をイエロー顔料分散液に変えた以外は同じくし、イエロートナーを得た。イエロートナーAY1の体積平均粒径D50Vは6.1μmであった。このトナーの表面を走査電子顕微鏡(SEM)で、断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、樹脂、顔料及びその他添加剤が狙い通り融合されており、穴や凹凸などは見られず、顔料の分散状態も良好であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は125〜135 のポテト形状域であることを確認した。本トナーにブラックトナーと同様に外添剤を外添し、イエロートナーを得た。
(実施例A9)
−マゼンタトナー(トナーAM1)の作製−
上記ブラックトナーと同様の方法で、ブラック顔料分散液(AK1)をマゼンタ顔料分散液に変えた以外は同じくし、クロトナーを得た。マゼンタトナーAM1の体積平均粒径D50Vは6.0μm、であった。このトナーの表面を走査電子顕微鏡(SEM)で、断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、樹脂、顔料及びその他添加剤が狙い通り融合されており、穴や凹凸などは見られず、顔料の分散状態も良好であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は125〜135のポテト形状域であることを確認した。本トナーにブラックトナーと同様に外添剤を外添し、マゼンタトナーを得た。
(実施例A9’)
−樹脂微粒子分散液A1’を使用したトナーの作製−
実施例A6において、樹脂微粒子分散液をA’に換えた以外は同じくし、クロトナー(AK1’)を得た。このトナーの表面を走査電子顕微鏡(SEM)で、断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、樹脂、顔料及びその他添加剤が狙い通り融合されており、穴や凹凸などは見られず、顔料の分散状態も良好であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は125〜135のポテト形状域であることを確認した。
(比較例A6)
−樹脂微粒子分散液A2を使用したトナーの作製−
実施例A6において、樹脂微粒子分散液を2に換えた以外は同じくし、クロトナー(AK2)を得た。このトナーの表面を走査電子顕微鏡(SEM)で、断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、樹脂、顔料及びその他添加剤が狙い通り融合されており、穴や凹凸などは見られず、顔料の分散状態も良好であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は125〜135のポテト形状域であることを確認した。
(比較例A7)
−樹脂微粒子分散液A3を使用したトナーの作製−
実施例A6において、樹脂微粒子分散液をA3に換えた以外は同じくし、クロトナー(K3)を得た。このトナーの表面を走査電子顕微鏡(SEM)で、断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、樹脂、顔料及びその他添加剤が狙い通り融合されており、穴や凹凸などは見られず、顔料の分散状態も良好であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は125〜135のポテト形状域であることを確認した。
(比較例A8)
−樹脂微粒子分散液A4を使用したトナーの作製−
実施例A6において、樹脂微粒子分散液をA4に換えた以外は同じくし、クロトナー(AK4)を得た。このトナーの表面を走査電子顕微鏡(SEM)で、断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、樹脂、顔料及びその他添加剤が狙い通り融合されており、穴や凹凸などは見られず、顔料の分散状態も良好であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は125〜135のポテト形状域であることを確認した。
(実施例A10)
−樹脂微粒子分散液A5を使用したトナーの作製−
実施例A6において、樹脂微粒子分散液をA5に換えた以外は同じくし、クロトナー(AK5)を得た。このトナーの表面を走査電子顕微鏡(SEM)で、断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、樹脂、顔料及びその他添加剤が狙い通り融合されており、穴や凹凸などは見られず、顔料の分散状態も良好であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は125〜135のポテト形状域であることを確認した。
(実施例A11)
−樹脂微粒子分散液A6を使用したトナーの作製−
実施例A6において、樹脂微粒子分散液をA6に換えた以外は同じくし、クロトナー(AK6)を得た。このトナーの表面を走査電子顕微鏡(SEM)で、断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、樹脂、顔料及びその他添加剤が狙い通り融合されており、穴や凹凸などは見られず、顔料の分散状態も良好であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は125〜135のポテト形状域であることを確認した。
(比較例A9)
(樹脂微粒子分散液A7を使用したトナーの作製)
実施例A6において、樹脂微粒子分散液をA7に換えた以外は同じくし、クロトナー(AK7)を得た。このトナーの表面を走査電子顕微鏡(SEM)で、断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、樹脂、顔料及びその他添加剤が狙い通り融合されており、穴や凹凸などは見られず、顔料の分散状態も良好であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は125〜135のポテト形状域であることを確認した。
(比較例A10)
比較例A9において、顔料分散液をシアン顔料分散液に換えた以外は同じくし、シアントナー(AC7)を得た。このトナーの表面を走査電子顕微鏡(SEM)で、断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、樹脂、顔料及びその他添加剤が狙い通り融合されており、穴や凹凸などは見られず、顔料の分散状態も良好であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は125〜135のポテト形状域であることを確認した。
(比較例A11)
比較例A9において、顔料分散液をイエロー顔料分散液に換えた以外は同じくし、イエロートナー(AY7)を得た。このトナーの表面を走査電子顕微鏡(SEM)で、断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、樹脂、顔料及びその他添加剤が狙い通り融合されており、穴や凹凸などは見られず、顔料の分散状態も良好であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は125〜135のポテト形状域であることを確認した。
(比較例A12)
比較例A9において、顔料分散液をマゼンタ顔料分散液に換えた以外は同じくし、マゼンタトナー(AM7)を得た。このトナーの表面を走査電子顕微鏡(SEM)で、断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、樹脂、顔料及びその他添加剤が狙い通り融合されており、穴や凹凸などは見られず、顔料の分散状態も良好であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は125〜135のポテト形状域であることを確認した。
(比較例A13)
−樹脂微粒子分散液A8を使用したトナーの作製−
実施例A6において、樹脂微粒子分散液をA8に換えた以外は同じくし、クロトナー(AK8)を得た。このトナーの表面を走査電子顕微鏡(SEM)で、断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、樹脂、顔料及びその他添加剤が狙い通り融合されており、穴や凹凸などは見られず、顔料の分散状態も良好であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は125〜135のポテト形状域であることを確認した。
(実施例A12)
−樹脂微粒子分散液A9を使用したトナーの作製−
実施例A6において、樹脂微粒子分散液をA9に換えた以外は同じくし、クロトナー(AK9)を得た。このトナーの表面を走査電子顕微鏡(SEM)で、断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、樹脂、顔料及びその他添加剤が狙い通り融合されており、穴や凹凸などは見られず、顔料の分散状態も良好であった。ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は118であり、球状であることを確認した。
(実施例A13)
−樹脂微粒子分散液A10を使用したトナーの作製−
実施例A6において、樹脂微粒子分散液をA10に換え、さらに凝集温度85度、合一温度を103度にした以外は同じくし、トナー(AK10)を得た
(現像剤の作製及び評価)
−キャリアの作製−
体積平均粒子径40μmのCu−Znフェライト微粒子100重量部にγ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.1重量部を含有するメタノール溶液を添加し、ニーダーで被覆した後、メタノールを留去し、さらに120℃で2時間加熱して上記シラン化合物を完全に硬化させた。この粒子に、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート−メチルメタクレート共重合体(共重合比40:60)をトルエンに溶解させたものを添加し、真空減圧型ニーダーを使用してパーフルオロオクチルエチルメタクリレート−メチルメタクレート共重合体のコーティング量が0.5重量%となるように樹脂被覆型キャリアを製造した。
−現像剤の作製−
上述のように作製したトナーそれぞれ4重量部を、得られた樹脂被覆型キャリア100重量部に混合して、静電荷像現像剤を作製した。これを以下に示すように現像剤として使用した。
−評価−
得られた現像剤を定着、画質の評価は富士ゼロックス社製Docu Centre Color500CP改造機を用いて画像形成を行い、定着温度、初期画質の画質評価を行った。この場合評価項目として最低定着温度は、トナー粒子が連続フィルム層を形成する加熱ローラの最低温度とし、オフセット発生温度は、オフセット現象が生ずる最低温度とし、さらに画質特性は画質むらを目視にて判断した。また、トナー画像強度について評価した。これらの結果を表2に示す。
・最低定着温度:
上記複写機にて未定着画像を作成した後、表層がテフロン(登録商標)で形成された直径30mmの熱ローラと、表層がシリコーンゴムで形成された圧着ローラとよりなる定着器により、64g/m2の転写紙に転写せしめた試料トナーによるトナー像を線速度70mm/秒、線圧0.8kg/cm、ニップ幅4.9mmで定着せしめる操作を、熱ローラの設定温度を80〜240℃の範囲内で5℃づつ段階的に高くして各温度において繰り返し、形成された定着画像に対してキムワイプ摺擦を施し、十分な耐摺擦性を示す定着画像に係り最低の設定温度をもって最低定着温度とした。なおここに用いた定着器はシリコーンオイル供給機構を有さぬものである。
・オフセット発生温度:
オフセット発生温度の測定は、最低定着温度の測定に準ずるが、上記複写機にて未定着画像を作成した後、トナー像を転写して上述の定着器により定着処理を行い、次いで白紙の転写紙を同様の条件下で定着器に送ってこれにトナー汚れが生ずるか否かを目視観察する操作を、前記定着器の熱ローラの設定温度を順次上昇させた状態で繰り返し、トナーによる汚れの生じた最低の設定温度をもってオフセット発生温度とした。評価基準は以下の通りである。
最低定着温度120℃以下、かつオフセット発生温度230℃以上・・・・○
最低定着温度130℃以下、又はオフセット発生温度又は210℃以上・・・・△
最低定着温度150℃以下、又は/かつ、オフセット発生温度180℃以上・×
・画質特性
画質特性は画質むら(目視)を測定し、以下のように判定した。
画質にむらがない・・・◎
画質をよく観察すると、わずかにむらがある・・・○
画質にむらがある・・・△
画質に顕著なむらがある・・・×
・トナー画像強度
上記複写機にて25mm×25mmのソリッド画像出しを行い、未定着画像を得た。次いで、表面層がシリコーンゴムで形成された加熱ローラーおよびシリコーンゴム層をフッ素樹脂で被覆した加圧ローラーからなる外部定着機を用いて、定着温度を160℃にコントロールして定着した。その後、消しゴムによる20回擦りテストを行い、画像欠損度合を下記の基準により評価した。
○・・・画像欠損なし
△・・・僅かな欠損、劣化が認められる
×・・・劣化や欠損が明らかである
以上の結果より、本実施例では、重合工程において、上記共界面活性剤(1)を添加することによって、その樹脂粒子分散液を安定に保持することができるばかりか、安定して重合を進行させ、高分子量化や分散粒子径を狭い領域に制御することができることがわかる。さらに、その結果、該樹脂微粒子分散液を使用して作製した正電荷像現像用トナーは、高画質と良好な定着性を発現することがわかる。
また、ポリエステル樹脂を初めとする重縮合性樹脂など水中での重合が困難であったトナー用樹脂微粒子分散液は、従来製造上多大な環境負荷を有して製造されていたが、本実施例では水中で一貫して製造することが可能となり、低環境負荷であるトナー製法であることがわかる。さらに、水中重合が不可能であった結晶性樹脂微粒子分散液を使用して製造されたトナーは、最低定着温度の低下を実現することがわかる。この際、他の非晶性樹脂が共存する場合、熔融時の粘弾性挙動と、結晶性樹脂の低温定着性を両立することができ、高性能かつ環境負荷の少ないトナーであることもわかる。
[実施例B]
<共界面活性剤B1の作製>
以下のようにして、溶液重合法により、ポリ(メタクリル酸ステアリル)を製造した。
アセトン/メタノールを90w%:10w%の割合で含む溶媒を400g調整し、同溶媒中に以下の材料を溶解させた。
メタクリル酸ステアリル 50g
ドデカンチオール 1.0g
アゾイゾブチロニトリル 0.75g
上記混合液を、攪拌機を備えた1リットルのリアクターに投入し、窒素雰囲気下、70℃で8時間重合を実施した。この反応物を少量取り出し、NMR分析を実施したところ、ポリメタクリル酸ステアリルが合成されていることを確認できた。この生成物を、エタノール中に滴下し沈降させた。この操作を3回繰り返し、得られた粒子をろ過して、真空乾燥させた。GPCでポリメタクリル酸ステアリルの分子量を測定したところ、次のとおりであった。
・GPCによるポリ(メタクリル酸ステアリル)の重量平均分子量 50000
<共界面活性剤B2の作製>
共界面活性剤B1と同様に、以下の材料を用いてポリメタクリル酸ステアリルを作製した。
メタクリル酸ステアリル 50g
アゾイゾブチロニトリル 0.75g
得られたポリメタクリル酸ステアリルについて、GPCで分子量を測定したところ、次のとおりであった。
・GPCによるポリ(メタクリル酸ステアリル)の重量平均分子量 1280000
(実施例B1)
<油相の作製>
1,9−ノナンジオール 10.0g
ドデカンジオニック酸 14.0g
スチレン 25g
メタクリル酸ステアリル 2.5g
ドデカンチオール 0.75g
上記を130℃で加熱溶解させ均一な油相を作製した。
<水相の作製>
ドデシルベンゼンスルホン酸 1.66g
水 200g
上記原料を混合して均一な水相を作製した。
<樹脂微粒子分散液B1の作製>
上記水溶液を調整し75℃恒温槽中で1時間攪拌した。上記水相を1リットルの容器に入れ、ウルトラタラックス(IKA社製)、8000rpmで3分攪拌した後、ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用い、吐出速度60(吐出圧力504kgf/cm2)で5パス分散し乳化物を得た。攪拌機を備えた1リットルのリアクターに上記乳化物を投入し窒素雰囲気下、70℃で24時間重縮合を実施した。この反応物を少量取り出し、下記種々の分析を実施したところ、この時点の重合体はほぼポリエステルであることが分った。作製したポリエステルの物性は以下である。
・GPCによる重量平均分子量 4000
・樹脂の示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)にて樹脂の熱特性を調べた所、72℃に融点示す結晶性ポリエステルである事が分った。
上記で得られた樹脂微粒子分散液に0.8gの過硫酸アンモニウムを10gのイオン交換水に溶解した物を添加し窒素雰囲気下でさらに6時間重合を行った所、メジアン径0.4μmの安定な樹脂微粒子分散液を得た。同様に少量とりポリエステル/スチレン複合重合体の物性を測定した。
・GPCによるスチレンの重量平均分子量 52000
・GPCによるポリエステルの重量平均分子量 4200
・ポリエステルの融点 73℃
・ポリスチレンのガラス転移点 67℃
上記の様に得られた重合物はスチレンとポリエステルの複合粒子である事が確認された。
(実施例B2)
<油相の作製>
1,12−ドデカンジオール 6.8g
1,13−トリデカンジ酸 8.2g
スチレン 35.0g
ドデカンチオール 1.0g
アクリル酸オクタデシル5g
上記を130℃で加熱溶解させ均一な油相を作製した。
<水相の作製>
ドデシルベンゼンスルホン酸 1.66g
過硫酸カリウム 0.8g
水 200g
上記原料を混合して均一な水相を作製した。
<樹脂微粒子分散液B2の作製>
上記水溶液を調整し75℃恒温槽中で1時間攪拌した。上記水相を1リットルの容器に入れ、ウルトラタラックス(IKA社製)、8000rpmで3分攪拌した後、ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用い、吐出速度60(吐出圧力504kgf/cm2)で5パス分散し乳化物を得た。攪拌機を備えた1リットルのリアクターに上記乳化物を投入し窒素雰囲気下、70℃で24時間重縮合を実施した。この反応物を少量取り出し、下記種々の分析を実施したところ、この時点の重合体はほぼポリエステルであることが分った。作製したポリエステルの物性は以下である。
・GPCによる重量平均分子量 3800
・樹脂の示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)にて樹脂の熱特性を調べた所、70℃に融点示す結晶性ポリエステルである事が分った。
上記で得られた樹脂微粒子分散液に0.8gの過硫酸カリウムを10gのイオン交換水に溶解した物を添加し窒素雰囲気下でさらに6時間重合を行った所、メジアン径0.5μmの安定な樹脂微粒子分散液を得た。同様に少量とりポリエステル/スチレン複合重合体の物性を測定した。
・GPCによるスチレンの重量平均分子量 61000
・GPCによるポリエステルの重量平均分子量 4000
・ポリエステルの融点 72℃
・ポリスチレンのガラス転移点 69℃
上記の様に得られた重合物はスチレンとポリエステルの複合粒子である事が確認された。
(実施例B3)
<油相の作製>

1,9−ノナンジオール 15.0g
セバシン酸 19.5g
スチレン 40g
共界面活性剤B1 5.0g
ドデカンチオール 0.75g
上記を130℃で加熱溶解させ均一な油相を作製した。
<水相の作製>
ドデシルベンゼンスルホン酸 1.66g
過硫酸アンモニウム 0.8g
水 200g
上記原料を混合して均一な水相を作製した。
<樹脂微粒子分散液B3の作製>
上記水溶液を調整し75℃恒温槽中で1時間攪拌した。上記水相を1リットルの容器に入れ、ウルトラタラックス(IKA社製)、8000rpmで3分攪拌した後、ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用い、吐出速度60(吐出圧力504kgf/cm2)で5パス分散し乳化物を得た。攪拌機を備えた1リットルのリアクターに上記乳化物を投入し窒素雰囲気下、70℃で24時間重縮合を実施した。この反応物を少量取り出し、下記種々の分析を実施したところ、この時点の重合体はほぼポリエステルであることが分った。作製したポリエステルの物性は以下である。
・GPCによる重量平均分子量 3600
・樹脂の示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)にて樹脂の熱特性を調べた所、65℃に融点示す結晶性ポリエステルである事が分った。
上記で得られた樹脂微粒子分散液に0.8gの過硫酸カリウムを10gのイオン交換水に溶解した物を添加し窒素雰囲気下でさらに6時間重合を行った所、メジアン径0.4μmの安定な樹脂微粒子分散液を得た。同様に少量とりポリエステル/スチレン複合重合体の物性を測定した。
・GPCによるスチレンの重量平均分子量 55000
・GPCによるポリエステルの重量平均分子量 3750
・ポリエステルの融点 65℃
・ポリスチレンのガラス転移点 70℃
上記の様に得られた重合物はスチレンとポリエステルの複合粒子である事が確認された
(実施例B4)
<油相の作製>
1,9−ノナンジオール 10.0g
ドデカンジオニック酸 14.0g
スチレン 8.3g
ステアリルメタクリレート 16.6g
ドデカンチオール 0.75g
上記モノマーを130℃で加熱溶解させ均一な油相を作製した。
<水相の作製>
ドデシルベンゼンスルホン酸 1.66g
過硫酸アンモニウム 0.8g
水 200g
上記原料を混合して均一な水相を作製した。
<樹脂微粒子分散液B4の作製>
上記水溶液を調整し75℃恒温槽中で1時間攪拌した。上記水相を1リットルの容器に入れ、ウルトラタラックス(IKA社製)、8000rpmで3分攪拌した後、ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用い、吐出速度60(吐出圧力504kgf/cm2)で5パス分散し乳化物を得た。攪拌機を備えた1リットルのリアクターに上記乳化物を投入し窒素雰囲気下、70℃で24時間重縮合を実施した。この反応物を少量取り出し、下記種々の分析を実施したところ、この時点の重合体はほぼポリエステルであることが分った。作製したポリエステルの物性は以下である。
・GPCによる重量平均分子量 2900
・樹脂の示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)にて樹脂の熱特性を調べた所、74℃に融点示す結晶性ポリエステルである事が分った。
上記で得られた樹脂微粒子分散液に0.8gの過硫酸カリウムを10gのイオン交換水に溶解した物を添加し窒素雰囲気下でさらに6時間重合を行った所、メジアン径1.2μmの樹脂微粒子分散液を得た。同様に少量とりポリエステル/スチレン複合重合体の物性を測定した。
・GPCによるスチレンの重量平均分子量 39000
・GPCによるポリエステルの重量平均分子量 3300
・ポリエステルの融点 71℃
・スチレンのガラス転移点 36℃
・ポリスチレンのガラス転移点 67℃
上記の様に得られた重合物はスチレンとポリエステルの複合粒子である事が確認された。
(実施例B5)
<油相の作製>
1、4ブタンジオール 10.0g
アゼライン酸 14.0g
スチレン 25g
ステアリルメタクリレート 2.5g
ドデカンチオール 0.75g
上記モノマー及びポリマーを130℃で加熱溶解させ均一な油相を作製した。
<水相の作製>
ドデシルベンゼンスルホン酸 1.66g
水 200g
上記原料を混合して均一な水相を作製した。
<樹脂微粒子分散液B5の作製>
上記水溶液を調整し75℃恒温槽中で1時間攪拌した。上記水相を1リットルの容器に入れ、ウルトラタラックス(IKA社製)、8000rpmで3分攪拌した後、ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用い、吐出速度60(吐出圧力504kgf/cm2)で5パス分散し乳化物を得た。攪拌機を備えた1リットルのリアクターに上記乳化物を投入し窒素雰囲気下、70℃で24時間重縮合を実施した。この反応物を少量取り出し、下記種々の分析を実施したところ、この時点の重合体はほぼポリエステルであることが分った。作製したポリエステルの物性は以下である。
・GPCによる重量平均分子量 3800
・樹脂の示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)にて樹脂の熱特性を調べた所、46℃に融点示す結晶性ポリエステルである事が分った。
上記で得られた樹脂微粒子分散液に0.8gの過硫酸アンモニウムを10gのイオン交換水に溶解した物を添加し窒素雰囲気下でさらに6時間重合を行った所、メジアン径0.5μmの樹脂微粒子分散液を得た。同様に少量とりポリエステル/スチレン複合重合体の物性を測定した。
・GPCによるスチレンの重量平均分子量 32000
・GPCによるポリエステルの重量平均分子量 3900
・ポリエステルの融点 46℃
・ポリスチレンのガラス転移点 68℃
上記の様に得られた重合物はスチレンとポリエステルの複合粒子である事が確認された。
(実施例B6)
<油相の作製>
1,9−ノナンジオール 10.0g
ドデカンジオニック酸 14.0g
スチレン 25g
ステアリルメタクリレート 2.5g
ドデカンチオール 0.75g
上記モノマー及びポリマーを130℃で加熱溶解させ均一な油相を作製した。
<水相の作製>
ドデシルベンゼンスルホン酸 1.66g
水 200g
上記原料を混合して均一な水相を作製した。
<樹脂微粒子分散液B6の作製>
上記水溶液を調整し75℃恒温槽中で1時間攪拌した。上記水相を1リットルの容器に入れ、ウルトラタラックス(IKA社製)、3000rpmで1分攪拌し乳化物を得た。攪拌機を備えた1リットルのリアクターに上記乳化物を投入し窒素雰囲気下、70℃で24時間重縮合を実施した。この反応物を少量取り出し、下記種々の分析を実施したところ、この時点の重合体はほぼポリエステルであることが分った。作製したポリエステルの物性は以下である。
・GPCによる重量平均分子量 2800
・樹脂の示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)にて樹脂の熱特性を調べた所、68℃に融点示す結晶性ポリエステルである事が分った。
上記で得られた樹脂微粒子分散液に0.8gの過硫酸アンモニウムを10gのイオン交換水に溶解した物を添加し窒素雰囲気下でさらに6時間重合を行った所、メジアン径4.6μmの樹脂微粒子分散液を得た。同様に少量とりポリエステル/スチレン複合重合体の物性を測定した。
・GPCによるスチレンの重量平均分子量 38000
・GPCによるポリエステルの重量平均分子量 3000
・ポリエステルの融点 68℃
・ポリスチレンのガラス転移点 64℃
上記の様に得られた重合物はスチレンとポリエステルの複合粒子である事が確認された。
(比較例B1’)
<油相の作製>
1,9−ノナンジオール 10.0g
ドデカンジオニック酸 14.0g
スチレン 25g
共界面活性剤B2 2.5g
ドデカンチオール 0.75g
上記モノマー及びポリマーを130℃で加熱溶解させ均一な油相を作製した。
<水相の作製>
ドデシルベンゼンスルホン酸 1.66g
過硫酸アンモニウム 0.8g
水 200g
上記原料を混合して均一な水相を作製した。
<樹脂微粒子分散液B7の作製>
上記水溶液を調整し75℃恒温槽中で1時間攪拌した。上記水相を1リットルの容器に入れ、ウルトラタラックス(IKA社製)、8000rpmで3分攪拌した後、ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用い、吐出速度60(吐出圧力504kgf/cm2)で5パス分散し乳化物を得た。攪拌機を備えた1リットルのリアクターに上記乳化物を投入し窒素雰囲気下、70℃で24時間重縮合を実施した。この反応物を少量取り出し、下記種々の分析を実施したところ、この時点の重合体はほぼポリエステルであることが分った。作製したポリエステルの物性は以下である。
・GPCによる重量平均分子量 2600
・樹脂の示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)にて樹脂の熱特性を調べた所、70℃に融点示す結晶性ポリエステルである事が分った。
上記で得られた樹脂微粒子分散液に0.8gの過硫酸アンモニウムを10gのイオン交換水に溶解した物を添加し窒素雰囲気下でさらに6時間重合を行った所、メジアン径1.7μmの樹脂微粒子分散液を得た。同様に少量とりポリエステル/スチレン複合重合体の物性を測定した。
・GPCによるスチレンの重量平均分子量 41000
・GPCによるポリエステルの重量平均分子量 2900
・ポリスチレンのガラス転移点 64℃
・ポリエステルの融点 70℃
上記の様に得られた重合物はスチレンとポリエステルの複合粒子である事が確認された。
(実施例B8)
<油相の作製>
1,9−ノナンジオール 10.0g
ドデカンジオニック酸 14.0g
スチレン 25.0g
共界面活性剤B1 2.5g
上記モノマー及びポリマーを130℃で加熱溶解させ均一な油相を作製した。
<水相の作製>
ドデシルベンゼンスルホン酸 1.66g
水 200g
上記原料を混合して均一な水相を作製した。
<樹脂微粒子分散液B8の作製>
上記水溶液を調整し75℃恒温槽中で1時間攪拌した。上記水相を1リットルの容器に入れ、ウルトラタラックス(IKA社製)、8000rpmで3分攪拌した後、ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用い、吐出速度60(吐出圧力504kgf/cm2)で5パス分散し乳化物を得た。攪拌機を備えた1リットルのリアクターに上記乳化物を投入し窒素雰囲気下、70℃で24時間重縮合を実施した。この反応物を少量取り出し、下記種々の分析を実施したところ、この時点の重合体はほぼポリエステルであることが分った。作製したポリエステルの物性は以下である。
・GPCによる重量平均分子量 4000
・樹脂の示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)にて樹脂の熱特性を調べた所、74℃に融点示す結晶性ポリエステルである事が分った。
上記で得られた樹脂微粒子分散液に0.8gの過硫酸アンモニウムを10gのイオン交換水に溶解した物を添加し窒素雰囲気下でさらに6時間重合を行った所、メジアン径0.5μmの樹脂微粒子分散液を得た。同様に少量とりポリエステル/スチレン複合重合体の物性を測定した。
・GPCによるスチレンの重量平均分子量 171000
・GPCによるポリエステルの重量平均分子量 4000
・ポリエステルの融点 74℃
・ポリスチレンのガラス転移点 104℃
上記の様に得られた重合物はスチレンとポリエステルの複合粒子である事が確認された。
(比較例B1)
<油相の作製>
1,9−ノナンジオール 10.0g
ドデカンジオニック酸 14.0g
スチレン 25g
ドデカンチオール 0.75g
上記モノマー及びポリマーを130℃で加熱溶解させ均一な油相を作製した。
<水相の作製>
ドデシルベンゼンスルホン酸 1.66g
水 200g
上記原料を混合して均一な水相を作製した。
<樹脂微粒子分散液B9の作製>
上記水溶液を調整し75℃恒温槽中で1時間攪拌した。上記水相を1リットルの容器に入れ、ウルトラタラックス(IKA社製)、8000rpmで3分攪拌した後、ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用い、吐出速度60(吐出圧力504kgf/cm2)で5パス分散し乳化物を得た。70℃で24時間重縮合を実施した。この反応物を少量取り出し、下記種々の分析を実施したところ、この時点の重合体はほぼポリエステルであることが分った。作製したポリエステルの物性は以下である。
・GPCによる重量平均分子量 1800
・樹脂の示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)にて樹脂の熱特性を調べた所、69℃に融点示す結晶性ポリエステルである事が分った。
上記で得られた樹脂微粒子分散液に0.8gの過硫酸アンモニウムを10gのイオン交換水に溶解した物を添加し窒素雰囲気下でさらに6時間重合を行った所、メジアン径6.8μmの樹脂微粒子分散液を得た。同様に少量とりポリエステル/スチレン複合重合体の物性を測定した。
・GPCによるスチレンの重量平均分子量 25000
・GPCによるポリエステルの重量平均分子量 1900
・ポリエステルの融点 72℃
・ポリスチレンのガラス転移点 57℃
上記の様に得られた重合物はスチレンとポリエステルの複合粒子である事が確認された。
(比較例B2)
<油相の作製>
1,9−ノナンジオール 10.0g
ドデカンジオニック酸 14.0g
スチレン 25g
ドデカンチオール 0.75g
ポリメチルメタクリレート(重量平均分子量350000) 5g
上記モノマー及びポリマーを130℃で加熱溶解させ均一な油相を作製した。
<水相の作製>
過硫酸アンモニウム 0.8g
水 200g
<樹脂微粒子分散液B10の作製>
上記水溶液を調整し75℃恒温槽中で1時間攪拌した。上記水相を1リットルの容器に入れ、ウルトラタラックス(IKA社製)、8000rpmで3分攪拌した後、ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用い、吐出速度60(吐出圧力504kgf/cm2)で5パス分散し乳化物を得た。70℃で24時間重縮合を実施した。この反応物を少量取り出し、下記種々の分析を実施したところ、この時点の重合体はほぼポリエステルであることが分った。作製したポリエステルの物性は以下である。
・GPCによる重量平均分子量 2100
・樹脂の示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)にて樹脂の熱特性を調べた所、68℃に融点示す結晶性ポリエステルである事が分った。
上記で得られた樹脂微粒子分散液に0.8gの過過硫酸アンモニウムを10gのイオン交換水に溶解した物を添加し窒素雰囲気下でさらに6時間重合を行った所、メジアン径4.9μmの樹脂微粒子分散液を得た。同様に少量とりポリエステル/スチレン複合重合体の物性を測定した。
・GPCによるスチレンの重量平均分子量 28000
・GPCによるポリエステルの重量平均分子量 2250
・ポリエステルの融点 68℃
・ポリスチレンのガラス転移点 60℃
上記の様に得られた重合物はスチレンとポリエステルの複合粒子である事が確認された。
以上の樹脂微粒子分散液について、分散液の安定性、及びその粒度分布について評価した。その結果を、分散液の特性と共に表3に示す。
−樹脂微粒子分散液の安定性の判定−
樹脂微粒子分散液の安定性を以下のような判断基準の下に判定した。作製したラテックスを300ccのガラス瓶に150cc入れ、60℃の恒温槽中に1週間放置した。1週間後のラテックスの安定性を以下で判断した。判断基準は以下の通りである。なお、〇を合格とした。
〇・・・沈降、分離無く良好な分散性を示す
△・・・・やや分離が見られる
×・・・・沈降、分離あり
−樹脂微粒子分散液の粒度分布の判定−
樹脂微粒子分散液の粒度分布を以下のような判断基準の下に判定した。樹脂微粒子分散液の粒度分布を算術平均標準偏差値をレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定し、以下のような判断基準の下に判定した。判断基準は以下の通りである。なお、〇を合格とした。
〇・・・・算術平均標準偏差値が1.0以下
△・・・・算術平均標準偏差値が1.0〜5.0
×・・・・算術平均標準偏差値が5.0以上
次に、以上作製した樹脂微粒子分散液を使用して、以下のようにトナーを作製した。トナーに用いる各材料は以下のように調整したものを用いた。
(離型剤微粒子分散液(BW1)の調製)
・ポリエチレンワックス ・・・・30重量部
(東洋ペトロライト社製、Polywax725、融点103℃)
・カチオン性界面活性剤(花王社製、サニゾールB50) ・・・・3重量部
・イオン交換水 ・・・・67重量部
上記成分をホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で95℃に加熱しながら十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製、ゴーリンホモジナイザー)で分散処理し、離型剤微粒子分散液(W1)を調整した。得られた分散液中の離型剤微粒子の個数平均粒子径D50nは310nmであった。その後イオン交換水を加えて、分散液の固形分濃度を30%に調整した。
(マゼンタ顔料分散液(BM1)の調整)
・マゼンタ顔料(大日精化工業社製、PR122(キナクリドン))20重量部
・アニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR) ・・・・2重量部
・イオン交換水 ・・・・78重量部
上記成分をホモジナイザー(LKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて、3000rpmで2分間、顔料を水になじませ、さらに5000回転で10分間分散後、通常の攪拌器で1昼夜攪拌させて脱泡した後、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン社製、HJP30006)を用いて、圧力240MPaで約1時間分散させてマゼンタ顔料分散液(BM1)を得た。分散液中の顔料の数平均粒子径D50nは106nmであった。その後イオン交換水を加えて分散液の固形分濃度を15%に調整した。
(シアン顔料分散液(BC1)の調整)
・シアン顔料(大日精化工業社製、PB15:3) ・・・・20重量部
・アニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR) ・・・・2重量部
・イオン交換水 ・・・・78重量部
上記成分を、マゼンタ顔料分散液(BM1)と同様にして調整し、シアン顔料分散液を得た。分散液中の顔料の数平均粒子径D50nは121nmであった。その後イオン交換水を加えて分散液の固形分濃度を15%に調整した。
(イエロー顔料分散液(BY1)の調整)
・イエロー顔料(クラリアントジャパン社製、PY74) ・・・・20重量部
・アニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR) ・・・・2重量部
・イオン交換水 ・・・・78重量部
上記成分を、マゼンタ顔料分散液(BM1)と同様にして調整し、イエロー顔料分散液を得た。分散液中の顔料の数平均粒子径D50nは118nmであった。その後イオン交換水を加えて分散液の固形分濃度を15%に調整した。
(ブラック顔料分散液(BK1)の調整)
・カーボンブラック(キャボット社製、リーガル330) ・・・・20重量部
・アニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR) ・・・・2重量部
・イオン交換水 ・・・・78重量部
上記成分を、マゼンタ顔料分散液(BM1)と同様にして調整し、ブラック顔料分散液を得た。分散液中の顔料の数平均粒子径D50nは120nmであった。その後イオン交換水を加えて分散液の固形分濃度を15%に調整した。
(実施例B9)
−樹脂微粒子分散液B1を使用したトナーの作製−
樹脂微粒子分散液B1にイオン交換水を加えて、分散液中の固形分濃度を40%に調整した。固形分濃度は、3gの分散液を秤量し、130℃、30分加熱して水分を揮発させ残留した乾燥物の重量から算出した。
−ブラックトナー(トナーBK1)の作製−
・樹脂微粒子分散液B1・・・160重量部
・離型剤微粒子分散液(BW1)・・・33重量部(トナーに対して10重量%)
・ブラック顔料分散液(BK1)・・60重量部(トナーに対して9重量%)
・ポリ塩化アルミニウム10重量%水溶液・・・15重量部
(浅田化学社製、PAC100W)
・1%硝酸水溶液 ・・・3重量部
上記成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中で、ホモジナイザー(LKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて5000rpmで3分間分散した後、前記フラスコに磁力シールを有した攪拌装置、温度計とpH計を具備した蓋をしてから、加熱用マントルヒーターをセットし、フラスコ中の分散液全体が攪拌される最低の回転数に適宜調節して攪拌しながら57℃まで1℃/1minで加熱し、57℃で30分間保持し、凝集粒子の粒径をコールターカウンター(日科機社製、TA II)で確認した。昇温停止後ただちに樹脂微粒子分散液(L1)を50重量部追加し、30分間保持したのち、系内のpHが6.5になるまで水酸化ナトリウム水溶液を加えてから、1℃/1minで97℃まで加熱した。昇温後、硝酸水溶液を加えて系内のpHを5.0にして、10時間保持して凝集粒子を加熱融合した。この後系内を50℃まで降温、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを12.0に調節して10分間保持した。その後フラスコから取り出し、イオン交換水を用いて充分にろ過、通水洗浄した後、さらに固形分量が10重量%となるようにイオン交換水中に分散し、硝酸を加えてpH3.0で10分間攪拌した後、再びイオン交換水を用いて充分にろ過、通水洗浄して得られたスラリーを凍結乾燥してブラックトナー(トナーBK1)を得た。
前記ブラック着色粒子に、ヘキサメチルジシラザン(以下、「HMDS」と略す場合がある)で表面疎水化処理した一次粒子平均粒径40nmのシリカ(SiO2)微粒子と、メタチタン酸とイソブチルトリメトキシシランの反応生成物である一次粒子平均粒径20nmのメタチタン酸化合物微粒子とを、それぞれ1重量%づつ添加し、ヘンシェルミキサーで混合し、ブラックトナーを作製した。
このようにして作製したトナーの累積体積平均粒径D50と体積平均粒度分布指標GSDvをレーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定した。体積平均粒径D50Vは5.9μmであった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は125〜135のポテト形状域であることを確認した。
(実施例B10)
−シアントナー(トナーBC1)の作製−
上記ブラックトナーと同様の方法で、ブラック顔料分散液(BK1)をシアン顔料分散液に変えた以外は同じくし、シアントナーを得た。シアントナーBC1の体積平均粒径D50Vは6.0μm、であった。このトナーの表面を走査電子顕微鏡(SEM)で、断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、樹脂、顔料及びその他添加剤が狙い通り融合されており、穴や凹凸などは見られず、顔料の分散状態も良好であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は125〜135のポテト形状域であることを確認した。本トナーにブラックトナーと同様に外添剤を外添しシアントナーを得た。
(実施例B11)
−イエロートナー(トナーBY1)の作製−
上記ブラックトナーと同様の方法で、ブラック顔料分散液(BK1)をイエロー顔料分散液に変えた以外は同じくし、イエロートナーを得た。イエロートナーBY1の体積平均粒径D50Vは5.7μmであった。このトナーの表面を走査電子顕微鏡(SEM)で、断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、樹脂、顔料及びその他添加剤が狙い通り融合されており、穴や凹凸などは見られず、顔料の分散状態も良好であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は125〜135のポテト形状域であることを確認した。本トナーにブラックトナーと同様に外添剤を外添し、シアントナーを得た。
(実施例B12)
−マゼンタトナー(トナーBM1)の作製−
上記ブラックトナーと同様の方法で、ブラック顔料分散液(BK1)をマゼンタ顔料分散液に変えた以外は同じくし、クロトナーを得た。マゼンタトナーBM1の体積平均粒径D50Vは6.0μm、であった。このトナーの表面を走査電子顕微鏡(SEM)で、断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、樹脂、顔料及びその他添加剤が狙い通り融合されており、穴や凹凸などは見られず、顔料の分散状態も良好であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は125〜135のポテト形状域であることを確認した。本トナーにブラックトナーと同様に外添剤を外添し、マゼンタトナーを得た。
(実施例B13)
−樹脂微粒子分散液B2を使用したトナーの作製−
実施例B9において、樹脂微粒子分散液をB2に換えた以外は同じくし、クロトナー(BK2)を得た。
(実施例B14)
−樹脂微粒子分散液B3を使用したトナーの作製−
実施例B9において、樹脂微粒子分散液をB3に換えた以外は同じくし、クロトナー(BK3)を得た。
(実施例B15)
−樹脂微粒子分散液B4を使用したトナーの作製−
実施例B9において、樹脂微粒子分散液をB4に換えた以外は同じくし、クロトナー(BK4)を得た。
(実施例B16)
−樹脂微粒子分散液B5を使用したトナーの作製−
実施例B9において、樹脂微粒子分散液をB5に換えた以外は同じくし、クロトナー(BK5)を得た。
(実施例B17)
−樹脂微粒子分散液B6を使用したトナーの作製−
実施例B9において、樹脂微粒子分散液をB6に換えた以外は同じくし、クロトナー(BK6)を得た。
(比較例B3’)
−樹脂微粒子分散液B7を使用したトナーの作製−
実施例B9において、樹脂微粒子分散液をB7に換え、さらに凝集温度85度、合一温度を103度にした以外は同じくし、クロトナー(BK7)を得た。
(実施例B19)
−樹脂微粒子分散液B8を使用したトナーの作製−
実施例B9において、樹脂微粒子分散液をB8に換えた以外は同じくし、クロトナー(BK8)を得た。
(比較例B3)
−樹脂微粒子分散液B9を使用したトナーの作製−
実施例B6において、樹脂微粒子分散液をB9に換えた以外は同じくし、クロトナー(BK9)を得た。
(比較例B4)
比較例B3において、顔料分散液をシアン顔料分散液に換えた以外は同じくし、シアントナー(BC9)を得た。
(比較例B5)
比較例B3において、顔料分散液をイエロー顔料分散液に換えた以外は同じくし、イエロートナー(BY9)を得た。
(比較例B6)
比較例B3において、顔料分散液をマゼンタ顔料分散液に換えた以外は同じくし、マゼンタトナー(BM9)を得た。
(比較例B7)
−樹脂微粒子分散液B10を使用したトナーの作製−
実施例B9において、樹脂微粒子分散液をB10に換え換えた以外は同じくし、トナー(BK10)を得た。
(現像剤の作製及び評価)
−キャリアの作製−
体積平均粒子径40μmのCu−Znフェライト微粒子100重量部にγ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.1重量部を含有するメタノール溶液を添加し、ニーダーで被覆した後、メタノールを留去し、さらに120℃で2時間加熱して上記シラン化合物を完全に硬化させた。この粒子に、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート−メチルメタクレート共重合体(共重合比40:60)をトルエンに溶解させたものを添加し、真空減圧型ニーダーを使用してパーフルオロオクチルエチルメタクリレート−メチルメタクレート共重合体のコーティング量が0.5重量%となるように樹脂被覆型キャリアを製造した。
−現像剤の作製−
上述のように作製したトナーそれぞれ4重量部を、得られた樹脂被覆型キャリア100重量部に混合して、静電荷像現像剤を作製した。これを以下に示すように現像剤として使用した。
−評価−
得られた現像剤を定着、画質の評価は富士ゼロックス社製Docu Centre Color500CP改造機を用いて画像形成を行い、定着温度、初期画質の画質評価を行った。この場合評価項目として最低定着温度は、トナー粒子が連続フィルム層を形成する加熱ローラの最低温度とし、オフセット発生温度は、オフセット現象が生ずる最低温度とし、さらに画質特性は画質むらを目視にて判断した。また、トナー画像強度についても評価した。結果を表4に示す。
・最低定着温度:
上記複写機にて未定着画像を作成した後、表層がテフロン(登録商標)で形成された直径30mmの熱ローラと、表層がシリコーンゴムで形成された圧着ローラとよりなる定着器により、64g/m2の転写紙に転写せしめた試料トナーによるトナー像を線速度70mm/秒、線圧0.8kg/cm、ニップ幅4.9mmで定着せしめる操作を、熱ローラの設定温度を80〜240℃の範囲内で5℃づつ段階的に高くして各温度において繰り返し、形成された定着画像に対してキムワイプ摺擦を施し、十分な耐摺擦性を示す定着画像に係り最低の設定温度をもって最低定着温度とした。なおここに用いた定着器はシリコーンオイル供給機構を有さぬものである。
・オフセット発生温度:
オフセット発生温度の測定は、最低定着温度の測定に準ずるが、上記複写機にて未定着画像を作成した後、トナー像を転写して上述の定着器により定着処理を行い、次いで白紙の転写紙を同様の条件下で定着器に送ってこれにトナー汚れが生ずるか否かを目視観察する操作を、前記定着器の熱ローラの設定温度を順次上昇させた状態で繰り返し、トナーによる汚れの生じた最低の設定温度をもってオフセット発生温度とした。評価基準は、以下の通りである。
最低定着温度120℃以下、かつオフセット発生温度230℃以上・・・・○
最低定着温度130℃以下、又はオフセット発生温度又は210℃以上・・・・△
最低定着温度150℃以下、又は/かつ、オフセット発生温度180℃以上・×
・画質特性
画質特性は画質むら(目視)を測定し、以下のように判定した。
画質にむらがない・・・◎
画質をよく観察すると、わずかにむらがある・・・○
画質にむらがある・・・△
画質に顕著なむらがある・・・×
・トナー画像強度
上記複写機にて25mm×25mmのソリッド画像出しを行い、未定着画像を得た。次いで、表面層がシリコーンゴムで形成された加熱ローラーおよびシリコーンゴム層をフッ素樹脂で被覆した加圧ローラーからなる外部定着機を用いて、定着温度を160℃にコントロールして定着した。その後、消しゴムによる20回擦りテストを行い、画像欠損度合を下記の基準により評価した。
○・・・画像欠損なし
△僅かな欠損、劣化が認められる
×劣化や欠損が明らかである
以上の結果より、本実施例では、重合工程において、上記共界面活性剤(2)又は(3)を添加することによって、その樹脂粒子分散液を安定に保持することができるばかりか、高分子量化や分散粒子径を狭い領域に制御することがわかる。さらに、その結果、該樹脂微粒子分散液を使用して作製した正電荷像現像用トナーは、狭い粒度分布を示すことがわかる。
また、ポリエステル樹脂を初めとする重縮合性樹脂など水中での重合が困難であったトナー用樹脂微粒子分散液は、従来製造上多大な環境負荷を有して製造されていたが、水中で一貫して製造することが可能となり、低環境負荷であるトナー製法であることがわかる。さらに、水中重合が不可能であった結晶性樹脂微粒子分散液を使用して製造されたトナーは、最低定着温度の低下を実現することができる。この際、他の非晶性樹脂が共存する場合、熔融時の粘弾性挙動と、結晶性樹脂の低温定着性を両立することができ、高性能かつ環境負荷の少ないトナーであることがわかる。
[実施例C]
(実施例C1)
<油相の作製>
1,9−ノナンジオール 10.0g
ドデカンジオニック酸 14.0g
スチレン 25g
ポリスチレン(Mw=4000) 2.5g
上記モノマー及びポリマーを130℃で加熱溶解させ均一な油相を作製した。
<水相1の作製>
ドデシルベンゼンスルホン酸 1.66g
水 200g
上記原料を混合して均一な水相を作製した。
<樹脂微粒子分散液C1の作製>
上記水溶液を調整し75℃恒温槽中で1時間攪拌した。上記水相を1リットルの容器に入れ、ウルトラタラックス(IKA社製)、8000rpmで3分攪拌した後、ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用い、吐出速度60(吐出圧力504kgf/cm2)で5パス分散し乳化物を得た。攪拌機を備えた1リットルのリアクターに上記乳化物を投入し窒素雰囲気下、70℃で24時間重縮合を実施した。この反応物を少量取り出し、下記種々の分析を実施したところ、この時点の重合体はほぼポリエステルであることが分った。作製したポリエステルの物性は以下である。
・GPCによる重量平均分子量 3500
・エステル転化率※ 81%
・プロトンNMRでのスチレンポリマーの重合収率 2%
・樹脂の示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)にて樹脂の熱特性を調べた所、75℃に融点示す結晶性ポリエステルである事が分った。
ここで、※エステル転化率は例えばM.Barrere,K.Landfester/Polymer 44(2003)2833−2841のp2836に記載に従い、NMRのケミカルシフト4.05ppmと3.6ppmの面積強度比から算出した。
上記で得られた樹脂微粒子分散液に0.8gの過硫酸アンモニウムを10gのイオン交換水に溶解した物を添加し窒素雰囲気下でさらに6時間重合を行った所、メジアン径0.4μmの安定な樹脂微粒子分散液を得た。同様に少量とりポリエステル/スチレン複合重合体の物性を測定した。
・GPCによるスチレンの重量平均分子量 500000
・GPCによるポリエステルの重量平均分子量 4000
・エステル転化率 84%
・プロトンNMRでのスチレンポリマーの重合収率 99%
・ポリエステルの融点 75℃
・ポリスチレンのガラス転移点 68℃
上記の様に得られた重合物はスチレンとポリエステルの複合粒子である事が確認された。
(実施例C3)
<油相の作製>
1,12−ドデカンジオール 4.6g
1,13−トリデカンジ酸 5.5g
スチレン 23.5g
ポリスチレン(Mw=500000) 17.5g
上記モノマーを150℃で加熱溶解させ均一な油相を作製した。
<水相の作製>
ドデシルベンゼンスルホン酸 1.66g
過硫酸アンモニウム 0.8g
水 200g
上記原料を混合して均一な水相を作製した。
<樹脂微粒子分散液C3の作製>
上記水溶液を調整し75℃恒温槽中で1時間攪拌した。上記水相を1リットルの容器に入れ、ウルトラタラックス(IKA社製)、8000rpmで3分攪拌した後、ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用い、吐出速度60(吐出圧力504kgf/cm2)で5パス分散し乳化物を得た。攪拌機を備えた1リットルのリアクターに上記乳化物を投入し窒素雰囲気下、70℃で24時間重縮合を実施した。この反応物を少量取り出し、下記種々の分析を実施したところ、この時点の重合体はほぼポリエステルであることが分った。作製したポリエステルの物性は以下である。
・GPCによる重量平均分子量 3400
・樹脂の示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)にて樹脂の熱特性を調べた所、70℃に融点示す結晶性ポリエステルである事が分った。
上記で得られた樹脂微粒子分散液に0.8gの過硫酸カリウムを10gのイオン交換水に溶解した物を添加し窒素雰囲気下でさらに6時間重合を行った所、メジアン径1.2μmの安定な樹脂微粒子分散液を得た。同様に少量とりポリエステル/スチレン複合重合体の物性を測定した。
・GPCによるスチレンの重量平均分子量 490000
・GPCによるポリエステルの重量平均分子量 3500
・・プロトンNMRでのスチレンポリマーの重合収率 99%
・ポリエステルの融点 65℃
・ポリスチレンのガラス転移点 76℃
上記の様に得られた重合物はスチレンとポリエステルの複合粒子である事が確認された
(実施例C4)
<油相の作製>
1、4ブタンジオール 10.0g
アゼライン酸 14.0g
スチレン 25g
ポリスチレン(Mw=4000) 2.5g
上記モノマー及びポリマーを130℃で加熱溶解させ均一な油相を作製した。
<水相の作製>
ドデシルベンゼンスルホン酸 1.66g
水 200g
上記原料を混合して均一な水相を作製した。
<樹脂微粒子分散液C4の作製>
上記水溶液を調整し75℃恒温槽中で1時間攪拌した。上記水相を1リットルの容器に入れ、ウルトラタラックス(IKA社製)、8000rpmで3分攪拌した後、ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用い、吐出速度60(吐出圧力504kgf/cm2)で5パス分散し乳化物を得た。攪拌機を備えた1リットルのリアクターに上記乳化物を投入し窒素雰囲気下、70℃で24時間重縮合を実施した。この反応物を少量取り出し、下記種々の分析を実施したところ、この時点の重合体はほぼポリエステルであることが分った。作製したポリエステルの物性は以下である。
・GPCによる重量平均分子量 4300
・エステル転化率※ 68%
・プロトンNMRでのスチレンポリマーの重合収率 2%
・樹脂の示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)にて樹脂の熱特性を調べた所、72℃に融点示す結晶性ポリエステルである事が分った。
上記で得られた樹脂微粒子分散液に0.8gの過硫酸アンモニウムを10gのイオン交換水に溶解した物を添加し窒素雰囲気下でさらに6時間重合を行った所、メジアン径0.3μmの樹脂微粒子分散液を得た。同様に少量とりポリエステル/スチレン複合重合体の物性を測定した。
・GPCによるスチレンの重量平均分子量 460000
・GPCによるポリエステルの重量平均分子量 4300
・エステル転化率 68%
・プロトンNMRでのスチレンポリマーの重合収率 99%
・ポリエステルの融点 48℃
・ポリスチレンのガラス転移点 67℃
上記の様に得られた重合物はスチレンとポリエステルの複合粒子である事が確認された。
(実施例C5)
<油相の作製>
1,9−ノナンジオール 10.0g
ドデカンジオニック酸 14.0g
スチレン 25g
ポリスチレン(Mw=4000) 2.5g
上記モノマー及びポリマーを130℃で加熱溶解させ均一な油相を作製した。
<水相の作製>
ドデシルベンゼンスルホン酸 1.66g
水 200g
上記原料を混合して均一な水相を作製した。
<樹脂微粒子分散液C5の作製>
上記水溶液を調整し75℃恒温槽中で1時間攪拌した。上記水相を1リットルの容器に入れ、ウルトラタラックス(IKA社製)、3000rpmで1分攪拌し乳化物を得た。攪拌機を備えた1リットルのリアクターに上記乳化物を投入し窒素雰囲気下、70℃で24時間重縮合を実施した。この反応物を少量取り出し、下記種々の分析を実施したところ、この時点の重合体はほぼポリエステルであることが分った。作製したポリエステルの物性は以下である。
・GPCによる重量平均分子量 3600
・エステル転化率※ 54%
・プロトンNMRでのスチレンポリマーの重合収率 4%
・樹脂の示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)にて樹脂の熱特性を調べた所、72℃に融点示す結晶性ポリエステルである事が分った。
上記で得られた樹脂微粒子分散液に0.8gの過硫酸アンモニウムを10gのイオン交換水に溶解した物を添加し窒素雰囲気下でさらに6時間重合を行った所、メジアン径3.8μmの樹脂微粒子分散液を得た。同様に少量とりポリエステル/スチレン複合重合体の物性を測定した。
・GPCによるスチレンの重量平均分子量 460000
・GPCによるポリエステルの重量平均分子量 3500
・エステル転化率 54%
・プロトンNMRでのスチレンポリマーの重合収率 99%
・ポリエステルの融点 75℃
・ポリスチレンのガラス転移点 67℃
上記の様に得られた重合物はスチレンとポリエステルの複合粒子である事が確認された。
(比較例C1)
<油相の作製>
1,9−ノナンジオール 10.0g
ドデカンジオニック酸 14.0g
スチレン 25g
上記モノマー及びポリマーを130℃で加熱溶解させ均一な油相を作製した。
<水相の作製>
ドデシルベンゼンスルホン酸 1.66g
水 200g
上記原料を混合して均一な水相を作製した。
<樹脂微粒子分散液C6の作製>
上記水溶液を調整し75℃恒温槽中で1時間攪拌した。上記水相を1リットルの容器に入れ、ウルトラタラックス(IKA社製)、8000rpmで3分攪拌した後、ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用い、吐出速度60(吐出圧力504kgf/cm2)で5パス分散し乳化物を得た。ドロップレットの体積平均径は1.6μmであった。攪拌機を備えた1リットルのリアクターに上記乳化物を投入し窒素雰囲気下、70℃で24時間重縮合を実施した。この反応物を少量取り出し、下記種々の分析を実施したところ、この時点の重合体はほぼポリエステルであることが分った。作製したポリエステルの物性は以下である。
・GPCによる重量平均分子量 2100
・エステル転化率※ 26%
・プロトンNMRでのスチレンポリマーの重合収率 6%
・樹脂の示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)にて樹脂の熱特性を調べた所、72℃に融点示す結晶性ポリエステルである事が分った。
上記で得られた樹脂微粒子分散液に0.8gの過硫酸アンモニウムを10gのイオン交換水に溶解した物を添加し窒素雰囲気下でさらに6時間重合を行った所、メジアン径4.5μmの樹脂微粒子分散液を得た。同様に少量とりポリエステル/スチレン複合重合体の物性を測定した。
・GPCによるスチレンの重量平均分子量 570000
・GPCによるポリエステルの重量平均分子量 2300
・エステル転化率 32%
・プロトンNMRでのスチレンポリマーの重合収率 97%
・ポリエステルの融点 72℃
・ポリスチレンのガラス転移点 69℃
上記の様に得られた重合物はスチレン/ポリエステルの複合粒子である事が確認された。
(比較例C2)
<油相の作製>
1,9−ノナンジオール 8.0g
ドデカンジオニック酸 10.2g
スチレン 20g
ポリスチレン(Mw=2000000) 17.5g
上記モノマー及びポリマーを150℃で加熱溶解させ均一な油相を作製した。
<水相の作製>
ドデシルベンゼンスルホン酸 1.66g
過硫酸アンモニウム 0.8g
水 200g
上記原料を混合して均一な水相を作製した。
<樹脂微粒子分散液C7の作製>
上記水溶液を調整し75℃恒温槽中で1時間攪拌した。上記水相を1リットルの容器に入れ、ウルトラタラックス(IKA社製)、8000rpmで3分攪拌した後、ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用い、吐出速度60(吐出圧力504kgf/cm2)で5パス分散し乳化物を得た。ドロップレットの体積平均径は1.6μmであった。攪拌機を備えた1リットルのリアクターに上記乳化物を投入し窒素雰囲気下、70℃で24時間重縮合を実施した。この反応物を少量取り出し、下記種々の分析を実施したところ、この時点の重合体はほぼポリエステルであることが分った。作製したポリエステルの物性は以下である。
・GPCによる重量平均分子量 2400
・エステル転化率※ 38%
・プロトンNMRでのスチレンポリマーの重合収率 6%
・樹脂の示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)にて樹脂の熱特性を調べた所、71℃に融点示す結晶性ポリエステルである事が分った。
上記で得られた樹脂微粒子分散液に0.8gの過硫酸アンモニウムを10gのイオン交換水に溶解した物を添加し窒素雰囲気下でさらに6時間重合を行った所、メジアン径4.5μmの安定な樹脂微粒子分散液を得た。同様に少量とりポリエステル/スチレン複合重合体の物性を測定した。
・GPCによるスチレンの重量平均分子量 1530000
・GPCによるポリエステルの重量平均分子量 2500
・プロトンNMRでのスチレンポリマーの重合収率 99%
・ポリスチレンのガラス転移点 101℃
上記の様に得られた重合物はスチレン/ポリエステルの複合粒子である事が確認された。
(比較例C3)
<油相の作製>
1,9−ノナンジオール 10.0g
ドデカンジオニック酸 14.0g
スチレン 25g
ポリスチレン(Mw=300) 5g
上記モノマー及びポリマーを130℃で加熱溶解させ均一な油相を作製した。
<水相の作製>
ドデシルベンゼンスルホン酸 1.66g
水 200g
上記原料を混合して均一な水相を作製した。
<樹脂微粒子分散液C8の作製>
上記水溶液を調整し75℃恒温槽中で1時間攪拌した。上記水相を1リットルの容器に入れ、ウルトラタラックス(IKA社製)、8000rpmで3分攪拌した後、ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用い、吐出速度60(吐出圧力504kgf/cm2)で5パス分散し乳化物を得た。ドロップレットの体積平均径は1.1μmであった。攪拌機を備えた1リットルのリアクターに上記乳化物を投入し窒素雰囲気下、70℃で24時間重縮合を実施した。この反応物を少量取り出し、下記種々の分析を実施したところ、この時点の重合体はほぼポリエステルであることが分った。作製したポリエステルの物性は以下である。
・GPCによる重量平均分子量 2900
・エステル転化率※ 32%
・プロトンNMRでのスチレンポリマーの重合収率 5%
・樹脂の示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)にて樹脂の熱特性を調べた所、73℃に融点示す結晶性ポリエステルである事が分った。
上記で得られた樹脂微粒子分散液に0.8gの過硫酸アンモニウムを10gのイオン交換水に溶解した物を添加し窒素雰囲気下でさらに6時間重合を行った所、メジアン径4.1μmの樹脂微粒子分散液を得た。同様に少量とりポリエステル/スチレン複合重合体の物性を測定した。
・GPCによるスチレンの重量平均分子量 590000
・GPCによるポリエステルの重量平均分子量 3100
・エステル転化率 34%
・プロトンNMRでのスチレンポリマーの重合収率 99%
・ポリエステルの融点 74℃
上記の様に得られた重合物はスチレン/ポリエステルの複合粒子である事が確認された。
以上の樹脂微粒子分散液について、分散液の安定性、及びその粒度分布について評価した。その結果を、分散液の特性と共に表5に示す。
−樹脂微粒子分散液の安定性の判定−
樹脂微粒子分散液の安定性を以下のような判断基準の下に判定した。作製したラテックスを300ccのガラス瓶に150cc入れ、60℃の恒温槽中に1週間放置した。1週間後のラテックスの安定性を以下で判断した。判断基準は以下の通りである。なお、〇を合格とした。
〇・・・沈降、分離無く良好な分散性を示す
△・・・・やや分離が見られる
×・・・・沈降、分離あり
−樹脂微粒子分散液の粒度分布の判定−
樹脂微粒子分散液の粒度分布を以下のような判断基準の下に判定した樹脂微粒子分散液の粒度分布を算術平均標準偏差値をレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定し、以下のような判断基準の下に判定した。判断基準は以下の通りである。なお、〇を合格とした。
〇・・・・算術平均標準偏差値が1.0以下
△・・・・算術平均標準偏差値が1.0〜5.0
×・・・・算術平均標準偏差値が5.0以上
次に、以上作製した樹脂微粒子分散液を使用して、以下のようにトナーを作製した。トナーに用いる各材料は以下のように調整したものを用いた。
(離型剤微粒子分散液(CW1)の調製)
・ポリエチレンワックス ・・・・30重量部
(東洋ペトロライト社製、Polywax725、融点103℃)
・カチオン性界面活性剤(花王社製、サニゾールB50) ・・・・3重量部
・イオン交換水 ・・・・67重量部
上記成分をホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で95℃に加熱しながら十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製、ゴーリンホモジナイザー)で分散処理し、離型剤微粒子分散液(W1)を調整した。得られた分散液中の離型剤微粒子の個数平均粒子径D50nは310nmであった。その後イオン交換水を加えて、分散液の固形分濃度を30%に調整した。
(マゼンタ顔料分散液(CM1)の調整)
・マゼンタ顔料(大日精化工業社製、PR122(キナクリドン))20重量部
・アニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR) ・・・・2重量部
・イオン交換水 ・・・・78重量部
上記成分をホモジナイザー(LKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて、3000rpmで2分間、顔料を水になじませ、さらに5000回転で10分間分散後、通常の攪拌器で1昼夜攪拌させて脱泡した後、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン社製、HJP30006)を用いて、圧力240MPaで約1時間分散させてマゼンタ顔料分散液(CM1)を得た。分散液中の顔料の数平均粒子径D50nは106nmであった。その後イオン交換水を加えて分散液の固形分濃度を15%に調整した。
(シアン顔料分散液(CC1)の調整)
・シアン顔料(大日精化工業社製、PB15:3) ・・・・20重量部
・アニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR) ・・・・2重量部
・イオン交換水 ・・・・78重量部
上記成分を、マゼンタ顔料分散液(CM1)と同様にして調整し、シアン顔料分散液を得た。分散液中の顔料の数平均粒子径D50nは121nmであった。その後イオン交換水を加えて分散液の固形分濃度を15%に調整した。
(イエロー顔料分散液(CY1)の調整)
・イエロー顔料(クラリアントジャパン社製、PY74) ・・・・20重量部
・アニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR) ・・・・2重量部
・イオン交換水 ・・・・78重量部
上記成分を、マゼンタ顔料分散液(CM1)と同様にして調整し、イエロー顔料分散液を得た。分散液中の顔料の数平均粒子径D50nは118nmであった。その後イオン交換水を加えて分散液の固形分濃度を15%に調整した。
(ブラック顔料分散液(CK1)の調整)
・カーボンブラック(キャボット社製、リーガル330) ・・・・20重量部
・アニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR) ・・・・2重量部
・イオン交換水 ・・・・78重量部
上記成分を、マゼンタ顔料分散液(CM1)と同様にして調整し、ブラック顔料分散液を得た。分散液中の顔料の数平均粒子径D50nは120nmであった。その後イオン交換水を加えて分散液の固形分濃度を15%に調整した。
(実施例C6)
−樹脂微粒子分散液C1を使用したトナーの作製−
樹脂微粒子分散液1にイオン交換水を加えて、分散液中の固形分濃度を40%に調整した。固形分濃度は、3gの分散液を秤量し、130℃、30分加熱して水分を揮発させ残留した乾燥物の重量から算出した。
−ブラックトナー(トナーCK1)の作製−
・樹脂微粒子分散液C1・・・160重量部
・離型剤微粒子分散液(CW1)・・・33重量部(トナーに対して10重量%)
・ブラック顔料分散液(CK1)・・60重量部(トナーに対して9重量%)
・ポリ塩化アルミニウム10重量%水溶液・・・15重量部
(浅田化学社製、PAC100W)
・1%硝酸水溶液 ・・・3重量部
上記成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中で、ホモジナイザー(LKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて5000rpmで3分間分散した後、前記フラスコに磁力シールを有した攪拌装置、温度計とpH計を具備した蓋をしてから、加熱用マントルヒーターをセットし、フラスコ中の分散液全体が攪拌される最低の回転数に適宜調節して攪拌しながら48℃まで1℃/1minで加熱し、48℃で30分間保持し、凝集粒子の粒径をコールターカウンター(日科機社製、TA II)で確認した。昇温停止後ただちに樹脂微粒子分散液(L1)を50重量部追加し、30分間保持したのち、系内のpHが6.5になるまで水酸化ナトリウム水溶液を加えてから、1℃/1minで97℃まで加熱した。昇温後、硝酸水溶液を加えて系内のpHを5.0にして、10時間保持して凝集粒子を加熱融合した。この後系内を50℃まで降温、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを12.0に調節して10分間保持した。その後フラスコから取り出し、イオン交換水を用いて充分にろ過、通水洗浄した後、さらに固形分量が10重量%となるようにイオン交換水中に分散し、硝酸を加えてpH3.0で10分間攪拌した後、再びイオン交換水を用いて充分にろ過、通水洗浄して得られたスラリーを凍結乾燥してブラックトナー(トナーCK1)を得た。
前記ブラック着色粒子に、ヘキサメチルジシラザン(以下、「HMDS」と略す場合がある)で表面疎水化処理した一次粒子平均粒径40nmのシリカ(SiO2)微粒子と、メタチタン酸とイソブチルトリメトキシシランの反応生成物である一次粒子平均粒径20nmのメタチタン酸化合物微粒子とを、それぞれ1重量%づつ添加し、ヘンシェルミキサーで混合し、ブラックトナーを作製した。
このようにして作製したトナーの累積体積平均粒径D50と体積平均粒度分布指標GSDvをレーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定した。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は125〜135のポテト形状域であることを確認した。
(実施例C7)
−シアントナー(トナーCC1)の作製−
上記ブラックトナーと同様の方法で、ブラック顔料分散液(CK1)をシアン顔料分散液に変えた以外は同じくし、シアントナーを得た。シアントナーCC1の体積平均粒径D50Vは5.6μm、であった。このトナーの表面を走査電子顕微鏡(SEM)で、断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、樹脂、顔料及びその他添加剤が狙い通り融合されており、穴や凹凸などは見られず、顔料の分散状態も良好であった。本トナーにブラックトナーと同様に外添剤を外添しシアントナーを得た。
(実施例C8)
−イエロートナー(トナーCY1)の作製−
上記ブラックトナーと同様の方法で、ブラック顔料分散液(CK1)をイエロー顔料分散液に変えた以外は同じくし、イエロートナーを得た。イエロートナーCY1の体積平均粒径D50Vは5.6μmであった。このトナーの表面を走査電子顕微鏡(SEM)で、断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、樹脂、顔料及びその他添加剤が狙い通り融合されており、穴や凹凸などは見られず、顔料の分散状態も良好であった。また、このトナーの形状係数SF1をルーゼクス画像解析装置で測定したところ134であり、形状の分布もとくに見られなかった。本トナーにブラックトナーと同様に外添剤を外添し、シアントナーを得た。
(実施例C9)
−マゼンタトナー(トナーCM1)の作製−
上記ブラックトナーと同様の方法で、ブラック顔料分散液(CK1)をマゼンタ顔料分散液に変えた以外は同じくし、クロトナーを得た。マゼンタトナーCM1の体積平均粒径D50Vは5.5μm、であった。このトナーの表面を走査電子顕微鏡(SEM)で、断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、樹脂、顔料及びその他添加剤が狙い通り融合されており、穴や凹凸などは見られず、顔料の分散状態も良好であった。また、このトナーの形状係数SF1をルーゼクス画像解析装置で測定したところ132であり、形状の分布もとくに見られなかった。本トナーにブラックトナーと同様に外添剤を外添し、クロトナーを得た。
(実施例C11)
−樹脂微粒子分散液C3を使用したトナーの作製−
実施例C6において、樹脂微粒子分散液をC3に換えた以外は同じくし、クロトナー(CK3)を得た。
(実施例C12)
(樹脂微粒子分散液C4を使用したトナーの作製)
実施例C6において、樹脂微粒子分散液をC4に換えた以外は同じくし、クロトナー(CK4)を得た。
(実施例C13)
(樹脂微粒子分散液C5を使用したトナーの作製)
実施例C6において、樹脂微粒子分散液をC5に換えた以外は同じくし、クロトナー(CK5)を得た。
(比較例C4)
−樹脂微粒子分散液C6を使用したトナーの作製−
実施例C6において、樹脂微粒子分散液をC6に換えた以外は同じくし、クロトナー(CK6)を得た。
(比較例C5)
比較例C4において、顔料分散液をシアン顔料分散液に換えた以外は同じくし、シアントナー(CC6)を得た。
(比較例C6)
比較例C4において、顔料分散液をイエロー顔料分散液に換えた以外は同じくし、シアントナー(CC6)を得た。
(比較例C7)
比較例C4において、顔料分散液をマゼンタ顔料分散液に換えた以外は同じくし、シアントナー(CC6)を得た。
(比較例C8)
−樹脂微粒子分散液C7を使用したトナーの作製−
実施例C6において、樹脂微粒子分散液をC7に換え、さらに凝集温度85度、合一温度を103度にした以外は同じくし、トナー(CK7)を得た。
(比較例C9)
−樹脂微粒子分散液C8を使用したトナーの作製−
実施例C6において、樹脂微粒子分散液をC8に換えた以外は同じくし、クロトナー(CK8)を得た。
(現像剤の作製及び評価)
−キャリアの作製−
体積平均粒子径40μmのCu−Znフェライト微粒子100重量部にγ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.1重量部を含有するメタノール溶液を添加し、ニーダーで被覆した後、メタノールを留去し、さらに120℃で2時間加熱して上記シラン化合物を完全に硬化させた。この粒子に、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート−メチルメタクレート共重合体(共重合比40:60)をトルエンに溶解させたものを添加し、真空減圧型ニーダーを使用してパーフルオロオクチルエチルメタクリレート−メチルメタクレート共重合体のコーティング量が0.5重量%となるように樹脂被覆型キャリアを製造した。
−現像剤の作製−
上述のように作製したトナーそれぞれ4重量部を、得られた樹脂被覆型キャリア100重量部に混合して、静電荷像現像剤を作製した。これを以下に示すように現像剤として使用した。
−評価−
得られた現像剤を定着、画質の評価は富士ゼロックス社製Docu Centre Color500CP改造機を用いて画像形成を行い、定着温度、初期画質の画質評価を行った。この場合評価項目として最低定着温度は、トナー粒子が連続フィルム層を形成する加熱ローラの最低温度とし、オフセット発生温度は、オフセット現象が生ずる最低温度とし、さらに画質特性は画質むらを目視にて判断した。また、トナー画像強度についても評価した。結果を表6に示す。
・最低定着温度:
上記複写機にて未定着画像を作成した後、表層がテフロン(登録商標)で形成された直径30mmの熱ローラと、表層がシリコーンゴムで形成された圧着ローラとよりなる定着器により、64g/m2の転写紙に転写せしめた試料トナーによるトナー像を線速度70mm/秒、線圧0.8kg/cm、ニップ幅4.9mmで定着せしめる操作を、熱ローラの設定温度を80〜240℃の範囲内で5℃づつ段階的に高くして各温度において繰り返し、形成された定着画像に対してキムワイプ摺擦を施し、十分な耐摺擦性を示す定着画像に係り最低の設定温度をもって最低定着温度とした。なおここに用いた定着器はシリコーンオイル供給機構を有さぬものである。
・オフセット発生温度:
オフセット発生温度の測定は、最低定着温度の測定に準ずるが、上記複写機にて未定着画像を作成した後、トナー像を転写して上述の定着器により定着処理を行い、次いで白紙の転写紙を同様の条件下で定着器に送ってこれにトナー汚れが生ずるか否かを目視観察する操作を、前記定着器の熱ローラの設定温度を順次上昇させた状態で繰り返し、トナーによる汚れの生じた最低の設定温度をもってオフセット発生温度とした。評価基準は、以下の通りである。
最低定着温度120℃以下、かつオフセット発生温度230℃以上・・・・○
最低定着温度130℃以下、又はオフセット発生温度又は210℃以上・・・・△
最低定着温度150℃以下、又は/かつ、オフセット発生温度180℃以上・×
・画質特性
画質特性は画質むら(目視)を測定し、以下のように判定した。
画質にむらがない・・・◎
画質をよく観察すると、わずかにむらがある・・・○
画質にむらがある・・・△
画質に顕著なむらがある・・・×
・トナー画像強度
上記複写機にて25mm×25mmのソリッド画像出しを行い、未定着画像を得た。次いで、表面層がシリコーンゴムで形成された加熱ローラーおよびシリコーンゴム層をフッ素樹脂で被覆した加圧ローラーからなる外部定着機を用いて、定着温度を160℃にコントロールして定着した。その後、消しゴムによる20回擦りテストを行い、画像欠損度合を下記の基準により評価した。
○・・・画像欠損なし
△僅かな欠損、劣化が認められる
×劣化や欠損が明らかである
以上の結果より、本実施例では、重合工程において、上記共界面活性剤(4)を添加することによって、その樹脂粒子分散液を安定に保持することができるばかりか、高分子量化、及び分散粒子径を狭い領域に制御することができることがわかる。さらに、その結果、該樹脂微粒子分散液を使用して作製した正電荷像現像用トナーは、狭い粒度分布を示すことがわかる。
また、ポリエステル樹脂を初めとする重縮合性樹脂など水中での重合が困難であったトナー用樹脂微粒子分散液は、従来製造上多大な環境負荷を有して製造されていたが、水中で一貫して製造することが可能となり、低環境負荷であるトナー製法であることがわかる。さらに、水中重合が不可能であった結晶性樹脂微粒子分散液を使用して製造されたトナーは、最低定着温度の低下を実現することができる。この際、他の非晶性樹脂が共存する場合、熔融時の粘弾性挙動と、結晶性樹脂の低温定着性を両立することができ、高性能かつ環境負荷の少ないトナーであることがわかる。
[実施例D]
共界面活性剤として、ステアリルメタクリレートとセチルアルコールを1:1の重量比で併用した場合、およびポリスチレン(Mw5000)とステアリルメタクリレートを1:1の重量比で併用したところ、各実施例と同様な結果が得られた。

Claims (8)

  1. 水系媒体中で少なくとも重縮合性単量体を重縮合して得られたポリエステル樹脂微粒子、及び共界面活性剤が分散された静電荷像現像用トナー用の樹脂微粒子分散液であって、
    前記共界面活性剤として、下記共界面活性剤(1)〜(4)の少なくとも1種を含有することを特徴とする樹脂微粒子分散液。
    ・共界面活性剤(1):炭素数3〜14の多価カルボン酸又はそれらのアルキルエステルと炭素数3〜15の多価アルコール又はそれらのエステル化合物との重縮合物であって、且つ重量平均分子量MWが2000〜100000である共界面活性剤。
    ・共界面活性剤(2):下記構造(2)からなる共界面活性剤。


    (構造(2)中、R1は、水素原子、又はメチル基を示す。R2は炭素数5〜24の直鎖又は分岐アルキル基を示す。)
    ・共界面活性剤(3):下記構造(3)を有し、且つ重量平均分子量Mwが500〜100000である共界面活性剤。


    (構造(3)中、R1は、水素原子、又はメチル基を示す。R2は炭素数5〜24の直鎖又は分岐アルキル基を示す。)
    ・共界面活性剤(4):下記構造(4)を有し、且つ重量平均分子量Mwが500〜1000000である共界面活性剤。



    (構造(4)中、R1は、水素原子、又はメチル基を示す。)
  2. 前記共界面活性剤は、水系媒体中の単量体総量に対し0.1〜40重量%含有することを特徴とする請求項1の樹脂微粒子分散液。
  3. 前記樹脂微粒子のメジアン径は、0.05〜2μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂微粒子分散液。
  4. 前記樹脂微粒子は、ガラス転移温度が40℃以上100℃未満である非晶性樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の樹脂微粒子分散液。
  5. 前記樹脂微粒子は、融点が50℃以上150℃以下の範囲である結晶性樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の樹脂微粒子分散液。
  6. 水系媒体中で少なくとも重縮合性単量体を重縮合して得られたポリエステル樹脂微粒子、及び下記共界面活性剤(1)〜(4)の少なくとも1種が分散された静電荷像現像用トナー用の樹脂微粒子分散液を製造する樹脂微粒子分散液の製造方法であって、
    前記重縮合性単量体及び前記共界面活性剤を水系媒体中で乳化又は分散する工程と、前記重縮合性単量体を水系媒体中で重縮合する重縮合工程と、とを含む、ことを特徴とする樹脂微粒子分散液の製造方法。
    ・共界面活性剤(1):炭素数3〜14の多価カルボン酸又はそれらのアルキルエステルと炭素数3〜15の多価アルコール又はそれらのエステル化合物との重縮合物であって、且つ重量平均分子量MWが2000〜100000である共界面活性剤。
    ・共界面活性剤(2):下記構造(2)からなる共界面活性剤。


    (構造(2)中、R1は、水素原子、又はメチル基を示す。R2は炭素数5〜24の直鎖又は分岐アルキル基を示す。)
    ・共界面活性剤(3):下記構造(3)を有し、且つ重量平均分子量Mwが500〜100000である共界面活性剤。


    (構造(3)中、R1は、水素原子、又はメチル基を示す。R2は炭素数5〜24の直鎖又は分岐アルキル基を示す。)
    ・共界面活性剤(4):下記構造(4)を有し、且つ重量平均分子量Mwが500〜1000000である共界面活性剤。



    (構造(4)中、R1は、水素原子、又はメチル基を示す。)
  7. 請求項1〜5のいずれか1に記載の樹脂微粒子分散液を用い、当該分散液中の樹脂微粒子を凝集させた後、加熱溶融することで得られる、ことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂微粒子分散液を用い、当該分散液中の樹脂微粒子を凝集させた後、加熱溶融する、ことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
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