(実施の形態1)
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る操作装置の構成を示す三面図であり、(a)に平面視を示し、(b)の側面視を示し、(c)に後面視を示してある。図2は、本発明の実施の形態1に係る操作装置の内部構成を示す断面図であり、図1(c)と同じ後面視で左半分の一部を破断して内部構成を図示したものである。図3及び図4は、本発明の実施の形態1に係る操作装置の構成を示す側面図であり、図1(b)と同じ側面視で操作装置を構成する部品を(a)から(d)へ順に外した状態を図示したものである。本実施の形態に係る操作装置は、例えば車輌の運転席周辺のインストルメントパネルに配されて、エアコン又はオーディオ装置等の操作を行うためのものである。
図において1は車輌のインストルメントパネルの外装部分であり、本実施の形態に係る操作装置は外装部分1上にモード切替スイッチ10及びダイヤルスイッチ20が積層して配設された外観をなしている。モード切替スイッチ10は平面視で略卵形の板状をなしており、外装部分1上に配され、約60°程度の範囲内でユーザが回動操作することができるようにしてある。ダイヤルスイッチ20は円筒状をなしており、モード切替スイッチ10の上側に配され、回転不可能に固定された固定軸30の周囲を時計回り及び反時計回りに360°又はそれ以上の範囲でユーザが回動操作することができるようにしてある。なお、ダイヤルスイッチ20の回動軸とモード切替スイッチ10の回動軸とは一致するようにしてあり、回動軸は固定軸30の中心軸に一致するようにしてある。
外装部分1には3つのモードマーク2〜4が描かれており、モード切替スイッチ10の先細の先端部分10aが3つのモードマーク2〜4のいずれかを指し示すようにモード切替スイッチ10を回動操作することにより、モードを切り替えることができるようにしてある。例えば操作装置がエアコンを操作するためのものである場合、モードマーク2として"風向"の文字列を付し、モードマーク3として"風量"の文字列を付し、モードマーク4として"温度"の文字列を付しておく。モード切替スイッチ10の先端部分10aが"風向"を指し示すように回動させた場合には、操作装置は風向調整モードとなり、ユーザはダイヤルスイッチ20を回動操作することによってエアコンの風向を調整することができる。他のモードも同様である。
本実施の形態に係る操作装置のモード切替スイッチ10、ダイヤルスイッチ20、固定軸30及びその他の部品は、基板50上に組み立てられて配設されている。基板50には、ダイヤルスイッチ20の回動を検知するロータリエンコーダ51と、モード切替スイッチ10の回動によるモードの切り替えを検知する切替検知素子52とがその他の電気部品(図示は省略する)と共に配設してある。基板50にはロータリエンコーダ51、切替検知素子52及びその他の電気分により電気回路が構成されて、操作装置に与えられたユーザの操作を電気信号に変換して種々の処理を行うことができるようにしてある。
ロータリエンコーダ51は、円筒状をなしており、基板50にネジ止め及びはんだ付け等で機械的且つ電気的に固定接続してある。固定軸30は、径の大きい円板部31と径の小さい円柱部32とが同軸に連結された態様をなしており、円板部31側の一端が外部に露出すると共に、円柱部32側の他端がロータリエンコーダ51の筒内を通して基板50に固定してある。ただし、ロータリエンコーダ51は回転を検知するための円筒状の回転子51aを有しているが、固定軸30の円柱部32が回転子51aの内周面に接触しないようにしてあり、円柱部32が回転子51aの回転を妨げることがないようにしてある。
ダイヤルスイッチ20は、ユーザが触れて操作を行うために外部に露出した操作部21と、ロータリエンコーダ51の回転子51aに操作部21を連結するための連結部22とを備えている。操作部21及び連結部22は別部品として製造され、組み立てられて1つのダイヤルスイッチ20をなすようにしてある。操作部21は、径の大きい部分21a及び径の小さい部分21bを有しており、径の大きい部分21aは固定軸30の円板部31の径より若干大きい内径にしてあり、径の小さい部分21bは固定軸30の円柱部32の径より若干大きい内径にしてある。また、操作部21の径の小さい部分21bの長さは、固定軸30の円柱部32の長さより短い。よって、操作部21の径の大きい部分21aに固定軸30の円板部31を収容した状態で、操作部21の径の小さい部分21bを固定軸30の円柱部32が挿通することができるようにしてある。
連結部22は固定軸30の円柱部32の径より若干大きい内径を有する筒体であり、連結部22の一端を操作部21の径の小さい部分21bに内嵌して固定することができるようにしてある。このため、連結部22の一端側の外周面には係合爪22aが設けてあり、操作部21の径の小さい部分21bの内周面には係合爪22aに係合する凹部が形成してある。また、連結部22の他端は、ロータリエンコーダ51の回転子51aに外嵌して固定することができる形状にしてある。よって、連結部22の一端に操作部21を固定し、他端にロータリエンコーダ51の回転子51aを固定した状態では、ユーザによる操作部21の回動操作に伴って回転子51aが回動し、ロータリエンコーダ51が操作部21の回動を検知することができる。また、固定軸30は、ダイヤルスイッチ20の操作部21及び連結部22を挿通し、ロータリエンコーダ51を挿通して基板50に固定してある。
また、ダイヤルスイッチ20の連結部22には、円環状をなす金属製のばね部材40が外嵌して固定してある。連結部22の軸方向に関してばね部材40の長さは連結部22の長さより十分に小さい。連結部22におけるばね部材40の固定位置は、ダイヤルスイッチ20の操作部21に内嵌する一端部分と、ロータリエンコーダ51に外嵌する他端部分との間の位置にしてある。ばね部材40は、連結部に外嵌する円環部41と、円環部41の外周からラジアル方向へ突出するように形成された板ばね部42とを有している。なお、図中では板ばね部42を1つのみ図示してあるが、実際にはばね部材40は2つの板ばね部42を有しており、2つの板ばね部42は円環部41の中心から反対の位置にそれぞれ形成してある。板ばね部42は、金属製の円環部41の一部を金属加工により外側へ突出させたものであり、円環部41の外側へ向けて付勢されている。
また、実施の形態1に係る操作装置は、ダイヤルスイッチ20の連結部22が挿通可能な円筒状をなすクリック数変更部材60を備えている。図5は、本発明の実施の形態1に係る操作装置のクリック数変更部材60の構成を示す模式的斜視図である。クリック数変更部材60は、円筒部61と、円筒部61の外周面からラジアル方向に突出して設けられた2つの支軸部64とを有している。円筒部61の内周面には、軸方向の略中央を境界として、一側に第1クリック面62が形成してあり、他側に第2クリック面63が形成してある。
第1クリック面62及び第2クリック面63は円筒部61の内周の周方向に所定間隔で凹部又は凸部が複数形成されたものであり、この凹部又は凸部が上述のばね部材40に形成された板ばね部42に係合する形状にしてある。例えば、第1クリック面62には36個の凹部又は凸部が形成してあり、第2クリック面63には18個の凹部又は凸部が形成してある。また、円筒部61の軸方向に関して、第1クリック面62及び第2クリック面63の長さは、ばね部材40の板ばね部42の長さより十分に長くしてあり、板ばね部42が第1クリック面62又は第2クリック面63のいずれか一方にのみ係合されることができるようにしてある。
また、クリック数変更部材60の円筒部61の内径は、ダイヤルスイッチ20の連結部22の径より若干大きい程度にしてあり、ばね部材40が固定された連結部22を円筒部61に挿通した場合、ばね部材40の両側に形成された2つの板ばね部42が円筒部61の第1クリック面62又は第2クリック面63に係合されるようにしてある。この状態でクリック数変更部材60を回転不能に固定することによって、ダイヤルスイッチ20を回動操作して連結部22を回動させた場合、連結部22に固定されたばね部材40の板ばね部42が、クリック数変更部材60の周方向に並べられた第1クリック面62又は第2クリック面63の複数の凹部又は凸部に回動に伴って順に係合され、クリック感を生じさせることができる。なお、クリック感とは、板ばね部42とクリック面の凹部又は凸部との係合に伴って生じる「カチ、カチ」という音、及びこのときに生じる振動等を含むものである。
更に、第1クリック面62の凹部又は凸部の数と第2クリック面63の凹部又は凸部の数とが異なる構成であるため、ばね部材40の板ばね部42を係合させるクリック面を変更することによって、ダイヤルスイッチ20を回動操作したときのクリック感の発生頻度を変更することができる。ばね部材40の板ばね部42を係合させるクリック面の変更は、第1クリック面62及び第2クリック面63が円筒部61の内周面に軸方向に並べて配してあるため、ダイヤルスイッチ20の連結部22が挿入されたクリック数変更部材60を軸方向に移動させることによって行うことが可能である。
クリック数変更部材60の円筒部61の外周面には、円筒部61の軸を中心に反対方向へ突出して丸棒状の2つの支軸部64が設けてある。また、本実施の形態に係る操作装置は、クリック数変更部材60及びモード変更スイッチ10等を支持するためのベース筒70を備えている。ベース筒70は円筒状をなし、ダイヤルスイッチ20の連結部22、クリック数変更部材60の円筒部61、及びロータリエンコーダ51等を内部に収容することができる大きさ及び形状にしてある。
ベース筒70は、一端側には軸方向に長い2つの切り欠き71(ただし、図面中には1つのみ図示してある)が形成してあり、他端側にて基板50に不動に固定してある。一端側の2つの切り欠き71は、ベース筒70の軸心を間にして反対側にそれぞれ形成してある。切り欠き71の幅は、クリック数変更部材60の支軸部64の径に略等しいか又は若干大きくしてあり、支軸部64を切り欠き71内に挿入することができるようにしてあると共に、ベース筒70の軸方向に切り欠き71内を支軸部64が移動することができるようにしてある。
また、ベース筒70の一端側の内径はクリック数変更部材60の外径より若干大きい程度であり、外径はクリック数変更部材60の中心から支軸部64の突出端までの距離より十分に小さくしてある。ダイヤルスイッチ20の連結部22に挿通されたクリック数変更部材60の2つの支軸部64をベース筒70の2つの切り欠き71に挿入することによって、クリック数変更部材60は、切り欠き71に沿って軸方向に移動可能に、且つ、回動不可能にベース筒70に支持される。この状態では、クリック数変更部材60の2つの支軸部64は、切り欠き71を挿通してベース筒70の外側へ突出した状態である。
また、ベース筒70の基板50に固定される他端側には、1つの切り欠き72が形成してある。基板50にネジ止め及びはんだ付け等で固定される切替検知素子52は、基板50に固定されたベース筒70の切り欠き72に収まるように配設してある。切替検知素子52は、略矩形の板状をなす本体部に揺動可能に支持された棒状の検知軸52aを有している。切替検知素子52は、本体部に内蔵されたばねなどの部材により検知軸52aが付勢される基準位置と、この基準位置を中心に検知軸52aを揺動させた場合の両側の最端位置との3つの位置のうち、検知軸52aがいずれの位置であるかを検知することにより、切り替えの検知を行うようにしてある。
モード切替スイッチ10は、略卵形の板状をなしてユーザが触れて回動操作を行うための操作部11と、この操作部11の下面に連設された円筒部12とを有している。操作部11には、ダイヤルスイッチ20の操作部21の径の小さい部分21bが挿通可能な大きさであり、モード切替スイッチ10の回動軸に中心が略一致する略円形の貫通孔が形成してある。また、円筒部12は、操作部11の貫通孔の中心に軸心が略一致するように操作部11に連設してあると共に、内径がベース筒70の一端側の外径に略等しくしてあり、モード切替スイッチ10の円筒部11がベース筒70に外嵌するようにしてある。
モード切替スイッチ10の円筒部12の端部には、略矩形の切り欠き13が形成してあり、円筒部12を基板50に固定されたベース筒70に外嵌させた場合には、基板50に設けられた切替検知素子52の検知軸52aが円筒部12の切り欠き13内に収まるようにしてある。これにより、モード切替スイッチ10の操作部11をユーザが回動操作したとき、操作部11と共に円筒部12が回動し、円筒部12が切替検知素子52の検知軸52aに接触して揺動させるようにしてあり、切替検知素子52がモード切替スイッチ10によるモードの切り替えを検知するようにしてある。
モード切替スイッチ10の円筒部12の端部には、円筒部12の軸方向に長い切り欠き14が形成してあると共に、円筒部12の軸方向の略中央には、切り欠き14に連通して円筒部12の周方向に長い長穴状の案内溝15が形成してある。ただし、長穴状の案内溝15は、一端部15aから中央部15bまでの部分が円筒部12の周方向に沿うように形成してあるが、略中央で若干折り曲げられており、中央部15bから他端部15cまでの部分は軸方向に操作部11側へ徐々に変位するように形成してある。また、切り欠き14及び案内溝15は、円筒部12の軸心を間にして両側にそれぞれ形成してあり、2つの案内溝15は略同じ形状である。切り欠き14及び案内溝15の幅は、クリック数変更部材60に設けられた支軸部64の直径に等しいか又は若干大きくしてある。
上述のようにベース筒70の2つの切り欠き71にクリック数変更部材60の2つの支軸部64が支持された状態では、2つの支軸部64がベース筒70の切り欠き71を挿通して外部に突出する。この状態にてモード切替スイッチ10の円筒部12をベース筒70に外嵌させる場合には、ベース筒70から突出する2つの支軸部64を、円筒部12に形成された2つの切り欠き14に沿って案内溝15まで導くことによって、円筒部12を外嵌させることができる。
また、上述のようにベース筒70に支持されたクリック数変更部材60は、ベース筒70の切り欠き71に沿って、ベース筒70の軸方向に移動させることができる。ベース筒70に円筒部12が外嵌されたモード切替スイッチ10をユーザが回動操作した場合、ベース筒70及びクリック数変更部材60は回動不能に固定されているためモード切替スイッチ10のみが回動する。このとき、クリック数変更部材60の支軸部64は、モード切替スイッチ10の円筒部12に形成された案内溝15内に挿入されており、円筒部12の回動に伴って案内溝15への挿入位置が変化するため、円筒部12の回動に伴ってベース筒70の軸方向に移動する。よって、モード切替スイッチ10の回動によりクリック数変更部材60を軸方向へ移動させることができ、ダイヤルスイッチ20に固定されたばね部材40の板ばね部42が係合するクリック数変更部材60のクリック面を変更することができるため、モードに応じたクリック感(クリック数)の変更を行うことができる。
図6は、本発明の実施の形態1に係る操作装置のクリック数の変更を説明するための模式図である。例えば、図示の操作装置の構成においては、まず、モード切替スイッチ10をモードマーク3の位置(即ち、中央位置)にある場合、クリック数変更部材60の支軸部64はモード切替スイッチ10の円筒部12に設けられた案内溝15の中央部15bに位置している。このとき、クリック数変更部材60は軸方向の移動範囲の下側(軸方向の基板50側を下側とし、ダイヤルスイッチ20の操作部21側を上側とする)に位置し、ダイヤルスイッチ20の連結部22に固定されたばね部材40の板ばね部42は、クリック数変更部材60の円筒部61の内周面に形成された2つのクリック面のうち、上側の第1クリック面62に係合される。第1クリック面62には36個の凹部又は凸部が円筒部61の周方向に等間隔で形成してあるため、ユーザがダイヤルスイッチ20を回動操作した場合には、1周当たり36回のクリック感が生じる(図6(a)参照)。
モード切替スイッチ10を反時計回りにモードマーク4の位置へ回動操作した場合、モード切替スイッチ10に設けられた円筒部12は、クリック数変更部材60の支軸部64が案内溝15の一端部15aに挿入される位置へ回動する。案内溝15の一端部15a及び中央部15bは、円筒部12の軸方向に関して等しい位置に設けてあるため、クリック数変更部材60は移動せず、ばね部材40の板ばね部42は第1クリック面62に係合される。
モード切替スイッチ10を時計回りにモードマーク2の位置へ回動操作した場合、モード切替スイッチ10に設けられた円筒部12は、クリック数変更部材60の支軸部64が案内溝15の他端部15bに挿入される位置へ回動する。案内溝15は中央部15bにて折り曲げられて他端部15cが上側となるように軸方向に徐々に変位する形状である。案内溝15の他端部15cは、軸方向に関して一端部15a及び中央部15bより上側にあり、円筒部12の回動に伴って案内溝15の他端部15cまで支軸部64が上側に移動する。よって、クリック数変更部材60はベース筒70の切り欠き71に沿って上側へ移動し、ばね部材40の板ばね部42は、クリック数変更部材60の内周面の下側に形成された第2クリック面63に係合される。第2クリック面63には18個の凹部又は凸部が円筒部61の周方向に等間隔で形成してあるため、ユーザがダイヤルスイッチ20を回動操作した場合には、1周当たり18回のクリック感が生じる(図6(b)参照)。
以上の構成の操作装置においては、モード切替スイッチ10とダイヤルスイッチ20とが同軸に積み重ねて配する構成とすることにより、操作装置を小型化することができるため、車輌のインストルメントパネルなどの限られたスペースに容易に配設することができる。また、モード切替スイッチ10によりモードを切り替えてダイヤルスイッチ20にて各モードの設定又は調整等の操作を行う構成とすることにより、1つの操作装置で複数の機能の操作を行うことができる。また、ダイヤルスイッチ20に設けられたばね部材40とクリック数変更部材60の内周面に形成されたクリック面との係合によりクリック感を生じさせると共に、クリック数変更部材60の内周面に複数のクリック面を形成し、モード切替スイッチ10の回動に伴ってクリック数変更部材60を軸方向に移動させる構成とすることにより、モード切替スイッチ10の回動によりばね部材40が係合されるクリック面を変更することができるため、ダイヤルスイッチ20の回動に伴ってモード毎に異なるクリック感を生じさせることが簡単且つ確実にできる。また、ダイヤルスイッチ20の回動を検知するロータリエンコーダ51をダイヤルスイッチ20と同軸に基板50上に配設する構成とすることにより、操作装置を小型化することができる。
なお、本実施の形態においては、モード切替スイッチ10により3つのモードに変更することができる構成としたが、これに限るものではなく、2つのモード又は4つ以上のモードに変更することができる構成としてもよい。また、3つのモードのうち2つのモードについてはダイヤルスイッチ20の1回転につき36回のクリック感を生じさせ、1つのモードについては1回転につき18回のクリック感を生じさせる構成としたが、これに限るものではない。ダイヤルスイッチ20の1回転でのクリック感の発生数(クリック数)は任意であってよく、クリック数変更部材60の円筒部61の内周に設けられるクリック面の形状(凹部又は凸部の数)を変更するのみで容易にクリック数を設定することができる。また、3段階以上にクリック数を変更する場合には、クリック数変更部材60の円筒部61に3つ以上のクリック面を軸方向に並設すると共に、モード切替スイッチ10の案内溝15の形状を適宜に変更すればよい。
(実施の形態2)
実施の形態1に係る操作装置は、モード切替スイッチ10の回動に伴って軸方向に移動するクリック数変更部材60に複数のクリック面を設け、これに係合されるばね部材40をダイヤルスイッチ20に設ける構成である。これに対して、実施の形態2に係る操作装置は、ダイヤルスイッチ20に複数のクリック面を設け、これに係合される弾性の被係合部をモード切替スイッチ10の回動に伴って軸方向に移動する構成である。図7は、本発明の実施の形態2に係る操作装置の内部構成を示す断面図である。また、図8は、本発明の実施の形態2に係る操作装置のクリック数の変更を説明するための模式図である。
実施の形態2に係る操作装置は、ダイヤルスイッチ20の連結部22に外嵌する円筒状のクリック数変更部材260を備えている。クリック数変更部材260は、連結部22に固定されてダイヤルスイッチ20の回動に伴って回動するようにしてある。また、クリック数変更部材260の外周面には、軸方向の略中央を境界として、一側に第1クリック面261が形成してあり、他側に第2クリック面262が形成してある。第1クリック面261及び第2クリック面262は周方向に所定の間隔で凹部又は凸部が複数形成されたものであり、第1クリック面261及び第2クリック面262の境界には突起部263がクリック数変更部材260の一周に亘って形成してある。
また、ベース筒70には、切り欠き71内をベース筒70の軸方向に移動可能に、円柱状の被係合部材240が保持されている。被係合部材240は、本体部分をなす円柱部241と、この円柱部241の一端面から突出し、ばねなどの弾性部材によりクリック数変更部材260のクリック面へ付勢されて係合される球体242とを有している。球体242は、円柱部241の一端面に形成された収容穴(図示は省略する)に出没可能に収容されると共に、収容穴内に設けられた弾性部材により収容穴外へ向けて付勢されている。また、円柱部241の他端はベース筒70の外側へ突出するようにしてあり、モード切替スイッチ10の円筒部12に形成された案内溝15に挿入される。これにより、被係合部材240は、モード切替スイッチ10の回動に伴って案内溝15への挿入位置が変更され、ベース筒70の切り欠き71に沿ってベース筒70の軸方向へ移動する。
例えば、図示の操作装置の構成においては、まず、モード切替スイッチ10をモードマーク3の位置(即ち、中央位置)にある場合、被係合部材240の円柱部241はモード切替スイッチ10の円筒部12に設けられた案内溝15の中央部15bに位置している。このとき、被係合部材240は軸方向の移動範囲の下側に位置し、ダイヤルスイッチ20の連結部22に固定されたクリック数変更部材260の第1クリック面261に係合される。第1クリック面261には36個の凹部又は凸部が形成してあり、ユーザがダイヤルスイッチ20を回動操作した場合には、1回転につき36回のクリック感が生じる(図8(b)参照)。
次いで、モード切替スイッチ10を反時計回りにモードマーク4の位置へ回動操作した場合、モード切替スイッチ10に設けられた円筒部12は、被係合部材240の円柱部241が案内溝15の一端部15aに挿入される位置へ回動される。案内溝15の一端部15a及び中央部15bは、円筒部12の軸方向に関して等しい位置に設けてあるため、被係合部材240は移動せず、第1クリック面261に係合される。
更に、モード切替スイッチ10を時計回りにモードマーク2の位置へ回動操作した場合、モード切替スイッチ10に設けられた円筒部12は、被係合部材240の円柱部241が案内溝15の他端部15cに挿入される位置へ回動する。案内溝15は中央部15bにて折り曲げられて他端部15cが上側となるように軸方向に徐々に変位する形状であるため、円筒部12の回動に伴って案内溝15に沿って被係合部材240の円柱部241がベース筒70の軸方向へ移動する。このとき、被係合部材240の球体242はクリック数変更部材260の突起部263に接触して係合されるため、クリック感が生じる。その後、被係合部240の球体242は第2クリック面262に係合される。第2クリック面262には18個の凹部又は凸部が形成してあり、ユーザがダイヤルスイッチ20を回動操作した場合には、1回転につき18回のクリック感が生じる(図8(a)参照)。
以上の構成の実施の形態2に係る操作装置は、実施の形態1に係る操作装置と同様の作用及び効果を有しており、モード切替スイッチ10を回動操作してモードの切り替えを行った場合に、ダイヤルスイッチ20の回動操作により生じるクリック感の変更を行うことができる。また、クリック数変更部材260の第1クリック面261及び第2クリック面262の境界部分に突起部263を設ける構成とすることにより、モード切替スイッチ10が回動操作された場合にもクリック感を生じさせることができる。
なお、実施の形態2においては、モード切替スイッチ10により3つのモードに変更することができる構成としたが、これに限るものではなく、2つのモード又は4つ以上のモードに変更することができる構成としてもよい。また、ダイヤルスイッチ20の1回転でのクリック感の発生数(クリック数)は任意であってよく、クリック数変更部材260の外周に設けられるクリック面の形状(凹部又は凸部の数)を変更するのみで容易にクリック数を設定することができる。また、3段階以上にクリック数を変更する場合には、クリック数変更部材260の外周面に3つ以上のクリック面を軸方向に並設すると共に、モード切替スイッチ10の案内溝15の形状を適宜に変更すればよい。また、第1クリック面261及び第2クリック面262の間に突起部263を設ける構成としたが、モード切替スイッチ10の回動操作に伴ってクリック感を発生させる必要がない場合には、突起部263を設けない構成としてもよい。
なお、実施の形態2に係る操作装置のその他の構成は、実施の形態1に係る操作装置の構成と同様であるため、同様の箇所には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
(実施の形態3)
図9は、本発明の実施の形態3に係る操作装置の内部構成を示す断面図である。また、図10は、本発明の実施の形態3に係る操作装置のクリック数の変更を説明するための模式図である。実施の形態2に係る操作装置は、ダイヤルスイッチ20の連結部22に別部材のクリック数変更部材260を固定する構成であるが、実施の形態3に係る操作装置は、ダイヤルスイッチ20の連結部422の外周面に第1クリック面461及び第2クリック面462を形成した構成である。また、実施の形態2に係る操作装置は、第1クリック面261又は第2クリック面262に係合される円柱状の被係合部材240を備える構成であるが、実施の形態3に係る操作装置は円筒状(又は円環状)の被係合部材440を備える構成である。図11は、本発明の実施の形態3に係る操作装置の連結部422及び被係合部材440の構成を示す斜視図である。また、図12は、本発明の実施の形態3に係る操作装置の連結部422の構成を示す側面図である。
実施の形態3に係る操作装置が備えるダイヤルスイッチ20の連結部422の外周面には、一周に亘って複数の凹部又は凸部が所定の間隔でそれぞれ並設された第1クリック面461及び第2クリック面462が形成してある。第1クリック面461の凹部又は凸部の数は、第2クリック面462の凹部又は凸部の数より多く、第1クリック面461及び第2クリック面462は連結部422の軸方向に並べて形成してある。連結部422と、第1クリック面461及び第2クリック面462とは、合成樹脂による一体成型などで一体的に形成してある。図9及び図11においては、第1クリック面461を上側に、第2クリック面462を下側に設けた構成を図示してある。
また、実施の形態3に係る操作装置の被係合部材440は、円筒部441と、円筒部441の外周面からラジアル方向に突出して設けられた2つの支軸部442とを有している。2つの支軸部442は、円筒部441の外周面のそれぞれ反対位置に設けてある。被係合部材440の円筒部441の外径は、ベース筒70の内径より若干小さくしてあり、被係合部材440の支軸部442はベース筒70に形成された切り欠き71に挿入することができる大きさ及び形状にしてある。よって、被係合部材440の円筒部441をベース筒70に挿入し、支軸部442を切り欠き71に挿入することによって、被係合部材440を切り欠き71に沿って移動可能にベース筒70内に収容することができる。
また、被係合部材440の支軸部442は、モード切替スイッチ10の円筒部12に形成された切り欠き14及び案内溝15に挿入することができるようにしてある。案内溝15に挿入された支軸部442は、モード切替スイッチ10の回動により挿入位置が変位し、これに伴ってベース筒70の切り欠き71内を軸方向に変位する。よって、モード切替スイッチ10の回動に伴って被係合部材440は軸方向に移動する。
また、被係合部材440の円筒部441の内周面には、円柱状の部材を収容可能な有底の収容穴部443が形成してある。収容穴部443には、一端側が閉塞された円筒状をなす被係合部444と、収容穴部443の底面及び被係合部444の間に介装されるコイルバネ445とを収容するようにしてある。被係合部444は一端面が円錐状に突起させてあり、この端面が円筒部441の中心へ向かうように、収容穴部443に収容されたコイルバネ445が被係合部444を付勢するようにしてある。
被係合部材440の円筒部441の内径は、連結部422の第1クリック面461及び第2クリック面462が形成された部分の外径より若干大きい程度にしてあり、連結部422を円筒部441に挿通した場合、コイルバネ445により付勢された被係合部444が第1クリック面461又は第2クリック面462に係合されるようにしてある。上述のように被係合部材440は、モード切替スイッチ10の回動に伴って軸方向へ移動し、この移動に伴って被係合部444が第1クリック面461又は第2クリック面462のいずれかに係合されるようにしてある。
例えば、モード切替スイッチ10がモードマーク3の位置(即ち、中央位置)にある場合、被係合部材440の支軸部442は案内溝15の中央部15bに位置している。このとき、被係合部材440は軸方向の移動範囲の下側に位置し、ダイヤルスイッチ20の連結部422に形成された第2クリック面462に被係合部材440の被係合部444が係合される。第2クリック面462には18個の凹部又は凸部が形成してあり、ユーザがダイヤルスイッチ20を回動操作した場合には、1回転につき18回のクリック感が生じる(図10(b)参照)。
モード切替スイッチ10を時計回りにモードマーク2の位置へ回動操作した場合、モード切替スイッチ10の円筒部12は、被係合部材440の支軸部442が案内溝15の他端部15cに挿入される位置へ回動する。案内溝15は中央部15bにて折り曲げられて他端部15cが上側となるように軸方向に徐々に変異する形状であるため、円筒部12の回動に伴って案内溝15に沿って被係合部材440の支軸部442がベース筒70の軸方向へ移動する。これにより被係合部材440は軸方向の上側へ移動し、被係合部444は第1クリック面461に係合される。第1クリック面461には36個の凹部又は凸部が形成してあり、ユーザがダイヤルスイッチ20を回動操作した場合には、1回転につき36回のクリック感が生じる(図10(a)参照)。
以上の構成の実施の形態3に係る操作装置は、実施の形態2に係る操作装置と同様の作用及び効果を有しており、モード切替スイッチ10を回動操作してモードの切り替えを行った場合に、ダイヤルスイッチ20の回動操作により生じるクリック感の変更を行うことができる。また、第1クリック面461及び第2クリック面462をダイヤルスイッチ20の連結部422に一体的に形成することによって、操作装置の部品数を削減することができ、操作装置の製造コスト及び組立コスト等を削減することができる。また、被係合部材440を円筒状とし、2つの支軸部442をベース筒70の切り欠き71に挿入する構成とすることにより、被係合部材440を安定して支持することができると共に、被係合部材440の移動を円滑に行うことができる。
なお、実施の形態3に係る操作装置のその他の構成は、実施の形態2に係る操作装置の構成と同様であるため、同様の箇所には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
(実施の形態4)
図13は、本発明の実施の形態4に係る操作システムの構成を示す平面図である。また、図14は、本発明の実施の形態4に係る操作装置の内部構成を示す断面図である。実施の形態4に係る操作システムは3つの操作装置300を備える構成である。3つの操作装置300は、実施の形態1に係る操作装置と同様の構成であるが、ダイヤルスイッチ20の回動操作に対する操作負荷が付してある点が異なる。また、3つの操作装置300には、それぞれ異なる大きさの操作負荷が付してある。
実施の形態4に係る操作装置300は、モード切替スイッチ10及びダイヤルスイッチ20の回転の中心位置に不動に固定される固定軸330が、別部品として製造された円板部331及び円柱部332をネジの螺合により固定する構成にしてある。このため、円板部331には雌ネジ部が形成され、円柱部332には雄ネジ部が形成してある。
また、操作装置300は、固定軸330とダイヤルスイッチ20との間に挟装されるウェーブワッシャー380を備えている。図15は、本発明の実施の形態4に係る操作装置300のウェーブワッシャー380の構成例を示す模式図であり、(a)に斜視図を示し、(b)及び(c)にウェーブワッシャー380の異なる構成例の側断面図をそれぞれ示してある。ウェーブワッシャー380は、円環状をなす金属製の板体であり、中央に固定軸330の円柱部332が挿通可能な貫通孔381が形成してある。また、ウェーブワッシャー380は波状に撓ませてあると共に、3つの操作装置300には撓ませ度合がそれぞれ異なる、即ち並みの高さがそれぞれ異なるウェーブワッシャー380が備えられている。
ウェーブワッシャー380は、固定軸330の円板部331の雌ネジ部が設けられた面と、ダイヤルスイッチ20の操作部21の対向する面との間に挟装されている。これにより、ウェーブワッシャー380が押圧されて変形し、復元力が生じる。ウェーブワッシャー380の復元力により固定軸330とダイヤルスイッチ20とが隔離する方向へ付勢され、この付勢がユーザの回動操作に対する操作負荷となるようにしてある。
以上の構成により、各操作装置300には、ダイヤルスイッチ20の回動操作に対して、ウェーブワッシャー380によって用意に操作負荷を付与することができる。また、操作システムの3つの操作装置300がそれぞれ高さの異なるウェーブワッシャー380を備える構成とすることにより、各操作装置300に容易に異なる大きさの操作負荷を付与することができる。よって、ユーザは操作負荷を基に3つの操作装置300のいずれを回動操作しているかを、操作システムを目視する事なく認識することができる。
なお、実施の形態4に係る操作システムにおいては、実施の形態1に係る操作装置と同様の構成の操作装置300を複数備える構成としたが、これに限るものではなく、実施の形態2に係る操作装置と同様の構成の操作装置を複数備える構成としてもよい。また、実施の形態1に係る操作装置と実施の形態2に係る操作装置とが混在する構成としてもよい。
また、実施の形態4に係る操作装置のその他の構成は、実施の形態1に係る操作装置の構成と同様であるため、同様の箇所には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
(実施の形態5)
実施の形態5に係る操作装置は、実施の形態1〜4に係る操作装置の構成に以下の変更又は追加を行ったものである。
(1)モード切替スイッチの回動位置(モードの切り替え)の検知を、切替検知素子52を用いる方法からフォトインタラプタを用いる方法に変更。また、モード切替スイッチによるモードの切り替えを3段階から5段階に変更。
(2)ダイヤルスイッチの回動の検知を、ロータリエンコーダ51を用いる方法からフォトインタラプタを用いる方法に変更。
(3)押下(押圧)式のスイッチを追加。
(4)スイッチを発光させる機構の追加。
(5)モード切替スイッチを揺動できる機構の追加。
図16は、実施の形態5に係る操作装置500の構成を示す斜視図である。図17は、実施の形態5に係る操作装置500の構成を示す三面図であり、(a)に上面視を示し、(b)に前面視を示し、(c)に右側面視を示してある。図18は、実施の形態5に係る操作装置500の内部構成を示す三面図であり、筺体を除いた状態の操作装置500について、(a)に上面視を示し、(b)に前面視を示し、(c)に右側面視を示してある。図19は、実施の形態5に係る操作装置500の内部構成を示す三面図であり、筺体を除いた状態の操作装置500について、(a)に上面視を示し、(b)に後面視を示し、(c)に左側面視を示してある。図20は、図17のA−A線による断面図であり、図21は、図17のB−B線による断面図である。図22は、実施の形態5に係る操作装置500の分解斜視図である。
実施の形態5に係る操作装置500は、クリック感を発生させる機構及び電気回路が構成される基板550等を収容する略直方体型の筺体501を有しており、筺体501の上面501aの上にモード切替スイッチ510及びダイヤルスイッチ520が積層して配された外観をなしている。モード切替スイッチ510は、平面視で略卵形の板状をなしており、筺体501の上面501aの上に配されている。また、モード切替スイッチ510は、左右にそれぞれ約40°(合わせて約80°)の範囲内で回動操作することができ、約20°毎に合計5つの位置(回動位置)にて回動を停止させることができるようにしてある。ただし、モード切替スイッチ510の回動操作範囲及び回動位置は、一例であって、これに限るものではない。
ダイヤルスイッチ520は、外周面に滑り止め用の凹凸が複数形成された円筒状をなしており、モード切替スイッチ510の上側に配され、回転不可能に基板550に固定された固定軸530の周囲を時計回り及び反時計回りに360°又はそれ以上の範囲で回動操作できるようにしてある。固定軸530の上面は略円形を成しており、その略中心にはユーザによる押下(押圧)操作を受け付けるための略円形のプッシュスイッチ580が設けてある。なお、モード切替スイッチ510の回動の中心軸と、ダイヤルスイッチ520の回動の中心軸とは一致するようにしてあり、回動の中心軸と固定軸530及びプッシュスイッチ580の中心とは一致するようにしてある。
固定軸530は、中心にプッシュスイッチ580を設けるための貫通孔531aが形成された略円板形のカバー部531と、カバー部531の上面と略同じ大きさの円板部分532a及びこれより径の小さい円筒部分532bが同軸に連結された上側軸部532と、上側軸部532の円筒部分532bと略等しい径の円筒部分533a及びこれより径の大きい円筒状のベース部分533bが同軸に連結された下側軸部533とを備えて構成されている。
基板550に下側軸部533のベース部分533bをねじなどにより不動に固定し、下側軸部533の円筒部分533aに上側軸部532の円筒部分532bが係合爪などの係合により不動に固定し、上側軸部532の円板部分532aにカバー部531を係合爪などの係合により不動に固定することによって、固定軸530が組み立てられ基板550に対して不動に固定される。
また、組み立てられた固定軸530は、カバー部531の貫通孔531aと、上側軸部532の円筒部分532bの内部と、下側軸部533の内部とが連通する。即ち、固定軸530は筒状であり、最上のカバー部531から最下の基板550まで貫通孔が設けられている。ただし、カバー部531の貫通孔531aの内径及び下側筒部533のベース部分533bの内径は、上側軸部532の円筒部分532b及び下側軸部533の円筒部533aの内径よりも大きい。
また、固定軸530のカバー部531の上面には、透明な合成樹脂などで形成され内外に光を透過させることができる透光部531bが設けてある。また、カバー部531には下面から透光部531bまで光を通すための間隙531cが形成してあり、カバー部531の下側からの光を、間隙531c及び透光部531bを通して外部へ照射することができるようにしてある。
基板550には2つのLED(Light Emitting Diode)551が搭載してあり、操作装置550は、固定軸530内を通して基板550のLED551が発する光をカバー部531の下側まで導く導光部材585を備えている。導光部材585は、透明な合成樹脂などで形成されている。
導光部材585は、上側導光部586及び下側導光部587の2つに分割されている。上側導光部586は、固定軸530の上側軸部532の円板部分532aより若干小さい円板部分586aと、上側軸部532の円筒部分532bに内嵌する円筒部分586bとが同軸に連結された構成である。下側導光部587は、固定軸530の下側軸部533の円筒部分533aに内嵌する円筒部分587aと、下側軸部533のベース部分533bに収容可能な大きさの円筒状をなすベース部分587bとがどう軸に連結された構成である。
導光部材585の下側導光部587には、ベース部分587bの下端に2つの切り欠きが形成してあり、切り欠きの部分が基板550の2つのLED551の上側を覆うように、下側導光部587は基板550に取り付けられる。なお、下側導光部587は基板550にねじ止めなどにより固定する必要はなく、下側導光部587の円筒部分587aに外嵌した固定軸530の下側軸部533を基板550に固定することによって、下側導光部587は基板550に不動に固定される。導光部材585の上側導光部586は、円板部分586aが固定軸530のカバー部531及び上側軸部532に挟まれて固定される。
固定軸530の上側軸部532と下側軸部533とを連結して固定した場合には、上側軸部532の円柱部分532bに内嵌した上側導光部586の円柱部分586bの下面と、下側軸部533の円柱部分533aに内嵌した下側導光部587の円柱部分の上面とが当接する、又は微小距離を隔てて対向する。これにより、LED551が発する光は、導光部材585の下側導光部587から上側導光部587へ、更には固定軸530のカバー部531の下側まで導かれ、カバー部531の間隙531cを通して透光部531bから外部へ照射される。
固定軸530に設けられるプッシュスイッチ580は、上面を有する円筒状のカバー部581と、下面を有してカバー部581に内嵌する円筒状のベース部582と、ベース部582の下面の略中心に固定された押圧棒部583とを備えて構成されている。プッシュスイッチ580のカバー部581は、ベース部582に外嵌した状態で係合爪などにより不動に固定される。
プッシュスイッチ580のカバー部581は、固定軸530のカバー部531に形成された貫通孔531aに内嵌する大きさである。プッシュスイッチ580のカバー部581の外周面には軸方向に長い複数のスリットが形成してあり、固定軸530のカバー部531の貫通孔531aの内周面にはこのスリットに収まる複数の突起が形成してある。このスリットと突起との係合により、固定軸530のカバー部531の貫通孔531aに内嵌したプッシュスイッチ580は、スリットに沿って軸方向に(上下方向に)移動することができる。なお、プッシュスイッチ580のカバー部581の外周面に複数の突起を形成すると共に、固定軸530のカバー部531に設けられた貫通孔531aの内周面に、この複数の突起が収まる軸方向に長い複数のスリットを形成し、プッシュスイッチ580がスリットに沿って軸方向に(上下方向に)移動することができる構成としてもよい。
プッシュスイッチ580の押圧棒部583は、導光部材585の上側導光部586の円筒部586b及び下側導光部587の円筒部587aの内部を挿通可能な太さの丸棒である。基板550には2つのLED551の間に押圧を検知する押圧検知スイッチ552が設けてあり、カバー部581の上面が押圧されてプッシュスイッチ580が下方へ移動した場合に、導光部材585内に挿通された押圧棒部583の下端が、押圧検知スイッチ552の上部を押圧できるようにしてある。押圧検知スイッチ552は、上部に設けられた操作部分(図示は省略する)に対する押圧を検知する電子部品であり、この操作部分は押圧に抗する方向へ付勢されているため、押圧操作がなされていない場合にプッシュスイッチ580は押圧検知スイッチ5の付勢力によって上方へ移動する。
ダイヤルスイッチ520は、ユーザが触れて操作を行うために外部に露出した操作部521と、固定軸530の上側軸部532及び下側軸部533に外嵌する回動軸部522とを備えて構成されている。操作部521は、外周面に滑り止め用の凹凸が複数形成された径の大きい大径円筒部分521aと、これより径が小さい小径円筒部分521bとを同軸に連ねた構成である。操作部521の大径円筒部分521a内に、固定軸530のカバー部531が収められる。
また、ダイヤルスイッチ520の回動軸部522は、固定軸530の上側軸部532の円筒部分532b及び下側軸部533の円筒部分533aに外嵌する小径円筒部分522aと、これより径が大きく固定軸530の下側軸部533のベース部533bを内部に収容可能な大きさの大径円筒部分522bとを同軸に連ねた構成である。回動軸部522は、基板550に固定された固定軸530の下側軸部533に外嵌して回動可能に保持される。操作部521の下端及び回動軸部522の上端は係合爪などの係合により固定され、操作部521及び回動軸部522は一体に回動するようにしてある。即ち、筒状をなすダイヤルスイッチ520は、基板550に固定された固定軸530に外嵌する態様で回動可能に保持される。
ダイヤルスイッチ520の回動軸部522の小径円筒部分522aには、外周面の一周に亘って複数の凹部又は凸部が所定の間隔でそれぞれ並設された第1クリック面561及び第2クリック面562が形成してある。第1クリック面561の凹部又は凸部の数は、第2クリック面562の凹部又は凸部の数より多く、第1クリック面561及び第2クリック面562は回動軸部522の軸方向に並べて形成してある。回動軸部522と、第1クリック面561及び第2クリック面562とは、合成樹脂による一体成型などで一体的に形成してある。
ダイヤルスイッチ520の回動軸部522の大径円筒部分522bには、下端部分の一周に亘って複数の遮光部565が形成してある。各遮光部565は、略矩形をなし、回動軸部522の下端から延出して設けられている。また、複数の遮光部565はすべて略同じ形状であり、周方向に略等間隔で回動軸部522の下端に並べて形成してある。複数の遮光部565は、基板550に設けられた2つのフォトインタラプタ553と組み合わせて用いられ、これによりダイヤルスイッチ520の回動が検知される。遮光部565及びフォトインタラプタ553による回動検知の詳細については後述する。
また、操作装置500は、ダイヤルスイッチ520の回動軸部522の小径円筒部分522aが挿通可能な円筒状(又は円環状)をなす被係合部材540を備えている。被係合部材540は、円筒部541と、この円筒部541の外周面からラジアル方向に突出して設けられた2つの支軸部542とを有している。2つの支軸部542は、円筒部541の外周面の反対位置にそれぞれ設けてある。
また、被係合部材540の円筒部541の内周面には、円柱状の部材を収容可能な収容穴部543が形成されている。収容穴部543には、一端側が閉塞された円筒状をなす被係合部544と、この被係合部544を付勢するコイルバネ545とを収容するようにしてある。被係合部544は一端部が円錐状に突起させてあり、この端部が円筒部541の中心へ向かうように、収容穴部543に収容されたコイルバネ545が被係合部544を付勢する。
被係合部材540の円筒部541の内径は、ダイヤルスイッチ520の回動軸部522の小径円筒部分522aの外径より若干大きい程度であり、小径円筒部522aを円筒部541に挿通した場合、コイルバネ545により付勢された被係合部材544が第1クリック面561又は第2クリック面562に係合される。被係合部材540は、モード切替スイッチ510の回動に伴って軸方向へ移動し、この移動に伴って被係合部544の端部が第1クリック面561又は第2クリック面562のいずれかに係合される。
また操作装置500は、被係合部材540及びモード変更スイッチ510等を指示するためのベース筒570を備えている。ベース筒570は円筒状をなし、ダイヤルスイッチ520の回動軸部522、固定軸530及び被係合部材540等を内部に収容することができる大きさ及び形状である。
ベース筒570は、一端側には軸方向に長い2つの切り欠き571が形成され、他端側にて基板550にねじ止めなどによって不動に固定される。一端側の2つの切り欠き571は、ベース筒570の軸心を間にして反対側にそれぞれ形成されている。切り欠き571の幅は、被係合部材540の支軸部542の径に略等しいか又は若干大きく、支軸部542を切り欠き571内に挿入することができると共に、ベース筒570の軸方向に切り欠き571内を支軸部542が移動することができるようにしてある。
また、ベース筒570の一端側の内径は被係合部材540の円筒部541の外径より若干大きい程度であり、外径は被係合部材540の中心から支軸部542の突出端までの距離より十分に小さくしてある。ダイヤルスイッチ520の回動軸部522に挿通された被係合部材540の2つの支軸部542をベース筒570の2つの切り欠き571に挿入することによって、被係合部材540は、切り欠き571に沿って軸方向に移動可能に、且つ、回動不可能にベース筒570に指示される。この状態では、被係合部材540の2つの支軸部542は、切り欠き571を挿通してベース筒570の外側へ突出した状態である。
モード切替スイッチ510は、略卵形の板状をなしてユーザが触れて回動操作を行うための操作部511と、この操作部511と一体に回動すると共に操作部511を揺動可能に支持する円筒部512及びカバー部513とを有している。モード切替スイッチ510の円筒部512は、ベース筒570に外嵌する大きさの円筒状をなしており、ベース筒570の外周面に一周に亘って設けられた鍔部572上に、ベース筒570の外周面に沿って回動可能に支持される。
円筒部512には円柱状の部材を収容可能な収容部512aが形成されており、収容部512aには、一端側が閉塞された円筒状をなす被係合部514と、この被係合部514を付勢するコイルバネ515とを収容するようにしてある。被係合部514は一端部が円錐状に突起させてあり、この端部が円筒部512の中心へ向かうように、収容部512aに収容されたコイルバネ515が被係合部514を付勢する。ベース筒571の外周面には、周方向に形成された複数の凹部又は凸部によるクリック面573が設けてあり、ベース筒571に外嵌したモード変更スイッチ510の円筒部512の被係合部514がコイルバネ515に付勢されたクリック面573に係合される。これにより、モード変更スイッチ510の回動に伴ってクリック感を生じさせることができる。
モード切替スイッチ510の操作部511には、円筒部512の外径より若干大きい円形の貫通孔511aが形成されており、貫通孔511aの内周には対向する位置に2つの揺動軸511bが中心へ向けて突設してある。モード切替スイッチ510の円筒部512の一端(上端)には、操作部511の揺動軸511bを収容して、操作部511を揺動可能に保持する2つの保持部512bが対向する位置に形成されている。円筒部512の保持部512bにて操作部511の揺動軸511bを保持した状態で、カバー部513が円筒部512の一端に固定されて、モード切替スイッチ510が構成され、ユーザはモード切替スイッチ510の操作部511に対して回動操作及び揺動操作を行うことができる。
モード切替スイッチ510のカバー部513は、円筒部512と略同じ外径の円板状をなしており、ダイヤルスイッチ520の操作部521の小径円筒部分521bが挿通可能な大きさの略円形の貫通孔513bが形成してある。カバー部513は円筒部512の一端に係合爪の係合などにより固定される。これにより、モード切替スイッチ510の操作部511は、円筒部512の保持部512bから外れることなく保持される。
また、モード切替スイッチ510の円筒部512の他端(下端)には、周方向の一部に3つの遮光部516が設けてある。3つの遮光部516は、略矩形をなし、円筒部512の下端の一部から延出して設けられている。また、3つの遮光部516は、円筒部512の周方向に略等間隔で並べて設けてある。3つの遮光部516は、基板550に設けられた3つのフォトインタラプタ554と組み合わせて用いられ、これによりモード切替スイッチ510の回動位置を検知が検知される。遮光部516及びフォトインタラプタ554によるモード切替スイッチ510の回答位置検知の詳細については後述する。
また、モード切替スイッチ510の円筒部512には、周方向に長い長孔状の案内溝517が形成されている。ただし、案内溝517は、一端部から他端部まで円筒部512の周方向に沿って長い形状であるが、途中で若干折り曲げられて一側から他側へ徐々に変位する部分が設けてある。また、案内溝517は、円筒部512の軸心を間にして両側にそれぞれ形成されており、2つの案内溝517は略同じ形状である。案内溝517の幅は、被係合部材540に設けられた支軸部542を収容できる大きさであり、支軸部542の直径に等しいか又は若干大きい。
ベース筒570の2つの切り欠き571に被係合部材540の2つの支軸部542が支持された状態では、2つの支軸部542がベース筒570の切り欠き571を挿通して外部へ突出する。この支軸部542の突出部分が、モード切替スイッチ510の円筒部512に形成された案内溝517へ挿入される。
上述のように、ベース筒570に支持された被係合部材540は、ベース筒570の切り欠き571に沿って軸方向に移動することができる。ベース筒570に円筒部512が外嵌されたモード切替スイッチ510が回動操作された場合、ベース筒570及び被係合部材540は回動不能に固定されているため、モード切替スイッチ510のみが回動する。このとき、被係合部材540の支軸部542は、モード切替スイッチ510の円筒部512に形成された案内溝517に挿入されており、円筒部512の回動に伴って案内溝517への挿入位置が変化するため、案内溝517の変位部分に沿ってベース筒570の軸方向へ移動する。よって、モード切替スイッチ510の回動により被係合部材540を軸方向へ移動させることができ、被係合部材540の被係合部544が係合されるダイヤルスイッチ520の回動軸522に形成されたクリック面が変更され、モード切替スイッチ510の回動位置に応じたクリック感の変更を行うことができる。
操作装置500を組み立てる場合には、まず、導光部材585の下側導光部587を収容した固定軸530の下側軸部533を基板550に固定し、固定軸530の下側軸部533にダイヤルスイッチ520のダイヤル軸522の回動軸部522を外嵌させる。次いで、ベース筒570を基板550に固定し、被係合部材540の支軸部542をベース筒570の切り欠き571に挿入することによって、ダイヤルスイッチ520のダイヤル軸522の外側に且つベース筒570の内側に被係合部材540を保持する。更に、モード切替スイッチ510の円筒部512をベース筒570に外嵌させた後、これらを筺体501内に収容する。この状態においては、筺体501の上面501aにはモード変更スイッチ501の操作部511に形成された貫通孔511aと略同じ大きさの貫通孔502が形成してあり、モード切替スイッチ510の円筒部512の一端が筺体501の貫通孔502から突出する。
次いで、筺体501の貫通孔502から突出したモード切替スイッチ510の円筒部512の一端に設けられた保持部512bに操作部511の揺動軸511bを保持させて、カバー部513を円筒部512に固定する。次いで、ダイヤルスイッチ520の操作部521を、小径円筒部分521bをモード切替スイッチ510内に挿通して、ダイヤル軸部522に固定する。また、固定軸530の上側軸部532を、円筒部分532bをダイヤルスイッチ520内に挿通して、下側軸部533に固定する。
次いで、導光部材585の上側導光部586の円筒部分586bを固定軸530内に挿通し、更にプッシュスイッチ580の押圧棒部583を導光部材585内に挿通して、プッシュスイッチ580のカバー部581をベース部582に固定する。なおこのときに、予めプッシュスイッチ580のカバー部581をベース部582に固定した後、プッシュスイッチ580の押圧棒部583を導光部材585内に挿通してもよい。その後、固定軸530のカバー部531を上側軸部532に固定して、操作装置500が構成される。
また、操作装置500は、モード切替スイッチ510の操作部511の揺動を検知するための2つの押圧検知スイッチ555が基板550に設けてある。押圧検知スイッチ555は、押圧検知スイッチ552と同様であり、上部に設けられた操作部分(図示は省略する)に対する押圧を検知する電子部品であり、この操作部分は押圧に抗する方向へ付勢されている。操作装置500は、2つの押圧検知スイッチ555をそれぞれ押圧するための2つの押圧棒556を備えており、ベース筒570の鍔部572には押圧棒556を保持するための2つの保持部574が設けてある。
保持部574は、鍔部572に形成された貫通孔であり、この貫通孔に押圧棒556を挿通することによって、押圧棒556が軸方向(上下方向)に移動可能に保持される。2つの保持部574は、ベース筒570の軸心を間に反対の位置にそれぞれ設けてあると共に、ベース筒570が基板550に固定された場合に、基板550上の押圧検知スイッチ555と対向する位置にそれぞれ設けてある。よって、保持部574に保持された押圧棒556の移動により、基板550上の押圧検知スイッチ555を押圧することができ、押圧検知スイッチ555の付勢力により基板550から離れる方向へ押圧棒556は付勢される。
また、筺体501の上面501aには、貫通孔502を間にして2つの貫通孔503が形成してある。筺体501の貫通孔503は押圧棒556が挿通可能な大きさであり、ベース筒570の保持部574に保持され、押圧検知スイッチ555により付勢された押圧棒556の一端部分が貫通孔503から突出する。これにより、モード切替スイッチ510の操作部511が揺動操作された場合、揺動に伴って押圧棒556が押圧検知スイッチ555を押圧するため、操作装置500はモード切替スイッチ510に対する押圧操作を検知することができる。
次に、モード切替スイッチ510の回動位置検知及びダイヤルスイッチ520の回動検知の方法について説明する。なお以下の説明においては、モード切替スイッチ510を5段階で(即ち、段階的に5つの回動位置に)回動させることができる構成について説明するが、これに限るものではなく、回動位置が4つ以下又は6つ以上であっても同様の方法で回動位置の検知を行うことが可能である。
図23は、筺体501の図示を省略した操作装置500の斜視図である。基板550に搭載された3つのフォトインタラプタ554は、基板550に固定されたベース筒570の外周面に沿って等間隔に並べて設けてある。フォトインタラプタ554は、長方形の板を2か所屈曲させた態様の略U字形をなし、内側の2つの対向面に発光部及び受光部をそれぞれ設けたものである(図示は省略する)。一面側の発光部が発した光を他面側の受光部が受光できるか否かにより、フォトインタラプタ554は遮光を検知することができる。
モード切替スイッチ510が有する3つの遮光部516は、円筒部512の下端から更に下方に延び出すように、円筒部512の周方向に沿って等間隔に設けてある。円筒部512の遮光部516は、モード切替スイッチ510の回動に伴って、基板550に設けられたフォトインタラプタ554の発光部及び受光部の間を通って回動するようにしてある。
また、モード切替スイッチ510の隣り合う遮光部516の間隔は、基板550上の隣り合うフォトインタラプタ554の間隔より狭い。詳しくは、隣り合う2つのフォトインタラプタ554の間隔と、3つのうちの両端の2つの遮光部516の間隔とが略等しい(換言すれば、隣り合う遮光部516の中心間の距離は、隣り合うフォトインタラプタ554の中心間の距離の半分である)。
図24及び図25は、モード切替スイッチ510の回動位置検知の方法を説明するための模式図であり、図24(a)〜(e)にモード切替スイッチ510の5つの回動位置での遮光部516及びフォトインタラプタ554の状態を模式的に示してある。また、図25には図24の(a)〜(e)の回動位置における各フォトインタラプタ554の出力値を表にまとめて示してある。なお、図24及び図25においては、3つの遮光部516をそれぞれ516a〜516cとして区別し、同様に3つのフォトインタラプタ554を554a〜554cとして区別してある。また、各フォトインタラプタ554は、発光部からの光が遮光された場合に”H(ハイ)”信号を出力し、発光部からの光を受光部が受講した場合に”L(ロー)”信号を出力するものとする。
モード切替スイッチ510が平面視で最も左側の位置へ回動された場合(図中(a)参照)、中央の遮光部526bが右側のフォトインタラプタ554cを遮光する。よって、フォトインタラプタ554a及び554bが”L”を出力し、フォトインタラプタ554cのみが”H”を出力する。
モード切替スイッチ510が平面視で左から2番目の位置へ回動された場合(図中(b)参照)、遮光部516aが中央のフォトインタラプタ554bを遮光し、遮光部516cがフォトインタラプタ554cを遮光する。よって、フォトインタラプタ554aのみが”L”を出力し、フォトインタラプタ554a及び554bが”H”を出力する。
モード切替スイッチ510が平面視で中央の位置へ回動された場合(図中(c)参照)、中央の遮光部516bが中央のフォトインタラプタ554bを遮光する。よって、フォトインタラプタ554a及び554cが”L”を出力し、フォトインタラプタ554bのみが”H”を出力する。
モード切替スイッチ510が平面視で右から2番目の位置へ回動された場合(図中(d)参照)、遮光部516aがフォトインタラプタ554aを遮光し、遮光部516cが中央のフォトインタラプタ554bを遮光する。よって、フォトインタラプタ554a及び554bが”H”を出力し、フォトインタラプタ554cのみが”L”を出力する。
モード切替スイッチ510が平面視で最も右側の位置へ回動された場合(図中(e)参照)、中央の遮光部516bがフォトインタラプタ554aを遮光する。よって、フォトインタラプタ554aのみが”H”を出力し、フォトインタラプタ554b及び554cが”L”を出力する。
以上により、モード切替スイッチ510の5つの回動位置において、3つのフォトインタラプタ554が出力する信号”H”又は”L”の組み合わせが全て異なることから、出力信号の組み合わせを調べることによって回動位置を検知することができる。出力信号の組み合わせの判断は、基板550に搭載された制御回路などで行う。
なお、本実施の形態に係る操作装置500においては、隣り合う遮光部516a〜516cの中心間の距離が、隣り合うフォトインタラプタ554a〜554cの中心間の距離の半分としたが、これに限るものではない。例えば、隣り合う遮光部516a〜516cの間隔と隣り合うフォトインタラプタ554a〜554cの間隔とが等しい構成であってもよい。この構成においては、モード切替スイッチ510が中央位置に回動された場合(図24(c)に対応する)、3つの遮光部516a〜516cが3つのフォトインタラプタ554a〜554cをそれぞれ遮光するよう構成する。また、モード切替スイッチ510が最も右側の位置へ回動された場合(図24(e)に対応する)、1つの遮光部516aが1つのフォトインタラプタ554cを遮光するよう構成する。これにより、モード切替スイッチ510の5つの回動位置を3つのフォトインタラプタ554a〜554cの出力信号の組み合わせに応じて検知することができる。
図26は、筺体501、モード切替スイッチ510、ベース筒570及び被係合部材540等の図示を省略した操作装置500の斜視図である。基板550に搭載された2つのフォトインタラプタ553は、基板550に固定された固定軸530の下側軸部533の周囲に、且つ、基板550に固定されたベース筒570の内側に、周方向に等間隔で並べて設けてある。フォトインタラプタ553は、フォトインタラプタ554と同様の構成であり、発光部からの光を受光部が受光できるか否かにより遮光を検知でき、遮光された場合に”H”信号を出力し、遮光されない場合に”L”信号を出力する。
ダイヤルスイッチ520が有する複数の遮光部565は、回動軸部522の大径円筒部分522bの下端から更に下方に延び出すように、大径円筒部分522bの周方向に沿って等間隔に設けてある。複数の遮光部565は、ダイヤルスイッチ520の回動に伴って、基板550に設けられたフォトインタラプタ553の発光部及び受光部の間を通って回動するようにしてある。
また、ダイヤルスイッチ520の隣り合う遮光部565の間隔は、基板550上の2つのフォトインタラプタ553の間隔より狭い。例えば、遮光部565の間隔を、フォトインタラプタ553の間隔の3/4程度に設定することができる。
図27乃至図29は、ダイヤルスイッチ520の回動検知の方法を説明するための模式図であり、図24にダイヤルスイッチ520を時計回りに回動させた場合の遮光部565及びフォトインタラプタ553の状態を(a)〜(e)の順で時系列に示し、図25にダイヤルスイッチ520を反時計回りに回動させた場合の遮光部565及びフォトインタラプタ553の状態を(a)〜(e)の順で時系列に示す。また、2つのフォトインタラプタ553の出力信号を図29に示し、図29(a)がダイヤルスイッチ520を時計回りに回動させた場合であり、図29(b)がダイヤルスイッチ520を反時計回りに回動させた場合である。なお、図27乃至図29においては、2つのフォトインタラプタ553をそれぞれ553a及び553bとして区別してある。
2つのフォトインタラプタ553a及び553bが共に遮光されていない状態から、ダイヤルスイッチ520が時計回りに回動された場合、フォトインタラプタ553bが先に遮光され、その後にフォトインタラプタ553aが遮光される(図27(a)〜(e)参照)。
これに対して、2つのフォトインタラプタ553a及び553bが共に遮光されていない状態から、ダイヤルスイッチ520が反時計回りに回動された場合、フォトインタラプタ553aが先に遮光され、その後にフォトインタラプタ553bが遮光される(図28(a)〜(e)参照)。
よって、2つのフォトインタラプタ553a及び553bが出力する信号を比較すると、ダイヤルスイッチ520を時計回りに回動させた場合には(図29(a)参照)、フォトインタラプタ553bが出力する信号が先に”H”に変化して、その後にフォトインタラプタ553aが出力する信号が”H”に変化する。これに対して、ダイヤルスイッチ520を反時計回りに回動させた場合には(図29(b)参照)、フォトインタラプタ553aが出力する信号が先に”H”に変化して、その後にフォトインタラプタ553bが出力する信号が”H”に変化する。
以上により、2つのフォトインタラプタ553が出力する信号が”L”から”H”へ(又は”H”から”L”へ)変化するタイミングを調べることによって、ダイヤルスイッチ520の回動方向を検知することができる。また、フォトインタラプタ553が出力する信号の変化の間隔を調べることによって、ダイヤルスイッチ520の回動速度を検知することもできる。2つのフォトインタラプタ553の出力信号の変化のタイミング及び変化の間隔等の判断は、基板550に搭載された制御回路などで行う。
以上の構成の実施の形態5に係る操作装置500は、ダイヤルスイッチ520の回動軸部522の下端に一周に亘って設けた複数の遮光部565による遮光を2つのフォトインタラプタ553にて検知し、2つのフォトインタラプタ553が検知した遮光のタイミングに応じてダイヤルスイッチ520の回動方向及び回動量を検知する構成とすることにより、実施の形態1に係る操作装置のようにロータリエンコーダ51を用いて回動検知を行う場合と比較して、回動検知の手段を小型且つ安価に実現することができる。よって、操作装置500の小型化且つ低コスト化を実現できると共に、プッシュスイッチ580のための押圧検知スイッチ552及び発光のためのLED551等を基板550に搭載するスペースを確保することができる。
また、モード切替スイッチ510の円筒部512の下端に設けた3つの遮光部516による遮光を3つのフォトインタラプタ554にて検知し、3つのフォトインタラプタによる遮光の検知結果の組み合わせに応じてモード切替スイッチ510の回動位置を検知する構成とすることにより、モード切替スイッチ510による回動位置が多い場合であっても、操作装置500を大型化することなく容易に回動位置の検知を行うことができる。よって、操作装置500の更なる多機能化を容易に実現することができる。また、フォトインタラプタ553及び554は回動する部品と無接点で検知を行うことができるため、摩耗による故障などが発生する虞がなく、検知のための機構の信頼性を高めることができる。
また、操作装置500が押圧操作を受け付けるプッシュスイッチ580を備え、プッシュスイッチ580の押圧棒部583が固定軸530内(即ち、ダイヤルスイッチ520内)を挿通して基板550の押圧検知スイッチ552を押圧する構成とすることにより、操作装置500を大型化することなく、ユーザの押圧操作を操作装置500が受け付けることができるため、操作装置500の多機能化を実現でき、操作性を向上することができる。
また、基板550に設けたLED551が発する光を、固定軸530内に設けられた導光部材585を通して、ダイヤルスイッチ520の操作部521内に配される固定軸530のカバー部531内まで導き、カバー部531に設けた透光部531bから外部へ照射する構成とすることにより、操作装置500が発光する視覚的効果を与えることができるため、操作装置500の美観を高めることができると共に、夜間などにおける操作装置500の操作性を高めることができる。
なお、実施の形態5においては、操作装置500が筺体501を備える構成としたが、これに限るものではなく、筺体501を備えずに、例えば車輌のインストルメントパネルなどを筺体とする構成であってもよい。また、LED551が発する光を固定軸530のカバー部531に設けた透光部531bから外部へ照射する構成としたが、これに限るものではなく、固定軸530のカバー部531から更にダイヤルスイッチ520又はプッシュスイッチ580等へ光を導き、これらに透光部を設けて発光させる構成としてもよい。また、モード切替スイッチ510を揺動可能な構成としたが、これに限るものではなく、モード切替スイッチ510を揺動不可能な構成として回動操作のみを受け付ける構成としてもよい。
なお、実施の形態1〜5においては、回動操作に伴うクリック数の変化によりクリック感を変化させる構成としたが、これに限るものではない。例えば、クリックの硬さ(ダイヤルスイッチの回動により被係合部を1つの凹凸を乗り越えさせて次の凹凸へ移動させるのに必要な力)の変化によりクリック感を変化させてもよい。この場合、各クリック面の凹凸の数が同じであってもよく、各クリック面の凹凸の形状(高さなど)を変化させればよい。また、同一モード内でクリック間隔が変動する構成とし、異なるモード間ではクリック間隔の変動度合いを変化させることによって、モード間でのクリック感を変化させてもよい。この場合、例えば第1クリック面はダイヤルスイッチを右方向へ回動した際にクリック間隔が徐々に広がるように凹凸の間隔を設定し、第2クリック面はダイヤルスイッチを左方向へ回動した際にクリック間隔が徐々に広がるように凹凸の間隔を設定するなど、凹凸の数が同じであっても凹凸の間隔を適宜に設定することによってモード変更に伴ってクリック感を変更することができる。このように、複数のクリック面について凹凸の数のみでなく凹凸の形状などを適宜に変化させることでクリック感を変化させることができることは、本発明の開示より明らかである。