JP4590332B2 - レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

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本発明は、IC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造、さらにその他のフォトファブリケーション工程に使用される感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法に関するものである。さらに詳しくは220nm以下の遠紫外線などの露光光源、および電子線などによる照射源とする場合に好適な感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法に関するものである。
化学増幅系感光性組成物は、遠紫外光等の放射線の照射により露光部に酸を生成させ、この酸を触媒とする反応によって、活性放射線の照射部と非照射部の現像液に対する溶解性を変化させ、パターンを基板上に形成させるパターン形成材料である。
ArFエキシマレーザー(193nm)を露光光源として使用する場合、芳香族基を有する化合物が本質的に193nm領域に大きな吸収を示すため、上記化学増幅系でも十分ではなかった。
このため、脂環炭化水素構造を有する樹脂を含有するArFエキシマレーザー用レジストが開発されてきている。
上記脂環炭化水素構造を有する樹脂にラクトン構造を有する繰り返し単位を含有させることで性能が向上することが見出されている。特許文献1(特開平9−73173号公報)、特許文献2(米国特許第6388101B号明細書)にはメバロニックラクトン構造やγラクトン構造を有する繰り返し単位を含有する樹脂を用いたレジスト組成物が記載され、また、特許文献3(特開2000−159758号公報)、特許文献4(特開2001−109154号公報)、特許文献5(米国特許第2001−26901A号明細書)には脂環ラクトン構造を有する繰り返し単位を含有する樹脂を用いたレジスト組成物が記載されている。
しかしながら、レジストとしての総合性能の観点から、使用される樹脂、光酸発生剤、添加剤、溶剤等の適切な組み合わせを見い出すことが極めて困難であるのが実情であり、更に線幅100nm以下のような微細なパターンを形成する際には、単に解像力だけでなくラインパターンのラインエッジラフネス性能の改良が求められていた。
ここで、ラインエッジラフネスとは、レジストの特性に起因して、レジストのラインパターンと基板界面のエッジが、ライン方向と垂直な方向に不規則に変動した形状を呈することをいう。このパターンを真上から観察するとエッジが凸凹(±数nm〜数十nm程度)に見える。この凸凹は、エッチング工程により基板に転写されるため、凸凹が大きいと電気特性不良を引き起こし、歩留まりを低下させることになる。
また、脂環炭化水素構造を有する樹脂にラクトン構造を有する繰り返し単位を含有させた場合、エッチング耐性が劣化してしまうという問題点があった。
特開平9−73173号公報 米国特許第6388101号明細書 特開2000−159758号公報 特開2001−109154号公報 米国特許出願公開第2001−26901号明細書
本発明の目的は、解像力、ラインエッジラフネス、エッチング速度比が良好なレジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法を提供することにある。
本発明は、下記構成のレジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法であり、これにより本発明の上記目的が達成される。
(1)(A)ラクトン基とナフタレン環を有する繰り返し単位を含有する、酸の作用によりアルカリ現像液への溶解性が増大する樹脂及び(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含有し、該樹脂が有するラクトン基とナフタレン環を有する繰り返し単位におけるラクトン基が、ナフタレン環と連結して縮環したラクトン環を形成し、該ラクトン環がナフタレン環と共有する炭素原子を含めて5〜6員環であることを特徴とするレジスト組成物。
(2)該ラクトン基とナフタレン環を含有する繰り返し単位が、(メタ)アクリル酸エステル、イタコン酸エステル、フマル酸エステル及びビニルナフタレンから選ばれるモノマーに少なくともラクトン基及びナフタレン環が置換したモノマーに由来の繰り返し単位であることを特徴とする上記(1)に記載のレジスト組成物。
(3)該樹脂が、水酸基で置換された脂環炭化水素構造を側鎖に有する繰り返し単位を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のレジスト組成物。
(4)該樹脂が、一般式(pA)で示される繰り返し単位を含有することを特徴とする
上記(1)〜(3)のいずれかに記載のレジスト組成物。
Figure 0004590332
一般式(pA)に於いて、Rは、水素原子、ハロゲン原子又は1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。複数のRは、各々同じでも異なっていてもよい。
Aは、単結合、アルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルホンアミド基、ウレタン基、又はウレア基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを表す。
Rp 1 は、一般式(pI)又は(pII)のいずれかの基を表す。
Figure 0004590332
上記式中、R 11 は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又はsec−ブチル基を表し、Zは、炭素原子とともに脂環式炭化水素基を形成するのに必要な原子団を表す。
12 〜R 14 は、各々独立に、炭素数1〜4個の直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R 12 〜R 14 のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載のレジスト組成物によりレジスト膜を形成し、該レジスト膜を露光し、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
(6)該レジスト膜を液浸液を介して露光することを特徴とする上記(5)に記載のパターン形成方法。
本発明は、上記(1)〜(6)に係る発明であるが、以降、他の事項も含めて記載している。
本発明により、解像力、ラインエッジラフネス、エッチング速度比が良好なレジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法を提供することができる。
以下、本発明に使用する化合物について詳細に説明する。
尚、本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
(A)ラクトン基とナフタレン環を有する繰り返し単位を含有する、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂
本発明のレジスト組成物は、ラクトン基とナフタレン環を有する繰り返し単位を含有する、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂(A)を含有する。
該樹脂は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂(酸分解性樹脂)であり、酸の作用により分解しアルカリ可溶性基を生じる基(酸分解性基)を有する。酸分解性基は、樹脂の主鎖または側鎖、あるいは主鎖と側鎖の両方に存在していてもよい。このうち、酸分解性基を側鎖に有する樹脂がより好ましい。
酸分解性基として好ましい基は、−COOH基、−OH基の水素原子を酸で脱離する基で置換した基である。本発明においては、酸分解性基は、アセタールまたは3級エステル基であることが好ましい。
酸分解性基はいかなる繰り返し単位に含有していてもよい。
(ラクトン基とナフタレン環を有する繰り返し単位)
ラクトン基とナフタレン環を有する繰り返し単位は、ラクトン基がナフタレン環に直結していてもいなくても良い。
また、重合部位はメタクリル基、アクリル基、ビニル基、スチリル基などラジカル重合に活性を有するものが好ましく、中でもメタクリル基、アクリル基が特に好ましい。
ラクトン基とナフタレン環を含有する繰り返し単位が、(メタ)アクリル酸エステル、イタコン酸エステル、フマル酸エステル及びビニルナフタレンから選ばれるモノマーに少なくともラクトン基及びナフタレン環が置換したモノマー由来の繰り返し単位であることが好ましい。
また、ラクトン基がナフタレン環と連結して、ナフタレン環とラクトン環が縮合した構造であり、該ラクトン環が5〜6員環である構造を形成していることが好ましい。
以下に、ラクトン基とナフタレン環を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0004590332
Figure 0004590332
Figure 0004590332
上記繰り返し単位に対応するモノマーは、公知の方法により合成できる。例えば、
ラクトン置換ナフトールと(メタ)アクリロイルクロリドを、トリエチルアミン等の 塩基触媒存在下でエステル化する等の方法により合成することができます。
(脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位)
また、樹脂(A)は、脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位を有することが好ましい。特に、脂環炭化水素構造を酸分解性基中(特に酸の作用により離脱する基中)に有する繰り返し単位を含有することが好ましい。
本発明に於ける、脂環炭化水素構造としては、モノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ骨格を有する構造を挙げることができる。その炭素数は6〜30個が好ましく、特に炭素数7〜25個が好ましい。
本発明に於ける、脂環炭化水素構造としては、アダマンチル基、ノルアダマンチル基、デカリン残基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基を挙げることができる。より好ましくは、アダマンチル基、デカリン残基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基、トリシクロデカニル基が好ましい。
これらの脂環式炭化水素構造の置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基又はアルコキシカルボニル基が挙げられる。
アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基である。アルコキシ基としては、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。
これらは更に、水酸基、ハロゲン原子又はアルコキシ基等で置換されていてもよい。
樹脂(A)は、酸の作用により脱離する、脂環炭化水素構造を有する基を有する繰り返し単位を有することが好ましい。
酸の作用により脱離する、脂環炭化水素構造を有する基としては、下記一般式(pI)〜一般式(pVI)で示される脂環炭化水素構造を有する基が好ましい。
Figure 0004590332
上記式中、R11は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又はsec−ブチル基を表し、Zは、炭素原子とともに脂環式炭化水素基を形成するのに必要な原子団を表す。
12〜R16は、各々独立に、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R12〜R14のうち少なくとも1つ、もしくはR15、R16のいずれかは脂環式炭化水素基を表す。
17〜R21は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキ
ル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R17〜R21のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。また、R19、R21のいずれかは炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表す。
22〜R25は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R22〜R25のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。また、R23とR24は、互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(pI)〜(pVI)において、R12〜R25におけるアルキル基としては、置換もしくは非置換のいずれであってもよい、1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。そのアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
また、上記アルキル基の更なる置換基としては、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アシル基、アシロキシ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基等を挙げることができる。
11〜R25における脂環式炭化水素基或いはZと炭素原子が形成する脂環式炭化水素基としては、単環式でも、多環式でもよい。具体的には、炭素数5以上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができる。その炭素数は6〜30個が好ましく、特に炭素数7〜25個が好ましい。これらの脂環式炭化水素基は置換基を有していてもよい。
脂環式炭化水素基の好ましいものとしては、アダマンチル基、ノルアダマンチル基、デカリン残基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基を挙げることができる。より好ましくは、アダマンチル基、デカリン残基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基である。
これらの脂環式炭化水素基の置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基である。アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。アルキル基、アルコキシ基は、更に、置換基を有していてもよい。アルキル基、アルコキシ基の更なる置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることができる。
上記樹脂における一般式(pI)〜(pVI)で示される構造は、アルカリ可溶性基の保護に使用することができる。アルカリ可溶性基としては、この技術分野において公知の種々の基が挙げられる。
具体的には、カルボン酸基、スルホン酸基、フェノール基、チオール基などが挙げられ、好ましくはカルボン酸基、スルホン酸基である。
上記樹脂における一般式(pI)〜(pVI)で示される構造で保護されたアルカリ可溶性基としては、好ましくはカルボキシル基の水素原子が一般式(pI)〜(pVI)で表される構造で置換された構造が挙げられる。
上記アルキル基、環状炭化水素基、アルコキシ基における更なる置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルコキシ基、アシル基、シアノ基、アシルオキシ
基、アルキル基、環状炭化水素基等を挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものが挙げることができ、アシル基としてはホルミル基、アセチル基等を挙げることができ、アシルオキシ基としてはアセトキシ基等を挙げることができる。
また、アルキル基、環状炭化水素基は、上記で挙げたものが挙げられる。
樹脂(A)においては、酸の作用により分解する基(酸分解性基)は、前記一般式(pI)〜一般式(pVI)で示される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位及びその他の共重合成分の繰り返し単位のうち少なくとも1種の繰り返し単位に含有することができる。
酸の作用により脱離する、脂環炭化水素構造を有する基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(pA)で示される繰り返し単位が好ましい。
Figure 0004590332
一般式(pA)に於いて、Rは、水素原子、ハロゲン原子又は1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。複数のRは、各々同じでも異なっていてもよい。
Aは、単結合、アルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルホンアミド基、ウレタン基、又はウレア基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを表す。好ましくは単結合である。
Rp1は、上記一般式(pI)〜(pVI)のいずれかの基を表す。
一般式(pA)で表される繰り返し単位は、最も好ましくは、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、ジアルキル(1−アダマンチル)メチル(メタ)アクリレートによる繰り返し単位である。
以下、一般式(pA)で示される繰り返し単位の具体例を示す。
Figure 0004590332
上記各構造式に於いて、Rxは、H、CH3、CF3又はCH2OHを表し、Rxa及び
Rxbは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
樹脂(A)は、上記繰り返し単位に加えて、ナフタレン環を有しない、ラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(a)」ともいう)を有することも好ましい。
ラクトン構造としては、ラクトン構造を有していればいずれの構造でも用いることができるが、好ましくは5員環または6員環ラクトン構造である。ラクトン構造部分は置換基を有していても有していなくてもよい。好ましい置換基としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、シアノ基などが挙げられる。
好ましいラクトン構造として、以下に示す(LC1−1)〜(LC1−12)で表されるラクトン構造を挙げることができる。これらは上述の置換基を有していてもよい。
Figure 0004590332
ラクトン構造を有する構造として、好ましくは、下記一般式(I)で表される構造を挙げることができる。更に好ましくは、一般式(I')で表される構造を挙げることができ
る。
Figure 0004590332
一般式(I)及び(I')に於いて、
Xは、CH2、酸素原子、硫黄原子又は−C(=O)−を表す。
Lcは、ラクトンを形成する基を表す。
Ra1及びRa2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基又は酸分解性基を表す。
Ra3は、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシ
カルボニル基又は酸分解性基を有する基を表す。
Ra1〜Ra3のいずれか2つが結合して環又は酸分解性基を形成してもよい。
nは、1又は2の整数を表す。
1及びn2は、0〜3の整数を表す。但し、n1+n2は、1〜6の整数である。
3は、0〜3の整数を表す。
Lcに於ける、ラクトンは、上記ラクトン構造と同様のものである。
Ra1及びRa2に於ける、アシル基としては、炭素数2〜20のアシル基が挙げられ、アセチル基、プロピオニル基などの鎖状炭化水素基を有するアシル基、シクロヘキサンカルボニル基、アダマンタンカルボニル基などの単環または多環の環状炭化水素基を有するアシル基が挙げられる。アルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基などの直鎖または分岐の鎖状アルキル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、炭素数3〜20のシクロアルキル基が挙げられ、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基などの多環のシクロアルキル基が挙げられる。酸分解性基としては、アセタール基、ケタール基、シリルエーテル基、3級アルキルオキシカルボニル基などの様に、水酸基を酸分解性保護基で保護した構造を有する基を挙げることができ、あるいは連結基を介して酸分解性基が水酸基の水素原子を置換していてもよい。
好ましい酸分解性基として、隣接する2個の水酸基の水素原子が結合して環状アセタール又は環状ケタール構造を形成した基であり、より好ましくは5員環ケタール構造であり、更に好ましくは、隣接する2個の水酸基の水素原子が結合して2,2−ジアルキル1,3−ジオキソラン構造を形成したものである。オキソラン上のジアルキル基は、結合して単環又は多環構造を形成してもよい。
Ra3のアルキル基及びRa3のアルコキシ基、アルコキシカルボニル基に於けるアルキル基は、上記アルキル基と同様のものである。
Ra3のアシルオキシ基に於けるアシル基は、上記アシル基と同様のものである。
Ra1〜Ra3のいずれか2つが結合して形成する基としては、例えば、炭素数3〜20の炭化水素基を挙げることができ、酸素原子を有していてもよい。
一般式(LC1−1)〜(LC1−12)のいずれかで表されるラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AI)で表される繰り返し単位等を挙げることができる。
Figure 0004590332
一般式(AI)中、Rb0は、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜4の置換もしくは非置換のアルキル基を表す。Rb0のアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、シアノ基などが挙げられる。
b0のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げるこ
とができる。Rb0は水素原子が好ましい。
A'は、単結合、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アルキレン基、又はこれら
を組み合わせた2価の基を表す。
2は、一般式(LC1−1)〜(LC1−12)のうちのいずれかで示される基を表
す。
以下に、ラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明がこれに限定されるものではない。
Figure 0004590332
Figure 0004590332
一般式(I)の構造を有する繰り返し単位としては、一般式(I)の構造を有する(メタ)アクリル酸エステル誘導体、(メタ)アクリルアミド誘導体、ビニルエーテル誘導体、オレフィン誘導体、スチレン誘導体などが挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル誘導体であり、より好ましくは下記一般式(Ia)で表される繰り返し単位であり、更により好ましくは下記一般(Ia−1)で表される繰り返し単位である。
Figure 0004590332
一般式(Ia)、(Ia−1)に於いて、
Rb1は、水素原子、アルキル基又は−CH2−O−Rb2を表す。式中、Rb2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基又はラクトン構造を有する基を表す。
Rcは、単結合又は2価の連結基を表す。
Xは、CH2、酸素原子、硫黄原子又は−C(=O)−を表す。
Lcは、ラクトンを形成する基を表す。
Ra1及びRa2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基又は酸分解性基を表す。
Ra3は、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシ
カルボニル基又は酸分解性基を有する基を表す。
Ra1〜Ra3のいずれか2つが結合して環又は酸分解性基を形成してもよい。
nは、1又は2の整数を表す。
1及びn2は、0〜3の整数を表す。但し、n1+n2は、1〜6の整数である。
3は、0〜3の整数を表す。
Rb1のアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状アルキル基が好ましく、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。Rb1のアルキル基は、置換基を有していてもよい。Rb1のアルキル基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、水酸基等を挙げることができる。
Rb2に於ける、アルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基が挙げられ、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基などの直鎖または分岐の鎖状アルキル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、炭素数3〜20のシクロアルキル基が挙げられ、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基などの多環のシクロアルキル基が挙げられる。アシル基としては、炭素数2〜20のアシル基が挙げられ、アセチル基、プロピオニル基などの鎖状炭化水素基を有するアシル基、シクロヘキサンカルボニル基、アダマンタンカルボニル基などの単環または多環の環状炭化水素基を有するアシル基が挙げられる。
Rb2のラクトン構造を有する基に於けるラクトン構造としては、先に述べたラクトン
構造と同様のものを挙げることができる。
Rcの2価の連結基としては、アルキレン基、シクロアルキレン基、−CO2−又はこ
れらの複数が連結基となったものを挙げることができる。
Rb2のアルキル基、シクロアルキル基、アシル基、Rb2のラクトン構造を有する基、Rcの2価の連結基は、置換基を有していてもよい。Rb2のアルキル基、シクロアルキ
ル基、アシル基、Rb2のラクトン構造を有する基、Rcの2価の連結基の置換基として
は、フッ素原子、塩素原子、水酸基等を挙げることができる。
Rcの2価の連結基としては、アルキレン基又はシクロアルキレン基と−CO2−基と
が連結したアルキルカルボキシル連結基又はシクロアルキルカルボキシル連結基が好ましく、更に好ましくは多環のシクロアルキルカルボキシル連結基である。具体的には、アダマンチルカルボキシル連結基、ノルボルナンカルボキシル連結基等が挙げられる。
Rcとしては、単結合が特に好ましい。Rcを単結合とすることで、樹脂のガラス転移温度を適正な温度に調節することができ、露光ラチチュードが向上する。
繰り返し単位(Ia)として、好ましい具体例を以下に示す。
尚、以下の具体例では、複数の光学異性体を有することが可能であり、単一の光学異性体を用いてもよいし、複数の光学異性体の混合物を用いてもよいが、単一の光学異性体を用いることが好ましい。
Figure 0004590332
繰り返し単位(Ia)に相当するモノマーとしては、下記一般式(Ib)で表されるモノマーが好ましく、更に好ましくは下記一般式(Ib')で表されるモノマーである。
Figure 0004590332
一般式(Ib)及び(Ib')に於いて、
Rb1は、水素原子、アルキル基又は−CH2−O−Rb2を表す。式中、Rb2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基又はラクトン構造を有する基を表す。
Rcは、単結合又は2価の連結基を表す。
Xは、CH2、酸素原子、硫黄原子又は−C(=O)−を表す。
Lcは、ラクトンを形成する基を表す。
Ra1及びRa2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基又は酸分解性基を表す。
Ra3は、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシ
カルボニル基又は酸分解性基を有する基を表す。
Ra1〜Ra3のいずれか2つが結合して環又は酸分解性基を形成してもよい。
nは、1又は2の整数を表す。
1及びn2は、0〜3の整数を表す。但し、n1+n2は、1〜6の整数である。
3は、0〜3の整数を表す。
繰り返し単位(Ia)に相当するモノマーとして、好ましい具体例を以下に示す。
Figure 0004590332
本発明においては、その他の5又は6員環が縮環したラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(b)」ともいう)を有することも好ましい。繰り返し単位(b)に於ける、縮環して形成される5又は6員環は、環を形成する原子に酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含有していてもよいし、2重結合を含んでいてもよく、具体的には、シクロヘキサン環、シクロペンタン環、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環、シクロへキセン環、シクロペンテン環、ジヒドロフラン環、ジヒドロピラン環、テトラヒドロチオフェン環、ジヒドロチオフェン環等が挙げられる。
5又は6員環が縮環したラクトン構造としては、下記一般式(II)又は(III)で表される構造を挙げることができる。
Figure 0004590332
一般式(II)、(III)に於いて、
Lcは、ラクトンを形成する基を表す。
Ra3は、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシ
カルボニル基又は酸分解性基を有する基を表す。
Ra3が複数個ある場合に、複数個のRa3のいずれか2つが結合して環を形成してもよい。
1は、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2O−、−O−、−S−又は−CH2S−を表す。
3は、0〜3の整数を表す。
一般式(II)、(III)に於けるLc、Ra3、n3は、一般式(I)に於けるLc、Ra3、n3と同様のものである。
Lcが形成するラクトン構造としては、5又は6員環ラクトンが好ましい。
一般式(II)又は(III)で表される構造を有する繰り返し単位として、好ましくは、下記一般式(IIa)又は(IIIa)で表される繰り返し単位を挙げることができ、Rcとラクトン構造のα位が結合している繰り返し単位がより好ましい。
Figure 0004590332
一般式(IIa)、(IIIa)に於いて、
Rb1は、水素原子、アルキル基又は−CH2−O−Rb2を表す。式中、Rb2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基又はラクトン構造を有する基を表す。
Rcは、単結合又は2価の連結基を表す。
Lcは、ラクトンを形成する基を表す。
Ra3は、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシ
カルボニル基又は酸分解性基を有する基を表す。
Ra3が複数個ある場合に、複数個のRa3のいずれか2つが結合して環を形成してもよい。
1は、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2O−、−O−、−S−又は−CH2S−を表す。
3は、0〜3の整数を表す。
一般式(IIa)、(IIIa)に於けるLc、Ra3、n3は、一般式(I)に於けるLc、Ra3、n3と同様のものである。
一般式(IIa)、(IIIa)に於けるRb1、Rcは、一般式(Ia)に於けるR
1、Rcと同様のものである。
一般式(II)又は(III)で表される構造を有する繰り返し単位として、より好ましくは、下記一般式(IIa−1)又は(IIIa−1)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 0004590332
一般式(IIa−1)、(IIIa−1)に於いて、
Rb1は、水素原子、アルキル基又は−CH2−O−Rb2を表す。式中、Rb2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基又はラクトン構造を有する基を表す。
Rcは、単結合又は2価の連結基を表す。
Ra3は、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシ
カルボニル基又は酸分解性基を有する基を表す。
Ra3が複数個ある場合に、複数個のRa3のいずれか2つが結合して環を形成してもよい。
2は、単結合又は−CH2−を表す。
3は、単結合又は−CH2−を表す。
4は、単結合、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2O−、−O−、−S−又は−C
2S−を表す。
5は、単結合、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2O−、−O−、−S−又は−C
2S−を表す。
4とX5の水素原子を除いた原子数の和は、1又は2である。
3は、0〜3の整数を表す。
2〜X5の組み合わせとしては、X2〜X4が単結合で、X5が−CH2−である組み合わせ及びX2〜X4が単結合で、X5が−CH2−CH2−である組み合わせが好ましい。
一般式(IIa−1)、(IIIa−1)に於ける、Ra3、n3は、一般式(I)に於けるRa3、n3と同様のものである。
一般式(IIa−1)、(IIIa−1)に於ける、Rb1、Rcは、一般式(Ia)
に於けるRb1、Rcと同様のものである。
一般式(II)で表されるラクトン構造を有する繰り返し単位として好ましいものを以下に示す。
Figure 0004590332
一般式(III)で表されるラクトン構造を有する繰り返し単位として好ましいものを以下に示す。
Figure 0004590332
繰り返し単位(IIa)に相当するモノマーとしては、下記一般式(IIb)、(II
Ib)で表されるモノマーが好ましく、更に好ましくは下記一般式(IIb')、(II
Ib')で表されるモノマーである。
Figure 0004590332
Figure 0004590332
一般式(IIb)、(IIIb)に於けるRb1、Rc、Lc、X1、Ra3、n3は、一般式(IIa)、(IIIa)に於けるRb1、Rc、Lc、X1、Ra3、n3と同様のものである。
一般式(IIb')、(IIIb')に於けるRb1、Rc、Ra3、n3、X2、X3、X4、X5は一般式(IIa−1)、(IIIa−1)に於けるRb1、Rc、Ra3、n3、X2、X3、X4、X5と同様のものである。
以下、一般式(IIb)で表されるモノマーの具体例を挙げるが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 0004590332
以下、一般式(IIIb)で表されるモノマーの具体例を挙げるが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 0004590332
前記繰り返し単位(Ia)、(IIa)に相当するモノマーは、対応するヒドロキシラ
クトンと、例えば、(メタ)アクリル酸無水物、(メタ)アクリル酸クロリド等とを塩基性条件下反応させることによって得ることができる。ヒドロキシラクトンは、例えば、Tetrahedron、(1987)、p415に記載の方法、J.Chem.Soc.PERKIN Trans.1.(1993)、p313に記載の方法、Tetrahedron、(1994)、p10265に記載の方法、J.Org.Chem、(1952)、p600に記載の方法等により合成することができる。
樹脂(A)は、繰り返し単位(Ia)又は繰り返し単位(IIa)中に、複数の光学異性体を有することが可能であり、単一の光学異性体を用いてもよいし、複数の光学異性体の混合物を用いてもよいが、単一の光学異性体を用いることが好ましい。
(水酸基で置換された脂環炭化水素構造を側鎖に有する繰り返し単位)
樹脂(A)は、水酸基で置換された脂環炭化水素構造を側鎖に有する繰り返し単位を含有することが好ましい。ここで、脂環炭化水素構造は、特に限定されず、前述のものを挙げることができる。
水酸基で置換された脂環炭化水素構造として、下記一般式(VII)で表される基が特に好ましい。
Figure 0004590332
一般式(VII)中、R2c〜R4cは、各々独立に水素原子又は水酸基を表す。ただし、R2c〜R4cのうち少なくとも1つは水酸基を表す。
一般式(VII)で表される基は、好ましくはジヒドロキシ体、モノヒドロキシ体であり、より好ましくはジヒドロキシ体である。
一般式(VII)で表される基を有する繰り返し単位としては、たとえば下記一般式(AII)で表される繰り返し単位等を挙げることができる。
Figure 0004590332
一般式(AII)中、R1cは、水素原子又はメチル基を表す。
2c〜R4cは、各々独立に水素原子又は水酸基を表す。ただし、R2c〜R4cのうち少なくとも1つは水酸基を表す。R2c〜R4cのうちの二つが水酸基であるものが好ましい。
以下に、一般式(AII)で表される構造を有する繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0004590332
樹脂(A)は、上述の繰り返し構造単位以外に、ドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さらにレジストの一般的な必要な特性である解像力、耐熱性、感度等を調節する目的で様々な繰り返し構造単位を含有することができる。
このような繰り返し構造単位としては、下記の単量体に相当する繰り返し構造単位を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これにより、樹脂に要求される性能、特に、(1)塗布溶剤に対する溶解性、(2)製
膜性(ガラス転移点)、(3)アルカリ現像性、(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、(5)未露光部の基板への密着性、(6)ドライエッチング耐性、等の微調整が可能となる。
このような単量体として、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等を挙げることができる。
その他にも、上記種々の繰り返し構造単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物であれば、共重合されていてもよい。
樹脂(A)において、各繰り返し構造単位の含有モル比はレジストのドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さらにはレジストの一般的な必要性能である解像力、耐熱性、感度等を調節するために適宜設定される。
樹脂(A)中、ラクトン基とナフタレン環を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)が含有する全繰り返し単位に対して、一般的に10〜60モル%、好ましくは15〜50モル%、より好ましくは20〜40モル%である。
樹脂(A)中、酸分解性基を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中15〜60モル%が好ましく、より好ましくは15〜50モル%、さらに好ましくは20〜40モル%である。
樹脂(A)中、脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中、好ましくは、15〜60モル%、より好ましくは15〜50モル%、さらに好ましくは20〜40モル%である。
樹脂(A)中、ナフタレン環を有さず、ラクトン構造を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し単位中0〜60モル%が好ましく、より好ましくは0〜50モル%、さらに好ましくは0〜30モル%である。
樹脂(A)中、水酸基で置換された脂環炭化水素構造を側鎖に有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し単位中5〜40モル%が好ましく、より好ましくは10〜30モル%、さらに好ましくは15〜30モル%である。
樹脂(A)は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。
例えば、一般的合成方法としては、モノマー種を、一括であるいは反応途中で反応容器に仕込み、これを必要に応じ反応溶媒、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどの環状エーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン類、さらには後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルのような本発明の組成物を溶解する溶媒に溶解させ均一とした後、窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で必要に応じ加熱、市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は10質量%以上であり、好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上である。反応温度は10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜130℃、さらに好ましくは50℃〜110℃である。
上記具体例で表される繰り返し構造単位は、各々1種で使用してもよいし、複数を混合して用いてもよい。
樹脂(A)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
樹脂(A)の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、7,000〜50,000であり、かつ分散度(重量平均分子量/数平均分子量、Mw/Mn)が1.5以下であることが好ましい。
重量平均分子量が上記範囲であることは、耐熱性やドライエッチング耐性と、現像性や製膜性を両立させる上で好ましい。分子量分布が1.5以下であることは、解像度、レジスト形状やレジストパターンの側壁の荒れ防止、ラフネス性の点から好ましい。
樹脂(A)の配合量は、レジスト組成物中の全固形分に対し、40〜99.99質量%が好ましく、より好ましくは50〜99.97質量%である。
(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物
本発明のレジスト組成物に用いられる、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「酸発生剤」と呼ぶ場合がある。)について以下に説明する。
本発明において使用される酸発生剤としては、一般に酸発生剤として使用される化合物の中から選択することができる。
即ち、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
たとえば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネートを挙げることができる。
また、これらの活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。
さらに米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光によ
り酸を発生する化合物も使用することができる。
酸発生剤の内で好ましい化合物として、下記一般式(ZI)、(ZII)または(ZIII)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0004590332
上記一般式(ZI)において、R201、R202及びR203は、各々独立に有機基を表す。
-は、非求核性アニオンを表す。
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1
〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
201、R202及びR203としての有機基の具体例としては、後述する化合物(ZI−1
)、(ZI−2)、(ZI−3)における対応する基を挙げることができる。
尚、一般式(ZI)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般
式(ZI)で表される化合物のR201〜R203の少なくともひとつが、一般式(ZI)で表されるもうひとつの化合物のR201〜R203の少なくともひとつと結合した構造を有する化合物であってもよい。
更に好ましい(ZI)成分として、以下に説明する化合物(ZI−1)、(ZI−2)、及び(ZI−3)を挙げることができる。
化合物(ZI−1)は、上記一般式(ZI)のR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニム化合物、即ち、アリールスルホニウムをカチオンとする化合物である。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201
〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基、シクロアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールジシクロアルキルスルホニウム化合物等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。アリールスルホニウム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖又は分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているシクロアルキル基は、炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば、炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を置換基として有してもよい。好ましい置換基は、炭素数1〜12の直鎖又は分岐状アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
-としての非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン、カルボン酸ア
ニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオン等を挙げることができる。
非求核性アニオンとは、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンであり、分子内求核反応による経時分解を抑制することができるアニオンである。これによりレジストの経時安定性が向上する。
スルホン酸アニオンとしては、例えば、脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなどが挙げられる。
カルボン酸アニオンとしては、例えば、脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなどが挙げられる。
脂肪族スルホン酸アニオンにおける脂肪族基としては、例えば、炭素数1〜30のアルキル基、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基及び炭素数3〜30のシクロアルキル基、具体的には、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボニル基、ボロニル基等を挙げることができる。
芳香族スルホン酸アニオンにおける芳香族基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
上記脂肪族スルホン酸アニオン及び芳香族スルホン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。
このような置換基としては、例えば、ニトロ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリー
ル基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜15)、等を挙げることができる。各基が有するアリール基及び環構造については、置換基としてさらにアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。
脂肪族カルボン酸アニオンにおける脂肪族基としては、脂肪族スルホン酸アニオンにおける脂肪族基と同様のものを挙げることができる。
芳香族カルボン酸アニオンにおける芳香族基としては、芳香族スルホン酸アニオンにおける芳香族基と同様のものを挙げることができる。
アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数6〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
上記脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン及びアラルキルカルボン酸
アニオンにおける脂肪族基、芳香族基及びアラルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、脂肪族スルホン酸アニオンにおけると同様のハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができる。
スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、サッカリンアニオンを挙げることができる。
ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基等を挙げることができる。これらのアルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としてはハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができ、フッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
その他の非求核性アニオンとしては、例えば、弗素化燐、弗素化硼素、弗素化アンチモン等を挙げることができる。
-の非求核性アニオンとしては、スルホン酸のα位がフッ素原子で置換された脂肪族
スルホン酸アニオン、フッ素原子又はフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホン酸アニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。非求核性アニオンとして、特に好ましくは炭素数4〜8のパーフロロ脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子を有する芳香族スルホン酸アニオン、最も好ましくはノナフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、3,5−ビス(トリフロロメチル)ベンゼンスルホン酸アニオンである。
次に、化合物(ZI−2)について説明する。
化合物(ZI−2)は、一般式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を有さない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、更に好ましくは直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、最も好ましくは直鎖、分岐2−オキソアルキル基である。
201〜R203としてのアルキル基は、直鎖又は分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等を挙げることができる。アルキル基として、より好ましくは2−直鎖又は分岐状オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基を挙げることができる。
201〜R203としてのシクロアルキル基は、炭素数3〜10のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基等を挙げることができる。シクロアルキル基として、より好ましくは2−オキソシクロアルキル基を挙げることができる。
2−オキソアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、好ましくは、上記のアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
化合物(ZI−3)とは、以下の一般式(ZI−3)で表される化合物であり、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する化合物である。
Figure 0004590332
1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
6c及びR7cは、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基又はビニル基を表す。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。
Zc-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
1c〜R7cとしてのアルキル基は、炭素数1〜20個の直鎖又は分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐プロピル基、直鎖又は分岐ブチル基、直鎖又は分岐ペンチル基等を挙げることができる。
1c〜R7cとしてのシクロアルキル基は、炭素数3〜8個のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
好ましくはR1c〜R5cのうちいずれかが直鎖又は分岐状アルキル基、シクロアルキル基又は直鎖、分岐、環状アルコキシ基であり、更に好ましくはR1c〜R5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
x及びRyとしてのアルキル基、シクロアルキル基は、R1c〜R7cとしてのアルキル基、シクロアルキル基と同様のものを挙げることができ、2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基がより好ましい。
2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基は、R1c〜R7cとしてのアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cとしてのアルコキシ基と同様のものを挙げることができる。
x及びRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
x、Ryは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基であり、より好ましくは6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル基である。
一般式(ZII)及び(ZIII)中、
204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
204〜R207のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
204〜R207としてのアルキル基は、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)等を挙げることができる。
204〜R207としてのシクロアルキル基は、炭素数3〜10のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基等を挙げることができる。
204〜R207が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
酸発生剤の内で好ましい化合物として、更に、下記一般式(ZIV)、(ZV)または(ZVI)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0004590332
一般式(ZIV)〜(ZVI)中、
Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
206、R207及びR208は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基をし、これ
らは、R204〜R207としてのアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基と同様である。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
酸発生剤の内でより好ましくは、一般式(ZI)〜(ZIII)で表される化合物である。
本発明における酸発生剤として、特に好ましくは、フッ素原子が置換した炭素数4以下のアルキル基、フッ素原子が置換したシクロアルキル基、または、フッ素原子が置換した芳香属基を含むアニオン構造と、トリアリールスルホニウムカチオン構造と、を有する酸発生剤である。このような酸発生剤として好ましくは、下記一般式(B1)〜(B3)で表されるものである。
Figure 0004590332
一般式(B1)〜(B3)中、
1は、各々独立に、アルキル基、脂環炭化水素基、水酸基、カルボキシル基、アルコ
キシ基又はハロゲン原子を表す。
yは、互いに独立に、0又は1〜5の整数を表す。yが2以上の整数の場合に、2個以上あるR1は、同じでも異なっていてもよい。
1〜Q4は、各々独立に、フッ素原子で置換された炭素数4以下のアルキル基、フッ素原子で置換されたシクロアルキル基、フッ素原子で置換されたアリール基又はフッ素化アルキル基で置換されたアリール基を表す。
1のアルキル基としては、炭素数1〜15の直鎖又は分岐状アルキル基が好ましく、
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
1の脂環炭化水素基としては、たとえば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等があげられる。
1〜Q4のフッ素原子で置換された炭素数4以下のアルキル基としては、例えば、−CF3、−C25、−n-C37、−CF(CF32、−CH(CF32、−(CF22OCF2CF3、−(CF22O(CH23CH3、−(CF22O(CH213CH3、−(C
22O(CF22(CH23CH3等が挙げられる。Q1〜Q4のフッ素原子で置換され
た炭素数4以下のアルキル基は、更にアルコキシ基、フロロアルコキシ基等の置換基を有していてもよい。
1〜Q4のフッ素原子で置換されたアリール基としては、例えば、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル基、2,3,4−トリフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−ウンデカニルオキシ−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基などがあげられる。
1〜Q4のフッ素化アルキル基で置換されたアリール基としては、例えば、3−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、4−n−ノナフルオロブチルフェニル基などがあげられる。
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物の中で、特に好ましいものの例を以下に挙げる。
Figure 0004590332
Figure 0004590332
Figure 0004590332
酸発生剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
酸発生剤のレジスト組成物中の含量は、レジスト組成物の全固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
(C)酸の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する、分子量3000以下の溶解阻止化合物(以下、「溶解阻止化合物」ともいう)
本発明のレジスト組成物は、酸の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する、分子量3000以下の溶解阻止化合物(以下、「溶解阻止剤」ともいう)
を含有することが好ましい。
溶解阻止剤としては、220nm以下の透過性を低下させないため、Proceeding of SPIE, 2724, 355 (1996)に記載されている酸分解性基を含むコール酸誘導体の様な、酸分解性基を含有する脂環族又は脂肪族化合物が好ましい。酸分解性基、脂環式構造としては、前記(A)成分の樹脂において説明したものと同様のものが挙げられる。
本発明における溶解阻止剤の分子量は、3000以下であり、好ましくは300〜3000、更に好ましくは500〜2500である。
溶解阻止剤の添加量は、レジスト組成物の全固形分に対し、好ましくは1〜30質量%であり、より好ましくは2〜20質量%である。
以下に溶解阻止剤の具体例を示すが、これらに限定されない。
Figure 0004590332
(D)塩基性化合物
本発明のレジスト組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減するために、(D)塩基性化合物を含有することが好ましい。
塩基性化合物は、好ましくは下記式(A)〜(E)で示される構造を有する。
Figure 0004590332
ここで、R200 、R201 及びR202 は、同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜20個のアルキル基、炭素数1〜20個のシクロアルキル基又は炭素数6〜20個の置換もしくは非置換のアリール基を表し、ここで、R201とR202は、互いに結合して環を形成してもよい。
上記アルキル基は無置換であっても置換基を有するものであってもよく、置換基を有するアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、または炭素数1〜20のシアノアルキル基が好ましい。
203 、R204、R205 及びR206 は、同一でも異なってもよく、炭素数1〜6個のア
ルキル基を表す。
尚、これら一般式(A)〜(E)中のアルキル基は無置換であることがより好ましい。
塩基性化合物としては、例えば、置換または無置換の第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、アミド誘導体、イミド誘導体、シアノ基を有する含窒素化合物等が挙げられる。これらのなかで、脂肪族アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類が好ましい。有していてもよい好ましい置換基は、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、シアノ基、エステル基、ラクトン基である。
塩基性化合物は、単独或いは2種以上用いることができ、2種以上用いることがより好ましい。
塩基性化合物の使用量は、レジスト組成物の全固形分を基準として、通常、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。
酸発生剤と塩基性化合物のレジスト組成物中の使用割合は、酸発生剤/塩基性化合物(モル比)=2.5〜300であることが好ましい。即ち、感度、解像度の点からモル比が2.5以上が好ましく、露光後加熱処理までの経時でのレジストパターンの太りによる解像度の低下抑制の点から300以下が好ましい。酸発生剤/塩基性化合物(モル比)は、より好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
(E)界面活性剤
本発明のレジスト組成物は、更に(E)界面活性剤を含有することが好ましく、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することがより好ましい。
本発明のレジスト組成物が上記(E)界面活性剤を含有することにより、250nm以下、特に220nm以下の露光光源の使用時に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥の少ないレジストパターンを与えることが可能となる。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤としては、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303(新秋
田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファッ
クF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
また、界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることが出来る。フルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することが出来る。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる
2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販の界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げることができる。さらに、C613基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オ
キシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C613基を有
するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C817基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(
オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C817基を
有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体などを挙げることができる。
また、本発明では、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を使用することもできる。具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は単独で使用してもよいし、また、いくつかの組み合わせで使用してもよい。
(E)界面活性剤の使用量は、レジスト組成物全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%である。
(F)有機溶剤
前記各成分を溶解させてレジスト組成物を調製する際に使用することができる溶剤としては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、アルコキシプロピオン酸アルキル、炭素数4〜10の環状ラクトン、炭素数4〜10の、環を含有しても良いモノケトン化合物、アルキレンカーボネート、アルコキシ酢酸アルキル、ピルビン酸アルキル等を挙げることができる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートが好ましく挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルを好ましく挙げられる。
乳酸アルキルエステルとしては、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチルを好ましく挙げられる。
アルコキシプロピオン酸アルキルとしては、例えば、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチルを好ましく挙げられる。
炭素数4〜10の環状ラクトンとしては、例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−メチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−オクタノイックラクトン、α−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンが好ましく挙げられる。
炭素数4〜10の、環を含有しても良いモノケトン化合物としては、例えば、2−ブタノン、3−メチルブタノン、ピナコロン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−メチル−3−ペンタノン、4,4−ジメチル−2−ペンタノン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、2,2,4,4−テトラメチル−3−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、5−メチル−3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−メチル−3−ヘプタノン、5−メチル−3−ヘプタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、2−オクタノン、3−オクタノン、2−ノナノン、3−ノナノン、5−ノナノン、2−デカノン、3−デカノン、、4−デカノン、5−ヘキセン−2−オン、3−ペンテン−2−オン、シクロペンタノン、2−メチルシクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、2,2−ジメチルシクロペンタノン、2,4,4−トリメチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロヘキサノン、4−メチルシクロヘキサノン、4−エチルシクロヘキサノン、2,2−ジメチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、2,2,6−トリメチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン、2−メチルシクロヘプタノン、3−メチルシクロヘプタノンが好ましく挙げられる。
アルキレンカーボネートとしては、例えば、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネートが好ましく挙げられる。
アルコキシ酢酸アルキルとしては、例えば、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル、酢酸−3−メトキシ−3−メチルブチル、酢酸−1−メトキシ−2−プロピルが好ましく挙げられる。
ピルビン酸アルキルとしては、例えば、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピルが好ましく挙げられる。
好ましく使用できる溶剤としては、常温常圧下で、沸点130℃以上の溶剤が挙げられる。具体的には、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、乳酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル、プロピレンカーボネートが挙げられる。
本発明に於いては、上記溶剤を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本発明においては、有機溶剤として構造中に水酸基を含有する溶剤と、水酸基を含有しない溶剤とを混合した混合溶剤を使用してもよい。
水酸基を含有する溶剤としては、例えば、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、乳酸エチル等を挙げることができ、これらの内でプロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチルが特に好ましい。
水酸基を含有しない溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げることができ、これらの内で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチルが特に好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノンが最も好ましい。
水酸基を含有する溶剤と水酸基を含有しない溶剤との混合比(質量)は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜60/40である。水酸基を含有しない溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。
(G)アルカリ可溶性樹脂
本発明のレジスト組成物は、更に、酸分解性基を含有していない、(G)水に不溶でアルカリ現像液に可溶な樹脂を含有することができ、これにより感度が向上する。
本発明においては、分子量1000〜20000程度のノボラック樹脂類、分子量3000〜50000程度のポリヒドロキシスチレン誘導体をこのような樹脂として用いることができるが、これらは250nm以下の光に対して吸収が大きいため、一部水素添加して用いるか、又は全樹脂量の30質量%以下の量で使用することが好ましい。
また、カルボキシル基をアルカリ可溶性基として含有する樹脂も用いることができる。カルボキシル基を含有する樹脂中にはドライエッチング耐性向上のために単環、又は多環の脂環炭化水素基を有していることが好ましい。具体的には酸分解性を示さない脂環式炭化水素構造を有するメタクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸の共重合体あるいは末端にカルボキシル基を有する脂環炭化水素基の(メタ)アクリル酸エステルの樹脂などを挙げることができる。
(H)カルボン酸オニウム塩
本発明における(H)カルボン酸オニウム塩としては、カルボン酸スルホニウム塩、カルボン酸ヨードニウム塩、カルボン酸アンモニウム塩などを挙げることができる。特に、(H)カルボン酸オニウム塩としては、ヨードニウム塩、スルホニウム塩が好ましい。更に、本発明の(H)カルボン酸オニウム塩のカルボキシレート残基が芳香族基、炭素−炭素2重結合を含有しないことが好ましい。特に好ましいアニオン部としては、炭素数1〜30の直鎖、分岐、単環または多環環状アルキルカルボン酸アニオンが好ましい。さらに好ましくはこれらのアルキル基の一部または全てがフッ素置換されたカルボン酸のアニオンが好ましい。アルキル鎖中に酸素原子を含んでいても良い。これにより220nm以下の光に対する透明性が確保され、感度、解像力が向上し、疎密依存性、露光マージンが改良される。
フッ素置換されたカルボン酸のアニオンとしては、フロロ酢酸、ジフロロ酢酸、トリフロロ酢酸、ペンタフロロプロピオン酸、ヘプタフロロ酪酸、ノナフロロペンタン酸、パーフロロドデカン酸、パーフロロトリデカン酸、パーフロロシクロヘキサンカルボン酸、2,2−ビストリフロロメチルプロピオン酸のアニオン等が挙げられる。
これらの(H)カルボン酸オニウム塩は、スルホニウムヒドロキシド、ヨードニウムヒ
ドロキシド、アンモニウムヒドロキシドとカルボン酸を適当な溶剤中酸化銀と反応させることによって合成できる。
(H)カルボン酸オニウム塩のレジスト組成物中の含量は、レジスト組成物の全固形分に対し、0.1〜20質量%が適当であり、好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
(I)その他の添加剤
本発明のレジスト組成物には、必要に応じてさらに染料、可塑剤、光増感剤、及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物(例えば、分子量1000以下のフェノール化合物、カルボキシル基を有する脂環族、又は脂肪族化合物)等を含有させることができる。
このような分子量1000以下のフェノール化合物は、例えば、特開平4−122938号、特開平2−28531号、米国特許第4,916,210、欧州特許第219294等に記載の方法を参考にして、当業者において容易に合成することができる。
カルボキシル基を有する脂環族、又は脂肪族化合物の具体例としてはコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸などのステロイド構造を有するカルボン酸誘導体、アダマンタンカルボン酸誘導体、アダマンタンジカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(J)パターン形成方法
(ドライ露光)
本発明のレジスト組成物は、基板上に塗布され、薄膜を形成する。この塗布膜の膜厚は、0.05〜4.0μmが好ましい。
本発明においては、必要により、市販の無機あるいは有機反射防止膜を使用することができる。更にレジスト上層に反射防止膜を塗布して用いることもできる。
レジストの下層として用いられる反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、アモルファスシリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型のいずれも用いることができる。前者は膜形成に真空蒸着装置、CVD装置、スパッタリング装置等の設備を必要とする。有機反射防止膜としては、例えば特公平7−69611号記載のジフェニルアミン誘導体とホルムアルデヒド変性メラミン樹脂との縮合体、アルカリ可溶性樹脂、吸光剤からなるものや、米国特許5294680号記載の無水マレイン酸共重合体とジアミン型吸光剤の反応物、特開平6−118631号記載の樹脂バインダーとメチロールメラミン系熱架橋剤を含有するもの、特開平6−118656号記載のカルボン酸基とエポキシ基と吸光基を同一分子内に有するアクリル樹脂型反射防止膜、特開平8−87115号記載のメチロールメラミンとベンゾフェノン系吸光剤からなるもの、特開平8−179509号記載のポリビニルアルコール樹脂に低分子吸光剤を添加したもの等が挙げられる。
また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、シプレー社製のAR−2、AR−3、AR−5等の市販の有機反射防止膜を使用することもできる。
精密集積回路素子の製造などにおいてレジスト膜上へのパターン形成工程は、基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆基板、ガラス基板、ITO基板、石英/酸化クロム被覆基板等)上に、本発明のレジスト組成物を塗布し、次に、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、F2エキシマレーザー光、X線、電子線、イオンビーム又はEUVを照射し、加熱、現像、リンス、乾燥することにより良好なレジストパターンを形成す
ることができる。
(液浸露光)
本発明のレジスト組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤に溶解し、所定の支持体上に塗布して液浸露光に用いることができる。
すなわち、レジスト組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により、任意の厚み(通常50〜500nm)で塗布する。塗布後、必要に応じて、液浸水にてレジスト膜を洗浄する。洗浄時間は通常5秒〜5分である。
尚、レジスト成分を溶剤に溶かした際の固形分濃度は2.0〜6.0質量%であることが好ましく、より好ましくは2.0〜5.5質量%、さらに好ましくは2.0〜4.0質量%、特に好ましくは2.0〜3.5質量%である。
続いて、スピンまたはベークにより塗布されたレジストを乾燥し、レジスト膜を形成後、パターン形成のためマスクなどを通し、液浸水を介して露光(液浸露光)する。たとえば、レジスト膜と光学レンズの間を液浸液で満たした状態で露光する。露光量は適宜設定できるが、通常1〜100mJ/cm2である。露光後、必要に応じて、レジスト膜を液
浸水で洗浄する。時間は通常5秒〜5分である。続いて、好ましくはスピンまたは/かつベークを行い、現像、リンスを行い、良好なパターンを得る。ベーク温度は、通常30〜300℃である。前述したPEDの点から、露光からベーク工程までの時間は短いほうがよい。
ここで露光光としては、好ましくは250nm以下、より好ましくは220nm以下の波長の遠紫外線である。具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm)、X線等が挙げら
れる。
尚、レジストを液浸露光に適用したときに見られる性能上の変化は、レジスト表面が液浸液に接触することに由来しているものと考えられる。
液浸露光する際に使用する液浸液について、以下に説明する。
液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつレジスト上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう、屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光源がArFエキシマレーザー(波長;193nm)である場合には、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。
液浸液として水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させるために、ウェハ上のレジスト層を溶解させず、且つレンズ素子の下面の光学コートに対する影響が無視できる添加剤(液体)を僅かな割合で添加しても良い。その添加剤としては水とほぼ等しい屈折率を有する脂肪族系のアルコールが好ましく、具体的にはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。水とほぼ等しい屈折率を有するアルコールを添加することにより、水中のアルコール成分が蒸発して含有濃度が変化しても、液体全体としての屈折率変化を極めて小さくできるといった利点が得られる。一方で、193nm光に対して不透明な物質や屈折率が水と大きく異なる不純物が混入した場合、レジスト上に投影される光学像の歪みを招くため、使用する水としては、蒸留水が好ましい。更にイオン交換フィルター等を通して濾過を行った純水を用いてもよい。
本発明の液浸露光用レジストによるレジスト膜と液浸液との間には、レジスト膜を直接、液浸液に接触させないために、液浸液難溶性膜(以下、「トップコート」ともいう)を設けてもよい。トップコートに必要な機能としては、レジスト上層部への塗布適正、放射線、特に193nmに対する透明性、液浸液難溶性である。トップコートは、レジストと混合せず、さらにレジスト上層に均一に塗布できることが好ましい。
トップコートは、193nm透明性という観点からは、芳香族を含有しないポリマーが
好ましく、具体的には、炭化水素ポリマー、アクリル酸エステルポリマー、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、シリコン含有ポリマー、フッ素含有ポリマーなどが挙げられる。
トップコートを剥離する際は、現像液を使用してもよいし、別途剥離剤を使用してもよい。剥離剤としては、レジストへの浸透が小さい溶剤が好ましい。剥離工程がレジストの現像処理工程と同時にできるという点では、アルカリ現像液により剥離できることが好ましい。アルカリ現像液で剥離するという観点からは、トップコートは酸性が好ましいが、レジストとの非インターミクス性の観点から、中性であってもアルカリ性であってもよい。
トップコートと液浸液との間には屈折率の差がない方が解像力が向上する。露光光源が、ArFエキシマレーザー(波長:193nm)の場合においては、液浸液として水を用いることが好ましいため、ArF液浸露光用トップコートは、水の屈折率(1.44)に近いことが好ましい。また、透明性・屈折率の観点から薄膜の方が好ましい。
現像工程では、現像液を次のように用いる。レジスト組成物の現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
さらに、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
リンス液としては、純水を使用し、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
また、現像処理または、リンス処理の後に、パターン上に付着している現像液またはリンス液を超臨界流体により除去する処理を行うことができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
合成例1(モノマー(I−1)の合成)
1ヒドロキシナフタレンラクトン20gを酢酸エチル100mlに溶解させ、この溶液にトリエチルアミン11gを添加した。120℃で8時間反応させた後、反応液を室温まで冷やした後、蒸留水で2回洗浄した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し、下記ナフタレンラクトンモノマー(I−1)を得た。
Figure 0004590332
合成例2(樹脂(1)の合成)
窒素気流下プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.38g、プロピレングリコールモノメチルエーテル0.92gを3つ口フラスコに入れこれを80℃に加熱した。これにモノマー(I−1)を3.04g、ヒドロキシアダマンタンメタクリレート1.01g、イソプロピルアダマンチルメタクリレート1.57g、ノルボルナンラクトンアクリレート2.18gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート12.42g、重合開始剤V−601(和光純薬工業(株)製)をモノマーに対し6mol%をプロピレングリコールモノメチルエーテル8.28gに溶解させたものを6時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80℃で2時間反応させた。反応液を放冷後ヘキサン270ml/酢酸エチル30mlに注ぎ、析出した粉体をろ取、乾燥すると樹脂(1)が4.6g得られた。得られた樹脂(1)の重量平均分子量は8500、分散度(Mw/Mn)は1.8であった。
同様にして下記に示す、重量平均分子量、分散度を有する樹脂を合成した。なお、下記に示す繰り返し単位についての比はモル比であり、各樹脂の繰り返し単位の左側からの順である。
Figure 0004590332
Figure 0004590332
Figure 0004590332
〔実施例1〜6及び比較例1〜2〕
<レジスト調製>
下記表2に示す成分を溶剤に溶解させ固形分濃度8質量%の溶液を調製し、これを0.1μmのポリエチレンフィルターでろ過してポジ型レジスト組成物を調製した。調製したポジ型レジスト組成物を下記の方法で評価し、結果を表2に示した。
Figure 0004590332
以下、表2における略号は次の通りである。
〔光酸発生剤〕
先に例示した化合物である。
〔塩基性化合物〕
N−1:トリオクチルアミン
N−2:2,6−ジイソプロピルアニリン
N−3:N−フェニルジエタノールアミン
N−4:ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン
N−5:2,4,5−トリフェニルイミダゾール
〔界面活性剤〕
W−1;メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素系)
W−2;メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)
(フッ素及びシリコン系)
W−3;ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)
(シリコン系)
W−4;トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
〔溶剤〕
SL−1:シクロヘキサノン
SL−2;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
SL−3:乳酸エチル
SL−4:プロピレングリコールモノメチルエーテル
尚、表2に於いて溶剤を複数使用した場合の比は質量比である。
<レジスト評価>
スピンコーターにてシリコンウエハ上にブリューワーサイエンス社製ARC29Aを78nm均一に塗布し、205℃で60秒間加熱乾燥を行い、反射防止膜を形成させた。その後、調製直後の各ポジ型レジスト組成物をスピンコーターで塗布し115℃で90秒乾燥(PB)を行い200nmのレジスト膜を形成させた。
このレジスト膜に対し、マスクを通してArFエキシマレーザーステッパー(ASML社製 PAS5500/1100 NA=0.75(2/3輪帯照明))で露光し、露光後直ちに120℃で90秒間ホットプレート上で加熱(PEB)した。さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、乾燥し、レジストパターンを得た。
(解像力)
80nmのラインアンドスペース1/1のマスクパターンを再現する露光量における限界解像力をもって定義した。
(ラインエッジラフネス)
ラインエッジエッジラフネスの測定は測長走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して80nmのラインアンドスペース1/1のパターンを観察し、ラインパターンの長手方向のエッジが5μmの範囲についてエッジのあるべき基準線からの距離を測長SEM((株)日立製作所S−8840)により50ポイント測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
(エッチング速度比)
本発明の樹脂および比較樹脂の各1.88gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート25gに溶解し、0.1μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターでろ過した。各試料溶液をヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布し、120℃で60秒間加熱乾燥して0.5μmのレジスト膜を形成させた。
このレジスト膜に対し、エッチング装置を用い、エッチングガスをCHF3/O2=16/4とし、圧力20ミリトール、印加パワー100mW/cm3の条件でエッチング処理
した。これらレジストの膜厚変化からレジスト膜のエッチング速度を求めた。同条件でクレゾールノボラック(m/p比=4/6、重量平均分子量 5,000)を使用した場合のエッチング速度との比(実施例または比較例の膜のエッチング速度/上記クレゾールノボラック膜のエッチング速度)を算出した。
表2の結果より、本発明のレジスト組成物は、解像力に優れ、且つ、ラインエッジラフネス、エッチング速度比が良好であることがわかる。
液浸露光
<レジスト調製>
実施例1〜6の成分を溶剤に溶解させ固形分濃度7質量%の溶液を調製し、これを0.1μmのポリエチレンフィルターで濾過してポジ型レジスト組成物を調製した。調製したポジ型レジスト組成物を下記の方法で評価した。
<解像性評価>
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃、60秒ベークを行い78nmの反射防止膜を形成した。その上に調製したポジ型レジスト組成物を塗布し、115℃で、60秒間ベークを行い150nmのレジスト膜を形成した。こうして得られたウエハーを液浸液としては純水を使用し、2光束干渉露光を行った(ウェット露光)。尚、2光束干渉露光(ウエット)では、レーザー、絞り、シャッター、3枚の反射ミラー、集光レンズを使用し、プリズム、液浸液(純水)を介してウエハーに露光を行った。レーザーの波長は、193nmを用い、65nmのラインアンドスペースパターンを形成するプリズムを使用した。露光直後に115℃、90秒加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で60秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥して得たレジストパターンについて走査型電子顕微鏡(日立製S−9260)を用い、観察したところ65nmのラインアンドスペースパターンが解像した。
本発明のレジスト組成物は、液浸液を介した露光方法においても良好な画像形成能を有することが明らかである。

Claims (6)

  1. (A)ラクトン基とナフタレン環を有する繰り返し単位を含有する、酸の作用によりアルカリ現像液への溶解性が増大する樹脂及び(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含有し、該樹脂が有するラクトン基とナフタレン環を有する繰り返し単位におけるラクトン基が、ナフタレン環と連結して縮環したラクトン環を形成し、該ラクトン環がナフタレン環と共有する炭素原子を含めて5〜6員環であることを特徴とするレジスト組成物。
  2. 該ラクトン基とナフタレン環を含有する繰り返し単位が、(メタ)アクリル酸エステル、イタコン酸エステル、フマル酸エステル及びビニルナフタレンから選ばれるモノマーに少なくともラクトン基及びナフタレン環が置換したモノマーに由来の繰り返し単位であることを特徴とする請求項1に記載のレジスト組成物。
  3. 該樹脂が、水酸基で置換された脂環炭化水素構造を側鎖に有する繰り返し単位を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のレジスト組成物。
  4. 該樹脂が、一般式(pA)で示される繰り返し単位を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のレジスト組成物。
    Figure 0004590332
    一般式(pA)に於いて、Rは、水素原子、ハロゲン原子又は1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。複数のRは、各々同じでも異なっていてもよ
    い。
    Aは、単結合、アルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルホンアミド基、ウレタン基、又はウレア基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを表す。
    Rp 1 は、一般式(pI)又は(pII)のいずれかの基を表す。
    Figure 0004590332
    上記式中、R 11 は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又はsec−ブチル基を表し、Zは、炭素原子とともに脂環式炭化水素基を形成するのに必要な原子団を表す。
    12 〜R 14 は、各々独立に、炭素数1〜4個の直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R 12 〜R 14 のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のレジスト組成物によりレジスト膜を形成し、該レジスト膜を露光し、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
  6. 該レジスト膜を液浸液を介して露光することを特徴とする請求項5に記載のパターン形成方法。
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