JP4905772B2 - 樹脂、該樹脂を含有するポジ型レジスト組成物、該樹脂を含有する保護膜形成組成物、該ポジ型レジスト組成物を用いたパターン形成方法及び該保護膜形成組成物を用いたターン形成方法 - Google Patents
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Description
(解像力)=k1・(λ/NA)
(焦点深度)=±k2・λ/NA2
ここでλは露光光源の波長、NAは投影レンズの開口数、k1及びk2はプロセスに関係する係数である。
この「液浸の効果」はλ0を露光光の空気中での波長とし、nを空気に対する液浸液の屈折率、θを光線の収束半角としNA0=sinθとすると、液浸した場合、前述の解像力及び焦点深度は次式で表すことができる。
(解像力)=k1・(λ0/n)/NA0
(焦点深度)=±k2・(λ0/n)/NA0 2
すなわち、液浸の効果は波長が1/nの露光波長を使用するのと等価である。言い換えれば、同じNAの投影光学系の場合、液浸により、焦点深度をn倍にすることができる。これは、あらゆるパターン形状に対して有効であり、更に、現在検討されている位相シフト法、変形照明法などの超解像技術と組み合わせることが可能である。
最近の液浸露光技術進捗が非特許文献1(SPIE Proc 4688,11(2002))、非特許文献2(J.Vac.Sci.Tecnol.B 17(1999))、非特許文献3(SPIE Proc 3999,2(2000))、特許文
献3(特開平10−303114号公報)等で報告されている。ArFエキシマレーザーを光源とする場合は、取り扱い安全性と193nmにおける透過率と屈折率の観点で純水(193nmにおける屈折率1.44)が液浸液として最も有望であると考えられている。F2エキシマレーザーを光源とする場合は、157nmにおける透過率と屈折率のバランスからフッ素を含有する溶液が検討されているが、環境安全性の観点や屈折率の点で十分な物は未だ見出されていない。液浸の効果の度合いとレジストの完成度から液浸露光技術はArF露光機に最も早く搭載されると考えられている。
この化学増幅機構を用いたArFエキシマレーザー(波長193nm)用レジストは,現状主流になりつつあるが、現像時の現像欠陥数の改善が望まれていた。
また、液浸露光プロセスにおいて、スキャン式の液浸露光機を用いて露光する場合には、レンズの移動に追随して液浸液も移動しないと露光スピードが低下するため、生産性に影響を与えることが懸念される。液浸液が水である場合においては、レジスト膜は水追随性良好な疎水膜であることが望まれるが、一方では、レジスト膜表面を疎水化するとラインエッジラフネスが悪化するなど、レジストの画像性能に対する悪影響もみられ、改善が望まれていた。
<1>
下記一般式(Ax)で表される繰り返し単位と、下記一般式(Ay)で表される繰り返し単位とを有することを特徴とする樹脂。
Rzは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
Raxは、フッ素原子及び珪素原子の内の少なくともいずれか一方を有する有機基を表す。
Rayは、有機基を表す。
<2>
一般式(Ay)に於いて、Rayが、フッ素原子および珪素原子のうち少なくともいずれか一方を有する有機基を表すことを特徴とする上記<1>に記載の樹脂。
<3>
下記一般式(Ay’)で表される繰り返し単位を有する樹脂。
Rzは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
Ray’は、フッ素原子および珪素原子のうち少なくともいずれか一方を有する有機基を表す。
<4>
(A)上記<1>〜<3>のいずれかに記載の樹脂を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
<5>
レジスト膜上に設けられる保護膜を形成する保護膜形成組成物であって、
(A)上記<1>〜<3>のいずれかに記載の樹脂及び
(S)上記レジスト膜を腐食しない溶剤を含有することを特徴とする保護膜形成組成物。
<6>
上記<4>に記載のポジ型レジスト組成物により形成されるレジスト膜。
<7>
上記<6>に記載のレジスト膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
<8>
レジスト膜を形成し、該レジスト膜上に上記<5>に記載の保護膜形成組成物により保護膜を形成し、液浸露光し、現像することを特徴とするパターン形成方法。
<9>
下記一般式(Ay2)で表されることを特徴とする化合物。
Rzは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
Ray2は、珪素原子を少なくとも一つ有する有機基を表す。
本発明は、上記<1>〜<9>に係る発明であるが、以下、参考のため、他の事項も含めて記載している。
(a) フッ素原子及び珪素原子の内の少なくともいずれか一方を有する繰り返し単位(x)と、−CONHSO2−基を有する繰り返し単位(y)とを有する樹脂。
(b) フッ素原子及び珪素原子の内の少なくともいずれか一方と、−CONHSO2−基とを有する繰り返し単位(xy)を有する樹脂。
Rzは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
Raxは、フッ素原子及び珪素原子の内の少なくともいずれか一方を有する有機基を表す。
Rayは、有機基を表す。
(A)(1)〜(4)のいずれかに記載の樹脂及び
(S)上記レジスト膜を腐食しない溶剤
を含有することを特徴とする保護膜形成組成物。
Rzは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
Ray2は、珪素原子を少なくとも一つ有する有機基を表す。
(10) (A)(1)〜(4)のいずれかに記載の樹脂、
(B)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂、
(C)活性光線または放射線の照射により酸を発生する化合物及び
(D)溶剤
を含有することを特徴とする(5)に記載のポジ型レジスト組成物。
尚、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
フッ素原子及び珪素原子の内の少なくともいずれか一方と、−CONHSO2−基とを有する樹脂(「樹脂(A)」ともいう)は、フッ素原子及び珪素原子の内の少なくともいずれか一方と、−CONHSO2−基とを有する樹脂であれば、いずれの構造でもよいが、フッ素原子及び珪素原子の内の少なくともいずれか一方を有する繰り返し単位(x)と、−CONHSO2−基を有する繰り返し単位(y)とを有する樹脂であることが好ましい。更に、繰り返し単位(y)中にフッ素原子及び珪素原子の内の少なくともいずれか一方を有することがより好ましい。
フッ素原子を有するアルキル基は、少なくとも1つのフッ素原子が置換した直鎖又は分岐アルキル基であり、さらに他の置換基を有していてもよい。
少なくとも1つのフッ素原子を有するシクロアルキル基は、少なくとも1つのフッ素原子が置換した単環または多環のシクロアルキル基であり、さらに他の置換基を有していてもよい。
少なくとも1つのフッ素原子を有するアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基に少なくとも1つのフッ素原子が置換したものがあげられ、さらに他の置換基を有していてもよい。
R57〜R68は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R57〜R61の内、少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表し、R62〜R64の内、少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表し、R65〜R68の内、少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表す。
R62、R63、R68は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)が好ましく、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基であることがさらに好ましい。R62とR63は、互いに連結して環を形成してもよい。
一般式(F3)で表される基の具体例としては、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロプロピル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロブチル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、ノナフルオロブチル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロヘキシル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロ(トリメチル)ヘキシル基、2,2,3,3-テトラフルオロシクロブチル基、パーフルオロシクロヘキシル基などが挙げられる。ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基が好ましく、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基が更に好ましい。
一般式(F4)で表される基の具体例としては、例えば、−C(CF3)2OH、−C(C2F5)2OH、−C(CF3)(CH3)OH、−CH(CF3)OH等が挙げられ、−C(CF3)2OHが好ましい。
具体的には、下記一般式(CS−1)〜(CS−3)で表される基などが挙げられる。
R12〜R26は、各々独立に、炭素数1〜20個の、直鎖もしくは分岐アルキル基または炭素数3〜20個のシクロアルキル基を表す。
L3〜L5は、各々独立に、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、カルボニルオキシ基、アミド基、ウレタン基及びウレア基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを挙げられる。
R1〜R3は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基、または炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のフッ素化アルキル基を表す。
W1〜W2は、フッ素原子および珪素原子の少なくともいずれかを有する有機基を表す。
R4〜R7は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基、または炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のフッ素化アルキル基を表す。ただし、R4〜R7の少なくとも1つはフッ素原子を表す。R4とR5もしくはR6とR7
は環を形成していてもよい。
R8は、水素原子、または炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。
R9は、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基、または炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のフッ素化アルキル基を表す。
L1〜L2は、単結合又は2価の連結基を表し、上記L3〜L5と同様のものが挙げられる。
Qは、単環または多環の環状脂肪族基を表す。
R10〜R11は、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基、または炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のフッ素化アルキル基を表す。
W3〜W6は、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを1つ以上有する有機基を表す。
Rzは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、またはヒドロキシメチル基を表す。
Raxは、フッ素原子及び珪素原子の内の少なくともいずれか一方を有する有機基を表す。
Rayは、有機基を表す。
mは、0〜80の整数を表す。
nは、10〜100の整数を表す。
るアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、フッ素原子を有するアリール基を挙げることができる。
Raxの珪素原子を有する有機基としては、例えば、前記と同様のアルキルシリル構造、環状シロキサン構造を挙げることができる。
Rayの有機基としては、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基、アラルキル基が挙げられる。Rayはフッ素原子および珪素原子のうち少なくともいずれか一方を有することが好ましい。
Rzは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
Ray2は、珪素原子を少なくとも一つ有する有機基を表す。
R1〜R3は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基、または炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のフッ素化アルキル基を表す。
Raは、有機基を表す。
L1は、単結合又は2価の連結基を表す。
。
L1の2価の連結基としては、例えば、カルボニルオキシ基、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、エーテル基等を挙げることができる。
下して加える滴下重合法などが挙げられる。反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンのようなレジスト組成物を溶解する溶媒が挙げられる。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。重合開始剤とともにチオール化合物などの連鎖移動剤を併用してもよい。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは20〜50質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃である。
反応終了後、室温まで放冷し、精製する。精製は、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残留単量体やオリゴマー成分を除去する液々抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外ろ過等の溶液状態での精製方法や、樹脂溶液を貧溶媒へ滴下することで樹脂を貧溶媒中に凝固させることにより残留単量体等を除去する再沈澱法やろ別した樹脂スラリーを貧溶媒で洗浄する等の固体状態での精製方法等の通常の方法を適用できる。たとえば、上記樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒(貧溶媒)を、該反応溶液の10倍以下の体積量、好ましくは10〜5倍の体積量で、接触させることにより樹脂を固体として析出させる。
即ち、上記ラジカル重合反応終了後、該ポリマーが難溶あるいは不溶の溶媒を接触させ、樹脂を析出させ(工程a)、樹脂を溶液から分離し(工程b)、改めて溶媒に溶解させ樹脂溶液Aを調製(工程c)、その後、該樹脂溶液Aに、該樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒を、樹脂溶液Aの10倍未満の体積量(好ましくは5倍以下の体積量)で、接触させることにより樹脂固体を析出させ(工程d)、析出した樹脂を分離する(工程e)ことを含む方法でもよい。
樹脂溶液Aの調製に際し使用する溶媒は、重合反応に際しモノマーを溶解させる溶媒と同様の溶媒を使用することができ、重合反応に際し使用した溶媒と同一であっても異なっていてもよい。
(B)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂、
(C)活性光線または放射線の照射により酸を発生する化合物、および
(D)溶剤。
保護膜形成組成物中の樹脂(A)の添加量は、全固形分に対して、80〜100質量%が好ましく、95〜100質量%がより好ましい。
(B)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂
本発明のポジ型レジスト組成物にArFエキシマレーザー光を照射する場合には、(B)成分の樹脂は、単環又は多環の脂環炭化水素構造を有し、酸の作用により分解し、アルカリ現像液に対する溶解度が増加する樹脂であることが好ましい。
R11は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又はsec−ブチル基を表す。
Zは、炭素原子とともにシクロアルキル基を形成するのに必要な原子団を表す。
R12〜R16は、各々独立に、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又はシクロアルキル基を表す。但し、R12〜R14のうち少なくとも1つ、もしくはR15、R16のいずれかはシクロアルキル基を表す。
R17〜R21は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又はシクロアルキル基を表す。但し、R17〜R21のうち少なくとも1つはシクロアルキル基を表す。また、R19、R21のいずれかは炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のア
ルキル基又はシクロアルキル基を表す。
R22〜R25は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又はシクロアルキル基を表す。但し、R22〜R25のうち少なくとも1つはシクロアルキル基を表す。また、R23とR24は、互いに結合して環を形成していてもよい。
R11'及びR12'は、各々独立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
Z'は、結合した2つの炭素原子(C−C)を含み、脂環式構造を形成するための原子団を表す。
R13'〜R16'は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、−COOH、−COOR5、酸の作用により分解する基、−C(=O)−X−A'−R17'、アルキル基あるいはシクロアルキル基を表す。Rl3'〜R16'のうち少なくとも2つが結合して環を形成してもよい。
ここで、R5は、アルキル基、シクロアルキル基又はラクトン構造を有する基を表す。
Xは、酸素原子、硫黄原子、−NH−、−NHSO2−又は−NHSO2NH−を表す。
A'は、単結合又は2価の連結基を表す。
R17'は、−COOH、−COOR5、−CN、水酸基、アルコキシ基、−CO−NH−R6、−CO−NH−SO2−R6又はラクトン構造を有する基を表す。
R6は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
nは、0又は1を表す。
Rは、水素原子、ハロゲン原子又は1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。複数のRは、各々同じでも異なっていてもよい。
Aは、単結合、アルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルホンアミド基、ウレタン基、又はウレア基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを表す。好ましくは単結合である。
Rp1は、上記一般式(pI)〜(pV)のいずれかの基を表す。
R11'、R12'におけるアルキル基としては、炭素数1〜10個の直鎖状あるいは分岐状アルキル基が挙げられる。
Z'の脂環式構造を形成するための原子団は、置換基を有していてもよい脂環式炭化水素の繰り返し単位を樹脂に形成する原子団であり、中でも有橋式の脂環式炭化水素の繰り返し単位を形成する有橋式脂環式構造を形成するための原子団が好ましい。
ができる。
酸分解性繰り返し単位は、1種を用いてもよいが、酸脱離基の炭素数の異なる2種以上の酸分解性繰り返し単位を併用することが好ましい。これにより解像力、露光ラチチュードのバランスが良好になる。
のラクトン構造を用いることでラインエッジラフネス、現像欠陥が良好になる。
Rb0は、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rb0のアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。
Rb0のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。
Rb0は、水素原子、メチル基が好ましい。
Abは、単結合、アルキレン基、単環または多環の脂環炭化水素構造を有する2価の連結基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、カルボキシル基、又はこれらを組み合わせた2価の基を表す。
Abは、好ましくは、単結合、−Ab1−CO2−で表される連結基である。Ab1は、直鎖または分岐のアルキレン基、単環または多環のシクロアルキレン基であり、好ましくはメチレン基、エチレン基、シクロヘキシル残基(シクロヘキシル基から更に水素原子が1個除かれた基、以下同様)、アダマンチル残基、ノルボルニル残基である。
Vは、一般式(LC1−1)〜(LC1−16)のうちのいずれかで示されるラクトン構造を有する基を表す。
R2c〜R4cは、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、R2c〜R4cのうち少なくとも1つは、水酸基又はシアノ基を表す。好ましくはR2c〜R4cのうち1つまたは2つが水酸基で残りが水素原子である。(VIIa)において更に好ましくはR2c〜R4cのうち2つが水酸基で残りが水素原子である。
R1cは、水素原子、メチル基、トリフロロメチル基又はヒドロキメチル基を表す。
R2c〜R3cは、一般式(VIIa)〜(VIIc)に於けるR2c〜R3cと同義である。
Z2は、−O−又は−N(R41)−を表す。R41は、水素原子、水酸基、アルキル基又は−OSO2−R42を表す。R42は、アルキル基、シクロアルキル基又は樟脳残基を表す。R41及びR42のアルキル基は、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)等で置換されていてもよい。
R50〜R55は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R50〜R55の内、少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。R50〜R55の全てがフッ素原子であることが好ましい。
(1)塗布溶剤に対する溶解性、
(2)製膜性(ガラス転移点)、
(3)アルカリ現像性、
(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、
(5)未露光部の基板への密着性、
(6)ドライエッチング耐性、
等の微調整が可能となる。
クリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等を挙げることができる。
(1) 前記一般式(pI)〜(pV)で表される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位を有するもの(側鎖型)。
好ましくは一般式(pI)〜(pV)で表される構造を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位を有するもの。
(2) 一般式(II−AB)で表される繰り返し単位を有するもの(主鎖型)。
但し、(2)においては例えば、更に、以下のものが挙げられる。
(3) 一般式(II−AB)で表される繰り返し単位、無水マレイン酸誘導体及び(メタ)アクリレート構造を有するもの(ハイブリッド型)。
一般式(pI)〜(pV)で表される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位20〜50mol%、ラクトン構造を有する繰り返し単位20〜50mol%、極性基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位5〜30mol%含有する3元共重合ポリマー、または更にその他の繰り返し単位を0〜20mol%含む4元共重合ポリマーである。
特に好ましい脂環炭化水素系酸分解性樹脂としては、下記一般式(ARA−1)〜(ARA−5)で表される酸分解性基を有する繰り返し単位20〜50mol%、一般式(ARL−1)〜(ARL−6)で表されるラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位20〜50mol%、一般式(ARH−1)〜(ARH−3)で表される極性基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位5〜30mol%含有する3元共重合ポリマー、または更にカルボキシル基、あるいは前記一般式(F1)で表される構造を含有する繰り返し単位、脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位を5〜20mol%含む4元共重合ポリマーである。
式中、Rxy1は、水素原子又はメチル基を表し、Rxa1及びRxb1は、メチル基又はエチル基を表す。
好ましい。反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤、さらには後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンのような本発明の組成物を溶解する溶媒が挙げられる。より好ましくは本発明のレジスト組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。重合開始剤とともにチオール化合物などの連鎖移動剤を併用してもよい。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃である。
分散度(分子量分布)は、通常1〜5であり、好ましくは1〜3、更に好ましくは1〜2の範囲のものが使用される。分散度(分子量分布)の小さいものほど、解像度、レジスト形状が優れ、且つレジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
また、本発明において、樹脂は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
本発明のポジ型レジスト組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「光酸発生剤」ともいう)を含有する。
そのような光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。
R201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
X-は、非求核性アニオンを表し、好ましくはスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、BF4 −、PF6 −、SbF6 −などが挙げられ、好ましくは炭素原子を含有する有機アニオンである。
Rc1は、有機基を表す。
Rc1における有機基として、炭素数1〜30のものが挙げられ、好ましくは置換していてもよいアルキル基、アリール基、またはこれらの複数が、単結合、−O−、−CO2−、−S−、−SO3−、−SO2N(Rd1)−などの連結基で連結された基を挙げることができる。
Rd1は、水素原子、アルキル基を表し、結合しているアルキル基、アリール基と環構造を形成してもよい。
Rc1の有機基としてより好ましくは、1位がフッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたアルキル基、フッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたフェニル基である。フッ素原子またはフロロアルキル基を有することにより、光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上する。Rc1において炭素原子を5個以上有する時、少なくとも1つの炭素原子は水素原子が全てフッ素原子で置換されているのではなく、水素原子を有していることが好ましく、水素原子の数がフッ素原子より多いことがより好ましい。炭素数5以上のパーフロロアルキル基を有さないことにより生態への毒性が軽減する。
Rc1の特に好ましい様態としては、下記一般式で表される基である。
Rc6は、炭素数4以下、より好ましくは2〜4、更に好ましくは2〜3のパーフロロアルキレン基、又は、1〜4個のフッ素原子及び/又は1〜3個のフロロアルキル基で置換されたフェニレン基を表す。
Axは、単結合又は2価の連結基(好ましくは、−O−、−CO2−、−S−、−SO3−、−SO2N(Rd1)−)を表す。Rd1は、水素原子又はアルキル基を表し、Rc7と結合して環構造を形成してもよい。
Rc7は、水素原子、フッ素原子、置換していてもよい直鎖若しくは分岐状アルキル基、単環若しくは多環シクロアルキル基又は置換していてもよいアリール基を表す。置換していてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基は、置換基としてフッソ原子を含有しないことが好ましい。
Rc3、Rc4及びRc5は、各々独立に、有機基を表す。
Rc3、Rc4及びRc5の有機基として、好ましくは、Rc1における好ましい有機基と同じものを挙げることができる。
Rc3とRc4が結合して環を形成していてもよい。
Rc3とRc4が結合して形成される基としては、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基が挙げられる。好ましくは炭素数2−4のパーフロロアルキレン基である。Rc3とRc4が結合して環を形成することにより光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上し、好ましい。
また、R201〜R203の内の2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
R201、R202及びR203としての有機基の具体例としては、後述する化合物(ZI−1)、(ZI−2)、(ZI−3)における対応する基を挙げることができる。
物であってもよい。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基、シクロアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールジシクロアルキルスルホニウム化合物を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基などのアリール基、インドール残基、ピロール残基、などのヘテロアリール基が好ましく、更に好ましくはフェニル基、インドール残基である。アリールスルホニム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖若しくは分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているシクロアルキル基は、炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
R201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖若しくは分岐状アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、特に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
化合物(ZI−2)は、一般式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
R201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
R201〜R203は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、更に好ましくは直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖、分岐2−オキソアルキル基である。
R201〜R203としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアル
キル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。R201〜R203としてのシクロアルキル基は、環状2−オキソアルキル基であることが好ましい。
R201〜R203としての2−オキソアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、好ましくは、上記のアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
R201〜R203としてのアルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
R201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。
R6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、又はビニル基を表す。
R1c〜R7c中のいずれか2つ以上、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。R1c〜R7c中のいずれか2つ以上、及びRxとRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
X-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
R1c〜R7cとしてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜8個のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
R1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ
基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
好ましくは、R1c〜R5cのうちいずれかが直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基又は直鎖、分岐、環状アルコキシ基であり、更に好ましくはR1c〜R5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
Rx及びRyとしてのシクロアルキル基は、R1c〜R7cとしてのシクロアルキル基と同様のものを挙げることができる。Rx及びRyとしてのシクロアルキル基は、環状2−オキソアルキル基であることが好ましい。
直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基は、R1c〜R7cとしてのアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cとしてのアルコキシ基と同様のものを挙げることができる。
Rx、Ryは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基であり、より好ましくは6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル基である。
R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
R204〜R207のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
R204〜R207としてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。
R204〜R207としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
R204〜R207が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
X-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
R206は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
R207及びR208は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は電子吸引性基を表す。R207として、好ましくは、アリール基である。R208として、好ましくは、電子吸引性基であり、より好ましくはシアノ基、フロロアルキル基である。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
更に、活性光線又は放射線の照射により、下記一般式(AC1)〜(AC3)で表される酸を発生する化合物が好ましい。
光酸発生剤の組成物中の含量は、ポジ型レジスト組成物の全固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
各成分を溶解させてポジ型レジスト組成物を調製する際に使用することができる溶剤としては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、アルコキシプロピオン酸
アルキル、炭素数4〜10の環状ラクトン、炭素数4〜10の、環を含有しても良いモノケトン化合物、アルキレンカーボネート、アルコキシ酢酸アルキル、ピルビン酸アルキル等の有機溶剤を挙げることができる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルを好ましく挙げられる。
アルコキシプロピオン酸アルキルとしては、例えば、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチルを好ましく挙げられる。
アルコキシ酢酸アルキルとしては、例えば、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル、酢酸−3−メトキシ−3−メチルブチル、酢酸−1−メトキシ−2−プロピルが好ましく挙げられる。
ピルビン酸アルキルとしては、例えば、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピルが好ましく挙げられる。
本発明に於いては、上記溶剤を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
水酸基を含有する溶剤としては、例えば、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、乳酸エチル等を挙げることができ、これらの内でプロピレングリコールモノメチルエーテルがより好ましい。
水酸基を含有しない溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げることができ、これらの内で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチルがより好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノンが特に好ましい。
水酸基を含有する溶剤と水酸基を含有しない溶剤との混合比(質量)は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜60/40である。水酸基を含有しない溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。
本発明のポジ型レジスト組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減するために、(E)塩基性化合物を含有することが好ましい。
塩基性化合物としては、好ましくは、下記式(A)〜(E)で示される構造を有する化合物を挙げることができる。
R200 、R201及びR202 は、同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜20個のアルキル基、炭素数3〜20個のシクロアルキル基又は炭素数6〜20個のアリール基を表し、ここで、R201とR202は、互いに結合して環を形成してもよい。
上記アルキル基は無置換であっても置換基を有するものであってもよく、置換基を有するアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキ
シアルキル基、または炭素数1〜20のシアノアルキル基が好ましい。
R203 、R204、R205及びR206 は、同一でも異なってもよく、炭素数1〜20個のアルキル基を表す。
これら一般式(A)〜(E)中のアルキル基は、無置換であることがより好ましい。
これらの塩基性化合物は、単独であるいは2種以上一緒に用いられる。
本発明のポジ型レジスト組成物は、更に(F)界面活性剤を含有することが好ましく、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含
有することがより好ましい。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤としては、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431、4430(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、F113、F110、F177、F120、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)、GF−300、GF−150(東亜合成化学(株)製)、サーフロンS−393(セイミケミカル(株)製)、エフトップEF121、EF122A、EF122B、RF122C、EF125M、EF135M、EF351、352、EF801、EF802、EF601((株)ジェムコ製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520(OMNOVA社製)、FTX−204D、208G、218G、230G、204D、208D、212D、218、222D((株)ネオス製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
キシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C3F7基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体などを挙げることができる。
本発明におけるポジ型レジスト組成物は、(G)カルボン酸オニウム塩を含有しても良い。カルボン酸オニウム塩としては、カルボン酸スルホニウム塩、カルボン酸ヨードニウム塩、カルボン酸アンモニウム塩などを挙げることができる。特に、(G)カルボン酸オニウム塩としては、ヨードニウム塩、スルホニウム塩が好ましい。更に、本発明の(G)カルボン酸オニウム塩のカルボキシレート残基が芳香族基、炭素−炭素2重結合を含有しないことが好ましい。特に好ましいアニオン部としては、炭素数1〜30の直鎖、分岐、単環または多環環状アルキルカルボン酸アニオンが好ましい。さらに好ましくはこれらのアルキル基の一部または全てがフッ素置換されたカルボン酸のアニオンが好ましい。アルキル鎖中に酸素原子を含んでいても良い。これにより220nm以下の光に対する透明性が確保され、感度、解像力が向上し、疎密依存性、露光マージンが改良される。
本発明のポジ型レジスト組成物には、必要に応じてさらに染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤、アルカリ可溶性樹脂、溶解阻止剤及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物(例えば、分子量1000以下のフェノール化合物、カルボキシル基を有する脂環族、又は脂肪族化合物)等を含有させることができる。
カルボキシル基を有する脂環族、又は脂肪族化合物の具体例としてはコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸などのステロイド構造を有するカルボン酸誘導体、アダマンタンカルボン酸誘導体、アダマンタンジカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明のポジ型レジスト組成物は、解像力向上の観点から、膜厚30〜250nmで使用されることが好ましく、より好ましくは、膜厚30〜200nmで使用されることが好ましい。ポジ型レジスト組成物中の固形分濃度を適切な範囲に設定して適度な粘度をもたせ、塗布性、製膜性を向上させることにより、このような膜厚とすることができる。
ポジ型レジスト組成物中の全固形分濃度は、一般的には1〜10質量%、より好ましくは1〜8.0質量%、さらに好ましくは1.0〜6.0質量%である。
本発明のポジ型レジスト組成物は、上記の成分を所定の溶剤、好ましくは前記混合溶剤に溶解し、フィルター濾過した後、次のように所定の支持体上に塗布して用いる。フィルター濾過に用いるフィルターは0.1ミクロン以下、より好ましくは0.05ミクロン以下、更に好ましくは0.03ミクロン以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。
当該レジスト膜に、所定のマスクを通して活性光線又は放射線を照射し、好ましくはベーク(加熱)を行い、現像、リンスする。これにより良好なパターンを得ることができる。
樹脂、吸光剤からなるものや、米国特許5294680号記載の無水マレイン酸共重合体とジアミン型吸光剤の反応物、特開平6−118631号記載の樹脂バインダーとメチロールメラミン系熱架橋剤を含有するもの、特開平6−118656号記載のカルボン酸基とエポキシ基と吸光基を同一分子内に有するアクリル樹脂型反射防止膜、特開平8−87115号記載のメチロールメラミンとベンゾフェノン系吸光剤からなるもの、特開平8−179509号記載のポリビニルアルコール樹脂に低分子吸光剤を添加したもの等が挙げられる。
さらに、上記アルカリ現像液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
さらに、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
リンス液としては、純水を使用し、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
また、現像処理または、リンス処理の後に、パターン上に付着している現像液またはリンス液を超臨界流体により除去する処理を行うことができる。
液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつレジスト上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう、屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光源がArFエキシマレーザー(波長;193nm)である場合には、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。
また、さらに屈折率が向上できるという点で屈折率1.5以上の媒体を用いることもできる。この媒体は、水溶液でもよく有機溶剤でもよい。
しては水とほぼ等しい屈折率を有する脂肪族系のアルコールが好ましく、具体的にはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。水とほぼ等しい屈折率を有するアルコールを添加することにより、水中のアルコール成分が蒸発して含有濃度が変化しても、液体全体としての屈折率変化を極めて小さくできるといった利点が得られる。一方で、193nm光に対して不透明な物質や屈折率が水と大きく異なる不純物が混入した場合、レジスト上に投影される光学像の歪みを招くため、使用する水としては、蒸留水が好ましい。更にイオン交換フィルター等を通して濾過を行った純水を用いてもよい。
また、液浸液の屈折率を高めることにより、リソグラフィー性能を高めることが可能である。このような観点から、屈折率を高めるような添加剤を水に加えたり、水の代わりに重水(D2O)を用いてもよい。
トップコートは、193nm透明性という観点からは、芳香族を含有しないポリマーが好ましく、具体的には、炭化水素ポリマー、アクリル酸エステルポリマー、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、シリコン含有ポリマー、フッ素含有ポリマーなどが挙げられる。トップコートから液浸液へ不純物が溶出すると光学レンズを汚染するという観点からは、トップコートに含まれるポリマーの残留モノマー成分は少ない方が好ましい。
トップコートと液浸液との間には屈折率の差がない方が、解像力が向上する。ArFエキシマレーザー(波長:193nm)において、液浸液として水を用いる場合には、ArF液浸露光用トップコートは、液浸液の屈折率に近いことが好ましい。屈折率を液浸液に近くするという観点からは、トップコート中にフッ素原子を有することが好ましい。また、透明性・屈折率の観点から薄膜の方が好ましい。
(S)溶剤
本発明の保護膜形成組成物は、樹脂(A)をレジスト膜を腐食しない溶剤に溶解して調製する。
レジスト膜を腐食しない溶剤としては、溶解度パラメータがレジスト溶剤よりも2〜5程度大きいものが好ましく、溶解度パラメータが2.5〜5、好ましくは3〜5、更に好ましくは、3.5〜5のものがよい。
本発明において、溶剤は一種でもよいし、さらに別の溶剤を混合して用いてもよい。
炭化水素系溶剤としては芳香族炭化水素系溶剤と脂肪族炭化水素溶媒が挙げられる。芳香族炭化水素溶媒としては、トルエン、エチルベンゼン、アミルベンゼン、イソプロピルベンゼン、キシレン、シクロヘキシルベンゼン、ナフタレン、ジメチルナフタレン、シメン、テトラリン、ビフェニル、メシチレン等が挙げられる。脂肪族炭化水素系溶剤としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、p−メンタン、デカリン、イソオクタン、イソドデカン、シクロヘキセン、シクロペンタン、ジペンテン、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM((株)小倉興産製)、テレピン油、デカヒドロナフタリン、リモネン、ベンジン、キョーワゾールC−800、シェルゾール、アイソゾール、リグロイン(ゴードー工業(株)社製)等が挙げられる。露光光源がArF露光である場合には、193透明性の観点から、脂肪族炭化水素溶媒が好ましい。
ハロゲン化炭化水素溶剤としては、塩化メチレン、塩化ヘキシル、クロロベンゼン、ブロモベンゼン等が挙げられる。
フッ素系溶剤としては、1,4−ジフルオロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロジフルオロエタン、テトラフルオロプロパノール、トリフルオロアセト酢酸エチル、パーフルオロヘプタン、ヘキサフルオロイソプロパノール、パーフルオロブチルエタノール、ペンタフルオロプロパノール、ヘキサフルオロベンゼン、パーフルオロブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロポリエーテル類、フルオロフェノール類等が挙げられる。
エーテル系溶剤としては、アニソール、ジオキサン、ジオキソラン、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
含窒素溶剤としては、アセトニトリル、イソプロパノールアミン、エチルへキシルアミン、N−エチルモルホリン、ジイソプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、ジ−n−ブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、トリプロピルアミン等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
ケトン系溶剤としては、エチル−n−ブチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−ブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
これらの界面活性剤は単独で使用してもよいし、また、いくつかの組み合わせで使用してもよい。
界面活性剤の使用量は、保護膜形成組成物の全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%である。
本発明の保護膜形成組成物中の、上記の樹脂(A)、界面活性剤などの全固形分の濃度は1〜5質量%であることが好ましい。
また、保護膜からの溶出物により液浸液やレンズが汚染されることを防ぐため、保護膜からの溶出量は少ないことが好ましい。
保護膜形成組成物は、保護膜を形成する際に均一に塗布できるものが好ましい。塗布性(塗布均一性)は、溶剤の種類や、界面活性剤等や他の添加剤を適宜選択し、その添加量を調整することで改善できる。
保護膜形成組成物は、レジスト膜上へ塗布して膜を形成するため、レジスト膜と界面にて混合しないものであることが好ましい。
本発明の保護膜形成組成物は、通常、上記の成分を溶剤に溶解し、基板上のレジスト膜上に塗布して用いる。
すなわち、レジスト組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により、任意の厚み(通常50〜500nm)で塗布する。この際、基板上に適宜反射防止膜を設けた上でレジスト膜を形成することも好ましい。塗布後、スピンまたはベークにより乾燥し、レジスト膜を形成する。
さらに、レジスト組成物と同様に、レジスト膜上にスピナー、コーター等を用いて保護膜形成組成物を塗布、スピンまたはベークにより乾燥し、保護膜を形成する。
なお、ベーク温度は60〜100℃が好ましい。
露光量は適宜設定できるが、通常1〜100mJ/cm2である。露光後、好ましくはスピンまたは/かつベークを行い、現像、リンスを行い、パターンを得る。尚、本発明において、保護膜は、現像工程で現像液に溶解・剥離するため、別段剥離工程を設ける必要は無い。
露光後はベークを行うことが好ましく、ベーク温度は、通常30〜300℃である。露光から現像処理までの引き置き時間(PED)の変動によるレジストパターンの線幅変化の観点から、露光からベーク工程までの時間は短いほうがよい。
ここで露光光としては、好ましくは250nm以下、より好ましくは220nm以下の波長の遠紫外線である。具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm)、X線等が挙げられる。
また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、ARC25、シプレー社製のAC−2、AC−3、AR19、AR20等を使用することもできる。
特に、酸の作用によりアルカリ現像液に可溶化する樹脂は、単環または多環の脂環炭化水素構造を有するアクリルまたはメタクリル系樹脂であることが好ましく、ラクトン残基、アダマンタン残基を有することがさらに好ましい。
1Lの三口フラスコにメタクリルアミド69g、トリエチルアミン136g、テトラヒドロフラン130mLを調整し氷冷した。この溶液に、カンファ−スルホニルクロリド161gをテトラヒドロフラン200mLに溶かした溶液を1.5時間かけて滴下し、1時間攪拌した。反応終了後、2mol/Lの希塩酸で中和し、酢酸エチルにて2回抽出した。油層を2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で抽出した。水層を氷冷後、塩酸を滴下して晶析、析出した白色結晶を濾取し、水洗浄して、目的物である下記化合物(CSMA)103gを得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.91(s, 3H), 1.08 (s, 3H), 1.47 (td, 1H), 2.03 (m, 4H), 2.00(s, 3H), 2.36(m, 2H), 3.38 (d, 1H), 3.93 (d, 1H), 5.65 (d, 1H), 5.92 (d, 1H), 8.65 (bs, 1H)
300mLの三角フラスコに、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸クロリド133g、酢酸エチル750mLを調整した。この溶液に、アンモニア水122mLを滴下し、1時間攪拌した。反応終了後、2mol/Lの希塩酸で中和し、酢酸エチルにて2回抽出した。油層を硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮してペンタフルオロベンゼンスルホンアミド160gを得た。これをN−メチルピロリドン500mLに溶解し、トリエチルアミン153mLを滴下、N,N−ジメチルアミノピリジン6gを添加し、溶解するまで攪拌した。氷冷後、メタクリル酸クロリド53mLをN−メチルピロリドン250mLに溶かした溶液を1.5時間かけて滴下し、2時間攪拌した。反応終了後、2mol/Lの希塩酸で中和し、酢酸エチルにて2回抽出した。油層を硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮後、シリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で分離した。化合物をヘキサンで結晶化、さらに再結晶して目的物である下記化合物(TFSMA)80gを得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.95 (s, 3H), 5.75 (d, 1H), 5.94 (d, 1H), 9.10 (bs,
1H)
19F-NMR (400 MHz, CDCl3) δ-135.1 (m ,2F), -142.7 (m, 1F), -158.0 (m, 2F)
メタクリル酸ノナフルオロヘキシル、化合物(CSMA)を70/30の割合(モル比)で仕込み、プロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解し、固形分濃度22質量%の溶液450gを調製した。この溶液に和光純薬工業(株)製重合開始剤V−601を5mol%を加え、これを窒素雰囲気下、6時間かけて80℃に加熱したシクロヘキサノン50mLに滴下した。滴下終了後、2時間撹拌し、反応液を得た。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、10倍量のメタノールに晶析、析出した白色粉体を濾取し、目的物である下記樹脂(A−1)を得た。
1H-NMRから求めた繰り返し単位組成比(モル比)は、72/28であった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は12000、分散度は2.1であった。
下記樹脂(A−2)、下記樹脂(A−3)及び下記樹脂(A−4)を、樹脂(A−1)と同様の方法で合成した。
アリルトリメチルシラン、化合物(CSTA)を50/50の割合(モル比)で仕込み、テトラヒドロフランに溶解し、固形分濃度50質量%の溶液50gを調製した。この溶液に和光純薬工業(株)製重合開始剤V−65を0.2mol%を加え、これを窒素雰囲気下、6時間攪拌し、反応液を得た。反応終了後、テトラヒドロフランを15mL追加して反応液を室温まで冷却した。この溶液をヘキサン:酢酸エチル=9:1(質量比)の混合溶液600mLに晶析、析出した白色粉体を濾取し、目的物である下記樹脂(A−5)を得た。
1H-NMRから求めた繰り返し単位組成比(モル比)は、50/50であった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は5600、分散度は1.5であった。
下記樹脂(A−6)、下記樹脂(A−7)、下記樹脂(A−8)、下記樹脂(A−9)及び下記樹脂(A−10)を、樹脂(A−5)と同様の方法で合成した。
<レジスト調製>
下記表3に示す成分を溶剤に溶解させ、それぞれについて固形分濃度6質量%の溶液を調製し、これを0.1μmのポリエチレンフィルターで濾過してポジ型レジスト溶液を調製した。調製したポジ型レジスト組成物を下記の方法で評価し、結果を表3に示した。尚、表における各成分について、複数使用した場合の比は質量比である。
(通常露光)
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、78nmの反射防止膜を形成した。その上に調製したポジ型レジスト組成物を塗布し、120℃で、60秒間ベークを行い、200nmのレジスト膜を形成した。得られたウエハーをArFエキシマレーザースキャナー(ASML社製 PAS5500/1100、NA0.75、σo/σi=0.85/0.55)を用いてパターン露光した。その後120℃で、60秒間加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥してレジストパターンを得た。
本条件は、純水を用いた液浸露光法によりレジストパターンを形成するものである。
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、78nmの反射防止膜を形成した。その上に調製したポジ型レジスト組成物を塗布し、120℃で、60秒間ベークを行い、200nmのレジスト膜を形成した。得られたウエハーをArFエキシマレーザー液浸スキャナー(NA0.75)を用い、パターン露光した。液浸液としては不純物5ppb以下の超純水を使用した。その後120℃で、60秒間加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥してレジストパターンを得た。
ラインパターンの長手方向のエッジ5μmの範囲について、エッジがあるべき基準線からの距離を測長SEM((株)日立製作所製S−8840)により50ポイント測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
シリコンウエハー上に調製したポジ型レジスト組成物を塗布し、130℃で60秒間ベークを行い、160nmのレジスト膜を形成した。次に、図1に示すように、得られたポジ型レジスト組成物を塗布したウエハー1と石英ガラス基板3との間に純水2を満たした。
この状態にて石英ガラス基板3をレジスト塗布基板1の面に対して平行に移動(スキャン)させ、それに追随する純水2の様子を目視で観測した。石英ガラス基板3のスキャン速度を徐々に上げていき、純水2が石英ガラス基板3のスキャン速度に追随できず後退側で水滴が残り始める限界のスキャン速度を求めることで水追随性の評価を行った。この限界スキャン可能速度が大きいほど、より高速なスキャンスピードに対して水が追随可能であり、当該レジスト膜上での水追随性が良好であることを示す。
調製したポジ型レジスト組成物をスピンコーターによりヘキサメチルジシラザン処理を施した8インチのシリコン基板上に均一に塗布し、120℃で60秒間ホットプレート上
で加熱、乾燥を行い、0.10μmのレジスト膜を形成した。このレジスト膜を、露光せずに120℃で90秒間ホットプレート上で加熱した。更に2.38重量%濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、乾燥した。このようにして得られたサンプルウェハーを、KLA2360機(KLAテンコール(株)製)により現像欠陥数を測定した。
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素及びシリコン系)
W−3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)(シリコン系)
W−4:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
W−5:PF6320(OMNOVA社製、フッ素系)
SL−2: プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
SL−3: 乳酸エチル
SL−4: プロピレングリコールモノメチルエーテル
SL−5: γ−ブチロラクトン
SL−6: プロピレンカーボネート
N−2:N,N−ジヘキシルアニリン
N−3:2,6−ジイソプロピルアニリン
N−4:トリ−n−オクチルアミン
N−5:N,N−ジヒドロキシエチルアニリン
N−6:2,4,5−トリフェニルイミダゾール
<保護膜形成組成物の調製>
下記表4に示す成分を溶剤に溶解させ固形分濃度1.5質量%の溶液を調製し、これを孔径0.1μmのポリエチレンフィルターで濾過して保護膜形成組成物を調製した。
シリコンウェハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃、60秒ベークを行い78nmの反射防止膜を形成した。その上に表4に記載のレジストを塗布し、115℃、60秒ベークを行い膜厚200nmのレジスト膜を形成した。実施例13〜20及び比較例4においてはさらに、表4に示す保護膜形成組成物を塗布し、90℃、60秒ベークを行い膜厚20nmの保護膜を形成した。尚、比較例2〜3では保護膜を形成しないものを作製した。
得られたウエハーを液浸液としては水を使用し、図2の装置で2光束干渉露光を行った。レーザー4の波長は、193nmを用いた。130℃、60秒加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で60秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥した。90nmのラインアンドスペースパターンを形成するプリズム11を使用し、パターン形成の有無を走査型電子顕微鏡(日立製S−9260)にて観察した。
尚、図2に示す装置に於いて、4はレーザー、5は絞り、6はシャッター、7、8、9は夫々反射ミラー、10は集光レンズ、11はプリズム、12は液浸液、13は反射防止膜、レジスト膜、保護膜を設けたウェハー(但し、比較例2〜3では保護膜は設けない)、14はウェハーステージを示す。
図1に示すように、得られたウエハー1と石英ガラス基板3との間に純水2を満たした。
この状態にて石英ガラス基板3をウエハー1の面に対して平行に移動(スキャン)させ、それに追随する純水2の様子を目視で観測した。石英ガラス基板3のスキャン速度を徐々に上げていき、純水2が石英ガラス基板3のスキャン速度に追随できず後退側で水滴が残り始める限界のスキャン速度を求めることで水追随性の評価を行った。この限界スキャン可能速度が大きいほど、より高速なスキャンスピードに対して水が追随可能であり、当該レジスト膜上での水追随性が良好であることを示す。
PR1:特開2000−275845号公報の実施例1に記載のレジスト組成物、すなわち、下記樹脂P−1(重量平均分子量約1万)10質量部、酸発生剤(トリフェニルスルホニウムパーフルオロブタンスルホネート(みどり化学社製"TPS-109"))0.2質量部、塩基性化合物(2,6−ジイソプロピルアニリン)0.015質量部、溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート47.5質量部とγ-ブチロラクトン2.5質量部)を含有するレジスト組成物。
〔溶剤〕
SL1:アイソパーG((株)小倉興産製)
SL2:シクロヘキサノン
SL3:2−メチル−1−プロパノール
SL4:イソプロパノール
〔界面活性剤〕
W−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素系)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素及びシリコン系)
2 純水
3 石英ガラス基板
4 レーザー
5 絞り
6 シャッター
7、8、9 反射ミラー
10 集光レンズ
11 プリズム
12 液浸液
13 反射防止膜及びレジスト膜を有するウエハー
14 ウエハーステージ
Claims (9)
- 一般式(Ay)に於いて、Rayが、フッ素原子および珪素原子のうち少なくともいずれか一方を有する有機基を表すことを特徴とする請求項1に記載の樹脂。
- (A)請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
- レジスト膜上に設けられる保護膜を形成する保護膜形成組成物であって、
(A)請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂及び
(S)上記レジスト膜を腐食しない溶剤を含有することを特徴とする保護膜形成組成物。 - 請求項4に記載のポジ型レジスト組成物により形成されるレジスト膜。
- 請求項6に記載のレジスト膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
- レジスト膜を形成し、該レジスト膜上に請求項5に記載の保護膜形成組成物により保護膜を形成し、液浸露光し、現像することを特徴とするパターン形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006157226A JP4905772B2 (ja) | 2006-06-06 | 2006-06-06 | 樹脂、該樹脂を含有するポジ型レジスト組成物、該樹脂を含有する保護膜形成組成物、該ポジ型レジスト組成物を用いたパターン形成方法及び該保護膜形成組成物を用いたターン形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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