JP4589048B2 - カプセル型内視鏡 - Google Patents
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Description
このため、従来、透明カバーの内側面の反射によるフレアを防止するために、例えば、次の特許文献1又は2に開示のような発明が提案されている。
しかし、上記特許文献1,2の構成に、薬剤を搭載するためのタンクやカプセル型内視鏡の駆動時間を確保するための大型電池を搭載しようとすると、対物光学系や照明手段と干渉しない位置に配置しなければならなくなるため、カプセル型内視鏡が更に大型化してしまう。
さらに次の条件式を満たすことを特徴としている。
0.01<L1/Rtanθ<0.5
ただし、L1は透明カバーの内側面の曲率中心から対物光学系の光軸までの距離、Rは透明カバーの内側面の半径、θは対物光学系の視野角の1/2である。
また、本発明によるカプセル型内視鏡は、前記撮像ユニットが、以下の条件式を満たすことを特徴としている。
80<IH/P<500
80<FL/P<500
400<Fno/P<3000
ただし、IHは撮像素子の受光面の有効表示エリアの中心から有効表示エリアの最も遠い位置までの距離[mm]、Pは撮像素子の水平方向の画素ピッチ[mm]、FLは対物光学系の焦点距離[mm]、Fnoは対物光学系の有効Fナンバーである。
また、本発明によるカプセル型内視鏡は、前記照明手段の光射出面を含む平面Qmにおける交点Pと交点Xとの間の距離PXが、次の条件式を満たすことを特徴としている。
PX>(φL/2)+(ΔD)
ただし、φLは対物光学系の最も物体側に配置されるレンズの外径、ΔDは照明手段の
中心から外周までの最短距離である。
また、実施形態1のカプセル型内視鏡では、従来のカプセル型内視鏡における光学配置と比較するために、透明カバー8の内側面10の曲率中心11を通り光軸4に対して垂直な直線17上に対物光学系3の入射瞳の中心Pcを配置してある。また、図1では、入射瞳の中心Pcを通る光線がつくる対物光学系3の視野を実線7と点線7’で示してある。点線7’で示された視野は、対物光学系3の入射瞳の中心Pcと透明カバー8の内側面10の曲率中心11を一致させた従来のカプセル型内視鏡の視野である。一方、実線7で示された視野は、平面Qmにおける上記交点X,P,P’が上述した位置関係を満たすように対物光学系3の入射瞳の中心Pcを配置した場合の対物光学系3の視野である。なお、符号12は透明カバー8の外側面9の曲率中心である。実施形態1のカプセル型内視鏡では、透明カバー8の内側面10の曲率中心11と外側面9の曲率中心12は同じ位置にある。
なお、透明カバー8の内側面10が平面Qm上に投影される対物光学系3の入射瞳の反射像15の中心16とP’は、必ずしも同じ位置には存在しない。
また、実施形態1のカプセル型内視鏡のように、平面Qm上で照明手段13の光射出面が対物光学系3の入射瞳の反射像15と重ならないように配置すれば、照明手段13から発して透明カバー8の内側面10で反射した照明光が対物光学系3の入射瞳へ到達せずフレアの発生を防ぐことができる。
また、実施形態1のカプセル型内視鏡においては、透明カバー8の内側面10の曲率中心11と対物光学系3の入射瞳の中心Pcの位置が次の条件式を満足するように構成すると、更に好ましい。
0.01<L1/Rtanθ<0.5
但し、L1は透明カバー8の内側面10の曲率中心11から対物光学系3の光軸4までの距離、Rは透明カバー8の内側面10の半径、θは対物光学系3の視野角の1/2である。
L1/Rtanθの値が上記条件式の上限値を上回ると、透明カバー8の内側面10の頂点Stに対して対物光学系3が近づきすぎてしまい、照明手段13を配置するスペースを確保することができない。
また、L1/Rtanθの値が条件式の下限値を下回ると、透明カバー8の内面10の頂点Stに対して対物光学系3が離れすぎて、カプセルの全長が長くなってしまい好ましくない。
撮像ユニット1は、レンズ5と、絞り(図示省略)と、レンズ枠(図示省略)と、間隔環(図示省略)を有する対物光学系3と、撮像素子2と、撮像素子枠(図示省略)を有して構成されている。
このため、従来の一般的なカプセル型内視鏡のように、撮像素子2の撮像面を光軸に対して垂直に配置したのでは、対物光学系3の視野境界部において、透明カバー8の外側面9に接した管腔臓器等の被写体の内壁が部分的にボケてしまい、観察が困難になる。
対物光学系3の入射瞳は、対物光学系3を構成するレンズ5の最も物体側の面(先端面)と一致している。また、対物光学系3は、入射瞳の面が照明手段13の光射出面を含む平面Qmと同一平面上に位置するように配置されている。
対物光学系3の後方(像側)には、電力供給のため電池や、別体の受信手段に画像などの情報を送信するための送信アンテナが設けられている(図示省略)。
そして、実施例1のカプセル型内視鏡では、例えば、図3中に点線で示した、透明カバー8の外径が5.6mmである従来のカプセル型内視鏡に対して、本発明の実施例1の構成を適用する場合、照明手段13の光射出面を含む平面Qm上で、透明カバー8の内側面の頂点Stから照明手段13の光射出面を含む平面Qmに対して引いた垂線と該平面Qmとの交点Xが、対物光学系3の入射瞳の中心Pcから平面Qmに対して引いた垂線と該平面Qmとの交点Pと対物光学系3の入射瞳の中心からの光が透明カバー8の内側面で反射したときの光線の交点(写像位置)P’cから平面Qmに対して引いた垂線と該平面Qmとの交点P'とを結ぶ線分上に存在し、かつ交点Xと交点Pとを結んだ線分の長さが0.76mmとなっている。
なお、各照明手段13の光射出面が同一の平面Qm上に位置しない場合において実施例1のカプセル型内視鏡を構成する場合には、それぞれの照明手段13の光射出面を含む面上において、上述した配置関係を満足するように対物光学系3と照明手段13を配置すればよい。
そして、例えば、図4中点線で示した、透明カバー8の外径が8.3mmである従来のカプセル型内視鏡に対して、本発明の実施例1の変形例のカプセル型内視鏡を適用した場合には、照明手段13の光射出面を含む平面Qm上で、透明カバー8の内側面の頂点Stから照明手段13の光射出面を含む平面Qmに対して引いた垂線と該平面Qmとの交点Xが、対物光学系3の入射瞳の中心Pcから平面Qmに対して引いた垂線と該平面Qmとの交点Pと対物光学系3の入射瞳の中心からの光が透明カバー8の内側面で反射したときの光線の交点(写像位置)P’cから平面Qmに対して引いた垂線と該平面Qmとの交点P'とを結ぶ線分上に存在し、かつ交点Xと交点Pとを結んだ線分の長さが1.7mmとなっている。
このようにすると、図4(b)中において斜線で示した部分に応じたカプセル内部の体積を削減し、カプセルの最小外径を7.4mmとすることができる。
カプセル型内視鏡40の進路となる小腸などの管腔臓器の内部は、収縮してカプセル型内視鏡40の視野を塞いでいると考えられ、カプセル型内視鏡40は、管腔臓器内壁の蠕動運動により管腔臓器の内壁33を押しのけるようにして進んでいく。従って、透明カバー8の外側面9のうち視野の周辺境界部近傍は、管腔臓器の内壁33と密着した状態となる。
図6のカプセル型内視鏡によれば、ノズル30および噴射口31を対物光学系3の視野7から外れた位置に設けたので、ノズル30が管腔臓器の内壁33を押しあげて噴射路が確保できる。なお、対物光学系3の光軸に対する噴射口31の中心軸のなす角度βが上記15°〜75°の範囲を満たせば、例えば図6中に点線で示したノズル30’および噴射口31’のように、対物光学系3の光軸に近づけて設置することも可能である。噴射口31から噴射された薬液は、対物光学系3の被写界深度の中間から遠点に位置する観察対象部位32に散布される。
図8のカプセル型内視鏡によれば、穿刺針の突出口34を対物光学系3の視野7から外れていて、かつ穿刺針35の先端部が生体組織に挿入される前に、対物視野内に前記穿刺針の先端部が捉えられる位置に設けている。穿刺針の突出口34は、管腔臓器の内壁33を押しあげるように構成されているので、対物視野内において穿刺針の突出口34と生体組織32の間に空間を確保することができる。
また、先端に穿刺針のついた送液チューブを備えたカプセル型内視鏡を使用する場合には、穿刺針35の先端部が生体組織32の表面に接触してからどの程度挿入されたかを画像から解析し、モニタ上に表示する回路をパーソナルコンピュータ24に設置しても良い。
即ち、図6の構成において、対物光学系3の最も物体側の面から領域32’に接触する透明カバー8の外側面9までの光軸方向の物体距離A1での解像力が5本/mm以上であり、また、対物光学系3の被写界深度の遠点付近での物体距離B1では、解像力が1本/mm以上であるのが望ましい。
対物光学系の前に置いた白黒のラインペアを、固体撮像素子の撮像面上の水平方向に白黒が並ぶように撮像ユニットで撮像し、固体撮像素子から送られてくる画像信号を処理する回路系を通してモニタに表示する。このとき、モニタ上の水平方向で得られる白黒の強度分布の最大値をImax、最小値をIminとしたとき、白黒ラインペアのモニタ上でのコントラストIは、
I =(Imax−Imin)/(Imax+Imin)
として求められる。解像力は、上述のコントラストIが10%となるときの、白黒ラインペアの幅の逆数として定義される。
物点距離A1において、撮像ユニット1の解像力を5本/mm以上とすれば、透明カバーの外面付近に位置する生体組織をモニタ23上で拡大して観察することができる。特にカプセル内視鏡においては近接時に絨毛が観察できる事が重要であり、絨毛は0.2〜0.5mm程度であるので、それ以上の解像力が必要となる。また、物点距離B1において、撮像ユニット1の解像力を1本/mm以上とすれば、モニタ23上に映し出された視野の遠点位置で着目部位32を発見し易くなる。
80<IH/P<500
80<FL/P<500
400<Fno/P<3000
但し、IHは撮像素子の受光面の有効表示エリアの中心から有効表示エリアの最も遠い位置までの距離[mm]、Pは撮像素子の水平方向の画素ピッチ[mm]、FLは対物光学系の焦点距離[mm]、Fnoは対物光学系の有効Fナンバーである。
また、FL/Pの値が条件式の上限値を上回ると、被写界深度が狭くなってしまい、物点距離A1で所望の解像力を確保すると、物点距離B1ではピントがボケてしまう。一方、FL/Pの値が条件式の下限値を下回ると、物点距離A1で所望の解像力を確保することが困難となる。
更に、Fno/Pの値が条件式の上限値を上回ると、光学的な回折限界を越えてしまい、ピントを合わせてもボケたような画像しか得られない。一方、Fno/Pの値が条件式の下限値を下回ると、被写界深度が狭くなってしまい、物点距離A1で所望の解像力を確保すると、物点距離B1ではピントがぼけてしまう。
なお、本発明の実施例では対物光学系3として正レンズ2枚で構成したものを用いているが、本発明のカプセル型内視鏡における対物光学系は、このようなレンズ構成に限定されるものではない。
対物光学系3は、入射瞳の面が照明手段13の光射出面14を含む平面Qmと同一平面上に位置するように配置されている。
また、図11に示した実施例2のカプセル型内視鏡では、平面Qm上において、透明カバー8の内側面10の頂点Stから照明手段13の光射出面14を含む平面Qmに対して引いた垂線と該平面Qmとの交点Xが、対物光学系3の入射瞳の中心Pcから平面Qmに対して引いた垂線と該平面Qmとの交点Pと対物光学系3の入射瞳の中心からの光が透明カバー8の内側面14で反射したときの光線の交点(写像位置)P’cから平面Qmに対して引いた垂線と該平面Qmとの交点P’とを結ぶ線分上に位置するように対物光学系3が配置され、かつ透明カバー8の内側面10を介して投影される対物光学系3の入射瞳の反射像の範囲15を外れた位置に3個の照明手段13が配置されている。
対物光学系3は、入射瞳の面が照明手段13の光射出面14を含む平面Qmと同一平面上に位置するように配置されている。
また、図12に示した実施例2の変形例のカプセル型内視鏡では、平面Qm上において、透明カバー8の内側面10の頂点Stから照明手段13の光射出面14を含む平面Qmに対して引いた垂線と該平面Qmとの交点Xが、対物光学系3の入射瞳の中心Pcから平面Qmに対して引いた垂線と該平面Qmとの交点Pと対物光学系3の入射瞳の中心からの光が透明カバー8の内側面10で反射したときの光線の交点(写像位置)P’cから平面Qmに対して引いた垂線と該平面Qmとの交点P’とを結ぶ線分上に位置するように対物光学系3が配置され、かつ透明カバー8の内側面10を介して投影される対物光学系3の入射瞳の反射像の範囲15を外れた位置に3個の照明手段13が配置されている。
透明カバー8の内側面10の曲率中心11を直線7mと7nがつくる4つの領域のうち、対物光学系の光軸を含む領域内に配置する構成にすると、照明手段13の光射出面14を含む平面Qm上で、対物光学系3の入射瞳の反射像の範囲15の占める割合が大きくなりすぎて、照明手段13を配置するスペースを確保することができなくなる。
図15は本発明の比較例にかかるカプセル型内視鏡として、対物光学系3の光軸4と透明カバー8の内側面10の頂点Stとを含む断面上において、透明カバー8の内側面10上で視野境界部に位置する仮想物点Sm,Snと対物光学系3の入射瞳の中心Pcとを結ぶ直線7m,7nで区分けされる4つの領域のうち、対物光学系の光軸を含み、かつ対物光学系3の入射瞳の中心Pcよりも物体側の領域に、透明カバー8の内側面10の視野と重なる領域における曲率中心11を配置したカプセル型内視鏡を示す概念図であり、(a)は対物光学系3の光軸4と透明カバー8の内側面10の頂点Stとを含む断面図、(b)は照明手段13の光射出面を含む平面Qm上での、対物光学系3の入射瞳の反射像の範囲15を示す説明図である。
従って、対物光学系3の入射瞳の中心Pcからの光が仮想物点Sm,Snでそれぞれ反射される光線を考慮した場合、仮想物点Smで反射される光線は、曲率中心11と仮想物点Smとを結ぶ線分19mに対して、物体側(図15(a)では左側)に向かうことになるとともに、仮想物点Snで反射される光線は、曲率中心11と仮想物点Snとを結ぶ線分19nに対して、物体側(図15(a)では左側)に向かうことになる。対物光学系3の入射瞳の中心Pcからの光が仮想物点Sm,Snでそれぞれ反射される光線がこのような方向へ向かうと、対物光学系3の入射瞳の反射像の範囲15は、図15(b)に示すように、照明手段13の光射出面14を含む平面Qm上で大きくなりすぎてしまい対物光学系3と重なってしまう。
従って、対物光学系3の入射瞳の中心Pcからの光が仮想物点Sm,Snでそれぞれ反射される光線を考慮した場合、仮想物点Smで反射される光線は、曲率中心11と仮想物点Smとを結ぶ線分19mに対して、物体側(図16(a)では右側)に向かうことになるとともに、仮想物点Snで反射される光線は、曲率中心11と仮想物点Snとを結ぶ線分19nに対して、物体側(図16(a)では右側)に向かうことになる。対物光学系3の入射瞳の中心Pcからの光が仮想物点Sm,Snでそれぞれ反射される光線がこのような方向へ向かうと、対物光学系3の入射瞳の反射像の範囲15は、図16(b)に示すように、照明手段13の光射出面14を含む平面Qm上で大きくなりすぎてしまい対物光学系3と重なってしまう。
0.01<L1/Rtanθ<0.5
但し、L1は透明カバー8の内側面10の曲率中心11から対物光学系3の光軸4までの距離、Rは透明カバー8の内側面10の半径、θは対物光学系3の視野角の1/2である。
L1/Rtanθの値が上記条件式の上限値を上回ると、透明カバー8の内側面10の頂点Stに対して対物光学系3が近づきすぎてしまい、照明手段13を配置するスペースを確保することができない。
また、L1/Rtanθの値が条件式の下限値を下回ると、透明カバー8の内面10の頂点Stに対して対物光学系3が離れすぎて、カプセルの全長が長くなってしまい好ましくない。
なお、透明カバー8の内側面10を非球面で構成する場合、透明カバー8の内側面10上で視野境界部に位置する仮想物点Sm,Snでの非球面の近似曲率1/Rを求め、仮想物点Sm,Snをそれぞれ通り、曲率1/Rをもつ球面の曲率中心OA,OBが、それぞれ上述した領域(直線7mと7nがつくる4つの領域のうち、対物光学系の光軸を含まない領域)内に配置される位置関係となるように、透明カバー8と対物光学系3を構成すればよい。
0.01<L1/Rtanθ<0.5
但し、L1は透明カバー8の内側面10の曲率中心11から対物光学系3の光軸4までの距離、Rは透明カバー8の内側面10の半径、θは対物光学系3の視野角の1/2である。
L1/Rtanθの値が上記条件式の上限値を上回ると、透明カバー8の内側面10の頂点Stに対して対物光学系3が近づきすぎてしまい、照明手段13を配置するスペースを確保することができない。
また、L1/Rtanθの値が条件式の下限値を下回ると、透明カバー8の内面10の頂点Stに対して対物光学系3が離れすぎて、カプセルの全長が長くなってしまい好ましくない。
実施例3のカプセル型内視鏡では、撮像ユニット1は、レンズ5と、絞り(図示省略)と、レンズ枠(図示省略)と、間隔環(図示省略)を有する対物光学系3と、撮像素子2と、撮像素子枠(図示省略)を有して構成されている。
このように構成した実施例3のカプセル型内視鏡によれば、視野方向に生じる透明カバー8の外面9までの物点距離の差による像のボケを補正することができ、透明カバー8の外面9に接した被写体を鮮明に観察することが可能な小型のカプセル型内視鏡が実現できる。
実施例4のカプセル型内視鏡では、対物光学系3の視野中心をカプセルの中心軸からずらして配置した場合において視野方向に生じる透明カバー8の外面9までの物点距離の差による像のボケを補正するための実施例3のカプセル型内視鏡とは別の解決手段を示す構成例である。
即ち、実施例4のカプセル型内視鏡は、透明カバー8の外側面9と透明カバー8の内側面10とを偏芯させ、かつ透明カバー8の外側面9が対物光学系3の光軸4に対して略回転対称となるように構成されている。
透明カバー8の外側面9は、球面形状に形成されており、透明カバー8の外面9の曲率中心12と対物光学系3の光軸4との距離が0.4mm程度離れている。このように構成すると、視野方向による透明カバー8の外側面9までの距離の差により生じる像のボケを補正することができる。
実施例5のカプセル型内視鏡は、透明カバー8の外側面9と透明カバー8の内側面10とを偏芯させ、かつ対物光学系3を構成する光学部材の1つを偏芯させることで、対物光学系3の視野中心をカプセルの中心軸からずらして配置した場合において視野方向に生じる透明カバー8の外面9までの物点距離の差による像のボケを補正した構成例である。
対物光学系3の入射瞳は、対物光学系3を構成するレンズ5の最も物体側の面(先端面)と一致する。また、対物光学系3は、入射瞳の面が照明手段13の光射出面14を含む平面Qmと同一平面上に位置するように配置されている。
PX>(φL/2)+(ΔD)
ただし、φLは、対物光学系の最も物体側に配置されるレンズの外径、ΔDは、照明手段の中心から外周までの最短距離である。
このように構成した実施例6のカプセル型内視鏡によれば、複数の照明手段13を設け、明るさを確保した際にも、小型化を実現し、透明カバー8の内側面10で反射された光線が対物光学系3の入射瞳内へ到達するのを阻止してフレアを防止することができる。
x2/4.962+y2/5.552=1
このような楕円形状に形成された透明カバー8の焦点の座標位置は、内側面10の中心11を原点としたとき、(0、±2.48)となる。なお、ここでの内側面10の中心11は、楕円の中心であり、楕円における長軸と短軸の交点を指している。
このように、対物光学系3と照明手段13を配置した実施例7のカプセル型内視鏡によれば、従来のカプセル型内視鏡においてφ12mmあった外径を、10.85mmと小型化することができた。
いま、対物光学系3の入射瞳の中心Pcと透明カバー8の内側面10の長軸と短軸との交点11との距離D1が次の条件式を満足する場合には、視野最周辺の主光線7が、透明カバー8の内側面10で反射され、XY平面に到達したときのY座標は正になる。
D1 ≧ |透明カバー内面の焦点距離|/2
このため、照明手段13の光射出面を中心座標がXY平面上のY≦0となるように配置すれば、照明手段13から射出され透明カバー8の内側面10で反射された光は対物光学系3の入射瞳内に到達することはなく、フレアを防止することができる。
15°≦β≦75°
ただし、βは対物光学系の光軸とノズルの噴射口の中心軸とのなす角度である。
D1 ≧ |透明カバー内面の焦点距離|/2
但し、D1は対物光学系3の入射瞳の中心Pcと透明カバー8の内側面10の長軸と短軸との交点11との距離である。
15°≦β≦75°
ただし、βは対物光学系の光軸とノズルの噴射口の中心軸とのなす角度である。
2 撮像素子
3 対物光学系
4 対物光学系の光軸
5 レンズ
7 視野最周辺の主光線
7m、7n 直線
8 透明カバー
9 透明カバー8の内側面
10 透明カバー8の外側面
11 透明カバー8の内側面の曲率中心
12 透明カバー8の外側面の曲率中心
13 照明手段
14 照明手段13の射出面
15 透明カバー8の内側面10による入射瞳の像範囲
16 透明カバー8の内側面10による入射瞳の像の中心位置
17、20 直線
18 薬剤タンク
19m、19n 線分
21 消化管
22 受信装置
23 モニタ
24 パーソナルコンピュータ
26 ターゲットシンボル
30,30’ ノズル
31,31’ 噴射口
32 観察対象部位
32’ 領域
33 管腔臓器の内壁
40 カプセル型内視鏡
41 患者
Pc 対物光学系3の入射瞳の中心
P 入射瞳の中心Pcから引いた平面Qmに対して垂直な線との交点
P’c 写像位置
P’ 写像位置P’cから引いた平面Qmに対して垂直な線との交点
Sm、Sn 仮想物点
St 透明カバー8の内側面10の頂点
Qm 平面
Claims (4)
- 対物光学系と撮像素子を備えた撮像ユニットと、照明手段とをカプセルの内部の異なる光路上に配置し、これらの物体側を視野範囲が透明な透明カバーで密封したカプセル型内視鏡であって、
前記透明カバーの内側面のうち少なくとも視野範囲が球面で構成され、
前記透明カバーの内側面の頂点から前記照明手段の光射出面を含む平面Qmに対して引いた垂線と該平面Qmとの交点をX、前記対物光学系の入射瞳の中心から前記平面Qmに対して引いた垂線と該平面Qmとの交点をP、前記対物光学系の入射瞳の中心からの光が前記透明カバーの内側面で反射したときの光線の交点(写像位置)から前記平面Qmに対して引いた垂線と該平面Qmとの交点をP’としたとき、点Pと点P’とを結ぶ線分上に点Xが存在し、
前記照明手段の光射出面が、前記平面Qm上で前記対物光学系の入射瞳の前記透明カバーの内側面で反射した反射像と重ならない位置に配置され、
さらに次の条件式を満たすことを特徴とするカプセル型内視鏡。
0.01<L1/Rtanθ<0.5
ただし、L1は透明カバーの内側面の曲率中心から対物光学系の光軸までの距離、Rは透明カバーの内側面の半径、θは対物光学系の視野角の1/2である。 - 前記対物光学系の光軸が前記透明カバーの内側面に対して直交しないように、該対物光学系が配置され、
前記撮像ユニットの構成要素の少なくとも一つが、該撮像ユニットの他の構成要素に対して偏芯していることを特徴とする請求項1に記載のカプセル型内視鏡。 - 前記撮像ユニットが、以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項1に記載のカプセル型内視鏡。
80<IH/P<500
80<FL/P<500
400<Fno/P<3000
ただし、IHは撮像素子の受光面の有効表示エリアの中心から有効表示エリアの最も遠い位置までの距離[mm]、Pは撮像素子の水平方向の画素ピッチ[mm]、FLは対物光学系の焦点距離[mm]、Fnoは対物光学系の有効Fナンバーである。 - 前記照明手段の光射出面を含む平面Qmにおける交点Pと交点Xとの間の距離PXが、次の条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカプセル型内視鏡。
PX>(φL/2)+(ΔD)
ただし、φLは対物光学系の最も物体側に配置されるレンズの外径、ΔDは照明手段の
中心から外周までの最短距離である。
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