JP4588890B2 - 通信方法および通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、データ伝送システムの信号を処理する方法および装置に関し、特に、伝送システムの周波数オフセットを推定する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電磁信号によるディジタル伝送システムは、通信および移動性に対する需要が引き続き増大しているという状況の下で、特に重要である。急速に拡大する移動無線の分野は、このようなディジタル伝送技術の重要なアプリケーション(適用分野)を代表する。ディジタル伝送のためのシステムの場合、伝送は通常、例えばGSM(global system for mobile communications)標準や、これに基づいているEDGE(enhanced data rates for GSM evolution)標準の場合のように、キャリア周波数を変調することによって実行される。
【0003】
分散性チャネル(例えば、移動無線チャネル)上のキャリア周波数に基づくディジタル伝送の場合、現実のシステムでは、受信信号の実際のキャリア周波数と、受信機においてアクティブなキャリア周波数との間に、避けることのできないずれが生じる。周波数シフトの原因には、例えば、周波数標準(すなわち、送信機または受信機の局部発信器)の公差や、例えばいわゆるドップラー効果による送信機または受信機の局所的移動による周波数シフトがある。ドップラー効果は、送信周波数の単純なシフト(ドップラーシフト)から、無限に多くの無限に小さい受信信号成分を相異なる周波数シフトで重ね合わせること(ドップラーワイドニング(Doppler widening))まで、モデル化することができる。周波数オフセットは、送信データ系列(シーケンス)の回復に関して、受信機の効率を悪化させる。これは、同様に、ビット誤り率またはブロック誤り率の上昇としても表される。受信信号の瞬間キャリア周波数と、コヒーレント受信機のキャリア周波数との間の周波数オフセットは、与えられた特定の仮定の下で、公知の方法を用いて推定することができる。周波数オフセットがわかると、受信機において、存在する周波数オフセットの補償を可能にする処置をとることが可能となり、送信データの回復に関して受信機の効率が改善される。
【0004】
公知の推定方法の概説は、例えば、Mengali, U., D'Andrea, A. N. "Synchronization Techniques for Digital Receivers", Plenum Press, New York, 1997、に記載されている。理論的に効率的な方法は、「データ支援最尤周波数推定(Data Aided Maximum Likelihood Frequency Estimation)」という名称で知られている。しかし、この方法は2ステップ探索アルゴリズムを必要とするため、非常に計算量がかかる。この理由のため、この方法は実用には適さない。
【0005】
上記の方法を単純化した変形例も既知であり、同じく、周波数オフセットのデータ支援推定に基づいている。それらの方法のうちの一部は、例えば、
・S. Kay, "A Fast and Accurate Single Frequency Estimator", IEEE Trans. Acoust. Speech, Signal Processing, ASSP-37, p.1987-1990, December 1989・M. P. Fitz, "Further Results in the Fast Estimation of a Single Frequency", IEEE Trans. Comm., COM-42, p.862-864, March 1994
・M. Luise, R. Reggiannini, "Carrier Frequency Recovery in All-Digital Modems for Burst-Mode Transmission", IEEE Trans. Comm., COM-43, p.1169-1178, March 1995
に記載されている。これらの方法は確かに、受け入れ可能な複雑さで、比較的良好な効率を示すが、使用可能な範囲には多くの制限がある。これらの方法は、伝送システムが位相変調(PSK:位相シフトキーイング)で動作するときにしか適用できない。さらに、全伝送システムにおける伝送には、シンボル間干渉(ISI)があってはならない。すなわち、第1ナイキスト基準が満たされていなければならない。
【0006】
しかし、具体的には、例えばGSM移動無線のような周波数選択的フェージングチャネルの場合を含む多くの実用的アプリケーションでは、シンボル間干渉がないことは、近似的にも、実現できない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の1つの目的は、受け入れ可能な計算量で、ディジタル伝送システムの周波数オフセットの信頼性の高い推定が可能な方法および装置を提供することである。
【0008】
本発明のもう1つの目的は、大きいシンボル間干渉が存在する場合でも推定が可能な方法および装置を提供することである。
【0009】
本発明のもう1つの目的は、推定のために伝送チャネルに関する事前の情報を必要としない方法および装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、請求項1記載の方法および請求項13記載の装置によって、非常に簡単な方法で達成される。本発明の重要な実施例については従属請求項に記載されている。
【0011】
本発明による方法では、第1および第2の既知の、好ましくは同一の、シンボルシーケンス(系列)が、ディジタル伝送システムで送信される。データシーケンス内の、受信機には事前に既知の、送信シンボルを有するサブシーケンス(部分系列)は、例えば、評価される受信信号部分において少なくとも2回発生するトレーニングシーケンス、終端シンボルあるいはテールビットである。受信信号は、好ましくは、いわゆる等価複素ベースバンド信号として利用可能である。
【0012】
伝送チャネルは、あらゆる瞬間において、パルス応答によって特徴づけられる。パルス応答は、本質的に、送信信号と受信信号の間の伝送チャネルの割当てプロトコルを表す。ある瞬間に送信される無限に短い信号パルスは、ほぼパルス応答の時間的長さで、受信信号に影響を及ぼす。パルス応答が既知シンボルシーケンスの継続時間より長い場合、既知シンボルに対応する受信信号部分は、特に、既知シンボルシーケンスの前の未知シンボルの成分によってもあらゆる瞬間に影響を受けることになる。この影響を低減するため、伝送システムのパルス応答の絶対値の2乗をある時間部分で低減することにより、好ましくは、受信信号に本質的に影響を及ぼす送信信号部分が、第1および第2の既知シンボルシーケンスよりも短くなるようにする。パルス応答の絶対値の2乗は、本質的に、受信装置で受信信号によって引き起こされる電圧の絶対値の2乗であり、したがって、パルス応答の時間部分に存在するエネルギーの尺度である。この低減は、具体的には、全パルス応答のエネルギーとの比較によりパルス応答の後方部分のエネルギーを低下させることによって、または、パルス応答の後方部分から前方部分へエネルギーを移動することによって、実現される。このようにして、受信信号の少なくとも第1および第2の部分(これらの部分はそれぞれ、第1および第2の既知シンボルシーケンスに対応する)は、本質的に既知シンボルシーケンスのみに影響されることが保証される。受信信号の第1部分と第2部分を互いに比較し、その比較結果から、周波数オフセットを推定する。
【0013】
したがって、本発明の方法によれば、特にキャリア周波数に基づくディジタル伝送システムの場合に、周波数オフセットの推定が可能となる。本発明の方法は、低減前のチャネルパルス応答の長さが受信機に既知の利用可能なシンボルシーケンスの長さを超える場合にも有効である。すなわち、本発明による方法は、パルス干渉がないことを要求しない。これは特に、従来の方法と比較して非常に有利な点である。
【0014】
本発明の好ましい実施例では、第1および第2の既知シンボルシーケンスは、複素定数を乗じることにより互いに転置することができる。例えば、具体的には、2つのシンボルシーケンスは同一である。同一のシンボルシーケンスの場合、第1部分と第2部分(これらはそれぞれ、第1および第2の既知シンボルシーケンスに対応する)の比較は特に簡単になるため、計算量も少なくなる。
【0015】
各送信シンボルごとに、受信信号の上記の対応する部分を表す少なくとも1つの対応するサンプルを得るために、受信信号は、好ましくは、サンプリングされる。この実施例では、周波数オフセットは、好ましくは、第1サンプル(第1シーケンスからの1つのシンボルに対応する)と、第2サンプル(第2シーケンスからの同一のシンボルに対応する)との間の角度差あるいは位相差から近似的に推定あるいは決定される。具体的には、既知シーケンス内のこれらのシンボルは、既知シーケンスがサンプルに移る前に未知シンボルからの干渉がないことを保証するために、シーケンスのはじめから少なくともパルス応答の長さだけ後に位置するように選択される。サンプルの、対応する送信シンボル部分への割当ては、好ましくは、トレーニングシーケンスによる同期によって達成される。
【0016】
通常の送信信号は、既知シンボルシーケンスのペアの複数の反復を有するブロックを含む。そのため、本発明による方法は、各ブロックあるいはサイクルに対する周波数オフセットを再推定するために、各ブロックごとに適用することができる。これは、例えば大気の変化や送信加入者の移動のために伝送チャネルが連続的に変動するので有効であり、本発明によれば、周波数オフセットを補償するために周期的に適切な対処(例えば逆回転(derotation))をすることが可能である。生じる可能性のあるドップラーシフトなどの周波数オフセットの特に正確な補償は、伝送システムのパルス応答が、考えているサイクルの継続時間内で近似的に時間不変であるときに達成される。
【0017】
好ましい実施例では、パルス応答の領域の絶対値の2乗の低減は、フィルタによって実現される。具体的には、フィルタ係数は、推定されるパルス応答によって決定され、好ましくは、各サイクルで再適応される。
【0018】
特に好ましい実施例では、フィルタ係数は、パルス応答が既知シンボルシーケンスの長さより短い長さまで短縮されるように決定され設定される。
【0019】
したがって、本発明による方法は、伝送に干渉のあるシステム(したがって、低減あるいは短縮の前に、全システムのパルス応答が1個のシンボルより長い場合や、2個のサンプル間の間隔より長い場合)にも適用可能である。特に、本発明の方法は、短縮されていないパルス応答が既知シンボルシーケンスより長いときでも適用可能である。
【0020】
代替実施例では、使用されるフィルタは全通過(オールパス)フィルタである。オールパスフィルタは、特に、複素値受信信号の位相−周波数応答を実質的に変化させる性質を有する。
【0021】
オールパスフィルタは、結果として得られるパルス応答が低い位相となるように選択され、最も好ましくは、最小の位相となるように選択される。その結果、パルス応答内のエネルギー成分は、プロセスにおいてシステムの絶対値周波数応答(したがって、信号対ノイズ比)を変えることなく、大部分最初の係数に移される。そのため、パルス応答の長さが変わらなくても、パルス応答を短縮することによる場合と同様に有効な効果が達成される。また、プレフィルタ(前処理フィルタ)をオールパスフィルタと組み合わせることも有効であり、これにより、パルス応答の短縮と、実質的に変化しない信号対ノイズ比との間で、それぞれのアプリケーションについて好ましい妥協点を実現することが可能となる。
【0022】
本発明による方法は、実質的に完全に線形の変調方法(例えば、位相シフトキーイング(PSK)、直行振幅変調(QAM)あるいは振幅シフトキーイング(ASK))や、近似的に線形の変調方法(例えば、ガウシアン最小シフトキーイング(GMSK))に、適用可能である。また、本発明の方法は、ブロックごとのデータ伝送による伝送システム(例えば、GSM標準やEDGE標準)にも有効である。
【0023】
したがって、特定の境界条件の下で、本発明の方法は、従来の方法の場合よりも、キャリア周波数ディジタル伝送システム(例えば、GSM標準)における、特にベースバンド信号からの、周波数オフセットのより正確な推定が可能となるため、周波数オフセットを補償するための適当な対処とともに、受信装置の効率の部分的にかなりの増大が可能となる。
【0024】
これは、特に、ほとんどの移動無線標準(例えば、GSM)の場合のようなブロックごとのデータ伝送に対して成り立つ。この場合、周波数オフセットのブロックごとの推定が有効である。その理由は、例えば、送信加入者の移動が高速であることにより、数ブロック以内に強く変動するという伝送チャネルの性質のためである。
【0025】
本発明による装置は、上記の方法の特徴と同様の特徴によって定義され、したがって、同様の効果を有する。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明は、伝送システムにおける周波数オフセットの信頼性の高い推定のための、ディジタル伝送システムの信号を処理する方法および装置に関する。この目的のために、一実施例では、パルス応答を推定し短縮する。本発明は、移動無線システムにおけるディジタル信号伝送に特に有効である。
【0027】
以下で説明する実施例では、送信シンボルシーケンスは、図1に示すように、それぞれN個のシンボルを有する連続するブロックを含む。1つのブロックは、M個の既知シンボルのサブシーケンス{s1,s2,...,sM}と、N−2×M個の一般に未知のシンボルxのデータシーケンスを有する。その後、次のブロック内の既知サブシーケンスが続き、以下同様である。受信信号は、ベースバンドで、間隔Tsの離散時間複素サンプル{...,1f1,1f2,...,1fM,1fM+1,1fM+2,...,1fN,2f1,2f2,...,2fM,2fM+1,2fM+2,...}の結果として存在する。これは、例えば、シンボルクロック周波数でアナログベースバンド信号をサンプリングすることにより得られる。その結果、1個のシンボルの長さは、サンプリング間隔の長さとほぼ等しくなる。この場合、サンプル1f1は送信シンボルs1に対応し、1fMはsMに対応し、2f1は、サブシーケンスの最初の反復の送信シンボルs1に対応し、2fMはsMに対応し、以下同様となる。より高いサンプリング周波数(すなわち、オーバーサンプリング)も可能であるが、説明を明確にするため、これについてはここではこれ以上詳細には考慮しない。
【0028】
さらに、全伝送システムの、短縮されてないパルス応答の長さは、信号rに関して、サンプル係数の数Lhによって定義することができる。この場合、rは、受信信号の離散時間複素値ベースバンド表現を表す。
【0029】
伝送にシンボル間干渉がなければ、すなわち、Lh=1であれば、ノイズのない場合、各サンプル対の角度差(2f1−1f1),(2f2−1f2),...,(2fM−1fM)(これらは、既知シンボルに対応する)は、周波数オフセットΔFに比例する。この前提条件(これは、従来の方法において正確な推定に必要である)は、実際にはしばしば満たされない(すなわち、Lh>1となる)ことがある。しばしば、大幅に弱い条件Lh≦Mさえも満たされないことがある。
【0030】
Lh>Mの場合にも、本発明による方法は、信号に適当な線形プレフィルタリングを行うことによって、信頼性の高い推定を実行することが可能である。この場合、フィルタは、パルス応答の長さが、値^Lhへのフィルタリングにより短縮され、その結果、^Lh≦Mとなるように選択される。^Lhは、短縮されたパルス応答の係数の個数を表す。そこで、本発明の作用効果を説明するために、実施例の伝送システムでは、パルス応答は、短縮前には既知シンボルシーケンスの長さよりも長いと仮定する。すなわち、Lh>Mと仮定する。
【0031】
図2は、本発明による装置1のブロック図である。この図は、本発明による方法の流れ図としても類比的に理解することができる。参照符号A、B、Cは、その方法ステップを特徴づける。
【0032】
受信ベースバンド信号rは、フィルタ14(その係数は、フィルタ係数定義器12によって定義される)と、パルス応答(チャネル)推定器11との間で分けられるように示されている。チャネル推定器11は、推定パルス応答hを出力し、これをフィルタ係数定義器12に送る。
【0033】
ステップAで、フィルタ(プレフィルタ)14を用いて、ベースバンド信号rに対するプレフィルタリングが行われ、結果として得られる等価的な全伝送システムのパルス応答が長さ^Lh≦Mに短縮される。パルス応答を短縮するため、例えば、以下の論文に記載されているような従来の方法が使用される。
・W. H. Gerstacker, J. B. Huber, "Maximum SNR Decision-Feedback Equalization with FIR Filters: Filter Optimization and a Signal Processing Application", Proceedings of International Conference on Communications (ICC) 1996, p.1188-1192, Dallas, June 1996
・Wolfgang H. Gerstacker and Johannes B. Huber, "Improved Equalization for GSM Mobile Communications", Proceedings of International Conference on Telecommunications (ICT) 1996, p.128-131, Istanbul, April 1996
・K. D. Kammeyer, "Time Truncation of Channel Impulse Responses by Linear Filtering: A Method to Reduce the Complexity of Viterbi Equalization", International Journal of Electronics and Communications (AEU), 48(5),
p.237-243, 1994
【0034】
適当な再帰的または非再帰的プレフィルタ14を設計する際の最初のステップは、全伝送システムのパルス応答hを推定することである。推定されたパルス応答hから出発して、係数定義器12は、そのパルス応答を短縮するために適当なフィルタ係数を決定し、それらの係数をフィルタ14に転送する。
【0035】
代替実施例は、可変プレフィルタ14の代わりに、プレフィルタリングのためにオールパスフィルタを有する。これは、結果として得られる伝送システムのパルス応答が最小位相となるように設計される。
【0036】
オールパスフィルタの動作方法は、例えば、
・A. V. Oppenheim, R. W. Schafer, "Zeitdiskrete Signalverarbeitung"(離散時間信号処理), Oldenbourg Verlag, Munich, Vienna, 1992
・H. W. Schuessler, "Digitale Signalverarbeitung 1"(ディジタル信号処理1), 4th edition, Springer Verlag, Berlin, Heidelberg, New York, 1994に記載されている。
【0037】
ステップBで、位相検出器15を用いて、フィルタリングされた受信信号fの2個の適当な複素値サンプル間の角度差を決定する。サンプルの選択は、図1では、^Lh=Mの場合が例示されている。^Lh=Mの場合、2個のサンプル1fMおよび2fMが選択される。これらはそれぞれ、受信機には事前に既知のサブシーケンス{s1,s2,...,sM}の最後のシンボルsMに対応する。この選択は、例えば、トレーニングシーケンスを用いた適当な同期により実行される。その後、選択されたサンプル間の角度差Δφが、図3に示すように決定される。図3に示す2個のベクトルは、複素平面におけるこれらの2個のサンプル1fMおよび2fMを表す。^Lh<Mの場合、(M−^Lh+1)対の値の角度差を推定して、それらの平均値を求めることも可能である。平均化により、角度差の決定の精度が向上する。
【0038】
ステップCで、推定装置16により、次式に従って、上記で決定された角度差Δφから、周波数オフセットΔFを推定する。
ΔF=Δφ/(2π・N・Ts)
ただし、
ΔFは、推定された周波数オフセットであり、
Nは、シンボルにおける2個の既知サブシーケンスの間隔であり、
Tsは、シンボルクロックの周期である。
【0039】
したがって、上記の方法は、次の領域において、ノイズのない場合に、周波数オフセットΔFの一意推定が可能となる。
【数1】
上記の条件は、前記の適用分野では通常満たされるが、この条件を満たすために、追加の粗い同期を使用する(これは事前に用いられる)ことも可能である。
【0040】
さらに、本発明による方法は、パルス応答推定における誤りに対して非常にロバスト(頑強)である。その理由は、推定されるパルス応答は、プレフィルタ14を計算するためにしか使用されないからである。推定パルス応答の係数における可能な位相誤りは、例えば、周波数オフセットΔFの推定には影響を及ぼさず、周波数オフセットΔFに対して良好な精度の推定が達成される。
【0041】
本発明の方法の1つの適用分野は、GSM/EDGE移動無線標準である。この標準によれば、3個のエッジシンボル(それぞれ、受信機に既知のいわゆるテールシンボル)が、ブロックとして送信されることになるシンボルのシーケンスの両端に付加される。その結果、周波数オフセットΔFは、パルス応答が3個のサンプリング間隔の長さを超えないときにのみ、良好な精度で推定することができる。しかし、GSM/EDGEの場合に生じるパルス応答はしばしば明らかに係数3個の長さを超えるため、パルス応答を短縮するための本発明の方法および装置の作用効果が特に有効となる。
【0042】
当業者には明らかなように、上記のパルス応答の短縮は、単なる例示と理解されるべきである。多くの適用分野では、比較されるべき受信部分に対する未知シンボルの影響を低減(特に、最小化)するために、例えば全パルス応答の絶対値の2乗に比べて、パルス応答の一部の絶対値の2乗を低減することで十分である。
【0043】
【発明の効果】
以上述べたごとく、本発明によれば、受け入れ可能な計算量で、ディジタル伝送システムの周波数オフセットの信頼性の高い推定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】送信信号のシンボルシーケンスと、受信信号の対応するサンプルとの例を示す図である。
【図2】本発明の好ましい実施例のブロック図である。
【図3】複素平面における2個のサンプル間の角度差を示す図である。
【符号の説明】
1 装置
11 パルス応答(チャネル)推定器
12 フィルタ係数定義器
14 フィルタ
15 位相検出器
16 推定装置
Claims (10)
- ディジタル伝送システムのための通信方法において、既知の第1および第2シンボルシーケンス({s1,s2,...,sM})が送信され、前記伝送システムの周波数オフセット(ΔF)が、第1シンボルシーケンスに対応する受信信号(r)の第1部分(1fM)を第2シンボルシーケンスに対応する受信信号(r)の第2部分(2fM)と比較することによって推定され、前記伝送システムのパルス応答(h)の絶対値の2乗が、受信信号(r)の第1および第2部分(1fM,2fM)のそれぞれの第1または第2シンボルシーケンス({s1,s2,...,sM})に隣接するシンボル(x)の影響を減少させるために時間領域で低減されることを特徴とする通信方法。
- 第1および第2シンボルシーケンス({s1,s2,...,sM})が互いに同一であるように選択される請求項1記載の方法。
- 前記伝送システムのパルス応答(h)の前記領域の絶対値の2乗の低減がフィルタ(14)を用いて行われる請求項1または2記載の方法。
- 前記伝送システムのパルス応答(h)が推定される請求項1、2または3記載の方法。
- 前記フィルタ(14)の係数が、推定されたパルス応答(h)によって決定または適応される請求項4記載の方法。
- 前記伝送システムのパルス応答(h)のある領域のエネルギーが、オールパスフィルタ(14)を用いて、パルス応答(h)の全エネルギーに比べて低減される請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
- 前記オールパスフィルタ(14)が前記伝送システムの低位相パルス応答を達成するように適用される請求項6記載の方法。
- ディジタル伝送システムのための装置(1)であって、
既知の第1および第2シンボルシーケンス({s1,s2,...,sM})を送信する送信デバイス、及び
第1シンボルシーケンスに対応する受信信号(r)の第1部分(1fM)を第2シンボルシーケンスに対応する受信信号(r)の第2部分(2fM)と比較することにより、前記伝送システムの周波数オフセット(ΔF)を推定することを可能にする比較手段(15)
からなり、さらに、該装置(1)が前記伝送システムのパルス応答(h)の絶対値の2乗を時間領域で低減する第1モジュール(14)を備え、前記低減により、受信信号(r)の第1および第2部分(1fM,2fM)のそれぞれの第1または第2シンボルシーケンス({s1,s2,...,sM})に隣接するシンボル(x)の影響が減少することを特徴とする装置。 - 前記第1モジュール(14)がオールパスフィルタからなる請求項8記載の装置。
- 前記オールパスフィルタ(14)が前記伝送システムの低位相パルス応答を達成するように適用可能である請求項9記載の装置。
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