JP4588580B2 - ハイブリッド型集光ヒーター及びそれを用いた太陽電池素子の接続方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱源ランプからの熱線を集光させ高エネルギーの光を照射する集光ヒーターと、該集光ヒーターに、熱風を供給するための予熱チャンバーと、冷温風を供給するための冷却チャンバーとを備えたハイブリッド型集光ヒーター及び該集光ヒーターを用いて太陽電池素子を複数個接続して太陽電池モジュールを形成するための太陽電池素子の接続方法に関する。
太陽電池は、無尽蔵で環境汚染のないエネルギーとして存在する太陽光を直接電気エネルギーに変換する発電システムで、住宅用から電卓、腕時計、玩具などの生活分野へとその使用範囲を急速に拡大しつつある。
かかる太陽電池は、太陽電池素子の製造工程を経た後、複数の太陽電池素子をタブリード線によって電気的に接続してモジュールを形成する工程と、該モジュールを透明なカバー材と保護材との間に挟んでラミネートする工程を経て製造されている。また、各種の太陽電池の中で、特に非晶質シリコン系太陽電池や多結晶シリコン系太陽電池等は、大面積で製造でき、製造コストも安価であることから、これまでに鋭意研究され、ここ数年の間にモジュール化形成並びにシステム化形成の生産技術の開発も一層促進され、3KW程度の家庭用小型発電装置から数百KWの大型発電装置が実用化されるまでに至っている。
一方、このような背景のもと、市場の需要増と相まって、市場からは大幅なコストダウンの要請もあり、その一つの手段として太陽電池を構成する素子基板の厚みがこれまでの300〜500ミクロンよりも薄手の200ミクロン程度にしたものが対象となり、また近い将来にはこれよりも極端に薄い100ミクロン以下を対象とする可能性もでてきている。
かかる発電装置を形成する太陽電池モジュールは、太陽電池素子を複数個、直列及び並列に接続してなるものであり、該素子の接続のための半田付けによる一般的な接続方法としては、隣接する素子の一方の予備半田処理された表面側集電電極と他方の予備半田処理された裏面側の電極とに、半田付着のタブリード線を密着させた上、該タブリード線の加熱(溶着) 、冷却の各過程を経て接続するものであるが、このとき溶着される部分はタブリード線全長に亘って一気に行われるので、主として素子基板とタブリード線との熱膨張率の差によって基板側に熱ストレス(応力) がかかり、場合によっては素子基板に割れが生じたり、反りが発生したりして歩留まり率を低下させる場合がある。また、この傾向は基板の厚みが薄いほど顕著に現れ易く、これらの課題を解決することが要請されている。
上記要請に応えようとして、素子基板とタブリード線の半田付けの際の加熱用熱源としては、これまで赤外線ランプ、近赤外線ランプ、加熱気体又は加熱ゴテが一般的に用いられているが、中でも近年、赤外線ランプや近赤外線ランプを加熱源とし、その温度制御性及び立ち上がり・立ち下り特性に特に優れた光集光型のスポットヒーターが、電気機器類に使用されるプリント基板や半導体部品等の半田付けするための熱源装置に使われている(例えば、特許文献1参照)。
また、透光性を有する表面部材と、裏面部材との間に配設され、接続タブ(タブリード線)により互いに電気的に接続された複数の太陽電池素子が封止されてなる太陽電池モジュールにおいて、接続タブは、太陽電池素子との接続面を形成し互いに分離された複数の接続部と、太陽電池素子との接続面から離間し前記複数の接続部を互いに連結する連結部とを備えてなる太陽電池のモジュールが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
更にまた、裏面に裏面電極を有し、表面に表面電極及び集電電極を有した太陽電池素子が複数並設され、一つの太陽電池素子と隣接する他の太陽電池素子を直列接続するために設けられ、一つの太陽電池素子の集電電極と隣接する他の太陽電池素子の裏面電極を接続する帯状の接続タブを有する太陽電池モジュールにおいて、上記接続タブには、半田付けが可能な半田付け可能領域と、半田付けが不可能な半田付け不可能領域とが長手方向に交互に複数設けてなる太陽電池のモジュールが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特許第3461375号公報 特開平11−312820号公報 特開2002−280591号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された技術におけるスポット型ヒーターは、半田付けの際半田を効率よく溶解するが、その優れた立ち上がり特性のために逆に、薄い素子基板を急速加熱することとなり、その際発生する熱ストレスによって素子基板の破損や反りの発生が避けられないという問題があり、また、これを防止するために立ち上がり特性を緩く調整した場合には、半田付け工程のタクトタイムが長くなって生産性が低下するという問題がある。
また、特許文献2に記載された技術における接続タブは、互いに分離され、且つ太陽電池素子との接続面を形成するための平坦面を有する複数の接続部と、これら接続部を太陽電池素子との接続面から離間して接続している連結部を有してなり、接続面の面積を小さくすることによって、接続タブと太陽電池素子の基板との熱膨張率の差に起因して発生する素子の損傷を回避する技術ではあるが、接続タブの過熱及び冷却を、接続タブの全長に亘って同時に過熱し、また、接続タブの全長に亘って同時に冷却しているため、熱ストレスによる素子の破損や反りの発生が避けられず、モジュール化の各工程でのハンドリングや加圧により破損し、歩留まりが低下するという問題をはらんでいる。
また、該接続タブは市販されているような、半田で被覆された単なる平角状のタブリード線ではなく、接続部間に挟設された複数の連結部には曲げ加工が施された特殊な構造からなるので、この曲げ加工の部位から断線しないように、あるいはこの部位の強度が維持されるように、高精度に形成する必要があり、いきおいコストアップとならざるを得ない。
また、特許文献3に記載された技術は、特許文献2に記載された技術の改良であって、特許文献1における接続部と連結部を有する接続タブに代え、半田付けが可能な半田付け可能領域と、半田付けが不可能な半田付け不可能領域とが長手方向に複数設けられた接続タブを適用し、これによって、基板に生成する熱ストレスの発生を防止し、基板の損傷を防止しようとするものである。
すなわち、この特許文献3に記載された発明の接続タブは、ベースとなる薄板状の銅箔に部分的に複数箇所で半田が付着する場所をマスキングした上で、半田の付着しない耐熱性樹脂やクロムめっき等で表面処理を施した後、マスキングを取り除いて予備半田を施して作製したものであり、これによって接続面は予備半田の施されたところだけとなることで接続面積を容易に減少させることができ、機械的加工が施されていないので機械強度が低下する箇所もなく、また、太陽電池素子に対し接続タブを断続的に接続することで、はんだ付けの際生じる基板の熱ストレスを低減し基板の破損を抑制することができる。
しかしながら、この特許文献3に記載された技術においても、接続タブの加熱、冷却をそれぞれ接続タブの全長に亘って同時に行うため、破損や反りの発生は避けられず、また、該接続タブを作成するのにマスキングしたり、表面処理したりして多くの工数が必要な特別な接続タブを採用しており、コストアップとなるのを避けられない。
本発明は、かかる実情に鑑み、上記従来技術の課題を解決するもので、温度制御性に優れ、立ち上がり・立ち下り特性に優れたハイブリッド型集光ヒーター、及び該ヒーターを用い、これまでのような高価な特殊接続タブを使うことなく、市販されている安価な標準品である平角状の半田付きタブリード線を使用できるとともに、太陽電池素子に不要な熱ストレスを生起させず、該素子の割れや反りを防止し、太陽電池素子パネルの歩留まりを向上させ、安価な太陽電池素子パネルを提供可能な太陽電池素子の接続方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1は、熱源ランプからの熱線を集光ミラーにより集光させ高エネルギーの光を発生させる集光ヒーターにおいて、前記ヒーターに予熱のための熱風を供給する予熱チャンバーと、冷却のための冷温風を供給する冷却チャンバーとを備えたことを特徴とするハイブリッド型集光ヒーターを内容とする。
本発明の請求項2は、集光ヒーターがスポットヒーターからなることを特徴とする請求項1 記載のハイブリッド型集光ヒーターを内容とする。
本発明の請求項3は、集光ヒーターがラインヒーターからなることを特徴とする請求項1 記載のハイブリッド型集光ヒーターを内容とする。
本発明の請求項4は、スポットヒーターの外周に同心円状にチャンバーを設け、該チャンバーを2分割して予熱チャンバーと冷却チャンバーとしたことを特徴とする請求項2記載のハイブリッド型集光ヒーターを内容とする。
本発明の請求項5は、ラインヒーターの前方に予熱チャンバーを設け、後方に冷却チャンバーを設けたことを特徴とする請求項3記載のハイブリッド型集光ヒーターを内容とする。
本発明の請求項6は、集光ヒーターの加熱部付近に、被加工物の押しつけ部を設けたことを特徴とする請求項1 〜5のいずれか1項に記載のハイブリッド型集光ヒーターを内容とする。
本発明の請求項7は、被加工物の押しつけ部がローラーからなることを特徴とする請求項6記載のハイブリッド型集光ヒーターを内容とする。
本発明の請求項8は、被加工物の押しつけ部がソリ状の板状体からなることを特徴とする請求項6記載のハイブリッド型集光ヒーターを内容とする。
本発明の請求項9は、被加工物の押しつけ部の少なくとも被加工物と接する部分が、耐熱ガラス又はセラミック又はチタンもしくはソルダーレジストのコーティングからなることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1 項に記載のハイブリッド型集光ヒーターを内容とする。
本発明の請求項10は、表面に表面電極及び集電電極を備え、裏面に裏面電極を備えた太陽電池素子をタブリード線の半田付けにより接続するに際し、前記タブリード線上を、請求項1〜9のいずれか1 項に記載のハイブリッド型集光ヒーターを移動させることにより、半田を予熱、溶融、冷却させながら連続的又は断続的に接続することを特徴とする太陽電池素子の接続方法を内容とする。
本発明の請求項11は、集光ヒーターの加熱部付近に設けた押しつけ部でタブリード線を太陽電池素子に押しつけることを特徴とする請求項10記載の太陽電池素子の接続方法を内容とする。
本発明の請求項12は、ハイブリッド型集光ヒーターを千鳥状に配し、3 本以上のタブリード線を同時に半田付けすることを特徴とする請求項10又は11記載の太陽電池素子の接続方法を内容とする。
本発明によるハイブリッド型集光ヒーターは、高エネルギーのスポット光を発生する集光ヒーターに、予熱のための熱風を供給する予熱チャンバーと、冷却のための冷温風を供給する冷却チャンバーとを一体的に備えたことにより、温度制御性に優れ、立ち上がり・立ち下り特性に優れるとともに、コンパクトな半田付け熱源ユニットを提供することができる。したがって、タブリード線の数は2 本が通常の場合であるが、これが3〜4本の場合であっても装置内に合理的に収まるように構成できるので装置としての自由度に優れ効率的である。
また、集光ヒーターの加熱部付近に、ローラーやソリ状の板状体で形成した押しつけ部を設け、該押しつけ部によってタブリード線を太陽電池素子の被加工物の所定位置に押しつけた上、この所定位置に沿って集光ヒーターを移動させることにより、半田をまず予熱し、続いて溶融し、その後冷却しながら連続的又は断続的に接続することができ、太陽電池素子に不要な熱ストレスを生起させることがなく、したがって、該素子の割れや反りを防止し太陽電池素子の歩留まりを向上させて、太陽電池素子を安価に提供することが可能となる。
本発明により、かかる効果が奏される理由については、従来の技術のようにタブリード線全長に亘って同時に加熱し、また冷却するのではなく、半田を予熱し、加熱溶融した後、速やかに冷却溶着するという操作の結果、タブリード線の一端から溶着が逐次形成され、他端はフリーであるため、加熱によって一度膨張しかけたタブリード線が直ちに冷却されることで、収縮に転じ局部的に膨張収縮がバランスを保ち、これがタブリード線全長に亘って連続的又は断続的に形成されるので、タブリード線が室温まで冷却されても熱ストレスが抑制又は緩和され、割れ・反りが減少するものと考えられる。
また、本発明で使用するタブリード線は、市販されている安価な標準品である平角状の半田付きタブリード線を使用できるので、大幅なコストダウンを実現することが可能となる。
本発明のハイブリッド型集光ヒーターは、熱源ランプからの熱線を集光ミラーにより集光させ高エネルギーの光を発生させる集光ヒーターにおいて、前記ヒーターに予熱のための熱風を供給する予熱チャンバーと、冷却のための冷温風を供給する冷却チャンバーとを備えたことを特徴とする。
本発明に使用される集光ヒーターは、熱源ランプからの熱線を集光ミラーにより集光させ高エネルギーの光を発生させる集光ヒーターであれば特に制限されず、例えば、特許第3461375号に記載されたスポットヒーター、株式会社ハイベック製のスポットヒーターやラインヒーター等が挙げられる。
本発明のハイブリッド型集光ヒーターは、集光ヒーターに予熱チャンバーと冷却チャンバーとが設けられるが、スポットヒーターの場合はスポットヒーターの外周に同心円状にチャンバーを設け、該チャンバーを2分割して予熱チャンバーと冷却チャンバーとするのが好ましい。また、ラインヒーターの場合は、ラインヒーターの進行方向の前方に予熱チャンバーを設け、後方に冷却チャンバーを設けることが好ましい。
また、集光ヒーターの加熱部付近に、予熱、加熱、冷却の効率を高めるための被加工物の押しつけ部を設けることが好ましく、このような押しつけ部としては、例えば、ローラー、ソリ状の板状体等が挙げられる。
上記押しつけ部の少なくとも被加工物と接する部分は、フラックスや半田の飛散による汚れが付着しにくい耐熱ガラス、セラミック等から構成したり、チタンもしくはソルダーレジストのコーティングを施すことが好ましい。ソルダーレジストとしては、耐熱性の面からポリイミド樹脂系等が好ましい。
本発明のハイブリッド型集光ヒーターは、必要に応じ、例えば、冷却用のジャケットを設け、水等の冷却媒体を循環させる冷却手段を設けることもできる。
本発明のハイブリッド型集光ヒーターは、各種の半田付けに有用で、特に、熱ストレスにより割れや欠け、反り等が発生し易い太陽電池素子をタブリード線で電気的に接続する方法に有用である。
本発明のハイブリッド型集光ヒーターはを用いて、太陽電池素子を接続するには、本発明のハイブリッド型集光ヒーターをタブリード線上を移動させればよく、これにより半田を予熱、溶融、冷却ざせながら連続的又は断続的に接続される。
予熱チャンバーには、半田の溶融温度−10℃〜250℃程度の温風が供給され、冷却チャンバーには室温〜半田の溶融温度−10℃程度までの温冷風が供給される。
また、本発明に使用されるタブリード線は、通常のものでよく、例えば、平角状で、幅1.5mm、厚み0.16mmの電気銅の両面に半田がコーティングされ、市販されている標準品を用いることができる。
太陽電池素子の表面のみならず裏面も同様にタブリード線を半田付けして接続することができるが、裏面については装置が組みにくいような場合は、後述するような、熱風供給手段と冷温風供給手段とを備えた下部加熱装置を用いることができる。尚、太陽電池素子の表面と裏面とは、同時に接続してもよいし、別々に接続してもよい。
以下、本発明のハイブリッド型集光ヒーター及びそれを用いた太陽電池素子の接続方法について説明する。
実施態様1
本発明のハイブリッド型集光ヒーターにおいて、まず焦点孔を有しないハイブリッド型スポットヒーターを図1(a)、(b) に基づいて説明する。
図に示したように、スポットヒーター1 の筐体2 の内部には、一方が開放し3 次元曲面を有する集光ミラー3 が設けられ、その中心部にはハロゲンランプなどの熱源ランプ4 が取り付けられる。そして熱源ランプ4 からの熱線は集光ミラー3 により集光し高エネルギーのスポット光としてその焦点F に近接して配置される被加工物に照射される。
また、筐体2 の外周には、同心円状に形成され、且つ分割壁2Kによって2 分割され、予熱のための熱風を供給する予熱チャンバー5 と、冷却のための冷温風を供給する冷却チャンバー6 とが設けられ、予熱チャンバー5 の一端には熱風供給源(図示せず) からホースなどで接続配管される熱風接続口7 が、また冷却チャンバー6 の一端には冷温風供給源(図示せず) からホースなどで接続配管される冷温風接続口8 が設けられる。さらに、予熱チャンバー5 と冷却チャンバー6 の上流側にはそれぞれのチャンバーに流入する熱風、冷温風の流れ方向を制御するための整流室9 が設けられ、該整流室9 の下方には逆円錐形状に形成され被加工物に向かって吹き出す熱風吹出口10、冷温風吹出口11がそれぞれ設けられる。また、集光ミラー3 の開放端には塵埃などから集光ミラー3 や熱源ランプ4 を保護するための保護ガラス12が設けられる。
実施態様2
次に、本発明のハイブリッド型集光ヒーターにおいて、焦点孔を有するスポットヒーターを図2(a)、(b) に基づいて説明する。なお、前述で説明した図1(a)、(b) と同一の構成要素についての説明は省略し、それ以外の要素について説明する。
図に示したように、本発明の焦点孔付きスポットヒーター1Aは、前述したスポットヒーター1 の筐体2 の内部に設けられた集光ミラー3 の開放端の下部から、逆円錐形状に形成され、中央に焦点孔13を有する円錐壁14を備えた形態である。
本発明によれば、焦点孔13から照射されるスポット光には熱源ランプ4 からの直射熱が殆ど含まれず、集光ミラー3 により集光した熱エネルギーのみスポット光として被加工物に照射されるので厳密な温度加熱制御が要求される場合に好適である。
実施態様3
前述した焦点孔を有するスポットヒーターの加熱部付近に、被加工物を押しつけるためのローラーからなる押しつけ部を装着した形態について、図3(a)、(b) に基づいて説明する。
図に示したように、本発明の押しつけ部付きスポットヒーター1Bは、前述の焦点孔付きハイブリッド型スポットヒーター1Aの熱風吹出口10、冷温風吹出口11の先端に、熱風及び冷温風が真下に吹き出すように熱風垂直口15及び冷温風垂直口16を設け、更に、軸受台17にローラー18が軸支された押しつけ部19が、予熱チャンバー5 と冷却チャンバー6 とにそれぞれ固定された取付台20に締結ネジ21によって取り付けられる。
また、被加工物に押し付けられる押しつけ部19の被加工物と接するローラー18は、耐熱ガラス又はセラミック又はチタンもしくはソルダーレジストのコーティングから形成されるが、使用中に受ける熱ストレスや付着物などで損傷した際には、取付台20から締結ネジ21を取り外して分離すれば新品と交換することができる。
本発明によれば、被加工物の予熱、加熱、冷却を受ける部分が押しつけ部19によってしっかり固定されるので、余分な歪などは生起せず、また熱効率が良好で、精度の高い半田付けが可能となる。
実施態様4
前述まではスポットヒーターの各態様について説明したが、次に、本発明のハイブリッド型集光ヒーターにおいて、被加工物に照射される加熱部がスポット状ではなく線状加熱となるハイブリッド型ラインヒーターについて、図4(a)、(b) を用いて説明する。
図に示したように、直方体形状に形成された筐体2Aの内部には2 次元曲面を有する集光ミラー3Aが設けられ、また、その中心部には直管型の熱源ランプ4Aが進行方向(図では左右方向) と平行に取り付けられる。また、筐体2Aの両側には、熱風吹出口10A 、冷温風吹出口11A を有する断面矩形状の予熱チャンバー5Aと冷却チャンバー6Aが設けられ、また、これら予熱チャンバー5A、冷却チャンバー6Aの外側には取付台20A がそれぞれ固定される。そして、該取付台20A に対して、軸受台17A にソリ状の板状体18A が軸支された押しつけ部19A が、締結ネジ(図示せず) によって固定される。
なお、ソリ状の板状体18A が軸支された押しつけ部19A は、前述した図5 に示すローラー18型の押しつけ部19とは互換性があり、被加工物に最適な方を選択することができる。
実施態様5
次に、ハイブリッド型集光ヒーターを用いた太陽電池素子の接続方法について、図2 、図3 及び図6 〜図8 に基づいて説明する。
図6 に示したように、太陽電池素子22として、略125ミリ角の厚み略200ミクロンの寸法を有する素子基板23の表面には表面電極24、裏面には裏面電極25が形成されると共に、表面電極24と同じ表面側に、表面電極24に接続して集電する集電電極26が通常2列形成される。
そして、太陽電池モジュール27を完成させるには、太陽電池素子22の隣接する一方の集電電極26と、隣接する他方の裏面電極25とを集電電極26の長手方向に沿ってタブリード線28を半田付けして接続されるのであるが、この接続方法は下記の通りである。
すなわち、モジュール化装置の搬送ベルト(図示せず) 上に、太陽電池素子22がセットされた後、2 列に形成された細長い集電電極26の上部にタブリード線28が配設される。続いて、これら集電電極26とタブリード線28の相対位置関係を保持するために、押しつけ部付きのスポットヒーター1B(図3 参照) が下降し、その押しつけ部19によつてタブリード線28の上から押さえ付けるように一時的に固定する。
この後、図3 に示したように、スポットヒーター1Bの予熱チャンバー5 の熱風垂直口15から熱ストレスが掛からないようにするために予熱用の熱風を供給し、続いて半田を溶融させるためにスポット光を照射して加熱し、さらに溶融した半田を固化させるために冷却チャンバー6 の冷温風垂直口16から冷温風を供給するという一連の単位動作を、スポットヒーター1Bを移動しながら繰り返し、これによって半田を予熱、溶融、冷却させながら連続的又は断続的に接続する。
また、押しつけ部19を備えていないタイプの集光ヒーター(図1や図2 に示したようなスポットヒーター) を利用する際は、図7 に示したように、装置の搬送ベルト(図示せず) 上に、太陽電池素子22がセットされた後、2 列に形成された細長い集電電極26の上部にタブリード線28が配設される。続いて、これら集電電極26と、この上に載置されるタブリード線28との相対位置関係を保持するために、装置のタブリード線押さえ機構部29のフィンガー部30がタブリード線28に直交する方向から延出され、タブリード線28の上から押さえ付けるように一時的に固定する。
これ以降は前述と同様であるが、図2 、図7 に示したように、予熱チャンバー5 の熱風吹出口10から予熱のための熱風を供給し、続いてスポットヒーター1Aからのスポット光によって半田を加熱溶融すると共に、冷却チャンバー6 の冷温風吹出口11から冷温風を供給するという一連の動作を、スポットヒーター1Aを移動させては繰り返し、これによって半田を予熱、溶融、冷却させながら連続的又は断続的に接続する。
また、前述までは本発明のヒーターの位置関係を図8(a)に示すような2 連式として説明したが、太陽電池の性能改善向上等のためにタブリード線28の本数が増加する場合があり、このような場合には図8(b)、(c) に示すように、ヒーターの位置関係を千鳥状3 連式、千鳥状4 連式にすることにより、3 本以上のタブリード線を同時に半田付けすることが可能である。
なお、図7 に示した装置においては、図3、図4 に示したローラー18やソリ状の板状体18A つきのヒーターの場合には、タブリード線押さえ機構部29のフィンガー部30を退却させて使用される。また、図6,7 では太陽電池素子22の2枚が接続された状態を示しているが一般的には8枚〜12枚程度、順次連続して接続される。
以上、太陽電池モジュール27を完成させるに際し、太陽電池素子22の一方の集電電極26にタブリード線28を半田付けする接続方法について説明した。
尚、太陽電池素子22の裏面電極25にタブリード線28を半田付け接続する方法は、上記と同様の装置、方法で行なうこともできるが、特殊な下部加熱装置を用いて接続する方法について、図6 及び図9 〜12を参照して説明する。
実施態様6
図6 では素子基板23の下部の裏面電極25に、タブリード線28が既に半田付けされている状態を示しているが、このような状態に接続する方法について説明する。
図6 に示すように、装置の搬送ベルト(図示せず) の真下には下部加熱装置(正面断面図で示す)31 が配設される。該下部加熱装置31のタブリード線保持台32の上面には、タブリード線載置溝33が設けられ、また基板23の裏面電極25に対応した位置に矩形孔34が設けられていて、その中央には矩形孔34を2 分割し、その一方を熱風通路35、他方を冷温風通路36に形成すると共に、上下に可動制御される押しつけロッド37が貫通している。
上記構成において、タブリード線載置溝33の上にタブリード線28が載置され、装置の搬送ベルト(図示せず) 上に、太陽電池素子22がセットされると、タブリード線保持台32が所定位置まで上昇し、続いて押しつけロッド37が上昇しタブリード線28を下から持ち上げるように作用して裏面電極25に押しつける。続いて、この状態を維持したまま熱風通路35から熱風が供給されると半田が溶融し、続いて、冷温風通路36から冷温風が供給されて溶融した半田を固化させる。この後は先の動作と逆に、タブリード線保持台32と押しつけロッド37が共に下降動作し、下部加熱装置31により裏面電極25にタブリード線28を半田付するという一連の動作を終了する。
叙上のとおり、本発明のハイブリッド型集光ヒーターによれば、予熱チャンバーと、冷却チャンバーとを一体的に備えたことにより、半田付け熱源ユニットとして極めてコンパクトに形成できるので自由度が高く、装置内に合理的に収まって効率的である。
また、本発明のハイブリッド型集光ヒーターを用い、例えば、太陽電池素子を接続すれば、タブリード線で半田付けする際の熱ストレスによる素子の破損やタブリード線で接続された素子の反りが、大幅に減少し歩留まりが大幅に向上する。従って、本発明のハイブリッド型集光ヒーターは、熱ストレスにより反りや割れが発生し易い極薄の太陽電池素子の接続等に特に有用である。
(a)本発明の実施態様1のハイブリッド型集光ヒーターの部分断面正面図である。 (b)同ヒーターの下面図である。 (a)本発明の実施態様2 のハイブリッド型集光ヒーターの部分断面正面図である。 (b)同ヒーターの下面図である。 (a)本発明の実施態様3 のハイブリッド型集光ヒーターの正面図である。 (b)同ヒーターの側面図である。 (a)本発明の実施態様4 のハイブリッド型集光ヒーターの部分断面図である。 (b)同ヒーターに内臓される集光ミラーを示す断面図である。 図4のヒーターの押しつけ部と交換可能な他の押しつけ部を示す図である。 本発明の実施態様5 における太陽電池素子の接続方法を説明する概要図である。 実施態様5 において、押しつけ部を備えていないハイブリッド型集光ヒーターを用いた太陽電池素子の接続方法を説明する斜視図である。 (a)ハイブリッド型集光ヒーターの位置が2 連式の形態を示す平面図である。(b)同ヒーターの位置が千鳥状3 連式の形態を示す平面図である。(c )同ヒーターの位置が千鳥状4 連式の形態を示す平面図である。 本発明の実施態様6 における下部加熱装置の上面図である。 下部加熱装置の側面図である。 下部加熱装置、タブリード線及び素子基板との関係を示した側面図である。 下部加熱装置を示す斜視図である。
符号の説明
1 スポットヒーター(焦点孔無し)
1A 焦点孔付きスポットヒーター
1B 押しつけ部付きスポットヒーター
1C ラインヒーター
2、2A 筐体
2K 分割壁
3、3A 集光ミラー
4、4A 熱源ランプ
5、5A 予熱チャンバー
6、6A 冷却チャンバー
7 熱風接続口
8 冷温風接続口
9 整流室
10、10A 熱風吹出口
11、11A 冷温風吹出口
12 保護ガラス
13 焦点孔
14 円錐壁
15 熱風垂直口
16 冷温風垂直口
17、17A 軸受台
18 ローラー
18A ソリ状の板状体
19、19A 押しつけ部
20、20A 取付台
21 締結ネジ
22 太陽電池素子
23 素子基板
24 表面電極
25 裏面電極
26 集電電極
27 太陽電池モジュール
28 タブリード線
29 タブリード線押さえ機構部
30 フィンガー部
31 下部加熱装置
32 タブリード線保持台
33 タブリード線載置溝
34 矩形孔
35 熱風通路
36 冷温風通路
37 押しつけロッド
H 熱風
C 温冷風

Claims (12)

  1. 熱源ランプからの熱線を集光ミラーにより集光させ高エネルギーの光を発生させる集光ヒーターにおいて、前記ヒーターに予熱のための熱風を供給する予熱チャンバーと、冷却のための冷温風を供給する冷却チャンバーとを備えたことを特徴とするハイブリッド型集光ヒーター。
  2. 集光ヒーターがスポットヒーターからなることを特徴とする請求項1 記載のハイブリッド型集光ヒーター。
  3. 集光ヒーターがラインヒーターからなることを特徴とする請求項1 記載のハイブリッド型集光ヒーター。
  4. スポットヒーターの外周に同心円状にチャンバーを設け、該チャンバーを2分割して予熱チャンバーと冷却チャンバーとしたことを特徴とする請求項2記載のハイブリッド型集光ヒーター。
  5. ラインヒーターの前方に予熱チャンバーを設け、後方に冷却チャンバーを設けたことを特徴とする請求項3記載のハイブリッド型集光ヒーター。
  6. 集光ヒーターの加熱部付近に、被加工物の押しつけ部を設けたことを特徴とする請求項1 〜5のいずれか1項に記載のハイブリッド型集光ヒーター。
  7. 被加工物の押しつけ部がローラーからなることを特徴とする請求項6記載のハイブリッド型集光ヒーター。
  8. 被加工物の押しつけ部がソリ状の板状体からなることを特徴とする請求項6記載のハイブリッド型集光ヒーター。
  9. 被加工物の押しつけ部の少なくとも被加工物と接する部分が、耐熱ガラス又はセラミック又はチタンもしくはソルダーレジストのコーティングからなることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1 項に記載のハイブリッド型集光ヒーター。
  10. 表面に表面電極及び集電電極を備え、裏面に裏面電極を備えた太陽電池素子をタブリード線の半田付けにより接続するに際し、前記タブリード線上を、請求項1〜9のいずれか1 項に記載のハイブリッド型集光ヒーターを移動させることにより、半田を予熱、溶融、冷却させながら連続的又は断続的に接続することを特徴とする太陽電池素子の接続方法。
  11. 集光ヒーターの加熱部付近に設けた押しつけ部でタブリード線を太陽電池素子に押しつけることを特徴とする請求項10記載の太陽電池素子の接続方法。
  12. ハイブリッド型集光ヒーターを千鳥状に配し、3 本以上のタブリード線を同時に半田付けすることを特徴とする請求項10又は11記載の太陽電池素子の接続方法。
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