JP2001219284A - 厚鋼板のレーザ切断方法 - Google Patents

厚鋼板のレーザ切断方法

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JP2001219284A
JP2001219284A JP2000029964A JP2000029964A JP2001219284A JP 2001219284 A JP2001219284 A JP 2001219284A JP 2000029964 A JP2000029964 A JP 2000029964A JP 2000029964 A JP2000029964 A JP 2000029964A JP 2001219284 A JP2001219284 A JP 2001219284A
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Makoto Kabasawa
真事 樺沢
Teruo Fujibayashi
晃夫 藤林
Akiyoshi Tsuji
章嘉 辻
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スラグ付着、ノッチ発生もない厚鋼板のレ−
ザ切断方法を確立する。 【解決手段】 二重管状に構成され、センタ−ノズル2
からはレーザ光1とともに切断酸素ガスを噴射し、補助
ノズル3からはシ−ルド酸素ガスを噴射するレーザ切断
ノズルを使用して厚鋼板をレ−ザ切断するレ−ザ切断方
法であり、センタ−ノズル2の切断酸素ガス噴出口6の
直径をD(mm)、補助ノズル3のシ−ルド酸素ガス噴出
口7の幅をW(mm)、センタ−ノズル2の切断酸素ガス
噴出口6における厚みをh(mm)、切断する鋼板の板厚
をt(mm)としたときに、各寸法の関係が次の(1)〜
(3)式を満たすようにして切断する厚鋼板のレーザ切
断方法。 D≧0.05t…………(1) W≧0.5D………(2) 0.5≦h≦1.0……(3)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スラグ付着性、ノ
ッチ性に優れた良好な切断面品質が得られる鋼板のレー
ザ切断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】造船、建築、橋梁等には多量の鋼板が使
用されている。これら鋼構造物の工作においては、コス
トおよび工数の多くが溶接と切断に占められており、こ
れらの工作の合理化のために、溶接方法および切断方法
の自動化が相当に進展している。
【0003】鋼板の切断方法としては、従来よりプラズ
マ切断、ガス切断あるいはレーザ切断等の熱切断方法が
使用されている。
【0004】プラズマ切断では、プラズマ自体が高温ガ
スであるため、その熱で鋼板を溶融し、かつその圧力で
融体を外部に排出する。
【0005】一方、ガス切断とレーザ切断では、ガス炎
あるいはレーザによる加熱位置に酸素ガスを噴射し(こ
の酸素ガスを切断酸素ガスという)、切断部を酸素と鋼
板の燃焼エネルギーにより溶融するのと同時に、切断酸
素ガスの圧力により融体を外部に排出することで切断が
完成する。
【0006】すなわち、ガス切断とレーザ切断では、ガ
ス炎とレーザはそれぞれ鋼板を発火温度に昇温する役目
を担い、主たる切断のエネルギーは酸素と鋼板の燃焼反
応熱にある。
【0007】これら熱切断法では、融体排出が必要であ
るが、融体が完全に排出されず、切断溝の縁に付着する
ことがある。この現象はスラグ付着とよばれている。
【0008】また、局部的に切断溝の深さが大きくなる
ことがある。この現象はノッチとよばれている。一般に
熱切断では、これらスラグ付着とノッチの発生がなく、
かつ切断面の粗さがなめらかな状態が良好な切断とさ
れ、一般の鋼構造物の工作においては、このような良好
な切断が不可欠とされている。
【0009】プラズマ切断は、板厚が50mm以下の場合に
は、高速切断が可能であるが、切断精度の確保が難し
く、またトーチ寿命が数時間しかなく、その交換のため
生産性が低下するとともに、完全自動化が容易ではな
い。
【0010】ガス切断は、切断板厚に実質上上限がな
く、装置が簡単であるため、最も一般的に使用される切
断方法であるが、燃焼炎の制御、監視の点で完全自動化
の技術が完成されていない。また、切断幅が広くなるの
で熱変形が大きいこと、切断速度が低速であること等の
欠点がある。
【0011】これに対し、レーザ切断は、切断幅が非常
に狭いため、切断入熱による熱変形が小さく、切り抜き
切断に加え共通切断が可能、切断品質が良好、切断に際
してヒュームの発生か少ないので作業環境を良好に保て
る、といった利点の他、切断作業の完全自動化が容易で
あるという大きな利点がある。したがって、レーザ切断
法は鋼板切断の合理化にとって、最も有力な方法であ
る。
【0012】しかしながら、現在、実用に供されるレー
ザ切断機では、スラグ付着の問題から適用板厚が20m
m以下に限定されている。板厚が厚くなるとスラグ付着
が生じやすい原因としては、切断溝の内部まで十分に純
度を保った切断酸素ガスが供給できないためといわれて
いる。このため、従来から切断酸素ガス圧力を高めるこ
とを目的として、種々の酸素ガス供給ノズルが提案され
てきている。
【0013】一般に、レーザ切断に使用されるノズル
は、次の2種類に大別される。 (1)レーザ光と切断酸素ガスを、同軸かつ同一孔から供
給するシングルノズル方式。 (2)レーザ光と切断酸素ガスを、同軸かつ同一孔から供
給するとともに、これと異なる経路から補助的に酸素ガ
スを供給する方式。
【0014】このうち、(1)の方式は、圧力を高めるに
耐圧構造とする必要があるため、板厚の厚い鋼板の切断
方式としては、もっぱら(2)の方式による考案が種々な
されてきた。それらには、サイドノズル方式、マルチノ
ズル方式、ダブルノズル方式などがある。
【0015】サイドノズル方式は、例えば、特開平6−
7985号公報に開示されているように、レーザ光を集
光するセンターノズルの外側に配した補助ノズルからの
み、切断酸素ガスを供給するものである。しかしなが
ら、この方式では補助ノズルガスの圧力は高められるも
のの、センターノズルから酸素ガスの供給がないため、
薄鋼板には適するものの、板厚が20mmを超えるよう
な厚鋼板には適さない。
【0016】マルチノズル方式は、例えば、特開平4−
200888号公報に開示されているように、レーザ光
と切断酸素ガスを同軸かつ同一孔のセンタ−ノズルから
供給するとともに、このセンターノズルの側部に配され
た補助ノズルから、非同軸的かつ補助的に酸素ガス(本
酸素をシールド酸素ガスという)を供給する方式であ
る。本方式では切断酸素ガス圧力を高めることはできる
ものの、その性能を調べたところ板厚20mmを超える
ような厚鋼板の切断には適さないことが判明した。これ
は、切断溝内の酸素ガスを分析したところ、板厚下部で
の純度低下が見られ、センターノズルと補助ノズルの隙
間から大気を巻き込んでいるものと推測された。また、
特開平4−200888号公報においても鋼板切断の実
施例については開示されていない。
【0017】ダブルノズル方式は、特開平7−8867
1号公報に開示されているように、レーザ光と切断酸素
ガスを同軸かつ同一孔から供給するとともに、このセン
ターノズルの外側に配された環状のガス供給口から補助
的に酸素ガスを供給する方式である。これは塗装鋼板に
おいて生じやすいスラグ付着を解決するために考案され
たものであり、塗装物質から生成されるガスが、切断酸
素ガスに侵入することを抑止するために、補助酸素ガス
が使用されている。板厚20mmを超えるような厚鋼板
の切断への効果については言及されておらず、効果は明
らかではない。
【0018】板厚20mmを超えるような厚鋼板の切断
に適したレ−ザ切断ノズルとしては、特開平11−10
4879号公報に開示されたものがある。このレ−ザ切
断ノズルは、ダブルノズルの外側に、さらに第2の補助
ノズルを設けたものであり、切断酸素ガスの圧力を効果
的に高めることにより、切断能力を高めている。ここで
の第2の補助ノズルから噴出される酸素ガスの役割は、
板厚下部における切断酸素ガスの純度維持と、融体排除
のために力学的な力を高めることである。このノズルに
おいては、板厚の厚い鋼板をスラグ付着なしに、切断す
ることが可能である。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た特開平11−104879号公報に開示されたレ−ザ
切断ノズルには、次のような問題点がある。
【0020】鋼板表面の黒皮スケールに傷のあるような
表面性状の劣る鋼板を対象とした場合には、ノッチ欠陥
が生じやすい。
【0021】ノッチが生じやすい原因は、レーザ加熱で
は鋼板表面の温度が高温に上昇するため、酸素による燃
焼が過剰になりやすいことに関連する。
【0022】すなわち、黒皮鋼板の場合、表面のスケー
ルが燃焼幅の抑制を行うが、表面傷によりスケールが部
分的に無い場合には、その部分のみで切断幅が拡大し、
ノッチになる。
【0023】鋼板を使用した工作においては、鋼板の移
動過程でのハンドリング傷等の発生が避けがたい。した
がって、このような表面スケールに傷が存在する場合に
も、良好に切断できる切断装置が実用上必要とされる。
【0024】本発明は、従来技術の上述のような課題点
を解決するためになされたものであり、酸素ガスを供給
するレ−ザ切断ノズルの構造、寸法を最適値に限定する
ことにより、スラグ付着およびノッチ発生の無い良好な
切断品質を得るレーザ切断方法を提供することを目的と
する。
【0025】
【課題を解決するための手段】この発明に係る厚鋼板の
レ−ザ切断方法は、二重管状に構成され、内側のセンタ
−ノズルからはレーザ光とともに切断酸素ガスを噴射
し、外側の補助ノズルからはシ−ルド酸素ガスを噴射す
るレーザ切断ノズルを使用して厚鋼板をレ−ザ切断する
厚鋼板のレ−ザ切断方法であって、前記センタ−ノズル
の切断酸素ガス噴出口の直径をD(mm)、前記補助ノズ
ルのシ−ルド酸素ガス噴出口の幅をW(mm)、センタ−
ノズルの切断酸素ガス噴出口における厚みをh(mm)、
前記切断する厚鋼板の板厚をt(mm)としたときに、各
寸法の関係が次の(1)〜(3)式を満たすようにして
切断するものである。 D≧0.05t…………(1) W≧0.5D……………(2) 0.5≦h≦1.0……(3)
【0026】また、前記切断酸素ガスの前記センタノズ
ル内の圧力を0.3kg/cm2以下、前記シ−ルド酸
素ガスの前記補助ノズル内の圧力を、切断酸素ガスのセ
ンタノズル内の圧力の5倍以上とするものである。
【0027】本発明の厚鋼板のレ−ザ切断方法において
は、厚鋼板をレ−ザ切断するに際して、レ−ザ切断ノズ
ルの形状、寸法、切断酸素ガスのセンタノズル内の圧力
およびシ−ルド酸素ガスの前記補助ノズル内の圧力を、
上述のようにして切断するので、スラグ付着やノッチが
発生することはない。
【0028】なお、補助ノズルのシ−ルド酸素ガス噴出
口の幅Wは、実用的にはセンタ−ノズルの切断酸素ガス
噴出口の直径Dと同等程度を上限とするのが好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明者らは、切断現象を注意深
く観察したところ、切断は表面から開始する現象である
ことに着目することで、従来技術の問題点を明らかにす
ることができた。切断エネルギーが切断体積の溶融エネ
ルギーに相当すると考えるなら、板厚が厚くなっても速
度を低下させることで切断可能なはずである。しかしな
がら、現実問題として板厚が増加すると切断が困難にな
るのは、切断が表面から制御する加工であり、切断酸素
ガス圧力が表面から板厚方向に減衰し、燃焼エネルギー
供給と融体排除の両面で、その能力が減じるからであ
る。
【0030】切断酸素ガス圧力の減衰を補償するには、
供給圧力を高めることが常套手段である。このような手
段をとった場合、表面における酸素ガス圧力が過大とな
り、表面において過剰な燃焼反応が生じ、これがそのま
ま板厚下部にまで及んで、ノッチの発生を招く。また、
何らかの原因により、スラグ排除が困難になった場合、
表面から高圧供給される切断酸素ガスは、切断溝内部で
圧力を増し、その結果過剰な燃焼によって融体の増加を
起こし、かえってスラグ付着を促進することになる。
【0031】これら切断現象の観察結果から、発明者ら
は切断酸素ガスの供給圧力を、なるべく低圧力とし、か
つ燃焼エネルギー供給と融体排出力が確保できる手段を
検討し、レ−ザ切断ノズルの形状、寸法および切断酸素
ガスやシ−ルド酸素ガスの供給圧力を適正に選定するこ
とにより、良好な切断が可能であることを見出した。
【0032】以下に、本発明における各構成要件の限定
理由を、図1の本発明の厚鋼板のレ−ザ切断方法に使用
するレ−ザ切断ノズルを参照して説明する。図1は、本
発明の厚鋼板のレ−ザ切断方法に使用するレ−ザ切断ノ
ズルの説明図であり、(a)は正面図、(b)は(a)
のA−A矢視図である。図において、符号1はレーザ
光、2はセンタ−ノズル、3は補助ノズル、4は切断酸
素ガス供給口、5はシールド酸素ガス供給口、6は切断
酸素ガス噴出口、7はシールド酸素ガス噴出口、Dは切
断酸素ガス噴出口6の内径、Wはシールド酸素ガス噴出
口7の溝幅、hはセンタ−ノズル2の切断酸素ガス噴出
口6における肉厚である。
【0033】(1) センターノズル2の切断酸素ガス噴
出口6の内径Dは、酸素供給量の観点から切断溝幅以上
であることが必要であるが、切断溝の幅は板厚増加に対
して増加するため、実験値から板厚の5%以上とした。
【0034】(2) 補助ノズル3から噴出するシールド
酸素ガスは、切断酸素ガスの切断溝内での減衰を抑制す
る。したがって、補助ノズル3のシールド酸素ガス噴出
口7の溝幅Wに関しては、センターノズル2の切断酸素
ガス噴出口6の直径に対する比率が重要である。この比
率は実験の結果、50%以上が必要であると判明した。
【0035】もちろん、大きいほど切断性能が向上する
が、この補助ノズル3のシ−ルド酸素ガス噴出口7は環
状であるため、出口面積が大であり、上記比率を大にす
ると酸素ガス消費量が著しく増大する。このため、経済
的観点から実質的には、上限を100%とするのが好ま
しい。
【0036】(3) 上述の補助ノズル3からのシールド
酸素ガスの役割上、その効果はシ−ルド酸素ガス噴出口
7が、センターノズル2の切断酸素ガス噴出口6に近い
ほど、大となる。一方、両噴出口を隔てる壁の厚さ、す
なわちセンターノズル2の切断酸素ガス噴出口6におけ
る肉厚hが薄くなると、両供給口内の両方の酸素ガス圧
力の差から、センターノズル2が破壊されるため、肉厚
は0.5mm以上必要である。また、肉厚hが厚くなる
と、補助ノズル3からのシ−ルド酸素ガスによる、セン
ターノズル2からの切断酸素ガスの流れの制御効果が著
しく減じるため、その上限を1mmとした。
【0037】(4) 良好なレーザ切断品質を得るには切
断速度、レーザ出力、切断酸素ガス圧力、シールド酸素
ガス圧力を適正に組み合わせることが必要であり、これ
らの組合せにはある程度の自由度、すなわち、適正切断
条件範囲が存在する。しかし、被切断材の黒皮スケール
上の傷の程度はまちまちであり、より不良の発生頻度の
少ない安定した切断を実現するには、センターノズルか
らの切断酸素ガスの圧力が低いことが好ましく、上述し
たレ−ザ切断ノズルを使用した場合には、この切断酸素
ガス圧力が0.3kg/cm2以下においてノッチの発
生がほぼ皆無になるので、この条件の使用が好ましい。
【0038】(5) 一方、スラグ付着は、補助ノズルか
らのシールド酸素ガス圧力が、センターノズルからの切
断酸素ガスの圧力の5倍以上で皆無となるので、この条
件での使用が好ましい。
【0039】また、シールド酸素ガス圧力の増加は、切
断酸素ガス圧力の負担を軽減させる。このため、0.3
kg/cm2以下の切断酸素ガス圧力の使用には、この
条件が不可欠である。
【0040】
【実施例】本発明の効果を確認するために、以下のよう
な2つのレ−ザ切断試験を実施した。これらのレ−ザ切
断試験に供する試験材には、鋼構造物に多用される引張
強さ400MPa級の、板厚25mmと40mmの厚鋼
板を用いた。その代表的成分は、重量%(wt%)で、
C:0.15%、Si:0.2%、Mn:0.8%、
P:0.018%、S:0.012%、Al:0.02
5%を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなるも
のである。
【0041】第1のレーザ切断試験では、6kWレーザ
加工機を使用し、レーザ出力2〜6kWの条件の下で、
種々の切断速度、酸素ガス圧力条件にて行い、適正切断
条件を決定した。被切断材には上記の厚鋼板のうち、と
くに表面のスケールに傷のない良好な鋼板を使用し、適
正条件の品質評価はスラグ付着と切断面粗さに関し、日
本溶接協会規格の1級を満たす条件を基準とした。その
試験結果を表1に示す。
【0042】なお、表1における切断品質が良好であっ
た場合のレ−ザ出力、切断酸素ガス圧力、シ−ルド酸素
圧力および切断速度の値は、それぞれの値を中心としと
した一定範囲内に適正な切断条件が存在することを示す
ものである。
【0043】
【表1】
【0044】表1における試験No.1〜9は、切断板
厚25mmを対象にした、また試験No.10〜16
は、切断板厚40mmを対象にした第1の試験の結果で
ある。
【0045】試験No.1および2においては、切断ノ
ズルのDの値が本発明条件の下限を下回っているので、
適正条件を確立することはできなかった。
【0046】試験No.3においては、切断ノズルのW
の値が本発明条件の下限を下回っているので、適正条件
を確立することはできなかった。
【0047】試験No.4〜6においては、D、Wおよ
びhとも本発明条件の範囲に入っているので、良好な切
断条件を確立することができた。
【0048】試験No.7においては、切断ノズルのh
の値が本発明条件の上限を超えているので、適正条件を
確立することはできなかった。
【0049】試験No.8および9においては、切断ノ
ズルのWの値が本発明条件の下限を下回っているので、
適正条件を確立することができなかった。
【0050】試験No.10および11においては、切
断ノズルのDの値が本発明条件の下限を下回っているの
で、適正条件を確立することはできなかった。
【0051】試験No.12においては、切断ノズルの
Wの値が本発明条件の下限を下回っているので、適正条
件を確立することはできなかった。
【0052】試験No.13〜15においては、D、W
およびhとも本発明条件の範囲に入っているので、良好
な切断条件を確立することができた。
【0053】試験No.16においては、切断ノズルの
hの値が本発明条件の上限を超えているので、適正条件
を確立することはできなかった。
【0054】また、第2のレーザ切断試験では、上記第
1のレーザ切断試験で求められた、スラグ付着が少なく
切断面粗さも良好な適正切断条件を達成できた切断ノズ
ルにより、スケールの表面にたがねで強制的に傷をつけ
た厚鋼板の傷部分を通過する切断を行い、ノッチが発生
しない切断条件を確立することができるか否かの試験を
行った。ここで、ノッチとは切断幅が定常部に比較し、
50%以上拡大した箇所をいう。その試験結果を表2に
示す。
【0055】なお、第2のレーザ切断試験におけるレ−
ザ出力、切断酸素ガス圧力、シ−ルド酸素ガス圧力およ
び切断速度等の切断条件は、良好な切断品質を維持する
ため、表1に示した条件とした。
【0056】
【表2】
【0057】表2における試験No.17〜19は、切
断板厚25mmを対象にした、また試験No.20〜2
2は、切断板厚40mmを対象にした第2の試験の結果
である。
【0058】試験No.17においては、第1の試験で
適正条件を確立できた試験No.4と同じ寸法の切断ノ
ズルを使用しているが、適正条件を確立するための切断
酸素圧力が本発明条件の上限を超え、シ−ルド酸素ガス
圧力が本発明条件の下限を下回っているので、ノッチが
発生した。
【0059】試験No.18においては、第1の試験で
適正条件を確立できた試験No.5および6と同じ寸法
の切断ノズルを使用しているが、適正条件を確立するた
めの切断酸素ガス圧力が本発明条件の上限を超え、かつ
シ−ルド酸素ガス圧力が本発明条件の下限を下回ってい
るため、ノッチが発生した。
【0060】試験No.19においては、第1の試験で
適正条件を確立できた試験No.5および6と同じ寸法
の切断ノズルを使用しており、切断酸素ガス圧力が本発
明条件内にあり、かつシ−ルド酸素ガス圧力も本発明条
件内にある試験No.6と同じ切断条件で切断している
ため、ノッチは発生しなかった。
【0061】試験No.20〜22においては、第1の
試験で適正条件を確立できた試験No.13〜15と同
じ寸法の切断ノズルを使用している。このうち、試験N
o.20においては、適正条件を確立するための切断酸
素ガス圧力が本発明条件の上限を超え、かつシ−ルド酸
素ガス圧力が本発明条件の下限を下回っているため、ノ
ッチが発生したが、試験No.21および22において
は、適正条件を確立するための切断酸素ガス圧力が本発
明条件内にあり、かつシ−ルド酸素ガス圧力も本発明条
件内にあるため、ノッチは発生しなかった表1および表
2から明らかなように、本発明条件の切断ノズルを使用
することにより、良好な切断品質が得られる切断が可能
であるとともに、本発明の切断条件内で切断することに
より、ノッチの発生も合わせて防止することができるこ
とが分かる。
【0062】
【発明の効果】本発明により、従来レーザ切断が困難と
されていた板厚が20mmを超える厚鋼板において、ス
ラグ付着が無い良好な切断が可能となる。
【0063】また、表面スケールに傷が存在するような
厚鋼板においてもノッチの発生を抑制する切断条件を確
立することができる。
【0064】この結果、厚鋼板からなる構造物の工作に
おいて大幅な合理化、コスト低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の厚鋼板のレ−ザ切断方法に使用するレ
−ザ切断ノズルの説明図であり、(a)は正面図、
(b)は(a)のA−A矢視図である。
【符号の説明】
1 レーザ光 2 センタ−ノズル 3 補助ノズル 4 切断酸素ガス供給口 5 シールド酸素ガス供給口 6 切断酸素ガス噴出口 7 シールド酸素ガス噴出口 D 切断酸素ガス噴出口の内径 W シールド酸素ガス噴出口の溝幅 h センタ−ノズルの切断酸素ガス噴出口における肉厚
フロントページの続き (72)発明者 辻 章嘉 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4E068 AE01 CH02 CH05 CJ04 DA14 DB01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二重管状に構成され、内側のセンタ−ノ
    ズルからはレーザ光とともに切断酸素ガスを噴射し、外
    側の補助ノズルからはシ−ルド酸素ガスを噴射するレー
    ザ切断ノズルを使用して厚鋼板をレ−ザ切断する厚鋼板
    のレ−ザ切断方法であって、前記センタ−ノズルの切断
    酸素ガス噴出口の直径をD(mm)、前記補助ノズルのシ
    −ルド酸素ガス噴出口の幅をW(mm)、センタ−ノズル
    の切断酸素ガス噴出口における厚みをh(mm)、前記切
    断する鋼板の板厚をt(mm)としたときに、各寸法の関
    係が次の(1)〜(3)式を満たすようにして切断する
    ことを特徴とする厚鋼板のレーザ切断方法。 D≧0.05t…………(1) W≧0.5D………(2) 0.5≦h≦1.0……(3)
  2. 【請求項2】 前記切断酸素ガスの前記センタノズル内
    の圧力を0.3kg/cm2以下、前記シ−ルド酸素ガ
    スの前記補助ノズル内の圧力を、切断酸素ガスのセンタ
    ノズル内の圧力の5倍以上とするとすることを特徴とす
    る請求項1に記載の厚鋼板のレーザ切断方法。
JP2000029964A 2000-02-08 2000-02-08 厚鋼板のレーザ切断方法 Pending JP2001219284A (ja)

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