JPH06198485A - レーザ加工装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 切断部周辺を効率よく冷却することにより切
断幅が必要以上に広くなるのを防止して、精密切断を可
能にする。 【構成】 ノズル本体１を内筒１ａと外筒１ｂの２重構
造として内筒１ａ内に集光レンズ２を設け、また内筒１
ａ内へアシストガスを供給して、内筒１ａの開口１ｃよ
りワーク３の切断部３ａへアシストガスを吹き付けると
共に、内筒１ａと外筒１ｂの間に冷却ガスを供給して、
外筒１ｂの開口１ｄより切断部３ａの周囲にアシストガ
スと同心的に冷却ガスを吹き付けるようにしたもので、
冷却ガスにより切断部の周辺を効率よく冷却することが
できるため、酸化反応により切断幅が必要以上に広がる
のを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はレーザビームを使用し
てワークを切断加工するレーザ加工装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来この種の加工装置は図１に示すよう
なノズルａを有していて、このノズルａより切断すべき
ワークｂへ向けてレーザビームｃを照射すると同時に、
ノズルよりアシストガスを噴出して切断部分の熱反応を
促進することにより、切断が円滑に行われるようにして
いる。また上記アシストガスには酸素などが使用されて
いて、ノズルａ自体や、ノズルａ内の集光レンズｄを冷
却すると共に、ノズルａよりワークｂへ向けて噴出され
たアシストガスは、切断部の周囲を冷却して、酸化反応
により切断幅が必要以上に広がるのを防止すると同時
に、溶融した金属を吹き飛ばして切断部にレーザビーム
ｃが直接当るようにしたり、切断面に溶融金属が付着す
るのを防止する機能を有している。

【０００３】しかし上記従来のレーザ加工装置では、切
断すべきワークｂの板厚が厚くなると、これに伴いレー
ザ出力も上げているため、切断中ワークｂに蓄積する熱
量が増大してアシストガスによる冷却が不十分となり、
その結果切断部周辺の酸化が進行して切断幅が必要以上
に広くなる所謂バーニングにより、精密切断ができなく
なる不具合がある。またワークｂの冷却効果を高めるた
め、アシストガスの圧力を上げてノズルａより噴出され
るアシストガスの流量を増大することも行われている
が、ノズルａ内には集光レンズｄなどの光学系が設けら
れているため、圧力を上げるのにも限度があり、冷却に
必要な流量を確保するのは困難である。かかる不具合を
改善するため、特開平３−１４０８６号公報のように、
アシストガスを冷却してワークｂへ吹き付けるようにし
たレーザ加工機や、特公平３−４７９５８号公報のよう
に、ワークを予備加熱すると同時に、ワークの表裏面に
不活性ガスを吹き付けてワークの酸化を防止する方法な
どが提案されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしアシストガスを
冷却してワークへ吹き付けるようにしたレーザ加工機で
も、アシストガスに酸素を使用しているため、酸化反応
を確実に防止することできないばかりか、酸化を促進し
たり切断部にも冷却されたアシストガスが当るため、こ
の部分の酸化が抑制されて切断効率が低下するなどの不
具合がある。またワークの表裏面に不活性ガスを吹き付
けて酸化を防止する方法では、不活性ガスをノズルによ
り斜め方向から切断部周辺へ吹き付けているため、酸化
する場所としない場所に方向性が生じて品質の高い切断
ができないなどの不具合があった。この発明はかかる従
来の不具合を改善するためになされたもので、切断部周
辺を効率よく冷却できるようにしたレーザ加工装置を提
供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するために、ノズル本体を内筒と外筒の２重構造とし
て内筒内に集光レンズを設け、また内筒内へアシストガ
スを供給して、内筒の開口よりワークの切断部へアシス
トガスを吹き付けると共に、内筒と外筒の間に冷却ガス
を供給して、外筒の開口より切断部の周囲にアシストガ
スと同心的に冷却ガスを吹き付けるようにしたものであ
る。

【０００６】

【作 用】上記構成により切断部の酸化を抑制するこ
となく切断部周辺を冷却することができるため、精密切
断が容易に行えるようになる。

【０００７】

【実 施 例】この発明の一実施例を図２以下に示す図
面を参照して詳述する。図２はレーザ加工装置に設けら
れたノズルの断面図を示すもので、この図で１はノズル
本体、２は集光レンズ、３はワーク、４は冷却器を示
す。上記ノズル本体１は内筒１ａ及び外筒１ｂの２重構
造となっていて、先端側は順次小径となるテーパ状にな
っており、先端部の開口１ｃ，１ｄは図３に示すように
径の異なる同心円となっている。また上記内筒１ａ内に
レーザビーム５をワーク３へ集光する集光レンズ２が設
けられていると共に、集光レンズ２の下側にはアシスト
ガス供給管６が接続されていて、このアシストガス供給
管６内に酸素よりなるアシストガスが内筒１ａ内へ供給
されるようになっている。

【０００８】一方上記冷却器４と外筒１ｂの間は冷却ガ
ス供給管７により接続されていて、冷却器４により冷却
された冷却ガスが内筒１ａと外筒１ｂの間に供給される
ようになっている。上記冷却ガスはアシストガスと異種
の酸素を含まない不活性ガスや、窒素などの酸化を抑制
する効果の大きいガスが使用され、冷却器４により室温
より低い温度に冷却された後内筒１ａと外筒１ｂ間へ供
給されるようになっている。

【０００９】次に作用を説明すると、アシストガス供給
管６により内筒１ａ内へ酸素を、そして冷却器４により
室温以下に冷却した冷却ガスを内筒１ａと外筒１ｂの間
に供給した状態で、内筒１ａ内の集光レンズ２によりワ
ーク３へレーザビーム５を集光して切断開始すると、レ
ーザビーム５が集光された図４に示す切断部３ａには、
内筒１ａの開口１ｃより噴出された酸素が吹き付けられ
て酸化が促進されると同時に、切断部３ａの周囲３ｂは
外筒１ｂの開口１ｄより噴出された室温以下の冷却ガス
により冷却されて酸化が抑制される。これによって切断
部周辺の酸化反応が防止できるため、必要な切断幅ｄを
保った精密切断が容易に行えるようになる。

【００１０】なお上記実施例ではワーク３を切断する場
合について説明したが、勿論穴開け加工などにも適用で
きるものである。

【００１１】

【発明の効果】この発明は以上詳述したように、ノズル
本体を内筒及び外筒の２重構造として内筒よりアシスト
ガスを、そして外筒より酸化を抑制する不活性ガスなど
の冷却ガスをワークへ吹き付けて切断加工するようにし
たことから、アシストガスにより切断部の酸化が促進さ
れるため、効率のよい切断加工が行える。また切断部の
周囲には冷却ガスにより冷却されて酸化が抑制されるた
め、バーニングによる切断幅の増加が防止でき、これに
よって精密切断が容易に行えると共に、冷却ガスをアシ
ストガスと同心円上に吹き付けるため、酸化する場所と
しない場所に方向性が生じることがなく、これによって
品質の高い切断加工が可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来のレーザ加工装置のノズルを示す説明図で
ある。

【図２】この発明の一実施例になるレーザ加工装置のノ
ズルを示す断面図である。

【図３】この発明の一実施例になるレーザ加工装置のノ
ズル先端部の正面図である。

【図４】この発明の一実施例になるレーザ加工装置の作
用説明図である。

【符号の説明】

１…ノズル本体、１ａ…内筒、１ｂ…外筒、１ｃ，１ｄ
…開口、２…集光レンズ、３…ワーク、３ａ…切断部。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ノズル本体１を内筒１ａと外筒１ｂの２
   重構造として内筒１ａ内に集光レンズ２を設け、また内
   筒１ａ内へアシストガスを供給して、内筒１ａの開口１
   ｃよりワーク３の切断部３ａへアシストガスを吹き付け
   ると共に、内筒１ａと外筒１ｂの間に冷却ガスを供給し
   て、外筒１ｂの開口１ｄより切断部３ａの周囲にアシス
   トガスと同心的に冷却ガスを吹き付けるようにしてなる
   レーザ加工装置。
2. 【請求項２】 冷却ガスを酸化を抑制する不活性ガスと
   してなる請求項１記載のレーザ加工装置。