JP4588001B2 - 遊戯装置 - Google Patents

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Description

本発明は、予め設定された方向に沿って形成された軌条と、前記軌条に係合し、この軌条に沿って移動する移動体と、遊戯者が掴まってぶら下がる掴持部を有し、前記移動体に接続されてこの移動体とともに移動する部材とを備え、掴持部にぶら下がった遊戯者が軌条に沿って移動して遊ぶように構成された遊戯装置に関する。
前記遊戯装置として、従来、例えば、特開平8−215436号公報に開示されたものが知られている。この遊戯装置は、環状に形成され、軸線が鉛直方向から傾斜して高低差が生じるように配設された軌条と、前記軌条に係合し、この軌条に沿って移動する移動体と、遊戯者が掴まってぶら下がる掴持部を有し、移動体に接続されてこの移動体とともに移動する部材などから構成される。前記移動体は、一方向にのみ回転する軸受によって支持された車輪を有し、この車輪が前記軌条に係合している。
そして、この遊戯装置では、遊戯者は、掴持部に掴まってぶら下がり、移動体とともに軌条の高所側から低所側に向けて斜め下方に移動したり、慣性により軌条の低所側から高所側に向けて斜め上方に移動したり、体を揺すって上り傾斜を上がることで、ぶら下がって移動するときの感覚を楽しみながら遊ぶことができる。
尚、前記移動体は、車輪を支持する軸受が一方向にのみ回転するように構成されて、前方側にのみ移動し、後方側への移動が防止されるようになっているので、上り傾斜を上がる際に移動体が後退することはない。
特開平8−215436号公報
しかしながら、上記従来の遊戯装置では、軌条に沿って一周するのに上り傾斜部分を上がる必要があるので、体力的に未発達の子供達(特に、幼児)は、上り傾斜部分を上がり切ることができず、軌条の高所側に適宜設定された、掴持部へのぶら下がり位置たるスタート位置に戻ることができなかったり、気軽に遊ぶことができないという問題があった。
また、遊戯者が上り傾斜部分を上がるのを無くすために、軌条の低所側で遊戯者が掴持部から手を放すようにすると、移動体を軌条の高所側に戻さなければならず、また、戻すのに手間がかかる。
本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、子供達が気軽に且つ手軽に遊ぶことができる遊戯装置の提供をその目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、
予め設定された方向に沿って形成された軌条と、
前記軌条に係合し、この軌条に沿って移動する移動体と、
遊戯者が掴まってぶら下がる掴持部を有し、前記移動体に接続されてこの移動体とともに移動する部材と、
前記軌条に沿った方向において高低差が生じるようにこの軌条を傾斜自在に支持する支持手段と、
前記軌条に沿った方向において高低差が生じるようにこの軌条を傾斜させる傾斜手段とを備えてなることを特徴とする遊戯装置に係る。
この発明によれば、子供などの遊戯者が掴持部に掴まってぶら下がった後、支持手段によって支持された軌条が、傾斜手段により、この軌条に沿った方向において高低差が生じるように且つ移動体の位置する部分が上側となるように傾斜せしめられると、移動体が、掴持部にぶら下がった遊戯者とともに、軌条に沿って軌条の高所側から軌条の低所側に向け斜め下方に移動する。これにより、遊戯者は、ぶら下がって移動するときの感覚を楽しみながら遊ぶことができる。
尚、当該遊戯装置における軌条の動作態様としては、例えば、軌条の他方端側を低くして軌条の一方端側から他方端側に遊戯者を移動させたり、軌条の他方端側を低くして軌条の一方端側から他方端側に遊戯者を移動させた後、軌条の一方端側を低くして軌条の他方端側から一方端側に遊戯者を移動させたり、環状に形成された軌条を傾斜させて軌条の低所側まで遊戯者を移動させた後、軌条を逆側に傾斜させて、低所側だった部分を高所側に、高所側だった部分を低所側にし、遊戯者を軌条に沿って一周させるように移動させることなどを挙げることができる。また、軌条の他方端側を低くして軌条の一方端側から他方端側に遊戯者を移動させた場合には、その後、軌条の一方端側を低くすることで、移動体を簡単に元の位置に戻すことができる。
このように、本発明に係る遊戯装置によれば、傾斜手段によって軌条を傾斜させたり、軌条の傾斜方向を制御しつつ傾斜させることで、遊戯者(移動体)の移動方向を斜め下方とすることができ、遊戯者の力を必要とすることなく遊戯者を移動させることができる。これにより、遊戯者は、当該遊戯装置で気軽に且つ手軽に遊ぶことができる。また、移動体を簡単に元の位置(斜め下方に移動する前の位置)に戻すこともできる。また、軌条の動きを見た遊戯者に興味を持たせてこの遊戯装置で遊びたいと思わせることもできる。
尚、前記軌条は、前記予め設定された方向の両端部間で前記移動体を移動させるように構成され、前記支持手段は、前記軌条を上下方向に揺動自在に支持するように構成され、前記傾斜手段は、前記軌条を上下方向に揺動させるように構成されていても良い。
このようにすれば、傾斜手段により軌条を上下方向に揺動させることで、軌条の一方端側から他方端側に向かう移動と、軌条の他方端側から一方端側に向かう移動とを交互に繰り返すことができ、移動体を簡単に往復移動させることができる。また、移動体(遊戯者)を往復移動させることによって、移動体(遊戯者)が軌条の一方端側から他方端側にのみ移動したり、軌条の他方端側から一方端側にのみ移動する場合に比べ、いろいろな方向への移動感覚を楽しませることができる。
また、前記支持手段は、前記軌条の両端部間の中央部を水平な揺動中心軸回りに揺動自在に支持するように構成され、前記傾斜手段は、前記軌条の、前記支持手段による支持部から離れた部分に設定された駆動位置を繰り返し上下動させて前記軌条を前記揺動中心軸回りに揺動させるように構成されていても良い。
このようにすれば、遊戯者に往復移動を何度も楽しませることができる。また、軌条の両端部間の中央部を支持することで、軌条の両端部の上下方向への移動量を少なくして前記駆動位置のストロークを短くすることができ、当該駆動位置を上下動させるのに好都合となる。
また、前記傾斜手段は、前記軌条の駆動位置を上昇端位置と下降端位置との間で上下方向に移動させる駆動機構と、前記軌条の駆動位置が上昇端位置に移動したことを検出する第1検出センサと、前記軌条の駆動位置が下降端位置に移動したことを検出する第2検出センサと、前記各検出センサから得られる検出信号を基に前記駆動機構の作動を制御する制御部であって、前記第1検出センサから得られる検出信号を基に前記軌条の駆動位置が上昇端位置まで移動したことを確認すると、前記軌条の駆動位置が下方に移動するように前記駆動機構の作動を制御し、前記第2検出センサから得られる検出信号を基に前記軌条の駆動位置が下降端位置まで移動したことを確認すると、前記軌条の駆動位置が上方に移動するように前記駆動機構の作動を制御する制御部とから構成されていても良い。
このようにすれば、制御部による制御の下、各検出センサから得られる検出信号を基に、移動方向を切り換えながら軌条の駆動位置を上下動させることができ、軌条を効果的に揺動させることができる。
この場合において、前記駆動機構は、長手方向が上下方向に設けられて上下方向に移動し、一端部が前記軌条の駆動位置に接続された棒状の移動部材を備え、この移動部材を上下方向に移動させるように構成されていても良い。このようにすれば、移動部材を上下方向に移動させることで軌条の駆動位置を上下方向に移動させることができる。
また、前記傾斜手段は、水平な回転中心軸回りに回転するクランク部材と、長手方向が上下方向に設けられて、一端側が前記クランク部材の、前記回転中心軸からずれた位置に接続し、他端側が前記軌条の駆動位置に接続したクランクロッドと、前記クランク部材を前記回転中心軸回りに回転させる駆動機構とから構成されていても良い。
このようにすれば、駆動機構によってクランク部材が回転中心軸回りに回転せしめられ、クランクロッドの一端側が回転中心軸回りに旋回することで、クランクロッドの他端側が上下方向に移動し、これにより、軌条の駆動位置が上下方向に移動する。したがって、このように構成しても、移動方向を切り換えながら軌条の駆動位置を上下動させることができ、軌条を効果的に揺動させることができる。
また、前記遊戯装置は、前記軌条の両端部にストッパを更に備え、前記軌条の一方端側に設けられた前記ストッパは、この軌条に沿って他方端側から一方端側に移動する移動体に当接してその一方端側への移動を規制し、前記軌条の他方端側に設けられた前記ストッパは、この軌条に沿って一方端側から他方端側に移動する移動体に当接してその他方端側への移動を規制するように構成されていても良い。
このようにすれば、軌条の傾斜方向が変わって移動体の移動方向が変わる前に移動体が軌条の端部に達するようなことがあっても、ストッパによって移動体の移動を規制することができるので、移動体が軌条から脱落するのを効果的に防止し、安全に遊戯させることができる。
以上のように、本発明に係る遊戯装置によれば、傾斜手段によって軌条を傾斜させることで、その傾斜方向に沿って遊戯者(移動体)を移動させることができるので、遊戯者は、気軽に且つ手軽に遊ぶことができる。また、移動体を簡単に元の位置(斜め下方に移動する前の位置)に戻すこともできる。また、軌条の動きを見た遊戯者に興味を持たせてこの遊戯装置で遊びたいと思わせることもできる。
以下、本発明の具体的な実施形態について、添付図面に基づき説明する。尚、図1及び図2は、本発明の一実施形態に係る遊戯装置の概略構成を示した断面図である。また、図3は、図1及び図2に示した遊戯装置の平面図であり、図4は、図1における矢示A方向の側面図であり、図5は、図1における矢示B方向の側面図である。また、図6は、本実施形態に係る軌条,移動体及び環状部材の概略構成を示した断面図であり、図7は、図5における矢示C−C方向の断面図である。
図1乃至図7に示すように、本例の遊戯装置1は、予め設定された直線方向に沿って形成された軌条10と、前記軌条10に係合し、この軌条10に沿って移動する移動体20と、遊戯者Yが掴まってぶら下がる掴持部15aを有し、前記移動体20に接続されてこの移動体20とともに移動する環状部材15と、前記軌条10に沿った方向において高低差が生じるようにこの軌条10を傾斜自在に支持する支持機構30と、前記軌条10に沿った方向において高低差が生じるようにこの軌条10を傾斜させる傾斜機構40とを備える。
前記軌条10は、下面が開口するとともに、内部が中空となった直方体状に形成され、長手方向が前記直線方向に沿うように形成されている。前記下面開口部11は、一定幅を有するように軌条10の幅方向中央部に形成され、軌条10の長手方向に沿って設けられる。また、この開口部11の幅方向両端には、凸部12が形成されている。
前記軌条10の内部の長手方向両端部には、ストッパ13がそれぞれ設けられる。軌条10の一方端側に設けられたストッパ13は、この軌条10に沿って他方端側から一方端側に移動する移動体20に当接してその一方端側への移動を規制し、軌条10の他方端側に設けられたストッパ13は、この軌条10に沿って一方端側から他方端側に移動する移動体20に当接してその他方端側への移動を規制する。また、このストッパ13は、例えば、ばねやゴム、油圧、空圧などを利用した緩衝機構などから構成されて、移動体20が衝突したときの衝撃を緩和することができるように構成されている。
前記移動体20は、軌条10の中空部内に配置され、この中空部内を軌条10の長手方向に沿って移動可能に設けられるもので、軸線が軌条10の長手方向と直交し且つ水平に配置された第1回転軸21と、この第1回転軸21の両端部に、第1回転軸21の軸線方向に一定間隔を隔てて設けられた第1車輪22と、軌条10の長手方向に第1回転軸21と一定間隔を隔てて設けられ、軸線が水平に配置された第2回転軸23と、第2回転軸23の軸線方向に一定間隔を隔てて設けられた第2車輪24と、第1回転軸21及び第2回転軸23を連結し、これら各回転軸21,23を軸線中心に回転自在に支持する連結部材25とからなる。
前記第1車輪22及び第2車輪24は、その外周面が軌条10の底面に当接し、軌条10の凸部12を挟むようにこの凸部12に係合しており、これによって、各回転軸21,23の軸線方向への移動(軌条10の幅方向への移動)が規制されるようになっている。また、前記連結部材25は、軌条10の開口部11に位置するように設けられ、下面には、環状部材15の取り付けられる取付部材26が開口部11から下方に突出するように固設されている。
前記環状部材15は、六角形をした環状に形成され、吊り下げロープ16によって移動体20の取付部材26から吊り下げられており、下部側が前記掴持部15aとして機能する。この環状部材15は、例えば、プラスチックなどから構成されたり、シート状の部材の内部に空気が充填されて構成される。
前記支持機構30は、複数の部材が格子状に組み付けられて構成された支持体31と、支持体31の四隅部を支持する4本の支柱32と、支持体31の下面中央部に掛け渡された矩形状の支持ビーム33と、支持ビーム33の両側面に固設された第1接続部材34と、軌条10の上面に取り付けられた支持部材35と、支持部材35の上面であり且つ軌条10の長手方向中央部となる位置に固設された第2接続部材36と、軸線が軌条10の長手方向と垂直な水平方向に配置され、第1接続部材34と第2接続部材36とを相対的に揺動自在に接続する接続軸37とからなり、第2接続部材36が接続軸37の軸線を中心にして揺動することで、軌条10がその長手方向に平行な鉛直面内で揺動する。
前記傾斜機構40は、軸線が軌条10の長手方向と垂直な水平方向に配置され、軸線中心に回転自在に支持機構30の支持ビーム33によって支持された支持軸41と、支持軸41の両端部に接続した接続部材42と、接続部材42が下面に固設され、内部が中空に形成された筐体状の収納部材43と、収納部材43の外面に配設された駆動モータ44と、駆動モータ44の出力軸に固設され、収納部材43の内部に配置されるピニオンギア45と、長手方向が上下方向に配設されて上昇端位置と下降端位置との間で上下方向に移動自在に設けられ、ピニオンギア45と噛合するラック(移動部材)46と、ラック46の上部及び下部にそれぞれ設けられた上当接部材47及び下当接部材48と、収納部材43の外面に配設され、長手方向が上下方向に配設された支持棒49と、支持棒49の上部及び下部にそれぞれ設けられ、上当接部材47及び下当接部材48との接触を検出する第1検出センサ50及び第2検出センサ51と、支持機構30の支持部材35の側面であり且つ前記第2接続部材36の配設位置から軌条10の長手方向に一定間隔を隔てた位置に設けられ、この支持部材35とラック46の下端部とを接続するジョイント52と、各検出センサ50,51からの検出信号を基に駆動モータ44の作動を制御する制御部(図示せず)とからなる。尚、駆動モータ44及びピニオンギア45が特許請求の範囲に言う駆動機構として機能する。
前記収納部材43の上面及び下面には、ラック46の横断面形状よりも大きい開口部43aが形成され、前記ジョイント52は、例えば、ボールジョイントなどから構成される。前記ラック46は、その長手方向の中央部が収納部材43の内部に配置され、長手方向の上部及び下部が収納部材43の開口部43aから上下に突出している。
前記上当接部材47及び第1検出センサ50は、ラック46が上昇端位置に移動したことを検出するためのものであり、前記下当接部材48及び第2検出センサ51は、ラック46が下降端位置に移動したことを検出するためのものである。
前記制御部(図示せず)は、第1検出センサ50から得られる検出信号を基に、この第1検出センサ50と上当接部材47とが接触したことを認識すると、ラック46が下方に移動するように駆動モータ44(ピニオンギア45)の回転方向を制御し、第2検出センサ51から得られる検出信号を基に、この第2検出センサ51と下当接部材48とが接触したことを認識すると、ラック46が上方に移動するように駆動モータ44(ピニオンギア45)の回転方向を制御する。
この支持機構30及び傾斜機構40では、制御部(図示せず)により駆動モータ44が駆動されてピニオンギア45が回転すると、図1に示すように、ラック46が上方に移動して、支持部材35,第2接続部材36及び軌条10が接続軸37の軸線を揺動中心にして揺動し、これにより、軌条10の一方端側が上方に、軌条10の他方端側が下方に移動するように傾斜して、軌条10の両端部間に高低差が生じる。また、このとき、接続部材42及び収納部材43などが一体的に支持軸41を中心にして揺動する。
そして、ラック46の上方への移動によって第1検出センサ50と上当接部材47とが接触すると、即ち、ジョイント52を介した支持部材35とラック46との接続部たる、軌条10の駆動位置が上昇端位置まで上昇すると、制御部(図示せず)により駆動モータ44の回転方向が逆向きにされ、ピニオンギア45が逆方向に回転せしめられる。ピニオンギア45が逆方向に回転すると、図2に示すように、ラック46が下方に移動して、支持部材35,第2接続部材36及び軌条10が接続軸37の軸線を揺動中心にして揺動し、これにより、軌条10の一方端側が下方に、軌条10の他方端側が上方に移動するように傾斜して、軌条10の両端部間に高低差が生じる。また、このとき、接続部材42及び収納部材43などが一体的に支持軸41を中心にして揺動する。
この後、ラック46の下方への移動によって第2検出センサ51と下当接部材48とが接触すると、即ち、ジョイント52を介した支持部材35とラック46との接続部たる、軌条10の駆動位置が下降端位置まで下降すると、制御部(図示せず)により駆動モータ44の回転方向が逆向きにされ、図1に示すように、ラック46が上方に移動せしめられる。以降、ラック46の上方への移動と下方への移動が交互に繰り返され、傾斜方向が交互に反対向きとなるように軌条10が揺動せしめられる。
尚、符号55は、遊戯者Yが環状部材15にぶら下がったり、環状部材15から降りるための乗降り台である。
以上のように構成された本例の遊戯装置1によれば、軌条10の揺動により、軌条10の一方端側が上方に、軌条10の他方端側が下方に移動するように傾斜すると、生じた高低差によって、移動体20が各車輪22,24の回転により環状部材15とともに軌条10に沿って軌条10の高所側(一方端側)から軌条10の低所側(他方端側)に向け斜め下方に移動する(図1参照)。
逆に、軌条10の揺動により、軌条10の一方端側が下方に、軌条10の他方端側が上方に移動するように傾斜すると、生じた高低差によって、移動体20が各車輪22,24の回転により環状部材15とともに軌条10に沿って軌条10の高所側(他方端側)から軌条10の低所側(一方端側)に向け斜め下方に移動する(図2参照)。
遊戯者Yは、このようにして、軌条10の一方端側から他方端側に向かう移動と、軌条10の他方端側から一方端側に向かう移動とを交互に繰り返す環状部材15の掴持部15aに掴まってぶら下がることで、ぶら下がって往復移動(前方への移動と後方への移動)するときの感覚を楽しみながら遊ぶことができる。
尚、移動体20が軌条10の端部にまで達すると、軌条10の他方端側に設けられたストッパ13によって移動体20の一方端側から他方端側への移動が規制されるとともに、軌条10の一方端側に設けられたストッパ13によって移動体20の他方端側から一方端側への移動が規制されるので、移動体20は、軌条10のストッパ13間で移動する。
斯くして、本例の遊戯装置1によれば、軌条10を揺動させて傾斜させることで、その傾斜方向に沿って遊戯者Y(移動体20)を移動させることができ、遊戯者Yの力を必要とすることなく遊戯者Yを移動させることができる。これにより、遊戯者Yは、当該遊戯装置1で気軽に且つ手軽に遊ぶことができる。また、軌条10の動きを見た遊戯者Yに興味を持たせてこの遊戯装置1で遊びたいと思わせることもできる。
また、軌条10を揺動させることで、遊戯者Y(移動体20)を簡単に何度も往復移動させることができる。また、遊戯者Yを前方及び後方の両方に移動させることで、遊戯者Yを前方にのみ移動させる場合や、遊戯者Yを後方にのみ移動させる場合に比べ、いろいろな方向への移動感覚を楽しませることができる。
また、軌条10の長手方向中央部を支持することで、軌条10の両端部の上下方向への移動量を少なくしてラック46のストロークを短くすることができ、軌条10を上下動させるのに都合が良い。また、各検出センサ50,51から得られる検出信号を基に、移動方向を切り換えながらラック46を上下動させることで、軌条10を効果的に揺動させることができる。
また、軌条10の両端部にストッパ13を設けているので、軌条10の傾斜方向が変わって移動体20の移動方向が変わる前に移動体20が軌条10の端部に達するようなことがあっても、ストッパ13によって移動体20の移動を規制することができるので、移動体20が軌条10から脱落するのを効果的に防止し、安全に遊戯させることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の採り得る具体的な態様は、何らこれに限定されるものではない。
上例では、ジョイント52を介した支持部材35とラック46との接続部たる、軌条10の駆動位置が上昇端位置又は下降端位置に移動したか否かを各当接部材47,48及び各検出センサ50,51によって(即ち、ラック46が上昇端位置又は下降端位置に移動したか否かによって)検出するように構成したが、これに限られるものではなく、例えば、軌条10の傾斜角度や、軌条10の他の部分の高さ位置などから判断するようにしても良い。
また、駆動モータ44,ピニオンギア45及びラック46によって軌条10を上下動させるのではなく、油圧シリンダや空圧シリンダといった駆動機構により軌条10を上下動させるようにしても良い。この場合においても、上記と同様に、適宜検出センサから得られる検出信号を基に、移動方向を切り換えながら軌条10の駆動位置を上下動させることで当該軌条10を揺動させることができる。
また、ラック46を上下に移動させることによって軌条10を揺動させるのではなく、例えば、図8及び図9に示すようにして軌条10を揺動させることもできる。この場合、同図8及び図9に示すように、傾斜機構60は、支持機構30の支持ビーム33の上面に配設された支持部材61と、この支持部材61の下面にブラケット62を介して固設された駆動モータ63と、駆動モータ63の出力軸に固設され、水平な回転中心軸回りに回転する、回転体たるクランク部材64と、支持機構30の支持部材35の上面に固設されたブラケット65と、長手方向が上下方向に設けられて、一端側がクランク部材64の外周側(回転中心軸からずれた位置)に接続し、他端側がブラケット65に接続したクランクロッド66とからなる。尚、前記クランクロッド66は、クランク部材64との接続部及びブラケット65との接続部が、例えば、ボールジョイントなどから構成されている
このように構成された傾斜機構60及び前記支持機構30によれば、駆動モータ63が駆動されてクランク部材64が回転すると、クランクロッド66の一端側が回転中心軸回りに旋回して、クランクロッド66の他端側が上下方向に移動し、軌条10の、ブラケット65の接続位置たる駆動位置が上下方向に移動する。これにより、支持部材35,第2接続部材36及び軌条10が接続軸37の軸線を揺動中心にして揺動し、軌条10の一方端側が上方に、軌条10の他方端側が下方に移動するように傾斜したり、軌条10の一方端側が下方に、軌条10の他方端側が上方に移動するように傾斜する。
また、上例では、軌条10を揺動させることで、遊戯者Y(移動体20)を往復移動させるように構成したが、これに限られるものではなく、遊戯者Y(移動体20)を軌条10の一方端側から他方端側に向けて前方にのみ移動させたり、遊戯者Y(移動体20)を軌条10の他方端側から一方端側に向けて後方にのみ移動させるように、軌条10を傾斜させるようにしても良い。この場合、遊戯者Yの移動後、軌条10を逆向きに傾斜させることで、移動体20及び環状部材15を簡単に元の位置(斜め下方に移動する前の位置)に戻すことができる。
また、上例では、軌条10を予め設定された直線方向に沿って形成したが、これに限られるものではなく、例えば、左右に蛇行するように形成したり、上下にうねるように形成しても良い。但し、軌条10の傾斜によって軌条10の一方端側から他方端側に又は他方端側から一方端側に移動体20が移動可能な範囲で蛇行させたり、うねらせる必要がある。
また、更に、軌条10を環状に形成して遊戯者Yを軌条10に沿って一周又は循環移動させるようにすることもできる。この場合、移動体20(遊戯者Y)が軌条10に沿って半周したところで軌条10の傾斜方向を逆向きにすれば、効果的に遊戯者Yを一周又は循環移動させることができる。即ち、例えば、適宜センサなどで移動体20(遊戯者Y)を検出することにより、遊戯者Yが軌条10の高所側から低所側まで移動したか否かを確認し、移動したことを確認した場合に、軌条10を逆側に傾斜させて、低所側だった部分を高所側に、高所側だった部分を低所側にする。
また、上例では、遊戯者Yが六角形形状をした環状部材15に掴まってぶら下がるようにしているが、これに限られるものではなく、例えば、円形に形成された部材や六角形以外の多角形に形成された部材、水平な棒状に形成された部材などの各掴持部に掴まってぶら下がるように構成しても良い。また、環状部材15の移動体20への接続方法は、上例のように、吊り下げロープ16を用いた方法に限定されるものではない。また、遊戯者Yの掴まり方としては、特に限定されるものではなく、例えば、掴持部15aにしがみついたり、掴持部15aを握るなど遊戯者Yが掴持部15aに掴まってぶら下がる各種の態様を採用することができる。
また、更に、移動体20に吊り下げられ、遊戯者Yが掴まってぶら下がる部材は、遊戯者Yが一人だけぶら下がるのではなく、図10に示すように、二人の遊戯者Yがぶら下がったり、特に図示はしないが、二人以上の遊戯者Yがぶら下がるようにしても良い。尚、図10に示した部材15は、下端部が二股に形成されて、その各端部に遊戯者Yが掴まってぶら下がる棒状の掴持部15aが形成されている。
本発明の一実施形態に係る遊戯装置の概略構成を示した断面図である。 本発明の一実施形態に係る遊戯装置の概略構成を示した断面図である。 図1及び図2に示した遊戯装置の平面図である。 図1における矢示A方向の側面図である。 図1における矢示B方向の側面図である。 本実施形態に係る軌条,移動体及び環状部材の概略構成を示した断面図である。 図5における矢示C−C方向の断面図である。 本発明の他の実施形態に係る傾斜機構などの概略構成を示した断面図である。 図8における矢示D−D方向の断面図である。 本発明の他の実施形態に係る遊戯装置の一部の概略構成を示した断面図である。
符号の説明
1 遊戯装置
10 軌条
13 ストッパ
15 環状部材
16 吊り下げロープ
20 移動体
21,23 回転軸
22,24 車輪
25 連結部材
26 取付部材
30 支持機構
31 支持体
32 支柱
33 支持ビーム
34,36 接続部材
35 支持部材
37 接続軸
40 傾斜機構
41 支持軸
42 接続部材
43 収納部材
44 駆動モータ
45 ピニオンギア
46 ラック
47,48 当接部材
49 支持棒
50,51 センサ
52 ジョイント

Claims (5)

  1. 支柱に支持された支持体の下面に掛け渡された支持ビームと、
    支持手段により、前記支持ビームに揺動自在に支持された軌条とを備え、
    前記支持手段は、前記軌条の両端部間の中央部を水平な揺動中心軸回りに揺動自在に支持するように構成され、
    前記軌条の、前記支持手段による支持部から離れた部分に設定された駆動位置を駆動モータにより繰り返し上下動させて前記軌条を前記揺動中心軸回りに揺動させる傾斜手段と、
    前記軌条の中空部内に配置され、当該軌条の底面に当接する車輪を備えた移動体と、
    遊戯者が掴まってぶら下がる掴持部を有し、前記移動体に接続されてこの移動体ととも
    に移動する部材とを備えてなることを特徴とする遊戯装置。
  2. 前記傾斜手段は、前記軌条の駆動位置を上昇端位置と下降端位置との間で上下方向に移動させる駆動機構と、前記軌条の駆動位置が上昇端位置に移動したことを検出する第1検出センサと、前記軌条の駆動位置が下降端位置に移動したことを検出する第2検出センサと、前記各検出センサから得られる検出信号を基に前記駆動機構の作動を制御する制御部であって、前記第1検出センサから得られる検出信号を基に前記軌条の駆動位置が上昇端位置まで移動したことを確認すると、前記軌条の駆動位置が下方に移動するように前記駆動機構の作動を制御し、前記第2検出センサから得られる検出信号を基に前記軌条の駆動位置が下降端位置まで移動したことを確認すると、前記軌条の駆動位置が上方に移動するように前記駆動機構の作動を制御する制御部とから構成されてなることを特徴とする請求項記載の遊戯装置。
  3. 前記駆動機構は、長手方向が上下方向に設けられて上下方向に移動し、一端部が前記軌条の駆動位置に接続された棒状の移動部材を備え、この移動部材を上下方向に移動させるように構成されてなることを特徴とする請求項記載の遊戯装置。
  4. 前記傾斜手段は、水平な回転中心軸回りに回転するクランク部材と、長手方向が上下方向に設けられて、一端側が前記クランク部材の、前記回転中心軸からずれた位置に接続し、他端側が前記軌条の駆動位置に接続したクランクロッドと、前記クランク部材を前記回転中心軸回りに回転させる駆動機構とから構成されてなることを特徴とする請求項記載の遊戯装置。
  5. 前記軌条の両端部にストッパを更に備え、
    前記軌条の一方端側に設けられた前記ストッパは、この軌条に沿って他方端側から一方端側に移動する移動体に当接してその一方端側への移動を規制し、前記軌条の他方端側に設けられた前記ストッパは、この軌条に沿って一方端側から他方端側に移動する移動体に当接してその他方端側への移動を規制するように構成されてなることを特徴とする請求項乃至記載のいずれかの遊戯装置。




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