JP4587936B2 - エンジン制御装置及びエンジン制御方法 - Google Patents
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イグニッションスイッチのオフ又はエンストを検出後に吸気管内の圧力を強制的に上昇させて大気圧とすることにより、吸気管内の圧力を早期に大気圧にすることができ、この吸気管内の圧力を大気圧として設定することができる。従って、正確な大気圧を設定することによりエンジンの制御を最適に行うことができる。
また、圧力センサが検出した圧力を記憶装置に記憶させ、エンジンを再始動するときに、記憶装置に記憶された圧力に基づいて、大気圧を設定することによっても、正確な大気圧を設定することができ、エンジンの制御を最適に行うことができる。
イグニッションスイッチのオフ又はエンストを検出後に吸気管内の圧力を強制的に上昇させて大気圧とすることにより、吸気管内の圧力を早期に大気圧にすることができ、この吸気管内の圧力を大気圧として設定することができる。従って、正確な大気圧を設定することによりエンジンの制御を最適に行うことができる。
また、圧力センサが検出した圧力を記憶装置に記憶させ、エンジンを再始動するときに、記憶装置に記憶された圧力に基づいて、大気圧を設定することによっても、正確な大気圧を設定することができ、エンジンの制御を最適に行うことができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るエンジン制御装置が適用されたエンジンシステムの構成図である。
このエンジンシステムは、図1に示すように、エンジン制御装置としてのECU10、内燃機関としてのガソリンエンジン100(以下、エンジン100)等から構成されている。
エンジン100は、ノックセンサ20、インジェクタ30、点火プラグ40、排気管60、吸気管70、吸気管70に設けられたスロットルバルブ50、排気管60と吸気管70とを連通するEGR管80、EGR管80に設けられてEGR管80の流路の開度を調整するEGRバルブ90等を備えている。また、吸気圧センサ240、アイドルスピードコントロールバルブ200と、パージバルブ220と、吸気バルブ170とを備えている。
また、ECU10は、検出手段(不図示)、圧力制御手段(不図示)、大気圧検出制御手段(不図示)から構成され、これらはCPU1、ROM2、SRAM(記憶装置)3、EEPROM(記憶装置)4等のハードウェア、所要のソフトウェアにより実現され、エンジン全体を制御するものである。
また、ECU10は、運転状態にあったエンジンが停止したことを検出する。具体的には、ECU10は、イグニッションスイッチがオフによるエンジンの停止、又はエンストによるエンジンが停止したことを検知する。尚、イグニッションスイッチがオフ後も、所定の処理が終了するまではECU10への電源供給がリレー(不図示)によって継続される。
また、エンジンシステムは、イグニッションスイッチ300と、オルタネータ310と、エアコンコンプレッサ320を備える。
インジェクタ30は、ECU10からの制御指令に基づいて、燃料タンク400から供給される燃料(ガソリン)をエンジン100のシリンダ内へ噴射する。
点火プラグ40は、ECU10からの制御指令に基づいて、シリンダ内へ噴射されたガソリンを点火、燃焼させるべく、火花放電を発する。
吸気管70は、エンジン100のシリンダに連通してシリンダ内に燃焼に必要な空気を導く。
スロットルバルブ50は、ECU10からの制御指令に基づいて、エンジン100の吸入空気量を調整する。尚、スロットルバルブ50の実際の開度を検出するスロットルバルブ開度センサ(不図示)が設けられる。
吸気圧センサ240は、吸気管内に設置され吸気管内の圧力を検出する。
電気負荷350は、例えば、ランプ、ワイパー等の車両に搭載された電装品等で構成されている。
オルタネータ310は、例えば、ベルトを介してエンジン100により駆動され、発電した交流出力をダイオードで整流し、直流に変換して車両に搭載された電装品等へ必要な電力を供給すると共に、バッテリ340を充電するための電力を供給する。
バッテリ340は、電気負荷350及びオルタネータ310に電気的に接続されており、図3に示すように、車両のエンジン100が駆動された状態で電気負荷350へ電力を供給すると共に、必要に応じてオルタネータ310により充電される。
図4は、大気圧の圧力値を記憶するまでのECU10の処理のフローチャート図である。
ECU10は、イグニッションオフ又はエンスト状態であるかどうかを判定する(ステップS101)。イグニッションオフ又はエンスト状態の場合(ステップS101でYes)、ECU10は、吸気管70内の圧力を強制的に上昇させるために、吸気管70内に空気を流入させる。具体的には、ECU10は、吸気管70に設けられた所定のバルブを開状態にする(ステップS102)。所定のバルブとは、スロットルバルブ50、アイドルスピードコントロールバルブ200、パージバルブ220、吸気バルブ170、及びEGRバルブ90のうち少なくとも一つである。従って、ECU10は、スロットルバルブ50、アイドルスピードコントロールバルブ200、パージバルブ220、吸気バルブ170、EGRバルブ90のうち少なくとも一つのバルブを、開状態にする。これにより、吸気管内に空気を流入させ、吸気管内の圧力を強制的に上昇させて大気圧の状態にすることができる。
ECU10は、イグニッションオフ又はエンスト状態ではない場合(ステップS101でNo)、即ちイグニッションオンの場合には、この処理を終了する。
尚、上記の処理においては、SRAM3、EEPROM4以外であっても、イグニッションオフによる車両への電源供給が切れた状態であっても検出値を記憶しておくことが可能である記憶装置に記憶させるようにしてもよい。
エンジン100が再始動した場合(ステップS201でYes)、ECU10は、大気圧を吸気管70に取り込まれたかどうかを判定する(ステップS202)。具体的には、ECU10は、吸気圧センサ240からの検出値の変化が所定時間内に所定値以内であるかどうかを判定し、所定時間内に所定値以内の場合は吸気管70内に大気が取り込まれたと判断する(ステップS202でYes)。吸気管70内に大気が取り込まれたと判断された場合、ECU10は、吸気圧センサ240により検出された値を大気圧として設定する(ステップS203)。
エンジン100が再始動した後、まだ吸気管70内に大気が取り込まれていない場合(ステップS202でNo)、ECU10は、SRAM3又はEEPROM4に検出値が記憶されているかどうかを判定する(ステップS204)。即ち、ECU10は、ステップS106において検出値が記憶されていたかどうかを判定する。判定方法としては、設定フラグが「1」であるか又は「0」であるかにより、記憶されているかどうかを判定する。検出値が記憶されている場合(ステップS204でYes)、即ち設定フラグが「1」の場合には、ECU10は、記憶された検出値を大気圧として設定する(ステップS205)。具体的には、ECU10は、前述した履歴データに基づいて記憶された日時が最新の検出値を大気圧として設定する。これにより、正確な大気圧を設定することができ、エンジンの制御を最適に行うことができる。
大気圧が記憶されていない場合(ステップS204でNo)、ECU10は、予めECU10に記憶されている初期値を大気圧として設定する(ステップS206)。検出値が記憶されていない場合としては、例えば、エンスト後に図4のステップS106の処理が行われる前に、ユーザが直ちにエンジンを再始動したような場合である。
また、図5のステップS204においては、設定フラグにより、検出値が記憶されているかどうかを判定したが、記憶されてから所定時間を経過し又は所定距離以上を移動した場合には、設定フラグを「0」として、大気圧が記憶されていないとして処理を行うようにしてもよい。
エンジン100の回転数が所定の回転数より低下してエンストすると(※1)、ECU10は、所定のバルブを開状態にするなどの、吸気管70内の圧力を強制的に上昇させるための処理を実行する(※2)。この処理により吸気管70内の圧力は上昇し、吸気圧センサ240からの検出値の変化が、所定時間内に所定値以内になると(※3)、ECU10は、その検出値を大気圧として検出し(※4)、その検出値をSRAM3又はEEPROM4などに記憶させる(※5)。
イグニッションをオフにした状態から再度オンの状態にして、エンジン100を再始動させる場合、イグニッションを再度オンにしたときの(※6)、吸気管70内の圧力は既にほぼ大気圧の状態となっている(※7)。このためECU10は、現時点での吸気圧センサ240からの検出値を大気圧として検出し(※8)、エンジン100の始動時にその検出値を大気圧として設定する(※9)。このように、エンストを検出後に吸気管70内の圧力を強制的に上昇させて大気圧とすることにより、吸気管70内の圧力を早期に大気圧にすることができ、この吸気管70内の圧力を大気圧として設定することができる。従って、正確な大気圧を設定することによりエンジン100の制御を最適に行うことができる。
20…ノックセンサ
30…インジェクタ
40…点火プラグ
50…スロットルバルブ
60…排気管
70…吸気管
80…EGR管
90…EGRバルブ
100…エンジン
170…吸気バルブ
190…アイドリング管
200…アイドルスピードコントロールバルブ
220…パージバルブ
230…キャニスタ
240…圧力センサ
300…イグニッションスイッチ
310…オルタネータ
320…エアコンコンプレッサ
340…バッテリ
350…電気負荷
400…燃料タンク
Claims (2)
- 吸気管に取り付けられた圧力センサが検出する圧力を大気圧として設定してエンジンを制御するエンジン制御装置において、
イグニッションスイッチのオフ又は/及びエンストを検出する検出手段と、
前記イグニッションスイッチのオフ又はエンストを検出後に前記吸気管内の圧力を強制的に上昇させる制御を行う圧力制御手段と、
前記圧力制御手段による制御が行われた後に、前記吸気管内の圧力を検出する前記圧力センサの検出値の変化が、所定時間内に所定値以内になった場合に、前記圧力センサが検出した圧力を記憶装置に記憶させるエンジン停止時大気圧検出制御手段と、
前記エンジンの再始動時に、前記圧力センサの検出値の変化が、所定時間内に所定値以内になった場合に、前記圧力センサが検出した圧力に基づいて大気圧を設定するエンジン再始動時大気圧検出制御手段と、を備え、
前記エンジン再始動時大気圧検出制御手段は、前記エンジンの再始動時に検出した圧力に基づいて大気圧を設定しなかった場合に、前記記憶装置に記憶された圧力に基づいて大気圧を設定する、ことを特徴とするエンジン制御装置。 - 吸気管に取り付けられた圧力センサが検出する圧力を大気圧として設定してエンジンを制御するエンジン制御方法において、
イグニッションスイッチのオフ又は/及びエンストを検出するステップと、
前記イグニッションスイッチのオフ又はエンストを検出後に前記吸気管内の圧力を強制的に上昇させる制御を行う圧力制御ステップと、
前記圧力制御ステップによる制御が行われた後に、前記吸気管内の圧力を検出する前記圧力センサの検出値の変化が、所定時間内に所定値以内になった場合に、前記圧力センサが検出した圧力を記憶装置に記憶させるエンジン停止時大気圧検出制御ステップと、
前記エンジンの再始動時に、前記圧力センサの検出値の変化が、所定時間内に所定値以内になった場合に、前記圧力センサが検出した圧力に基づいて大気圧を設定するエンジン再始動時大気圧検出制御ステップと、を備え、
前記エンジン再始動時大気圧検出制御ステップは、前記エンジンの再始動時に検出した圧力に基づいて大気圧を設定しなかった場合に、前記記憶装置に記憶された圧力に基づいて大気圧を設定する、ことを特徴とするエンジン制御方法。
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