JP4587806B2 - ハーフトーン型位相シフトマスクブランク及びハーフトーン型位相シフトマスク - Google Patents

ハーフトーン型位相シフトマスクブランク及びハーフトーン型位相シフトマスク Download PDF

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Description

本発明は、マスクを透過する露光光間に位相差を与えることにより、転写パターンの解像度を向上できるようにした位相シフトマスクに関し、特に、ハーフトーン型の位相シフトマスクとその原版であるハーフトーン型位相シフトマスクブランクに関する。
半導体LSI製造等においては、微細パターン露光の際のマスクとしてフォトマスクが用いられる。このフォトマスクの一種として、マスクを透過する露光光間に位相差を与えることにより、転写パターンの解像度を向上できるようにした位相シフトマスクが用いられている。
近年、この位相シフトマスクの一つとして、ハーフトーン型位相シフトマスクと称される位相シフトマスクが開発されている。このハーフトーン型の位相シフトマスクは、透明基板上に形成するマスクパターンを、実質的に露光に寄与する強度の光を透過させる部分(以下、光透過部と称する。)と、実質的に露光に寄与しない強度の光を透過させる部分(以下、光半透過部と称する。)とで構成し、かつ、この光半透過部を通過する光の位相をシフトさせて、光半透過部を透過した光の位相が上記光透過部を透過した光の位相に対して実質的に反転する関係となるようにすることにより、光透過部と光半透過部との境界部近傍を透過した光が互いに打ち消しあうようにして境界部のコントラストを良好に保持できるようにしたものである。
このようなハーフトーン型位相シフトマスクは、光半透過部が、露光光を実質的に遮断する遮光機能と、光の位相をシフトさせる位相シフト機能との二つの機能を兼ね備えることになるので、主に位相角を制御する透過率の高い位相シフト膜パターンと主に光半透過性を制御する透過率の低い遮光膜パターンとを別々に形成する必要がなく、構成が簡単で製造も容易であるという特徴を有している。
下記特許文献1には、簡単な膜構成により電子線描画時の電荷蓄積や静電気による帯電を防止できるように、遷移金属と珪素と窒素とを構成要素とする光半透過膜が透明基板上に形成されたハーフトーン型位相シフトマスクブランクが記載されており、具体的には、光半透過膜のシート抵抗を5×10Ω/□以下とすることが記載されている。また、下記特許文献2には、窒素、金属及びシリコンを主たる構成要素とし、シート抵抗を1kΩ/□〜1.5MΩ/□としたハーフトーン型位相シフトマスクブランクが記載されている。
一方、パターンの微細化にともない、露光波長の短波長化が進んでいるが、露光波長が193nm(ArFエキシマレーザー)となった場合、以下の問題が顕著になる。
マスク製造工程やマスク使用時において、硫酸等の酸溶液や、アンモニア等のアルカリ溶液を使用した薬液処理(洗浄を含む)がなされるが、その酸溶液やアルカリ溶液により光半透過膜の膜厚変化が発生する。露光波長が短くなると薬液処理に対する同じ膜厚変化量であっても位相角のずれが大きくなるため、より薬液(酸やアルカリ)に対する耐久性を向上させる必要がある。
また、露光に用いるレーザー光の波長が短波長化になることにより、レーザー光のエネルギーが大きくなるため、露光による光半透過膜へのダメージが大きくなり、位相シフトマスクに要求される使用寿命期間内に、設定した透過率及び位相差にずれが生じてしまうことが発生する。
以上のような問題点を解決するために、以下の特許文献3で開示されているように、光半透過膜を緻密な膜にしたハーフトーン型位相シフトマスクブランクが提案されている。
特許第2719493号公報 特許第2966369号公報 特開2002−162727号公報
しかし、光半透過膜を緻密な膜にすることで耐薬品性、耐光性は向上するというメリットがある反面、光半透過膜のシート抵抗が大きくなり電気的特性が悪化する結果となった。光半透過膜のシート抵抗が大きくなると、その上に形成したレジスト膜に対して電子線描画してパターニングするときに、光半透過膜に電荷がたまりチャージアップし、正確なパターン描画ができないという問題が発生した。
これは、パターンの微細化に伴って、レジスト描画における電子線の加速電圧が50keV以上と大きくなった場合に特にこの問題が顕著になる。
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、耐薬品性、耐光性が良好でかつ、レジスト膜に対して電子線描画してパターニングする際にも、チャージアップせずに正確なパターン描画ができるハーフトーン型位相シフトマスクブランク、及びこのハーフトーン型位相シフトマスクブランクを用いて得られるハーフトーン型位相シフトマスクを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)透明基板上に、金属と珪素とを含み位相シフト機能を有する位相シフト膜と、遮光膜とがこの順に形成されたハーフトーン型位相シフトマスクブランクであって、前記位相シフト膜は、該位相シフト膜に含まれる金属と珪素との原子%の比率が、金属:珪素=1:2より大きい膜で構成され、かつ、自乗平均平方根粗さ(RMS)で2nm以下となる緻密な膜であって、前記透明基板主表面上の周縁部に前記位相シフト膜の存在しない露出部が形成され、前記遮光膜は、遮光膜上に形成されるレジスト膜を電子線描画しパターニングする際にチャージアップしない程度に導電性を有する材料とし、少なくとも前記露出部及び前記位相シフト膜を覆うように形成されていることを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスクブランクである。
構成1のように、位相シフト膜に含まれる金属と珪素との原子%の比率が、金属:珪素=1:2より大きい材料で構成され、かつ、自乗平均平方根粗さ(RMS)で2nm以下となる緻密な膜である場合、耐薬品性、耐光性が向上する反面、シート抵抗が非常に高くなるため、位相シフト膜を基板主表面上の周縁部に位相シフト膜の存在しない露出部を形成し、位相シフト膜上に形成する遮光膜を、レジスト膜を電子線描画しパターニングする際にチャージアップしない程度に導電性を有する材料とし、かつ、位相シフト膜を覆うように形成する。そうすることで、電子線描画機の電極端子が位相シフト膜に直接接触せずに、導電性の良い遮光膜に接触することになるので、チャージアップせず、正確なパターニングが可能となる。また、位相シフト膜が緻密な膜の場合であっても、その上を覆うように形成された遮光膜上にレジスト膜を形成するため、レジスト膜の密着性が向上し、パターンが微細化してもレジスト膜の現像時にレジストパターンが剥がれるという問題が起こらない。
(構成2)前記位相シフト膜の表面抵抗率は、2.5×108Ω以上であることを特徴とする構成1記載のハーフトーン型位相シフトマスクブランクである。
位相シフト膜の表面抵抗率が2.5×108Ω以上である場合シート抵抗も高くなるために、本発明は特に有効である。
(構成3)透明基板上に、金属と珪素とを含み位相シフト機能を有する位相シフト膜と、遮光膜とがこの順に形成されたハーフトーン型位相シフトマスクブランクであって、前記位相シフト膜の表面抵抗率は、2.5×108Ω以上であって、前記透明基板主表面上の周縁部に前記位相シフト膜の存在しない露出部が形成され、前記遮光膜は、遮光膜上に形成されるレジスト膜を電子線描画しパターニングする際にチャージアップしない程度に導電性を有する材料とし、少なくとも前記露出部及び前記位相シフト膜を覆うように形成されていることを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスクブランクである。
構成3のように、位相シフト膜の表面抵抗率が2.5×108Ω以上である場合、耐薬品性、耐光性が向上する反面、シート抵抗が非常に高くなるため、位相シフト膜を基板主表面上の周縁部に位相シフト膜の存在しない露出部を形成し、位相シフト膜上に形成する遮光膜を、レジスト膜を電子線描画しパターニングする際にチャージアップしない程度に導電性を有する材料とし、かつ、位相シフト膜を覆うように形成する。そうすることで、電子線描画機の電極端子が位相シフト膜に直接接触せずに、導電性の良い遮光膜に接触することになるので、チャージアップせず、正確なパターニングが可能となる。また、位相シフト膜を覆うように形成された遮光膜上にレジスト膜を形成するため、レジスト膜の密着性が向上し、パターンが微細化してもレジスト膜の現像時にレジストパターンが剥がれるという問題が起こらない。
(構成4)前記遮光膜上に形成されたレジスト膜は、電子線描画する際に使用する電子線描画機の電極端子が前記遮光膜の周縁部で接触できるように、周縁部にレジスト膜の存在しない露出部が形成されていることを特徴とする構成1乃至3の何れか一に記載のハーフトーン型位相シフトマスクブランクである。
レジスト膜は、電子線描画する際に使用する電子線描画機の電極端子が遮光膜の周縁部で接触できるように、周縁部にレジスト膜の存在しない露出部を設けることにより、電極端子が確実に遮光膜に接触させることができ、接触不良を防止することができる。
(構成5)前記位相シフト膜は、露光波長に対し所定の透過率を有し、金属、珪素、窒素及び/又は酸素を主たる構成要素とする膜であることを特徴とする構成1乃至4の何れか一に記載のハーフトーン型位相シフトマスクブランクである。
位相シフト膜が、金属、珪素、窒素及び/又は酸素を主たる構成要素とする材料はシート抵抗が高いので本発明は特に有効である。
(構成6)前記遮光膜は、クロム、窒素、及び炭素を含むクロム炭化窒化物を含むことを特徴とする構成1乃至5の何れか一に記載のハーフトーン型位相シフトマスクブランクである。
遮光膜の材料が、クロム、窒素、及び炭素を含むクロム炭化窒化物を含むことにより、レジスト膜の電子線描画の際の電子線加速電圧が50keV以上であってもチャージアップせず導電性が良好となるとともに、位相シフト膜との膜付着力が良好になるので特に好ましい。
(構成7)構成1乃至6の何れか一に記載のハーフトーン型位相シフトマスクブランクの前記遮光膜及び前記位相シフト膜をパターニングして位相シフトパターンが形成されてなることを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスクである。
構成1乃至6の何れか一に記載のハーフトーン型位相シフトマスクブランクの遮光膜及び位相シフト膜をパターニングして、微細な位相シフトパターンが正確に形成された位相シフトマスクが得られる。
本発明によれば、耐薬品性、耐光性が良好でかつ、レジスト膜に対して電子線描画してパターニングする際にも、チャージアップせずに正確なパターン描画ができるハーフトーン型位相シフトマスクブランクを提供することができる。また、このハーフトーン型位相シフトマスクブランクを用いることにより、正確なパターン描画ができ、微細な位相シフトパターンが形成されたハーフトーン型位相シフトマスクを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のハーフトーン型位相シフトマスクブランクは、透明基板上に、金属と珪素とを含み位相シフト機能を有する位相シフト膜と、遮光膜とがこの順に形成されたハーフトーン型位相シフトマスクブランクであって、この位相シフト膜は、位相シフト膜に含まれる金属と珪素との原子%の比率が、金属:珪素=1:2より大きい膜で構成され、かつ、自乗平均平方根粗さ(RMS)で2nm以下となる緻密な膜であって、透明基板主表面上の周縁部に位相シフト膜の存在しない露出部が形成され、上記遮光膜は、遮光膜上のレジスト膜を電子線描画しパターニングする際にチャージアップしない程度に導電性を有する材料とし、少なくとも上記露出部及び位相シフト膜を覆うように形成されている。
すなわち、位相シフト膜に含まれる金属と珪素との原子%の比率が、金属:珪素=1:2より大きい材料で構成され、かつ、自乗平均平方根粗さ(RMS)で2nm以下となる緻密な膜である場合、耐薬品性、耐光性は良好であるものの、シート抵抗が非常に高くなる。そのため、本発明では、位相シフト膜を基板主表面上の周縁部に位相シフト膜の存在しない露出部を形成し、位相シフト膜上に形成する遮光膜を、レジスト膜を電子線描画しパターニングする際にチャージアップしない程度に導電性を有する材料とし、かつ、位相シフト膜を覆うように形成している。このような構成にすることにより、電子線描画機の電極端子が位相シフト膜に直接接触せずに、導電性の良い遮光膜に接触することになるので、チャージアップせず、正確なパターニングが可能となる。
また、位相シフト膜が緻密な膜の場合、その上に直接レジスト膜を形成するとレジスト膜の密着性が悪く現像時のレジストパターン剥がれという問題が生じるが、本発明では、位相シフト膜の上を覆うように形成された遮光膜上にレジスト膜を形成するため、レジスト膜の密着性を向上でき、パターンが微細化してもレジスト膜の現像時にレジストパターンが剥がれるという問題が起こらない。
本発明のハーフトーン型位相シフトマスクブランクにおける位相シフト膜は、金属と珪素とを含み、金属と珪素との原子%の比率が、金属:珪素=1:2より大きい材料で構成されている。この場合の金属としては、例えば、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、クロム(Cr)等の金属が好ましく挙げられる。これらの金属と珪素とを含む材料は、とくに中心波長が193nm(ArFエキシマレーザー)又はそれより短い波長の露光光に対して、屈折率が比較的高く、位相をシフト(望ましくは反転)させるための膜厚を薄くでき、またこの波長域においては露光光に対する光透過率(遮光性能)も良好な値とすることができるからである。
また、金属と珪素との原子%の比率が、金属:珪素=1:2より大きい材料は、緻密な膜とすることにより、耐薬品性、耐光性が良好なものとなる。金属と珪素との原子%の比率が、金属:珪素=1:2以下であると、耐薬品性が低下する。なお、金属と珪素の比率の上限については特に制約はないが、金属に対して珪素の含有率があまり高いと、膜中の欠陥発生率、欠陥数が多くなるから、この観点からは、金属と珪素との原子%の比率は、金属:珪素=1:4〜1:19であることが好ましい。さらに好ましくは、金属:珪素=1:8〜1:15であることが望ましい。
本発明における位相シフト膜は、金属、珪素、窒素及び/又は酸素を主たる構成要素とする膜であることが特に好ましい。金属と珪素に加えて、窒素と酸素の少なくとも何れか一方の元素を含むことにより、耐薬品性、耐光性、光透過率などのより良好な特性が得られるようにコントロールすることができる。
本発明では、位相シフト膜が、金属、珪素、窒素を主たる構成要素とする場合の窒素の含有率は30〜70原子%とすることが好ましい。窒素の含有率は主に透過率や位相差の光学特性、及びエッチング特性に影響を与える。窒素の含有率が30原子%未満であると、露光波長が200nm以下の短波長域において、所望の光学特性(透過率)が得られなくなり、70原子%を超えると、エッチングレートが極端に速くなるためCDコントロールが難しくなる。また、位相シフト膜が、金属、珪素、酸素を主たる構成要素とする場合の酸素の含有率は30〜60原子%とすることが好ましい。酸素の含有率は主に透過率や位相差の光学特性、及び耐薬品性に影響を与える。酸素の含有率が30原子%未満であると、露光波長が200nm以下の短波長域において、所望の光学特性(透過率)が得られなくなり、60原子%を超えると耐薬品性が低下する。また、位相シフト膜が金属と珪素に加えて、窒素と酸素の両方を含む場合の窒素と酸素の含有率は、両方合わせて30〜60原子%とすることが好ましく、この場合の窒素と酸素との比率は1:0.1〜1:0.5であることが好適である。
金属、珪素、窒素及び/又は酸素を主たる構成要素とする本発明の位相シフト膜の材料として、例えば、窒化されたモリブデン及び珪素(MoSiN系材料)、酸化されたモリブデン及び珪素(MoSiO系材料)、酸化及び窒化されたモリブデン及び珪素(MoSiON系材料)、酸化及び炭化されたモリブデン及び珪素(MoSiOC系材料)、酸化及び窒化及び炭化されたモリブデン及び珪素(MoSiONC系材料)、窒化されたタンタル及び珪素(TaSiN系材料)、酸化されたタンタル及び珪素(TaSiO系材料)、酸化及び窒化されたタンタル及び珪素(TaSiON系材料)、酸化及び炭化されたタンタル及び珪素(TaSiOC系材料)、酸化及び窒化及び炭化されたタンタル及び珪素(TaSiONC系材料)、窒化されたタングステン及び珪素(WSiN系材料)、酸化されたタングステン及び珪素(WSiO系材料)、酸化及び窒化されたタングステン及び珪素(WSiON系材料)、酸化及び炭化されたタングステン及び珪素(WSiOC系材料)、酸化及び窒化及び炭化されたタングステン及び珪素(WSiONC系材料)、窒化されたチタン及び珪素(TiSiN系材料)、酸化されたチタン及び珪素(TiSiO系材料)、酸化及び窒化されたチタン及び珪素(TiSiON系材料)、酸化及び炭化されたチタン及び珪素(TiSiOC系材料)、酸化及び窒化及び炭化されたチタン及び珪素(TiSiONC系材料)、窒化されたクロム及び珪素(CrSiN系材料)、酸化されたクロム及び珪素(CrSiO系材料)、酸化及び窒化されたクロム及び珪素(CrSiON系材料)、酸化及び炭化されたクロム及び珪素(CrSiOC系材料)、酸化及び窒化及び炭化されたクロム及び珪素(CrSiONC系材料)、等が挙げられる。これらの材料の中でも、窒化された金属及び珪素からなる材料(MoSiN系材料など)は、後述する位相シフト膜上に形成されるクロム系材料からなる遮光膜との膜付着力が良好になる。
位相シフト膜が、金属、珪素、窒素及び/又は酸素を主たる構成要素とする材料はシート抵抗が高いので、レジスト膜を電子線描画してパターニングする際にチャージアップせずに正確なパターン描画ができる本発明は特に有効である。
また、本発明における位相シフト膜は、自乗平均平方根粗さ(RMS)で2nm以下となる緻密な膜である。位相シフト膜に含まれる金属と珪素との原子%の比率が、金属:珪素=1:2より大きい材料で構成され、かつ自乗平均平方根粗さ(RMS)で2nm以下となる緻密な膜である場合、シート抵抗が非常に高くなるため、レジスト膜を電子線描画してパターニングする際にチャージアップせずに正確なパターン描画ができる本発明は特に有効である。位相シフト膜表面の自乗平均平方根粗さ(RMS)の値は、位相シフト膜の緻密度を間接的に示す指標であり、位相シフト膜表面の自乗平均平方根粗さ(RMS)の値が小さくなるに従って、位相シフト膜のシート抵抗の値は大きくなる。
このような緻密化された位相シフト膜は、例えば、低圧雰囲気中でスパッタリング成膜することにより形成することができる。
また、位相シフト膜の表面抵抗率が2.5×108Ω以上である場合、シート抵抗は極めて高くなるために、本発明は特に有効である。なおここで、表面抵抗率は、日本工業規格JIS K6911で定められた測定方法に基づき測定される値である。
位相シフト膜は、単一層構成(光半透過部を構成)の場合、露光光を実質的に遮断する遮光機能と、光の位相をシフトさせる位相シフト機能との二つの機能を兼ね備える。これらの機能の値は、マスク使用時の露光光源及びその波長に応じて異なるため、使用する露光光源及びその波長に対応して、その値を設計、選択する必要がある。本発明のハーフトーン型位相シフトマスクブランク及びハーフトーン型位相シフトマスクは、とくにArFエキシマレーザー(波長193nm)又はそれより短い波長の露光光(例えばF2エキシマレーザー(波長157nm))を露光光源とする場合に好適である。
位相シフト膜の位相シフト量は、位相シフト膜の膜組成及び膜厚を調整することで制御することが出来る。位相シフト量をφ、露光光の波長をλ、位相シフト膜の屈折率をnとすると、位相シフト膜の膜厚dは次の(1)式で決定できる。
d=(φ/360)×[λ/(n−1)] (1)
(1)式における位相シフト量φは、180度であることが解像度向上の観点から最も望ましいが、実用的には160度〜200度程度であってもよい。
位相シフト膜の露光光に対する光透過率(遮光性能)は、半導体素子等のパターン形成の際に用いるレジストの感度にもよるが、一般的には2〜20%程度が好ましい。この範囲内においては、光透過率は、透過率が高い方が位相効果が高いので、高い方が好ましい。但し、ライン・アンド・スペースパターンの場合は光透過率が低い方が好ましく、またホール系のパターンの場合は光透過率が高い方が好ましい。位相シフト膜の光透過率は、位相シフト膜の膜組成を調整することで制御することが出来る。
本発明のハーフトーン型位相シフトマスクブランクにおいては、透明基板主表面上の周縁部に位相シフト膜の存在しない露出部が形成される。これにより、位相シフト膜を覆うように遮光膜が形成されるため、電子線描画する際に使用する電子線描画機の電極端子が位相シフト膜には接触することなく、導電性の良い遮光膜の周縁部で電極端子を確実に接触させることができ、接触不良を防止することが出来る。基板主表面上の周縁部に形成される露出部は、基板サイズや、マスクパターン形成領域の大きさ等によっても異なり一概には言えないが、通常は基板端面から数mm程度の範囲とするのが適当である。
本発明のハーフトーン型位相シフトマスクブランクにおける前記遮光膜は、レジスト膜を電子線描画しパターニングする際にチャージアップしない程度に導電性を有する材料であるが、クロム、窒素、及び炭素を含むクロム炭化窒化物を含む材料であることが好ましい。遮光膜の材料が、クロム、窒素、及び炭素を含むクロム炭化窒化物を含むことにより、とくにレジスト膜の電子線描画の際の電子線加速電圧が50keV以上であってもチャージアップせず導電性が良好となるとともに、位相シフト膜との膜付着力が良好になるので特に好ましい。また、このような遮光膜の材料は、遮光膜上に形成されるレジスト膜との膜付着力も向上できる。なお、遮光膜の材料として、クロムと窒素とを含むクロム窒化物や、クロム、窒素及び酸素を含むクロム酸化窒化物を含むものも好ましく使用可能である。
なお、遮光膜は、単一層に限らず、異なる材料の積層膜としてもよい。
本発明における遮光膜のシート抵抗は、レジスト膜を電子線描画しパターニングする際にチャージアップしない程度の導電性を有する必要がある。具体的には遮光膜のシート抵抗は、1MΩ/□以下、好ましくは0.5MΩ/□以下とするのが良い。
本発明のハーフトーン型位相シフトマスクブランクにおいて、前記遮光膜上に形成されるレジスト膜は、電子線描画する際に使用する電子線描画機の電極端子が遮光膜の周縁部で接触できるように、周縁部にレジスト膜の存在しない露出部が形成されていることが好ましい。電子線描画する際に使用する電子線描画機の電極端子が遮光膜の周縁部で接触できるように、周縁部にレジスト膜の存在しない露出部を設けることにより、電極端子が確実に遮光膜に接触させることができ、接触不良を防止することができる。
なお、周縁部に形成される露出部は、基板サイズや、マスクパターン形成領域の大きさ等によっても異なり一概には言えないが、通常は基板端面から数mm程度の範囲とするのが適当である。
本発明のハーフトーン型位相シフトマスクブランクに用いる前記透明基板としては、使用する露光波長に対して透明な基板であれば特に制限されない。透明基板として例えば、石英基板、その他各種ガラス基板(例えばソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス等)などが挙げられる。特に、石英基板は、たとえばArFエキシマレーザー(波長193nm)又はそれより短い波長の露光光に対して透明性が高いので好適である。
図1は、本発明のハーフトーン型位相シフトマスクブランクの実施の形態を層構成で示す断面図である。図1(a)は、透明基板1上に、金属と珪素とを含む位相シフト膜2と、遮光膜3とがこの順に形成されたハーフトーン型位相シフトマスクブランク10Aであり、上記透明基板1主表面上の周縁部に上記位相シフト膜2の存在しない露出部5が形成され、上記遮光膜3は、上記露出部5及び上記位相シフト膜2を覆うように形成されている。また、図1(b)は、透明基板1上に、金属と珪素とを含む位相シフト膜2と、遮光膜3と、レジスト膜4とがこの順に形成されたハーフトーン型位相シフトマスクブランク10Bであり、上記透明基板1主表面上の周縁部に上記位相シフト膜2の存在しない露出部5が形成され、上記遮光膜3は上記露出部5及び上記位相シフト膜2を覆うように形成され、上記レジスト膜4は周縁部にレジスト膜4が存在しない露出部6が形成されている。
本発明のハーフトーン型位相シフトマスクブランクは、石英基板等の透明基板上に、公知の薄膜形成法を用いて、位相シフト膜と遮光膜とを順次形成することによって製造される。透明基板主表面上の周縁部に上記位相シフト膜の存在しない露出部を形成するためには、例えば、位相シフト膜の成膜時に、透明基板の周縁部のみを覆う遮蔽板を配置して、位相シフト膜を成膜する方法が挙げられる。また、遮光膜上にレジスト膜を形成する場合には、スピンナー等による回転塗布法を好ましく用いることができる。
本発明では、位相シフト膜は、自乗平均平方根粗さ(RMS)で2nm以下となる緻密な膜であるため、例えば、低圧雰囲気中でスパッタリング成膜することにより形成することができる。位相シフト膜成膜の際に用いる雰囲気の圧力を低くすることにより、形成される位相シフト膜の密度を向上させ膜を緻密化することができる。低圧雰囲気としては、雰囲気中のガスの種類によっても多少異なるが、例えば0.2パスカル(Pa)以下とするのが効果的であり、さらに好ましくは0.1パスカル(Pa)以下とするのが望ましい。また、スパッタリング成膜法としては、例えば、DCスパッタリング、RFスパッタリング、イオンビームスパッタリングなどがあるが、本発明の位相シフト膜に含まれる金属と珪素との原子%の比率が、金属:珪素=1:2より大きい膜の場合、特にDCスパッタリングを用いると、膜の緻密化に好適である。
本発明のハーフトーン型位相シフトマスクブランクの遮光膜及び位相シフト膜をパターニングすることにより、微細な位相シフトパターンが正確に形成された位相シフトマスクが得られる。図2は、本発明のハーフトーン型位相シフトマスクブランクを用いた位相シフトマスクの製造工程の一例を示したものである。
先ず、ハーフトーン型位相シフトマスクブランク(前述の図1(b)に示すマスクブランク10B)のレジスト膜4に対して電子線描画機を用いて所定のパターン描画を行い、現像処理してレジストパターン4aを形成する(図2(a)参照)。
次に、上記レジストパターン4aをマスクにして、遮光膜3をエッチングし遮光膜パターン3aを形成する(図2(b)参照)。さらに、レジストパターン4aと遮光膜パターン3aをマスクにして、位相シフト膜2をエッチングし位相シフト膜パターン2aを形成する(図2(c)参照)。
次に、残存する上記レジストパターン4aを除去してから、再度全面にレジスト膜を形成し、上述と同様にして描画、現像処理、エッチングして、位相シフト膜パターン2a上に所望の遮光膜パターン3bを形成することにより、ハーフトーン型位相シフトマスク20Aを得る(図2(d)参照)。
尚、図2(d)に示す例は、マスクパターン形成領域以外の領域である周辺領域において、位相シフト膜上に遮光膜を形成したものである。この遮光膜は、この周辺領域を露光光が通過できないようにするものである。すなわち、位相シフトマスクは、縮小投影露光装置(ステッパー)のマスクとして用いられるが、この縮小投影露光装置を用いてパターン転写を行うときは、該露光装置に備えられた被覆部材(アパーチャー)によって位相シフトマスクの転写領域のみを露出させるように周縁領域を被覆して露光を行う。しかしながら、この被覆部材を、精度良く転写領域のみを露出させるように設置することは難しく、多くの場合、露出部が転写領域の外周周辺の非転写領域にはみ出てしまう。通常、マスクの非転写領域にはこのはみ出してきた露光光を遮断するために遮光膜が設けられる。ハーフトーン型位相シフトマスクの場合は、位相シフト膜が遮光機能を有しているが、この位相シフト膜は露光光を完全に遮断するものではなく、1回の露光によっては実質的に露光に寄与できない程度の僅かな量ではあるが露光光を通過させる。それゆえ、繰り返しのステップ時にこのはみ出しによって位相シフト膜を通過した露光光がすでにパターン露光がなされた領域に達して重複露光がされたり、或いは他のショットの際に同様にはみ出しによる僅かな露光がなされた部分に重ねて露光する場合が生じる。この重複露光によって、それらが加算されて露光に寄与する量に達して、欠陥が発生するという問題があった。マスクパターン形成領域以外の領域である周辺領域において位相シフト膜上に形成された上記遮光膜はこの問題を解消するものである。
また、図3に示すハーフトーン型位相シフトマスク20Bは、位相シフトマスクパターンが形成されている領域にあって、マスクパターンにおける光透過部(マスクパターンが形成されておらず透明基板が露出している部分)との境界部を除く部分に遮光膜(遮光膜パターン3c)を形成させておくことによって、本来は完全に遮光されることが望ましい部分の遮光をより完全にするようにしたものである。すなわち、マスクパターンが形成されている領域内にあっては、マスクパターンにおける位相シフト膜に本来要求される機能は、光透過部との境界部のみで位相をシフトさせた光を通過させればよく、他の大部分(上記境界部を除く部分)は、むしろ完全に遮光することが望ましいからである。
また、図4に示すハーフトーン型位相シフトマスク20Cは、位相シフトマスクパターン2aを形成した後、その上に形成されている遮光膜パターンを全て除去したものである。露光光に対する位相シフト膜の光透過率によっては上述の重複露光が問題とならない場合には、遮光膜を最終的に除去することが可能である。
なお、以上においては、位相シフト膜が単一層で位相シフト機能と遮光機能を兼ね備える場合を主に説明したが、位相シフト膜は専ら位相シフト機能を受け持ち、遮光機能は遮光膜が受け持つようにしてもよい。位相シフト膜は露光光に対する光透過率が比較的高い材質を選択することが出来る。この場合は、位相シフトパターン上には遮光膜パターンを形成しておく。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。
(実施例1)
図5に示すようなDCマグネトロンスパッタリング装置30を用い、ArFエキシマレーザー露光用ハーフトーン型位相シフトマスクブランクを作製した。なお、図5に示すDCマグネトロンスパッタリング装置30において、31は真空チャンバー、32はマグネトロンカソード、33は基板ホルダー、34はパッキングプレート、35はスパッタリングターゲット、36は排気口、37はガス導入口、38はDC電源、39は圧力計である。
具体的には、モリブデン(Mo)と珪素(Si)との混合ターゲット(Mo:Si=9mol%:91mol%)を用い、アルゴン(Ar)と窒素(N)との混合ガス雰囲気(Ar:N=10%:90%、圧力0.1Pa)で、反応性スパッタリングにより、基板主表面の周縁部(基板端面から3mm)を除いた合成石英ガラス基板上に、窒化されたモリブデン及び珪素(MoSiN)の位相シフト膜(膜厚:69nm)を形成した。この窒化されたモリブデン及び珪素の組成比は、原子%でそれぞれ、Mo:4.3原子%、Si:35.7原子%、N:60.0原子%であった。この組成比は、ラザフォード後方散乱分析法(RBS)にて測定した。
得られた位相シフト膜の表面粗さ(自乗平均平方根粗さRMS)を、原子間力顕微鏡(AFM)(測定領域1μm□)で測定したところ、0.8nmであった。また、二重リング電極法(3端子法)により表面抵抗率を測定したところ、5.3×1011Ωであった。尚、表面抵抗率は、日本工業規格JIS-K6911で定められた測定方法に基づき測定した値である。
次に、クロムターゲットを用い、アルゴン(Ar)と窒素(N)との混合ガス雰囲気(Ar:N=80%:20%、圧力0.1Pa)で、反応性スパッタリングにより、基板主表面の周縁部を含む基板主表面全面と、基板主表面と接して形成された面取り面全面の領域に、クロム窒化物(CrN)膜(膜厚:20nm)と、クロムターゲットを用い、アルゴン(Ar)とメタン(CH)との混合ガス雰囲気(Ar:CH=88%:12%、圧力0.1Pa)で、反応性スパッタリングにより、同じく基板主表面の周縁部を含む基板主表面全面と、基板主表面と接して形成された面取り面全面の領域に、クロム炭化物(CrC)膜(膜厚:40nm)と、クロムターゲットを用い、アルゴン(Ar)と一酸化窒素(NO)との混合ガス雰囲気(Ar:NO=80%:20%、圧力0.1Pa)で、反応性スパッタリングにより、同じく基板主表面の周縁部を含む基板主表面全面と、基板主表面と接して形成された面取り面全面の領域に、クロム酸化窒化物(CrON)膜(膜厚:10nm)からなる遮光膜を形成した。シート抵抗を測定したところ、75Ω/□であった。
次に、遮光膜上に電子線描画用化学増幅型レジスト膜を塗布形成した後、基板主表面の周縁部(基板端面から1.5mm)のレジスト膜を、レジスト膜周辺除去装置を用いて除去し、加熱処理して遮光膜上にレジスト膜を形成し、ハーフトーン型位相シフトマスクブランクを得た。
次に、得られたハーフトーン型位相シフトマスクブランクを電子線描画機にセットし、電子線描画機の電極端子を露出した遮光膜と接触させてレジスト膜に対して所定のパターン描画(電子線加速度:50keV)を行い、現像処理してレジストパターンを形成した。
次に、レジストパターンをマスクにして、塩素ガスと酸素ガスの混合ガスによるドライエッチングにより遮光膜をエッチングし遮光膜パターンを形成し、さらに、レジストパターンと遮光膜パターンをマスクにして弗素系ガスと酸素ガスの混合ガスによるドライエッチングにより位相シフト膜をエッチングして位相シフト膜パターンを形成した。
次に、残存している上記レジストパターンを除去した後、露出している位相シフト膜及び遮光膜を含む表面全面に再度レジスト膜を形成し、上述と同様にして描画、現像処理、エッチングして位相シフト膜パターン上に所望の遮光膜パターンを形成して本実施例のハーフトーン型位相シフトマスクを得た。
合成石英ガラス基板上に形成された位相シフト膜パターン、遮光膜パターンの寸法検査をしたところ、設計値どおりのパターンが形成されていることが確認された。
(実施例2、実施例3)
次に、実施例1における位相シフト膜成膜時の混合ガス雰囲気の圧力を0.4〜0.8Paと変化させて、位相シフト膜の緻密さを変化させた以外は実施例1と同様にして2種類のハーフトーン型位相シフトマスクブランクを作製した。得られた位相シフト膜の表面粗さ(自乗平均平方根粗さRMS)は、実施例2では1.3nm、実施例3では2nmであった。また、実施例1と同様にして位相シフト膜の表面抵抗率を測定したところ、実施例2では、5.1×10Ω、実施例3では、2.5×10Ωであった。
また、得られたハーフトーン型位相シフトマスクブランクを用いて実施例1と同様にしてハーフトーン型位相シフトマスクを作製した。上述と同様に、得られたハーフトーン型位相シフトマスクの位相シフト膜パターン、遮光膜パターンの寸法検査を行ったところ、設計値どおりのパターンが形成されており寸法精度は良好であることが確認された。
なお、位相シフト膜の緻密度を間接的に示す位相シフト膜表面の自乗平均平方根粗さ(RMS)が小さくなるに従って、表面抵抗率の値が大きくなることがわかる。
以上の実施例で示すように、位相シフト膜の表面抵抗率が高い場合であっても、形成されたパターンの寸法精度の非常に良好な結果となった。
(比較例)
次に、上述の実施例3において、遮光膜を形成しなかったこと以外は実施例3と同様にしてハーフトーン型位相シフトマスクブランク、ハーフトーン型位相シフトマスクを作製した。
その結果、位相シフト膜の表面抵抗率が2.5×10Ω以上であることにより、レジスト膜に対して電子線描画する際、チャージアップし、位相シフト膜パターンの寸法精度が大きく悪化する結果となった。
(a)と(b)はそれぞれ本発明のハーフトーン型位相シフトマスクブランクの実施の形態に係る層構成を示す断面図である。 (a)乃至(d)は本発明のハーフトーン型位相シフトマスクブランクを用いたハーフトーン型位相シフトマスクの製造工程を順に示す断面図である。 本発明のハーフトーン型位相シフトマスクの他の実施の形態に係る層構成を示す断面図である。 本発明のハーフトーン型位相シフトマスクの他の実施の形態に係る層構成を示す断面図である。 実施例で使用したDCマグネトロンスパッタリング装置の概略構成図である。
符号の説明
1 透明基板
2 位相シフト膜
3 遮光膜
4 レジスト膜
10A、10B ハーフトーン型位相シフトマスクブランク
20A、20B、20C ハーフトーン型位相シフトマスク

Claims (9)

  1. 透明基板上に、金属と珪素とを含み位相シフト機能を有する位相シフト膜と、遮光膜とがこの順に形成されたハーフトーン型位相シフトマスクブランクであって、
    前記位相シフト膜は、該位相シフト膜に含まれる金属と珪素との原子%の比率が、金属:珪素=1:2より大きい膜で構成され、かつ、自乗平均平方根粗さ(RMS)で2nm以下となる緻密な膜であって、
    前記遮光膜上に形成されるレジスト膜を電子線描画する際に使用する電子線描画機の電極端子が前記位相シフト膜には接触せず、前記遮光膜の周縁部に接触するように、前記透明基板主表面上の周縁部に前記位相シフト膜の存在しない露出部が形成され、
    前記遮光膜は、遮光膜上に形成されるレジスト膜を電子線描画しパターニングする際にチャージアップしない程度に導電性を有する材料とし、少なくとも前記露出部及び前記位相シフト膜を覆うように形成されていることを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスクブランク。
  2. 前記位相シフト膜の表面抵抗率は、2.5×108Ω以上であることを特徴とする請求項1記載のハーフトーン型位相シフトマスクブランク。
  3. 透明基板上に、金属と珪素とを含み位相シフト機能を有する位相シフト膜と、遮光膜とがこの順に形成されたハーフトーン型位相シフトマスクブランクであって、
    前記位相シフト膜の表面抵抗率は、2.5×108Ω以上であって、
    前記遮光膜上に形成されるレジスト膜を電子線描画する際に使用する電子線描画機の電極端子が前記位相シフト膜には接触せず、前記遮光膜の周縁部に接触するように、前記透明基板主表面上の周縁部に前記位相シフト膜の存在しない露出部が形成され、
    前記遮光膜は、遮光膜上に形成されるレジスト膜を電子線描画しパターニングする際にチャージアップしない程度に導電性を有する材料とし、少なくとも前記露出部及び前記位相シフト膜を覆うように形成されていることを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスクブランク。
  4. 前記遮光膜上に形成されたレジスト膜は、電子線描画する際に使用する電子線描画機の電極端子が前記遮光膜の周縁部で接触できるように、周縁部にレジスト膜の存在しない露出部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載のハーフトーン型位相シフトマスクブランク。
  5. 前記位相シフト膜は、露光波長に対し所定の透過率を有し、金属、珪素、窒素及び/又は酸素を主たる構成要素とする膜であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載のハーフトーン型位相シフトマスクブランク。
  6. 前記遮光膜は、クロム、窒素、及び炭素を含むクロム炭化窒化物を含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一に記載のハーフトーン型位相シフトマスクブランク。
  7. 前記位相シフト膜に含まれる金属と珪素との原子%の比率が、金属:珪素=1:4〜1:19の範囲であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一に記載のハーフトーン型位相シフトマスクブランク。
  8. 前記位相シフト膜の位相シフト量が160度〜200度、露光光に対する光透過率が2%〜20%であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一に記載のハーフトーン型位相シフトマスクブランク。
  9. 請求項1乃至の何れか一に記載のハーフトーン型位相シフトマスクブランクの前記遮光膜及び前記位相シフト膜をパターニングして位相シフトパターンが形成されてなることを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスク。
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