JP4586693B2 - 車両用コンソールの構造 - Google Patents

Description

本発明は、車両用コンソールの構造に関するものである。

従来より、車両のコンソールに買い物袋やハンドバックといった種々の物を載置できる構造とし、また、このコンソールに載置された物の一部（例えば、買い物袋やハンドバックの持ち手部分）を引っ掛けることができるフックをコンソールに形成する技術が知られている（例えば、以下の特許文献１参照）。
特開平１１−３３４４７４号公報

しかしながら、この特許文献１に記載されているフックに買い物袋の取っ手部分やカバンの持ち手部分を引っ掛けても車両の揺動などにより容易に外れてしまい、物をコンソール上に安定した状態で載置することができないという課題がある。
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、物を確実に載置することを可能としながらユーザの利便性を高めた、車両用コンソールの構造を提供することを目的とする。

上記目的を達成するため、本発明の車両用コンソールの構造（請求項１）は、車両用コンソールの構造であって、物が載置され、前縁部が円弧状に形成された載置部と、該載置部と一体に形成され該載置部の該前縁部から上方に立設し、前方が凸となるように円弧状に湾曲すると共に上端が下端より前方に位置するように傾斜し、かつ、該載置部の右側の縁部へ向けて突出して形成された右側突出し部と、該載置部の左側の縁部へ向けて突出した左側突出し部とを有する壁部と、該右側突出し部の上端および該左側突出し部の上端にそれぞれ形成された穴部と、該右側突出し部の上端および該左側突出し部の上端にそれぞれその一端が該穴部の該載置部の側の縁部に固設されるとともにその他端が該穴部上に配設されたフック部材とをそなえることを特徴としている。

また、請求項２記載の本発明の車両用コンソールの構造は、請求項１記載の内容において、該フック部材は、該一端から上方へ凸に湾曲した第１湾曲部と、該他端から下方へ凸に湾曲した第２湾曲部とをそなえることを特徴としている。
また、請求項３記載の本発明の車両用コンソールの構造は、請求項２記載の内容において、該フック部材の第２湾曲部は、その下端が該穴部の縁部と実質的に同じ高さとなるように配設されていることを特徴としている。

また、請求項４記載の本発明の車両用コンソールの構造は、請求項１〜３いずれか１項記載の内容において、該フック部材は、該他端が該穴部の縁部よりも上方に位置し且つ上方に向けて配設されていることを特徴としている。
また、請求項５記載の本発明の車両用コンソールの構造は、請求項１〜４いずれか１項記載の内容において、該載置部，該壁部および該フック部材が、樹脂により一体に形成されていることを特徴としている。

本発明の車両用コンソールの構造によれば、物の一部（例えば、買い物袋やハンドバックの持ち手部分など）をフック部材に引っ掛けて保持することができるため、車両が揺動した場合であっても物を載置部上に安定した状態で確実に載置することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
また、フック部材の両方或いは一方に対して、ユーザは載置部に載置した荷物を容易に引っ掛けることができ、さらなる利便性の向上に寄与することができる。
また、持ち手部分が引っ掛けられた買い物袋やカバンなどを壁部に当接させ、且つ、左右方向に揺動することを防ぐことができる。（請求項１）
また、ユーザは買い物袋やカバンの持ち手部分といった物の一部を、フック部材の一端側へ向けて第２湾曲部に沿って第１湾曲部内に容易に挿入することができる。また、第１湾曲部内で保持された買い物袋やカバンの持ち手部分などは、ユーザが意図的に第１湾曲部内からフック部材の他端側へ引き抜かない限り容易には外れないため、フック部材による物の保持を確実としながら、ユーザの利便性を更に高めることができる。（請求項２）
また、第２湾曲部の下端が穴部の縁部と実質的に同じ高さとなるように配設されているので、ユーザは、買い物袋の取っ手部分やカバンの持ち手部分といった物の一部を穴部の縁部に沿ってフック部材の一端側へ移動させるだけで、この物の一部をフック部材に容易に引っ掛けることができるため、ユーザの利便性向上にさらに寄与することができる。（請求項３）
他端が穴部の縁部よりも上方に位置し且つ上方に向けて配設されているので、ユーザは荷物を容易にフック部材に引掛けることができ、ユーザの利便性をさらに高めることができる。（請求項４）
載置部，壁部およびフック部材を、すべて樹脂により一体に形成することで、生産効率および作業効率を高めながら、コストを抑制することができる。（請求項５）

以下、図面により、本発明の一実施形態に係る車両用コンソールの構造について説明すると、図１はその全体構成を示す模式的な斜視図、図２はその要部構成を示す模式的な断面図である。
図１に示すように、車両用コンソール１０は、載置部１１，周壁部１２，壁部１３，穴部１４，およびフック部材１５により主に構成されている。なお、図１中矢印「前」にて示すように、このコンソールのうち、壁部が形成された側を前方として説明する。

これらのうち、載置部１１は、例えば、買い物袋，カバン，鍵，携帯電話といった種々の物が載置される部分であって、略楕円形に形成された平面（底面）である。なお、これらの、買い物袋，カバン，鍵，携帯電話といった種々の物を、単に「物」として記載する場合がある。
また、この載置部１１には、６つのボス部１６が形成されており、コンソール１０とは別体の部品であるトレイ２０をはめ込んだ後、ネジ２１をこれらのボス部１６のいくつかに螺合させることで、このトレイ２０を載置部１１に対して固定することができるようになっている。

また、周壁部１２は、この載置部１１を取り囲んで上方に立設しており、載置部１１に載置された物が、この載置部１１から容易に飛び出すことを防ぐことができるようになっている。
また、壁部１３は、載置部１１の前縁である円弧部分１１Ａから上方へ向けて立設しており、その上端にはコンソール１０の上方に配設されるインストルメントパネル（図示略）近傍にまで達するように形成されている。

なお、この壁部１３は、載置部１１の右側の縁部へ向けて突出して形成された右側突出し部（一側突出し部）１３Ａと、載置部１１の左側の縁部へ向けて突出した左側突出し部（他側突出し部）１３Ｂとを有している。
また、この壁部１３は、載置部１１の円弧部分１１Ａに沿うように前方が凸となるように湾曲して形成され、また、下端よりも上端が僅かに前方に位置するように傾斜して形成されている。

また、穴部１４は、壁部１３の右側突出し部１３Ａの上端および左側突出し部１３Ｂの上端において、それぞれ１つずつ略四角形に形成された穴である。
また、フック部材１５は、図２に示すように、壁部１３の上端にその一端１５Ａが固設されるとともに、その他端１５Ｂが車両前方に延設されて穴部１４上に配設されたものであって、載置部１１に載置された買い物袋，カバンなどの持ち手部分が引っ掛けられるように形成されている。また、この穴部１４は、その全周がフック部材１５よりも大きくなるように形成されており、また、このフック部材１５は、上面からみて周囲が穴部１４によって囲まれた状態で配設されている。

また、このフック部材１５は、その一端１５Ａから上方へ凸に湾曲した第１湾曲部１５Ｃと、その他端１５Ｂから下方へ凸に湾曲した第２湾曲部１５Ｄとが設けられており、略Ｓ字状に一体に形成されている。
また、このフック部材１５の第２湾曲部１５Ｄの下端が、穴部１４の縁部と実質的に同じ高さとなるように配設されている。

また、このフック部材１５は、他端１５Ｂが穴部１４の縁部よりも上方に位置し且つ上方に向けて配設されている。
なお、このコンソール１０は全て樹脂製であって、載置部１１，周壁部１２，壁部１３，フック部材１５、そして、フック部材１５の第１および第２湾曲部１５Ｃ，１５Ｄは全て一体に形成されている。

本発明の一実施形態に係る車両用コンソールの構造は上述のように構成されているので、以下のような作用および効果を奏する。
載置部１１を取り囲んで上方に立設する周壁部１２がそなえられているので、載置部１１に載置された物が、この載置部１１から容易に飛び出すことを防ぐことができる。
また、この載置部１１には、ボス部１６が形成されているので、コンソールとは別体の部品（例えば、図１に示すトレイ２０など）をはめ込んだ後、ネジ２１をこれらのボス部１６に螺合させることにより、この別体部品を載置部１１に対して確実に固定することができる。

また、載置部１１の前方から上方へ向けて立設した壁部１３のうち、載置部１１の右側の縁部へ向けて突出して形成された右側突出し部１３Ａの上端および載置部１１の左側の縁部へ向けて突出した左側突出し部１３Ｂの上端には、それぞれ、穴部１４およびフック部材１５が設けられているので、ユーザは、これらのフック部材１５の一方或いは両方に、載置部１１に載置された買い物袋，カバンなどの取っ手部分や持ち手部分を引っ掛けることができる。

また、壁部１３は、載置部１１の円弧部分１１Ａに沿うように前方が凸となるように湾曲して形成され、また、下端よりも上端が僅かに前方に位置するように傾斜して形成されているので、持ち手部分が引っ掛けられた買い物袋やカバンなどを壁部１３に当接させ、且つ、左右方向に揺動することを防ぐことができる。
また、図２に示すように、フック部材１５は、その一端１５Ａから上方へ凸に湾曲した第１湾曲部１５Ｃと、その他端１５Ｂから下方へ凸に湾曲した第２湾曲部１５Ｄとが形成されているので、ユーザは、買い物袋の取っ手部分やカバンの持ち手部分といった物の一部を、フック部材１５の一端１５Ａ側へ向けて第２湾曲部１５Ｄに沿って第１湾曲部１５Ｃ内に容易に挿入することができる（図２中矢印Ａ参照）。

また、第１湾曲部１５Ｃ内で保持された買い物袋の取っ手部分やカバンの持ち手部分などは、ユーザが意図的にフック部材１５の他端１５Ｂ側へ引き抜かない限り、容易には外れないため、フック部材１５による物の保持を確実としながら、ユーザの利便性を更に高めることができる。
また、このフック部材１５の第２湾曲部１５Ｄの下端が、穴部１４の縁部と実質的に同じ高さとなるように配設されているので、ユーザは、買い物袋の取っ手部分やカバンの持ち手部分といった物の一部を穴部１４の縁部に沿ってフック部材１５の一端１５Ａ側へ移動させるだけで（図２中矢印Ａ参照）、この物の一部をフック部材１５に容易に引っ掛けることができ、さらなるユーザの利便性向上に寄与することができる。

また、このフック部材１５は、他端１５Ｂが穴部１４の縁部よりも上方に位置し且つ上方に向けて配設されているので、ユーザは手荷物を容易にフック部材１５に引掛けることができ、ユーザの利便性をさらに高めることができる。
また、このコンソール１０は全て樹脂製であって、載置部１１，周壁部１２，壁部１３，フック部材１５、そして、フック部材１５の第１および第２湾曲部１５Ａ，１５Ｂは全て一体に形成されているので、生産効率および作業効率を高めながら、コストを抑制することができる。

また、フック部材１５が樹脂により形成されているので、買い物袋の取っ手部分やカバンの持ち手部分といった物の一部を穴部１４の縁部に沿ってフック部材１５の一端１５Ａ側へ移動させる際に、フック部材１５は、その他端１５Ｂが上方へ変位するように弾性変形するため、ユーザは手荷物を容易にフック部材１５に引掛けることができ、さらに、フック部材１５の弾性力により手荷物を確実に保持することができる。

以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上述の実施形態においては、ボス部１６を６つ形成した場合を例にとって説明したが、ボス部１６の数はコンソールの大きさや別体部品の大きさ，重量などによって種々変更することが可能である。

本発明の一実施形態に係る車両用コンソールの構造の全体構成を示す模式的な斜視図である。 本発明の一実施形態に係る車両用コンソールの構造の要部構成を示す模式的な断面図である。

符号の説明

１１ 載置部
１３ 壁部
１４ 穴部
１５ フック部材
１３Ａ 右側突出し部（一側突出し部）
１３Ｂ 左側突出し部（他側突出し部）
１５Ｃ 第１湾曲部
１５Ｄ 第２湾曲部

Claims (5)

1. 車両用コンソールの構造であって、
   物が載置され、前縁部が円弧状に形成された載置部と、
   該載置部と一体に形成され該載置部の該前縁部から上方に立設し、前方が凸となるように円弧状に湾曲すると共に上端が下端より前方に位置するように傾斜し、かつ、該載置部の右側の縁部へ向けて突出して形成された右側突出し部と、該載置部の左側の縁部へ向けて突出した左側突出し部とを有する壁部と、
   該右側突出し部の上端および該左側突出し部の上端にそれぞれ形成された穴部と、
   該右側突出し部の上端および該左側突出し部の上端にそれぞれその一端が該穴部の該載置部の側の縁部に固設されるとともにその他端が該穴部上に配設されたフック部材とをそなえる
   ことを特徴とする、車両用コンソール構造。
2. 該フック部材は、
   該一端から上方へ凸に湾曲した第１湾曲部と、
   該他端から下方へ凸に湾曲した第２湾曲部とをそなえる
   ことを特徴とする、請求項１記載の車両用コンソールの構造。
3. 該フック部材の第２湾曲部は、その下端が該穴部の縁部と実質的に同じ高さとなるように配設されている
   ことを特徴とする、請求項２記載の車両用コンソールの構造。
4. 該フック部材は、該他端が該穴部の縁部よりも上方に位置し且つ上方に向けて配設されている
   ことを特徴とする、請求項１〜３いずれか１項記載の車両用コンソールの構造。
5. 該載置部，該壁部および該フック部材が、樹脂により一体に形成されている
   ことを特徴とする、請求項１〜４いずれか１項記載の車両用コンソールの構造。

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