JP4586503B2 - 液晶配向剤、配向膜および該配向膜を有する液晶表示素子 - Google Patents

液晶配向剤、配向膜および該配向膜を有する液晶表示素子 Download PDF

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本発明は、特定式で表される配向膜上の液晶層の配向度Δを0.05以上にすることができる、一軸配向性の高い配向膜、その配向膜を形成することができる液晶配向剤、および該配向膜を有する液晶表示素子に関する。
液晶表示素子はノートパソコンやデスクトップパソコンのモニターをはじめ、ビデオカメラのビューファインダー、投写型のディスプレイなどの様々な液晶表示装置に使われており、最近ではテレビとしても用いられるようになってきた。さらに、光プリンターヘッド、光フーリエ変換素子、ライトバルブなどのオプトエレクトロニクス関連素子としても利用されている。従来の液晶表示素子としては、ネマチック液晶を用いた表示素子が主流であり、90度ツイストしたTN(Twisted Nematic)型液晶表示素子、通常180度以上ツイストしたSTN(Super Twisted Nematic)型液晶表示素子、薄膜トランジスタを使用したいわゆるTFT(Thin−film−transistor)型液晶表示素子が実用化されている。
しかしながら、これらの液晶表示素子は画像が適正に視認できる視野角が狭く、斜め方向から見たときに、輝度やコントラストの低下、および中間調での輝度反転を生じるという欠点を有している。近年、この視野角の問題については、光学補償フィルムを用いたTN型液晶表示素子、垂直配向と突起構造物の技術を併用したMVA(Multi−domain Vertical Alignment)型液晶表示素子、または横電界方式のIPS(In−Plane Switching)型液晶表示素子(特許文献1〜3参照)などの技術により改良され、それらの素子は実用化されている。
液晶表示素子の性能を表す指標の一つとして黒表示の輝度に対する白表示の輝度の比率であるコントラストが用いられている。一般的に白表示の輝度は大きく変わらないため、コントラストは分母の黒表示の輝度に大きく左右される。したがって、コントラストを高めるためには黒表示の輝度を下げることが重要である。この黒表示の輝度を下げる方法としては、例えば旋光モードのTN型液晶表示素子においては、液晶のΔn(複屈折)とセルギャップをファーストミニマム条件に最適化する方法(非特許文献1参照)等が挙げられるが、配向膜の一軸配向性が充分でないと、オーダーパラメーターで表される液晶の配向方向の分布に起因する光漏れにより、黒表示特性が悪化することがある。
特に、IPS型液晶表示素子は、一般的にクロスニコル下で片方の偏光板の方向に液晶の配向方向を合わせることにより、電圧の無印加時に黒表示を行うノーマリーブラック表示である。このような素子構成のとき、液晶の配向方向の分布に起因する光漏れが顕著であり、黒表示特性が悪化し易く問題である。さらに、IPS型液晶表示素子においてもラビング処理により配向膜は一軸配向性を付与される。しかし、櫛歯状に配置された電極の段差近傍の領域が特にラビング処理されにくいことから、配向膜の一軸配向性は不完全となる。この領域は、無秩序な方向に配向するため光漏れが生じてコントラストの悪化を招いていた。
以上の様に、液晶表示素子のコントラストを向上するためには、一軸配向性の高い配向膜を用いて液晶の分子配向状態を制御することが重要である。
これまで、ラビング処理により配向処理を施された配向膜上における液晶の配向機構として、次の2つが提案されている。
(1)ラビング処理により発生するマイクログループに起因する表面形状効果
(2)ラビング処理により一軸配向した配向膜と該配向膜と接する液晶との分子間相互作用
近年では(1)の表面形状効果の寄与は比較的小さく、(2)の分子間相互作用の寄与が支配的であることが確認されている。したがって、一軸配向性の高い配向膜を用いることにより、配向膜に接している液晶の分子配向状態を制御して液晶表示素子としての性能を改善することが期待できる。
特公昭63−21907号公報 特開平6−160878号公報 特開平9−15650号公報 吉野勝美、尾崎雅則共著、液晶とディスプレイ応用の基礎、コロナ社、P107〜109
本発明の課題は、配向膜上の液晶に良好な分子配向状態を付与することのできる配向膜、その配向膜を形成することのできる液晶配向剤、および該配向膜を有する、黒表示特性の良好な液晶表示素子を提供することである。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、次式(1)で表される、配向膜上の液晶層の配向度Δを0.05以上にすることができる配向膜が得られ、該配向膜を有する液晶表示素子が黒表示特性が飛躍的に改善された液晶表示素子になることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成した。
Figure 0004586503
式中、A‖は配向処理方向に平行な偏光成分を有する赤外光を液晶層に入射させたときの液晶層の特性基振動による吸光度であり、A⊥は配向処理方向に垂直な偏光成分を有する赤外光を液晶層に入射させたときの液晶層の特性基振動による吸光度である。
本発明は、下記から構成される。
[1]式(1)で表される配向膜上の液晶層の配向度Δを0.05以上にすることができる液晶配向膜。
[2]液晶層の配向度Δが0.05〜1.0である前記[1]項記載の液晶配向膜。
[3]液晶が下記構造の化合物(以下8CBと略記する)を用いた場合である[1]または[2]項に記載の液晶配向膜。
Figure 0004586503
[4]配向膜の配向処理条件が毛足押し込み量0.2〜0.8mm、ステージ移動速度5〜250mm/sec、ローラー回転速度500〜2,000rpmでラビング処理することである[1]〜[3]の何れか1項に記載の液晶配向膜。
[5]液晶配向膜が以下に示すテトラカルボン酸二無水物の少なくとも1種と、以下に示すジアミンの少なくとも1種から得られるポリイミドである[1]〜[4]項の何れか1項に記載の液晶配向膜。ただし、下記式中のnは1〜20の整数であり、Rは水素または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。シクロヘキサン環およびベンゼン環の任意の水素は、ハロゲンまたは炭素数1〜5のアルキルで置き換えられてもよい。
Figure 0004586503
Figure 0004586503







Figure 0004586503






Figure 0004586503















Figure 0004586503






Figure 0004586503






Figure 0004586503






Figure 0004586503






Figure 0004586503
[6]液晶として8CBを用い、配向膜の配向処理条件が毛足押し込み量0.2〜0.8mm、ステージ移動速度5〜250mm/sec、ローラー回転速度500〜2,000rpmでラビング処理し、配向膜として[5]項に記載されたポリイミドを用いた[1]項に記載の配向膜。
[7]ポリイミドのテトラカルボン酸二無水物成分が式1−1、式1−2、式1−7、式1−13、式1−17、式1−18、式1−19、式1−20、式1−27、式1−28、および式1−29のそれぞれで表されるテトラカルボン酸二無水物から選択される少なくとも1種である[5]または[6]項に記載の液晶配向膜。
[8]ポリイミドのジアミン成分が式2−5、式2−6、式2−9、式2−10、式2−11、式2−12、式2−13、式2−14、式2−15、式2−16、式2−17、式2−18、式2−19、式2−20、式2−30、式2−35、式2−39、式2−40、式2−41、式2−42、式2−43、および式2−56のそれぞれで表されるジアミンから選択される少なくとも1種である[5]〜[7]項の何れか1項に記載の液晶配向膜。ここに、前記式中のnは2〜10の整数であり、ベンゼン環の任意の水素は、ハロゲンまたは炭素数1〜5のアルキルで置き換えられてもよい。
[9]ポリイミドのジアミン成分が式2−5、式2−6、式2−9、式2−10、式2−11、式2−12、式2−13、式2−14、式2−15、式2−16、式2−17、式2−18、式2−19、式2−20、式2−30、式2−35、式2−39、式2−40、式2−41、式2−42、式2−43、および式2−56のそれぞれで表されるジアミンから選択される少なくとも1種である[5]〜[7]項の何れか1項に記載の液晶配向膜。ここに、前記式中のnは2〜10の整数である。
[10][5]〜[9]項の何れか1項に記載のポリイミドまたはその前駆体であるポリアミック酸を含有する液晶配向剤。
[11][1]〜[9]項の何れか1項に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
本発明によれば、特に優れた黒表示特性を有する液晶表示素子、該液晶表示素子を実現するための一軸配向性の高い配向膜および該配向膜を形成することが可能な液晶配向剤を提供することができる。
本発明は、配向膜上の液晶層の配向度Δが0.05以上の、一軸配向性の高い配向膜を用いることにより、優れた黒表示特性を有する液晶表示素子を実現したものである。この様な配向膜は、後述するポリマーを含有する本発明の液晶配向剤から作成された塗膜の表面を、適切な方法(例えば後述する方法)でラビングすることにより得られる。
本発明では、前記式(1)で表される、配向膜上の液晶層の配向度Δにより液晶の分子配向状態を評価する。
配向膜の配向処理方法としてはラビング法、光配向法、転写法などが一般に知られているが、本発明の目的が達成される範囲内である限り同様に適用可能である。本発明における配向処理方向とは、ラビング法の場合はラビングローラーの回転方向、光配向法の場合は配向処理に用いる光の偏光方向、転写法の場合は転写元の基板等の配向方向のことをいう。
配向膜上の液晶層の配向度Δは、偏光赤外光を用いた赤外線吸収分光法により評価することができる。この方法は、試料に直交する2つの直線偏光赤外光を入射したときの赤外線吸収量が分子配向方位によって違うという赤外二色性を検出して、分子配向を評価するものである。すなわち、赤外線分光光度計(好ましくはFT−IR)の光源と液晶層を有する試料を保持する試料ホルダーとの間に偏光子を配置し、配向処理方向が偏光子の偏光方向と平行になるようにして試料ホルダーに前記試料を固定し、赤外吸光度を測定する。次に、試料を試料ホルダーに固定した状態で試料ホルダーを90度回転させて偏光子を通過した偏光赤外光が配向処理方向と垂直に試料に入射するようにして赤外吸光度を測定する。このようにして得られた赤外吸光度において、強い吸収(ピーク)を示す波長における値からΔが算出される。なお、この方法の適用範囲は、シリコンやフッ化カルシウム(ホタル石:CaF)など赤外光が透過する基板上に作成された試料に限られる。赤外光はガラス基板を透過しないため、この方法は、ガラス基板上に作成した試料の分子配向を測定できない。
本発明に係わる配向度Δを測定するために液晶層を形成する液晶組成物は、8CBが用いられる。8CBの化学構造を下記に示す。
8CB
Figure 0004586503
本発明における液晶層の特性基振動数は、例えば強い赤外線吸収スペクトルのピークは2225cm−1付近(C≡N伸縮振動)、1510cm−1付近(ベンゼン環のC−C伸縮振動)などに現れる。配向膜等の特性基振動数と重ならない限りどの赤外線吸収スペクトルのピークを用いてもよいが、例えば2225cm−1付近(C≡N伸縮振動)の吸光度より配向度Δを評価するのが好ましい。本発明における2225cm−1付近の吸光度とは、2175〜2275cm−1の範囲にある吸光スペクトルの最大値のピーク高さを示す。
本発明においては配向膜上の液晶層の配向度Δを評価する。液晶分子間の長距離相互作用の影響を避けるためには、配向膜上の液晶層は単分子層であることが好ましい。しかしながら、液晶分子間の長距離相互作用の影響が小さく本発明の目的を損なわない限り、たとえ単分子層以上の厚さであったとしても特に問題ではない。
本発明における液晶層は蒸着法により形成する。蒸着条件は大気中または真空中(10−1〜10−6Pa)にて、好ましくは20〜200℃、より好ましくは25〜120℃にて、好ましくは5〜600分間、より好ましくは10〜180分間蒸着処理を実施する。特に、液晶単分子層を形成する場合、その蒸着量は、配向膜上の液晶単分子層のみから光第二高調波が発生することを利用して、光第二高調波発生(SHG)の信号強度をモニターしながら、SHG強度が飽和したとき蒸着を止めることにより決定する(伊藤 et al. 液晶討論会第23回、3PB06、P420〜421参照)。
なお、上記の方法で形成された液晶単分子層の吸光度の和(A‖+A⊥)が既知の場合、得られるサンプルのA‖+A⊥が好ましい範囲になるように蒸着条件を設定して、液晶層を形成することができる。8CBを用いた場合は、液晶単分子層のA‖+A⊥はおよそ0.0003であることから、液晶層のA‖+A⊥が0.0002〜0.0006の範囲が好ましく、0.0002〜0.0004の範囲であることが更に好ましい。A‖+A⊥が、0.0002以上であれば液晶層の厚さは十分であり、0.0006以下であれば液晶分子間の長距離相互作用の影響が小さいため、配向膜に接している8CBの分子配向状態を評価することができる。
また、本発明の配向膜上の液晶層の赤外吸収スペクトルの吸光度は、特に液晶単分子層を形成した場合などにおいて、試料1枚あたりのピーク強度が弱すぎて評価不能となる場合がある。このような場合は、2〜10枚の試料を重ねて赤外吸収スペクトルを測定することによりS/N比を向上させて評価する(伊藤 et al. 液晶討論会第23回、3PB06、P420〜421参照)。
本発明の液晶表示素子用の配向膜は、前記式(1)で表される配向膜上の液晶層の配向度Δが0.05以上、好ましくは0.05〜1.0、さらに好ましくは0.1〜1.0の配向膜である。液晶層の配向度Δが0.05以上であれば分子配向性が実用的に充分であり、得られる液晶表示素子の黒表示特性は良好となる。
本発明の液晶表示素子用の配向膜の膜厚は、通常10〜500nm、好ましくは30〜200nmである。
本発明に係わる液晶層の上記配向度Δを有する配向膜を形成することができる液晶配向剤は、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、可溶性ポリイミド、ポリアミドイミドなどの高分子成分を溶剤に溶解した状態のワニス組成物である。この液晶配向剤を基板上に塗布し、溶剤を乾燥したのち配向処理を施すことにより配向膜が形成される。該高分子成分は、ランダム共重合体、ブロック共重合体などの共重合体であってもよく、複数種の高分子成分を併用してもよい。
配向膜を形成するための特に好ましい液晶配向剤は、テトラカルボン酸二無水物などとジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸、該ポリアミック酸の脱水反応などによって得られる溶媒に可溶性のポリイミドである。
該ポリアミック酸、可溶性ポリイミドを与えるテトラカルボン酸二無水物は、芳香環に直接カルボン酸無水物基が結合した芳香族系(複素芳香環系を含む)、芳香環に直接カルボン酸無水物基が結合していない脂肪族系(複素環系を含む)の何れの群に属するものであってもよい。該ポリアミック酸、該ポリアミック酸の脱水反応などによって得られる可溶性ポリイミドは、液晶表示素子の電気特性の低下原因となりやすいエステルやエ−テル結合などの酸素や硫黄を含まない構造のものが好ましい。しかし、そのような構造を有していてもこれらの特性に悪影響を与えない範囲内の使用量であれば何ら問題とはならない。
本発明で用いることのできるテトラカルボン酸二無水物の具体例は前記1−1〜1−38である。
これらの中で、式1−1、式1−2、式1−7、式1−13、式1−17、式1−18、式1−19、式1−20、式1−27、式1−28、および式1−29で表されるテトラカルボン酸二無水物が好ましい。さらに好ましくは式1−1、式1−7、式1−13、式1−17、式1−19、式1−20、および式1−29で表されるテトラカルボン酸二無水物である。
本発明で用いることのできるテトラカルボン酸二無水物はこれらに限定されることなく、本発明の目的が達成される範囲内で他にも種々の形態が存在することはいうまでもない。また、これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
脂肪族系テトラカルボン酸二無水物は電圧保持率などの電気的特性に優れている。しかし、脂肪族系テトラカルボン酸二無水物はプレチルト角などの配向特性にやや難点があり、特に180℃以下の低温焼成のときは配向が崩れやすいことがある。一方、芳香族系テトラカルボン酸二無水物は配向安定性に優れているが、電気的特性に関しては、脂肪族系テトラカルボン酸二無水物を用いた方がむしろ好ましい。したがって、芳香族系テトラカルボン酸二無水物と脂肪族系テトラカルボン酸二無水物を併用した方がより好ましい。
本発明の液晶配向剤の高分子成分であるポリアミック酸、可溶性ポリイミドを与えるジアミンの具体例は前記2−1〜2−56である。下記の具体例中におけるnは1〜20の整数である。Rは水素または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。シクロヘキサン環およびベンゼン環の任意の水素は、ハロゲンまたは炭素数1〜5のアルキルで置き換えられてもよい。好ましいこれらの環は、ハロゲンまたは炭素数1〜5のアルキルで置き換えられていない環である。
これらの中で、式2−5、式2−6、式2−9、式2−10、式2−11、式2−12、式2−13、式2−14、式2−15、式2−16、式2−17、式2−18、式2−19、式2−20、式2−30、式2−35、式2−39、式2−40、式2−41、式2−42、式2−43、および式2−56で表されるジアミンが好ましい。さらに好ましくは、直鎖状のアルキレンを有する式2−12、式2−13、式2−14、式2−15、式2−16、式2−17、式2−18、式2−19、式2−20、および式2−39で表される芳香族ジアミンの中でnが2〜10であるジアミン、またはベンゼン環のメタ位にアミノを有する式2−6および式2−43で表されるジアミン、ベンゼン環の3,3’−位にアミノを有する式2−10、式2−13、式2−16および式2−20で表されるジアミン、ベンゼン環の3,4’−位にアミノを有する式2−11および式2−14で表されるジアミンである。より一層好ましいジアミンは式2−12、式2−13、式2−14、式2−39、式2−42及び式2−43で表されるジアミンであり、この場合では、式中のnは2〜10の整数であり、ベンゼン環の任意の水素は、ハロゲンまたは炭素数1〜5のアルキルで置き換えられてもよい。これらのジアミンを用いることにより、特に一軸配向性の高い配向膜を形成することができ、高い配向度Δが得られやすい。
また、コレステリル、アンドロステリル、β−コレステリル、エピアンドロステリル、エリゴステリル、エストリル、11α−ヒドロキシメチルステリル、11α−プロゲステリル、ラノステリル、メチルテストロステリル、ノレチステリル、プレグネノニル、β−シトステリル、スチグマステリル、テストステリル、酢酸コレステロ−ルエステルなどのステロイド骨格の側鎖を有するジアミンを挙げることができる。
さらに、本発明で用いることのできる前述のジアミンと併用することができるその他のジアミンとして、シロキサン結合を有するシロキサン系ジアミンを挙げることができる。該シロキサン系ジアミンは特に限定されるものではないが、式(2)で表されるものが本発明において好ましく使用することができる。
Figure 0004586503
式中、RおよびRは独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、Rはメチレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンである。xは1〜6の整数であり、yは1〜10の整数である。
本発明で用いることのできるジアミンはこれらに限定されることなく、本発明の目的が達成される範囲内で他にも種々の形態が存在することはいうまでもない。また、これらのジアミンは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
一方、本発明で用いることのできるジアミンについても前述したテトラカルボン酸二無水物と同様に、芳香環に直接アミノ基が結合した芳香族系(複素芳香環系を含む)、芳香環に直接アミノ基が結合していない脂肪族系(複素環系を含む)の何れの群に属するものであってもよい。中でも環構造を有する芳香族および環構造を有する脂肪族のジアミンは、液晶層の配向性を良好に保つため好ましい。さらに、液晶表示素子の電気特性の低下原因となりやすいエステルやエ−テル結合などの酸素や硫黄を含まない構造のものが好ましい。しかし、そのような構造を有していてもこれらの特性に悪影響を与えない範囲内の使用量であれば何ら問題とはならない。
さらに、これらのテトラカルボン酸二無水物およびジアミン以外にポリアミック酸、可溶性ポリイミドの反応末端を形成する、モノアミン化合物、または/およびモノカルボン酸無水物を併用することも可能である。基板への密着性をよくするために、アミノシリコン化合物を導入することもできる。
アミノシリコン化合物の例は、パラアミノフェニルトリメトキシシラン、パラアミノフェニルトリエトキシシラン、メタアミノフェニルトリメトキシシラン、メタアミノフェニルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシランなどである。
本発明で用いるポリアミック酸または可溶性ポリイミドの分子量は、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、好ましくは10,000〜500,000、さらに好ましくは20,000〜200,000である。
本発明の液晶配向剤中の高分子成分の濃度は、特に限定されないが0.1〜40重量%が好ましい。該液晶配向剤を基板に塗布するときには、膜厚調整のため含有されている高分子成分を予め溶剤により希釈する操作が必要とされることがある。高分子成分の濃度が40重量%以下であると液晶配向剤の粘度が最適となり、膜厚調整のために液晶配向剤を希釈する必要があるときに、液晶配向剤に対して溶剤を容易に混合できるため好ましい。スピンナ−法や印刷法などの塗布方法のときには膜厚を良好に保つために、通常10重量%以下とすることが多い。その他の塗布方法、例えばディッピング法やインクジェット法ではさらに低濃度とすることもあり得る。一方、高分子成分の濃度が0.1重量%以上であると、得られる配向膜の膜厚が最適となり易い。従って高分子成分の濃度は、通常のスピンナ−法や印刷法などの塗布方法では0.1重量%以上、好ましくは0.5〜10重量%である。しかしながら、該液晶配向剤の塗布方法によっては、さらに希薄な濃度で使用してもよい。
本発明の液晶配向剤において前記高分子成分と共に用いられる溶剤は、高分子成分を溶解する能力を持った溶剤であれば格別制限なく適用可能である。かかる溶剤は、ポリアミック酸、可溶性ポリイミドなどの高分子成分の製造工程や用途方面で通常使用されている溶剤を広く含み、使用目的に応じて、適宜選択できる。これらの溶剤を例示すれば以下のとおりである。ポリアミック酸や可溶性ポリイミドに対し親溶剤である非プロトン性極性有機溶剤の例として、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N,Nジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、ジエチルアセトアミド、γ−ブチロラクトンなどのラクトンを挙げることができる。塗布性改善などを目的とした他の溶剤の例としては、乳酸アルキル、3−メチル−3−メトキシブタノール、テトラリン、イソホロン、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのジエチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールモノアルキルまたはフェニルアセテート、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル、マロン酸ジエチルなどのマロン酸ジアルキル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、これらアセテート類などのエステル化合物を挙げることができる。これらの中で、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどを特に好ましく用いることができる。
本発明の液晶配向剤は、必要により各種の添加剤を含むことができる。例えば、塗布性の向上を望むときにはかかる目的に沿った界面活性剤を、帯電防止の向上を必要とするときは帯電防止剤を、また基板との密着性の向上を望むときにはシランカップリング剤やチタン系のカップリング剤を配合してもよい。
本発明に係わる液晶表示素子は、通常2枚の透明電極付基板間に狭持される液晶を含有する。該液晶は、TN型液晶表示素子においては90度ツイストしており、STN型液晶表示素子においては通常180度以上ツイストしている。特に、薄膜トランジスタを使用したカラー表示のTFT型液晶素子においては、第1の透明基板上に薄膜トランジスタ、絶縁膜、保護膜および画素電極などが形成されており、第2の透明基板上に画素領域以外の光を遮断するブラックマトリクス、カラーフィルター、平坦化膜および画素電極などを有する。
さらに、IPS型液晶表示素子においては、薄膜トランジスタが形成された第1の透明基板、対向する第2の透明基板およびそれらの基板間に狭持される液晶からなる。第1の透明基板は、交互に櫛歯が延びるように形成された画素電極および共通電極を有する。従来の液晶表示素子と同様に第2の透明基板は、画素領域以外の光を遮断するブラックマトリクス、カラーフィルター、平坦化膜などを有する。櫛歯状の電極は、ガラスなどの透明基板上にCrなどの金属をスパッタリング法などを用いて堆積した後、所定の形状のレジストパターンをマスクとしてエッチングを行って形成される。
次いで、得られた2枚の透明基板上に液晶配向剤を塗布する工程、これに続く乾燥工程および脱水・閉環反応に必要な加熱処理する工程が施される。
液晶配向剤の塗布工程での塗布方法としてはスピンナー法、印刷法、ディッピング法、滴下法、インクジェット法などが一般に知られている。これらの方法は本発明においても同様に適用可能である。また、乾燥工程および脱水・閉環反応に必要な加熱処理を施す工程の方法として、オーブンまたは赤外炉の中で加熱処理する方法、ホットプレート上で加熱処理する方法などが一般に知られている。これらの方法も本発明において同様に適用可能である。
乾燥工程は溶剤の蒸発が可能な範囲内の比較的低温で実施することが好ましい。加熱処理の工程は一般に150〜300℃程度の温度で行うことが好ましい。
次いで、得られた配向膜を配向処理する工程、該基板をスペーサーを介して対向させて組み立てる工程、液晶材料を封入する工程、偏光フィルムを貼り付ける工程を経て液晶表示素子が製造される。配向処理工程での配向処理方法としてはラビング法、光配向法、転写法などが一般に知られている。本発明の目的が達成される範囲内である限り、これらの方法は本発明においても同様に適用可能である。
本発明の配向膜を製造する際に特に好ましく用いることのできる配向処理方法はラビング法である。本発明の目的が達成される範囲内である限りどのようなラビング処理条件であってもよい。好ましい条件は、毛足押し込み量0.2〜0.8mm、ステージ移動速度5〜250mm/sec、ローラー回転速度500〜2,000rpmである。更に好ましいステージ移動速度は31〜250mm/secである。毛足押し込み量が大きくなるほど、ステージ移動速度が小さくなるほど、またはローラー回転速度が大きくなるほど、ラビング処理の条件が強くなり配向膜上の液晶層において高い配向度Δが得られる。しかし、ラビング処理条件が強くなりすぎると配向膜の膜削れが発生することがある。本発明の配向膜はステージ移動速度を31mm/sec以上にすることができ、生産速度を上げられるという長所も有しているのである。
本発明の液晶表示素子は、配向処理の前後に洗浄液による洗浄処理を行うこともできる。洗浄方法としては、ブラッシング、ジェットスプレー、蒸気洗浄または超音波洗浄などが挙げられる。これらの方法は単独で行ってもよいし、併用してもよい。洗浄液としては純水または、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどの各種アルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、塩化メチレンなどのハロゲン系溶剤、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類を用いることができるが、これらに限定されるものではない。もちろん、これらの洗浄液は十分に精製された不純物の少ないものが用いられる。
本発明で用いることのできる液晶表示素子において好適なプレチルト角の値は、液晶表示素子の型式により異なる。プレチルト角が0.1〜5.0度程度の場合はIPS型液晶表示素子に好適であり、プレチルト角が3〜8度程度の場合は、TN型液晶表示素子に好適である。また、STN型液晶表示素子、VA型液晶表示素子の場合は、さらに大きなプレチルト角が要求される場合もある。
本発明の液晶表示素子において用いられる液晶組成物は、特に制限はなく、誘電率異方性が正の各種の液晶組成物を用いることができる。好ましい液晶組成物の例は、特許第3086228号公報、特許第2635435号公報、特表平5−501735号公報、特開平8−157828号公報、特開平8−231960号公報、特開平9−241644号公報(EP885272A1明細書)、特開平9−302346号公報(EP806466A1明細書)、特開平8−199168号公報(EP722998A1明細書)、特開平9−235552号公報、特開平9−255956号公報、特開平9−241643号公報(EP885271A1明細書)、特開平10−204016号公報(EP844229A1明細書)、特開平10−204436号公報、特開平10−231482号公報、特開2000−087040公報、特開2001−48822公報などに開示されている。
誘電率異方性が負の各種の液晶組成物を用いることもできる。好ましい液晶組成物の例は、特開昭57−114532号公報、特開平2−4725号公報、特開平4−224885号公報、特開平8−40953号公報、特開平8−104869号公報、特開平10−168076号公報、特開平10−168453号公報、特開平10−236989号公報、特開平10−236990号公報、特開平10−236992号公報、特開平10−236993号公報、特開平10−236994号公報、特開平10−237000号公報、特開平10−237004号公報、特開平10−237024号公報、特開平10−237035号公報、特開平10−237075号公報、特開平10−237076号公報、特開平10−237448号公報(EP967261A1明細書)、特開平10−287874号公報、特開平10−287875号公報、特開平10−291945号公報、特開平11−029581号公報、特開平11−080049号公報、特開2000−256307公報、特開2001−019965公報、特開2001−072626公報、特開2001−192657公報などに開示されている。
前記誘電率異方性が正または負の液晶組成物に一種以上の光学活性化合物を添加して使用することも何ら差し支えない。
以下、本発明を実施例、参考例および比較例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、参考例および比較例で用いるテトラカルボン酸二無水物、ジアミンおよび溶剤の名称を略号で示す。以降の記述にはこの略号を使用することがある。
テトラカルボン酸二無水物
ピロメリット酸二無水物 :PMDA
1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物 :CBDA
ジアミン
1,3−ビス(4−(4−アミノベンジル)フェニル)プロパン:BZ3
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル :DDE
4,4’−ジアミノジフェニルエタン :DDEt
4,4’−ジアミノジフェニルメタン :DDM
溶剤成分
N−メチル−2−ピロリドン :NMP
γ―ブチロラクトン :GBL
ブチルセロソルブ :BC
参考例
1)液晶配向剤A1の調製
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた200mlの四つ口フラスコにBZ3を3.2542g、脱水NMPを30.00g入れ、乾燥窒素気流下攪拌溶解した。反応系の温度を5℃に保ちながらPMDAを1.7458g添加し、30時間反応させた後、NMPを25.00g、GBLを15.00gおよびBCを25.00g加えて高分子成分の濃度が5重量%のポリアミック酸の液晶配向剤を調製した。原料の反応中に反応温度により温度が上昇するときは、反応温度を約70℃以下に抑えて反応させた。得られたポリアミック酸の重量平均分子量は73,000であった。なお、重量平均分子量は、島津製作所製GPC測定装置(クロマトパックC−R7A)を用いてカラム温度50℃にて測定した。
2)赤外光の吸光度、配向膜の膜厚の測定および配向度Δの算出
得られた液晶配向剤A1をCaF基板上にスピンナーにて塗布した。塗布条件は2300rpm、15秒であった。塗膜後80℃にて約5分間乾燥した後、210℃にて30分間加熱焼成処理を行い膜厚およそ60nmのポリイミド膜を形成した。得られたポリイミド膜を株式会社飯沼ゲージ製作所製のラビング処理装置を用いて、ラビング布(毛足長1.9mm:レーヨン)の毛足押し込み量0.40mm、ステージ移動速度を60mm/sec、ローラー回転速度を1000rpmの条件で、ラビング処理し配向膜を作製した。
次いで、容器に入れた液晶(8CB)を70±3℃に加熱し、得られた配向膜面が液晶の蒸発方向になるように液晶面と平行に基板を設置して、配向膜上に液晶を蒸着した。なお、液晶の蒸着量は、後述する配向膜上の液晶層の(A⊥+A‖)の値が0.0002〜0.0006になるように蒸着時間を調節することにより決定した
得られた液晶層の赤外線吸収スペクトルの測定は、パーキンエルマー製FT−IR装置(Paragon1000)を用いて、分解能4cm−1、積算144回の条件で測定した。また、水蒸気のノイズを除去するために乾燥窒素(露点−60℃以下)を使用して試料室10リッター/分、分光室5リッター/分で各々の室をパージした。
偏光子を透過した赤外光を基板に対して垂直に液晶層側から入射した。配向膜のラビング方向(配向処理方向)と偏光方向とが平行で測定したときの吸光度をA‖とし、垂直で測定したときの吸光度をA⊥とした。平行と垂直で測定した赤外光スペクトルの差スペクトルを吸光度で計算し、C≡N伸縮振動に相当する2226cm−1付近のピーク高さを(A‖−A⊥)とした。また、吸光度で表示した平行と垂直とのスペクトルのC≡N伸縮振動に相当するピーク高さの和(A‖+A⊥)を計算したところ、0.0004であった。
次いで、前記式(1)に従い、得られた(A‖−A⊥)および(A‖+A⊥)の値より計算すると、配向膜上の液晶層の配向度Δは0.30であった。
3)黒表示特性の測定
一対のITO透明電極付きガラス基板を用いる以外は、配向度Δの算出に準じた方法で配向膜を形成した。
一方のガラス基板に4μmのギャップ材を散布し、配向膜を形成した面を内側にして他方のガラス基板を対向させた後、エポキシ硬化剤でシールし、ギャップ4μmのパラレルセルを作成した。前記セルに液晶組成物Aを注入し、注入口を光硬化剤で封止した。次いで、110℃で30分間加熱処理を行って、黒表示特性測定用セルとした。液晶材料として使用した液晶組成物Aの組成を下記に示す。この組成物のNI点は100.0℃であり、複屈折は0.093であった。
液晶組成物A
Figure 0004586503
次いで、中央精機株式会社製の液晶特性評価装置(OMS−CA3)を用いて、クロスニコル下で液晶の配向方向を偏光子方向に合わせて光透過率を測定したところ0.0020%であり、これを黒表示特性として評価した。なお、黒表示特性測定用セルの無い状態で偏光子と検光子を平行に配置した場合の光量を100%として光透過率を算出した。
また、ラビング筋のような配向むらや配向欠陥は全く認められず、非常に均一な表示が得られた。
4)プレチルト角の測定
20μm用のギャップ材を用いて作成し、配向処理方向をアンチパラレルとしたこと以外は、黒表示特性測定用セルと同様の方法によってプレチルト角測定用セルを作成した。なお、プレチルト角測定における液晶材料も黒表示特性測定時と同じものを用いた。このセルを用いてクリスタルローテーション法にて液晶のプレチルト角を測定したところ、1.8度であった。
参考例2〜4、実例1
参考例1における液晶配向剤A1の代わりに、液晶配向剤A2〜A5をそれぞれ後記の表1の原料組成で調製し、これを用いて配向度Δ、黒表示特性およびプレチルト角の評価を参考例1と同様に行なった。
比較例1
参考例1における液晶配向剤A1の代わりに液晶配向剤A5を用いて、毛足押し込み量0.05mmのラビング処理条件とした以外は参考例1と同様に、配向度Δ、黒表示特性およびプレチルト角の評価を行なった。
比較例2
参考例1における液晶配向剤A1の代わりに液晶配向剤A3を用いて、ラビング処理を行なわなかったこと以外は参考例1と同様に、配向度Δ、黒表示特性およびプレチルト角の評価を行なった。
比較例3
参考例1における液晶配向剤A1の代わりに液晶配向剤A6を用いて、毛足押し込み量0.01mmのラビング処理条件とした以外は参考例1と同様に、配向度Δ、黒表示特性およびプレチルト角の評価を行なった。
比較例4
参考例1における液晶配向剤A1の代わりに液晶配向剤A2を用いて、ステージ移動速度を300mm/secのラビング処理条件とした以外は参考例1と同様に、配向度Δ、黒表示特性およびプレチルト角の評価を行なった。
各種液晶配向剤の調製
液晶配向剤A2〜A6の調製については、液晶配向剤A1と同様の方法で調製した。反応中に反応熱により温度が上昇するときは、反応温度を約70℃以下に抑えて反応させた。
各実施例、参考例および比較例の原料モル比および重量平均分子量を表1に示した。
Figure 0004586503
各実施例、参考例および比較例のラビング処理条件、配向膜上の液晶層のA⊥+A||、配向膜上の液晶層の配向度Δ、黒表示特性およびプレチルト角の評価結果を表2に示した。
なお、本発明の実施例の試験方法において、優れた黒表示特性とは0.005%以下の値を意味する。
Figure 0004586503

*)測定不能とあるのは、配向不良が発生して測定できなかったことを示す。
実施例1、参考例1〜4および比較例1〜の結果から、配向膜上の液晶層の配向度Δが0.05以上である配向膜を用いることにより0.005%以下の優れた黒表示特性を示す液晶表示素子が得られることがわかる。また、実施例1および参考例1〜4の配向膜は、特にIPS型液晶表示素子として好ましいプレチルト角を示すことがわかる。
以 上

Claims (4)

  1. 配向膜の配向処理条件が毛足押し込み量0.2〜0.8mm、ステージ移動速度5〜250mm/sec、ローラー回転速度500〜2,000rpmでラビング処理が行われ、液晶配向膜が以下に示すテトラカルボン酸二無水物の少なくとも1種と、4,4’−ジアミノジフェニルエタンとから得られるポリイミドであり、式(1)で表される配向膜上の液晶層の配向度Δを0.05〜1.0にすることができる液晶配向膜。
    Figure 0004586503
    式中、A‖は配向処理方向に平行な偏光成分を有する赤外光を液晶層に入射させたときの液晶層の特性基振動による吸光度であり、A⊥は配向処理方向に垂直な偏光成分を有する赤外光を液晶層に入射させたときの液晶層の特性基振動による吸光度であり、液晶が下記構造の化合物(以下8CBと略記する)を用いた場合である。
    Figure 0004586503

    Figure 0004586503

    Figure 0004586503

    Figure 0004586503
  2. ポリイミドのテトラカルボン酸二無水物成分が式1−1、式1−2、式1−7、式1−13、式1−17、式1−18、式1−19、式1−20、式1−27、式1−28、および式1−29のそれぞれで表されるテトラカルボン酸二無水物から選択される少なくとも1種である請求項に記載の液晶配向膜。
  3. 請求項1または2に記載のポリイミドまたはその前駆体であるポリアミック酸を含有する液晶配向剤。
  4. 請求項1または2に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
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