JP4586459B2 - 警戒対象検出装置及び警戒対象検出システム - Google Patents

警戒対象検出装置及び警戒対象検出システム Download PDF

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Description

本発明は、車両の周辺に存在する歩行者等を検出する警戒対象検出装置及び警戒対象検出システムに関する。
運転者は、走行中、車両の前方に存在する歩行者や自転車等に注意を払わなければならない。そのような運転者の負担を軽減するために、車両周辺の歩行者等を検出するための装置が開発されている。このような検出装置には、歩行者等が携帯している発信機から発せられる電波を受信し、その受信した電波に基づいて歩行者等を検出する装置がある。この検出装置では、指向性を有する多数個の指向性アンテナを備えており、この多数個の指向性アンテナを一定角度毎に配することにより車両の全方向の受信エリアをカバーしている。そして、この検出装置では、発信機からの電波を受信した指向性アンテナの指向方向からその発信機が存在する方向を推定し、その受信した電波の受信レベルからその発信機までの距離を推定している。
また、特許文献1には、移動体間で相互に通信を行う移動体通信装置について開示されている。この送信側の移動体の移動体通信装置では、走行状態(ナビゲーション情報、ウインカ情報等)や運転者の意志(運転者の視線等)に基づいて送信側の移動体の移動によって影響を与える方向を判断し、その判断した方向に対してのみ送信アンテナの指向性を制御する。
特開2002−342887号公報 実開平6−32228号公報 特開2002−123896号公報
上記した従来の検出装置では、歩行者等がいずれの方向に存在するかを判断するために全方向をカバーする多数個の指向性アンテナを利用し、360°全方向に対して同じ精度で推定を行っている。このように、この検出装置では多数個の指向性アンテナを制御するとともにこの多数個の指向性アンテナの受信状態から推定を行うので、車両側における処理負荷が非常に大きい。
また、上記した従来の移動体通信装置は、受信アンテナに指向性アンテナを利用していることが記載されていないので、受信側に到達する電波を全て受信することになる。したがって、この移動体通信装置は、送信側では送信アンテナの指向性を制御した場合でも、受信側では必ずしも必要な電波だけを受信できるわけではなく、不必要な電波も受信してしまう。そのため、この不必要な電波に対する処理も必要となり、不要な処理負荷がかかり、処理負荷を軽減できない。
そこで、本発明は、歩行者等を検出する場合に車両側における処理負荷を軽減する警戒対象検出装置及び警戒対象検出システムを提供することを課題とする。
本発明に係る警戒対象検出装置は、車両の周辺に存在する警戒対象を検出する警戒対象検出装置であって、受信の指向性を制御可能であり、警戒対象が保持する発信装置から発せられた電波を受信する受信手段と、当該指向性が制御された受信手段で受信した電波により警戒対象の存在に関する情報を推定する推定手段と、車両の走行状態を検出する走行状態検出手段とを備え、受信手段は、車両が走行する可能性の高いエリアに対して受信の指向性を制御可能な指向性アンテナ及び無指向性アンテナを有し、走行状態検出手段で検出した車両の走行状態に基づいて指向性アンテナの指向性を制御し、車両が走行する可能性の低いエリア内に存在する警戒対象を検出するために無指向性アンテナを利用することを特徴とする。
この警戒対象検出装置では、受信手段を備えている。この受信手段は、所定の方向の電波だけを受信可能な指向性を制御可能であり、360°全方向のうち任意の範囲の電波を受信することができる。警戒対象検出装置では、走行状態検出手段により車両の走行状態を検出する。この走行状態により、車両の進行状況(例えば、直進、右旋回、左旋回、高速走行、低速走行)が判る。車両側(運転者)にとっては、車両が進んでいく方向周辺に存在する歩行者等の情報が必要性が高く、それ以外に存在する歩行者等の情報は必要性が低い。そこで、警戒対象検出装置では、車両の進行状況に基づいて受信手段で電波を受信する範囲を判断し、受信手段の指向性を制御する。したがって、受信手段では、360°の全方向のうちある範囲からの電波のみを受信可能な状態となる。そして、警戒対象検出装置では、推定手段により受信手段の電波の受信状況に基づいて警戒対象の存在に関する情報を推定する。つまり、指向性が制御された受信手段で電波を受信できた場合にはその制御された指向性の範囲内に発信装置(警戒対象)が存在していると推定できる。このように、警戒対象検出装置では、車両が進行していく方向周辺からの電波のみ受信可能な状態とし、その限定された方向からの電波に対してのみ推定処理を行う。このように、警戒対象検出装置では、360°全方向のうち限定範囲内に対してのみ推定処理を行うだけなので、処理負荷を大幅に軽減することことができる。また、警戒対象検出装置では、指向性が制御された受信手段で受信した電波により推定を行うので、警戒対象が存在する方向を特定でき、警戒対象に関する情報として詳細な情報を取得できる。また、運転者にとっては、必要性の高い情報だけ得られるので、安全性が向上し、不必要な情報による煩わしさがない。
なお、警戒対象は、運転者にとって警戒を要する対象であり、例えば、歩行者、自転車、自動車、自動二輪車である。警戒対象の存在に関する情報は、運転者にとって警戒対象に関して必要な情報であり、例えば、警戒対象が存在しているか否か、警戒対象が存在している方向、警戒対象までの距離、警戒対象の位置である。受信手段は、指向性を制御可能であればよいので、例えば、一定方向毎に配置された複数の指向性アンテナ(所定の角度範囲の指向性を有するアンテナ)で構成してもよいし、あるいは、位相を電気的に調整することにより受信の方向(指向性)を制御可能なアンテナ(指向性アンテナの一種)で構成してもよい。車両の走行状態は、車両自体の走行状況(車速、進行方向等)のみならず、車両が走行している周辺の道路状況(道路形状、交差点形状等)等の車両の走行に影響を与えるものも含む。
本発明の上記警戒対象検出装置では、走行状態検出手段は、車両の進行方向を検出する構成としてもよい。
警戒対象検出装置では、走行状態検出手段により車両の進行方向を検出し、この検出した進行方向に基づいて受信手段の指向性を制御する。車両の進行方向(直進、右旋回、左旋回など)により、車両の進行している状況が最も的確に判る。これにより、警戒対象検出装置では、受信手段で制御する指向性の範囲を容易に判断できる。検出する進行方向としては、例えば、運転者によって入力される操舵角、タイヤの舵角、運転者によって入力されるウインカ情報である。
本発明の上記警戒対象検出装置では、走行状態検出手段は、車両の速度を検出する構成としてもよい。
警戒対象検出装置では、走行状態検出手段により車両の速度を検出し、この検出した速度に基づいて受信手段の指向性を制御する。車両が高速で走行しているほど、警戒を要する範囲をより前方まで延ばす必要があるが、範囲を狭めることができるので、受信手段での指向性の範囲を狭くできる。したがって、高速走行の場合、警戒対象検出装置では、処理負荷を更に軽減できる。
本発明の上記警戒対象検出装置では、走行状態検出手段は、車両周辺の道路情報を検出する構成としてもよい。
警戒対象検出装置では、走行状態検出手段により車両周辺の道路情報を検出し、この検出した道路情報に基づいて受信手段の指向性を制御する。車両が走行している道路情報が判れば、車両が進行していく方向を正確に知ることができる。これにより、警戒対象検出装置では、制御する指向性の範囲を高精度に判断できる。
警戒対象検出装置の受信手段は、指向性アンテナと無指向性アンテナからなる。この指向性アンテナは、車両が走行する可能性の高いエリアに対して受信の指向性を制御可能である。車両は主に前進して走行するので、車両の前方側を走行する可能性が高い。そのため、その前方側のエリア内で警戒対象に遭遇する可能性も高く、そのエリア内に存在する警戒対象に関して詳細な情報が必要となる。一方、車両は側方側や後方側に走行する場合は少なく、そのエリア内で警戒対象に遭遇する可能性も低くなる。そのため、そのエリア内に存在する警戒対象に関してそれほど詳細な情報は必要ない。そこで、警戒対象検出装置では、警戒対象に遭遇する可能性の高いエリアに存在する警戒対象(発信装置)ついては指向性アンテナでカバーし、警戒対象に遭遇する可能性の低いエリアに存在する警戒対象(発信装置)については無指向性アンテナでカバーするようにしている。ちなみに、指向性アンテナでカバーしているエリア内に存在する警戒対象についてはその存在する方向を特定でき、無指向性アンテナのみでカバーしているエリア内に存在する警戒対象についてはその存在する方向を特定できない。このように、警戒対象検出装置では、360°全方向のうち指向性アンテナでカバーしないエリアを無指向性アンテナでカバーするので、アンテナ全体として指向性アンテナを少なく構成でき、アンテナ全体を小型化できる。また、警戒対象検出装置では、無指向性アンテナでカバーしている範囲については無指向性アンテナで受信した電波に対してのみ推定処理を行うだけなので(つまり、指向性アンテナで受信した電波に対しての推定処理を行わないので)、処理負荷を軽減することことができる。
本発明に係る警戒対象検出システムは、車両の周辺に存在する警戒対象を検出する警戒対象検出システムであって、警戒対象検出システムは、警戒対象が保持する発信装置及び車両に搭載される警戒対象検出装置によって構成され、発信装置では、警戒対象検出装置において受信可能な電波を発信し、警戒対象検出装置は、上記のいずれかの警戒対象検出装置であることを特徴とする。
この警戒対象検出システムは、歩行者等の警戒対象が保持している発信装置と車両に搭載されている警戒対象検出装置によって構成される。発信装置では、警戒対象検出装置で受信可能な電波を所定の範囲内に発信している。警戒対象検出装置は、上記のいずれかの警戒対象検出装置であり、上記した各警戒対象検出装置と同様の作用効果を有する。したがって、この警戒対象検出システムでは、警戒対象検出装置のおける処理負荷を軽減することができる。
本発明によれば、受信手段の指向性を制御して受信可能な範囲を限定することにより、車両に搭載される警戒対象検出装置における処理負荷を軽減することができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る警戒対象検出装置及び警戒対象検出システムの実施の形態を説明する。
本実施の形態では、本発明に係る警戒対象検出システムを、歩行者存在情報提供システムに適用する。本実施の形態に係る歩行者存在情報提供システムは、発信装置に相当する発信機を歩行者が携帯し、警戒対象検出装置に相当する歩行者存在情報提供装置が車両に搭載されている。本実施の形態に係る歩行者存在情報提供装置は、複数の指向性アンテナと無指向性アンテナを有しており、複数の指向性アンテナにより車両の前方側をカバーする。本実施の形態は、複数の指向性アンテナから実際に受信する指向性アンテナを選定するか否かにより2つの形態があり、第1の実施の形態が複数の指向性アンテナを全て使用する形態であり、第2の実施の形態が複数の指向性アンテナからいくつかを選定して使用する形態である。
図1〜図3を参照して、第1の実施の形態に係る歩行者存在情報提供システム1の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る歩行者存在情報提供システムの構成図である。図2は、第1の実施の形態に係る歩行者存在情報提供装置の構成図である。図3は、本実施の形態に係る指向性アンテナと無指向性アンテナの受信パターンを示す図である。
歩行者存在情報提供システム1は、発信機2A,2B・・・を携帯している歩行者MA,MB・・・が車両Vの周辺に存在しているか否かを車両Vに搭載されている歩行者存在情報提供装置3で検出し、歩行者存在情報提供装置3によりその検出で得られた情報を運転者に提供するシステムである。特に、歩行者存在情報提供システム1では、車両Vの前方側に存在する歩行者MA等については存在しているか否か、存在している方向及び車両Vからの距離を情報として提供し、車両Vの側方側や後方側に存在する歩行者MB等については存在しているか否か及び車両Vからの距離を情報として提供する。なお、歩行者存在情報提供システム1は、自転車等に発信機2A,2Bと同様の発信機が保持されていれば、歩行者以外の自転車等も検出可能である。
なお、車両は、主に、前進して走行する。そのため、走行中の車両Vの側方や後方に存在する歩行者等は、車両Vの極近くに存在する場合を除いて安全性が高く、車両Vと遭遇する可能性が低い。そのため、運転者にとっては、車両Vの側方や後方の歩行者等については方向等の詳細な情報は必要なく、車両Vの極近くに存在するか否かの情報が必要となる。一方、走行中の車両Vの前方に存在する歩行者等は、車両Vから離れていても安全性が低くなり、車両Vと遭遇する可能性が高い。特に、車両Vの進行方向周辺に存在する歩行者等は、車両Vと遭遇する可能性が高くなるので、安全性が低下する。そのため、運転者にとっては、車両Vの前方の歩行者等については距離や方向を含めた詳細な情報が必要である。
発信機2A等は、所定の周波数の電波を全方向に発信する発信機である。発信される電波は、一定範囲内(例えば、半径数10mの範囲)まで到達するように、全ての発信機で同じ出力に調整されている。
歩行者存在情報提供装置3は、車両Vの周辺に存在する歩行者(発信機)を検出し、その歩行者の存在に関する情報を提供する装置である。歩行者存在情報提供装置3では、車両Vの前方側については歩行者の存在する方向も情報として提供するために指向性アンテナを利用し、車両Vの側方側及び後方側については歩行者の存在する方向を情報をとして提供しないので無指向性アンテナを利用する。特に、歩行者存在情報提供装置3では、運転者にとって必要な情報だけを提供するために、車両Vの進行する方向周辺に存在する歩行者に関する情報のみを提供する。そのために、歩行者存在情報提供装置3は、5本の指向性アンテナ10A〜10E、1本の無指向性アンテナ11、車速センサ12、ウインカスイッチ13、アンテナ切換部14、受信部15、受信レベル検出部16、無指向性アンテナ対応方向・距離推定部17、歩行者存在情報提供エリアテーブル18、情報提供判定部19、情報提供部20を備えている。
指向性アンテナ10A〜10Eは、所定の受信角度範囲(例えば、30〜40°)の電波のみをそれぞれ受信可能である。指向性アンテナ10Aは、車両Vの左側かつ車両Vの側方からやや前方側の方向に指向性を有する(図3の受信パターンAを参照)。指向性アンテナ10Bは、車両Vの左側かつ指向性アンテナ10Aの受信パターンAより中心側の方向に指向性を有する(図3の受信パターンBを参照)。指向性アンテナ10Cは、車両Vの中心線上に指向性を有する(図3の受信パターンCを参照)。指向性アンテナ10Dは、車両Vの右側かつ指向性アンテナ10Cの受信パターンCより側方側の方向に指向性を有する(図3の受信パターンDを参照)。指向性アンテナ10Eは、車両Vの右側かつ車両Vの側方からやや前方側の方向に指向性を有する(図3の受信パターンEを参照)。指向性アンテナ10A〜10Eは、その各受信パターンが隣接する受信パターンと少し重なる部分が存在するような指向性を有するように配置される。また、指向性アンテナ10A〜10Eの受信利得は、全て同じ利得に設定される。
無指向性アンテナ11は、車両Vの全方向からの電波を受信可能であり(図3の受信パターンFを参照)、指向性アンテナ10A〜10Eより小型である。無指向性アンテナ11の受信利得は、指向性アンテナ10A〜10Eの受信利得より小さな利得に設定される。
指向性アンテナ10A〜10Eの受信利得を無指向性アンテナ11の受信利得より大きくする理由について説明する。指向性アンテナ10A〜10Eの受信利得の方を大きくした場合、指向性アンテナ10A〜10Eのいずれかの指向性アンテナで電波を受信するとその受信レベルは無指向性アンテナ11の受信レベルより大きくなる。この場合、その受信した指向性アンテナの指向方向に発信機(歩行者)が存在すると判断できる。しかし、無指向性アンテナ11の受信利得の方を大きくした場合、指向性アンテナ10A〜10Eのいずれかの指向性アンテナで電波を受信してもその受信レベルは無指向性アンテナ11の受信レベルより常に小さくなる。したがって、この場合、その受信した指向性アンテナの指向方向に発信機が存在すると判断できない。
車速センサ12は、4輪に各々設けられ、各車輪の回転速度を検出するセンサである。車速センサ12は、その検出値を示す車速信号を情報提供判定部19に送信する。なお、情報提供判定部19において各輪の回転速度に基づいて車速を演算するが、車速センサ12以外の他の車速センサを用いてもよい。
ウインカスイッチ13は、右左折する際に左右のウインカを点滅させるために、運転者が右折又は左折の入力するためのスイッチである。ウインカスイッチ13では、スイッチの状態(無操作、右折操作、左折操作)を示すウインカ信号を情報提供判定部19に送信する。
アンテナ切換部14は、指向性アンテナ10A〜10E及び無指向性アンテナ11の中から受信するアンテナを切り換える。そのために、アンテナ切換部14では、無指向性アンテナ対応方向・距離推定部17からアンテナ切換情報を入力する。このアンテナ切換情報は、受信する方向や方位角を示す情報でもよいし、あるいは、各アンテナに割り振られた識別番号等でもよい。アンテナ切換部14では、このアンテナ切換情報を入力する毎に、そのアンテナ切換情報に応じた指向性アンテナ10A〜10Eのいずれかの指向性アンテナ又は無指向性アンテナ11に切り換える。したがって、常時、1本のアンテナが受信状態となる。
受信部15は、切り換えられているアンテナと接続し、そのアンテナで受けた電波を受信する。この際、受信部15では、発信機2A等から発信される所定の周波数の電波のみを取り出す。受信レベル検出部16は、受信部15で受信した電波の受信レベルを検出し、その受信レベルを無指向性アンテナ対応方向・距離推定部17に出力する。
受信レベルは、受信利得が異なるので、車両Vの前方に発信機を携帯した歩行者が存在する場合には、指向性アンテナ10A〜10Eで受けた受信レベルの方が無指向性アンテナ11で受けた受信レベルより大きくなる。また、受信レベルは、発信機が車両Vから近いほど大きくなり、各アンテナ10A〜10E,11で電波を受けることができなかった場合には0となる。指向性アンテナ10A〜10Eのいずれかの指向性アンテナの受信レベルが0でない場合、無指向性アンテナ11の受信レベルも0ではなく、その指向性アンテナの指向方向内かつ発信機の電波が到達する範囲内に歩行者が存在する。無指向性アンテナ11の受信レベルが0の場合、指向性アンテナ10A〜10E全ての受信レベルも0であり、全方向において発信機の電波が到達する範囲内に歩行者が存在しない。指向性アンテナ10A〜10E全ての受信レベルより無指向性アンテナ11の受信レベルが大きい場合、車両Vの側方又は後方側かつ発信機の電波が到達する範囲内に歩行者が存在する。
無指向性アンテナ対応方向・距離推定部17は、指向性アンテナ10A〜10E及び無指向性アンテナ11を順次切り換え、全てのアンテナの各受信レベルに基づいて発信機(歩行者)に関する情報を推定する。そのために、無指向性アンテナ対応方向・距離推定部17では、指向性アンテナ10A、指向性アンテナ10B、指向性アンテナ10C、指向性アンテナ10D、指向性アンテナ10E、無指向性アンテナ11の順にアンテナが切り換るように、アンテナ切換情報を順次設定し、そのアンテナ切換情報をアンテナ切換部14に出力する。そして、無指向性アンテナ対応方向・距離推定部17では、アンテナ切換情報を出力する毎に、そのアンテナ切換情報で設定したアンテナで受けた電波の受信レベルを入力し、そのアンテナと対応付けて受信レベルをメモリに記憶させる。
無指向性アンテナ対応方向・距離推定部17では、指向性アンテナ10A〜10E及び無指向性アンテナ11全ての受信レベルを取得すると、指向性アンテナ10A〜10Eの各受信レベルと無指向性アンテナ11の受信レベルを比較する。指向性アンテナ10A〜10Eのいずれかの指向性アンテナの受信レベルが大きい場合、無指向性アンテナ対応方向・距離推定部17では、車両Vの前方側に歩行者が存在すると判断し、その指向性アンテナの指向方向から発信機(歩行者)が存在する方向を推定するとともに、受信レベルから車両Vから発信機までの距離を推定する。ちなみに、複数の指向性アンテナ11の各受信レベルが無指向性アンテナ11の受信レベルより大きい場合、その複数の指向性アンテナ11についてそれぞれ方向及び距離を推定する。一方、無指向性アンテナ11の受信レベルが大きい場合、無指向性アンテナ対応方向・距離推定部17では、車両Vの側方側あるいは後方側に歩行者が存在すると判断し、無指向性アンテナ11の受信レベルから車両Vから発信機までの距離を推定する。あるいは、指向性アンテナ10A〜10E及び無指向性アンテナ11の全ての受信レベルが0の場合、無指向性アンテナ対応方向・距離推定部17では、車両Vの周辺に歩行者が存在しないと判断し、推定を行わない。そして、無指向性アンテナ対応方向・距離推定部17では、指向性アンテナ10A〜10Eの受信レベルを用いた場合には方向と距離の情報、無指向性アンテナ11の受信レベルを用いた場合には距離の情報、全ての受信レベルが0の場合には歩行者無しの情報を推定情報として情報提供判定部19に出力する。
受信レベルから距離を推定する手法としては、受信レベルに応じた距離変換テーブルを指向性アンテナ用と無指向性アンテナ用それぞれ用意し、各距離変換テーブルに用いて受信レベルに応じて距離を求めるようにしてもよい。また、他の手法としては、受信レベルから距離を変換する変換式を指向性アンテナ用と無指向性アンテナ用それぞれ用意し、各変換式に用いて計算するようにしてもよい。なお、指向性アンテナと無指向性アンテナとは受信利得が異なっているので、この利得差を考慮することにより、1つの変換テーブルあるいは1つの変換式により距離を推定するようにしてもよい。
歩行者存在情報提供エリアテーブル18は、車速とウインカ情報に応じた歩行者存在情報提供エリアをそれぞれ示すテーブルであり、歩行者存在情報提供装置3内のメモリに記憶されている。上記したように歩行者存在情報提供装置3では車両Vの進行方向周辺に存在する歩行者に関する情報(運転者にとって必要性の高い情報)のみを運転者に提供するので、歩行者存在情報提供エリアはその車速とウインカ情報に基づく走行状況から車両Vの進行方向周辺を所定の形状で示している(図1のEAのエリア参照)。
例えば、ウインカ情報としては直進、右折、左折の3つの情報があり、車速としては停止、低速域、中速域、高速域の4つの速度域を設定すると、歩行者存在情報提供エリアは12のエリアが設定される。ウインカ情報が直進の場合、車両Vの真正面に中心線を中心としたエリアが設定される(図1のEAのエリア参照)。ウインカ情報が右折の場合、車両Vの右前方を大きく含むエリアが設定される(図7のEAのエリア参照)。ウインカ情報が左折の場合、車両Vの左前方を大きく含むエリアが設定される。車速が高速ほど、狭くかつ進行方向に沿って長いエリアが設定される(図6のEAのエリア参照)。特に、停止の場合には、車両Vを中心として半径数m〜10m程度の円のエリアが設定される。
情報提供判定部19は、車両Vの走行状況に基づいて無指向性アンテナ対応方向・距離推定部17から入力された推定情報のうち運転者に提供すべき情報か否かを判定する。そのために、情報提供判定部19では、車速センサ12から車速信号を受信し、その車速信号に基づいて車速を計算する。また、情報提供判定部19では、ウインカスイッチ13からウインカ信号を受信し、そのウインカ信号からウインカ情報を取得する。そして、情報提供判定部19では、車速とウインカ情報により歩行者存在情報提供エリアテーブル18を参照し、取得した車速とウインカ情報に対応する歩行者存在情報提供エリアを抽出する。また、情報提供判定部19では、無指向性アンテナ対応方向・距離推定部17から入力された推定情報から歩行者の位置を推定する。そして、情報提供判定部19では、その歩行者が抽出した歩行者存在情報提供エリア内に入っているか否かを判定する。歩行者存在情報提供エリア内に入っていると判定した場合、情報提供判定部19では、その歩行者に関する情報を歩行者情報として情報提供部20に出力する。歩行者存在情報提供エリア内に入っていないと判定した場合、情報提供判定部19では、歩行者無しを歩行者情報として情報提供部20に出力する。
なお、無指向性アンテナ対応方向・距離推定部17から入力された推定情報が歩行者無しの情報の場合、情報提供判定部19では、上記処理を行うことなく、歩行者情報としても歩行者無しを出力する。推定情報が距離の情報のみの場合、車両Vの側方又は後方に歩行者が存在するので、情報提供判定部19では、円の歩行者存在情報提供エリアでのみ判定を行い、歩行者情報としても近距離内に歩行者が存在する情報を出力する。推定情報が方向及び距離の情報の場合、情報提供判定部19では、走行状況に応じた歩行者存在情報提供エリアで判定を行い、歩行者情報として歩行者が存在する方向と距離の情報を出力する。
情報提供部20は、情報提供判定部19から入力された歩行者情報に基づいて運転者に歩行者に関する情報を提供する。情報提供部20では、例えば、ディスプレイ上に車両Vに対する歩行者の位置を表示するようにしてもよいし、音声によって歩行者が存在する方向と歩行者までの距離を出力するよいにしてもよいし、あるいは、歩行者までの距離に応じて異なる警報音を出力するようにしてもよい。
図1〜図3を参照して、歩行者存在情報提供システム1における動作について説明する。特に、歩行者存在情報提供装置3における無指向性アンテナ対応方向・距離推定部17における動作については図4のフローチャートに沿って説明する。図4は、図2の無指向性アンテナ対応方向・距離推定部の動作を示すフローチャートである。
歩行者MA,MB等に携帯されている発信機2A,2B等では、常時、一定範囲内に電波を発信する。
無指向性アンテナ対応方向・距離推定部17では、アンテナ切換情報を順次設定し、アンテナ切換部14に出力する。アンテナ切換部14では、アンテナ切換情報を入力する毎に、そのアンテナ切換情報に基づいて指向性アンテナ10A〜10E及び無指向性アンテナ11のいずれかのアンテナに切り換える。切り換えられたアンテナでは、電波を受信可能な状態となり、飛来してくる電波を受ける。この際、指向性アンテナの場合にはその指向方向から飛来してくる電波を主に受信でき、無指向性アンテナの場合には全方向から飛来してくる電波を受信できる。そして、受信部15では、この切り換えられているアンテナで受けた電波を受信し、発信機からの所定の周波数の電波のみを抽出する。さらに、受信レベル検出部16では、受信部15で抽出した電波の受信レベルを検出し、その受信レベルを無指向性アンテナ対応方向・距離推定部17に出力する。この際、発信機からの電波を受信していない場合、受信レベルは0である。無指向性アンテナ対応方向・距離推定部17では、この受信レベルを入力する毎に、次に切り換えるアンテナに対するアンテナ切換情報を設定し、アンテナ切換部14に出力する。上記処理が繰り返し行われ、指向性アンテナ10A〜10E及び無指向性アンテナ11の6本のアンテナを順次切り換える。
無指向性アンテナ対応方向・距離推定部17では、指向性アンテナ10A〜10E及び無指向性アンテナ11の各受信レベルを取得する(S10)。そして、無指向性アンテナ対応方向・距離推定部17では、各指向性アンテナ10A〜10Eの受信レベルが無指向性アンテナ11の受信レベルより大きいか否かを判定する(S11)。
各指向性アンテナ10A〜10Eのうち無指向性アンテナ11の受信レベルより大きな受信レベルの指向性アンテナがある場合、無指向性アンテナ対応方向・距離推定部17では、その指向性アンテナの指向方向から発信機(歩行者)の存在する方向を推定するとともに、その指向性アンテナの受信レベルから発信機までの距離を推定する(S12)。この場合、ある指向性アンテナの受信可能な範囲内に発信機が存在しているが、無指向性アンテナ11でもその発信機からの電波を受信している。しかし、無指向性アンテナ11の受信レベルが指向性アンテナの受信レベルより小さい。例えば、指向性アンテナ10Cにより発信機2Aからの電波を受信し、発信機2Aの方向として指向性アンテナ10Cの指向方向が推定され、指向性アンテナ10Cの受信レベルにより発信機2Aまでの距離が推定される(図1参照)。この発信機2Aからの電波は、無指向性アンテナ11でも受信している。
各指向性アンテナ10A〜10Eのうち無指向性アンテナ11の受信レベルより大きな受信レベルの指向性アンテナがない場合、無指向性アンテナ対応方向・距離推定部17では、無指向性アンテナ11の受信レベルから発信機までの距離を推定する(S13)。この場合、指向性アンテナ10A〜10E全ての受信可能な範囲内に発信機(歩行者)が存在せず、無指向性アンテナ11の受信可能な範囲内に発信機が存在する。例えば、無指向性アンテナ11により発信機2Bからの電波を受信し、無指向性アンテナ11の受信レベルにより発信機2Bまでの距離が推定される(図1参照)。
そして、無指向性アンテナ対応方向・距離推定部17では、その推定結果を推定情報として情報提供判定部19に出力する(S14)。なお、指向性アンテナ10A〜10E及び無指向性アンテナ11全ての受信レベルが0の場合(すなわち、全てのアンテナの受信可能な範囲内に発信機が存在しない場合)、無指向性アンテナ対応方向・距離推定部17では、推定処理を行わず、推定情報としても歩行者無しを出力する。
情報提供判定部19では、車速センサ12からの車速信号に基づく車速とウインカスイッチ13からのウインカ信号に基づくウインカ情報により歩行者存在情報提供エリアテーブル18を参照し、車両Vの走行状況に応じた歩行者存在情報提供エリアを抽出する。ちなみに、車速センサ12では、各車輪の回転速度を検出し、その検出値を車速信号として情報提供判定部19に送信している。また、ウインカスイッチ13では、運転者から入力されたウインカ情報をウインカ信号として情報提供判定部19に送信している。
さらに、情報提供判定部19では、推定情報に基づく歩行者が抽出した歩行者存在情報提供エリア内に入っているか否かを判定する。歩行者存在情報提供エリア内に入っている場合、情報提供判定部19では、その歩行者に関する情報として方向及び距離あるいは距離のみを歩行者情報として情報提供部20に出力する。一方、歩行者存在情報提供エリア内に入っていない場合、情報提供判定部19では、歩行者無しを歩行者情報として情報提供部20に出力する。
情報提供部20では、情報提供判定部19からの歩行者情報に基づいて、情報提供する歩行者が存在する場合には運転者に対してその情報を知らせ、情報提供する歩行者が存在しない場合には情報提供を行わない。例えば、歩行者MAが存在する場合にはその歩行者MAが存在するおおよその方向と歩行者MAまでの距離を知らせ、歩行者MBが存在する場合には歩行者MBまでの距離を知らせる。
この歩行者存在情報提供システム1(特に、歩行者存在情報提供装置3)によれば、車両Vの側方や後方の運転者にとって詳細な情報を必要としない歩行者等に関して無指向性アンテナ11でのみカバーする構成としているので、車両Vの前方の運転者にとって詳細な情報を必要とする歩行者等に関してのみ指向性アンテナ10A〜10Eでカバーすればよく、360°全方向を指向性アンテナでカバーする必要がない。そのため、歩行者存在情報提供装置3では、指向性アンテナの本数を大幅に削減でき、アンテナ全体を小型化でき、搭載性が向上する。また、歩行者存在情報提供装置3では、指向性アンテナの本数が減ることにより、受信レベルによる推定処理が減り、処理負荷が軽減する。そのため、処理時間を低減でき、車載装置に要求されるリアルタイム処理も可能となる。
また、歩行者存在情報提供装置3では、車両Vの走行状況に応じて歩行者存在情報提供エリアを設定することにより、運転者にとって必要な歩行者に関する情報のみを運転者に提供することができる。そのため、運転者は、不必要な情報の提供による煩わしさがない。また、運転者は、必要とする歩行者の情報により、安全運転を行うことができる。
図1及び図5〜図8を参照して、第2の実施の形態に係る歩行者存在情報提供システム31の構成について説明する。図5は、第2の実施の形態に係る歩行者存在情報提供装置の構成図である。図6は、車両が直進かつ高速走行時の歩行者存在情報提供エリアを示す図である。図7は、車両が右折時の歩行者存在情報提供エリアを示す図である。図8は、道路が右カーブしている場合の歩行者存在情報提供エリアを示す図である。なお、歩行者存在情報提供システム31(特に、歩行者存在情報提供装置33)は、第1の実施の形態に係る歩行者存在情報提供システム1(特に、歩行者存在情報提供装置3)と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
歩行者存在情報提供システム31は、歩行者存在情報提供システム1と同様のシステムであるが、歩行者存在情報提供装置33において歩行者存在情報提供装置3より機能が追加されている。歩行者存在情報提供装置33では、歩行者を検出するために使用する指向性アンテナを5本の指向性アンテナ10A〜10Eから選択する機能を有している。歩行者存在情報提供装置33では、処理負荷を更に削減するために、車両Vの進行する方向周辺をカバーする指向性アンテナのみを利用する。そのために、歩行者存在情報提供装置33は、5本の指向性アンテナ10A〜10E、1本の無指向性アンテナ11、車速センサ12、ウインカスイッチ13、カーナビゲーション装置34、アンテナ切換部14、受信部15、受信レベル検出部16、指向性アンテナ選定部35、無指向性アンテナ対応方向・距離推定部37、歩行者存在情報提供エリアテーブル18、情報提供判定部39、情報提供部20を備えている。
なお、本実施の形態では、指向性アンテナ10A〜10E、無指向性アンテナ11、アンテナ切換部14及び受信部15が特許請求の範囲に記載する受信手段に相当し、無指向性アンテナ対応方向・距離推定部37が特許請求の範囲に記載する推定手段に相当し、車速センサ12、ウインカスイッチ13及びカーナビゲーション装置34が特許請求の範囲に記載する走行状態検出手段に相当する。
カーナビゲーション装置34は、車両Vの現在位置を検出し、目的地までの各種案内を行う装置である。カーナビゲーション装置34では、車両Vの現在位置周辺の地図をディスプレイ上に表示するために、地図情報データベースを保持しており、現在位置周辺の地図情報を地図情報データベースから取得している。そこで、歩行者存在情報提供装置33では、カーナビゲーション装置34を利用し、カーナビゲーション装置34から現在位置周辺の地図情報を取得している。これにより、歩行者存在情報提供装置33は、地図情報データベースや現在位置を検出するための機能等を装置内に備えないでよい。
指向性アンテナ選定部35では、車両Vの走行状況及び現在位置周辺の道路状況に基づいて指向性アンテナ10A〜10Eの中から使用する指向性アンテナを選定する。歩行者存在情報提供装置33では、運転者にとって必要な歩行者の情報のみを提供するために、車両Vの車速とウインカ情報に応じた歩行者存在情報提供エリア内に入っている歩行者が運転者に提供する情報となる。したがって、これ以外のエリアに存在する歩行者を検出する必要はない。そこで、指向性アンテナ選定部35では、歩行者存在情報提供エリアと重なる指向範囲を有する指向性アンテナを選定する。例えば、図6に示すように、車両Vが高速で直進している場合、歩行者存在情報提供エリアEAは狭くかつ前方に長くなるので、指向性アンテナ10Cのみを利用すればよい。また、図7に示すように、車両Vが右折する場合、歩行者存在情報提供エリアEAは前方と右方向に広がるので、指向性アンテナ10C,10D,10Eのみを利用すればよい。逆に、車両Vが左折する場合、歩行者存在情報提供エリアEAは前方と左方向に広がるので、指向性アンテナ10A,10B,10Cのみを利用すればよい。
さらに、車両Vが走行している道路状況(道路形状、道路幅、交差点形状、車線情報等)が判れば、車両Vの進行する方向が更に高精度に判断できる。そこで、歩行者存在情報提供エリアに現在位置周辺の道路状況を考慮し、指向性アンテナを選定する。例えば、図8に示すように、道路が右カーブしている場合、車両Vがウインカ情報から直進となっていても、歩行者存在情報提供エリアEAをその右カーブを含むエリアまで補正できるので、指向性アンテナ10Cの他に指向性アンテナ10Dを利用すればよい。
そのために、指向性アンテナ選定部35では、第1の実施の形態に係る情報提供判定部19と同様の手法により、歩行者存在情報提供エリアテーブル18から車速とウインカ情報に対応する歩行者存在情報提供エリアを抽出する。また、指向性アンテナ選定部35では、カーナビゲーション装置34から現在位置周辺の地図情報を取得する。そして、指向性アンテナ選定部35では、この地図情報に基づいて、車両Vが走行している道路状況に応じてその抽出した歩行者存在情報提供エリアに対して補正が必要な場合には歩行者存在情報提供エリアを補正する。さらに、指向性アンテナ選定部35では、指向性アンテナ10A〜10Eの中から歩行者存在情報提供エリアの車両前方側に一部でも重なる指向範囲を有する指向性アンテナを選定する。そして、指向性アンテナ選定部35では、その選定した指向性アンテナの情報を選定情報として無指向性アンテナ対応方向・距離推定部37に出力する。
無指向性アンテナ対応方向・距離推定部37は、第1の実施の形態に係る無指向性アンテナ対応方向・距離推定部17と略同様の処理を行うが、指向性アンテナを切り換え指示を行う際に全ての指向性アンテナ10A〜10Eを対象として切換指示を行うるのでなく、指向性アンテナ選定部35からの選定情報に示されている指向性アンテナを対象として切り換え指示を行う。したがって、無指向性アンテナ対応方向・距離推定部37では、選定された指向性アンテナの各受信レベル及び無指向性アンテナ11の受信レベルを取得する。そして、無指向性アンテナ対応方向・距離推定部37では、選定された指向性アンテナの各受信レベル及び無指向性アンテナ11の受信レベルを対象として、上記した判定処理や推定処理を行う。
情報提供判定部39は、第1の実施の形態に係る情報提供判定部19と略同様の処理を行うが、指向性アンテナ選定部35と同様に歩行者存在情報提供エリアに車両Vが走行している道路状況を考慮する。つまり、情報提供判定部39では、カーナビゲーション装置34から現在位置周辺の地図情報を取得し、この地図情報に基づいて抽出した歩行者存在情報提供エリアに対して補正が必要な場合には歩行者存在情報提供エリアを補正する。そして、情報提供判定部39では、この歩行者存在情報提供エリア内に無指向性アンテナ対応方向・距離推定部37から入力された推定情報に基づく歩行者が入っているか否かを判定する。
なお、指向性アンテナ選定部35と情報提供判定部39では、走行状況に応じて歩行者存在情報提供エリアを抽出し、道路状況に応じて歩行者存在情報提供エリアを補正するという同様の処理を行うので、この処理をどちらか一方の部で行い、他方の部に歩行者存在情報提供エリアを出力するようにしてもよい。ちなみに、指向性アンテナ選定部35の方が先にこの処理を行うので、指向性アンテナ選定部35で処理を行うようにしたほうがよい。
図1及び図5を参照して、歩行者存在情報提供システム31における動作について説明する。特に、歩行者存在情報提供装置33における指向性アンテナ選定部35における動作については図9のフローチャートに沿って説明する。図9は、図5の指向性アンテナ選定部の動作を示すフローチャートである。
指向性アンテナ選定部35では、車速センサ12から車速信号を受信し、車速を取得する(S20)。また、指向性アンテナ選定部35では、ウインカスイッチ13からウインカ信号を受信し、ウインカ情報を取得する(S21)。さらに、指向性アンテナ選定部35では、カーナビゲーション装置34から現在位置周辺の地図情報を取得する(S22)。
そして、指向性アンテナ選定部35では、車速とウインカ情報により歩行者存在情報提供エリアテーブル18を参照し、車両Vの走行状況に応じた歩行者存在情報提供エリアを抽出する(S23)。さらに、指向性アンテナ選定部35では、抽出した歩行者存在情報提供エリアに対して、車両Vが走行している道路状況に応じた補正が必要な場合には補正を行う。
続いて、指向性アンテナ選定部35では、指向性アンテナ10A〜10Eの中から歩行者存在情報提供エリアの車両前方向をカバーする指向性アンテナを選定する(S24)。そして、指向性アンテナ選定部35では、その選定した指向性アンテナを示す選定情報を無指向性アンテナ対応方向・距離推定部37に出力する(S25)。
無指向性アンテナ対応方向・距離推定部37では、選定情報に示される指向性アンテナ及び無指向性アンテナ11の中から切り換えるアンテナを指示したアンテナ切換情報を順次設定し、アンテナ切換部14に出力する。アンテナ切換部14では、そのアンテナ切換情報に基づいてアンテナに切り換える。受信部15では、この切り換えられているアンテナで受けた電波を受信する。受信レベル検出部16では、受信部15で受信した電波の受信レベルを検出し、その受信レベルを無指向性アンテナ対応方向・距離推定部37に出力する。上記処理が繰り返し行われ、指向性アンテナ選定部35で選定した指向性アンテナ及び無指向性アンテナ11を順次切り換える。
無指向性アンテナ対応方向・距離推定部37では、指向性アンテナ選定部35で選定した指向性アンテナ及び無指向性アンテナ11の各受信レベルを取得する。そして、無指向性アンテナ対応方向・距離推定部37では、各指向性アンテナの受信レベルが無指向性アンテナ11の受信レベルより大きいか否かを判定し、受信レベルが大きい指向性アンテナがある場合にはその指向性アンテナの指向方向と受信レベルから方向及び距離を推定し、受信レベルが大きな指向性アンテナがない場合には無指向性アンテナ11の受信レベルから距離を推定する。そして、無指向性アンテナ対応方向・距離推定部37では、その推定結果を推定情報として情報提供判定部39に出力する。
情報提供判定部39では、車速とウインカ情報により歩行者存在情報提供エリアテーブル18を参照し、車両Vの走行状況に応じた歩行者存在情報提供エリアを抽出する。さらに、情報提供判定部39では、カーナビゲーション装置34から現在位置周辺の地図情報を取得する。そして、情報提供判定部39では、抽出した歩行者存在情報提供エリアに対して、車両Vが走行している道路状況に応じた補正が必要な場合には補正を行う。続いて、情報提供判定部39では、この歩行者存在情報提供エリア内に推定情報に基づく歩行者が入っているか否かを判定し、歩行者存在情報提供エリア内に入っている場合にはその歩行者に関する情報を歩行者情報として情報提供部20に出力し、歩行者存在情報提供エリア内に入っていない場合には歩行者無しを歩行者情報として情報提供部20に出力する。情報提供部20では、情報提供判定部39からの歩行者情報に基づいて運転者に対して情報を提供する。
この歩行者存在情報提供システム31(特に、歩行者存在情報提供装置33)によれば、第1の実施の形態に係る歩行者存在情報提供システム1(歩行者存在情報提供装置3)と同様の効果を有する。さらに、歩行者存在情報提供装置33では、走行状況と道路状況に応じた歩行者存在情報提供エリアに基づいて受信で用いる指向性アンテナを選定するので、指向性アンテナの本数が減ることにより各アンテナの受信レベルによる推定処理等を削減でき、処理負荷が更に軽減する。また、歩行者存在情報提供装置33では、歩行者存在情報提供エリアに対して車両Vが走行している道路状況も考慮しているので、運転者が情報として必要としている歩行者のみをより高精度に提供できる。
例えば、本実施の形態では歩行者を検出し、その情報を提供する歩行者存在情報提供システムに適用したが、歩行者以外にも自転車、自動車、自動二輪車等の他の警戒対象を検出するシステムに適用してもよい。このシステムの場合にも、歩行者が携帯している発信機と同様の発信機を自転車等が保持する必要がある。
また、本実施の形態では歩行者を検出し、その歩行者に関する情報を運転者に提供する歩行者存在情報提供装置したが、歩行者を検出した後に、その歩行者に関する情報を他の装置に出力する歩行者検出装置等に適用してもよい。
また、本実施の形態では受信手段を複数の指向性アンテナ及び無指向性アンテナで構成したが、複数の指向性アンテナの代わりに位相を電気的に調整することにより受信の指向性を制御可能なアンテナ等で構成してもよい。特に、第2の実施の形態の場合、受信手段を指向性アンテナだけで構成してもよい。この場合でも、受信可能な指向性アンテナを限定しているので、歩行者存在情報提供装置における処理負荷を軽減できる。
また、本実施の形態では無指向性アンテナを用いる構成としたが、車両の側方や後方をカバーする広い範囲の指向性を有するアンテナを用いる構成としてもよい。
また、本実施の形態ではウインカ情報により車両の進行方向を検出する構成としたが、操舵角、タイヤの舵角等を検出する構成としてもよい。
また、本実施の形態ではアンテナやセンサ類以外の各部をハードウエアによって構成したが、これら各部の全部又は一部をマイコンを利用してソフトウエアによって構成してもよい。
また、第2の実施の形態ではナビゲーション装置から道路情報を取得する構成としたが、歩行者存在情報提供装置内に道路情報のデータベースを保持し、装置内のデータベースから取得する構成としてもよい。
本実施の形態に係る歩行者存在情報提供システムの構成図である。 第1の実施の形態に係る歩行者存在情報提供装置の構成図である。 本実施の形態に係る指向性アンテナと無指向性アンテナの受信パターンを示す図である。 図2の無指向性アンテナ対応方向・距離推定部の動作を示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る歩行者存在情報提供装置の構成図である。 車両が直進かつ高速走行時の歩行者存在情報提供エリアを示す図である。 車両が右折時の歩行者存在情報提供エリアを示す図である。 道路が右カーブしている場合の歩行者存在情報提供エリアを示す図である。 図5の指向性アンテナ選定部の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1,31…歩行者存在情報提供システム、2A,2B…発信機、3,33…歩行者存在情報提供装置、10A〜10E…指向性アンテナ、11…無指向性アンテナ、12…車速センサ、13…ウインカスイッチ、14…アンテナ切換部、15…受信部、16…受信レベル検出部、17,37…無指向性アンテナ対応方向・距離推定部、18…歩行者存在情報提供エリアテーブル、19,39…情報提供判定部、20…情報提供部、34…カーナビゲーション装置、35…指向性アンテナ選定部

Claims (5)

  1. 車両の周辺に存在する警戒対象を検出する警戒対象検出装置であって、
    受信の指向性を制御可能であり、警戒対象が保持する発信装置から発せられた電波を受信する受信手段と、
    当該指向性が制御された受信手段で受信した電波により警戒対象の存在に関する情報を推定する推定手段と、
    車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と
    を備え、
    前記受信手段は、車両が走行する可能性の高いエリアに対して受信の指向性を制御可能な指向性アンテナ及び無指向性アンテナを有し、
    前記走行状態検出手段で検出した車両の走行状態に基づいて前記指向性アンテナの指向性を制御し、車両が走行する可能性の低いエリア内に存在する警戒対象を検出するために前記無指向性アンテナを利用することを特徴とする警戒対象検出装置。
  2. 前記走行状態検出手段は、車両の進行方向を検出することを特徴とする請求項1に記載する警戒対象検出装置。
  3. 前記走行状態検出手段は、車両の速度を検出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載する警戒対象検出装置。
  4. 前記走行状態検出手段は、車両周辺の道路情報を検出することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載する警戒対象検出装置。
  5. 車両の周辺に存在する警戒対象を検出する警戒対象検出システムであって、
    前記警戒対象検出システムは、警戒対象が保持する発信装置及び車両に搭載される警戒対象検出装置によって構成され、
    前記発信装置では、前記警戒対象検出装置において受信可能な電波を発信し、
    前記警戒対象検出装置は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載する警戒対象検出装置であることを特徴とする警戒対象検出システム。
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