JP4586240B2 - 電磁放射測定装置および電磁放射測定方法 - Google Patents

電磁放射測定装置および電磁放射測定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に電子機器等からの電磁放射の強度を測定する電磁放射測定装置および電磁放射測定方法に関し、特に1GHz以上の電磁放射測定に適した電磁放射測定装置および電磁放射測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種の電子機器およびシステムの中で発生する電磁ノイズは,空間に放射されて他の機器の機能を妨害することがあるため、近年、このような電磁放射(Radiated Emission)発生の抑制と妨害排除能力の向上による電磁的両立性,すなわちEMC(Electro-Magnetic Compatibility)に対する注目度が高まっている。このような電磁放射の測定方法としては、ANSI(American National Standards Institute)による測定規格に基づいた以下のようなものが知られている。
【0003】
図11に従来の電磁放射の測定方法例を概念的に示す。図11(a)はスパイラル状のサンプリングによる方法、(b)は輪切り状のサンプリングによる方法を示している。
【0004】
この測定方法は通常、電波暗室内で行われ、測定対象である機器(以下EUT:Equipment Under Testと称する)102はターンテーブル105上に載置される。このターンテーブル105を5rpm以上の速度で360deg回転させ、アンテナ103を高さ1〜4mの範囲で垂直方向に移動しながら受信を行い、電磁放射の電界強度の最大値を得ることによって測定する。この測定は、図11で概念的に示したように、ターンテーブル105を中心にした円筒面105aの表面をアンテナ103によってスキャンしている状況とほぼ同等と考えられる。例えば、ターンテーブル105を回転させながらアンテナ103を垂直方向に移動した場合は、図11(a)のようにスパイラル状に連続的にサンプリングされ、アンテナ103の高さを一定間隔で保持した場合は、図11(b)のように一定高さごとに輪切り状にサンプリングされることになる。そして、このような測定による最大測定値が規定の値を超えている場合、不適合の判定がされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、1GHz以上の電磁放射では、電波暗室の底面である金属製のグランドプレーンによる反射波等の影響で、電磁波が非常に細かいハイトパターンを描く。図12に3GHzの水平偏波によるハイトパターンの例を、また図13に5GHzの水平偏波によるハイトパターンの例をそれぞれ示す。
【0006】
図12および図13のように、これらの電磁放射では電界値のピークが垂直方向に対して細かく表れるため、上述したようなターンテーブル105を5rpm以上という高速で回転させて周波数ごとの最大放射レベルを得る測定方法では、最大のピークポイントを見逃して正確に測定されない可能性が高い。
【0007】
この点をふまえ、ANSIでは1GHz以上の測定について、以下のような測定方法を経験的な手法として記し、その測定に注意を促している。例えば、ホーンアンテナをEUT付近に近づけて強くノイズが放射されている方向を見極めた後に、その範囲についてアンテナを規定の高さずつ変化させて測定する。
【0008】
しかし、この測定方法では、ノイズ放射の強い範囲の見極めや角度探しに非常に時間がかかってしまう。例えば、この測定の熟練者で40分以上、EUT102の設計者による測定では1時間以上を要することが一般的であり、時間短縮のためには複数の作業者を必要とする。また、高さ方向はビーム特性が鋭く、測定スキルを持たない設計者にはピーク値を見逃し、正確に測定されない可能性が高い。
【0009】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、1GHz以上の電磁放射を正確に、かつ短時間で測定可能な電磁放射測定装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明の他の目的は、1GHz以上の電磁放射を正確に、かつ短時間で測定可能な電磁放射測定方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、電子機器からの電磁放射を測定する電磁放射測定装置において、金属の板状部材の上側で、前記板状部材の上面に対して垂直な方向を軸として前記電子機器を回転させる回転駆動手段と、前記電子機器からの電磁放射を検出する検出手段と、前記検出手段を前記板状部材の上面に対して垂直な方向に移動させる垂直駆動手段と、前記検出手段の検出信号を基に周波数ごとの電界強度を測定する電界強度測定手段と、前記回転駆動手段に前記電子機器を所定の角度ずつ回転させて停止させ、前記電子機器の回転が停止されるごとに、前記垂直駆動手段に前記検出手段を所定の高さ範囲内で移動させるとともに、前記検出手段の移動中に前記電界強度測定手段に前記検出信号を連続的に受信させ、移動中における周波数ごとの最大電界強度を前記電子機器の回転停止ごとの測定結果として出力させる測定制御手段と、を有し、前記所定の角度は、前記検出手段の指向特性において、測定対象とする上限周波数の電界強度の検出レベルが一定値以上となる角度に設定されることを特徴とする電磁放射測定装置が提供される。
【0012】
このような電磁放射測定装置では、測定制御手段の制御によって、電子機器が回転駆動手段により所定の角度ずつ回転され、回転停止ごとに垂直駆動手段によって検出手段が垂直方向に移動されて連続的に電磁放射が検出される。そして、移動中における周波数ごとの最大電界強度が、電子機器の回転停止ごとの測定結果として電界強度測定手段から出力される。また、電子機器を回転させてから停止させるまでの回転角度は、検出手段の指向特性において、測定対象とする上限周波数の電界強度の検出レベルが一定値以上となる角度に設定される。
【0013】
また、本発明では、電子機器からの電磁放射を測定する電磁放射測定方法において、金属の板状部材の上側で、回転駆動手段が、前記板状部材の上面に対して垂直な方向を軸として前記電子機器を所定の角度ずつ回転駆動し、前記電子機器の回転が停止されるごとに、垂直駆動手段が、前記電子機器からの電磁放射を検出する検出手段を前記板状部材の上面に対して垂直な方向に所定の高さ範囲内で移動させ、電界強度測定手段が、前記検出手段の移動中に前記検出手段からの検出信号を連続的に受信して、移動中における周波数ごとの最大電界強度を前記電子機器の回転停止ごとの測定結果として出力する、処理を含み、前記所定の角度は、前記検出手段の指向特性において、測定対象とする上限周波数の電界強度の検出レベルが一定値以上となる角度に設定されることを特徴とする電磁放射測定方法が提供される。
【0014】
このような電磁放射測定方法では、電子機器が所定の角度ずつ回転され、回転停止ごとに垂直方向に所定の高さ範囲内で連続的に電磁放射が検出される。そして、移動中における周波数ごとの最大電界強度が、電子機器の回転停止ごとの測定結果として出力される。また、電子機器を回転させてから停止させるまでの回転角度は、検出手段の指向特性において、測定対象とする上限周波数の電界強度の検出レベルが一定値以上となる角度に設定される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の電磁放射測定装置の主な構成を示すブロック図である。
【0016】
電磁放射測定装置1は、測定対象である電子機器2を任意の角度ずつ回転させ、回転停止ごとの各周波数についての最大放射レベルを測定し、この測定値から電子機器2から放射される最大電界強度や、メインローブの方向性を求める。電磁放射測定装置1は、電子機器2からの電磁放射を検出する検出手段3と、検出手段3を垂直方向に移動させる垂直駆動手段4と、載置された電子機器2を回転駆動する回転駆動手段5と、検出手段3の検出信号により電磁放射の電界強度を測定する電界強度測定手段6と、電界強度測定手段6からの出力データを解析して所定の測定結果を出力するデータ解析手段7と、垂直駆動手段4および回転駆動手段5の駆動と、電界強度測定手段6の測定、データ出力およびデータ解析手段7の解析処理を制御する測定制御手段8と、によって構成される。
【0017】
電子機器2、検出手段3、垂直駆動手段4および回転駆動手段5は通常、電波暗室内に設置され、検出手段3はアンテナ等である。電界強度測定手段6は検出手段3による検出信号を周波数成分ごとに解析して周波数スペクトルを出力するスペクトラムアナライザ等で構成され、電波暗室の床下スペース等に設置される。また、データ解析手段7および測定制御手段8は、例えば電波暗室の外部に設置されたコンピュータの記憶装置にプログラムとして格納され、このプログラムが実行されることによって実現される。
【0018】
この電磁放射測定装置1による測定では、測定制御手段8による制御のもとに、回転駆動手段5によって電子機器2が所定の角度ずつ360degまで回転され、各角度での回転停止状態において、検出手段3が垂直駆動手段4によって所定の高さ範囲内を垂直駆動され、検出手段3が駆動される間に連続的に検出を行うことで、電子機器2の周囲のほぼ全方向にわたって電磁放射が自動的に検出される。電界強度測定手段6は、検出手段3からの検出信号から電界強度の最大値を周波数ごとに記録して、各角度での回転停止ごとにこの電界強度の最大値による周波数スペクトルをデータ解析手段7に送出する。データ解析手段7はこの周波数スペクトルのデータを解析して、電子機器2の全周にわたる電界強度の最大値を記録した周波数スペクトルや、電界強度の水平方向の指向特性を表すレーダチャート等を出力する。
【0019】
なお、回転駆動手段5の停止時から次の停止時までの回転角度は、検出手段3の検出指向特性より適切に設定される。また、電界強度測定手段6は、例えば検出手段3による検出信号のロスを最小限にするため、検出手段3との間に接続されるRF(Radio Frequency)アンプとともに、電波暗室のグランドプレーン下に設置され、電界強度測定手段6からデータ解析手段7へのデータ送信は遅延のないように、同軸ケーブル、光ファイバーおよび高速通信に対応した中継機器等を介して行われる。さらに、電界強度測定手段6で生成された周波数スペクトルのデータがデータ解析手段7に送信されている間に、回転駆動手段5によって電子機器2が回転されるように測定制御手段8が制御することによって、測定時間が短縮される。
【0020】
次に、図2に本発明の電磁放射測定装置1の機器配置例を示す。
電磁放射測定装置1は、電波暗室20を用いた一般的な自動測定システムをベースとして実現することができる。図2のように、周囲に電波吸収体26が設けられた電波暗室20の内部には、金属製のグランドプレーン21上にターンテーブル25とアンテナポジショナー24が設置され、電子機器等のEUT22はターンテーブル25の上に載置されて回転駆動される。また、EUT22の動作中の電磁放射はアンテナ23によって検出され、アンテナ23はアンテナポジショナー24によって垂直方向に駆動され、移動可能となっている。アンテナ23はRFアンプ31を介してスペクトラムアナライザ32に接続されるが、このRFアンプ31およびスペクトラムアナライザ32は、アンテナ23の検出信号の伝送ロスを最小限にするため、アンテナ23の直下でグランドプレーン21の下に設けられたピット30内に設置される。
【0021】
アンテナポジショナー24およびターンテーブル25の駆動は、電波暗室20の外部の測定室40内に設置されたコンピュータ41の測定プログラムによって制御される。電磁放射の測定は、ターンテーブル25を所定の角度ごとに回転させて停止させ、この回転停止時にアンテナポジショナー24によってアンテナ23を垂直方向に所定の高さ範囲を移動させ、この移動中に検出した検出信号がスペクトラムアナライザ32に送出される。例えば、EUT22がグランドプレーン21から80cmの位置に配置されるとき、アンテナ23は1m〜4mの範囲を移動して検出を行う。
【0022】
図3にアンテナ23の電磁放射の受信方法ついて概念的に示す。
アンテナ23による検出は、図3のようにターンテーブル25を中心にした円筒面25aの表面をアンテナ23によって垂直方向にスキャンしている状況とほぼ同等と考えられる。ターンテーブル25を角度ステップ25bごとに矢印25cの方向に回転し、回転停止時にアンテナ23を垂直方向に移動させることによって、アンテナ23によって円筒面25aの表面を矢印25dの部分がスキャンされる。ターンテーブル25が360deg回転されることによって、円筒面25aの全周にわたって測定が行われる。
【0023】
ところで、この電磁放射の測定環境では、水平面には金属であるグランドプレーン21が存在するが、垂直面にはEUT22の電源コードやアンテナ23に接続される同軸ケーブル、相互接続された機器類以外に強い電波反射物がなく、電磁放射の水平偏波の指向性は垂直偏波に比べて広くなる。このことから上記測定で、円筒面25aの矢印25c方向(円周方向)については、必要とされる角度ごとのみでの測定を行うこととしている。この回転の角度ステップ25bは、測定周波数の上限や、EUT22の構造、アンテナ23の指向特性等に応じて設定される。
【0024】
以上のように検出された電磁放射は、RFアンプ31を介してスペクトラムアナライザ32に送出される。スペクトラムアナライザ32では、検出信号から電界強度の周波数スペクトルが算出される。この周波数スペクトルは、コンピュータ41の測定プログラムによりターンテーブル25の回転停止ごとに算出され、このとき各周波数の電界強度の最高値が記録されるようになっている。この回転停止ごとに算出された周波数スペクトルは、測定プログラムの制御によってコンピュータ41に送出され、所定のデータ解析が行われる。
【0025】
ここで、図4に測定制御系統の装置構成例を示す。
電磁放射測定装置1の測定制御系統では、例えば測定機器接続の標準規格であるGPIB(General Purpose Interface Bus)を使用し、測定室40に設置されたコンピュータ41からの制御信号やデータの伝送路は、GPIBボード41aを介する高速伝送系411と、GPIBボード41bを介する低速伝送系412の2系統を設けている。
【0026】
コンピュータ41とスペクトラムアナライザ32との間は高速伝送系411によって接続される。これは、スペクトラムアナライザ32より送出されるデータ量が大きいためで、スペクトラムアナライザ32とコンピュータ41との距離に応じて、規定長さ以上の場合はデータエラーを防ぐためにGPIBエクステンダ33および42によって中継させる。スペクトラムアナライザ32とGPIBエクステンダ33および42とGPIBボード41aとは、それぞれ同軸ケーブルによって接続し、GPIBエクステンダ33および42の間は光ファイバーによって接続して、高速通信に対応させるとともに電波暗室20のシールド特性が悪化するのを防止する。なお、スイッチマトリクス34はアンテナ23との接続を所定の周波数帯域ごとに行うもので、同軸ケーブルによって接続される。
【0027】
一方、GPIBボード41bには、ターンテーブル25の回転駆動角度を制御するターンテーブルコントローラ43、アンテナポジショナー24の高さ制御を行うアンテナポジションコントローラ44、測定前に各機器に確認信号を送出して動作確認を行う信号発振器45、および1GHz以下の電磁放射を測定するEMIレシーバ46が、通常のGPIBケーブルによって接続され、これらは例えば測定室40に設置される。
【0028】
次に、測定データの解析について説明する。図5にスペクトラムアナライザ32の測定結果の例を示す。図5(a)はターンテーブル25の回転角度が0degのとき、(b)は20degのとき、(c)は40degのときを示す。また、図6に第1の解析結果例である全体の電界強度測定結果の周波数スペクトルを示す。さらに、図7に第2の解析結果例であるレーダチャートを示す。
【0029】
図5では、スペクトラムアナライザ32による測定結果の例として、ターンテーブル25の回転が0deg、20degおよび40degのとき、アンテナ23を1〜4mの高さ範囲で移動させた場合の周波数スペクトル51、52および53が示している。前述したように、これらの測定値は各回転角度での電界強度の最大値が記録されている。この測定データはコンピュータ41に送出され、測定プログラムによって解析される。
【0030】
第1の解析結果としては、図6に示すようにすべての回転角度における最大値を記録した周波数スペクトル61が得られる。このデータにより、EUT22の発生する電磁放射の最大電界強度が周波数ごとに求められ、EUT22の電磁放射特性の適正判断が行われる。また第2の解析結果としては、例えば図5の同周波数である点51a、52aおよび53aの値より、図7のように各回転角度における電界強度を周波数ごとに記録したレーダチャート71が得られる。このレーダチャート71より電磁放射の周波数ごとの指向特性か表され、矢印71aで示されたメインローブの方向が明確になり、電波シールドの効果が弱い部分を容易に特定することができる。
【0031】
次に、図8に電磁放射測定の処理の流れを示す。
コンピュータ41の記憶装置に格納された測定プログラムが実行されると、まず、スペクトラムアナライザ32に制御信号が送出され、分解能、リファレンスレベル、周波数、スイープタイム等の基本設定が行われる(S81)。次に、ターンテーブルコントローラ43およびアンテナポジションコントローラ44に制御信号が送出され、ターンテーブル25の角度が0degに、アンテナ23の位置がグランドプレーン21から1mになるように設定の初期化が行われる(S82)。
【0032】
次にスペクトラムアナライザ32の測定モードが、測定値の最大値を常に記録していく「Max Hold」に設定され(S83)、アンテナポジションコントローラ44に制御信号が送出されて、アンテナポジショナー24によってアンテナ23が目標値の高さ4mとなるまで高速に駆動され(S84)、検出信号がスペクトラムアナライザ32に送出される。アンテナポジショナー24が目標の位置まで到達すると、アンテナポジションコントローラ44よりコンピュータ41に実行完了を示す制御信号が送出され、コンピュータ41はこれを受信すると(S85)、スペクトラムアナライザ32の測定モードを周波数スペクトルを出力する「View」モードに設定し(S86)、スペクトラムアナライザ32で算出された周波数スペクトルのデータをコンピュータ41内に取り込まれる(S87)。また、これと並行して、ターンテーブルコントローラ43に制御信号を送出し、ターンテーブル25は例えば10degのように設定された角度ステップ分だけ回転される(S88)。
【0033】
コンピュータ41に取り込まれた周波数スペクトルのデータは、測定プログラムにより解析されて、電界強度や指向性を示すグラフがコンピュータ41の表示装置により表示、あるいはプリンタによる印刷等によって出力される(S89)。ここで、コンピュータ41にターンテーブルコントローラ43より実行完了信号が送出されると、ターンテーブル25が360deg分回転していない場合は(S90)、スペクトラムアナライザ32の測定モードを、測定済みデータをクリアーする「Clear Write」にした後、再び「Max Hold」に設定する(S91)。この後、アンテナポジショナー24が駆動されて(S84)、アンテナ23が高さ4mから1mの位置まで移動され、電磁放射が検出される。以下、このようにターンテーブル25の回転とアンテナ23の移動が繰り返され、ターンテーブル25の回転が360deg分終了している場合は(S90)測定が終了となる。
【0034】
次に、このような測定に必要な時間を概算する。
一般に1GHz以上の電磁放射の測定はホーンアンテナによって行われ、上記の測定におけるアンテナ23としても使用することができる。図9および図10にホーンアンテナの指向特性の例を示す。図9は検出波が1GHzの場合、図10は5GHzの場合である。
【0035】
このホーンアンテナの例では、図9のように検出波が1GHzの場合は3dBピークが40deg程度であるのに対し、図10のように5GHzの場合は10deg程度である。したがって上記の測定においては。ターンテーブル25の回転する角度ステップ25bがこの角度以下であれば、円筒面25aの全周にわたって検出範囲をカバーすることが可能であり、例えば上限周波数が5GHzのコンピュータ等の機器の測定は、回転角度ステップを10deg程度として行うのが妥当である。
【0036】
以上を考慮して、ここでは回転角度ステップを5degとした場合の測定時間を概算する。回転角度ステップを5deg、アンテナ23の昇降範囲を1〜4m、30cm/sの速度でアンテナ23の1角度ステップあたりの昇降時間が15sec、スペクトラムアナライザ32のデータ送信時間が2secで、測定周波数を分割しない場合、トータルの測定時間は
測定時間=(2+15)*360/5=1224(sec)
で、約20分となる。従来の測定方法では測定の熟練者で約40分以上の時間が必要であったので、上記の測定によって測定時間がほぼ半減され、しかも測定者のGHz帯の電磁放射に対する知識や測定スキルに関わらず、このような短時間で信頼性の高い測定データを得ることが可能となる。
【0037】
また、上記の測定では測定装置の規格通りの範囲で測定することを前提としていたが、現実の電磁放射とアンテナ23の指向性を考慮すると、以下のような方法で測定することができ、測定効率を高めることが可能となる。まず、EUT22をグランドプレーン21から80cmの高さのとき、アンテナ23を例えば4mのような高い位置とすると、もしメインローブの方向が合致していたとしても、このような高い位置ではアンテナ23の感度が約10dB以上低下してしまって電磁放射を良好にとらえることはできない。そこで、一般的に測定高さ範囲を1〜2.5mの範囲とする。次に、回転角度ステップをやや大きめにして、EUT22の周囲360degを大まかに測定し、その中で強い電磁放射が測定された角度の範囲について、回転角度ステップを小さくして詳細な測定を行う。
【0038】
この測定に必要な時間を概算する。最初の大まかな測定時の回転角度ステップが20deg、その後の特定範囲の測定時の回転角度ステップが5deg、アンテナ23の昇降範囲が1〜2.5m、1角度ステップあたりの昇降時間が5sec、スペクトラムアナライザ32のデータ送信時間が2secのとき、
測定時間=全体測定+特定範囲への移動時間(最大)+特定範囲測定
=(5+2)*360/20+8+(5+2)*20/5
=162(sec)
で約3分となり、従来方法の約1/10以下の時間で効率のよい測定が可能となる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電磁放射測定装置では、電磁放射が最大となる場所を見逃すことがなく、電磁放射測定を高精度かつ短時間で行うことができる。
【0040】
また、本発明の電磁放射測定方法では、電磁放射が最大となる場所を見逃すことがなく、電磁放射測定を高精度かつ短時間で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電磁放射測定装置の主な構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の電磁放射測定装置の機器配置例を示す図である。
【図3】アンテナによる電磁放射の検出方法について概念的に示す図である。
【図4】測定制御系統の装置構成例を示す図である。
【図5】スペクトラムアナライザによる測定結果の例を示す図であり、(a)はターンテーブルの回転角度が0degのとき、(b)は20degのとき、(c)は40degのときをそれぞれ示す。
【図6】第1の解析結果例である全体の電界強度測定結果の周波数スペクトルを示す図である。
【図7】第2の解析結果例であるレーダチャートを示す図である。
【図8】電磁放射測定の処理の流れを示す図である。
【図9】検出波が1GHzの場合のホーンアンテナの指向特性例を示す図である。
【図10】検出波が5GHzの場合のホーンアンテナの指向特性例を示す図である。
【図11】従来の電磁放射の測定方法例を概念的に示す図であり、(a)はスパイラル状のサンプリングによる方法、(b)は輪切り状のサンプリングによる方法を示す。
【図12】3GHzの水平偏波によるハイトパターンの例を示す図である。
【図13】5GHzの水平偏波によるハイトパターンの例を示す図である。
【符号の説明】
1……電磁放射測定装置、2……電子機器、3……検出手段、4……垂直駆動手段、5……回転駆動手段、6……電界強度測定手段、7……データ解析手段、8……測定制御手段、20……電波暗室、21……グランドプレーン、22……EUT、23……アンテナ、24……アンテナポジショナー、25……ターンテーブル、26……電波吸収体、30……ピット、31……RFアンプ、32……スペクトラムアナライザ、40……測定室、41……コンピュータ

Claims (3)

  1. 電子機器からの電磁放射を測定する電磁放射測定装置において、
    金属の板状部材の上側で、前記板状部材の上面に対して垂直な方向を軸として前記電子機器を回転させる回転駆動手段と、
    前記電子機器からの電磁放射を検出する検出手段と、
    前記検出手段を前記板状部材の上面に対して垂直な方向に移動させる垂直駆動手段と、
    前記検出手段の検出信号を基に周波数ごとの電界強度を測定する電界強度測定手段と、
    前記回転駆動手段に前記電子機器を所定の角度ずつ回転させて停止させ、前記電子機器の回転が停止されるごとに、前記垂直駆動手段に前記検出手段を所定の高さ範囲内で移動させるとともに、前記検出手段の移動中に前記電界強度測定手段に前記検出信号を連続的に受信させ、移動中における周波数ごとの最大電界強度を前記電子機器の回転停止ごとの測定結果として出力させる測定制御手段と、
    を有し、
    前記所定の角度は、前記検出手段の指向特性において、測定対象とする上限周波数の電界強度の検出レベルが一定値以上となる角度に設定されることを特徴とする電磁放射測定装置。
  2. 前記測定制御手段は、前記回転駆動手段に前記電子機器を第1の角度ずつ360度分だけ回転させ、前記電界強度測定手段に前記電子機器の回転停止ごとの前記測定結果を出力させた後、出力された前記測定結果に基づき、強い電磁放射が測定された角度の範囲だけ、前記回転駆動手段に前記電子機器を前記第1の角度より小さい第2の角度ずつ回転させ、前記電界強度測定手段に前記電子機器の回転停止ごとの前記測定結果を出力させることを特徴とする請求項1記載の電磁放射測定装置。
  3. 電子機器からの電磁放射を測定する電磁放射測定方法において、
    金属の板状部材の上側で、回転駆動手段が、前記板状部材の上面に対して垂直な方向を軸として前記電子機器を所定の角度ずつ回転駆動し、
    前記電子機器の回転が停止されるごとに、垂直駆動手段が、前記電子機器からの電磁放射を検出する検出手段を前記板状部材の上面に対して垂直な方向に所定の高さ範囲内で移動させ、
    電界強度測定手段が、前記検出手段の移動中に前記検出手段からの検出信号を連続的に受信して、移動中における周波数ごとの最大電界強度を前記電子機器の回転停止ごとの測定結果として出力する、
    処理を含み、
    前記所定の角度は、前記検出手段の指向特性において、測定対象とする上限周波数の電界強度の検出レベルが一定値以上となる角度に設定されることを特徴とする電磁放射測定方法。
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