JP4585818B2 - シロアリ防除剤 - Google Patents

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Description

本発明は、ピペリジン化合物を含有し、安全性及び防除性の高いシロアリ防除剤に関する。
シロアリは、木造建築物などの木造物や地下埋設されたケーブル類などを食害して、これらを破壊する。このようなシロアリの防除剤としては、有機塩素系化合物、有機リン系化合物、カーバメート系化合物、ピレスロイド系化合物が使用されてきたが、安全性及び防除性のいずれをも充足するのは困難であった。
一方、ピペリジン化合物も殺虫効果を示すことが知られており、特開2002−220372号公報(特許文献1)には、下記式(I)で表されるピペリジン誘導体、そのN−オキシド体またはその塩を有効成分として含有する殺虫剤、殺ダニ剤又は殺線虫剤が開示されている。
Figure 0004585818
[式中、2個のR1は同じでも異なってもよく、各々水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級ハロアルキル基、低級ハロアルコキシ基または低級アルキルスルホニルオキシ基を示し、R2は水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルコキシアルキル基または低級アルキルカルボニル基を示し、Xは酸素原子または硫黄原子を示し、Yは酸素原子又は硫黄原子を示し、R3は非置換のまたは置換基を有する低級アルケニル基または低級アルキニル基(前記の置換基は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、低級アルコキシ基、低級ハロアルコキシ基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基、低級シクロアルキル基、低級アルコキシアルコキシ基、アミノ基、低級アルキルアミノ基、低級ジアルキルアミノ基、低級アルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、トリメチルシリル基またはフェニル基である)または低級シクロアルケニル基を示す]。
また、この文献には、殺虫剤が適用される害虫として、シロアリ目害虫が例示されている。しかし、この文献には、どのようなピペリジン化合物がシロアリの防除に有効であるのか記載されていない。
特開2002−220372号公報(請求項1及び12、段落番号[0186])
従って、本発明の目的は、高い安全性を有するとともに、高いシロアリ防除効果を示すシロアリ防除剤を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、特定のピペリジン化合物が、高い安全性を有するとともに、他のピペリジン化合物に比べて極めて高いシロアリ防除効果を示すことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明のシロアリ防除剤は、下記式(1)で表される化合物を含有する。
Figure 0004585818
このようなシロアリ防除剤は、木部又は土壌を処理するために用いられてもよく、ベイト剤として用いられてもよい。
本発明には、前記シロアリ防除剤を、シロアリが生育又は繁殖可能な被処理域又は被処理体に適用してシロアリを防除又は予防する方法も含まれる。また、本発明の方法において、前記シロアリ防除剤を、土壌及び木材から選択された被処理体に適用することにより、土壌処理剤又は木材処理剤として使用してもよい。さらに、前記シロアリ防除剤を、シロアリと接触又はシロアリに摂食させてもよい。
本発明では、特定のピペリジン化合物でシロアリ防除剤を構成するため、人畜に対する高い安全性を有するとともに、他のピペリジン化合物に比べて極めて高いシロアリ防除効果を示す。従って、このようなシロアリ防除剤は、木部や土壌を処理するためのシロアリ防除剤として有用であり、また、ベイト剤などの各種製剤としても有用である。
本発明のシロアリ防除剤は、有効成分として、前記式(1)で表される化合物、すなわち、N−[4−(2−プロペニルオキシカルボニルアミノ)ベンジル]−4−[ビス(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドロキシメチル]ピペリジンを含有する。この化合物(1)は、他のピペリジン化合物に比べて極めて高い防蟻性を示すとともに、人畜に対する毒性や変異原性も低い。
前記化合物(1)は、例えば、特開2002−220372号公報に記載された方法で製造できる。すなわち、下記式(1a)で表されるベンジルハライド(例えば、4−(2−プロペニルオキシカルボニルアミノ)ベンジルブロマイドなど)と、下記式(1b)で表されるピペリジン化合物(4−[ビス(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドロキシメチルピペリジン])とを、必要に応じて溶媒及び塩基の存在下で反応させることにより得られる。
Figure 0004585818
(式中、Zは、塩素原子や臭素原子などのハロゲン原子を示す)。
本発明のシロアリ防除剤は、前記化合物(1)による特性を損なわない範囲で、他のシロアリ防除成分や抗菌成分(防腐防カビ剤)を含有していてもよい。
他のシロアリ防除成分は、合成系化合物であっても、天然系化合物であってもよい。合成系化合物としては、例えば、有機リン系化合物(ホキシム、クロルピリホス、フェニトロチオン、ピリダフェンチオン、イソフェンホスなど)、カーバメート系化合物(バッサ、プロポキサーなど)、ピレスロイド系化合物(シフルトリン、ペルメトリン、トラロメトリン、フェンパレレート、エトフェンプロックス、ビフェントリン、シフェノトリン、シラフルオフェン、ピレトリン、プラレトリンなど)、ネオニコチノイド系化合物(ニテンピラム、アセタミプリド、クロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサムなど)、フェニルピラゾール系化合物(フィプロニールなど)、ピロール系化合物(クロルフェナピルなど)、ネライストキシン系化合物(ベンスルタップなど)、アミジノヒドラゾン系化合物(ヒドラメチルノンなど)、セミカルバゾン系化合物、高級アルコール類(トリデカノール、ヘキサデカノールなど)、オルトホウ酸などのホウ酸、キチン合成阻害剤(ルフェヌロン、ヘキサフルムロン、ジフルベンズロン、フルフェノクスロンなど)、幼若ホルモン様化合物(メトプレン、ハイドロプレンなど)などが例示できる。天然系化合物としては、例えば、モリンガ属、マラー属をはじめとした植物又はその抽出物、脂肪酸(デカン酸、オクタン酸など)、ヒバ油、ヒバ中性油などが例示できる。これら他のシロアリ防除成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
シロアリに対する阻害性の観点から、これら他のシロアリ防除成分のうち、ネオニコチノイド系化合物などのシロアリ防除剤が好ましく、特にクロチアニジンが好ましい。他のシロアリ防除成分の割合は、前記化合物(1)100重量部に対して、0〜1000重量部程度の割合から選択でき、例えば、0.1〜100重量部、好ましくは1〜50重量部程度である。
抗菌成分としては、例えば、有機ヨード系化合物(3−ブロモ−2,3−ジヨード−2−プロペニルエチルカーボネート、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート、2,3,3−トリヨードアリルアルコール、パラクロロフェニル−3−ヨードプロパルギルホルマールなど)、ベンズイミダゾールおよびベンゾチアゾール系化合物[2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、2−チオシアノメチルチオベンゾチアゾールなど]、トリアゾール系化合物[1−(2−(2′,4′−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール、1−(2−(2′,4′−ジクロロフェニル)−4−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール、α−(2−(4−クロロフェニル)エチル)−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノールなど]、天然系化合物[4−イソプロピルトロポロン(ヒノキチオール)、ホウ砂など]、抗菌性金属[銀化合物(例えば、金属銀;AgCl,AgF,AgF2などのハロゲン化銀;Ag2O,AgOなどの酸化物;Ag2Sなどの硫化物;Ag2SO4,Ag2CrO4,Ag3PO4,Ag2CO3,Ag2SiO3などの酸素酸塩など)、銅化合物、亜鉛化合物など]などが挙げられる。これらの抗菌成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの抗菌成分の割合は、シロアリ防除成分の合計(有効成分)100重量部に対して、0〜2000重量部程度の割合から選択でき、例えば、50〜1000重量部、好ましくは100〜500重量部程度である。
本発明のシロアリ防除剤には、さらに、慣用の添加剤、例えば、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、結合剤、被膜形成能を有する樹脂、展着剤、湿潤剤、浸透剤、増粘剤、流動助剤、固結防止剤、凝集剤、乾燥剤、消臭剤、着色剤などが含まれていてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
本発明のシロアリ防除剤は、任意の剤形で用いることができ、例えば、液剤(溶液剤、水和剤、懸濁剤、分散剤、乳剤、油剤、ローション、マイクロカプセル剤、マイクロスフェア、フロアブル剤など)、固形剤(粉剤、粒剤、錠剤、発泡剤など)、半固形剤(ペースト剤、クリームなど)、噴霧剤又はエアゾール剤、塗料などの形態で用いることができる。
特に、シロアリ防除剤が溶液剤や乳剤などの液剤(又は液状)の場合には、通常、溶媒の他に、乳化剤又は界面活性剤を含有している。
溶媒としては、例えば、水、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノールなど)、多価アルコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどの鎖状エーテルや、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの環状エーテルなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなど)、カルビトール類(カルビトール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルなど)、ハロゲン化炭化水素類(塩化メチレン、クロロホルムなど)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ラウリン酸ブチルなど)、炭化水素類[脂肪族炭化水素類(ヘキサンなどの脂肪族炭化水素など)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素など)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素など)など]、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)、ニトリル類(アセトニトリルなど)などが挙げられる。これらの溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの溶媒のうち、水、エタノールなどのアルコール類、エチレングリコールやプロピレングリコールなどの多価アルコール類などが汎用される。
シロアリ防除剤中における溶媒の含有量は、10〜99.999重量%程度の範囲から選択でき、例えば、30〜99.9重量%、好ましくは50〜99重量%、さらに好ましくは60〜95重量%(特に70〜90重量%)程度である。
乳化剤又は界面活性剤としては、例えば、アニオン界面活性剤(ラウリン酸ナトリウムなどの金属セッケン、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸金属塩、ラウリルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルナフタレンスルホン酸金属塩、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどのジアルキルスルホコハク酸金属塩、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウムなどのポリカルボン酸型界面活性剤、リグニンスルホン酸ナトリウムなどのリグニンスルホン酸金属塩など)、ノニオン界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレングリセリンステアリン酸エステルなどのポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステルなどの多価アルコール脂肪酸エステルなど)、カチオン界面活性剤(ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドなどのテトラアルキルアンモニウム塩など)、両性界面活性剤(ジメチルラウリルカルボキシベタインなどのアルキルベタインなど)などが挙げられる。これらの界面活性剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの界面活性剤のうち、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩などのアニオン界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテルやポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどのノニオン界面活性剤が好ましい。
シロアリ防除剤中における乳化剤又は界面活性剤の含有量は、例えば、1〜50重量%、好ましくは3〜40重量%、さらに好ましくは5〜30重量%(特に5〜20重量%)程度である。
シロアリ防除剤を、液状(又は液剤)の形態で用いる場合、例えば、前記液剤と適当な固体希釈剤(又は固体担体)とを予め混合した後乾燥させ、液剤と固体担体との混合物として用いることもできる。固体担体は、液剤と混合可能な固体成分であれば特に制限されず、固体担体としては、例えば、粘土鉱物[例えば、ゼオライト、セピオライト、アタパルジャイト(パリゴルスカイト)など]、合成ゼオライト、炭(木炭、竹炭など)、タルク類(滑石粉、ロウ石粉など)、クレイ類(微粉末クレイなど)、軽石類(流紋岩系天然ガラス、パーライトなど)、鉱物性粉粒物(ケイ砂、バーミキュライト、炭酸カルシウムなど)、硫黄粉末、尿素粉末、植物性粉粒物(ピートモス、木粉、澱粉など)、農薬、園芸用製剤などに繁用される各種担体などが挙げられる。これらの固形希釈剤や担体は、増量材として使用される場合も多い。これらの固体担体は、単独または二種以上の混合物として用いることができる。これらのうち、タルク類、ケイ砂などの鉱物性粉粒物、木粉などの植物性粉粒物などが汎用される。
固体単体と液剤との割合(重量比)は、例えば、固体単体/液剤=100/1〜1/5、好ましくは50/1〜1/3、さらに好ましくは30/1〜1/2(特に10/1〜1/1)程度である。
シロアリ防除剤中における有効成分の含有量は、用途に応じて適宜選択すればよく、特に限定されないが、例えば、固形剤や半固形剤の場合は、例えば、0.01〜100重量%、好ましくは0.1〜70重量%、さらに好ましくは1〜50重量%(特に2〜30重量%)程度であり、液剤の場合は、例えば、0.001〜90重量%程度の範囲から選択でき、例えば、0.001〜50重量%、好ましくは0.005〜30重量%、さらに好ましくは0.01〜20重量%(特に0.05〜10重量%)程度である。
本発明のシロアリ防除剤は、例えば、土壌や木部などを処理するために用いられる。土壌を処理するために用いる場合(土壌処理剤として使用する場合)は、通常、土壌に散布することにより適用されるため、粉剤や粒剤などの固形剤、乳剤などの液剤などが好ましい。土壌への適用方法としては、土壌表面へ散布する方法、土壌に形成した溝へ散布する方法、土壌と混和する方法などを挙げることができる。なお、土壌には、ケイ砂などが含まれていてもよい。
また、木部を処理するために用いる場合(木部処理剤として使用する場合)は、通常、塗布、含浸、注入、噴霧などによって木部に適用されるため、液剤(油剤や乳剤など)、半固形剤、噴霧剤、塗料などの形態が好ましい。木部処理剤は、シロアリが生育又は繁殖する可能性がある木部に適用することができ、特に、シロアリが発生又は侵入し易い箇所、例えば、台所、浴室、トイレなどの水回り床下部、居間、床のコーナー部、天井、土台、柱、壁、家具などの木製製品などに適用するのが好ましい。
さらに、本発明のシロアリ防除剤は、ベイト剤などの各種製剤として使用できる。ベイト剤は、シロアリ防除剤をシロアリに接触(付着)又は摂食させて、ベイト剤の食毒作用によりシロアリを死滅させる。ベイト剤は、例えば、液剤の形態で、前述の木部処理剤として適用されてもよいが、通常、固形剤(粉剤、粒剤、錠剤など)や半固形剤(ペースト剤など)などの形態で、シロアリが通りやすい場所に配置されることにより適用される。なお、ベイト剤には、通常、シロアリ食餌物やシロアリ嗜好物が含有される。
シロアリ食餌物又は嗜好物としては、例えば、セルロース類[例えば、木粉(マツ木粉など)、腐朽木材、植物細切片(おが屑、樹皮の細切物など)、紙類など]、糖類[単糖類(マンノース、ガラクトース、ラムノースなど)、オリゴ糖類(ラクトース、ラフィノースなど)、糖アルコール類(マンニトール、キシリトールなど)、環式糖アルコール類(イノシトールなど)、多糖類(ジュランガム、キサンタンガムなど)]などが挙げられる。これらのシロアリ食餌物又は嗜好物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのシロアリ食餌物又は嗜好物のうち、マツ木粉、マンノース、ガラクトース、マンニトール、ジュランガムなどが好ましい。
ベイト剤中におけるシロアリ食餌物又は嗜好物の含有量は、0.1〜99.99重量%程度である。
本発明のシロアリ防除剤が適用されるシロアリとしては、シロアリ目に属する昆虫が該当し、例えば、ヤマトシロアリ、イエシロアリなどのミゾガシラシロアリ科に属する昆虫、アメリカカンザイシロアリ、ダイコクシロアリなどのレイビシロアリ科に属する昆虫などが挙げられる。
本発明のシロアリ防除剤は、高い安全性及びシロアリ防除性を有しているため、土壌や木部を処理するために適用される他、ベイト剤などのシロアリ防除用の各種製剤として有用である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、シロアリ防除剤の評価を行った試験方法について以下に示す。
[毒性試験]
(マウス急性経口毒性試験)
有効成分(シロアリ防除剤)を0.5重量%カルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液に懸濁させ、数種類の濃度で有効成分を含有する懸濁液を調製した。この各濃度の懸濁液をマウスに10ml/kg体重の容量で胃ゾンデにより一回強制経口投与した。投与後のマウスの生死を調べ、マウスの半数が死亡すると予想される体重当たりの有効成分量(LD50値、mg/kg体重)を求めた。
(エームズテスト)
有効成分(シロアリ防除剤)をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、数種類の濃度で有効成分を含有する溶液を調製した。この各濃度の溶液を(対照はDMSOのみ)、試験菌液(サルモネラ菌のTA100株、TA98株、TA1535株、TA1537株及び大腸菌のWP2uvrA株)、及びヒスチジン又はトリプトファンを欠乏させた軟寒天液を混和し、さらに代謝活性化を必要とする場合はS9(薬物代謝酵素誘導を行ったラットの肝臓ホモジネート)も添加し、この混合液を基礎寒天培地上に播いた。これを37℃で48時間培養し、生育した試験菌のコロニー(変異コロニー)を計数した。変異コロニー数が対照よりも2倍以上増加した場合を陽性(変異原性あり)、2倍未満の場合を陰性(変異原性なし)と判定した。
これらの毒性試験の結果を表1に示す。
[接触試験]
土壌を処理した例として、ケイ砂をシロアリ防除剤で処理した。すなわち、有効成分(シロアリ防除剤)0.5g、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(三洋化成工業(株)製、ノニオン系界面活性剤、商品名「ナロアクティーHN100」)10g、ジエチレングリコールモノメチルエーテル79.5g、ジフェニルアルカン(新日本石油化学(株)製、商品名「SAS310」)10gを混合して乳化用油剤(有効成分0.5重量%)を得た。得られた乳化用油剤を3段階に稀釈した薬液を、3リットル/m2の割合で、シャーレ内に敷き詰めたケイ砂に対して散布した。シャーレの中にイエシロアリ職蟻10頭を投入して、その挙動を経時的に観察し、健全なシロアリの頭数を測定した。なお、コントロールとして、薬液で処理しないケイ砂についても同様の試験を行った。その結果を表2に示す。
[ろ紙試験]
木部を処理したベイト剤の例として、ろ紙をシロアリ防除剤で処理した。すなわち、有効成分(シロアリ防除剤)0.1gをアセトン99.9gに溶解させた溶液40μLをNo.2ろ紙(直径12mm)に滴下処理した。この処理済ろ紙を風乾後(アセトン消失後)、容器内に充填したケイ砂の上に設置した。なお、シロアリは前記ろ紙に接触可能であるとともに、前記ケイ砂は、含水率が8重量%(シロアリ活動の至適含水率)となるように注水されている。容器内のケイ砂上に、イエシロアリ職蟻200頭を投入して、経時的な観察により、健全なシロアリの比率(%)を測定した。その結果を表3に示す。
実施例1
前記式(1)で表される化合物をシロアリ防除剤として、毒性試験、接触試験、ろ紙試験を行った結果を表1〜3に示す。
比較例1
下記式(2)で表される化合物をシロアリ防除剤として、毒性試験、接触試験、ろ紙試験を行った結果を表1〜3に示す。
Figure 0004585818
比較例2
下記式(3)で表される化合物をシロアリ防除剤として、接触試験、ろ紙試験を行った結果を表1〜3に示す。
Figure 0004585818
比較例3
下記式(4)で表される化合物をシロアリ防除剤として、毒性試験、接触試験、ろ紙試験を行った結果を表1〜3に示す。
Figure 0004585818
比較例4
下記式(5)で表される化合物をシロアリ防除剤として、接触試験、ろ紙試験を行った結果を表1〜3に示す。
Figure 0004585818
比較例5
下記式(6)で表される化合物をシロアリ防除剤として、毒性試験、接触試験、ろ紙試験を行った結果を表1〜3に示す。
Figure 0004585818
Figure 0004585818
Figure 0004585818
Figure 0004585818
表1〜3の結果、実施例1の化合物は、安全性が高く、シロアリの防除効果も高い。一方、比較例1〜5の化合物は、シロアリの防除効果が低い。特に、比較例1及び5の化合物は、安全性も低い。

Claims (6)

  1. 下記式(1)で表される化合物を含有するシロアリ防除剤。
    Figure 0004585818
  2. 木部又は土壌を処理するために用いられる請求項1記載のシロアリ防除剤。
  3. ベイト剤として用いられる請求項1記載のシロアリ防除剤。
  4. 請求項1記載のシロアリ防除剤を、シロアリが生育又は繁殖可能な被処理域又は被処理体に適用してシロアリを防除又は予防する方法。
  5. 請求項1記載のシロアリ防除剤を、土壌及び木材から選択された被処理体に適用する請求項4記載の方法。
  6. 請求項1記載のシロアリ防除剤を、シロアリと接触又はシロアリに摂食させる請求項4記載の方法。
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