JPWO2017104692A1 - シロアリ防除剤 - Google Patents

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Abstract

下記一般式(1)で示されるイミノピリジン誘導体及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種を含有するシロアリ防除剤。【化1】[式(1)中、Arは、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜C4アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいアルキルオキシ基、水酸基、シアノ基、若しくはニトロ基で置換されていてもよいピリジル基又はピリミジル基を示し;R1は、水素原子、又はC1〜C6アルキル基を示し;Yは、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜C6アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜C6アルキルオキシ基、シアノ基、ホルミル基、又はニトロ基を示し、かつ、R2は、ハロゲンにより置換されたC1〜C6アルキル基を示す。]

Description

本発明はシロアリ防除剤に関し、より詳しくは、イミノピリジン誘導体を含有する防除性の高いシロアリ防除剤及びそれを用いるシロアリ防除方法に関するものである。
シロアリは、温帯地域から熱帯地域にかけて発生し、住宅を始めとする木造建築物に多大な被害を及ぼす木材害虫として恐れられている。このシロアリに対する防除剤としては、有機リン系化合物、カーバメート化合物、ピレスロイド系化合物、ネオニコチノイド系化合物、及びフェニルピラゾール系化合物が開発されてきたが、駆除効果と予防効果の両面で満足するものが得られているとはいえない。また、人畜に対する安全性や非標的生物に対する安全性の面から、使用場面が限られている化合物も多い。このような状況の中、シロアリが問題となる家屋内の建築素材や土壌への処理など種々の場面において使用が可能であり、かつ、非標的生物に対する安全性の高い新規薬剤が切に求められている。
国際公開第2012/029672号(特許文献1)には、一般式(Ie’)で示されるアミン誘導体が殺虫効果を示すことが記されており、また、欧州特許出願公開第268915号明細書(特許文献2)には、前記アミン誘導体と構造が類似するアミン誘導体の殺虫活性が記されている。さらに、国際公開第2013/129692号(特許文献3)には、前記アミン誘導体と構造が類似するアミン誘導体のシロアリに対する防除効果が開示されている。
しかしながら、一般式(Ie’)で示されるアミン誘導体のシロアリに対する防除効果は何ら具体的に開示されていない。
国際公開第2012/029672号 欧州特許出願公開第268915号明細書 国際公開第2013/129692号
本発明の課題は、実用性の高い新規のシロアリ防除剤及びそれを用いたシロアリ防除方法を提供することである。
上記課題を解決すべく、鋭意検討を行なった結果、本発明者らは、下記の一般式(1)で示される化合物及び/又はその塩が、動物に対して高い安全性を有するにも関わらず、既存剤と比較して極めて高いシロアリ防除効果を示すことを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の態様は以下のとおりである。
[1]下記一般式(1)で示されるイミノピリジン誘導体及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種を含有するシロアリ防除剤。
[式(1)中、Arは、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜C4アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいアルキルオキシ基、水酸基、シアノ基、若しくはニトロ基で置換されていてもよいピリジル基;又はハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜C4アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいアルキルオキシ基、水酸基、シアノ基、若しくはニトロ基で置換されていてもよいピリミジル基を示し、
R1は、水素原子、又はC1〜C6アルキル基を示し、
Yは、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜C6アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜C6アルキルオキシ基、シアノ基、ホルミル基、又はニトロ基を示し、かつ、
R2は、ハロゲン原子により置換されたC1〜C6アルキル基を示す。]。
[2]前記一般式(1)において、Yが水素原子又はハロゲン原子である、[1]に記載のシロアリ防除剤。
[3]前記一般式(1)で示されるイミノピリジン誘導体が、N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミド、N−〔1−((6−クロロ−5−フルオロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミド、N−〔1−((6−フルオロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミド、N−〔1−((6−ブロモピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミド、N−〔1−(1−(6−クロロピリジン−3−イル)エチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミド、N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2−ジフルオロアセタミド、2−クロロ−N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2−ジフルオロアセタミド、N−〔1−((2−クロロピリミジン−5−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミド、及びN−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパナミドからなる群から選択される少なくとも1種である、[1]に記載のシロアリ防除剤。
[4]前記一般式(1)で示されるイミノピリジン誘導体が、N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミドである、[1]に記載のシロアリ防除剤。
[5][1]〜[4]のうちのいずれか一項に記載のシロアリ防除剤を用いるシロアリ防除方法。
[6]前記シロアリ防除剤を、シロアリ又はシロアリの生育場所に施用する工程を含む、[5]に記載のシロアリ防除方法。
[7]前記シロアリ防除剤を、木材の表面に塗布する工程又は内部に注入する工程を含む、[5]に記載のシロアリ防除方法。
[8]前記シロアリ防除剤を、土壌の表面に散布する工程、土壌の内部に注入する工程、及び土壌と混和する工程からなる群から選択される少なくとも1つの工程を含む、[5]に記載のシロアリ防除方法。
[9]前記シロアリ防除剤を、建物基礎部の立ち上がり周囲部、建物基礎部のコンクリート面、及び建物外周部からなる群から選択される少なくとも1箇所のシロアリの侵入する場所に処理する工程を含む、[5]に記載のシロアリ防除方法。
[10]前記シロアリ防除剤を、シロアリに接触又は摂食させる工程を含む、[5]に記載のシロアリ防除方法。
本発明のシロアリ防除剤はシロアリに対して高い防除効果を有する。このようなシロアリ防除剤をシロアリに接触及び/又は摂食させることにより、高いシロアリ防除効果が得られる。また、当該シロアリ防除剤によって処理された被処理体の摂食が阻害されることにより、被処理体のシロアリによる被害を予防することもできる。
本発明のシロアリ防除剤は、有効成分として下記一般式(1):
で示されるイミノピリジン誘導体及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種を含有する。
前記一般式(1)中、Arは、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜C4アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいアルキルオキシ基、水酸基、シアノ基、若しくはニトロ基で置換されていてもよいピリジル基;又は、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜C4アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいアルキルオキシ基、水酸基、シアノ基、若しくはニトロ基で置換されていてもよいピリミジル基を示す。また、R1は、水素原子、又はC1〜C6アルキル基を示す。
Yは、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜C6アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜C6アルキルオキシ基、シアノ基、ホルミル基、又はニトロ基を示す。また、R2は、ハロゲン原子により置換されたC1〜C6アルキル基を示す。
Arが示す「置換されていてもよいピリジル基」及び「置換されていてもよいピリミジル基」において、置換されていてもよい置換基としては、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜C4アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいアルキルオキシ基、水酸基、シアノ基、ニトロ基などが挙げられる。その中で好ましい置換基は、ハロゲン原子である。
ここで、前記一般式(1)中、「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。また、前記一般式(1)中、「ハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜C4アルキル基」としては、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、2−トリフルオロエチル基、2−クロロエチル基などが挙げられる。さらに、前記一般式(1)中、「ハロゲン原子により置換されていてもよいアルキルオキシ基」としては、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチルオキシ基、ジフルオロメチルオキシ基などが挙げられる。
前記一般式(1)で示される化合物において、Arの好ましい態様としては、3−ピリジル基、6−クロロ−3−ピリジル基、5−クロロ−2−チアゾリル基、5−クロロ−4−チアゾリル基、6−クロロ−5−フルオロ−3−ピリジル基、6−ブロモ−3−ピリジル基、6−フルオロ−3−ピリジル基、5,6−ジクロロ−3−ピリジル基、6−トリフルオロメチル−3−ピリジル基、2−クロロ−5−ピリミジル基である。その中で好ましくは6−クロロ−3−ピリジル基、6−フルオロ−3−ピリジル基、6−クロロ−5−フルオロ−3−ピリジル基、6−ブロモ−3−ピリジル基、2−クロロ−5−ピリミジル基などが挙げられる。
R1が示す「C1〜C6アルキル基」としては、鎖状、分岐状、環状又はそれらの組合せの炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。分岐状又は環状のアルキル基を含む場合は、炭素数は3以上である。具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基が挙げられる。その中で好ましくはメチル基、エチル基などが挙げられる。
Yが示す「ハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜C6アルキル基」としては、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2−クロロエチル基などが挙げられる。
また、Yが示す「ハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜C6アルキルオキシ基」としては、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチルオキシ基、ジフルオロメチルオキシ基、イソプロピルオキシ基などが挙げられる。
R2が示す「ハロゲン原子により置換されたC1〜C6アルキル基」とは、鎖状、分岐状、環状又はそれらの組合せの炭素数1〜6のアルキル基において1以上の水素原子がハロゲン原子で置換された基であり、置換された水素原子の数の上限はアルキル基が有する水素原子の数である。分岐状又は環状のアルキル基を含む場合は、炭素数は3以上である。「ハロゲン原子により置換されたC1〜C6アルキル基」としては、具体的にはトリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ジフルオロクロロメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、クロロメチル基、2,2−ジフルオロエチル基、ジクロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2−ジフルオロシクロプロピル基、2,3−ジフルオロシクロプロピル基などが挙げられる。その中で好ましくはトリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ジクロロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基、クロロメチル基、ペンタフルオロエチル基であり、より好ましくはトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジフルオロクロロメチル基、クロロメチル基、ペンタフルオロエチル基である。
前記一般式(1)で示されるイミノピリジン誘導体の中でより好ましい化合物は、N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミド、N−〔1−((6−クロロ−5−フルオロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミド、N−〔1−((6−フルオロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミド、N−〔1−((6−ブロモピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミド、N−〔1−(1−(6−クロロピリジン−3−イル)エチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミド、N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2−ジフルオロアセタミド、2−クロロ−N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2−ジフルオロアセタミド、N−〔1−((2−クロロピリミジン−5−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミド、及びN−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパナミドからなる群から選択される少なくとも1種の化合物であり、特に好ましい化合物は、N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミドである。
前記一般式(1)で示されるイミノピリジン誘導体は、国際公開第2012/029672号、国際公開第2013/031671号、又は国際公開第2015/137216号に記載の方法等で合成することができ、例えば、N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミドは、国際公開第2013/031671号又は国際公開第2015/137216号に記載の方法により合成することができる。
また、本発明のシロアリ防除剤において、前記一般式(1)で示されるイミノピリジン誘導体の塩としては、製薬学的に許容される酸付加塩であることが好ましく、前記酸付加塩としては、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩などが挙げられる。
本発明のシロアリ防除剤は、前記一般式(1)で示されるイミノピリジン誘導体及び/又はその塩を有効成分として含有する限り、特に制限されず、前記イミノピリジン誘導体及びその塩のうちのいずれか単独で構成されても、これらの混合物で構成されてもよく、前記イミノピリジン誘導体及び/又はその塩による特性を損なわない範囲内であれば、他の成分と共に混合されて構成された組成物であってもよい。かかる他の成分としては、前記一般式(1)で示されるイミノピリジン誘導体及びその塩以外の他の有効成分(他のシロアリ防除成分、殺虫成分、抗菌成分など)、製薬学的に許容される担体及び添加剤などが挙げられる。
一般式(1)で示されるイミノピリジン誘導体及び/又はその塩(以下、場合により、単に「イミノピリジン誘導体及び/又はその塩」という)と混合可能な他のシロアリ防除成分及び殺虫成分としては、カーバメート系化合物(フェノブカルブ、キシリルカルブ、メトルカルブ、カルバリル、イソプロカルブ、プロポクスル、メトキサジアゾン、バッサ、プロポキサーなど)、有機リン系化合物(ホキシム、クロルピリホス、フェニトロチオン、マラチオン、ピリダフェンチオン、イソフェンホス、ジクロルボスなど)、フェニルピラゾール系化合物(フィプロニル、ピリプロールなど)、ピレスロイド系化合物(アレスリン、シフルトリン、ペルメトリン、トラロメトリン、シペルメトリン、d−フェノトリン、ハルフェンプロクス、フェンパレレート、エトフェンプロックス、ビフェントリン、アクリナトリン、トランスフルスリン、シフェノトリン、シラフルオフェン、ピレトリン、イミプロトリン、プラレトリン、フタルスリン、レスメトリン、フェンプロパトリン、トランスフルトリン、メトフルスリン、プロフルスリンなど)、スルホンアミド系化合物(アミドフルメトなど)、ネオニコチノイド系化合物(ニテンピラム、アセタミプリド、クロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサム、ジノテフラン、チアクロプリドなど)、メソイオン系化合物(トリフルメゾピリム、ジクロロメゾチアズなど)、ベンゾイルフェニルウレア系化合物(ビストリフルロン)、マクロライド系化合物(エバメクチン、アバメクチン、エマメクチン、ネマデクチン、スピノサドなど)、幼若ホルモン類縁体(ピリプロキシフェンなど)、ホウ素系化合物(ホウ酸、ホウ酸ナトリウムなど)、アリールピロール化合物(クロルフィナピルなど)、ネライストキシン系化合物(ベンスルタップなど)、ジアシルーヒドラジン系化合物(クロマフェノジド、テブフェノジド、メトキシフェノジドなど)、アミジノヒドラゾン系化合物(ヒドラメチルノンなど)、電位依存性ナトリウムチャネルブロッカー(インドキサカルブ、メタフルミゾンなど)、ジアミド系化合物(フルベンジアミド、クロラントラニリプロールなど)、オキサゾリン系化合物(エトキサゾールなど)、高級アルコール(トリデカノール、ヘキサデカノールなど)、キチン生合成阻害剤(ヘキサフルムロン、ジフルベンズロン、フルフェノクスロン、ルフェヌロン、クロルフルアズロン、ジアフェンチウロン、ノバルロン、フルアズロン、トリフルムロン、テフルベンズロン、ブプロフェジンなど)、GABA作用薬(フルキサメタミドなど)、幼若ホルモン様化合物(メトプレン、ハイドロプレンなど)が挙げられる。また、脂肪酸(デカン酸、オクタン酸など)、天然物由来成分(オバクノン、ベルベリン、パフィア属(Pfaffia)、カワ種、ヒカゲノカズラ属(Licopodium)、ウィタニア属(Withania)、ゴムフレナ属(Gomphrena)、アキランテス属(Achyranthes)、ココヤシ属(Cocos)、又はアブラヤシ属(Elaeis)に属する植物からの抽出物;ハッカ油;レモングラス油;ゼラニウム油;レモンユーカリ油;ヒバ油など)、その他化合物(ディート(N,N−ジエチル−m−トルアミド)、p−メンタン−3,8−ジオール、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、MGK−11(2,3,4,5−ビス−(δ−ブチレン)−テトラヒドロフルフラール)、MGK−326(イソシンコメロン酸ジ−n−プロピル)、L−メントール、シネオール、α−ピネン、シトロネラール、カンファー、リナロール、アザジラクチンなど)、天敵微生物(ボーベリア、メタリジウム、ベルチシリウムなど)も挙げられる。これら他のシロアリ防除成分及び殺虫成分は、単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。
これらの他のシロアリ防除成分及び殺虫成分の混合割合は、前記イミノピリジン誘導体及び/又はその塩100重量部に対して、0〜100重量部の割合から選択でき、例えば、0.1〜80重量部、好ましくは1〜50重量部である。
前記イミノピリジン誘導体及び/又はその塩と混合可能な抗菌成分としては、例えば、有機ヨード化合物(3−ブロモ−2,3−ジヨード−2−プロペニルエチルカーボネート、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート(IPBC)、2,3,3−トリヨードアリルアルコール、パラクロロフェニル−3−ヨードプロパルギルホルマールなど)、ベンズイミダゾール及びベンゾチアゾール系化合物(2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、2−チオシアノメチルチオベンゾチアゾールなど)、トリアゾール系化合物(1−(2−(2′,4′−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール、1−(2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール(一般名:プロピコナゾール)、α−(2−(4−クロロフェニル)エチル)−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(一般名:テブコナゾール)など)、天然物(4−イソプロピルトロポロン(慣用名:ヒノキチオール)、ホウ砂など)、抗菌性金属(銀化合物(例えば、金属銀;AgCl、AgF、AgFなどのハロゲン化銀;AgO、AgOなどの酸化物;AgSなどの硫化物;AgSO、AgCrO、AgPO、AgCO、AgSiOなどの酸素酸塩)、銅化合物、亜鉛化合物など)が挙げられる。これらの抗菌成分は、単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。
これらの抗菌成分の混合割合は、前記イミノピリジン誘導体及び/又はその塩100重量部に対して、0〜2000重量部の割合から選択でき、好ましくは50〜1000重量部、より好ましくは100〜500重量部である。
前記製薬学的に許容される担体としては、後述する本発明のシロアリ防除剤の剤型に応じて、液状担体、ゲル担体、固形担体、半固形担体などから適宜選択できる。
前記液状担体としては、シリコーンオイル、動物性油脂、及び植物性油脂(例えば、なたね油など)などの油性液状担体;水性溶媒;有機溶媒などが挙げられる。
前記水性溶媒及び前記有機溶媒としては、水、アルコール類(エタノール、イソプロパノールなどの低級脂肪族アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコールなどの(ポリ)アルキレングリコール;グリセリンなどの脂肪族多価アルコール類など)、エーテル類(ジエチルエーテルなどの鎖状エーテル;テトラヒドロフランなどの環状エーテル;カルビトール、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのカルビトール類など)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、セロソルブ類(メチルセロソルブなどのアルキルセロソルブなど)、エステル類(酢酸エチル、アジピン酸ジイソノニルなどの脂肪酸エステルなど)、炭化水素類(ナフテンを主成分とした炭化水素溶剤;ヘキサンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;トルエン、キシロールなどの芳香族炭化水素;塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類など)、アミド類(ジメチルホルムアミドなど)、ニトリル類(アセトニトリルなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)が挙げられる。これらの溶媒は、単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。これらの溶媒のうち、水又は水溶性有機溶媒(低級脂肪族アルコール、(ポリ)アルキレングリコール、脂肪族多価アルコール類、アセトンなど)を用いる場合が多い。また、前記溶媒のうち、揮発性の高い溶媒(例えば、エタノールなどの低級脂肪族アルコール、アセトン、アセトニトリル、短鎖状エーテルなど)を用いてもよい。
前記ゲル担体としては、アルギン酸類、セルロース又はその誘導体、ポリエチレングリコールなどの樹脂が挙げられる。
前記固形担体及び前記半固形担体としては、農薬、園芸用製剤などに汎用される粉粒状担体が挙げられる。例えば、粘土鉱物(ゼオライト、セピオライト、アタパルジャイト(別名:パリゴルスカイト)など)、合成ゼオライト、炭(木炭、竹炭など)、タルク類(滑石粉、ロウ石粉など)、クレー類(微粉末クレーなど)、軽石類(流紋岩系天然ガラス、パーライトなど)、鉱物性粉粒物(ケイ砂、バーミキュライト、雲母、炭酸カルシウムなど)、金属酸化物(酸化チタンなど)、硫黄粉末、尿素粉末、植物性粉粒物(ピートモス、木粉など)の他;デンプン、デキストリンなどの糖類(多糖類など);カルボキシビニルポリマー、架橋ポリビニルピロリドンなどの合成高分子;セルロースエーテル類;金属石鹸類;被膜形成能を有する樹脂(ロウ、固形パラフィン、長鎖脂肪酸エステル、高級アルコール、高級脂肪酸など)が挙げられる。
これらの担体は、単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。
前記製薬学的に許容される添加剤としては、慣用の添加剤、例えば、乳化剤(例えば、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性界面活性剤などの各種界面活性剤)、分散剤、増粘剤、pH調整剤、結合剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、展着剤、湿潤剤、浸透剤、流動助剤、固結防止剤、凝集剤、乾燥剤、消臭剤、着色剤、防黴剤、消泡剤、凍結防止剤などが挙げられる。これらの添加剤は、単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。
本発明のシロアリ防除剤において、前記イミノピリジン誘導体及び/又はその塩の含有量(混合物である場合にはそれらの合計含有量、以下同じ)は、用途や剤型に応じて適宜選択すればよく、特に限定されないが、前記シロアリ防除剤の全重量に対して、好ましくは0.00001〜95重量%、より好ましくは0.001〜90重量%、さらに好ましくは0.01〜85重量%、特に好ましくは0.1〜80重量%である。
例えば、本発明のシロアリ防除剤を下記の液状製剤として提供する場合、前記イミノピリジン誘導体及び/又はその塩の含有量は、製剤の全重量に対して、0.00001〜50重量%の範囲から選択でき、好ましくは0.001〜40重量%、より好ましくは0.01〜30重量%、さらに好ましくは0.1〜20重量%である。
また、本発明のシロアリ防除剤を下記の固形製剤として提供する場合、前記イミノピリジン誘導体及び/又はその塩の含有量は、製剤の全重量に対して、0.01〜95重量%の範囲から選択でき、好ましくは0.1〜90重量%、より好ましくは1〜85重量%、さらに好ましくは40〜80重量%である。
本発明のシロアリ防除剤は、液状製剤(液剤、懸濁剤、乳剤、EW剤、油剤、ローション剤、マイクロカプセル剤、マイクロスフェア、フロアブル剤など)、固形製剤(粉剤、粒剤、水和剤、顆粒水和剤、錠剤、発泡剤、防蟻シート、防蟻性フィルムなど)、半固形製剤(ペースト剤、クリーム剤、ムース剤、ゲル剤など)、噴霧剤又はエアゾール剤などの任意の剤型で提供できる。また、これらの剤型に応じて、前記担体及び添加剤を適宜選択して用いることができる。例えば、液剤や乳剤などの液状製剤とする場合、前記の溶媒などの液状担体、乳化剤、pH調整剤などを適宜組み合わせて用いてもよい。
また、本発明のシロアリ防除剤としては、前記液状製剤と適当な固形希釈剤(例えば、前記固形担体)とを混合し、必要により乾燥させた形態であってもよい。前記固形希釈剤は単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。前記固形希釈剤としては、タルク類、ケイ砂などの鉱物性粉粒物、木粉などの植物性粉粒物等が汎用される。このような形態において、前記固形希釈剤と前記液状製剤との割合(重量比)は、例えば、固形希釈剤/液状製剤=100/1〜1/5、好ましくは50/1〜1/3、さらに好ましくは30/1〜1/2(特に10/1〜1/1)である。
さらに、本発明のシロアリ防除剤としては、シロアリに摂食させるためのベイト剤の形態であってもよい。前記ベイト剤としては、液状製剤の形態であってもよいが、通常、固形製剤(粉剤、粒剤、錠剤など)や半固形製剤(ペースト剤など)などの形態で提供される。なお、前記ベイト剤には、通常、シロアリ食餌物やシロアリ嗜好物が含有される。前記シロアリ食餌物及び前記シロアリ嗜好物としては、例えば、セルロース類(例えば、木粉(マツ木粉など)、腐朽木材、植物細切片(おが屑、樹皮の細切物など)、紙類など)、糖類(単糖類(マンノース、ガラクトース、ラムノースなど)、オリゴ糖類(ラクトース、ラフィノースなど)、糖アルコール類(マンニトール、キシリトールなど)、環式糖アルコール類(イノシトールなど)、多糖類(ジュランガム、キサンタンガムなど)など)等が挙げられる。これらのシロアリ食餌物及びシロアリ嗜好物は、単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。これらのシロアリ食餌物又はシロアリ嗜好物のうち、マツ木粉、マンノース、ガラクトース、マンニトール、ジュランガムなどが好ましい。前記ベイト剤において、前記シロアリ食餌物及び/又は前記シロアリ嗜好物(混合物である場合にはそれらの合計量)の割合は、前記イミノピリジン誘導体及び/又はその塩の含有量100重量部に対して、例えば、0.1〜1000重量部、好ましくは1〜500重量部、さらに好ましくは5〜200重量部である。
本発明のシロアリ防除剤を用いるシロアリ防除方法(シロアリ駆除の方法及びシロアリ予防の方法)としては、前記シロアリ防除剤をシロアリに直接施用する方法、並びに、本発明のシロアリ防除剤を、シロアリが加害し得る被処理域(シロアリの生育場所又は繁殖場所)又は被処理体(土壌、木材などの木部、コンクリート面、基礎断熱材、建物床下部、建物天井部、建物基礎部、建物基礎部の立ち上がり周囲部、建物外周部の、シロアリが通過・侵入し得る場所;街路樹;蟻道;食害部など)に適用する方法が挙げられる。
本発明のシロアリ防除剤は、前記被処理体の形態などに応じて、例えば、予め前記シロアリ防除剤と前記被処理体とを混合することにより被処理体に適用してもよく、製造された被処理体の表面に、前記シロアリ防除剤を、塗布、注入及び/又はムース状に処理することなどにより適用してもよい。
例えば、本発明のシロアリ防除方法(本発明のシロアリ防除剤の適用方法)の態様としては、前記シロアリ防除剤を木材などの木部に直接処理する方法、シロアリの侵入を防ぐために前記シロアリ防除剤を土壌に処理してバリア層を構築する方法、基礎断熱材に前記シロアリ防除剤を混合又は散布して木材への加害を間接的に防ぐ方法などであってもよい。
また、本発明のシロアリ防除方法の別の態様としては、家屋内外の処理を目的として、本発明のシロアリ防除剤を前記ベイト剤などの形態にして土中に埋め込む方法や、前記シロアリ防除剤を接着剤に混合するなどして、合板、集成材、木質ボードなどに適用する方法であってもよい。
さらに、本発明のシロアリ防除方法のまた別の態様としては、合成樹脂シート、紙、布などのシート又はフィルム状基材に、塗布、含浸、混練などにより本発明のシロアリ防除剤を保持させてシート剤を調製し、このシート剤を、シロアリの進入箇所や発生箇所、シロアリの被害部などに載置したり貼りつけたりする方法であってもよい。本発明のシロアリ防除方法には、これらのシロアリの進入又は発生の予防方法も含まれる。
また、本発明のシロアリ防除方法の別の態様としては、本発明のシロアリ防除剤をシロアリに摂食させる方法であってもよい。例えば、本発明のシロアリ防除剤を前記ベイト剤とし、前記液状製剤の形態で下記の木部処理剤として適用してもよいが、通常、前記固形製剤や半固形製剤などの形態で、シロアリが通過し得る場所(建物床下の土壌面、コンクリート面、建物基礎部の立ち上がり周囲部;建物外周部など)に配置することにより適用できる。
本発明のシロアリ防除剤は、特に、土壌や木部などを処理するために用いるのに有用である。また、これらの処理によって本発明のシロアリ防除剤をシロアリに接触又は摂食させることにより、シロアリを効果的に死滅又は弱体化させることができ、高いシロアリ防除効果を奏することが可能となる。
本発明のシロアリ防除剤を土壌の処理に用いる場合(土壌処理剤として使用する場合)は、散布(例えば、土壌表面へ散布、土壌に形成した溝へ散布)する方法、土壌の内部に注入する方法、土壌と混和する方法などにより、前記シロアリ防除剤を土壌に適用できる。また、このような用途では、散布又は混和などにより前記シロアリ防除剤を適用する場合、前記シロアリ防除剤の剤型としては、粉剤や粒剤などの固形製剤、液状製剤、液状製剤と前記粉粒状担体との混合物であるのが好ましい。なお、前記土壌には、ケイ砂などが含まれていてもよい。
さらに、本発明のシロアリ防除剤を木部の処理に用いる場合(木部処理剤として使用する場合)、前記シロアリ防除剤は、通常、塗布、含浸、注入、噴霧などによって木部(好ましくは木材の表面又は内部)に適用できる。そのため、前記シロアリ防除剤の剤型としては、液状製剤(乳剤、前記油性液状担体を用いた油剤など)、半固形製剤、噴霧剤(液剤、粉剤を用いた噴霧剤など)などであってもよい。また、本発明のシロアリ防除剤は、シロアリが加害する可能性のある場所に適用することができ、特に、シロアリが発生又は侵入し易い箇所、例えば、台所、浴室、トイレなどの水回り床下部;居間、床のコーナー部;天井;土台;柱;壁;家具等の木製製品などに適用するのが好ましい。
本発明のシロアリ防除方法において、本発明のシロアリ防除剤のシロアリに対する有効量は特に限定されないが、前記イミノピリジン誘導体及び/又はその塩の量(混合物である場合にはそれらの合計量、以下同じ)として、0.001〜25μg/匹が好ましく、0.01〜5μg/匹がより好ましく、0.1〜1μg/匹が最も好ましい。
また、本発明のシロアリ防除剤をシロアリの生育場所に施用する場合、その有効量は特に限定されないが、前記イミノピリジン誘導体及び/又はその塩の量として、0.02〜125g/mが好ましく、0.1〜25g/mがより好ましく、0.5〜5g/mが最も好ましい。
また、本発明のシロアリ防除剤を土壌の処理に用いる場合、その有効量は特に限定されないが、土壌表面への帯状散布の場合、前記イミノピリジン誘導体及び/又はその塩の量として、0.02〜125g/mが好ましく、0.1〜25g/mがより好ましく、0.5〜5g/mが最も好ましい。面状散布の場合、0.012〜75g/mが好ましく、0.06〜15g/mがより好ましく、0.3〜3g/mが最も好ましい。土壌と混和又は土壌内部に注入する場合、0.0001〜25mg/gが好ましく、0.001〜5mg/gがより好ましく、0.1〜1mg/gが最も好ましい。
さらに、本発明のシロアリ防除剤を木部の処理に用いる場合、その有効量は特に限定されないが、塗布や噴霧等によって木材の表面又は内部に処理する場合、前記イミノピリジン誘導体及び/又はその塩の量として、0.4〜1200mg/mが好ましく、2〜600mg/mがより好ましく、10〜300mg/mが最も好ましい。
また、本発明のシロアリ防除剤をシロアリに接触又は摂食させる場合において、上記土壌及び木部以外の被処理体に用いる場合、シロアリ防除剤の有効量は特に限定されないが、前記イミノピリジン誘導体及び/又はその塩の量として、0.001〜25μg/cmが好ましく、0.01〜5μg/cmがより好ましく、0.1〜1μg/cmが最も好ましい。
本発明のシロアリ防除剤は、種々のシロアリに対して高い防除効果が得られる。このようなシロアリとしては、シロアリ目に属する昆虫が該当し、例えば、ムカシシロアリ科(Mastotermitidae):Mastotermes属等;オオシロアリ科(Termopsidae):Zootermopsis属、Archotermopsis属、Hodotermopsis属(オオシロアリ(Hodotermopsis japonica)など)、Porotermes属、Stolotermes属;レイビシロアリ科(Kalotermitidae):Kalotermes属、Neotermes属(コウシュンシロアリ(Neotermes koshunensis)など)、Cryptotermes属(ダイコクシロアリ(Cryptotermes domesticus)、ニシインドカンザイシロアリ(Cryptotermes brevis)など)、Incisitermes属(アメリカカンザイシロアリ(Incisitermes minor)等)、Glyptotermes属(サツマシロアリ(Glyptotermes satsumensis)、ナカジマシロアリ(Glyptotermes nakajimai)、カタンシロアリ(Glyptotermes fuscus)、コダマシロアリ(Glyptotermes kodamai)、クシモトシロアリ(Glyptotermes kushimensis)など);シュウカクシロアリ科(Hodotermitidae):Hodotermes属、Microhodotermes属、Anacanthotermes属;ミゾガシラシロアリ科(Rhinotermitidae):Reticulitermes属(ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)、アマミシロアリ(Reticulitermes miyatakei)、キアシシロアリ(Reticulitermes flaviceps amamianus)、カンモンシロアリ(Reticulitermes sp.)など)、Heterotermes属、Coptotermes属(イエシロアリ(Coptotermes formosanus)、コウシュウイエシロアリ(Coptotermes guangzhoensis)、フィリピンイエシロアリ(Coptotermes vastator)など)、Schedorhinotermes属;ノコギリシロアリ科(Serritermitidae);シロアリ科(Termitidae):Amitermes属、Drepanotermes属、Hopitalitermes属、Trinervitermes属、Macrotermes属、Odontotermes属(タイワンシロアリ(Odontotermes formosanus)など)、Microtermes属、Nasutitermes属(タカサゴシロアリ(Nasutitermestakasagoensis)など)、Pericapritermes属(ニトベシロアリ(Pericapriterme nitobei)など)、Anoplotermes属、Globitermes属、Sinocapritermes属(ムシャシロアリ(Sinocapritermes mushae)など)等に属するものが挙げられる。好ましくは、Coptotermes属、Reticulitermes属、Incisitermes属、より好ましくはイエシロアリ(Coptotermes formosanus)、ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)、アメリカカンザイシロアリ(Incisitermes minor)である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
合成例1:N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミド(本発明の化合物1:構造式(2))
上記式(2)に示す本発明の化合物1は国際公開第2015/137216号に記載の製造方法により合成した。収率は84%であった。
1H−NMR(CDC13,δ,ppm):5.54(2H,s),6.88(1H,td),7.34(1H,d),7.79(1H,td),7.87(2H,m),8.46(1H,s),8.55(1H,dd)。
また、下記の各試験例で用いた比較例の化合物は、それぞれ、欧州特許出願公開第268915号明細書及び国際公開第2013/129692号に記載されている製造方法を参考にして合成した。各比較例の化合物の構造式は下記の表1に示す。
試験例1 濾紙処理による効力試験
アセトンにて所定濃度となるように調製した本発明の化合物1又は比較例の化合物1の薬液を、各化合物の処理量としてそれぞれ0.005、0.05μg/cmとなるように濾紙に染みこませた。十分に風乾させた後、濾紙をプラスチックシャーレ内に設置し、その中にイエシロアリ(Coptotermes formosanus)の職アリを5匹ずつ放虫した。その後、25℃の恒温室に放置した。放虫5日後にシロアリの生死及び苦悶を評価し、次式に従って職アリの死苦悶虫率を算出した。各化合物につき3反復評価した。
死苦悶虫率(%)=(死虫数+苦悶虫数)/放虫数×100
各化合物を用いた試験例の結果を表2に示す。本発明の化合物1はシロアリに対して高い防除効果を有することが確認された。
試験例2 土壌処理による効力試験
滅菌後乾燥させた土壌に、濃度が0.2ppm(0.0002mg/g)となるよう本発明の化合物1及び下記の表3に示す比較例の化合物をそれぞれ混和した。それらの土壌及び無処理の土壌20gをそれぞれプラスチックシャーレ(直径85mm、高さ15mm)に充填し、室温で1日乾燥させた。乾燥後、蒸留水を1シャーレあたり5mL添加し、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)の職アリを1シャーレあたり10匹放虫した。放虫後4日、シロアリの生死及び苦悶を評価し、次式に従って職アリの死苦悶虫率を算出した。各化合物につき3反復評価した。
死苦悶虫率(%)=(死虫数+苦悶虫数)/放虫数×100
各化合物を用いた試験例の結果を表3に示す。放虫後4日における本発明の化合物1の死苦悶虫率は100%であり、比較例の化合物と比べて高い死苦悶虫率を示した。従って、本発明の化合物1はシロアリに対して高い防除効果を有することが確認された。
試験例3 木片処理による効力試験
60℃で2日間乾燥させた木片(原料:スギ、木工面:20mm×20mm×高さ10mm)の表面に、本発明の化合物1の濃度が1000ppmとなるよう、同化合物を10%アセトン水に溶解した薬液をそれぞれ110±10g/m(本発明の化合物1の処理量として、0〜110±10mg/m)塗布した。ケイ砂をプラスチックシャーレ(直径85mm、高さ15mm)に約20g充填し、ケイ砂の上に木片を設置した。試験期間中適宜蒸留水をケイ砂に添加した。その中にイエシロアリ(Coptotermes formosanus)の職アリ10匹を放虫した。放虫後7日、シロアリの生死及び苦悶を評価し、次式に従って職アリの死虫率を算出した。各濃度につき3反復評価した。
死苦悶虫率(%)=(死虫数+苦悶虫数)/放虫数×100
試験の結果、放虫後7日における本発明の化合物1の死苦悶虫率は、1000ppmで100%であり、本発明の化合物1は高い死苦悶虫率を示した。従って、本発明の化合物1はシロアリに対して高い防除効果を有することが確認された。
本発明のシロアリ防除剤は、シロアリの防除に有用である。

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)で示されるイミノピリジン誘導体及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種を含有するシロアリ防除剤。
    [式(1)中、Arは、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜C4アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいアルキルオキシ基、水酸基、シアノ基、若しくはニトロ基で置換されていてもよいピリジル基;又はハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜C4アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいアルキルオキシ基、水酸基、シアノ基、若しくはニトロ基で置換されていてもよいピリミジル基を示し、
    R1は、水素原子、又はC1〜C6アルキル基を示し、
    Yは、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜C6アルキル基、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1〜C6アルキルオキシ基、シアノ基、ホルミル基、又はニトロ基を示し、かつ、
    R2は、ハロゲン原子により置換されたC1〜C6アルキル基を示す。]
  2. 前記一般式(1)において、Yが水素原子又はハロゲン原子である、請求項1に記載のシロアリ防除剤。
  3. 前記一般式(1)で示されるイミノピリジン誘導体が、N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミド、N−〔1−((6−クロロ−5−フルオロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミド、N−〔1−((6−フルオロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミド、N−〔1−((6−ブロモピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミド、N−〔1−(1−(6−クロロピリジン−3−イル)エチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミド、N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2−ジフルオロアセタミド、2−クロロ−N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2−ジフルオロアセタミド、N−〔1−((2−クロロピリミジン−5−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミド、及びN−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパナミドからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のシロアリ防除剤。
  4. 前記一般式(1)で示されるイミノピリジン誘導体が、N−〔1−((6−クロロピリジン−3−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−イリデン〕−2,2,2−トリフルオロアセタミドである、請求項1に記載のシロアリ防除剤。
  5. 請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載のシロアリ防除剤を用いるシロアリ防除方法。
  6. 前記シロアリ防除剤を、シロアリ又はシロアリの生育場所に施用する工程を含む、請求項5に記載のシロアリ防除方法。
  7. 前記シロアリ防除剤を、木材の表面に塗布する工程又は内部に注入する工程を含む、請求項5に記載のシロアリ防除方法。
  8. 前記シロアリ防除剤を、土壌の表面に散布する工程、土壌の内部に注入する工程、及び土壌と混和する工程からなる群から選択される少なくとも1つの工程を含む、請求項5に記載のシロアリ防除方法。
  9. 前記シロアリ防除剤を、建物基礎部の立ち上がり周囲部、建物基礎部のコンクリート面、及び建物外周部からなる群から選択される少なくとも1箇所のシロアリが侵入し得る場所に処理する工程を含む、請求項5に記載のシロアリ防除方法。
  10. 前記シロアリ防除剤を、シロアリに接触又は摂食させる工程を含む、請求項5に記載のシロアリ防除方法。
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