JP2005074776A - 木材保存剤及びそれを用いた木材保存方法 - Google Patents

木材保存剤及びそれを用いた木材保存方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高い防除性を有するとともに、人畜に対して安全性が高く、環境に対して悪影響を及ぼすことのない木材保存剤を提供する。
【解決手段】 木材保存剤は、パエオニア属、アンジェリカ・アクチロバ、アンジェリカ・シネンシス、リグスチクム属、クニディウム属、アカントパナクス属、プルヌス属、プソラレア属、プエラリア属、グリチルリザ属、プラチコドン属、ミリスティカ属、ポリガラ属、コリダリス属、ヒドランゲア属、ヤテオリザ属、フリティラリア属、スキルプス属、アルピニア・オキシフィラ、アルピニア・インテルメディア、アルピニア・ヤポニカ、アルピニア・カツマダイ、アルピニア・オフィキナルム、アレカ属などに属する植物又はその処理物を、有効成分として含有する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、シロアリなどの木材害虫による木材の劣化に対して有用な木材保存剤(害虫防除剤、殺菌剤などを含む)及びそれを用いた木材保存方法(害虫防除方法、殺菌方法などを含む)に関する。
従来、シロアリ、キクイムシなどに用いられる木材保存剤として、殺虫性又は殺菌性の強い化学合成薬剤が用いられている。しかし、これらの薬剤は、人畜に対する安全性および環境に及ぼす影響が高く、自然の生態系を破壊する虞がある。
一方、特開2001−158009号公報(特許文献1)には、安全性の高い木材保存剤として、利尿作用成分を含有する植物もしくはベルベリス(Berberis)属、エピメディウム(Epimedium)属、ペラルゴニウム(Pelargonium)属、フムルス(Humulus)属、ラバンデュラ(Lavandula)属もしくはラファヌス(Raphanus)属に属する植物又はその処理物を含有する木材保存剤が開示され、この中で利尿作用成分を含有する植物としては、アンジェリカ(Angelica)属、ロニセラ(Lonicera)属が挙げられている。
また、特開2001−170908号公報(特許文献2)には、(i)カスタネア(Castanea)属、コミフォラ(Commiphora)属もしくはスチラックス(Styrax)属に属する植物又はその処理物を含有する木材用防腐剤又は防虫剤、(ii)ウンカリア(Uncaria)属もしくはソフォラ(Sophora)属に属する植物又はその処理物を含有する木材用防腐剤、及び(iii)コフェア(Coffea)属に属する植物又はその処理物を含有することを特徴とする木材用防虫剤も開示されている。
さらに、特開2000−63220号公報(特許文献3)には、モリンガ(Moringa )属、マラー(Marah )属、モモルディカ(Momordica )属、ソホラ(Sophora )属、マーキア(Maackia )属、チノスポラ(Tinospora )属、ザントキシラム(Zantoxylum)属、ピクラスマ(Picrasma)属、ピパー(Piper )属、ストリキノス(Strychnos )属、スチラックス(Styrax)属、リキッドアンバー(Liquidambar )属等に属する植物より抽出又は滲出した成分を木材保存剤として用いることが開示されている。
さらにまた、特開2001−158008号公報(特許文献4)には、プルヌス(Prunus)属、ゲラニウム(Geranium)属、マグノリア(Magnolia)属、コルヌス(Cornus)属、アトラクチロデス(Atractylodes)属、クリサンテムム(Chrysanthemum)属、アルテミシア(Artemicia)属、ラファヌス(Raphanus)属、テルミナリア(Terminalia)属、ポリゴナム属(Polygonum)、クレマチス(Clematis)属、サウスレア(Saussrea)属、ジュンクス(Juncus)属、モルス(Morus)属、ルビア(Rubia)属、ベルベリス(Berberis)属、スミラックス(Smilax)属もしくはクルクマ(Curcuma)属に属する植物もしくはその処理物を含有する木材防腐剤が開示されている。
特開2001−158009号公報(特許請求の範囲) 特開2001−170908号公報(段落番号[0009]) 特開2000−63220号公報(特許請求の範囲) 特開2001−158008号公報(特許請求の範囲)
従って、本発明の目的は、有効成分が天然植物由来であっても、木材害虫に対して高い防除性を有する木材保存剤(木材害虫防除剤を含む)及びそれを用いた木材保存方法(木材害虫防除方法を含む)を提供することにある。
本発明の他の目的は、人畜に対して安全性が高く、環境に対して悪影響を及ぼすことのない木材保存剤(木材害虫防除剤を含む)及びそれを用いた木材保存方法(木材害虫防除方法を含む)を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、安全性を確保しつつ、長期間に亘り、簡便かつ高い効率で木材害虫を防除できる木材保存剤(木材害虫防除剤を含む)及びそれを用いた木材保存方法(木材害虫防除方法を含む)を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、特定の植物又はその処理物を含有する組成物が、自然の生態系を考慮した植物由来でありながら、高い防虫効果を有することを見いだし、これに基づいてさらに研究した結果、本発明を完成した。
すなわち、本発明では、以下の木材保存剤を開示する。
(A)下記(1)〜(24)からなる群から選ばれた少なくとも一種の群に属する植物又はその処理物を有効成分として含有する木材保存剤。
(1)パエオニア(Paeonia)属
(2)アンジェリカ・アクチロバ(Angelica acutiloba)
(3)アンジェリカ・シネンシス(Angelica sinensis)
(4)リグスチクム(Ligusticum)属
(5)クニディウム(Cnidium)属
(6)アカントパナクス(Acanthopanax)属
(7)プルヌス(Prunus)属
(8)プソラレア(Psoralea)属
(9)プエラリア(Pueralia)属
(10)グリチルリザ(Glycyrrhiza)属
(11)プラチコドン(Platycodon)属
(12)ミリスティカ(Myristica)属
(13)ポリガラ(Polygala)属
(14)コリダリス(Corydalis)属
(15)ヒドランゲア(Hydrangea)属
(16)ヤテオリザ(Jateorhiza)属
(17)フリティラリア(Fritillaria)属
(18)スキルプス(Scirpus)属
(19)アルピニア・オキシフィラ(Alpinia oxyphylla)
(20)アルピニア・インテルメディア(Alpinia intermedia)
(21)アルピニア・ヤポニカ(Alpinia japonica)
(22)アルピニア・カツマダイ(Alpinia katsumadai)
(23)アルピニア・オフィキナルム(Alpinia officinarum)
(24)アレカ(Areca)属
また、本発明では、以下の木材保存剤についても開示する。
(B)植物の処理物が、細断物、乾燥物、粉砕物、抽出物、及び滲出物から選択された少なくとも一種である前記(A)記載の木材保存剤。
(C)植物の処理物が、水、親水性溶媒、及び親油性溶媒から選択された少なくとも一種の抽出溶媒で抽出された抽出物である前記(A)記載の木材保存剤。
(D)木材害虫を防除するための前記(A)記載の木材保存剤。
さらにまた、本発明は、以下の木材保存方法、又は木材害虫を防除する方法も包含する。
(E)前記(A)記載の木材保存剤を、木材害虫を防除するための被処理部に適用する木材保存方法。
(F)被処理部が、土壌、木材、樹脂部材、鉄鋼部材、岩石部材、コンクリート部材、及びレンガから選択された少なくとも1つである前記(E)記載の木材保存方法。
(G)前記(A)記載の木材保存剤を、木材害虫と接触又は摂食させ、木材害虫を防除する方法。
本発明の木材保存剤(害虫防除剤又は木材害虫防除剤、殺菌剤を含む)は、木材害虫に対して高い防除性を有する。また、有効成分が天然の植物由来であるため、人畜に対して安全性が高く、環境に対して悪影響を及ぼすことが少ない。さらに、本発明の木材保存方法(害虫防除方法又は木材害虫防除方法、殺菌方法を含む)によれば、安全性を確保しつつ、簡便で効率よく防除でき、長期間に亘り木材を保存できる。
本発明では、前記特定の植物又はその処理物を用いる。
前記パエオニア(Paeonia)属に属する植物には、例えば、パエオニア・スフルチコサ(Paeonia suffruticosa;ボタン)、パエオニア・ラクチフロラ(Paeonia lactiflora;シャクヤク)(=パエオニア・アルビフロラ・バリエタス・トリコカルパPaeonia albiflora var. trichocarpa)、パエオニア・ヤポニカ(Paeonia japonica;ヤマシャクヤク)、パエオニア・ベイトチイ(Paeonia veitchii;センセキシャクヤク)などが含まれる。ボタンは中国原産の落葉低木であり、その根皮は生薬「ボタンピ」として消炎、鎮痛、鎮痙、通経薬として用いられ、特に婦人病薬として有用である。
アンジェリカ・アクチロバ(Angelica acutiloba;トウキ、オオブカトウキ)及びアンジェリカ・アクチロバ・バエリタス・スギヤマエ(Angelica acutiloba var. sugiyamae;ホッカイトウキ)は日本に生育し、アンジェリカ・シネンシス(Angelica sinensis;カラトウキ)は中国に生育する。これらの根は生薬「トウキ」として貧血、冷え症、及び月経不順などに対する婦人病薬として有用である。
リグスチクム(Ligusticum)属に属する植物には、例えば、リグスチクム・オフィキナレ(Ligusticum officinale;センキュウ、日本産センキュウ、ロベッジ)、リグスチクム・チュアンシオン(Ligusticum chuansiong;中国産センキュウ)(=リグスチクム・ワリイチイLigusticum wallichii)、リグスチクム・シネンセ(Ligusticum sinense;トウコウホン)、リグスチクム・イエホレンセ(Ligusticum jeholense;リョウコウホン)などが含まれる。リグスチクム・オフィキナレ及びリグスチクム・チュアンシオンの根茎は、生薬「センキュウ」として、強壮、鎮痛、鎮静薬として婦人病に用いられる。また、トウコウホン、リョウコウホンの根茎は、生薬「コウホン」として、鎮痛、鎮痙薬として用いられる。
クニディウム(Cnidium)属に属する植物には、例えば、クニディウム・モンニエリ(Cnidium monnieri;オカゼリ)などが含まれる。その果実は生薬「ジャショウシ」として疥癬、陰萎などに用いられる。
アカントパナクス(Acanthopanax)属に属する植物には、例えば、アカントパナクス・グラキリスチルス(Acanthopanax gracilistylus;ゴカ)、アカントパナクス・ギラルディイ(Acanthopanax giraldii;ベニゲゴカ)、アカントパナクス・セッシリフロルス(Acanthopanax sessiliflorus;ムコウゴカ)、アカントパナクス・センチコスス(Acanthopanax senticosus;エゾウコギ、シゴカ)、アカントパナクス・シエボルディアヌス(Acanthopanax sieboldianus;ヒメウコギ)などが含まれる。これらの根皮は生薬「ゴカヒ」として強壮、鎮痛薬として有用である。
プルヌス(Prunus)属に属する植物には、例えば、プルヌス・アミグダリス・バエリタス・アマラ(Prunus amygdalis var. amara;クヘントウ)、プルヌス・アミグダリス・バエリタス・デュルキス(Prunus amygdalis var. dulcis;カンペントウ)、プルヌス・アルメニアカ・バエリタス・アンス(Prunus armeniaca var. ansu;アンズ)、プルヌス・アルメニアカ(Prunus armeniaca;ホンアンズ)、プルヌス・シリビカ(Prunus sibirica;モウコアンズ)、プルヌス・マンドシュリカ(Prunus mandshurica;マンシュウアンズ)、プルヌス・フミリス(Prunus humilis;コニワザクラ、オウリ)、プルヌス・ヤマサクラ(Prunus jamasakura;ヤマザクラ)、プルヌス・ヤポニカ(Prunus japonica;ニワウメ)、プルヌス・ラウロケルスス(Prunus laurocerasus;セイヨウバクチノキ)、プルヌス・スピヌローサ(Prunus spinulosa;リンボク)、プルヌス・ムメ(Prunus mume;ウメ)、プルヌス・ペルシカ(Prunus persica;モモ)、プルヌス・イエドエンシス(Prunus yedoensis;ソメイヨシノ)、プルヌス・ジッペリアナ(Prunus zippeliana;バクチノキ)などが含まれる。プルヌス・アミグダリス・バエリタス・アマラは、シリア地方原産の落葉小高木であり、その種子は生薬「クヘントウ」として鎮咳薬に用いられる。また、プルヌス・アミグダリス・バエリタス・デュルキスの種子は、生薬「カンペントウ」として鎮咳薬に用いられる。さらにまた、ホンアンズ、アンズなどのアンズの種子は、生薬「キョウニン」として、鎮咳、去痰薬に用いられる。
プソラレア(Psoralea)属に属する植物には、例えば、プソラレア・コリリフォリア(Psoralea corylifolia;オランダビユ)などが含まれる。オランダビユはインド原産の一年草であり、その種子は、生薬「ハコシ(ホコツシ)」として頻尿、腰痛、慢性下痢、皮膚疾患に用いられる他、強壮薬としても有用である。
プエラリア(Pueralia)属に属する植物には、例えば、プエラリア・ロバタ(Pueraria lobata;クズ)、プエラリア・ロバタ・バエリタス・シネンシス(Pueraria lobata var. chinensis)などが含まれる。これらの植物の周皮を剥いだ根は、生薬「カッコン」として、発汗、解熱、鎮痙薬に用いられる。
グリチルリザ(Glycyrrhiza)属に属する植物には、例えば、グリチルリザ・ウラレンシス(Glycyrrhiza uralensis;ウラルカンゾウ)、グリチルリザ・グラブラ(Glycyrrhiza glabra;スペインカンゾウ)、グリチルリザ・グラブラ・バエリタス・グランデュリフェラ(Glycyrrhiza glabra var. grandulifera;カンゾウ)、グリチルリザ・エチナタ(Glycyrrhiza echinata;シナカンゾウ)などが含まれる。これらの植物のストロンは、生薬「シャカンゾウ」として鎮痛、鎮痙薬に用いられる。
プラチコドン(Platycodon)属に属する植物には、例えば、プラチコドン・グランディフロルムPlatycodon grandiflorum;キキョウ)などが含まれる。その根は生薬「キキョウ」として、去痰、排膿に用いられる。
ミリスティカ(Myristica)属に属する植物には、例えば、ミリスティカ・フラグランス(Myristica fragrans;ニクズク)、ミリスティカ・アルゲンタ(Myristica argenta)、ミリスティカ・マラバリカ(Myristica malabarica)などが含まれる。ニクズクの種子及び仮種皮は、生薬「ニクズク」として芳香健胃薬に用いられる。また、種子及び仮種皮は、それぞれナツメグ、メースと呼ばれ、香辛料としても用いられる。
ポリガラ(Polygala)属に属する植物には、例えば、ポリガラ・セネガ(Polygala senega;セネガ)、ポリガラ・セネガ・バエリタス・ラティフォリア(Polygala senega var. latifolia;ヒロハセネガ)、ポリガラ・テヌイフォリア(Polygala tenuifolia;イトヒメハギ)、ポリガラ・アマラ(Polygala amara)、ポリガラ・ヤポニカ(Polygala japonica;ヒメハギ)、ポリガラ・シビリカ(Polygala sibirica)、ポリガラ・ブチラケア(Polygala butyracea)などが含まれる。セネガおよびヒロハセネガの根は、生薬「セネガ」として去痰薬に用いられる。また、イトヒメハギの根は、生薬「オンジ」として去痰、強壮、鎮静薬に用いられる。
コリダリス(Corydalis)属に属する植物には、例えば、コリダリス・アムビグア(Corydalis ambigua;エゾエンゴサク)、コリダリス・デクムベンス(Corydalis decumbens;ジロボウエンゴサク)、コリダリス・ブルボサ(Corydalis bulbosa)、コリダリス・リネアリロバ(Corydalis lineariloba;ヤマエンゴサク)、コリダリス・テルナタ(Corydalis ternata;オオバエンゴサク)、コリダリス・ヘテロカルパ・バエリタス・ヤポニカ(Corydalis heterocarpa var. japonica;キケマン)、コリダリス・インキサ(Corydalis incisa;ムラサキケマン)などが含まれる。エゾエンゴサク、ジロボウエンゴサク、コリダリス・ブルボサ及びヤマエンゴサクの塊茎は、生薬「エンゴサク」として鎮痛、鎮痙薬に用いられる。また、キケマン、ムラサキケマンは、山裾や道ばたに生える越年草であり、植物内にアルカロイドを含む。
ヒドランゲア(Hydrangea)属に属する植物には、例えば、ヒドランゲア・マクロフィラ・バエリタス・ツンベルギイ(Hydrangea macrophylla var. thunbergii;アマチャ)、ヒドランゲア・マクロフィラ(Hydrangea macrophylla;ガクアジサイ)、ヒドランゲア・マクロフィラ・バエリタス・オタクサ(Hydrangea macrophylla var. otaksa;アジサイ)、ヒドランゲア・マクロフィラ・バエリタス・アクミナタ(Hydrangea macrophylla var. acuminata;ヤマアジサイ)、ヒドランゲア・パニクラタ(Hydrangea paniculata;ノリウツギ)、ヒドランゲア・パニクラタ・フォルマ・グランディフロラ(Hydrangea paniculata forma grandiflora;ミナズキ)などが含まれる。アマチャは、日本で栽培される落葉低木で、その葉は、生薬「アマチャ」として甘味薬に用いられる。また、アジサイ、ガクアジサイ、及びヤマアジサイはの葉や花は、民間薬として解熱、咳止めに用いられ、特に間欠熱の解熱に対して有用である。ノリウツギは日本、カラフト、中国に分布する落葉低木であり、樹皮に粘液質が多い。また、ミナズキはノリウツギの園芸植物である。
ヤテオリザ(Jateorhiza)属に属する植物には、例えば、ヤテオリザ・コルムバ(Jateorhiza columba:コロンボ)などが含まれる。コロンボは、アフリカ東岸の森林地帯に自生するつる性の大形多年生木本であり、その塊根は、生薬「コロンボ」として苦味健胃薬に用いられる。
フリティラリア(Fritillaria)属に属する植物には、例えば、フリティラリア・ベルティキラタ・バエリタス・ツンベルギイ(Fritillaria verticillata var. thunbergii;バイモ、アミガサユリ)、フリティラリア・ツンベルギイ(Fritillaria thunbergii;セキバイモ)、フリティラリア・キルロサ(Fritillaria cirrhosa;センバイモ)、フリティラリア・ウスレンシス(Fritillaria ussuriensis;ヘイバイモ)、フリティラリア・カムトシャトケンシス(Fritillaria camtschatcensis;クロユリ)、フリティラリア・ヤポニカ(Fritillaria japonica;コバイモ)、フリティラリア・ヤポニカ・バエリタス・コイズミアナ(Fritillaria japonica var. koidzumiana;コシノバイモ)、フリティラリア・アマビリス(Fritillaria amabilis ;ホソバナバイモ)などが含まれる。これらのフリティラリア(Fritillaria)属に属する植物の鱗茎は、生薬「バイモ」として鎮咳、去痰、排膿、催乳薬に用いられる。
スキルプス(Scirpus)属に属する植物には、例えば、スキルプス・ヤガラ(Scirpus yagara;ウキヤガラ)などが含まれる。ウキヤガラの根茎は生薬「サンリョウ」として、通経、催乳に用いられる。
アルピニア・オキシフィラ(Alpinia oxyphylla)は、中国海南島、雷州が主産地の大形の多年草である。その種子は、生薬「ヤクチ」として芳香性健胃薬、整腸薬に用いられる。アルピニア・ヤポニカ(Alpinia japonica;ハナミョウガ)及びアルピニア・インテルメディア(Alpinia intermedia;アオノクマタケラン)は、常緑の多年草である。これらの種子は、生薬「クロデイズシュクシャ」として健胃薬、整腸薬に用いられる。アルピニア・カツマダイ(Alpinia katsumadai)は、中国海南島及び広東省が主産地である。その種子は、生薬「ソウズク」として、芳香性健胃薬、駆風薬に用いられる。アルピニア・オフィキナルム(Alpinia officinarum)は、中国広東省、広西省、雲南省が主産地である。その根茎は、生薬「リョウキョウ」として芳香性健胃薬、鎮痛、鎮吐薬に用いられる。
アレカ(Areca)属に属する植物には、例えば、アレカ・カテチュ(Areca catechu;ビンロウ)、アレカ・ディクソニイ(Areca dicksonii;ダイフクビンロウ)などが含まれる。ビンロウは、マレーシア原産の常緑高木であり、ダイフクビンロウは中国嶺南産の常緑高木であり、これらの種子は、生薬「ビンロウジ」として条虫駆除薬、下痢止め薬、健胃薬などに用いられる。
本発明の木材保存剤(害虫防除剤又は木材害虫防除剤、殺菌剤又は木材腐朽菌防除剤を含む)は、前記特定の植物に由来する有効成分を含んでいればよく、有効成分は、植物そのものであってもよいし、その処理物であってもよい。また、植物体の利用部位は、植物の種類によっても異なるが、植物全体であってもよく、植物体の一部分、例えば、根部(根、根皮、塊根など)、茎部(根茎、塊茎、鱗茎、ストロン、幹、枝、樹皮、茎など)、葉部(葉、葉柄など)、花部(花、包葉、がく片、花柄など)、種子部(果実、種子、仮種皮、果皮など)などであってもよい。
植物の処理物としては、例えば、細断物、乾燥物、粉砕物、抽出物、滲出物などが例示できる。前記処理物は、植物体に対して、細断、乾燥、粉砕、抽出、滲出(植物体からの滲出物の採取を含む)などの処理を施すことにより得ることができ、これらの処理(乾燥、細断、粉砕、抽出、及び滲出)は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。また、エキスとして市販されているもの(例えば、キキョウエキスなど)を処理物として用いてもよい。
なお、抽出方法としては、慣用の方法、例えば、植物に、乾燥、細断、粉砕などから選択された少なくとも1つの処理を施した後、適当な抽出溶媒を用いて、常圧又は加圧下、室温又は加熱下で抽出し、必要に応じて濾過した後、濃縮する方法などが挙げられる。
抽出溶媒としては、水、親水性溶媒、親油性溶媒、およびこれらの混合物が使用できる。抽出溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−オクタノール、シクロヘキサノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類;鎖状エーテル(例えば、エチルエーテル、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、ジメトキシエタンなど)、環状エーテル(例えば、ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、モノ又はジアルキレングリコールモノアルキルエーテル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのセロソルブ類、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのカルビトール類など)などのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、アジピン酸ジn−アルキル(610)、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチルなどのエステル類;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、シクロヘプタンなどの脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;ギ酸、酢酸などのカルボン酸類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジンなどの非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は一種または二種以上混合して用いることができる。
これらの溶媒のうち、好ましい親水性溶媒には、炭素数1〜4程度の直鎖又は分岐鎖アルコール類;アセトンなどのケトン類;アセトニトリルなどのニトリル類;有機カルボン酸類;非プロトン性極性溶媒などが含まれる。好ましい親油性溶媒には、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、アジピン酸ジn−アルキル(610)、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチルなどのエステル類;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、シクロヘプタンなどの脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類などが含まれる。
特に好ましい溶媒には、水;親水性溶媒として、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖アルコール類、アセトンなど;親油性溶媒として、酢酸エチル、アジピン酸ジイソノニル(DINA)などのエステル類、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類などが挙げられる。
前記抽出溶媒の使用量は、抽出効率および抽出操作を損わない範囲であればよく、例えば、被抽出植物100重量部に対して、50〜10000重量部、好ましくは70〜5000重量部、さらに好ましくは100〜2000重量部程度である。抽出温度は、例えば、0〜150℃、好ましくは室温(例えば、25℃)〜120℃程度である。
本発明における前記滲出物も慣用の方法により得ることができる。例えば、植物体の一部、例えば、樹幹などに傷を付け、樹脂などの滲出物を採取したり、植物体またはその一部を、必要に応じて熱水処理などを施した後、圧搾して採取することにより前記滲出物を得ることができる。なお、本発明においては、このように植物から分離した滲出物のみならず、植物体またはその一部から滲出する滲出物をも利用できる。例えば、破砕、乾燥などの処理を施した植物から、滲出物が滲出する場合がある。このような滲出物も、本発明における「滲出物」に含まれる。
本発明においては、二種以上の植物同士およびその抽出物同士、あるいは滲出物同士を混合してもよく、また、処理物、抽出物および滲出物から選択された二種以上を組み合わせて混合してもよい。前記抽出物及び滲出物は、液状であってもよく、粉末状、粒状などの固形状やペースト状などの半固形状であってもよい。
本発明で有効成分として用いられる植物又はその処理物は、木材保存性(例えば、木材害虫防除性、木材腐朽菌防除性など)に優れる。しかも、前記有効成分は、天然物であり且つ食用、生薬などとして用いられる植物に由来するため、一般に人畜に対して安全性が高く、環境に対しても悪影響を及ぼすことが少ない。
本発明の木材保存剤は、前記成分を含んでいる限り、その製剤の形態は特に制限されず、前記植物の処理物(例えば、粉砕物、抽出物または滲出物など)であってもよい。また、木材保存剤は、製剤化されていてもよい。前記製剤形態として、例えば、溶液剤、水和剤、懸濁剤、分散剤、乳剤、油剤、ローションなどの液剤;粉剤、粒剤、マイクロカプセル剤、マイクロスフェア、フロアブル剤、発泡剤などの固形剤;ペースト剤、クリームなどの半固形剤;噴霧剤、エアゾール剤;塗料などが挙げられ、これらは使用目的や適用部位に応じて適宜選択できる。これらの製剤は、慣用の方法で製造できる。
前記液剤、半固形剤は、例えば、前記抽出物または滲出物を適当な液体希釈剤又は担体を用いて希釈等することにより製造できる。なお、水和剤の場合には、さらに固体希釈剤又は担体を用いてもよい。
前記液体希釈剤又は担体としては、例えば、前記例示の抽出溶媒以外に、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどのアルコール類;可塑剤(例えば、ジ−2−エチルヘキシルアジペートなどのエステル系可塑剤など);ケロセンなどの石油系溶剤;エチルナフタレン、フェニルキシリルエタンなどの芳香族炭化水素;2−エチルヘキシルフェニルホスフェートなどのリン酸エステルなども使用できる。これらの液体希釈剤や担体は、一種又は二種以上混合して使用できる。前記固体希釈剤又は担体としては、例えば、ケイソウ土、雲母、粘土、カオリン、タルク、石英粉末、ベントナイトなどが挙げられる。これらの固体希釈剤又は担体も、単独または二種以上の混合物として用いることができる。
前記固形剤は、例えば、前記抽出物または滲出物を適当な固体希釈剤又は担体で希釈したり造粒することにより製造できる。固体希釈剤又は担体としては、前記例示の固体希釈剤以外に、滑石粉、ロウ石粉などのタルク類、微粉末クレイなどのクレイ類や炭酸カルシウムなどの鉱物性粉末;硫黄粉末;尿素粉末;木粉、澱粉などの植物性粉末;農薬、園芸用製剤などに繁用される各種担体が挙げられる。これらの固形希釈剤や担体は、増量材として使用される場合も多い。固形希釈剤や担体も、一種又は二種以上混合して使用できる。
前記エアゾール剤は、例えば、前記抽出物または滲出物を必要に応じて適当な溶剤で希釈し、噴射剤と共に容器に充填することにより製造できる。溶剤としては、例えば、前記例示の溶媒などが挙げられる。噴射剤としては、フロン、液化天然ガスなどが挙げられる。
なお、木材保存剤は、製剤の種類に応じて、必要により種々の添加剤、例えば、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの安定化剤;結合剤;被膜形成能を有する樹脂;乳化剤、分散剤、展着剤、湿潤剤、浸透剤;増粘剤;流動助剤;固結防止剤;凝集剤;紫外線散乱剤;水分除去剤;着色剤などを含んでいてもよい。
酸化防止剤としては、例えば、4,4′−チオビス−6−t−ブチル−3−メチルフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール(2−t−ブチル−4−メトキシフェノールと3−t−ブチル−4−メトキシフェノールの混合物)、p−オクチルフェノール、モノ(またはジまたはトリ)−(α−メチルベンジル)フェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、ペンタエリスリチル テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネートなどのフェノール系酸化防止剤;N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンなどのアミン系酸化防止剤、2,5−ジ(t−アミル)ヒドロキノリンなどのヒドロキノリン系酸化防止剤;ジラウリルチオジプロピオネートなどの硫黄系酸化防止剤;トリフェニルホスファイトなどのリン系酸化防止剤などが例示できる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−n−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系化合物;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物;サリチル酸フェニル、p−t−ブチルフェニルサリシレートなどのサリチル酸系化合物;2−エチルヘキシル 2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エトキシ−2′−エチルシュウ酸ビスアニリド、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物などが挙げられる。
結合剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、デキストリン、アルファ化デンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、リグニンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カリウムなどが例示できる。
被膜形成能を有する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、スチレン系樹脂、フッ素樹脂、塩素化ポリオレフィン、アルキド樹脂、ポリアミド、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂などが例示できる。
乳化剤、分散剤、展着剤、湿潤剤、浸透剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤などの慣用の界面活性剤が使用できる。アニオン系界面活性剤には、例えば、金属石鹸類、硫酸アルキルナトリウムなどの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム[例えば、竹本油脂(株)製、商品名ニューカルゲンBX−C]などのアルキルナフタレンスルホン酸塩、2−スルホコハク酸ジアルキルナトリウム[例えば、第一工業製薬(株)製、商品名ネオコールSW−C]などの2−スルホコハク酸ジアルキル塩、ポリカルボン酸型界面活性剤[例えば、山陽化成(株)製、商品名トキサノンGR−30]、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩[例えば、第一工業製薬(株)製、商品名ディクスゾール60A]、リグニンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カリウムなどが例示できる。ノニオン系界面活性剤には、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル[例えば、第一工業製薬(株)製、商品名イノゲン・イーエー−142(EA−142)]、ポリオキシエチレンアリールエーテル、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸多価アルコーポリオキシエチレン、ショ糖脂肪酸エステル、酸化エチレンと酸化プロピレンとのブロック共重合体[例えば、山陽化成(株)製、商品名ニューポールPE−64]などが例示できる。
増粘剤には、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸とその塩などが例示でき、流動助剤として、PAP助剤(例えば、イソプロピルリン酸)、ワックス、ポリエチレン、脂肪酸金属塩、パラフィン、シリコーンオイルなどの有機滑剤、タルクなどの無機滑剤が例示できる。固結防止剤として、例えば、ホワイトカーボン、硅藻土、ステアリン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化チタンなどが挙げられる。凝集剤としては、例えば、流動パラフィン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、イソブチレン重合体[例えば、出光石油化学(株)製、商品名IPソルベント−2835]などが挙げられる。紫外線散乱剤としては、二酸化チタンなどが例示できる。水分除去剤としては、無水石膏、シリカゲル粉末などの乾燥剤などが挙げられる。着色剤には、例えば、有機又は無機顔料や染料が含まれる。
さらに、本発明の木材保存剤は、防腐防カビ剤、防虫剤、害虫忌避剤、昆虫成長制御剤、効力増強剤を含んでいてもよい。
前記防腐防カビ剤としては、例えば、3−ブロモ−2,3−ジヨード−2−プロペニルエチルカーボネート、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート、2,3,3−トリヨードアリルアルコール、パラクロロフェニル−3−ヨードプロパルギルホルマールなどの有機ヨード系化合物;2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、2−チオシアノメチルチオベンゾチアゾールなどのベンズイミダゾールおよびベンゾチアゾール系化合物;1−(2−(2′,4′−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール、1−(2−(2′,4′−ジクロロフェニル)−4−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール、α−(2−(4−クロロフェニル)エチル)−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノールなどのトリアゾール系化合物;4−イソプロピルトロポロン(ヒノキチオール)、ホウ砂などの天然系化合物などが挙げられる。
防虫剤としては、例えば、ホキシム、クロルピリホス、フェニトロチオン、ピリダフェンチオン、イソフェンホスなどの有機リン系化合物;バッサ、プロポキサーなどのカルバメート系化合物;シフルトリン、ペルメトリン、トラロメスリン、フェンパレレート、エトフェンプロックス、ビフェントリン、シフェノトリン、シラフルオフェン、ピレトリンなどのピレスロイド系化合物;イミダクロプリド、ニテンピラム、アセタミプリド、(E)−1−(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジン(一般名:クロチアニジン)、N−アセチル−N−(2−クロロチアゾール−5−イル)メチル−N’−メチル−N”−ニトログアニジン、N−(2−クロロチアゾール−5−イル)メチル−N−メトキシカルボニル−N’−メチル−N”−ニトログアニジン、1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリン−2−イリデンアミン(一般名:イミダクロプリド)、3−(2−クロロ−チアゾール−5−イルメチル)−5−[1,3,5]オキサジアジナン−4−イルインデン−N−ニトロアミン(一般名:チアメトキサム)などのネオニコチノイド系化合物;フィプロニールなどのフェニルピラゾール系化合物;クロルフェナピルなどのピロール系化合物;ベンスルタップなどのネライストキシン系化合物;ヒドラメチルノンなどのアミジノヒドラゾン系化合物;ヒバ油、ヒバ中性油、デカン酸、オクタン酸などの脂肪酸;オルトホウ酸などのホウ酸などの他、ニーム、モリンガ属、マラー属をはじめとした植物(特開平3−41011号公報、特開平6−329514号公報、特開2001−158008号公報、特開2001−158009号公報、特開2001−172115号公報、特開2000−63220号公報、特開2001−170908号公報など)などが挙げられる。また、昆虫成長制御剤(IGR)として知られているルフェヌロン、ヘキサフルムロン、ジフルベンズロン、フルフェノクスロンなどのキチン合成阻害剤やメトプレン、ハイドロプレンなどの幼若ホルモン様化合物を含んでいてもよい。これらのシロアリ防除剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。シロアリに対する阻害性の観点から、これらのシロアリ防除剤のうち、ネオニコチノイド系化合物などのシロアリ防除剤が好ましく、特にクロチアニジンが好ましい。
前記有効成分の含有量は、木材保存剤(害虫防除剤又は木材害虫防除剤、殺菌剤を含む)の剤型や適用方法に応じて適宜選択することができる。液剤、半固形剤又は固形剤の場合、前記成分の濃度は、木材保存剤中、前記植物の抽出物または滲出物として、例えば0.1〜80重量%、好ましくは0.5〜50重量%程度である。前記木材保存剤がエアゾール剤の場合、容器に充填される充填物中の前記成分の濃度は、前記植物の抽出物または滲出物として、例えば0.01〜25重量%、好ましくは0.05〜15重量%程度である。
本発明の木材保存剤(害虫防除剤又は木材害虫防除剤、殺菌剤を含む)の使用量は、木材の種類や有効成分の種類、害虫の種類によって異なるため一概には云えないが、木材表面積1m2に対して通常約10〜500グラム、好ましくは約20〜250グラム程度である。土壌用としては、水で薄めて用いられるが、水希釈液を1〜10L/m2、好ましくは2〜5L/m2となる量を用いる。
本発明の木材保存剤は、害虫類(例えば木材害虫など)に対して、幅広く適用できる。
例えば、木材害虫としては、例えばイソプテラ(Isoptera;シロアリ)目、コレオプテラ(Coleoptera;コウチュウ)目、ヒメノプテラ(Hymenoptera;ハチ)目に属する昆虫が挙げられる。
前記シロアリ目に属する昆虫の具体例としては、例えば、リノテルミティダエ(Rhinotermitidae;ミゾガシラシロアリ)科に属するもの[例えば、コプトテルメス(Coptotermes)属(例えば、イエシロアリなど)、レティキュリテルメス(Reticulitermes)属(例えば、ヤマトシロアリなど)等]、カロテルミティダエ(Kalotermitidae;レイビシロアリ)科に属するもの[例えば、クリプトテルメス(Cryptotermes)属(例えば、ダイコクシロアリなど)、インシシテルメス(Incisitermes)属(例えば、アメリカカンザイシロアリなど)等]、マストテルミティダエ(Mastotermitidae;ゲンシロアリ)科に属するもの[例えば、マストテルメス(Mastotermes)属(例えば、ムカシシロアリなど)]、テルモプシダエ(Termopsidae;オオシロアリ)科に属するもの[例えば、ホドテルモプシス(Hodotermopsis)属(例えば、オオシロアリなど)、ゾオテルモプシス(Zootermopsis)属(例えば、ネバダオオシロアリなど)等]、テルミティダエ(Termitidae;シロアリ)科に属するもの[例えば、オドントテルメス(Odontotermes)属(例えば、タイワンシロアリなど)]、セリテルミティダエ(Serritermitidae;ノコギリシロアリ)科に属するもの、及びホドテルミティダエ(Hodotermitidae;シュウカクシロアリ)科に属するものが挙げられる。
前記コウチュウ目に属する昆虫の具体例としては、ヒラタキクイムシ、ナラヒラタキクイムシ、ケヤキヒラタキクイムシ、アラゲヒラタキクイムシ等のリクティダエ(Lyctidae;ヒラタキクイムシ)科に属するもの、ケブカシバンムシ、マツザイシバンムシ、クシヒゲシバンムシ、クロノコヒゲシバンムシ、チビキノコシバンムシ等のアノビイダエ(Anobiidae;シバンムシ)科に属するもの、チビタケナガシンクイムシ、ニホンタケナガシンクイムシ、コナナガシンクイムシ、オオナガシンクイムシ等のボストリチダエ(Bostrychidae;ナガシンクイムシ)科に属するもの、イエカミキリ等のケラムビシダエ(Cerambycidae;力ミキリムシ)科に属するもの、オサゾウムシ等のリンコフォリダエ(Rhynchophoridae;オサゾウムシ)科に属するもの、サクセスキクイムシ等のスコリティダエ(Scolytidae;キクイムシ)科に属するものが挙げられ、その他にブプレスティダエ(Buprestidae;タマムシ)科やクルクリオニダエ(Curculionidae;ゾウムシ)科に属するものが挙げられる。
前記ハチ目に属する昆虫の具体例としては、例えばクマバチ等のアントフォリダエ(Anthophoridae;コシブトハナバチ)科に属するもの、ムネアカオオアリ等のフォルミキダエ(Formicidae;アリ)科に属するものが挙げられる。
また、本発明の木材保存剤は、ゴキブリ、ハエ、カ、アブ、ナンキンムシなどの衛生害虫などにも適用してもよい。
本発明の木材保存方法(害虫防除方法又は木材害虫防除方法、殺菌方法を含む)では、前記木材保存剤を、木材害虫の侵入源や発生源などの被処理部に適用する。
被処理部としては、木材害虫の侵入源や発生源となる箇所であれば特に制限されない。例えば、具体的には、土壌(建築物の床下土壌、地下埋設物の周辺土壌など)、木材(木部)(例えば、丸太などの木材、木製製品、建築物における木製部材など)、樹脂部材(例えば、建築物の配管類、電線ケーブルなどのケーブル類など)、鉄鋼部材(例えば、鉄筋、アンカーボルトなどのボルト類)、岩石部材(例えば、束石など)、コンクリート部材(例えば、建築物の壁部、基礎部など)、レンガなどが挙げられる。
具体的には、例えば、建築物においては、台所、浴室、便所、居間、床のコーナー部、床下、天井、土台又は基礎部、柱、壁、木製の窓やドアが挙げられる。特に、木材の木口、割れ、欠き込み、ほぞ孔、ボルト孔、仕口、継手、接合部、金具の取付箇所、木材とコンクリートの接触部分などに対して、本発明の木材保存剤は有用である。その他にも、線路のまくら木、架橋部品、防波堤、木製の車、箱、パレット、容器、木製被覆材などに前記木材保存剤を適用すればよい。さらに、木材と接触などしていなくとも、木材害虫による被害が認められる地下埋設物(例えば、ケーブル類、配管類など)やその周辺土壌に対しても、本発明の木材保存剤は有用に適用できる。
木材保存剤の適用方法としては、被処理部に応じて、種々の態様が挙げられる。例えば、木材保存剤は、被処理部に対して、散布、噴霧、吹き付け、塗布などにより適用してもよい。また、木材保存剤は、土壌又は木材などの穿孔箇所に対して注入(又は加圧注入)して適用もよく、被処理部の土壌などと混合して適用してもよい。また、木材保存剤は、木材保存剤を含む液体中に、木材などを浸漬して適用してもよい。さらに、木材保存剤は、合成樹脂シート、水溶性フィルム、紙、布などのシート状基材に、塗布、含浸、混練などにより保持させてシート剤を調整し、これを前記害虫や菌類の侵入個所や発生個所などに載置したり貼りつけたりすることによっても、木材の虫害を防除できる。さらに、本発明の木材保存剤を、家屋の床下の地面に、木材柱が垂下する束石を中心として半径約10〜30cmの円を描くように散布することによって、木材害虫から木材を永年にわたり保護することができる。
本発明は、人畜に対して安全性が高く、環境に対して悪影響がないにもかかわらず、高い防除性を有する木材保存剤として有用である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
パエオニア(Paeonia)属のボタンピ(ボタンの根皮)の粉砕乾燥品3gに27gの50%メタノール水溶液を加え、40℃で超音波抽出を30分行ったのち、濾過し、抽出エキスを含有する試料溶液を得た。
実施例2
50%メタノール水溶液に代えて、抽出溶媒としてメタノールを用いる他は、実施例1と同様にして試料溶液を得た。
実施例3
50%メタノール水溶液に代えて、抽出溶媒としてアセトンを用いる他は、実施例1と同様にして試料溶液を得た。
実施例4
アンジェリカ・アクチロバ(トウキ)の根の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例1と同様にして試料溶液を得た。
実施例5
50%メタノール水溶液に代えて、抽出溶媒としてメタノールを用いる他は、実施例4と同様にして試料溶液を得た。
実施例6
アンジェリカ・シネンシス(カラトウキ)の根の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例1と同様にして試料溶液を得た。
実施例7
リグスチクム(Ligusticum)属のセンキュウ(リグスチクム・オフィキナレの根茎)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例1と同様にして試料溶液を得た。
実施例8
50%メタノール水溶液に代えて、抽出溶媒としてメタノールを用いる他は、実施例7と同様にして試料溶液を得た。
実施例9
アカントパナクス(Acanthopanax)属のゴカヒ(ゴカの根皮)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例1と同様にして試料溶液を得た。
実施例10
50%メタノール水溶液に代えて、抽出溶媒としてメタノールを用いる他は、実施例9と同様にして試料溶液を得た。
実施例11
50%メタノール水溶液に代えて、抽出溶媒としてアセトンを用いる他は、実施例9と同様にして試料溶液を得た。
実施例12
プルヌス(Prunus)属のキョウニン(ホンアンズの種子)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例2と同様にして試料溶液を得た。
実施例13
メタノールに代えて、抽出溶媒としてアセトンを用いる他は、実施例12と同様にして試料溶液を得た。
実施例14
プソラレア(Psoralea)属のハコシ(オランダビユの種子)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例1と同様にして試料溶液を得た。
実施例15
50%メタノール水溶液に代えて、抽出溶媒としてメタノールを用いる他は、実施例14と同様にして試料溶液を得た。
実施例16
プラチコドン(Platycodon)属のキキョウ(キキョウの根)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例1と同様にして試料溶液を得た。
実施例17
50%メタノール水溶液に代えて、抽出溶媒としてメタノールを用いる他は、実施例16と同様にして試料溶液を得た。
実施例18
ミリスティカ(Myristica)属のニクズク(ニクズクの種子及び仮種皮)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例1と同様にして試料溶液を得た。
実施例19
50%メタノール水溶液に代えて、抽出溶媒としてメタノールを用いる他は、実施例18と同様にして試料溶液を得た。
実施例20
50%メタノール水溶液に代えて、抽出溶媒としてアセトンを用いる他は、実施例18と同様にして試料溶液を得た。
試験例1
ケイ砂(5号)10gに、実施例1〜20の試料溶液2gを均一に付着させ、試料溶液中の抽出溶媒を揮発させた後、ケイ砂中の含水率を10重量%に調製した。予め乾燥滅菌したガラスビン(6K:直径3.4cm、第一硝子(株)製)の底に、試料溶液を付着させたケイ砂(5号)10gを敷き詰めた。
前記調製したケイ砂の上に、巣から採取したイエシロアリの職蟻10頭を、無作為に放した。前記イエシロアリを放虫したガラスビンを温度28±2℃、湿度70%以上の恒温室に静置した。イエシロアリ10頭が死亡するまでの日数を調べた。なお、比較例1として、試料溶液を付着させていないケイ砂(5号)(コントロール)を使用した。結果を表1に示す。
Figure 2005074776
表1から明らかなように、比較例に比べ、実施例ではイエシロアリに対する高い阻害作用(殺虫作用)が認められた。実施例1〜20では、3日以内に10頭全て死亡し、これらの植物成分の阻害効果が確認された。特に、ボタンピ(実施例1〜3)やキョウニン(実施例12,13)、ニクズク(実施例19)の試料溶液で処理されたケイ砂を用いた試験では、1日以内にイエシロアリが10頭全て死亡し、高い阻害効果が認められた。さらに実施例1では、3時間後には10頭全て死亡し、即効性の高い阻害効果が認められた。
実施例21
50%メタノール水溶液に代えて、抽出溶媒としてアセトンを用い、ボタンピ(ボタンの根皮)の粉砕乾燥品に代えて、プソラレア(Psoralea)属のハコシ(オランダビユの種子)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例1と同様にして試料溶液を得た。
実施例22
クニディウム(Cnidium)属のジャショウシ(オカゼリの果実)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例1と同様にして試料溶液を得た。
実施例23
50%メタノール水溶液に代えて、抽出溶媒としてメタノールを用いる他は、実施例22と同様にして試料溶液を得た。
実施例24
50%メタノール水溶液に代えて、抽出溶媒としてアセトンを用いる他は、実施例22と同様にして試料溶液を得た。
実施例25
フリティラリア(Fritillaria)属のバイモ(アミガサユリの鱗茎)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例1と同様にして試料溶液を得た。
実施例26
50%メタノール水溶液に代えて、抽出溶媒としてメタノールを用いる他は、実施例25と同様にして試料溶液を得た。
実施例27
50%メタノール水溶液に代えて、抽出溶媒としてアセトンを用いる他は、実施例25と同様にして試料溶液を得た。
実施例28
スキルプス(Scirpus)属のサンリョウ(ウキヤガラの根茎)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例3と同様にして試料溶液を得た。
実施例29
プエラリア(Pueralia)属のカッコン(クズの周皮を剥いだ根)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例2と同様にして試料溶液を得た。
実施例30
ポリガラ(Polygala)属のセネガ(セネガの根)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例2と同様にして試料溶液を得た。
実施例31
メタノールに代えて、抽出溶媒としてアセトンを用いる他は、実施例30と同様にして試料溶液を得た。
実施例32
ポリガラ(Polygala)属のオンジ(イトヒメハギの根)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例2と同様にして試料溶液を得た。
実施例33
メタノールに代えて、抽出溶媒としてアセトンを用いる他は、実施例32と同様にして試料溶液を得た。
実施例34
アルピニア(Alpinia)属のヤクチ(アルピニア・オキシフィラの種子)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例1と同様にして試料溶液を得た。
実施例35
50%メタノール水溶液に代えて、抽出溶媒としてメタノールを用いる他は、実施例34と同様にして試料溶液を得た。
実施例36
グリチルリザ(Glycyrrhiza)属のシャカンゾウ(ウラルカンゾウのストロン)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例2と同様にして試料溶液を得た。
実施例37
メタノールに代えて、抽出溶媒としてアセトンを用いる他は、実施例36と同様にして試料溶液を得た。
実施例38
コリダリス(Corydalis)属のエンゴサク(エゾエンゴサクの塊茎)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例2と同様にして試料溶液を得た。
実施例39
メタノールに代えて、抽出溶媒としてアセトンを用いる他は、実施例38と同様にして試料溶液を得た。
実施例40
アレカ(Areca)属のビンロウジ(ビンロウの種子)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例2と同様にして試料溶液を得た。
実施例41
メタノールに代えて、抽出溶媒としてアセトンを用いる他は、実施例40と同様にして試料溶液を得た。
実施例42
ヤテオリザ(Jateorhiza)属のコロンボ(コロンボの塊根)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例2と同様にして試料溶液を得た。
実施例43
ヒドランゲア(Hydrangea)属のアマチャ(アマチャの葉)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例3と同様にして試料溶液を得た。
実施例44
アルピニア・ヤポニカ(ハナミョウガ)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例2と同様にして試料溶液を得た。
実施例45
アルピニア・インテルメディア(アオノクマタケラン)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例2と同様にして試料溶液を得た。
実施例46
アルピニア・カツマダイ(ソウズク)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例2と同様にして試料溶液を得た。
実施例47
アルピニア・オフィキナルム(リョウキョウ)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例2と同様にして試料溶液を得た。
実施例48
50%メタノール水溶液に代えて、抽出溶媒として酢酸エチルを用い、ボタンピ(ボタンの根皮)の粉砕乾燥品に代えて、プソラレア(Psoralea)属のハコシ(オランダビユの種子)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例1と同様にして試料溶液を得た。
実施例49
クニディウム(Cnidium)属のジャショウシ(オカゼリの果実)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例48と同様にして試料溶液を得た。
実施例50
フリティラリア(Fritillaria)属のバイモ(アミガサユリの鱗茎)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例48と同様にして試料溶液を得た。
実施例51
ポリガラ(Polygala)属のセネガ(セネガの根)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例48と同様にして試料溶液を得た。
実施例52
ポリガラ(Polygala)属のオンジ(イトヒメハギの根)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例48と同様にして試料溶液を得た。
実施例53
コリダリス(Corydalis)属のエンゴサク(エゾエンゴサクの塊茎)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例48と同様にして試料溶液を得た。
実施例54
アレカ(Areca)属のビンロウジ(ビンロウの種子)の粉砕乾燥品を用いる他は、実施例48と同様にして試料溶液を得た。
試験例2
予め乾燥滅菌したガラスビン(11K:直径約4.4cm、第一硝子(株)製)の底に、含水率10重量%に調製したケイ砂(5号)を1cm厚で敷き詰めた。実施例11、14、15、18、及び20〜54の試料溶液に、それぞれ、1cm×1cmのろ紙(No.2)を浸漬し、その後ろ紙を風乾した。風乾したろ紙は、それぞれ、個々のガラスビンのケイ砂の上に戴置した。なお、比較例2として、試料溶液を付着させていないろ紙(1cm×1cm)(コントロール)を使用した。
次に、これらのガラスビンに対して、巣から採取したイエシロアリの職蟻100頭を入れ、このガラスビンを温度28±2℃、湿度70%以上の恒温室に1週間放置した。そして1週間を経過した後、ろ紙への加害状況を目視にて確認した。結果を表2に示す。
Figure 2005074776
表2から明らかなように、比較例に比べ、実施例ではイエシロアリに対する高い摂食阻害効果が認められた。なお、食痕が見られた実施例においても、その食痕はわずかであり、全ての実施例において、植物成分による高い防除効果が確認された。

Claims (7)

  1. 下記(1)〜(24)からなる群から選ばれた少なくとも一種の植物又はその処理物を、有効成分として含有する木材保存剤。
    (1)パエオニア(Paeonia)属
    (2)アンジェリカ・アクチロバ(Angelica acutiloba)
    (3)アンジェリカ・シネンシス(Angelica sinensis)
    (4)リグスチクム(Ligusticum)属
    (5)クニディウム(Cnidium)属
    (6)アカントパナクス(Acanthopanax)属
    (7)プルヌス(Prunus)属
    (8)プソラレア(Psoralea)属
    (9)プエラリア(Pueralia)属
    (10)グリチルリザ(Glycyrrhiza)属
    (11)プラチコドン(Platycodon)属
    (12)ミリスティカ(Myristica)属
    (13)ポリガラ(Polygala)属
    (14)コリダリス(Corydalis)属
    (15)ヒドランゲア(Hydrangea)属
    (16)ヤテオリザ(Jateorhiza)属
    (17)フリティラリア(Fritillaria)属
    (18)スキルプス(Scirpus)属
    (19)アルピニア・オキシフィラ(Alpinia oxyphylla)
    (20)アルピニア・インテルメディア(Alpinia intermedia)
    (21)アルピニア・ヤポニカ(Alpinia japonica)
    (22)アルピニア・カツマダイ(Alpinia katsumadai)
    (23)アルピニア・オフィキナルム(Alpinia officinarum)
    (24)アレカ(Areca)属
  2. 植物の処理物が、細断物、乾燥物、粉砕物、抽出物、及び滲出物から選択された少なくとも一種である請求項1記載の木材保存剤。
  3. 植物の処理物が、水、親水性溶媒、及び親油性溶媒から選択された少なくとも一種の抽出溶媒で抽出された抽出物である請求項1記載の木材保存剤。
  4. 木材害虫を防除するための請求項1記載の木材保存剤。
  5. 請求項1記載の木材保存剤を、木材害虫を防除するための被処理部に適用する木材保存方法。
  6. 被処理部が、土壌、木材、樹脂部材、鉄鋼部材、岩石部材、コンクリート部材、及びレンガから選択された少なくとも1つである請求項5記載の木材保存方法。
  7. 請求項1記載の木材保存剤を、木材害虫と接触又は木材害虫に摂食させ、木材害虫を防除する方法。
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