JP4584878B2 - 自動分析装置用反応セル、その反応セルを搭載した自動分析装置、及び分析方法 - Google Patents

自動分析装置用反応セル、その反応セルを搭載した自動分析装置、及び分析方法 Download PDF

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Description

本発明は、生化学的な分析反応や免疫反応などの医療診断用の自動分析装置に用いる分光測光分析用の反応セル、該反応セルの内壁表面の部分的改質方法、及び該反応セルを搭載した自動分析装置に関する。
医療診断用の臨床検査においては、血液や尿などの生体試料中のタンパク、糖、脂質、酵素、ホルモン、無機イオン、疾患マーカー等の生化学分析や免疫学的分析を行う。臨床検査では、複数の検査項目を信頼度高くかつ高速に処理する必要があるため、その大部分を自動分析装置で実行している。従来、自動分析装置としては、例えば、血清等のサンプルに所望の試薬を混合して反応させた反応液を分析対象とし、その吸光度を測定することで生化学分析を行う生化学分析装置が知られている。この種の生化学分析装置は、サンプル及び試薬を収納する容器、サンプル及び試薬を注入する反応セルを備え、サンプル及び試薬を反応セルに自動注入する機構と、反応セル内のサンプル及び試薬を混合する自動攪拌機構、反応中または反応が終了したサンプルの分光スペクトルを計測する機構、分光スペクトル計測を終了後の反応溶液を吸引・排出し反応セルを洗浄する自動洗浄機構等を備えて構成されている(例えば特許文献1)。
自動分析装置の分野では、サンプル及び試薬の微量化が大きな技術的課題となっている。すなわち、分析項目数の増大に伴い、単項目に割くことのできるサンプル量が少量化し、サンプル自体が貴重で多量に準備できない場合もあり、従来は高度な分析とされていた微量サンプルの分析がルーチン的に行われるようになってきた。また、分析内容が高度化するにつれて、一般に試薬が高価となり、コスト面からも試薬微量化への要請がある。このようなサンプル及び試薬の微量化は、反応セルの小型化を進める強い動機でもある。また、反応セルの小型化や必要なサンプル及び試薬の少量化は、分析スループットの向上や低廃液化にも繋がる利点がある。
しかしながら、従来技術においては、反応セル内に注入されたサンプル及び試薬の撹拌を、ヘラやスクリュー等によって機械的に行っているので、サンプル及び試薬の微量化(反応セルの小型化)に比べて、ヘラやスクリュー等の小型化を進めることが難しいという問題があった(特許文献1)。ヘラやスクリュー等による機械的な攪拌では、撹拌後の被撹拌物が、ヘラやスクリュー等に付着して反応容器から持ち出されたり、攪拌後のヘラやスクリュー等を洗浄した洗浄水が、ヘラやスクリュー等に付着して反応セルに持ち込まれたりする。このため、ヘラやスクリュー等をそのままにして、反応セルだけを可能な限り小型化すると、被攪拌物の持ち出し及び洗浄水の持ちこみが分析精度を劣化させるという問題がある。このような問題に対処するために、反応セルの外部から、反応セルに向かって音波を照射し、セル内部の被撹拌物とは非接触の状態で撹拌を行う非接触攪拌法が考案された(特許文献2、特許文献3)。ヘラやスクリュー等を用いて機械的に撹拌する際には、ある程度の被撹拌物の体積が要求される。一方、音波を用いる非接触攪拌では、音波により被攪拌物液体と空気との気液界面に誘起される旋回流によって自らを撹拌することとなり、少量の被撹拌物でもよく混合させることができる。このため分光光度計の光軸サイズや測定エリヤサイズを小さくしたり、測定エリヤの位置を下げることができる。この結果、反応セルの小型化を進めるとともにサンプルや試薬量の低減も可能となる。このように音波を用いた非接触攪拌は極めて強力な技術であり、自動分析装置の性能向上に寄与している。
ここで、一般的な自動分析装置に用いる反応セル(反応容器とも呼ばれる)はガラスまたは合成樹脂等で形成されるのが一般的である。例えば、特許文献4によると、反応セルの材質としては、吸水率が低く、透湿度が低く、全光線透過率が高く、屈折率が低く、成型収縮率の低い樹脂材料から選ばれる。具体的には、ポリシクロオレフィン、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂から選択される1種が好ましく例示される。また、特許文献4は、合成樹脂製反応セルに関する課題として、生体試料と試薬をセル内に流入する際に発生する気泡がセル内壁に付着して測定ができなくなる初期的な検出障害の低減を挙げている。この際、気泡付着の原因としてはセル内壁表面の濡れ性が低いことを挙げている。
一般的な合成樹脂(プラスチック、高分子樹脂とも呼ばれる)表面の濡れ性を上げる、すなわち表面を親水化する有効な手段としては、酸素プラズマ処理、オゾン処理、オゾン水処理、コロナ放電処理、UV処理などが知られている。また、非特許文献1によると、高分子樹脂の一種であるポリエチレン表面をコロナ放電処理により酸化することで表面に過酸化物(パーオキサイド)を導入後、グラフトポリマーを形成することで表面改質が可能である。また、特許文献5は、オゾン処理によるプラスチック容器の酸化、親水化を報告している。
特許第1706358号公報 特許第3525757号公報 特許第3642713号公報 特開2005−30763号公報 特開2000−346765号公報 Journal of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry, Vol.26, 3309-3322.
自動分析装置の分野では、サンプル及び試薬の微量化が一層進む趨勢にあり、また装置の小型化への要請も高まる一方である。このため従来問題視しなかった新たな課題として以下の2つの問題が浮上した。音波を用いた非接触攪拌では、音波が気液界面を激しく振動させて旋回流を発生させるため、気泡の巻き込みが起こる。第一の問題は、この気泡が樹脂製の反応セルの内壁に付着する現象であり、気泡が反応セルの分光測光面に付着すると測定光が散乱され、吸光度がばらつくことになる。ヘラやスクリュー等を用いた機械的攪拌においても気泡の発生は試薬の性質によって起きていたが、反応セルの大きさは気泡に比べ大きかったため、気泡が光軸にかかって吸光度がばらつくことは少なく、トラブルとなる頻度は少なかった。この問題の原因は、反応セルの素材に用いている透明樹脂の疎水性である。そこで、反応セルの内壁表面を親水化してみたところ気泡付着が起こらなくなることを確認した。
しかし、反応セルの親水処理を全面的に実行すると、第二の問題が浮上した。自動分析装置の高集積化・小型化のため、反応セルは、多数のユニットセルを整列させた状態で一体射出成形した形状(以下「反応セルブロック」と呼称する)になっている(図1参照)。そこで反応セルの内壁を底から一番上の開口部まで親水化すると、検査液が毛管現象で反応セルの縁まで登り、隣接する反応セルの試薬と混ざり合う相互汚染が起こり易くなるのである。
また、前記と似た現象であるが、一度使用した反応セルは洗浄終了後順次使用されるが、反応セルの内面に残った反応液の成分が次の分析に混入し、測定データに悪影響する場合がある。この現象をクロスコンタミネーションと呼ぶ。反応液成分で反応セルの内面に残る可能性があるものは、脂質のほかタンパク質や無機イオンなど親水性のものもある。
反応セルの小型化は相互汚染を助長する傾向にあり、将来はより大きな問題となると予想される。自動分析装置の小型化、サンプル・試薬の少量化という恒常的なトレンドに対処するためには、上記二つの問題を解決する必要がある。本発明は、これらの要請に応えることを目的とする。
これらの問題を解決するには、反応セルの内壁を親水化する必要があるが、その親水化領域を、反応セルの底から分光分析に必要な高さまでに限定しなければならない。有機樹脂表面を親水化する有効な手段としては、酸素プラズマ処理、オゾン処理、オゾン水処理、コロナ放電処理、UV処理などの候補がある。しかし、これらはいずれも平面形状の物体を処理する目的に向いており、本特許の扱うような特殊な立体構造物(図1参照)の表面に対して一段で目的を達成するような簡単な方法は一般にはなかなか見当たらない。また領域を限定して処理することも容易ではない。例えば、特許文献5において、オゾン処理によるプラスチック容器の酸化、親水化が述べられているが、この方法では、プラスチック容器を部分限定的に酸化処理することはできず、プラスチック容器を部分限定的に親水化することはできない。
そこで、発明者らは、二枚の電極板の間に有機樹脂板を挟んで放電処理するコロナ放電法の応用を思いついた。この方法では、有機樹脂からなる反応セルブロックを外側から取り囲む外部電極と、ユニットセルの一つ一つに挿入されるロッド状の内部電極との間でコロナ放電を発生させる(図4参照)。この際、セルの分光測光面の外側表裏には外部電極面が近接するので、対向するロッド電極との間で放電し、分光測光面の内壁両面にコロナ放電処理が掛かる。また外部電極をユニットセルのすき間や底面に設置することで、非測光面や底面にもコロナ放電処理を施せる。今回は、反応セルの測光面をコロナ放電処理の対象とした。
コロナ放電処理は大気などの酸素を含んだ雰囲気中で行うため、有機樹脂表面には酸素原子が導入される。酸素原子は、水酸基、エーテル基、カルボニル基、カルボキシル基といった形態で有機樹脂表面に導入されるが、これらはみな親水性の官能基であるため、もともとの疎水性の高い有機樹脂表面の親水性が向上する。樹脂表面の親水性は水の接触角の低下によって測定されるが、上記の方法でコロナ放電したセルブロックの内壁は接触角が低下し、親水性が向上していることが判った。また、酸素原子の導入状態が、XPS(X線光電子スペクトル)の測定結果から確認できた。
また、放電は内外の電極が対向する領域でのみ起こるので、処理エリヤを限定できる可能性がある。実際、親水化領域は、電極が対向する領域即ちコロナ放電の立つ領域だけに限定できることを確認した。即ち、コロナ放電によって、透明有機樹脂からなる反応セルの底から所定の高さまでの内壁表面だけを親水化処理することが出来る。
コロナ放電処理を受けた表面の親水性は、処理によって導入された水酸基、エーテル基、カルボニル基、カルボキシル基に基づくが、処理条件を強化すると、さらに上位の酸化物である過酸化物(パーオキサイド)も生成することが判った。このことは、表面の過酸化物を開始点としたビニル重合、いわゆるグラフト重合の可能性を示唆する。ここでグラフト重合とは、既に存在する第1の高分子に対して何らかの手段を用いて重合開始点となる活性分子構造を導入し、これを起点としてモノマーを重合させ、第1の高分子と別の性質を持つ第2の高分子を結合させる手法である。そこで比較的長時間のコロナ放電を施した反応セルの表面を、脱酸素下で種々の親水性ビニルモノマーと熱反応させたところ、確かにセル表面でビニル重合が進行し、表面親水化が達成できることを確認した。
親水性ビニルモノマーをグラフト重合させた表面は、コロナ放電のみの表面よりも安定性が高い。例えば、コロナ放電処理のみの反応セル表面の親水性は、コロナ放電処理が短時間の場合には高温放置によって劣化し復活しない。一方、適切に長い時間コロナ放電処理した反応セル表面やコロナ放電後にグラフト重合を追加した反応セル表面の親水性は高温処理で一旦劣化しても、水浸漬により復活する。なおコロナ放電処理やグラフト重合処理をしたセルは、外観上全く変化はなく、分光分析に必要な300nm−800nmの波長域の透明性も十分であり、光学特性にも何ら悪影響はない。
以上のように、本発明によれば、自動分析装置用反応セルの内壁に安定した親水化処理を、領域を限定して実行することができるため、音波による非接触攪拌における気泡付着の問題を起こさず、セル間の相互汚染の問題も解決し、信頼性の高い臨床化学検査を実現する自動分析装置を提供できる。
本発明によれば、気泡吸着を嫌う分光測光面のセル閉口部に近い領域に限定してセル内壁の親水化処理を施すことができ、セル内壁のそれより開口部側の領域を疎水性のまま保持できる。このため、気泡吸着による分光透過率の変化が発生せず、測定データの精度が向上する。また、セル開口部領域の疎水性は、試薬やサンプルの濡れ上がりを防止するため、反応セル間の試料の相互汚染を防止し、データの信頼性を向上させる。これらの効果は、サンプル・試薬の微量化にも寄与し、自動分析装置のランニングコスト低減にも貢献する。
次に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<実施例1> コロナ放電処理による局所的親水化−その1−
自動分析装置用反応セル(以下、“セル”と呼称する。)として、ポリシクロオレフィンを素材として射出成形によって製作した。ちなみにセル素材としては、ポリシクロオレフィン、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂から選択される1種であればかまわない。低吸水率、低透湿度、高い全光線透過率、低屈折率、低成型収縮率の観点からポリシクロオレフィンを選択することが望ましい。
本実施例では4個の単セルを一体成形したセルブロックとして形成したものを用いた。図1に、セルブロックの斜視外観図を示す。成型したセルブロック50は、4個の単セル51からなる。セルブロック50の長辺101は60mm、短辺102は10mm、高さ103は40mmである。単セル51を自動分析装置に搭載した際には、サンプルと試薬の反応経過及び反応結果を分光スペクトルにより計測する。個々の単セルには、計測用の光が透過する2つの面(測光面)と計測用の光が透過しない非測光面がある。図2に、単セルを非測光面の長軸で2つに分割した断面図示す。単セル51は、非測光面外壁部111、非測光面内壁部112、測光面外壁部113、測光面内壁部114、底面115からなる。この詳細を、図3に単セル断面斜視外観図として示す。単セルの内壁部の寸法は、非測光面の半分の長さ116が3mm、測光面の長さ117が4mm、高さ118が30mm、単セル肉厚150が1mmであり、閉口部130、開口部140を備えている。
全ての単セル51内にエタノール600μlを注入して24時間放置し、エタノールを除去した後、真空デシケーターに入れ乾燥することで単セル内壁表面を清浄化した。次にコロナ放電局所処理を施した。図4に、コロナ放電局所処理の模式図を示す。洗浄・乾燥したセルブロック50の4個の単セル51の測光面を陰極板218で挟み込んだ。陰極板218は、配線216を介してアース217につながれている。陰極板の大きさを調整することで、セル内壁のコロナ放電処理面の高さを限定することができる。本実施例では各単セルの底面から14mmまでの内壁が処理されるような挿入深さを決めた。その後、各単セル51内部にコロナ放電陽極ロッド電極214をそれぞれの単セルの底面中心に向かって底面から1mmの高さまで入れた。コロナ放電陽極電極214の径は2mm、長さは50mmであり、陽極213と配線212を介してコロナ放電源211につながれている。コロナ放電電源としては、ナビタス社製ポリダインを使用した。ついで、大気中において電圧8.5kV印加によって、陰極板と接している高さに相当する単セルの内壁部の高さまでにコロナ放電処理した。この時、反応セルの底部外壁に陰極板を設けておけば、反応セルの底面にもコロナ放電処理できる。
図5に、コロナ放電局所処理後の単セル断面斜視外観図を示す。セル51の測光面内壁部114のうち底面115から境界線119までの部分120にコロナ放電処理できた。この時、境界線119を境目として閉口部130側が親水性、開口部側が疎水性となり、親水性に明確な差がついた。この時、図に示された測光面の対向面の内壁部にも同様にコロナ放電局所処理できた。同様のコロナ放電局所処理は、セルブロックに備わる複数個の単セルの全てに同時に施すことができた。この際、陰極板を測光面のみならず非測光面や底面に設置することで、非測光面や底面にもコロナ放電処理を施すことができる。実施例1〜7では、測光面のみをコロナ放電処理したセルを準備した例を示す。なお、測光面のうち、分光スペクトルを測定する際に光が透過する領域(測光部)に気泡が付着していなければ、検出障害を無くすことができる。
表1に、セル内のコロナ放電処理した部分に関して、コロナ放電処理時間(0秒、1秒)に対する水との接触角の変化を示す。
Figure 0004584878
接触角の測定には、協和界面科学製Drop Master 500を使用した。処理を施したセル表面にシリンジを利用して純水1μlを滴下し、着滴0.5秒後の静的接触角をθ/2法で測定した。測定には、処理を施したサンプルを2つ用意し、処理表面上の異なる6点において測定を行い、その平均値を求めた。その結果、コロナ放電処理前のセル表面(処理時間0秒)の水との接触角は90度であるのに対し、コロナ放電処理をすることにより水との接触角は51度へと低下した。また、コロナ放電処理しなかった部分の接触角は90度であり、コロナ放電未処理のセル表面と同様であった。このように、コロナ放電処理を選択的に施せることを確認した。すなわち、コロナ放電処理によりセル表面に領域を限定して親水性を付与することができる。
次に、1秒間のコロナ放電処理を施したセルを室温放置した後の水に対する接触角の推移と、セル内に水を150μl注入した際の気泡付着の有無を調べた。図6に、時間経過に対するセル表面の水との接触角を示す。横軸に経過日数(日)、縦軸に接触角(度)を示す。コロナ放電処理1秒を施したセルの接触角が、日数を経過するごとに増加したことから、親水性が時間経過と共に低下する。表2に、時間経過に対する気泡付着の有無を示す。
Figure 0004584878
経過日数0日、7日でセル内に水を150μl注入した際には、気泡付着が無かった。しかし、14日経過後、21日経過後、28日経過後においてそれぞれセル内に水を150μl注入した際に、気泡付着が発生した。したがって、1秒間のコロナ放電処理による親水化では、7日経過程度の短期間の親水性保持には有効である。
本実施例の反応セルは、自動分析装置用反応セルとして、気泡付着が起こらず、攪拌安定性と透明性を有しており、かつセル間のサンプル・試薬の相互汚染を防止できることを確認した。
<実施例2> コロナ放電処理による局所的親水化−その2−
実施例1とポリシクロオレフィンからなる生化学自動分析装置用反応セルを準備した。ここでは、実施例1と同様の条件で処理時間を10秒に伸ばしてコロナ放電局所処理を行い、セルの測光面内壁部の底面から所望の高さまでの部分を局所的親水化した。表3に、処理時間に対する水との接触角の変化を示す。
Figure 0004584878
実施例1と同様、コロナ放電処理しないセル表面(処理時間0分)の水との接触角は90度であるのに対し、コロナ放電によって処理することにより水との接触角が低下した。つまり、コロナ放電処理によりセル表面に親水性を付与することができる。コロナ放電処理時間1秒では、水との接触角が約51度であり、コロナ放電処理時間10秒では水との接触角が約41度であったことから、コロナ放電処理時間を1秒から10秒へと長くすることで、より親水性を増加させることができる。また、コロナ放電処理時間を20秒まで延ばすとセル表面が変形・変色を起こし、自動分析装置へ使用することが難しくなったので、ここではコロナ放電処理時間の上限を10秒間とすることとした。
次に、コロナ放電処理表面の元素分析をXPS(X線光電子分光)によって実施した結果を表4にまとめた。ここではコロナ放電処理時間に対する炭素、酸素、窒素相対存在比率を示す。測定には、SHIMADZU−CRATOS製X線光電子分光(XPS)装置を使用し、炭素と酸素と窒素の相対存在比率を比較するために、1400eV〜−20eVの範囲で、Pass Energyを20eVとしてワイドスキャンをおこなった。
Figure 0004584878
表4に示すように、コロナ放電処理時間0秒、すなわち未処理のセル表面では、酸素の相対存在率は検出下限以下であった。一方、コロナ放電処理を時間1秒間施したセル表面の酸素相対存在率は7.9%であった。コロナ放電処理によって酸素が導入され、ポリシクロオレフィンが酸化され、親水化されている。そして、コロナ放電処理時間10秒を施したセル表面の酸素相対存在率は15.9%であり、コロナ放電処理時間1秒を施したセルよりも酸素が多く導入され、より強く酸化され親水化されている。表3に示したとおり、接触角の低減の観点からも、表4に示したとおりXPSの酸素相対存在率の観点からも、コロナ放電処理時間は1秒よりも10秒の方が、セル表面の親水性向上の点で有利である。
次に、実施例1と同様、コロナ放電処理を施したセルに純水150μlを注水した際の気泡付着の有無を調べた。表5に、各処理時間でコロナ放電を施したセル表面の水との接触角及び気泡付着の有無を時間経過に対して示す。親水性の変化を加速的に評価するために各処理を施したセルを75℃に保たれた恒温槽で240時間熱処理した。
Figure 0004584878
コロナ放電処理時間1秒を施したセル表面の水との接触角は、0時間で51度であったが、75℃に保たれた恒温槽で240時間熱処理後、73度へ上昇するとともに気泡付着が起こった。一方、コロナ放電処理時間10秒を施したセル表面の接触角は75℃、240時間経過後、68度へ上昇する。しかしこのセルでは、気泡付着は起こらなかった。したがって、セル内壁部の一部にコロナ放電処理を10秒間施すことで、安定な親水化処理可能であることを確認できた。また、コロナ放電処理しなかった部分の接触角は90度のままであり、コロナ放電未処理のセル表面と同様であった。すなわち、反応セル内壁にコロナ放電処理を選択的に施すことができ、安定な親水性部分と疎水性部分を内壁部に有する反応セルを作製できた。
また、各処理時間によってコロナ放電を施したセル表面のXPS測定を行い、セル表面を詳細に分析した。炭素の結合状態を比較するために、271eV〜311eVの範囲で、Pass Energyを2eVとしてC1sのナロースキャンをおこなった。
図7にコロナ放電を1秒間処理したセル表面のC1sのナロースキャン結果を示す。得られたナロースキャンピークを各結合状態に分離・解析(デコンボリューション)した。矢印310で区切られた範囲は、C−C、C−Hの結合ピークが検出される範囲である。同様に、矢印311の範囲はC−O(エーテル、アルコール)結合、矢印312の範囲は、C=O(カルボニル)結合、矢印313の範囲はO=C−O(カルボキシル)結合、矢印314の範囲はO=C−O−O(過酸化物)が検出される範囲である。この図7で示されるように、コロナ放電を1秒処理したセル表面には、上記酸化物の全て(C−O、C=O、O=C−O、O=C−O−O)が生成している。
図8に、コロナ放電を10秒間処理したセル表面のC1sのナロースキャン結果を示す。矢印320で区切られた範囲は、C−C、C−Hの結合ピークが検出される範囲である。同様に、矢印321の範囲はC−O(エーテル、アルコール)結合、矢印322の範囲は、C=O(カルボニル)結合、矢印323の範囲はO=C−O(カルボキシル)結合、矢印324の範囲はO=C−O−O(過酸化物)が検出される範囲である。この図8で示されるように、コロナ放電を10秒処理したセル表面には、上記酸化物の全て(C−O、C=O、O=C−O、O=C−O−O)が生成している。しかし、個々の結合の存在比はコロナ放電処理時間によって異なる。表6に、各コロナ放電処理時間(0秒、1秒、10秒)を施したセル表面の炭素結合状態の割合を示す。
Figure 0004584878
結合状態の割合
表6に示すように、コロナ放電処理0秒間、すなわち未処理のセル表面には、C−C結合、C−H結合のみ100%存在した。一方、コロナ放電処理1秒のセル表面には、C−C結合とC−H結合が68.6%存在し、C−O結合が6.4%、C=O結合が10.7%、O=C−O結合が11.5%、O=C−O−O結合が2.8%存在していた。また、コロナ放電処理10秒のセル表面には、C−C結合とC−H結合が69.4%存在し、C−O結合が11.2%、C=O結合が7.1%、O=C−O結合が5.3%、O=C−O−O結合が7.0%存在していた。コロナ放電処理10秒のセル表面には、特に、親水性が高いアルコール基を含むC−O結合の割合が11.2%と高く、コロナ放電処理1秒セル表面のC−O結合の割合6.4%より高かった。このことはコロナ放電処理時間を1秒から10秒へと長くすることで、75℃で240時間の加熱後においても、親水性が保たれ、気泡付着が起こらなかったことの理由としてあげられる。
また、一旦、75℃で240時間経過させたセル内に純水を600μl入れ、室温で浸漬(この操作を“水浸漬”と名付ける)した後、セル表面の接触角を測定した。未処理のセル表面の接触角は90度であり、コロナ放電を10秒処理したセル表面の接触角は41度、75℃で240時間経過後68度、水浸漬後56度であった。いったん、高温加熱によって親水性が低減したセル表面の親水性が、水浸漬することで回復した。加熱処理後もコロナ放電処理後と同程度の親水性を示した。ついで、コロナ放電を10秒処理したセル表面の75℃で240時間の加熱前後の安定性についてXPS測定によって分析した。コロナ放電を10秒処理したセル作製後の表面の酸素含有率は、表4で述べたとおり15.9%であった。コロナ放電を10秒処理したセルを75℃で240時間加熱後の表面の酸素含有率は7.8%であった。加熱によって4割程度の酸素の減少があるものの十分な親水性を保持していることがわかった。
本実施例の反応セルは、自動分析装置用反応セルとして、気泡付着が起こらず、攪拌安定性と透明性を有しており、かつセル間のサンプル・試薬の相互汚染を防止できることを確認した。
<実施例3>アクリルアミドのグラフト重合処理による局所的親水化
ここでは、アクリルアミドのグラフト重合処理によるセル表面の局所的親水化の実施例を示す。実施例1と同じポリシクロオレフィンからなる自動分析装置用反応セルを準備した。ここでは、実施例1と同様の条件で部分的なコロナ放電処理を行い、セルの測光面内壁部の底面から所望の高さまでの部分を局所的親水化した。セル表面にO=C−O−Oをはじめとする過酸化物が多く存在するので、これを開始剤として用い、別に重合開始剤を添加することなくグラフト重合を行わせることができると考えた。実施例2の表6で示したように、コロナ放電処理10秒を施したセル表面の過酸化物(O=C−O−O)の割合は7.0%であり、コロナ放電処理1秒を施したセル表面の過酸化物(O=C−O−O)の割合2.8%よりも多く存在することから、グラフト重合にはコロナ放電処理10秒を施したセルを使用するのが好ましい。
以下に、親水性ビニルモノマーのグラフト重合処理によるセル内壁部の局所的親水化法の詳細を述べる。図9は、反応セルの内壁部に親水性グラフトポリマーを形成するプロセスをフローチャートによって示したものである。
工程1.セル内壁部の洗浄。
具体的には、実施例1と同様、セルの内壁部にエタノール600μlを入れ、24時間放置し、エタノール除去後、真空デシケーターによる乾燥によってセル内壁部を清浄化する。
工程2.大気中でのセル局所部分コロナ放電処理。
具体的には、実施例2で述べた方法と同様に、大気中でセルの測光面内壁部2面の底面から所望の高さまでの部分にコロナ放電処理を10秒間行う。
工程3.親水性ビニルモノマー溶液の酸素濃度除去。
具体的には、親水性ビニルモノマー溶液をフラスコに入れ、窒素ガスを送り込みバブリングすることで親水性ビニルモノマー溶液中の酸素濃度を除去する。
工程4.セルへの親水性ビニルモノマー溶液の注入。
工程3によって酸素濃度を低減した親水性ビニルモノマー溶液を2のセルに600μl注入する。この際、該親水性ビニルモノマーとして、アクリルアミド、ビニルスルホン酸ナトリウム、メタクリル酸ヒドロキシルエチルエステル、メタクリル酸ポリエチレングリコール、メタクリル酸ポリエチレングリコールメチルエーテル、酢酸ビニル、メタクリル酸グリシジル、などを初めとする親水性ビニルモノマーの少なくとも1つを用いることができる。
工程5.セルの窒素雰囲気下への閉じ込め。
具体的には、工程4の親水性ビニルモノマーを注入したセルを2口フラスコに入れ、フタをしたところへ窒素ガスを送り込み、フラスコ内を窒素雰囲気とする。
工程6.凍結真空脱気。
具体的には、液体窒素と10Pa程度の真空度を達成できるロータリーポンプを利用した、Freeze-Pump-Thawサイクルを4回繰り返すことによって、2口フラスコ内を凍結真空脱気し、窒素雰囲気とした。
工程7.加熱によるグラフト重合。
具体的には、50℃に保ったウォーターバス内に、工程6の2口フラスコを入れて加熱し、グラフト重合を行う。
工程8.セルの洗浄。
具体的には、工程7でグラフト重合を施した反応セルの内壁部を純水により洗浄した後、真空デシケーターによってセルを乾燥させる。
この方法によって、セル内壁部に局所的にグラフト重合処理による親水化を施すことができる。なお、工程1と工程2を実施せず、工程3から工程8までを実施しても差し支えない。図10は、グラフト重合処理により部分親水化された測光面内壁部の断面模式図である。セル410の測光面内壁部表面411上に疎水性部分412と親水性部分413が存在し、親水性部分413に親水性グラフトポリマー414が存在する。親水性グラフトポリマーは、親水性グラフトポリマー置換基415が導入されている。親水性グラフトポリマー置換基415は、用いる親水性モノマーによって代わる。例えば、親水性モノマーがアクリルアミドの場合、置換基415はCONH2である。親水性モノマーがビニルスルホン酸ナトリウムの場合、置換基415はSO3Naである。親水性モノマーが酢酸ビニルの場合、置換基415はOCOCH3である。また、この時、親水性部分413は、セル内壁部のコロナ放電処理された部分に相当し、ここにはグラフトポリマー414のみならず、親水基416も存在する。親水基416は親水性置換基417を備え、親水性置換基417は例えば、水酸基、エーテル基、カルボキシル基、カルボニル基などの親水性の高い置換基である。
本実施例では、図9に示したフローチャートの工程3で使用する親水性ビニルモノマー溶液として、アクリルアミドの10%水溶液を使用し、フローチャートの工程7の加熱時間を3時間とした。親水性ビニルモノマー溶液を使用するのであれば、その溶液濃度や加熱時間は、実施例3〜7の方法に限定されない。
アクリルアミドをグラフト重合処理したセル表面の炭素と酸素と窒素の相対存在比率を比較するために、実施例2と同様の方法でXPS測定を行った。測定は、1400eV〜−20eVの範囲で、Pass Energyを20eVとしてワイドスキャンを行った。表7に、X線光電子分光(XPS)によって求まったアクリルアミドをグラフト重合処理したセル表面の炭素、酸素、窒素相対存在比率を示す。
Figure 0004584878
アクリルアミドをグラフト重合処理したセル表面には、窒素が相対存在率1.1%で存在しており、酸素相対存在率は7.9%であった。実施例2の表4で示したように、コロナ放電処理(1秒、10秒)を施したセル表面で検出されなかった窒素が、アクリルアミドをグラフト重合処理したセル表面に存在したことから、アクリルアミドはセル表面にたしかにグラフト化していることがわかった。
実施例1と同様の方法で、アクリルアミドをグラフト重合処理したセルの気泡付着の有無を調べた。親水性の劣化を加速的に評価するためにアクリルアミドをグラフト重合処理したセルを75℃に保たれた恒温槽で240時間熱処理した結果と共に示す。表8に、アクリルアミドをグラフト重合処理したセルの接触角と気泡付着の有無を示す。
Figure 0004584878
表8に示すように、グラフト重合処理直後(経過時間0時間)の接触角は、55度であったが、75℃で240時間加熱後の接触角は78度であった。グラフト重合処理直後、240時間経過後ともに気泡の付着は起こらなかった。
また、一旦、75℃で240時間経過させたセル内に純水を600μl入れ室温で水浸漬した後、セル表面の接触角を測定した。未処理のセル表面の接触角は90度であり、アクリルアミドをグラフト重合処理したセル表面の接触角は55度である。アクリルアミドをグラフト重合処理したセルを75℃で240時間経過させた後の表面の接触角は78度である。アクリルアミドをグラフト重合処理したセルを75℃で240時間経過させた後、水浸漬した後のセル表面の接触角は55度である。加熱処理後もグラフト重合処理後と同程度の親水性を示した。いったん、75℃の高温加熱によって親水性が低下したセル表面が、水浸漬することで親水性を取り戻した。なお、アクリルアミドをグラフト重合処理したセル内において、もともとコロナ放電処理を施していない面の接触角は90度であり、コロナ放電未処理のセル表面と同様であった。したがって、グラフト重合処理は、セル内のコロナ放電処理を施した部分に対してのみ選択的に施せる。
ついで、アクリルアミドをグラフト重合処理したセル表面の元素分析を75℃、240時間加熱処理前後で行った。分析にはXPSを用いた。アクリルアミドをグラフト重合処理したセルの作製後の表面の酸素含有率は、表7で述べたとおり7.9%であった。このセルを75℃で240時間加熱した後の表面の酸素含有率は6.8%であった。加熱による酸素濃度の低下は1割程度であり、実施例2のコロナ放電を10秒処理したセルよりも酸素減少の割合が少なく、熱に対する安定性が高い。
本実施例の反応セルは、自動分析装置用反応セルとして、気泡付着が起こらず、攪拌安定性と透明性を有しており、かつセル間のサンプル・試薬の相互汚染を防止できることを確認した。
<実施例4> 酢酸ビニルのグラフト重合処理による局所的親水化
実施例3と同様に、酢酸ビニルのグラフト重合処理によるセル表面の局所的親水化を行った。本実施例では、実施例3の図9に示したフローチャートの工程3で使用する親水性ビニルモノマー溶液として、酢酸ビニルの100%を使用し、フローチャートの工程7の加熱時間を2時間とした。
酢酸ビニルをグラフト重合処理したセル表面の炭素と酸素と窒素の相対存在比率を比較するために、実施例2と同様の方法でXPS測定を行った。測定は、1400eV〜−20eVの範囲で、Pass Energyを20eVとしてワイドスキャンをおこなった。表9に、XPSによって評価したセル表面の炭素、酸素、窒素相対存在比率を示す。酢酸ビニルをグラフト重合処理したセル表面の酸素相対存在率は5.7%であった。
Figure 0004584878
実施例1と同様、酢酸ビニルをグラフト重合処理したセルの気泡付着の有無を調べた。親水性の劣化を加速評価するために酢酸ビニルをグラフト重合処理したセルを75℃に保たれた恒温槽に240時間保管した。表10に、酢酸ビニルをグラフト重合処理したセルの接触角と気泡付着挙動の熱処理による変化を示す。
Figure 0004584878
その結果、75℃加熱0時間の接触角は、79度であったが、75℃で240時間熱処理後の接触角は85度であった。また、0時間、240時間経過後とともに気泡の付着は起こらなかった。加熱による接触角の変化が6度と小さく、比較的安定な表面を保持している。なお、酢酸ビニルをグラフト化したセル内の表面において、コロナ放電の処理されていない領域の接触角は90度であり、未処理のセル表面と同様であった。ここでも、グラフト重合処理は、セル内のコロナ放電処理を施した部分にのみ選択的に施せた。
ついで、酢酸ビニルをグラフト重合処理したセル表面の元素分析を、75℃で240時間熱処理前後でのXPS測定によって実行した。酢酸ビニルをグラフト重合処理したセル表面の酸素含有率は、5.7%であった。酢酸ビニルをグラフト重合処理したセルを75℃で240時間加熱後の表面の酸素含有率は5.6%であった。加熱による酸素の減少はわずかに0.1%であり、ほとんど無視できる。実施例2のコロナ放電を10秒間処理したセルよりも酸素減少の割合が少なく、熱に対する安定性が非常に高い。
本実施例の反応セルは、自動分析装置用反応セルとして、気泡付着が起こらず、攪拌安定性と透明性を有しており、かつセル間のサンプル・試薬の相互汚染を防止できることを確認した。
<実施例5> 酢酸ビニルのグラフト重合処理後加水分解処理による局所的親水化
実施例4と同様の方法で、酢酸ビニルをグラフト重合処理したセルを作製した。その後、セル内に1M(mol/l)の水酸化ナトリウム水溶液を600μl注入し、セル全体を50℃で1時間加熱することでエステル基の加水分解を行い、親水性を向上させた。この際、加水分解に用いる溶液は、水酸化ナトリウム水溶液に限定されず、一般的なアルカリ溶液を用いればよい。また、その際の溶液濃度や加熱時間は、上記反応条件に限定されない。
酢酸ビニルをグラフト化したセル表面の炭素と酸素と窒素の含有率を比較するために、実施例2と同様の方法でXPS測定を行った。測定は、1400eV〜−20eVの範囲で、Pass Energyを20eVとしてワイドスキャンを行った。表11に、XPSによって評価した酢酸ビニルのグラフト重合処理後加水分解処理したセル表面の炭素、酸素、窒素相対存在比率を示す。酢酸ビニルのグラフト重合処理後加水分解処理したセル表面の酸素相対存在率は5.8%であった。
Figure 0004584878
実施例1と同様、酢酸ビニルのグラフト重合処理後加水分解処理したセルの気泡付着の有無を調べた。親水性の劣化を加速評価するために酢酸ビニルのグラフト重合処理後加水分解処理したセルを75℃に保たれた恒温槽で240時間熱処理した結果と共に示す。表12に酢酸ビニルのグラフト重合処理後加水分解処理したセルの接触角と気泡付着の有無を示す。
Figure 0004584878
75℃加熱0時間の接触角は、71度であったが、75℃で240時間経過後の接触角は76度であった。0時間、240時間経過後においても気泡の付着は起こらなかった。加熱による接触角の変化が5度と小さく、セル表面の親水性は安定である。また、実施例4の酢酸ビニルをグラフト重合処理したセル表面の接触角よりも、その後加水分解処理したセル表面の接触角の方が低い(表10、表12)。すなわち加水分解処理により親水性を高めることができる。
本実施例の反応セルは、自動分析装置用反応セルとして、気泡付着が起こらず、攪拌安定性と透明性を有しており、かつセル間のサンプル・試薬の相互汚染を防止できることを確認した。
<実施例6> ビニルスルホン酸ナトリウムのグラフト重合処理による局所的親水化
実施例3と同様に、ビニルスルホン酸ナトリウムのグラフト重合処理によるセル表面の局所的親水化を行った。本実施例6では、実施例3の図9に示したフローチャートの工程3で使用する親水性ビニルモノマー溶液として、ビニルスルホン酸ナトリウムの25%水溶液を使用し、フローチャートの工程7の加熱時間を3時間として実施した。
ビニルスルホン酸ナトリウムをグラフト化したセル表面の蛍光X線分析を行った。装置には、リガク社製蛍光X線分析装置System3272を使用した。その結果、未処理のセルで検出されなかったS(硫黄)が検出された。このことから、ビニルスルホン酸ナトリウムがセル表面に結合していることが確認できた。
実施例1と同様、ビニルスルホン酸ナトリウムをグラフト重合処理したセルの気泡付着の有無を調べた。また、親水性(接触角)の劣化を加速評価するためにビニルスルホン酸ナトリウムをグラフト重合処理したセルを75℃の恒温槽に240時間保管した。表13に、ビニルスルホン酸ナトリウムをグラフト重合処理したセルの接触角と気泡付着挙動の熱処理による変化を示す。その結果、グラフト重合後の接触角は、69度であったが、これを75℃で240時間加熱後の接触角は74度であった。加熱の有無に関わらず気泡の付着は起こらなかった。
Figure 0004584878
また、実施例3と同様に、ビニルスルホン酸ナトリウムをグラフト重合処理したセルを75℃で240時間加熱させた後、該セル内に純水を600μl入れ室温で24時間放置(水浸漬)した後、セル表面の接触角を測定した。未処理のセル表面の接触角は90度であり、ビニルスルホン酸ナトリウムをグラフト重合処理したセル表面の接触角は69度である。ビニルスルホン酸ナトリウムをグラフト重合処理したセルを75℃で240時間加熱した後の表面の接触角は74度である。このように本実施例のセル表面は75℃の加熱によっても接触角が5度しか増加せず安定な親水性表面である。ビニルスルホン酸ナトリウムをグラフト重合処理したセルを75℃で240時間加熱した後、水浸漬した表面の接触角は64度である。いったん、75℃の高温加熱によって親水性が低下したセル表面が、水浸漬することで親水性を回復し、グラフト重合処理後よりも親水性が高まった。加熱処理後もグラフト重合処理後と同程度の親水性を示した。なお、ビニルスルホン酸ナトリウムをグラフト化したセル内において、コロナ放電処理を施していない部分の接触角は90度であり、コロナ放電処理前のセル表面と同様であった。したがって、ここでもグラフト重合処理は、セル内のコロナ放電処理を施した領域のみを選択的に親水化している。
本実施例の反応セルは、自動分析装置用反応セルとして、気泡付着が起こらず、攪拌安定性と透明性を有しており、かつセル間のサンプル・試薬の相互汚染を防止できることを確認した。
<実施例7> メタクリル酸ポリエチレングリコールメチルエーテルの重合処理による局所的親水化
実施例3と同様に、メタクリル酸ポリエチレングリコールメチルエーテルのグラフト重合処理によるセル表面の局所的親水化を行った。本実施例7では、実施例3の図9に示したフローチャートの工程3で使用する親水性ビニルモノマー溶液として、メタクリル酸ポリエチレングリコールメチルエーテルの10%水溶液を使用し、フローチャートの工程7の加熱時間を3時間とした。
実施例1と同様の方法で、メタクリル酸ポリエチレングリコールメチルエーテルをグラフト重合処理したセルの気泡付着の有無を調べた。また、親水性の変化を加速評価するためにメタクリル酸ポリエチレングリコールメチルエーテルでグラフト重合処理したセルを75℃の恒温槽に240時間保管した。表14に、メタクリル酸ポリエチレングリコールメチルエーテルをグラフト重合処理したセルの接触角の変化と気泡付着挙動の熱処理による変化を示す。グラフト重合直後(75℃加熱0時間)の接触角は、67度であったが、75℃で240時間加熱後の接触角は72度であった。グラフト重合処理したセルは熱処理の有無に関わらず気泡の付着は起こらなかった。
Figure 0004584878
また、実施例3と同様に、メタクリル酸ポリエチレングリコールメチルエーテルをグラフト重合処理したセルを75℃で240時間加熱した後、該セル内に純水を600μl入れ室温で24時間放置した後、セル表面の接触角を測定した。未処理のセル表面の接触角は90度であり、メタクリル酸ポリエチレングリコールメチルエーテルをグラフト重合処理したセル表面の接触角は67度である。メタクリル酸ポリエチレングリコールメチルエーテルをグラフト重合処理したセルを75℃で240時間加熱した後の表面の接触角は72度である。メタクリル酸ポリエチレングリコールメチルエーテルをグラフト重合処理したセルを75℃加熱をしても、接触角が5度しか変化せず親水性がほとんど変化しない安定な親水性表面である。
メタクリル酸ポリエチレングリコールメチルエーテルでグラフト重合処理したセルを75℃で240時間経過させた後、水浸漬した表面の接触角は61度である。いったん、75℃の加熱によって親水性が低下したセル表面が、水浸漬することで親水性を取り戻し、グラフト重合直後よりも親水性が増加した。なお、メタクリル酸ポリエチレングリコールメチルエーテルをグラフト化したセル内において、もともとコロナ放電処理を施していない面や部分の接触角は90度のままであり、コロナ放電未処理のセル表面と同様であった。したがって、グラフト重合処理は、セル内のコロナ放電処理を施した部分のみに選択的に施せる。
本実施例の反応セルは、自動分析装置用反応セルとして、気泡付着が起こらず、攪拌安定性と透明性を有しており、かつセル間のサンプル・試薬の相互汚染を防止できることを確認した。
<実施例8> 自動分析装置における実施例
図11は、本発明による自動分析装置の構成例を示す図であり、次にその基本動作を述べる。1はサンプルディスク機構であり、この機構1には、多数のサンプルセル25が配置されている。サンプルセル25内のサンプルは、サンプル供給用分注機構2のサンプルノズル27によって抽出され、所定の反応容器に注入される。5は試薬ディスク機構であり、この機構5は、多数の試薬容器6を備えている。また、機構5には、試薬供給用分注機構7が配置されており、試薬は、この機構7の試薬ノズル28によって、吸引され所定の反応セルに注入される。10は分光光度計、26は集光フィルタつき光源であり、分光光度計10と集光フィルタつき光源26の間に、測定対象を収容する反応ディスク3が配置される。この反応ディスク3の外周上には、例えば、親水性部分と疎水性部分を内壁部に有する120個の反応セル4が設置されている。また、反応ディスク3の全体は、恒温槽9によって、所定の温度に保持されている。11は反応セル洗浄機構である。19はコンピュータ、23はインターフェース、18はLog変換器及びA/D変換器、17は試薬用ピペッタ、16は洗浄水ポンプ、15はサンプルピペッタである。また、20はプリンタ、21はCRT、22は記憶装置としてのフロッピーディスクやハードディスク、24は操作パネルである。
上述の構成において、操作者は、操作パネル24を用いて分析依頼情報の入力を行う。操作者が入力した分析依頼情報は、マイクロコンピュータ19内のメモリに記憶される。サンプルセル25に入れられ、サンプルディスク機構1の所定の位置にセットされた測定対象サンプルはマイクロコンピュータ19のメモリに記憶された分析依頼情報に従って、サンプルピペッタ15及びサンプル供給用分注機構2のサンプルノズル27によって、反応セルに所定量分注される。サンプルノズル27は水洗浄される。当該反応容器に試薬ピペッティング機構7の試薬ノズル28によって、所定量の試薬が分注される。試薬ノズル28は水洗浄された後、次の反応セルのための試薬を分注する。試料と試薬の混合液は、撹拌機構8の攪拌棒29や超音波素子によって撹拌される。撹拌機構8は順次、次の反応セルの混合液を撹拌する。親水性部分と疎水性部分から成る反応セルを用いれば、攪拌によって巻きこまれた気泡がセル内壁表面の測光領域に吸着することがないので分析データに影響を与えることがない。
反応セル4は恒温槽9により一定温度に保持されており、反応と測光容器の両方を兼ねる。反応の過程は集光フィルタつき光源26から光を供給し、一定時間ごとに反応セルの親水性部分が分光光度計10によって測光され、設定された1つまたは2つの波長を用いて混合液の吸光度は測定される。測定の際、集光フィルタつき光源を用いることで、反応セルの親水性部分のみを選択的に光透過させることができる。反応セルの親水性部分は気泡付着が起こらないため、吸光測定のばらつきが少なく精度が高い。同様に反応セルの内壁部に親水性部分があるため、反応セルの測光面や底面に検出障害となる気泡が吸着しないので、反応セルに光を透過させる領域を底面近くに設定できる。したがって、反応セルに入れるサンプルや試薬の量を大幅に減らすことができ、ユーザのランニングコスト低減の観点から有用である。本発明の反応セルを使用することで、試薬とサンプル溶液を合わせた反応溶液60μlで自動分析を実施できた。
測定された吸光度は、Log変換器及びA/D変換器18、インターフェース23を介してコンピュータ19に取り込まれる。取り込まれた吸光度は濃度値に換算され、濃度値はフロッピーディスクやハードディスク22に保存されたり、プリンタ20に出力される。また、CRT21に検査データを表示させることもできる。測定が終了した反応セル4は反応セル洗浄機構11により水洗浄される。洗浄の終了した反応セルは次の分析に順次使用される。
このように、親水性部分と疎水性部分を内壁部に有する反応セル4を搭載して自動分析を行った結果、毛管現象で検査液が反応セルの開口部まで登る現象は無かった。すなわち、隣接する反応セルの試薬と混ざり合う相互汚染やクロスコンタミネーションがおこらなかった。また、気泡吸着がないため、測定誤差が低減した。一方、反応セルの内壁を底から開口部まで親水化すると相互汚染やクロスコンタミネーションが起こった。
なお、実施例2〜7と同様に反応セル内に注水すると、セルの親水部分の親水性をより高めることができる。したがって、反応セルを水浸漬させた後、自動分析装置を使用するのが望ましい。
セルブロックの斜視外観図。 分割セルの斜視外観図。 分割セルの斜視外観図。 コロナ放電局所処理の模式図。 コロナ放電局所処理後の分割セルの斜視外観図。 接触角測定結果を示す図。 XPSの結果を示す図。 XPSの結果を示す図。 グラフト重合処理のプロセスフローチャート。 測光面内壁部の断面模式図。 自動分析装置の構成例を示す図。
1…サンプルディスク機構、2…サンプル供給用分注機構、3…反応ディスク、4…反応セル、5…試薬ディスク機構、6…試薬容器、7…試薬供給用分注機構、8…撹拌機構、9…恒温槽、10…分光光度計、11…反応容器洗浄機構(ノズルアーム)、12…吸引ノズル、13…洗浄剤、14…洗剤注入ノズル、15…サンプルピペッタ、16…洗浄水ポンプ、17…試薬用ピペッタ、18…Log変換器及びA/D変換器、19…コンピュータ、20…プリンタ、21…CRT、22…フロッピーディスクやハードディスク、23…インターフェース、24…操作パネル、25…サンプルセル、26…集光フィルタつき光源、27…サンプルプローブ、28…試薬プローブ、29…撹拌棒、30…第2試薬用試薬バーコードリーダ、31…第1試薬用試薬バーコードリーダ、50…セルブロック、51…単セル、101…長辺、102…短辺、103…高さ、111…非測光面外壁、112…非測光面内壁、113…測光面外壁、114…測光面内壁、115…底面、116…非測光面の半分の長さ、117…測光面の長さ、118…内壁高さ、119…境界線、120…コロナ放電処理部分、130…閉口部、140…開口部、150…単セル肉厚、211…コロナ放電源、212…配線、213…陽極、214…コロナ放電陽極ロッド電極、216…配線、217…アース、218…陰極板、410…セル、411…測光面内壁部表面、412…疎水性部分、413…親水性部分、414…親水性グラフトポリマー、415…親水性グラフトポリマー置換基、416…親水基、417…親水性置換基

Claims (13)

  1. サンプルを反応セルの上部開口部から反応セルに注入するサンプル供給用分注機構と、
    試薬を反応セルの上部開口部から反応セルに注入する試薬供給用分注機構と、
    光源と光検出器を備え、反応セル内の溶液の吸光度を検出する検出部と
    を有し、
    前記反応セルは、前記光源からの光が透過し、その間に前記溶液を収容する、対向する二枚の測光面を有し、
    当該測光面の内壁表面は検出部の光源からの光が照射される領域が親水性であるとともに、前記光が照射される領域よりも上部開口部に近い領域が疎水性であることを特徴とする自動分析装置。
  2. 前記測光面の内壁の親水性領域は前記光が照射される領域よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
  3. 前記反応セルは樹脂製であることを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
  4. 前記反応セル内に注水し反応セル内の親水性領域の親水性を高めた後に分析を開始することを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
  5. 前記光源からの光が照射される領域全てに測定すべき溶液が存在するように、前記反応セルに分注されるサンプルと試薬溶液の合計量を制御することを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
  6. 前記検出部は前記光源からの光を前記反応セルに照射するための光学系と分光光度計を備え、前記反応セルの親水性領域よりも小なる領域に前記光源からの光の照射範囲を制限することを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
  7. 前記光学系は集光レンズ、あるいは面積が前記反応セル内壁の光源からの光が照射される領域における親水性領域よりも小なる窓部を有するスリットであることを特徴とする請求項6に記載の自動分析装置。
  8. 親水性領域と疎水性領域からなる内壁表面を有し、対向する二枚の測光面の開口部側の内壁表面は疎水性であり、測光部の内壁表面は親水性である反応セルを用い、
    前記反応セル内に注水し反応セル内の親水性領域の親水性を高める工程と、
    前記反応セルにサンプルを注入する工程と、
    前記反応セルに試薬を注入する工程と、
    前記反応セル内の溶液を攪拌する工程と、
    前記反応セルの測光面の前記測光部に光を透過させ、前記反応セル内の溶液の吸光度を測定する工程と
    を有することを特徴とする分析方法。
  9. 自動分析装置に用いる反応セルにおいて、
    前記反応セルは、自動分析装置の光源からの光が透過しその間に溶液を収容する対向する二枚の測光面を有し、
    当該測光面の内壁表面は、前記光源からの光が照射される領域が親水性であるとともに、前記光が照射される領域よりも上部開口部に近い領域が疎水性である
    ことを特徴とする自動分析装置用反応セル。
  10. 前記測光面以外の前記反応セルの側壁は、親水性領域と、前記親水性領域よりも上部開口部に近い疎水性領域を有することを特徴とする請求項9に記載の自動分析装置用反応セル。
  11. 前記反応セルは樹脂製であり、
    前記親水性領域と前記疎水性領域の水に対する接触角の差が5度以上であることを特徴とする請求項9に記載の自動分析装置用反応セル。
  12. 前記親水性領域の表面に親水性グラフトポリマーを有することを特徴とする請求項9に記載の自動分析装置用反応セル。
  13. 前記親水性領域の表面に、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基のうちの少なくとも一種の官能基を有することを特徴とする請求項9に記載の自動分析装置用反応セル。
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