JP4584281B2 - コンクリートブロック付きマット、および、その製法方法 - Google Patents

コンクリートブロック付きマット、および、その製法方法 Download PDF

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Description

本発明は、護岸等の自然環境の回復改修施工に使用する定型コンクリートブロックや擬石ブロックを配したコンクリートブロック付きマット、および、その製造方法の技術分野に属する。
近時、護岸等に多数のコンクリートブロックを敷き詰めたマットが施行の簡便さから使用されている。
従来のコンクリートブロック付きマットは、複数のコンクリートブロックをアンカーピンやビスなどの連結具を用いてマットに固着して、施工時にそのまま護岸等に敷き詰めて施工するマットや、コンクリートブロックの施工方法(特許文献1)が提案されている。更に、複数のコンクリートブロックの底面にエポキシ樹脂接着剤を塗りマットに固着して、護岸等に施工する施工方法(特許文献2)が提案されている。 また、コンクリートブロックの成型時に、コンクリートが未硬化状態にある内にシートを押し当ててシートに固着する方法(特許文献3)が提案されている。
そこで、本発明者は、施工面における天然石模様の擬石の配置状況が不規則に観取され且つ目地線も直線的でなく不規則線を呈し施工面を流れる雨水などによって目地の土砂が流失しないように構成され草や小灌木が育生し自然破壊が最小限にとどまるように工夫したコンクリートブロックを開発し、この擬石ブロックコンクリート型枠において、型枠が施工時の配列になるように複数の型枠が一括して配列し、コンクリートを流し込んだ際には擬石の底面が型枠の上部の表面に露出し、露出した擬石の底面に大粒の石を混入したセメントおよびアクリル水性接着剤を練った接着剤を塗布し、その上に透水性の不織布マットを敷いて擬石をマットに固着させ、固着後に型枠から擬石をマットごと一緒に脱形するコンクリート擬石ブロック付きマットを提供している(特許文献4)。
特公平3-3766号公報 実公昭51-9135号公報 特開昭54-93018号公報 特開2004-255765号公報
特許文献1に開示されているコンクリートブロック付きマットは、複数のコンクリートブロックをシートに固定して、このコンクリートブロックを付けたシートを施工現場に敷き詰める方法も知られているが、図13に示すように、コンクリートブロックaをシートbに固着する際に、コンクリートブロックa毎に作業員が、アンカーピン(ステープル)やビス(スクリュー)連結具cをシートb面から突き刺してシートを固定するが、一個毎に手仕事で行わなければならず、多少の作業効率が上がるものの、依然として作業効率が悪く、多くの時間も費やさなければならないという不都合であるという問題点があり、また、特許文献2に開示されている技術は、図14に示すようにコンクリートブロックaを一個一個作成し、そのコンクリートブロックaの底部に接着剤dを塗りマットに固定するが、コンクリートブロックaの底部ごとに接着剤dを塗布しなければならず手間暇が必要であり、通常、コンクリートブロックaは重量があることから、接着剤dにエポキシ樹脂接着剤が用いられるが、費用が高くつくとともに、環境にも悪影響を及ぼすことが知られている。また、硬化を促進させるためには、蒸気養生をすることが必要であるが、ヒーターによる加熱では部分的にしか暖めることができず、全体を平均に暖めることは不可能に近く、硬化する時間を短くすることは経費もかかり困難であるとい問題点があった。さらに、特許文献3に開示されている技術は、コンクリートブロックの成型時において、コンクリートが未硬化状態にある内にシートを張り蒸気で硬化させるもので、装置や時間的制約があるとともに、セメントミルクを硬化させただけなので強度もあまり大きくなく、ブロックが脱離しやすいという問題点があった。
特許文献4に開示されている本発明者によるコンクリートブロック付きマットの接着剤は、エポキシ樹脂が環境に悪影響を与えることから使用は出来ないので、環境に及ぼす影響が少ないアクリル水性接着剤を使用している。しかし、アクリル水性接着剤は水性で粘性が低く接着層を厚くすることが困難で、接着力も弱いので、このため、露出した擬石の底面に大粒の石を混入したセメントおよびアクリル水性接着剤を練った接着剤を塗布して、この大粒の石を擬石底面と透水性の不織布マットとの相互に食い込ませて接着性を高めているが、大粒の石を混入するための材料と手間を必要とする問題があった。また、筋状にアクリル水性接着剤を塗布するので、塗布作業も厄介であった。
ところで、コンクリートブロック付きマットのマット素材は、一般的にはポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリスチレン繊維の不織布、或いは、これらを混紡した不織布が使用されるが、ポリプロピレンはこれらのマットが戸外に使用されることから、紫外線に曝され劣化するとうい問題点があり、ポリエステル、ポリスチレンはコンクリートブロックからしみ出るアルカリ成分に弱く劣化するという問題点があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、1つのマットに対応する複数のコンクリート製のブロックを一度に一括して作成し、コンクリートの護岸での施工を簡単にし、さらに、マットからブロックが脱離しないようにし、かつ、マット素材の紫外線やコンクリートのアルカリ成分から劣化を防ぐコンクリートブロック付きマット、および、その製法方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、コンクリートブロック付きマットにおいて、コンクリートブロックを製造するために複数のコンクリートブロック用の型枠を用い、該型枠は施工時の配列になるように複数の型枠を集合配列した一体の型枠とし、該型枠にコンクリートを流し込んブロックの底面型枠の上部の表面に露出させ、露出したブロックの底面と型枠の上面とに砂、セメント、酢酸ビニル、及び、水で練ったレジンモルタルを塗布し、その上にポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリスチレン繊維の透水性の不織布マット、或いは、これらを複合した透水性の不織布マットを敷いてブロックをマットに固着させ、固着後に型枠からブロックをマットごと一緒に脱形することを特徴とする。
請求項2の発明は、脱形した後のマット上の隣り合うブロック間の前記レジンモルタル層に細かな亀裂を生じさせたことを特徴とする請求項1に記載のコンクリートブロック付きマットである。
請求項3の発明は、コンクリートブロック付きマットの製造方法において、コンクリートブロックを製造するために複数のコンクリートブロック用の型枠を用い、該型枠は施工時の配列になるように複数の型枠を集合配列した一体の型枠とし、該型枠にコンクリートを流し込んブロックの底面が型枠の上部の表面に露出させ、露出したブロックの底面と型枠の上面とに砂、セメント、酢酸ビニル、及び、水で練ったレジンモルタルを塗布し、その上に透水性の合成樹脂繊維の不織布マットを敷いてブロックをマットに固着させ、固着後に型枠からブロックをマットごと一緒に脱形することを特徴とする。
請求項4の発明は、コンクリートブロック付きマットの製造方法において、コンクリートブロックを製造するために複数のコンクリートブロック用の型枠を用い、該型枠は施工時の配列になるように複数の型枠を集合配列した一体の型枠とし、該型枠にコンクリートを流し込んブロックの底面が型枠の上部の表面に露出させ、露出したブロックの底面と型枠の上面とに砂、セメント、酢酸ビニル、及び、水で練ったレジンモルタルを塗布し、その上にポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリスチレン繊維の透水性の不織布マット、或いは、これらを複合した透水性の不織布マットを敷いてブロックをマットに固着させ、固着後に型枠からブロックをマットごと一緒に脱形することを特徴とする。
請求項5の発明は、脱形した後のマットに対して湾曲状態と平坦状態とを呈させて、マット上の隣り合うブロック間の前記レジンモルタルの層に細かな亀裂を生じさせたことを特徴とする請求項3又は4に記載のコンクリートブロック付きマットの製造方法。
以上説明したように、本発明によれば、コンクリートの護岸での施工を簡単にできる擬石ブロック付きのマットであって、型枠にセメントを打設すれば1マットに対応する複数のコンクリートブロックを一度に一括して施工時の配列どおりに作成でき、また、合成樹脂繊維の透水性の不織布マットととしたことで、ブロック間で水の出入りが可能となり植物が育成され護岸の緑化を促進でき、更に、ポリプロピレン繊維及びこれらを混紡した不織布マットとを使用した場合には、紫外線による劣化を防ぎ、ポリエステル繊維、ポリスチレン繊維及びこれらを混紡した不織布マットとを使用した場合には、コンクリートからしみ出るアルカリ成分の化学反応による劣化を防ぐことができる。
特に、請求項2及び5の発明においては、レジンモルタル層は、マットの移送や運搬過程で亀裂が生じやすいが、敢えて、レジンモルタル層に亀裂を生じさせることで透水性の不織布マットを用いることと相俟って、ブロック間で水の出入りが可能となり植物が育成され護岸の緑化を促進できる。
ここで、本発明に好適なコンクリート製のブロック付きマット、特に、コンクリート製の擬石コンクリート付きのマット、および、その製造方法の実施例を図面を参照して説明する。
本実施例に使用するコンクリート擬石ブロック1(以下、単に「ブロック」という。)は、図1の斜視図に示すようなもので、一ブロックは縦(X)30cm,横(Y)30cm,高さ(Z)10cm程度の大きさで、基板11上に大きな擬石12が4個と小さな擬石13が2個とが配置され、擬石表面は自然石に模した凹凸が色彩を有しており、底面14はほぼ平らであり、本実施例の複数配列のコンクリート擬石ブロック自体は、周囲や上面に複雑な凸凹を有し、ブロックの擬石の外周や接合線に直線部分が一切なく、上面が平らで自然石模様であるので、スリップ止めになり作業員や完成後の人が水辺を歩くにも適した形状のものを使用した。
本実施例のコンクリート擬石ブロック付きマット2(図7参照)は、コンクリート製のブロックに接する上面(底面14)がセメント素材などのアルカリの化学反応に強いポリプロピレン繊維の不織布で、間隔を置いて縦或いは横方向に補強のためにポリプロピレン或いはポリエステル製フィラメントの束を撚ったロープ21が組み込まれている。
このマット2は、全体の平均厚さは3mm以上であり、本実施例の1マット当たりのコンクリート擬石ブロックの全体は1.3トンであることから、施工時にマット2を吊り上げた時にこれに耐える強度を有しなければならず、縦方向の引張強度は2.94Kgf/5cmであり、引張伸度は15%以下であり、透水性は1×10-2cm/secの物性値のものを使用した。
このマット2には、図2に示すように、本実施例では、前記のコンクリート擬石ブロック1を縦(X方向)に20〜30行、横(Y方向)に6列に後述する接着材で固定し、縁部の上側端部分A、下側端部分B、左側端部分Cにはブロック1が存在しないマットだけのマット把持部A,B,Cを設け、右側端部分Dにはコンクリート擬石ブロックがマットから若干はみ出る程度にまで存在させる(図2参照)マット接合部Dが設けられている。
そして、施工においては、図3及び図4に示すように、護岸などの施工においては、複数のコンクリート製の擬石ブロック1が付いたマット2ごと一括して、図3に示すようなクレーンGによって運搬車に積載し、現場に運搬してから、先ず、クレーンGなどでマット2のブロックのない両把持部A,BをクレーンGに備えた把持具Hで把持し、施工現場である護岸に直接マット2を敷き、マット2の両把持部A,Bを堤側Eと河川側Fとに固定する。更に、次のマットを敷き詰める場合は、既に施工されているマット2だけの左側端部分の把持部Cの上に、把持部がない接合部分Dの擬石ブロック1を、施工されている擬石ブロック1に密接して敷き詰める。なお、クレーン等でマット2の両把持部A,Bを把持して移動するが、この際マット2は大きく湾曲状態となり、その後平坦状態に戻されるが、この際に、後述するように、レジンモルタル4層には簡単に細かく狭い亀裂が生ずるが、この亀裂は通水性や通気性を付与するものとなり、敢えて、パンチ等で貫通孔を設けなくても良い。また、亀裂が小さく不足していれば、湾曲状態と平坦状態を交互に適宜繰り返せば、所望の亀裂の数(量)にすることができる。
その後は、同様に次のマット2を直接敷き詰めるだけ放置すればよく、二つのマット2の接合部分は擬石ブロックに隠れて外からは見えず、護岸全体が均一に擬石ブロック1を敷き詰めた外観を呈し、しかも、不織布のマット2は上に植物の根が入り込むことが可能な隙間を有する目付程度であるから、水が通過することは勿論のこと植物の根も入り込み、擬石の間には客土が堆積することと相俟って植物も生育し、全体として自然環境にマッチした護岸が形成される。
勿論、マット2の大きさや把持部の形や大きさは、施工現場の状況に合わせて適宜変更すればよい。
このように、従来の単純な形状のブロックを使用した場合と異なり、本実施例のマットを使用したことにより、自然に溶け込み周囲の景観に調和し、溝となる接合線などに直線がないことから、客土の流失が阻止でき、隣り合うマットがずれても(1.5cm程度)目立つことがない。
次に、本実施例のコンクリート製の擬石ブロック付きマットの製造方法を図5乃至図10に沿って説明し、併せて、マット自体の構成をより詳細に説明する。
前述した擬石ブロックについての型枠3は、図5の型枠平面図に示すように、前述したコンクリート擬石ブロック付きマット2に搭載される複数の擬石ブロック1の数だけ個々の型枠32を集合配列し、この複数の型枠32を一括して一体化した一つの大きな型枠3としたものである。
この長方形の型枠3は、周りの外枠31はFRP樹脂で、内側の擬石を形成する擬石型枠32はポリウレタン樹脂で構成され、外枠の底面部分33(図6、9の側面図)には鉄筋や鉄板が埋め込まれて型枠全体を補強している。
したがって、型枠3にセメントを打設すれば、1マットに対応する複数のコンクリート擬石ブロックを一度に一括して作成できる。
図6に示すように、この型枠3の各擬石型枠32にコンクリートを打設するが、型どられた擬石ブロック1の底部14の表面が上向きに露出しており、コンクリートが固まった時点で接着材料である後述するレジンモルタル4をモルタルガン5で底部14に塗布する。
本実施例で使用する接着材料としては、強度、環境対策、マットの劣化防止の観点から次の[表1]の組成のレジンモルタル4が有効であった。

[表1]レジンモルタルの組成
1.砂 (35〜50)40重量%
2.セメント (35〜50)40重量%
3.酢酸ビニル (15〜40)20重量%
小計 100重量%
4.水 適量(砂+セメントと同重量)

なお、紫外線を遮断するためにレジンモルタル層を有る程度厚く(0.3〜1.5mm)しなければならないが、砂はそのための増量剤であるが、多すぎると相対的にセメントや酢酸ビニルが少なくなり強度不足が生じ、少なすぎるとセメントや酢酸ビニルを多く費やしてコスト高になから35〜50重量%程度が良く、好ましくは40重量%である。また、セメントは多すぎると相対的に酢酸ビニルの量がへりコンクリートからしみ出るアルカリ成分を中和して遮断する機能が低下し、少なすぎると強度不足が生じるから35〜50重量%程度が良く、好ましくは40重量%である。
更に、重要なのは酢酸ビニルを使用することであるが、砂やセメントとともに、特に、酢酸ビニル樹脂層が形成されてので、効率良く紫外線Rを遮断するのであるが、酢酸ビニルは多すぎると、コスト高になるとともに、運搬や施行作業中に水の出入りのためのひび割れが生じさせる必要があるが、ひび割れが生じ難くなり、又、パンチにより通水孔を作成する場合にも作成が困難になる。逆に、酢酸ビニルが少なすぎると、紫外線Rを遮断する機能が低下するとともに、アルカリ成分を中和して遮断する機能も低下するから、15〜40重量%程度が良く、好ましくは20重量%である。なお、酢酸ビニルは60重量%程度でもよいが、コスト高となり無駄であり、前述の組成比が適当である。
尤も、マット2が湾曲した場合にレジンモルタル4の亀裂が生じる箇所は、ブロック1の底面14(14a)が固定されている箇所は曲がらないので、ブロック1とブロック1との間のコンクリートが存在しない箇所が曲がることから、このブロック間に亀裂が生じるので、アルカリ成分からマット2を防御する作用には変わりはない。また、細かな狭い亀裂であるので、紫外線Rも下のマット2までとどくことはなく、紫外線Rの遮断作用も変わりはない。
更に、水は適度の粘度を有する程度を混入するが、一般には(本実施例)、加えた砂とセメントの合算した重量と同程度の重量を加えるのが良い。
なお、上記レジンモルタル4の組成において、冬場のような、コンクリートブロックのセメントの硬化に時間を要する場合は、必要に応じて、セメント硬化促進剤として塩化カルシュームを2〜6重量%を混入しても良く、この場合には早期に接着が完了し、製品の脱型時期を早めることができる。
上記の組成において、前掲特許文献4の先行技術では大粒の石を混入させることで、大粒の石はマット2の中に潜り、マット2と擬石ブロック1とに楔のように作用し、砂とセメントと接着剤の場合よりも接着性能を向上させたが、大粒の石が混入することによりマットの厚さが不揃いになる場合があり、施工に支障を来すことがあったので、先行技術のアクリル水性接着剤に変えて、本発明の実施例では粘性の大きい酢酸ビニルを使用し、酢酸ビニルが粘性の大きいことから接着力がより強力であり、且つ、全面に塗布したレジンモルタルの層を、簡単にほぼ均一に0.3mm〜1.0mmの厚さに、好ましくは0.5mmの厚さ形成するのが良い。
この厚さは、0.3mm以下だと紫外線の遮断作用が弱く、1.0mm以上だとレジンモルタルの費用のコスト高になるとともに、マット2とレジンモルタル4層に通水性を与える場合に、薄けれは簡単に亀裂が生じて通水機能を果たすようになるが、厚いと亀裂が生じ難くなり、また、レジンモルタル4層の適所にパンチ具等で貫通孔を設ける場合があるが、レジンモルタル4層が厚すぎると開孔形成作業に手間がかかることになり(尤も、前述したようにマット2の両端を把持して移動する際に適度の亀裂が生じ、これが水や空気の通路となるので、敢えて貫通孔を設ける必要のない場合が多い)、更にマット2自体の柔軟性もなくなり、現場での施行作業に手間がかかるようになるからである。
前記の組成のレジンモルタル4を接着材料をモルタルガン5で型枠3(接着材料4は型枠1からは脱離可能である。)と擬石ブロック1の底部14に一括して塗布するが、塗布方法はマットとの関係から、図6、7に示すように、接着材料のレジンモルタル4は、後述する理由によりマット2の全面を覆うように塗布し、詳しくは、コンクリートを流し込んだ際にはブロックの底面が型枠の上部の表面に露出し、露出したブロックの底面と、その間の型枠の上面34とにレジンモルタルを塗布する。
次に、擬石ブロック1をマット2に固着する作業を行うが、図8に示すように、厚さ3〜6mm程度の不織布のマット2を、型枠3の上面に押し当てながら敷き詰める。その結果、図9に示したように、擬石ブロック1とマット2とは接着材料のレジンモルタル4によって接着固定されることになり、硬化終了した時点で、図10に示すように、擬石ブロック1とマット2が強固に一体になったコンクリート擬石ブロック付きマット2を型枠3から脱型する。
このマット2の素材である合成樹脂繊維の不織布マットを、透水性のものとするのは、特に、本実施例のコンクリート擬石ブロック1が自然景観にマッチさせたもので、マット2を通じて水や空気の出入りが可能となり護岸のマット2の間に植物が育成し緑化を促進できるからである。なお、マット移動等の施行作業によってレジンモルタル4層に生じる亀裂が水や空気の出入に供されるが、亀裂が少ない場合には、隣り合う擬石ブロック2の間のレジンモルタル4層の適所に、パンチ等で人為的に貫通孔を設ければ良い。
本実施例での合成樹脂繊維は、前述したように、ポリプロピレン繊維の不織布で、間隔を置いて縦或いは横方向に補強のためのポリプロピレン繊維或いはポリエステルのフィラメントの束を撚ったロープ21が組み込まれている。ポリプロピレンは強度があるが、紫外線Rに曝されると劣化し脆くなる。
本発明の実施例のようなマット2では 護岸等に施工した場合にも、ポリプロピレン繊維のマット2の表面にはレジンモルタル4で被覆された状態となり、図10に示すように、擬石ブロック1の隙間に紫外線R(図中矢印)が射し込んでも、ポリプロピレン繊維のマット2が直接露出せず、その上をレジンモルタル4が覆って戸外の太陽の紫外線Rに曝されることがなく、合成樹脂繊維マット2の劣化を防ぐことができる。
また、マット2の別の実施例の構成として、ポリエステル繊維の不織布、及び、ポリスチレン繊維の不織布を使用した場合に、レジンモルタル4には酢酸ビニルを混入されているので、コンクリート擬石ブロックからしみ出るアルカリ成分が酢酸ビニルの酸によって中和され、アルカリ成分がポリエステル繊維やポリスチレン繊維の不織布まで浸透せず、これらと化学反応を起こして繊維が劣化することを防ぐことが出来る。
さらに、別の実施例として、ポリプロピレン繊維とポリエステル繊維との混紡の不織布や、施行時に上面となる表面側にはポリプロピレン繊維を配し、下側には強度あるポリエステル繊維を配した複合素材の不織布を使用した場合でも、上側の全面が酢酸ビニルが配合されたレジンモルタル4で覆われているので、マット2が直接太陽光線に曝されることがないので、ポリプロピレン繊維(マット2素材)及びポリプロピレンフィラメントを撚ったロープ21の劣化を阻止し、コンクリート擬石ブロックからしみ出るアルカリ成分が酢酸ビニルの酸によって中和して、アルカリ成分がポリエステル繊維やポリスチレン繊維の劣化を阻止することができる。
特に、本実施例のコンクリート製擬石ブロック付きマットは戸外の日当たり良い斜面の地形に施行する場合が多く、個々のブロックが擬石ブロックである場合には、個々のブロックを現場で配列施行する作業は厄介なものであるが、本実施例のような集合ブロック付きのマットでの施行は、単位マットを並べれて固定すればよく、作業効率は飛躍的に向上し、マットの劣化も少なく強度が永年維持され耐久性は飛躍的に向上する。
以上は、コンクリート擬石ブロック付きマットについて説明したが、ブロックは、コンクリート製のブロックの集合体であれば、擬石だけでなく、図11に示すような、幾何学的な平面が矩形のブロック1aでも良く、これを図12に示すように、複数のコンクリートブロック用の型枠3は、施工時の配列になるように複数の型枠3を一括して一体として配列され、コンクリートを流し込んだ際にブロック1aの底面14aが型枠の上部の表面に露出し、露出したブロックの底面14aと型枠の上面34とに砂、セメント、酢酸ビニル、及び、水で練ったレジンモルタルを塗布し、その上にポリプロピレン繊維の透水性の不織布マット2を敷いてブロック1aをマットに固着させ、固着後に型枠3からブロック1aをマット2毎脱形する。詳しくは、前述したコンクリート擬石ブロック付きマットと同じであるので、詳細は省略する。幾何学的な平面が矩形のブロックとして、他に円形や多角形のブロックでも良いことは勿論である。
なお、本発明の特徴を損なうものでなければ、上記の実施例に限定されるものでないことも勿論である。
本発明の実施例のコンクリート擬石ブロックの一個の斜視図である。 図1(a)は、図1のコンクリート擬石ブロックの複数を固着したコンクリート擬石ブロック付きマットの正面図であり、図1(b)はその側面図である。 クレーンでコンクリートブロック付きマットの両端を把持して湾曲させた状態の斜視図である。 図2のコンクリート擬石ブロック付きマットの複数枚を護岸に施工した状態の説明図である。 本発明の実施例のコンクリート擬石ブロック付きマットにおける、擬石型枠の平面図である。 図5の側面図であり、実施例のマットの製造工程を説明する説明図である。 本実施例のマットと擬石ブロックの接合状態を示す透視説明図である。 実施例のマットの製造工程を説明する説明図である。 図6の側面拡大断面図である。 図9の状態から、型枠から脱形した状態のコンクリート擬石ブロック付きマットの側面拡大断面図である。 本発明の別の実施例の平面矩形のコンクリートブロックの一個の斜視図である。 図11にブロックでのマットとブロックの接合状態を示す透視説明図である。 従来のマットと擬石ブロックの接合状態を示す透視説明図である。 別の従来のマットと擬石ブロックの接合状態を示す透視説明図である。
符号の説明
A,B,C…把持部、D…接合部分、E…堤、F…河川、
G…クレーン、H…把持具、R…紫外線、
1…コンクリート擬石ブロック、1a…コンクリート矩形ブロック、
11…基板、12,13…擬石、14,14a…底面
2…合成樹脂繊維マット(ポリプロピレン繊維不織布)、
21…ポリプロピレン(ポリエステル)フィラメントを撚ったロープ
3…型枠、31…外枠、32…擬石型枠、33…外枠の底面部分、34…型枠の上面
4…レジンモルタル、41…亀裂、5…モルタルガン

Claims (5)

  1. コンクリートブロックを製造するために複数のコンクリートブロック用の型枠を用い、該型枠は施工時の配列になるように複数の型枠を集合配列した一体の型枠とし、該型枠にコンクリートを流し込んブロックの底面型枠の上部の表面に露出させ、露出したブロックの底面と型枠の上面とに砂、セメント、酢酸ビニル、及び、水で練ったレジンモルタルを塗布し、その上にポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリスチレン繊維の透水性の不織布マット、或いは、これらを複合した透水性の不織布マットを敷いてブロックをマットに固着させ、固着後に型枠からブロックをマットごと一緒に脱形することを特徴とするコンクリートブロック付きマット。
  2. 脱形した後のマット上において、隣り合うブロック間の前記レジンモルタル層に細かな亀裂を生じさせたことを特徴とする請求項1に記載のコンクリートブロック付きマット。
  3. コンクリートブロックを製造するために複数のコンクリートブロック用の型枠を用い、該型枠は施工時の配列になるように複数の型枠を集合配列した一体の型枠とし、該型枠にコンクリートを流し込んブロックの底面が型枠の上部の表面に露出させ、露出したブロックの底面と型枠の上面とに砂、セメント、酢酸ビニル、及び、水で練ったレジンモルタルを塗布し、その上に透水性の合成樹脂繊維の不織布マットを敷いてブロックをマットに固着させ、固着後に型枠からブロックをマットごと一緒に脱形することを特徴とするコンクリートブロック付きマットの製造方法。
  4. コンクリートブロックを製造するために複数のコンクリートブロック用の型枠を用い、該型枠は施工時の配列になるように複数の型枠を集合配列した一体の型枠とし、該型枠にコンクリートを流し込んブロックの底面が型枠の上部の表面に露出させ、露出したブロックの底面と型枠の上面とに砂、セメント、酢酸ビニル、及び、水で練ったレジンモルタルを塗布し、その上にポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリスチレン繊維の透水性の不織布マット、或いは、これらを複合した透水性の不織布マットを敷いてブロックをマットに固着させ、固着後に型枠からブロックをマットごと一緒に脱形することを特徴とするコンクリートブロック付きマットの製造方法。
  5. 脱形した後のマットに対して湾曲状態と平坦状態とを呈させて、マット上の隣り合うブロック間の前記レジンモルタルの層に細かな亀裂を生じさせたことを特徴とする請求項3又は4に記載のコンクリートブロック付きマットの製造方法。
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