JP4272472B2 - 防水層への設置物固定用部材の定着構造及び定着方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の屋上スラブ等の防水対象部に設けられた防水層の上に、防風ネット等の設置物を定着するための定着構造及び定着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、都市部におけるヒートアイランド現象を抑制するために、建物の屋上部等に芝などの植物を植生する屋上緑化が行われている。この屋上緑化では、建物の屋上スラブ等に防水シートを敷設して防水層を設けて十分な防水対策を施した上で、その防水層上に土壌を盛土してその土壌に植生を施すことが一般に行われている。ここで盛土される土壌は、建物の屋上部に多大な重量負荷を与えず、また屋上部の重量制限をクリアするために、特殊な軽量土壌を使用したり、またその厚さを例えば10cm以下等の薄層にしたりするなどの軽量化が図られている。このため、土壌が強風等による影響を受けやすく、浮き上がる虞があった。特に、建物の屋上部は、地上部に比べて風が強く、風の影響を受け易い。
【0003】
そこで、従来から、土壌の上側を覆うように防風ネットを設置し、この防風ネットにより土壌の飛散を防止することが提案されている(特許文献1を参照)。防風ネットは、屋上スラブ上に定着されたアンカー部材により屋上スラブ等に固定するようになっていた。
【0004】
【特許文献1】
特開2003−33112号公報(第4頁〜第5頁、図3−7)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなアンカー部材により防風ネットを固定した場合には、アンカー部材を屋上スラブに定着させるために、防水シートに貫通穴を形成しなければならなかった。このため、せっかく防水シートを敷設して防水層を設けたにもかかわらず、防水シートに貫通穴が形成されてしまい、建物内部に雨水等が侵入する虞があった。
一方、防水シートに貫通穴を形成しない方法として、防水シート上に一体的に固定用部材を定着する方法を採り得るが、この場合、防水層と当該防水層の設置部、即ち屋上スラブ等との接合強度が問題となり、固定用部材を確実に固定するのは難しかった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、防水層に貫通穴を形成することなく、防風ネット等の設置物を固定する固定用部材を防水層上に良好に定着することが可能な防水層への設置物固定用部材の定着構造及び定着方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明の請求項1に係る防水層への設置物固定用部材の定着構造は、屋上スラブ等の防水対象部にアンカー部材が打設され、前記防水対象部に、前記アンカー部材を覆うように光硬化型樹脂からなる繊維強化樹脂により形成された防水シートが接合され、前記防水シート上の前記アンカー部材に対応する位置に設置物の固定に用いる固定用部材が立設され、該固定用部材が光硬化型樹脂からなる繊維強化樹脂により形成されたシート状部材(22)により前記防水シート上に固定されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の防水層への設置物固定用部材の定着構造によれば、防水対象部に打設されたアンカー部材上に防水シートを介して設置物を固定するための固定用部材を定着したから、防水シートに貫通穴を形成しなくとも、設置物固定用部材を防水シートを介してアンカー部材により防水対象部に定着させることができる。これにより、建物内部に雨水等が侵入してしまうなどの不具合が発生する虞を回避しつつ、土壌の飛散等を防止するためのネット等を屋上スラブ等に良好に設置することができる。
また、防水シートは、光硬化型樹脂からなる繊維強化樹脂により形成されているので、防水シートを防水対象部に敷設した後に紫外線を照射することにより、防水シートを容易に硬化させて短時間で防水対象部に接合することができ、防水シートの施工を短時間で行うことが可能となる。
さらに、固定用部材は、防水シート上に立設し、この状態で光硬化型樹脂からなる繊維強化樹脂により形成されたシート状部材(22)に紫外線を照射して硬化させることにより、シート状部材により防水シート上に固定されることになる。
【0009】
また、本発明の請求項2に係る防水層への設置物固定用部材の定着構造は、請求項1に記載の防水層への設置物固定用部材の定着構造であって、前記アンカー部材と前記防水シートとの間に、光硬化型樹脂からなる繊維強化樹脂により形成されたシート状部材(18)が介設されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の防水層への設置物固定用部材の定着構造によれば、アンカー部材と防水シートとの間に介設されるシート状部材(18)は、光硬化型樹脂からなる繊維強化樹脂により形成されているので、シート状部材(18)に紫外線を照射して硬化させることにより、シート状部材(18)をアンカー部材及び防水シートに接合することができる。
【0011】
さらに、本発明の請求項3に係る防水層への設置物固定用部材の定着構造は、請求項1又は2に記載の防水層への設置物固定用部材の定着構造であって、前記防水シートの上に緑化基盤が設けられており、前記固定用部材は、前記緑化基盤の土壌の飛散を防止する防風ネットを固定するための部材であることを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明の請求項4に係る防水層への設置物固定用部材の定着構造は、請求項に記載の防水層への設置物固定用部材の定着構造であって、前記アンカー部材は、前記防水対象部に埋設される本体部と、該本体部の上端に一体に形成されて前記防水対象部の表面に露出される円板状のフランジ部とからなり、該フランジ部を覆うように前記アンカー部材と前記防水シートとの間に前記シート状部材(18)が介設されていることを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の請求項5に係る防水層への設置物固定用部材の定着方法は、屋上スラブ等の防水対象部にアンカー部材を打設し、前記防水対象部に、前記アンカー部材を覆うように光硬化型樹脂からなる繊維強化樹脂により形成された防水シートを接合し、前記防水シート上の前記アンカー部材に対応する位置に設置物の固定に用いる固定用部材を立設し、該固定用部材を光硬化型樹脂からなる繊維強化樹脂により形成されたシート状部材(22)により前記防水シート上に固定することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について、添付図面を用いて説明する。図1〜図4は、本発明に係る防水層への設置物の定着構造の一実施形態を示したものである。図1は、本実施形態の定着構造の断面図であり、図2は、図1の定着構造で用いられるアンカー部材の一実施形態の斜視図であり、図3及び図4は、図1の定着構造の施工手順の説明図である。なお、ここでは、既設の防水層12上に新たな防水層14を設ける、いわゆる防水層のリニューアル工事を例にして説明する。
【0015】
この定着構造2は、図1に示すように、防水を行うコンクリート10にアンカー部材16を打設し、このアンカー部材16の上方にこれを覆うように新たな防水層14を設け、その新たな防水層14の上に、防風ネット28等を固定するための固定用部材20を設置する構造である。コンクリート10は、屋上スラブをはじめとする建物の躯体コンクリートなどである。既設の防水層12は、建物の竣工時等に設置された古い防水層である。また、本実施形態では、アンカー部材16と新たな防水層14との間に、シート状部材18が介設されている。
【0016】
アンカー部材16は、この既設の防水層12を貫通してコンクリート10に打設されている。アンカー部材16は、図2に詳しく示すように、コンクリート10に埋設された本体部16aと、この本体部16aの上端部に一体的に形成されたフランジ部16cとを有している。フランジ部16cは、図2に示すように円板形に成形され、コンクリート10の表面(ここでは既設の防水層12の表面)に突出して設けられている。このアンカー部材16は、コンクリート上に例えば1000mm等の適宜な間隔をあけて複数設置する。
【0017】
新たな防水層14は、既設の防水層12上に防水シート15を敷設することにより設けたものである。防水シート15は、例えば、厚さ1.2mm〜2.5mm程度の合成樹脂等の防水性を有する素材により形成された薄いシート状の部材である。防水シート15は、既設の防水層12に接合されてコンクリート10上に固定されている。
【0018】
本実施形態では、この防水シート15が、光硬化型樹脂からなる繊維強化樹脂(FRP:Fiber Reinforced Plastics)により形成されている。光硬化型樹脂材について略述すると、光エネルギの作用で液状から固体に変化することを「光硬化」と呼び、光硬化する合成有機材料を光硬化型樹脂と称する。硬化作用を生じさせる光としては、紫外線が一般的に広く用いられている。光硬化型樹脂は、光重合性オリゴマー、光重合性モノマー(反応性希釈剤)、光重合開始剤、光開始助剤、その他の添加剤、また必要に応じて顔料や染料などの着色剤などから構成される。光重合性オリゴマーとしては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレートおよびポリエステルアクリレートなどのアクリレート、不飽和ポリエステル、エポキシ等がある。光重合性モノマーとしては、単官脂アクリレートまたは多官脂アクリレートのアクリレート、エポキシ等がある。光重合開始剤としては、ベンゾイン系、アセトファセトフェノン系、パーオキシド系、並びにオニウム塩などがある。
【0019】
このような光硬化型樹脂で構成された防水シート15は、既設の防水層12上に敷設された後、紫外線が照射されることにより簡単に硬化して、非常に短時間で既設の防水層12に接着される。
【0020】
アンカー部材16と新たな防水層14との間のシート状部材18は、アンカー部材16のフランジ16cを覆うほどの大きさを有し、例えば縦約100mm×横約100mmほどの大きさを有する正方形状に成形される。このシート状部材18は、防水シート15を補強すべく介設されたものであり、アンカー部材16のフランジ部16cと、防水シート15とにそれぞれ接合されている。シート状部材18は、各アンカー部材16に各々対応して配設されている。
【0021】
さらに、本実施形態では、このシート状部材18も防水シート15と同様に、光硬化型樹脂からなる繊維強化樹脂(FRP:Fiber Reinforced Plastics)により形成されている。このため、本実施形態では、紫外線を照射することにより、このシート状部材18を簡単に硬化させて短時間に施工作業を完了させることができる。また、このシート状部材18は、アンカー部材16や防水シート15とも良好に接合することができ、十分な接合強度を確保することができる。
【0022】
一方、固定用部材20は、図1に示すように、アンカー部材16の上方に設置されて防水シート15上に立設されている。この固定用部材20は、防水シート15に密着したフランジ部20bと、このフランジ部20bの上面中央部から上方へと突き出たロッド部20aとを有している。フランジ部20bは、アンカー部材16のフランジ部16cとほぼ同じ大きさに成形されている。フランジ部20bの上面部には、シート状部材22が配設され、このシート状部材22によりフランジ部22bが防水シート15上に押さえつけられている。これにより、固定用部材20は、防水シート15上に固定されている。
【0023】
本実施形態では、このシート状部材22も、シート状部材18や防水シート15と同様に、光硬化型樹脂からなる繊維強化樹脂(FRP:Fiber Reinforced Plastics)により形成されている。このため、このシート状部材22を固定用部材20のフランジ部20bの上側に配置して、紫外線を当てるだけで、シート状部材22を防水シート15に接合することができ、施工作業をきわめて短時間で終了させることができる。
【0024】
防水シート15上には、土壌24が盛土され、さらにこの土壌24の上には芝等の植物26が植生されて緑化基盤30が形成される。そして、土壌24の表面には、同図に示すように、固定用部材20の上端部20cが突出されて、その上端部20cには、土壌24の上側を覆うように設置された土壌24の飛散等を防止するための防風ネット28等が接続される。
【0025】
固定用部材20の下方には、防水シート15を隔ててアンカー部材16が設置されているから、防風ネット28等から固定用部材20に図中矢印Aで示すような大きな引張力が働いても、この力は、防水シート15を介してアンカー部材16からコンクリート10へ伝達される。このため、コンクリート10から十分な反力が得られ、防水シート15から剥離することなく、その引張力に抵抗することができる。
【0026】
なお、ここでは、図示していないが、土壌24と防水シート15との間には、遮水シートや防根シートなどが、また、土壌24の内部には、土壌24全体に給排水を行うための導水シートや排水シート、それに給水管や排水管など、その他、緑化基盤の形成に必要な各種構成要素が設けられても良い。
【0027】
ただし、本実施形態では、防水シート15が繊維強化樹脂により形成されているから、防根シートは省いても構わない。これは、繊維強化樹脂により形成された防水シート15は、相当な強度を有し、耐摩耗性にも優れているため、植物の根により傷つき難く、防根シートとして十分に機能するからである。これにより、施工の手間を軽減して施工コストを削減することができる。また、土壌24の厚みを薄くすることができ、軽量な緑化基盤を形成して、建物等の構造物への負担を軽減することができる。
【0028】
次に、この定着構造の施工手順について説明する。この定着構造を施工する場合には、まず、図3(a)に示すように、コンクリート10にアンカー部材16を打ち込んで設置する。なお、ここでは、コンクリート10上に設置された既設の防水層12の上からアンカー部材16を打ち込む。そして、アンカー部材16のフランジ部16cは、既設の防水層12の表面に露出させる。
【0029】
次に、図3(b)に示すように、アンカー部材16のフランジ部16cの上側を覆うように既設の防水層12上にシート状部材18を設置する。本実施形態では、シート状部材18が光硬化型樹脂により形成されているから、設置したシート状部材18に紫外線を照射してシート状部材18を硬化させて、アンカー部材16のフランジ部16c及び既設の防水層12に接合する。
【0030】
次に、図3(c)に示すように、既設の防水層12上にアンカー部材16及びシート状部材18を覆うように防水シート15を敷設して新たな防水層14を設ける。この防水シート15についても、本実施形態では、光硬化型樹脂により形成されているから、設置後、防水シート15に紫外線を照射して、防水シート15を硬化させて既設の防水層12及びシート状部材18に接合する。
【0031】
このようにしてコンクリート10上の既設の防水層12上に新たな防水層14を設けた後、図4(d)に示すように、防水シート15上に、固定用部材20を設置して、そのフランジ部20bを覆うようにシート状部材22を敷設することにより固定用部材20を定着する。ここでも、本実施形態では、シート状部材22が光硬化型樹脂により形成されているから、設置したシート状部材18に紫外線を照射するだけで、シート状部材18を防水シート15に接合することができ、固定用部材20を簡単に設置することができる。
【0032】
固定用部材20の設置終了後、防水シート15の上方に、図1に示すように土壌24を盛土して植物26を植生して緑化基盤を形成し、緑化工事が完了する。
【0033】
以上本実施形態によれば、コンクリート10にアンカー部材16を定着し、このアンカー部材16の上方にこれを覆うように防水シート15を設置して、当該防水シート15上に、アンカー部材16の設置位置に対応してその上方に固定用部材を設置したから、固定用部材20にこれに接続された防風ネット28等から大きな引張力が作用しても、固定用部材が防水シート15を介してアンカー部材16によりコンクリート10に固定されているため、コンクリート10から十分な反力が得られ、防水シート15からの剥離を防止することができる。
【0034】
また、本実施形態では、防水シート15やシート状部材18、22が光硬化型樹脂により形成されているから、紫外線を照射することによりこれらを簡単に硬化させることができ、これにより設置作業を非常に短時間でかつ簡単に済ませることができる。特に固定用部材20をシート状部材22により固定することで、簡単に固定用部材20を設置することができる。
【0035】
また、本実施形態では、アンカー部材16と防水シート15との間に、パッチ状のシート状部材18を介設しているから、アンカー部材16と防水シート15との接合強度を向上させることができ、固定用部材20をより確実に固定することができる。
【0036】
なお、本実施形態では、防水シート15やシート状部材18、22が光硬化型樹脂により形成されていたが、本発明にあってはこれに限らず、公知の各種樹脂材料により形成されたり、また樹脂以外に他の素材により形成されても良い。特に、シート状部材18、22については、特に防水機能は求められていないから、必ずしも防水性を有する素材により形成される必要はない。なお、防水シート15やシート状部材18、22が光硬化型樹脂により形成されない場合には、接着剤等の公知の接合材により接合すると良い。
【0037】
また、本実施形態では、アンカー部材16をコンクリート10に定着させた後、このアンカー部材16の上方にこれを覆うようにシート状部材18を配設していたが、本発明にあってはこれに限らず、アンカー部材16の設置位置にあらかじめシート状部材18を配置し、その配置されたシート状部材18を貫通するようにアンカー部材16をコンクリート10に打ち込んで配置しても良い。
【0038】
また、本実施形態では、アンカー部材16として、図2に示すような円板形のフランジ部16cを有するアンカー部材を用いたが、本発明にあってはこれに限らず、フランジ部16cが円板形以外に他の形状に成形されていても良い。例えば、アンカー部材16がL字形やT字形等に成形されていても良く、さらにはフランジ部16cを有さず、単なる棒状に成形されていても構わない。
【0039】
次に本発明に係る定着構造の他の実施の形態について説明する。図5は、本発明に係る定着構造の他の実施の形態を示したものである。この実施の形態では、同図に示すように、コンクリート10上に保護コンクリート40が設置されている場合を示したものである。既設の防水層12は、コンクリート10と保護コンクリート40との間に介設されている。このような場合、アンカー部材16は、保護コンクリート40を貫通してコンクリート10に到達するように打ち込む。新たな防水層14は、保護コンクリート40の上に、アンカー部材16を覆うように防水シート15を敷設して設置する。この防水シート15よりも上方の構成は、図1に示した構成と同じである。
【0040】
このようにコンクリート10上に保護コンクリート40が設置されている場合においても、本発明に係る定着構造を適用することができる。
【0041】
なお、前述した2つの実施形態では、既設の防水層12上に新たな防水層14を設ける防水層のリニューアル工事を例にして説明したが、本発明にあってはこのようなリニューアル工事に限らず、防水層が全く一切設けられておらず、新規に設けるような場合、例えば建物の新築工事等においても適用しても構わない。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、防水対象部に打設されたアンカー部材上に防水シートを介して設置物を固定するための固定用部材を定着したので、防水シートに貫通穴を形成しなくても設固定用部材を防水シートを介してアンカー部材により防水対象部に定着させることができる。従って、建物内部に雨水等が侵入してしまうなどの不具合が発生することなく、土壌の飛散等を防止するためのネット等を屋上スラブ等に良好に設置することができる。
また、防水シートは、光硬化型樹脂からなる繊維強化樹脂により形成されているので、防水シートを防水対象部に敷設した後に紫外線を照射することにより、防水シートを容易に硬化させて短時間で防水対象部に接合することができることになる。従って、防水シートの施工を短時間で行うことができる。
さらに、固定用部材は、防水シート上に立設し、光硬化型樹脂からなる繊維強化樹脂により形成されたシート状部材(22)に紫外線を照射して硬化させることにより、シート状部材により防水シート上に固定されることになり、固定用部材の防水シート上への固定作業を短時間で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防水層への設置物固定用部材の定着構造の一実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明に係る防水層への設置物固定用部材の定着構造で用いられるアンカー部材の一実施形態を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る防水層への設置物固定用部材の定着構造の施工手順の一例を説明する図である。
【図4】本発明に係る防水層への設置物固定用部材の定着構造の施工手順の一例を説明する図である。
【図5】本発明に係る防水層への設置物固定用部材の定着構造の他の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
2 定着構造
10 コンクリート
12 防水層(既設)
14 防水層(新規)
16 アンカー部材
18 シート状部材
20 固定用部材
22 シート状部材
24 土壌
26 植物
28 防風ネット
30 緑化基盤
40 保護コンクリート

Claims (5)

  1. 屋上スラブ等の防水対象部にアンカー部材が打設され、前記防水対象部に、前記アンカー部材を覆うように光硬化型樹脂からなる繊維強化樹脂により形成された防水シートが接合され、前記防水シート上の前記アンカー部材に対応する位置に設置物の固定に用いる固定用部材が立設され、該固定用部材が光硬化型樹脂からなる繊維強化樹脂により形成されたシート状部材(22)により前記防水シート上に固定されていることを特徴とする防水層への設置物固定用部材の定着構造。
  2. 前記アンカー部材と前記防水シートとの間に、光硬化型樹脂からなる繊維強化樹脂により形成されたシート状部材(18)が介設されていることを特徴とする請求項1に記載の防水層への設置物固定用部材の定着構造。
  3. 前記防水シートの上に緑化基盤が設けられており、前記固定用部材は、前記緑化基盤の土壌の飛散を防止する防風ネットを固定するための部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の防水層への設置物固定用部材の定着構造。
  4. 前記アンカー部材は、前記防水対象部に埋設される本体部と、該本体部の上端に一体に形成されて前記防水対象部の表面に露出される円板状のフランジ部とからなり、
    該フランジ部を覆うように前記アンカー部材と前記防水シートとの間に前記シート状部材(18)が介設されていることを特徴とする請求項に記載の防水層への設置物固定用部材の定着構造。
  5. 屋上スラブ等の防水対象部にアンカー部材を打設し、前記防水対象部に、前記アンカー部材を覆うように光硬化型樹脂からなる繊維強化樹脂により形成された防水シートを接合し、前記防水シート上の前記アンカー部材に対応する位置に設置物の固定に用いる固定用部材を立設し、該固定用部材を光硬化型樹脂からなる繊維強化樹脂により形成されたシート状部材(22)により前記防水シート上に固定することを特徴とする防水層への設置物固定用部材の定着方法。
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