JP4583955B2 - レーザ加工装置 - Google Patents

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Description

レーザ光を用いて微細加工を行う加工装置におけるレーザ光の調整方法に関する。
YAGレーザなどのレーザ光を利用した溶接や切断、穴あけなどの加工は、従来より広く用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に開示された加工装置は、波長域が紫外から可視域で、出力が数百mW〜数十W、ハルス幅が数ns〜数百ns、発振周波数が数kHz〜数百kHzのパルスレーザを用い、レーザ光を集光光学系で基板表面付近に集光し、これを基板表面で(相対的に)走査させることで、サファイアなどの硬脆な材質よりなる基板や該基板を用いて作製されたデバイスに対するスクライブラインの形成や切断、貫通穴形成などに好適に用いられる。例えば、サファイアなど硬度が高く、かつ脆性を有する基板材料や、該基板材料上にGaNなどのワイドバンドギャップ化合物半導体薄膜により短波長LD(レーザダイオード)、LED(発光ダイオード)をなどのデバイスを形成したものの切削・加工に好適に利用される。
特開2004−114075号公報
特許文献1に開示されているようなレーザ加工装置を用いる場合をはじめ、被加工部位上に焦点が形成されるように対物レンズにてレーザ光を集光することによって加工を行う場合、一般に、対物レンズの開口数NAが大きいほど、光学系の調整に対して高い精度が要求される。例えば、レーザ光の焦点位置と被加工部位とを一致させるための調整や、あるいは被加工部位と照射されるレーザ光との直交性を確保するための調整、さらには加工位置精度を得るための調整などにおいて、その必要がある。その一方で、調整が厳密であればあるほど、その良否を判断することの困難さは増すことになる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、レーザ加工装置において簡易かつ確実に行えるレーザ光の調整方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、被加工物の被照射部位にレーザ光を集光して照射することによって被加工物の加工を行うレーザ加工装置であって、レーザ光の照射手段と、前記照射手段に対して照射対象物を相対的に走査させる走査手段と、前記照射手段と前記走査手段とを制御して、前記レーザ光で前記照射対象物を相対的に走査しつつ、前記レーザ光を前記照射対象物に照射することによって、前記照射対象物にライン状の調整用加工痕を形成させる調整用加工痕作成制御手段と、前記調整用加工痕を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により得られた撮像結果を用いて、前記レーザ光の光軸の傾き度合を特定する光軸傾き特定手段と、を備え、前記調整用加工痕作成制御手段が、前記照射手段と前記走査手段とを制御して、前記レーザ光で前記照射対象物を相対的に走査しつつ、前記レーザ光を前記照射対象物に照射することを、前記照射手段と前記照射対象物との離間距離を変化させつつ実行させることにより、前記照射対象物に前記レーザー光の合焦状態が相異なるライン状の複数の調整用加工痕を形成させ、前記光軸傾き特定手段が、前記複数の調整用加工痕のそれぞれについて前記走査方向に直角な方向における幅から特定される、前記複数の調整用加工痕のそれぞれの当該方向における中心位置についての比較を行い、当該比較結果に基づいて前記レーザ光の光軸の傾き度合を特定する、ことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のレーザ加工装置であって、前記複数の調整用加工痕を形成するための前記離間距離が異なる状態での複数回の前記レーザ光の照射を、前記走査手段による前記レーザ光の走査位置を一直線上に保ちつつ行う、ことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のレーザ加工装置であって、前記撮像手段により得られた撮像結果を用いて、前記複数の調整用加工痕の鮮鋭度比較を行い、当該比較結果に基づいて前記レーザ光の合焦状態が実現される前記照射手段の配置位置を特定する配置位置特定手段、をさらに備えることを特徴とする
求項の発明は、請求項1ないし請求項のいずれかに記載のレーザ加工装置であって、前記撮像手段により得られた撮像結果を用いて、前記レーザ光の光軸のずれ度合を特定する光軸ずれ特定手段、をさらに備え、前記光軸ずれ特定手段が、前記照射対象物の前記撮像手段の視野中に前記レーザ光の走査方向に沿って設定された所定の基準線分と前記調整用加工痕との間で前記レーザ光の走査方向に直角な方向についての位置比較を行い、当該比較結果に基づいて当該方向についての前記レーザ光の光軸のずれ度合を特定することを特徴とする
請求項1ないし請求項の発明によれば、対物レンズの開口数NAが大きい場合であっても、撮像手段によって得られた調整用加工痕の撮像結果に基づいて、レーザ光の光軸傾きの調整を簡易かつ確実に行うことができる。
特に、請求項3および請求項8の発明によれば、レーザ光の合焦を簡易かつ確実に行うことができる。
特に、請求項4および請求項9の発明によれば、被加工部位と照射されるレーザ光との直交性を、簡易かつ確実に確保することができる。
特に、請求項の発明によれば、レーザ光の照射位置観察視野中心とのズレが解消されるので、高い加工精度で加工をすることができる。

<レーザ加工装置の概要>
図1は本発明の実施の形態に係るレーザ加工装置100の構成を示す図である。レーザ加工装置100は、レーザ光源1からレーザ光LBを発し、鏡筒2内に備わるハーフミラー3にて反射させた後、該レーザ光をステージ5に載置された被加工物Sの被加工部位にて合焦するよう集光レンズ4にて集光し、被加工部位に照射することによって、該被加工部位のアブレーション加工を行う装置である。レーザ加工装置100の動作は、コンピュータ6の記憶手段6mに記憶されているプログラム10が当該コンピュータによって実行されることにより、プログラム10に従って後述する各部の動作が制御されることで実現される。コンピュータ6には、汎用のパーソナルコンピュータ(PC)を用いることができる。なお、記憶手段6mは、例えばメモリや所定のストレージデバイスなどで構成され、レーザ加工装置を動作させるために必要な種々のデータを、記憶する役割を担うものである。
レーザ光源1としては、Nd:YAGレーザを用いるのが好適な態様である。また、レーザ光源1から発せられるレーザ光LBの波長や出力、パルス幅の調整は、コンピュータ6に接続されたコントローラ7により実現される。コンピュータ6から所定の設定信号がコントローラ7に対し発せられると、コントローラ7は、該設定信号に従って、レーザ光LBの照射条件を設定する。本実施の形態においては、レーザ光LBは210nm〜533nmの波長範囲に属する波長を有するが、なかでもNd:YAGレーザの3倍高調波(波長約355nm)を用いるのが好適な態様である。また、パルス幅は、5nsec〜50nsecの中から選択することができる。すなわち、本実施の形態に係るレーザ加工装置100は、紫外線繰り返しパルスレーザを用いて加工を行うものである。レーザ光LBは、集光レンズ4によって数μm程度のビーム径に絞られて照射される。これにより、レーザ光LBの照射におけるエネルギー密度はおおよそ100J/cm2〜100kJ/cm2、ピークパワー密度はおおよそ1GW/cm2〜500GW/cm2となる。
レーザ加工装置100におけるレーザの合焦は、被加工物Sはステージ5に固定し、鏡筒2を高さ方向(z軸方向)に移動させることにより実現される。鏡筒2の移動(高さ調整)は、垂直移動機構Mvと、該垂直移動機構Mvに昇降可能に設けられた鏡筒2とをコンピュータ6に接続された駆動手段8によって駆動することにより実現されている。これにより、垂直移動機構Mvを駆動することによる粗動動作と、垂直移動機構Mvに対し鏡筒2を昇降させることによる微動動作との2段階動作が可能であり、駆動手段8がコンピュータ6からの駆動信号に応答することにより、スピーディかつ高精度の合焦動作が実現される。
図2は、ステージ5の上面側の構造を例示的に示す図である。図2には、粘着テープ51(後述)が貼付された被加工物Sがステージ5に固定された場合に被加工物Sおよび粘着テープ51がステージ上を占める状態を併せて示している。
図2に示すステージ5の上面には、ステージ5の中心から外周に向けて、複数の吸引孔52が同心円状に設けられている。被加工物Sをステージ5の上面に載置した状態で、吸引孔52と配管PL1およびPL2にて接続された例えば吸引ポンプなどの吸引手段9を動作させることにより、被加工物Sに対して吸引力が作用し、被加工物Sがステージ5に固定される。なお、図2においては、最内周の半径をaとするとき、a、2a、4a、6a、7aおよび10aの位置に吸引孔52が設けられているが、吸引孔52の配置は係る態様に限定されるものではない。また、各同心円上の吸引孔52が、その前後の円上の吸引孔と52と位相をずらした位置に設けられてなるのが、効果的な吸引固定を実現する上では好ましい。また、吸着による被加工物Sの変形を防止するという観点からは、それぞれの吸引孔52の孔径を1mm以下にすることが好ましい。
被加工物Sが半導体基板等のように加工後に分割されるようなものの場合や、100μm程度と薄い場合などにおいては、所定の粘着テープ51を被加工物Sの底面に貼付したうえで、図2に示すように粘着テープ51ごと吸引固定がなされる。あるいは化合物半導体をサファイア基板にエピタキシャル成長させたもののように反りがある場合も、同様に取り扱われる。後者の場合、反りによる凹凸差がレーザ光LBの焦点位置許容範囲内である数μmから数十μm程度であれば、加工が可能である。なお、反りのある被加工物Sの加工に際しては、加工の確実性の点から、図2に示すように、被加工物Sに対し貼付面からはみ出るように粘着テープ51を貼付したうえで、吸着固定に供する態様をとるのが好ましい。
ステージ5は、例えば石英、サファイア、窒化ガリウム、水晶など、レーザ光LBの波長に対して実質的に透明な材料で形成される。これにより、被加工物を透過したレーザ光LBや被加工物をはずれて照射されたレーザ光がステージ5の表面で吸収されないので、該余剰レーザ光によってステージ5がダメージを受けることがない。
さらに、ステージ5は、水平移動機構Mhの上に設けられている。水平移動機構Mhは、駆動手段8の作用によりXY2軸方向に水平に駆動される。
コンピュータ6からの駆動信号に応答して駆動手段8が水平移動機構Mhを駆動することにより、所定の被加工部位をレーザ光LBの照射位置まで移動させることができる。加工時には、レーザ光LBを被加工物Sに対し相対的に走査することができる。
一方、加工を行う際、被加工部位の物質が融解あるいは蒸発した後に再固化ししたり、あるいは固体のまま飛散したりすることで生じる、パーティクル等の加工副産物は、被加工物Sの表面や集光レンズ等を汚染する要因となる。そこで、本実施形態に係るレーザ加工装置100には、こうした加工副産物を除去することを目的とする集塵ヘッド11が、支持体111により支持されて垂直移動機構Mvの最下部に付設されている。
図3は、集塵ヘッド11を示す図である。図3(a)は集塵ヘッド11および支持体111の上面図、図3(b)および(c)は、集塵ヘッド11の側面図である。集塵ヘッド11は、平板状かつ中空の構造を有する集塵部112と、それぞれが該集塵部112の端部かつ上部に設けられ、集塵部112の内部と通じた吸気口113と排気口114とからなる。
集塵部112は、被加工物Sと鏡筒2の最下部に備わる集光レンズ4との間に位置するように設けられる。そして集塵部112には、上面からみた場合に中央部となる位置の上下にそれぞれ、上部開口115および下部開口116が設けられている(図3(b))。これらの上部開口115および下部開口116は、その中心がちょうどレーザ光LBの光軸と一致するように設けられているので、集塵ヘッド11によってレーザ光LBの進路が遮られることはない。また、集塵ヘッド11は、垂直移動機構Mvに付設されているので、垂直移動機構Mvが上下すると共に、集塵ヘッド11、つまりは集塵部112も上下するが、前述したように鏡筒2は単独で上下動することも可能であるので、集塵部112の配置により、レーザ光LBの合焦位置が制限されることもない。
吸気口113は、例えばレーザ加工装置100が設置される工場等のユーティリティとして備わる不活性ガス供給手段12と、配管PL3により接続されている。排気口114は、例えば排気ポンプ等により実現される排気手段13と、配管PL4により接続されている。配管PL3およびPL4の途中にはそれぞれ、フィルタ121および131が設けられている。
不活性ガス供給手段12は、不活性ガス(例えば窒素ガス)を連続的に供給することができるものである。矢印AR1(図1)のように、不活性ガス供給手段12から供給される不活性ガスは、集塵ヘッド11において吸気口113から矢印AR3のように集塵部112へ供給され、排気手段13の排気動作によって、矢印AR2(図1)およびAR4に示すように、排気口114を経て排気される。よって集塵部112の内部には、矢印AR5のように吸気口113から排気口114へ向けた不活性ガスの流れが生じることになるが、これに伴って、例えば上部開口115や下部開口116の近傍に引圧が発生するので、付近に存在するパーティクル117が、集塵部112へと引き込まれて、矢印AR6のように不活性ガスともども排気口114から排出されることになる。このような態様によって、レーザ加工により発生したパーティクル等の加工副産物が、被加工物Sの表面や、あるいは集光レンズ4に付着することが防止され、加工効率の低下が防止される。いわば、不活性ガスは、加工の際のアシストガスとして作用することになる。
あるいは、図3(c)に示すように、例えば石英など、レーザ光LBに対し透明な物質を材質とする蓋体板材118によって、上部開口115を着脱可能に覆う態様をとることにより、集光レンズ4に対するパーティクルの付着を防止する態様をとってもよい。
図1に戻り、レーザ加工装置100に備わる、レーザ光の調整や被加工部位の位置決めを行ったり、加工中の状況を知るための構成要素について説明する。レーザ加工装置100には、これらの目的のために、照明光源14と、該照明光源14から発せられた照明光ILを反射して被加工物Sに照射するために鏡筒2内に設けられたハーフミラー15と、鏡筒2の上方に設けられ被加工物Sの表面を撮像するCCDカメラ16と、CCDカメラ16にて得られるリアルタイムの観察画像(モニタ画像)や記憶手段6mに画像データとして記録された画像(記録画像)、さらには種々の処理メニュー等を表示するためのモニタ17とが備わっている。CCDカメラ16とモニタ17とは、コンピュータ6に接続され、該コンピュータ6によって制御される。これらを備えることにより、被加工物Sの表面の状態をモニタ17にて確認しつつ、レーザ光の調整や被加工部位の位置決めを行ったり、あるいは加工中の被加工物表面の状況を知ることが可能となっている。
<レーザ光の焦点位置調整>
図4および図5は、レーザ加工装置100におけるレーザ光の焦点位置の調整方法について説明する図である。本実施の形態においては、レーザ光によって照射対象物を相対的に走査するプロセスを、照射手段と照射対象物との幾何学的関係を変化させつつ実行することにより、照射対象物にライン状の複数の調整用加工痕を形成し、その複数の調整用加工痕の幾何学的状態について相対的な比較を行い、当該比較結果に基づいて照射手段の光学的状況を判断することによって、焦点位置の調整を行う。より具体的には、集光レンズ4をピント位置に配置した場合にレーザ光が最も十分に集光され、レーザ光がデフォーカスされるに従って、加工ラインが太くなっていくことを利用して、焦点位置の調整を行う。
本実施の形態に係るレーザ光の焦点位置の調整は、調整用治具S1をステージ5に吸引固定し、調整用治具S1に対してレーザ光を照射することによって行う。調整用治具S1は、使用するレーザのパワーやフォーカス状態に応じて、調整に適した加工痕が得られる材質を有する材料にてなるのが好ましい。なお、調整用治具S1の代わりに被加工物Sのサンプルや、製品用の被加工物Sの表面のうちのマージン部分などを用いてもよい。
まず、所定の方法によって集光レンズ4の高さ位置(z方向における位置)を調整することにより、レーザ光の焦点Fを調整用治具S1の表面に概ね合致させる。このときのレーザ光の照射状態を仮合焦状態と称する。図4においては、(B)の状態がこれに相当する。集光レンズ4の開口数NAが大きいほど、係る調整によって焦点Fが調整用治具S1の表面に合致する状態、すなわち真の合焦状態を実現することは困難であり、通常の場合、係る仮合焦状態は真の合焦状態とは一致しない。
次に、集光レンズ4をその位置から任意の距離だけ(ただし、調整用治具S1と接触しない範囲で)下方に移動させ、レーザ光を仮合焦状態よりもマイナスデフォーカスの状態とする。図4においては、(A)の状態がこれに相当する。そして、このマイナスデフォーカスの状態で、所定の方向(図4の場合はx軸方向)に所定の距離だけレーザ光を(相対的に)走査させつつ調整用治具S1に照射することによって、調整用治具S1上にライン状の加工痕を形成する。
その後、集光レンズ4を所定距離だけ上方に移動させるとともに、調整用治具S1を平行移動(図4であればy軸方向に平行移動)させ、その位置で同様にレーザ光を照射して、再び加工痕を形成する。
以後、このような集光レンズ4の上方への移動と加工痕の形成とを、レーザ光が仮合焦状態よりも十分にプラスデフォーカスの状態となるまで繰り返す。図4においては、(C)の状態がプラスデフォーカスの状態に相当する。換言すれば、係る繰り返しは、出射位置を段階的に変えつつレーザ光を出射し、調整用治具S1に複数の加工痕を形成するものといえる。
このような加工痕の形成を段階的に繰り返すと、調整用治具S1には複数の加工痕が形成される。図5は、レーザ光の合焦状態を5段階に変えて加工痕を形成した場合を模式的に示している。(a)が最もマイナスデフォーカスな状態であり、以降、(a)→(b)→(c)→(d)→(e)と進むにつれてプラスデフォーカスな状態を示している。なお、図5においては、5段階に加工痕を形成した場合を例示しているが、より多くの異なるステップ数で加工痕を形成する態様であってもよい。また、図5においては、各段階の加工痕を平行に示しているが、実際の処理においては、このように加工痕を平行に形成する必要はなく、例えば、一直線上に形成する態様であってもよい。
本実施の形態においては、これらの加工痕の中から、最も線幅が細くシャープな一の加工痕を特定し、該特定された加工痕を形成した際の対物レンズの配置位置が、レーザ光の真の合焦状態を実現するものと判断して、該配置位置を加工の際の集光レンズ4の配置位置、すなわちピント位置であると定める。図5の場合であれば、(c)が最もシャープな状態であると判断されることになる。あるいは、同程度にシャープな加工痕が2つ形成されている場合は、それらの加工痕を形成した際の集光レンズ4の配置位置の中間位置を、真の合焦状態を実現する位置であると判断して、当該中間位置をピント位置と定める。これらの場合に、レーザ光の焦点位置が、ちょうど調整用治具S1の被加工面に一致することになり、焦点位置が適切に調整されたことになる。ただし、デフォーカスな状態ではレーザ光のパワー密度が低下することから、調整用治具S1その他の加工対象物の材質によっては、加工痕が形成されない場合もある。このような場合は、パワー密度が高いと判断できるフォーカス状態が実現される高さ位置の範囲の中点を、焦点位置と判断すればよい。この場合の処理も、加工痕が形成される場合には有限の幅が存在し、形成されない場合にはこれが存在しない、という意味においては、加工痕の幅の比較を行っているものともいえる。
オペレータは、CCDカメラ16にてこれら複数の加工痕を撮像し、モニタ17にてこれらを視認することにより、上述の条件に該当する加工痕を特定して、その特定結果に基づいて、焦点位置を調整する。
すなわち、調整用治具S1に対して実際に加工を行うことで、他の測定器などを使用せず目視確認によって、集光レンズ4の開口数NAが大きい場合であっても、簡易かつ確実に焦点位置を調整することができる。
<焦点位置調整の自動処理>
上述した焦点位置の調整は、コンピュータ6において実行される所定の処理プログラムによる制御に従って、加工痕の画像データを取り込み、所定のしきい値条件に従って該画像データを処理することにより、自動的に行うことも可能である。図10および図11は、こうした焦点位置調整の自動処理のフローを例示する図である。ここでは、図10に示す準備処理と、図11に示す本処理とを行うことで、焦点位置調整の自動処理が実現される。
図10に示す準備処理においては、まず、調整用治具S1の表面の所定の対象領域について仮合焦状態を実現したうえで、該対象領域を撮像し、画像データを得る。このとき得られる画像を画像Aと称することとする(ステップS101)。ここで、対象領域とは、以下の工程において図5のように焦点位置調整用の複数の加工痕を形成しようとする領域をいう。次に、1つ目の加工痕の形成の開始位置において集光レンズ4のz軸方向の調整を行うことで、レーザ光をマイナスデフォーカスの状態にし(ステップS102)、レーザ光をx軸方向に走査させつつ照射して加工痕を形成する(ステップS103)。加工痕の形成が終わると、次の加工位置に移動すると共に、デフォーカス値を替えるべく集光レンズ4をz軸方向に所定距離だけ移動させ(ステップS104)、引き続き次の加工痕の形成を行う(ステップS105でNO、ステップS104)。ステップS103およびステップS104を所定の回数だけ繰り返して、図5と同様に複数の加工痕の形成を行った後(ステップS105でYES)、画像Aを得たのと同じ対象領域(加工済領域)を撮像し、画像データを得る。このとき得られる画像を画像Bと称することとする(ステップS106)。画像Bが得られると、画像Aに対する画像Bの差分を得る差分処理を実行し、差分画像のデータを得る(ステップS107)。これで準備処理は終了する。
次に、図11に示す本処理においては、まず、レーザを照射した際の照射位置を示す位置データ(照射位置データ)により、加工痕が形成された場所(加工領域)に相当する差分画像上の位置を特定する(ステップS201)。そして、その加工領域に形成されてなる加工痕の鮮鋭度を算出する(ステップS201)。鮮鋭度とは形成された加工痕の形状の鮮鋭さ(明瞭さ)を示す評価値である。例えば、x軸方向、y軸方向のエッジ勾配(着目画素と隣接8画素にSobelオペレータを作用させることで得られる)を画素単位で算出した後に、画像全体でこれを平均することにより得られる平均エッジ勾配の値を、鮮鋭度として用いることが出来る。あるいは、着目画素と隣接する2画素の差分の絶対値を全ての画素について求めこれを加算することにより得られる値を、鮮鋭度としてもよい。
ある加工領域について加工痕の鮮鋭度の算出が終了すると、次の加工領域へと移動して(ステップS203)、引き続きステップS201およびステップS202を繰り返す(ステップS204でNO)。全ての加工領域についての鮮鋭度の算出が完了すると(ステップS204でYES)、集光レンズ4の高さ位置zと鮮鋭度qとの関係を補間する2次の近似関数(補間式)を演算する(ステップS205)。近似関数が得られると、その頂点と頂点を与えるzの値とを算出する(ステップS206)。そして、この頂点に対応するzの値を加工焦点位置として登録する(ステップS207)。登録されたzの値にあたる位置をレーザ光の真の合焦状態が実現される位置(フォーカス状態が実現される位置)として、種々の加工処理が実行されることになる。
<レーザ光の光軸傾き検出>
図6および図7は、レーザ加工装置100におけるレーザ光の光軸の傾き検出の方法について説明する図である。本実施の形態においては、レーザ光によって照射対象物を相対的に走査するプロセスを、照射手段と照射対象物との幾何学的関係を変化させつつ実行することにより、照射対象物にライン状の複数の調整用加工痕を形成し、その複数の調整用加工痕の幾何学的状態について相対的な比較を行い、当該比較結果に基づいて照射手段の光学的状況を判断することによって、光軸の傾き(光軸倒れ)の検出を行う。より具体的には、光軸が被加工物Sに対し直交していない状態でレーザ光をデフォーカスしてライン加工した場合の加工ラインの中心位置が、同じ状態でレーザ光がピント位置にある場合の加工ラインの中心位置からずれることを利用して、光軸の傾きの検出を行う。
なお、本実施の形態においては、レーザ光の光軸傾きの検出も、調整用治具S1をステージ5に吸引固定し、調整用治具S1に対してレーザ光を照射することによって行う。なお、調整用治具S1の代わりに被加工物Sのサンプルや、製品用の被加工物Sの表面のうちのマージン部分などを用いてもよい。
まず、例えば上述の方法などによって、レーザ光の焦点Fを調整用治具S1の表面に合致させる。すなわち、合焦状態を実現する。このとき、レーザ光の光軸がz方向と平行であれば、図6(a)に示すように、その焦点F1は調整用治具S1の表面において対物レンズの対称軸AXの延長線上に形成される。一方、レーザ光の光軸がz方向と平行でない場合、図6(c)に示すように、その焦点F2は調整用治具S1の表面において対物レンズの対称軸AXの延長線とは異なる位置に形成される。
そして、この状態で、所定の方向に所定の距離だけ、レーザ光を(相対的に)走査させつつ調整用治具S1に照射することによって、調整用治具S1上にライン状の加工痕を形成する。図7は、x軸の正方向に加工痕を形成する場合を示している。図7(a)にレーザ光の光軸がz方向と平行な状態(図6(a)の状態)における加工痕を、図7(c)にレーザ光の光軸がz方向と平行でない状態(図6(c)の状態)における加工痕を示している。
続いて、集光レンズ4をプラスデフォーカスの位置に移動させる。このとき、レーザ光の光軸がz方向と平行であれば、図6(b)に示すように、そのレーザ光が調整用治具S1の表面において形成する像の中心位置C1は、対物レンズの対称軸AXの延長線上に形成される。すなわち、焦点F1の形成位置と中心位置C1の位置とは一致する。一方、レーザ光の光軸がz方向と平行でない場合、図6(d)に示すように、レーザ光の像の中心位置C2は、対物レンズの対称軸AXの延長線とは異なる位置に形成される。
そして、このプラスデフォーカスの状態において、走査位置(集光レンズ4が相対的に移動する際の通過位置)を合焦状態の場合の延長線上に保ったまま、所定の距離だけ、レーザ光を(相対的に)走査させつつ調整用治具S1に照射する。これにより、調整用治具S1上にライン状の加工痕を形成する。図7(b)がレーザ光の光軸がz方向と平行な状態(図6(b)の状態)における加工痕を、(d)がレーザ光の光軸がz方向と平行でない状態(図6(d)の状態)における加工痕を示している。
レーザ光の光軸がz方向と平行であれば、図7(a)および(b)に示すように、合焦状態にあった場合の加工痕の中心線Taと、プラスデフォーカス状態にあった場合の加工痕の中心線Tbとは、同一の直線L1上に位置することになる。これに対して、レーザ光の光軸がz方向と平行でない場合、図7(c)および(d)に示すように、プラスデフォーカス状態にあった場合の加工痕の中心線Tdは、合焦状態にあった場合の加工痕の中心線Tcと同一の直線L2上には位置せず、該直線L2からある距離Δy1だけずれて位置することになる。
すなわち、プラスデフォーカス状態の加工痕の中心が、合焦状態の加工痕の中心からずれているか否かで、光軸がz方向に対して傾きを有しているか否かが判断されることになる。
オペレータは、CCDカメラ16にて撮像されモニタ17に表示された加工痕を視認することは可能であるが、焦点Fの像あるいは合焦状態の加工痕のみをオペレータが肉眼で見ても、レーザ光の光軸が傾きを有するか否かを判断することは困難であるが、係る方法によって、その判断を容易に行うことができる。
そして、所定の方法による光軸の調整と、係る傾きの検出とを適宜に繰り返すことにより、図7(a)および(b)に示す状態を実現することで、被加工物Sに直交させてレーザ光を照射することができる。
<光軸傾き検出の自動処理>
上述した光軸傾きの検出は、コンピュータ6において実行される所定の処理プログラムによる制御に従って、加工痕の画像データを取り込み、該画像データを処理することにより、自動処理することも可能である。図12および図13は、こうした光軸傾き(光軸倒れ)検出の自動処理のフローを例示する図である。ここでは、図12に示す準備処理と、図13に示す本処理とを行うことで、光軸傾き検出の自動処理が実現される。
図12に示す準備処理においては、まず、上述のような所定の焦点調整処理を行った後、調整用治具S1の表面の所定の対象領域を撮像し、画像データを得る。このとき得られる画像を画像A’と称することとする(ステップS301)。次に、集光レンズ4のz軸方向の調整を行うことで、レーザ光をマイナスデフォーカスの状態にし(ステップS302)、レーザ光をx軸方向に走査させつつ照射して加工痕を形成する(ステップS303)。加工痕の形成が終わると、その位置で集光レンズ4のz軸方向の調整を行うことで、レーザ光をフォーカス状態にし(ステップS304)、レーザ光をx軸方向に走査させつつ照射して加工痕を形成する(ステップS305)。次にいったん開始位置に戻って、今度はy軸方向について同様の処理を行う。すなわち、集光レンズ4のz軸方向の調整を行うことで、マイナスデフォーカスの状態、デフォーカス状態のy軸方向への加工痕の形成を連続して行う(ステップS306〜ステップS309)。このような加工痕の形成が終わると、画像A’を得たのと同じ対象領域(加工済領域)を撮像し、画像データを得る。このとき得られる画像を画像B’と称することとする(ステップS310)。画像B’が得られると、画像A’に対する画像B’の差分を得る差分処理を実行し、差分画像のデータを得る(ステップS311)。これで準備処理は終了する。なお、図12に示す準備処理においては、デフォーカス状態での加工痕の形成をフォーカス状態よりも先にマイナスデフォーカス状態で行っているが、上述のように(図7に示すように)フォーカス状態での形成を先に行った後にデフォーカス状態での形成を行う態様でもよいし、マイナスデフォーカス状態ではなく+デフォーカス状態で形成してもよい。
次に、図13に示す本処理においては、x軸方向に形成した加工痕についての差分像からy軸方向の光軸の傾き(光軸倒れ)を算出し、y軸方向に形成した加工痕についての差分像からx軸方向の光軸の傾き(光軸倒れ)を算出する。まず、デフォーカス状態でx軸方向に形成した加工痕に相当する差分画像上の領域(デフォーカス領域)の、上部輪郭位置y1と下部輪郭位置y2とを算出する(ステップS401)。次に、フォーカス状態でx軸方向に形成した加工痕に相当する差分画像上の領域(フォーカス領域)の、y軸方向の中心位置y0を算出する(ステップS402)。y1,y2、およびy0について、
Δy1=(y1+y2)/2−y0 (式1)
を算出する(ステップS403)。得られたΔy1の値がy軸方向の光軸倒れとなる(ステップS404)。式1の第1項は、デフォーカス領域の中心位置を示している。Δy1=0であれば、y軸方向について光軸の傾きがないことになる。同様に、デフォーカス状態でy軸方向に形成したデフォーカス領域の、左部輪郭位置x1と右部輪郭位置x2とを算出し(ステップS405)、フォーカス状態でy軸方向に形成したフォーカス領域のx軸方向の中心位置x0を算出して(ステップS406)、x1,x2、およびx0について、
Δx1=(x1+x2)/2−x0 (式2)
を算出する(ステップS407)。得られたΔx1の値がx軸方向の光軸倒れとなる(ステップS408)。なお、式2の第1項は、デフォーカス領域の中心位置を示している。また、Δx1=0であれば、x軸方向について光軸の傾きがないことになる。このようにして得られた光軸倒れの値を、光軸傾きの修正に利用する。
<レーザ光の照射位置の校正>
図8および図9は、レーザ加工装置100におけるレーザ光の照射位置の校正の方法について説明する図である。レーザ加工装置100においては、被加工物Sを観察することによって加工位置が定められるが、係る加工位置の設定は、観察中心位置と加工の際に実際にレーザ光が照射される照射位置とが一致していることを前提としてなされるので、これらの間にズレがあると、位置精度の良い加工を行うことができない。従って、その校正を行う必要が生じる。本実施の形態においては、レーザ光によって照射対象物を相対的に走査するプロセスを実行することにより、照射対象物にライン状の調整用加工痕を形成し、その調整用加工痕の幾何学的状態について所定の基準状態との間で比較を行い、当該比較結果に基づいて前記照射手段の状況を判断することによって、レーザ光の照射位置の校正を行う。より具体的には、ライン加工を行った場合の加工痕の形状の安定性を利用して、加工痕の実際の形成位置と、観察視野中の基準線分の位置とのずれを検出して、レーザ光の照射位置の校正を行う。
なお、本実施の形態においては、レーザ光の照射位置の校正も、調整用治具S1をステージ5に吸引固定し、調整用治具S1に対してレーザ光を照射することによって行う。なお、調整用治具S1の代わりに被加工物Sのサンプルや、製品用の被加工物Sの表面のうちのマージン部分などを用いてもよい。
まず、例えば上述の方法などによって、レーザ光の焦点Fを調整用治具S1の表面に合致させる。すなわち、合焦状態を実現する。そして、所定の距離だけ、レーザ光を(相対的に)走査させつつ調整用治具S1に照射することによって、調整用治具S1上にライン状の加工痕を形成する。
図8は、その際の調整用治具S1の表面をモニタ17に映し出した状態を示す図であるが、図8においては、観察視野中心Iと観察視野の所定の端点Eとを結ぶ線分を加工痕の形成予定位置として定めた上で加工を実行したにもかかわらず、実際に形成されたのは、加工痕Teであった場合が示されているものとする。これはすなわち、レーザ光の照射位置が、y軸正方向に距離Δy2だけ観察中心位置からずれている状態を示している。係る場合、距離Δy2のズレを打ち消すために、レーザ光の照射位置をy軸方向にオフセットさせたうえで加工を行えば、観察視野中心Iのy方向の位置と、実際のレーザ光照射位置のy方向の位置とが一致することになる。距離Δy2は、加工痕の画像データを取り込み、所定の画像処理プログラムを用いて該画像データを処理することにより、容易に算出できる。
同様のことをx軸方向についても行えば、x軸方向についても観察視野中心とレーザ光の照射位置とのズレの程度を特定することができる。
すなわち、上述の方法によってx、y両軸方向における加工位置のオフセット値をあらかじめ取得しておき、実際の加工に際しては、係るオフセット値だけ被加工物Sの位置をオフセットさせた上で加工を行うことにより、モニタ17を通じて加工位置と定めた位置決めしたその位置における加工がなされることになる。
なお、レーザ光を走査させることなく照射(スポット照射)して加工痕を形成し、オフセット値を算出する態様も考えられる。しかしながら、ライン加工の場合は図9(a)に示すように端部P1では加工痕に広がりが生じてしまうものの、ライン状の部分P2においては、加工痕の形状が安定しているので、正確にその位置を特定することができるのに対し、スポット照射の場合、レーザ光のパワーが略一点に与えられるので、図9(b)に示すように形成される加工痕P3の径は不安定で、かつライン状の加工痕を形成する場合よりも大きくなる。従って、スポット照射による校正では正確にオフセット値を定めることは困難であり、好ましくないといえる。
<照射位置オフセットの自動処理>
上述した照射位置のオフセット値の算出とその結果に基づく照射位置の校正は、コンピュータ6において実行される所定の処理プログラムによる制御に従って、加工痕の画像データを取り込み、該画像データを処理することにより、自動処理することも可能である。図14および図15は、こうしたオフセット値算出の自動処理のフローを例示する図である。ここでは、図14に示す準備処理と、図15に示す本処理とを行うことで、照射位置校正の自動処理が実現される。
図14に示す準備処理においては、まず、上述のような所定の焦点調整処理や光軸傾きの修正を行った後、調整用治具S1の表面の原点(仮原点)の位置にステージ5を移動させる(ステップS501)。なお、ここでいう仮原点とは、観察視野中心にあって照射位置校正前の状態で原点とされている位置、すなわち調整用治具S1の表面において集光レンズ4からレーザ光が照射されるはずの位置をいう。そして、仮原点を含む所定の対象領域を撮像し、画像データを得る。このとき得られる画像を画像A”と称することとする(ステップS502)。次に、レーザ光をx軸方向に走査させつつ照射して加工痕を形成する(ステップS503)。引き続き、y軸方向にも同様の処理を行う。すなわち、いったん仮原点にステージ5を移動させた後、レーザ光をy軸方向に走査させつつ照射して加工痕を形成する(ステップS504、S505)。このような加工痕の形成が終わると、画像A”を得たのと同じ対象領域(加工済領域)を撮像し、画像データを得る。このとき得られる画像を画像B”と称することとする(ステップS506)。画像B”が得られると、画像A”に対する画像B”の差分を得る差分処理を実行し、差分画像のデータを得る(ステップS507)。これで準備処理は終了する。
次に、図15に示す本処理においては、x軸方向に形成した加工痕についての差分像からy軸方向の照射位置のズレを算出し、y軸方向に形成した加工痕についての差分像からx軸方向の照射位置のズレを算出して、照射位置のオフセットを行う。まず、図8の場合と同様に、x軸方向に形成した加工痕の、y軸方向の座標値、つまりは仮原点を通るx軸方向に平行な線分(基準線分)からのズレΔy2を算出する(ステップS601)。このΔy2を、y軸方向のオフセット値として取得する(ステップS602)。次に、y軸方向に形成した加工痕の、x軸方向の座標値、つまりは仮原点を通るy軸方向に平行な線分(基準線分)からのズレΔx2を算出する(ステップS603)。このΔx2を、x軸方向のオフセット値として取得する(ステップS604)。これらのΔx、Δyだけステージ5を移動させると、集光レンズ4の直下の位置が原点位置と一致する。すなわち、照射位置の校正がなされたことになる。
本発明の実施の形態に係るレーザ加工装置100の構成を示す図である。 ステージ5の上面側の構造を例示的に示す図である。 集塵ヘッド11を示す図である。 レーザ加工装置100におけるレーザ光の焦点位置の調整方法について説明する図である。 レーザ加工装置100におけるレーザ光の焦点位置の調整方法について説明する図である。 レーザ加工装置100におけるレーザ光の光軸の傾き検出の方法について説明する図である。 レーザ加工装置100におけるレーザ光の光軸の傾き検出の方法について説明する図である。 レーザ加工装置100におけるレーザ光の照射位置の校正の方法について説明する図である。 レーザ加工装置100におけるレーザ光の照射位置の校正の方法について説明する図である。 焦点位置調整の自動処理のうち準備処理のフローを例示する図である。 焦点位置調整の自動処理のうち本処理のフローを例示する図である。 光軸傾き検出の自動処理のうち準備処理のフローを例示する図である。 光軸傾き検出の自動処理のうち本処理のフローを例示する図である。 オフセット値算出の自動処理のうち準備処理のフローを例示する図である。 オフセット値算出の自動処理のうち本処理のフローを例示する図である。
符号の説明
1 レーザ光源
2 鏡筒
3 ハーフミラー
4 集光レンズ
5 ステージ
14 照明光源
15 ハーフミラー
16 CCDカメラ
51 粘着テープ
52 吸引孔
100 レーザ加工装置
S 被加工物
S1 調整用治具

Claims (4)

  1. 被加工物の被照射部位にレーザ光を集光して照射することによって被加工物の加工を行うレーザ加工装置であって、
    レーザ光の照射手段と、
    前記照射手段に対して照射対象物を相対的に走査させる走査手段と、
    前記照射手段と前記走査手段とを制御して、前記レーザ光で前記照射対象物を相対的に走査しつつ、前記レーザ光を前記照射対象物に照射することによって、前記照射対象物にライン状の調整用加工痕を形成させる調整用加工痕作成制御手段と、
    前記調整用加工痕を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段により得られた撮像結果を用いて、前記レーザ光の光軸の傾き度合を特定する光軸傾き特定手段と、
    を備え
    前記調整用加工痕作成制御手段が、
    前記照射手段と前記走査手段とを制御して、前記レーザ光で前記照射対象物を相対的に走査しつつ、前記レーザ光を前記照射対象物に照射することを、前記照射手段と前記照射対象物との離間距離を変化させつつ実行させることにより、前記照射対象物に前記レーザー光の合焦状態が相異なるライン状の複数の調整用加工痕を形成させ、
    前記光軸傾き特定手段が、
    前記複数の調整用加工痕のそれぞれについて前記走査方向に直角な方向における幅から特定される、前記複数の調整用加工痕のそれぞれの当該方向における中心位置についての比較を行い、当該比較結果に基づいて前記レーザ光の光軸の傾き度合を特定する、
    ことを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 請求項1に記載のレーザ加工装置であって、
    前記複数の調整用加工痕を形成するための前記離間距離が異なる状態での複数回の前記レーザ光の照射を、前記走査手段による前記レーザ光の走査位置を一直線上に保ちつつ行う、
    ことを特徴とするレーザ加工装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のレーザ加工装置であって、
    前記撮像手段により得られた撮像結果を用いて、前記複数の調整用加工痕の鮮鋭度比較を行い、当該比較結果に基づいて前記レーザ光の合焦状態が実現される前記照射手段の配置位置を特定する配置位置特定手段、
    をさらに備えることを特徴とするレーザ加工装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のレーザ加工装置であって、
    前記撮像手段により得られた撮像結果を用いて、前記レーザ光の光軸のずれ度合を特定する光軸ずれ特定手段、
    をさらに備え、
    前記光軸ずれ特定手段が、
    前記照射対象物の前記撮像手段の視野中に前記レーザ光の走査方向に沿って設定された所定の基準線分と前記調整用加工痕との間で前記レーザ光の走査方向に直角な方向についての位置比較を行い、当該比較結果に基づいて当該方向についての前記レーザ光の光軸のずれ度合を特定する、
    ことを特徴とするレーザ加工装置。
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