JP4582649B2 - 洗浄装置 - Google Patents

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Description

本発明は歯科医院などで使用される歯科治療に使用される器具等を洗浄するための洗浄装置に関する。
従来から歯科治療に用いられるハンドピースのような治療器具の洗浄装置として例えば特許文献1に記載されている洗浄装置が知られている。この洗浄装置の場合は、ハンドピースをボックス内に収納して密閉し、ボックス内を減圧してボックス側壁に設けたノズルから洗浄液を吐出させてハンドピースを洗浄する。そして、ボックス内に洗浄液を充填させたところでボックス下部に設けた超音波発振子により超音波洗浄を行う。超音波洗浄後に排水口より洗浄液を排水タンクに排出し、次にタンク上部から消毒液を供給してハンドピースを消毒する。消毒の終了後に消毒液を排水口より排水タンクに排出する。
従来公知である特許文献2に記載された洗浄消毒装置においては、ハンドピースのような被処理物を密閉可能な洗浄槽内に設置し、洗浄槽を真空に排気した後に洗浄槽に接続した洗浄液タンクから洗浄槽の陰圧を利用して、被処理物に洗浄液を噴射させて被処理物に付着した付着物を洗浄する。そして、被処理物全体が浸漬する深さまで洗浄液を溜めていき、所定量の洗浄液が溜まったところで洗浄槽の下部に設置した超音波発生装置により超音波洗浄を行う。超音波洗浄の終了後に洗浄槽に溜まった洗浄液を排水する。次に、洗浄槽を真空排気し、リンス水タンクからリンス水を被処理物に噴射してすすぎ洗いを行う。すすぎ洗いを終了後に、すすぎ洗いに用いたリンスを洗浄槽下部に設けたヒータにより過熱して被処理物を高温蒸気にさらして、滅菌消毒を行う。
実公昭58−50897号公報 特開2005−65991号公報
上記従来公知例においてはいずれも洗浄槽又はボックスを排気して内部を陰圧にし、この陰圧を利用して被洗浄物に特定の方向から洗浄水を噴射して洗浄を行う。歯科用器具には血液や唾液などの他に歯垢等が付着している場合があり、特に歯垢等の付着物は粘性が高く、大気圧を利用した特定方向からの洗浄液噴射では十分な洗浄できないという課題があった。
また、一度に多数の歯科治療用器具を洗浄しようとすると装置が大掛かりになるとともに廃液量が増加し、簡便に廃液を処理することができなくなるという課題があった。
本発明は上記の課題を解決するために以下の手段を講じた。
請求項1に係る本発明においては、洗浄液を保持するための洗浄槽と、該洗浄槽内に回転可能に収納され、外周部に被洗浄物を保持するための保持手段を有する水車型回転体と、該水車型回転体を回転させるためのモーターとを備える洗浄装置であって、該被洗浄物が該水車型回転体の回転中心よりも下部において該洗浄槽に保持された該洗浄液と接触して洗浄が行われ、前記水車型回転体の外周部には回転中心から放射状の方向に複数の穴あき羽根板を備え、これら複数の穴あき羽根板の外周に前記保持手段としてのゴムバンドを渡し、該ゴムバンドと前記水車型回転体との間に前記被洗浄物を収納した収納ケースを挟むことで、前記被洗浄物を保持する洗浄装置とした。
請求項2に係る本発明においては、前記穴あき羽根板の外周辺には溝が形成され、前記ゴムバンドは、前記溝に取り付けられることで、前記複数の穴あき羽根板の外周に渡される請求項1に記載の洗浄装置とした。
請求項3に係る本発明においては、該洗浄槽は、該水車型回転体の外周に沿って、該洗浄液を保持するための内側壁部と内傾斜部と内底部とを有する請求項1又は請求項2に記載の洗浄装置とした。
請求項4に係る本発明においては、該水車型回転体は、該水車型回転体の側面の回転中心に突起部を有し、該洗浄槽は、該洗浄槽の側壁を貫通する回転軸と、該洗浄槽の内壁の該回転軸の近傍に該水車型回転体の突起部を受けるための受け部とを有し、該回転軸と該水車型回転体の突起部とは回転伝達手段により回転の伝達を可能とし、該水車型回転体を該受け部に着脱自在に設置可能とした請求項1から3のいずれか1項に記載の洗浄装置とした。
請求項5に係る本発明においては、該水車型回転体は外周が多角形の形状を有し、該多角形の各辺に該被洗浄物を保持可能とした請求項1から4のいずれか1項に記載の洗浄装置とした。
請求項6に係る本発明においては、該水車型回転体は、該モーターの駆動により正回転および逆回転することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の洗浄装置とした。
請求項7に係る本発明においては、洗浄液である強酸化電位水を生成するための整水器を更に備える請求項1から6のいずれか1項に記載の洗浄装置とした。
請求項8に係る本発明においては、該整水器は該強酸化電位水の生成とともにアルカリ水である強還元電位水を生成する請求項7に記載の洗浄装置とした。
請求項9に係る本発明においては、該洗浄液を中和するためのアルカリ水を収納するためのアルカリ水タンクと、該アルカリ水タンクから該洗浄槽に該アルカリ水を供給するためのアルカリ水供給バルブと、該洗浄槽から洗浄液を排出するための排水バルブと、該モーターの回転および該整水器の動作を制御するための制御器とを更に備える請求項7又は請求項8に記載の洗浄装置とした。
請求項10に係る本発明においては、 該制御器は、該整水器を制御して強酸化電位水と強還元電位水とを生成し、該強酸化電位水を該洗浄槽へ、該強還元電位水を該アルカリ水タンクへそれぞれ供給し、該モーターを制御して該水車型回転体を回転させ、所定時間の経過後に該アルカリ水供給バルブを制御して該アルカリ水を該洗浄槽へ供給し、該強酸化電位水を中和させた後に該排水バルブを制御して中和した排液を該洗浄槽から排出することを特徴とする請求項9に記載の洗浄装置とした。
請求項11に係る本発明においては、最上段に該整水器を設置し、その下部に該アルカリ水タンクを設置し、その下部に該洗浄槽を設置した請求項10に記載の洗浄装置とした。
請求項12に係る本発明においては、該洗浄槽の底部に超音波洗浄素子を備えることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の洗浄装置とした。
本発明によれば、水車型回転体が回転して被洗浄物が水車型回転体の回転中心よりも下部において洗浄槽に保持された洗浄液に接触するようにして洗浄するので、洗浄液の使用量が少なく、特別の排液処理装置や排液処理設備を必要としないで洗浄を行うことができる。また、被洗浄物の設置が容易となる。また、穴あき羽根板は穴を通して洗浄液を被洗浄物へ流出するとともに洗浄液を攪拌させるので、被洗浄物に対して複雑な水流が発生し、洗浄効果を高めることができる。
また、洗浄液を保持する洗浄槽の内側壁部と内底部との間に内傾斜部を有するようにしたので、洗浄液の使用量を少なくすることができる。
また、被洗浄物を水車型回転体の外周部に取り付けて、この水車型回転体を洗浄槽に挿入するので、被洗浄物の取り付け取り外しを容易に行うことができるとともに、一度に多数の被洗浄物を洗浄することができる。
また、洗浄液として強酸化電位水を用いて被洗浄物の洗浄と殺菌を同時に行うので、洗浄工程数が少なく、且つ、確実に洗浄と殺菌を行うことができる。
また、洗浄後にアルカリ水を洗浄槽に供給して洗浄槽内において中和させるので、酸とアルカリを中和させるための中和槽を別途設ける必要がなく、洗浄装置を小型化できる。
更に、整水器により強酸化電位水とともに生成される強還元電位水を、洗浄後の洗浄液を中和させるために使用することにより排液量を減少させ、専用の排水処理設備や配管を備えていない歯科医院でも簡便に設置し使用することができるという効果を有する。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本実施の形態における洗浄装置は、洗浄液を保持するための洗浄槽と、この洗浄槽内に収納される水車型回転体と、この水車型回転体を回転させるためのモーターとを備えている。水車型回転体の外周部には保持手段により複数の被洗浄物を設置することができる。被洗浄物は水車型回転体の外周部に直接取り付けてもよいし、洗浄用の収納ケースに収納した状態で取り付けてもよい。
また、洗浄槽は、洗浄液を保持するための内側壁部と内傾斜部と内底部とから構成し、水車型回転体の外周に沿って底部が絞られた形状を有している。その結果、内傾斜部2bを有しない洗浄槽と比較して洗浄液の使用量を少なくして効果的に洗浄することができる。
被洗浄物を設置した水車型回転体を洗浄槽に回転自在に設置することができる。即ち、水車型回転体の側面の回転中心にこの側面から突き出ている突起部を設ける。洗浄槽の側壁にはこの側壁を貫通する回転軸を設置し、洗浄槽の内壁の回転軸近傍に水車型回転体の突起部を受ける受け部を設置する。水車型回転体の突起部の先端と回転軸の先端には回転を伝達するための回転伝達手段を設け、水車型回転体を受け部に設置することにより、回転軸の回転を水車型回転体に伝達可能としている。この回転軸をモーターにより回転させ、水車型回転体3を回転させる。
洗浄液は、被洗浄物が水車型回転体の回転中心より下部において洗浄液に接触する程度の量を供給する。水車型回転体の外周部に取り付けた被洗浄物は、モーターの駆動により水車型回転体とともに回転して回転中心より下部において洗浄液と接触して洗浄が行われる。水車型回転体の回転により、被洗浄物の周囲の洗浄液には相対的な流水が発生する。これにより、歯垢等の粘性の高い付着物であっても効果的に洗浄することができる。更に、回転方向を所定時間で逆転させることにより、被洗浄物に対する洗浄液の流れる方向が変化し、洗浄効果がより発揮される。洗浄液の量は被洗浄物の数や水車型回転体の回転数等に応じて適宜に決定する。
また、水車型回転体の外周部を多角形とする。多角形とすることにより、各辺に被洗浄物を収納した収納ケースを複数容易に設置することができ、一度に多数の被洗浄物の洗浄を可能とする。
また、水車型回転体外周の各辺の頂角部には回転中心から放射状に穴あき羽根板を設け、その外周に保持手段であるゴムバンド等を渡してゴムバンドと回転体との間に被洗浄物を収納した収納ケースを挟む。これにより、被洗浄物の設置が容易となる。また、この穴あき羽根板は洗浄液を攪拌させるので被洗浄物に対して複雑な水流が発生し、洗浄効果を高めることができる。
また、整水器を設けて強酸化電位水を生成させ、この強酸化電位水を洗浄液として使用することができる。強酸化電位水はpHが2.7以下の強酸であるために、強い殺菌効果
や洗浄効果を有する。そのために、医療処置を施した後の器具に付着するウィルスや病原菌を殺菌することができる。更に、整水器は強酸化電位水の生成とともにアルカリ水である強還元電位水をも生成する。そこで、洗浄終了後に洗浄液である強酸化電位水を中和するために利用することができる。
また、洗浄液を中和するためのアルカリ水を収納するアルカリ水タンクと、洗浄槽へアルカリ水の供給を制御するアルカリ水供給バルブと、洗浄槽から排液の排出を制御する排水バルブと、制御器を更に設けることができる。制御器は、整水器における洗浄液の生成、モーターの回転、及び上記バルブの制御を行う。
より具体的には、制御器は、整水器を制御して洗浄槽の下部において被洗浄物と接触する所定量の強酸化電位水を洗浄槽へ供給する。その後モーターの回転を制御して水車型回転体を回転させ、その外周部に設置した被洗浄物の洗浄を行う。次に制御器は、モーターの回転を止め、あるいは回転を持続させながら、アルカリ水供給バルブを制御して所定量のアルカリ水を洗浄槽へ供給する。
また、整水器は強酸化電位水の生成とともに強還元電位水も生成する。この強還元電位水はアルカリ性を有するので、アルカリ水タンクに導入して強酸化電位水を中和させるために利用する。これにより、中和槽を別途設ける必要がなく洗浄装置をコンパクトに構成することができる。更に、中和された排液は直接排水処理を行うことができる。これにより、排液処理設備も必要としない。
また、本実施の形態における洗浄装置は洗浄液の使用量が少なくて済む。そのため、排水設備が近くにないときには排水タンクを用意しておき、この排水タンクに排液を収納することができる。更に、洗浄液として強酸化電位水を使用し、使用後の洗浄液を強酸化電位水の生成の際に生成される強還元電位水を中和水として利用することができるので、給水された水を有効利用することができ、排液量も少なくすることができる。
以下、本実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、洗浄装置1を表す模式的な断面図である。角型の洗浄槽2は六角形をした水車型回転体3を収納し、底部に洗浄液6を保持している。洗浄槽2の下部は、内側壁部2aと内底部2cとの間に水車型回転体3の外周に沿うようにして内傾斜部2bを有している。洗浄槽2の底部を水車型回転体3の外周に沿うように形成することにより、洗浄液6の使用量を少なくすることができるからである。洗浄槽2の内傾斜部2bは、水車型回転体3の外周に沿うように傾斜面とすることの他に、洗浄槽2の下部をU字型あるいは半円状おわん型の形状とする場合も含む。洗浄槽2の上部には蓋12を設置し、洗浄液6が外部に飛散することを防止する。
水車型回転体3の外周辺の頂角部には羽根板18を取り付け、その外周に保持手段であるゴムバンド26を渡している。このゴムバンド26と水車型回転体3との間に被洗浄物4を収納した収納ケース5を挟み込んで固定している。収納ケース5は洗浄液6の流入出が可能なように、格子状の箱型形状を有している。本実施の形態においては水車型回転体3の上部と下部にそれぞれ収納ケース5を固定した例を示しているが、外周辺全てに収納ケース5を設置してもよいし、一箇所のみ設置してもよい。また、被洗浄物4を収納ケース5に収納しないで、クリップ等の保持手段により直接水車型外周部に取り付けることもできる。また、ゴムバンド26を使用しないで、水車型回転体3の外周部に収納ケース5を固定するための保持手段である固定器具を設けて固定してもよい。この場合は、水車型回転体3の外周部に設置した羽根板18を除去することができる。
洗浄槽2の底部に保持する洗浄液6は、水車型回転体3の回転中心より下部において被洗浄物4と接触する程度給液する。被洗浄物4の数や水車型回転体3の回転数に応じて、洗浄液6の量を適宜に設定する。洗浄液6を水車型回転体3が埋没する程に給液するのは、モーター10の負荷が増大するとともに、後に洗浄液を中和するためのアルカリ水の量が増加し、中和処理後の廃液量も増加する。そのために、簡便な排水処理を行う上で不利になる。従って、洗浄液6の量は水車型回転体3の回転中心以下にするのが好ましい。
水車型回転体3は、その回転中心に水車型回転体3と一体的に構成した軸8を有し、軸8の端部は水車型回転体3の側面から突起する突起部21を備えている。この突起部21が洗浄槽2の内壁に設けた受け部7に着脱自在に設置される。
更に、洗浄槽2の一方の側壁には、上記受け部7に通じる貫通口、及びこの貫通口を通して回転軸23が設置されている(図示しない)。この回転軸23にはプーリー9が一体的に固定されている。洗浄槽2の外部にモーター10を設置し、ベルト11を介して回転軸23に回転を伝達する。なお、ベルト11は歯付きベルトにするのが好ましい。水車型回転体3と洗浄液6との間の抵抗により回転トルクが増加すると、プーリー9とベルト11との間ですべりが生ずるので、これを防止するためである。なお、本実施の形態においては、モーター10の回転をベルト11及びプーリー9により回転軸23に伝達する構成としているが、これを、モーター10を洗浄槽2の側壁に取り付け、回転軸23をモーター10の回転軸とを直結してモーター10により直接回転軸23を回転させてもよいし、歯車等を介して回転させてもよい。
洗浄槽2は、その上部側壁に洗浄液6を給液するための給液管14、及び、洗浄槽2の底部に被洗浄物4の洗浄後に洗浄液6又は中和後の排液を排出するための排水管13と排水バルブ15を備えている。
図2は、水車型回転体3を表す斜視図である。水車型回転体3は、中心に軸8と、複数の孔部16を有する2枚の6角形をした側板17と、羽根板18を備えている。羽根板18は、この2枚の側板17を外周頂角部において互いに固定し、羽根板18の板面が水車型回転体3の回転中心から放射状となる方向に設置されている。
側板17には孔部16が6個形成されている。水車型回転体3の重量を軽くすること、及び水車型回転体3が回転したときに洗浄液6が孔部16から洗浄槽2の底部に容易に流入できるようにするためである。
各羽根板18にはその中心部に窓部19が形成されている。洗浄液6はこの窓部19を通して被洗浄物4へ流出するとともに洗浄液を攪拌するので、被洗浄物4に対して複雑な水流が発生し、洗浄効果をより高めることができる。
羽根板18の外周辺には溝20が形成され、この溝20にゴムバンド26を取り付けて被洗浄物4を収納する収納ケース5を側板17に固定可能とする。軸8は側板17から突出する突起部21を有し、突起部21を受け部7のU字部25に装着することにより、水車型回転体3を洗浄槽2に着脱自在に収納することができる。
洗浄槽2の一方の側壁に設けた回転軸23の端部には凸部24を設け、この凸部24と水車型回転体3の突起部21に設けた凹部22とを篏合させて水車型回転体3へ回転動力を伝達可能とする。従って、この回転軸23の凸部24及び水車型回転体3の突起部21が回転伝達手段として機能する。
なお、図2においては水車型回転体3を6角形としているが、6角形に限定されるものではなく、5角形や8角形、あるいは、更に多くの多角形や円形であってもよい。また、被洗浄物4を収納ケース5に収納し、この収納ケース5を水車型回転体3の外周辺に装着して洗浄することの他に、収納ケース5に被洗浄物4を収納しないで、被洗浄物4を直接外周部に装着するようにしてもよい。更に、上記の例では窓部19を有する羽根板18を設置した例を説明したが、この羽根板18を除去し、側板17に収納ケース5を直接取り付けるようにしてもよい。
図3は、洗浄装置1をラック30に組み込んだ状態を示す概念的斜視図であり、図4は図3に示す洗浄装置1の機能ブロック図である。
図3において、ラック30の上段には整水器31及び制御器32を、その下段にはアルカリ水タンク33を、その下段には洗浄槽2を設置している。ラック30は台車40に設置することができ、台車40の下段には中和した排液を保持する排水タンク34を設置している。なお、図3において、整水器31へ水を供給する給水管36や整水器31と洗浄槽2との間の給液管14、洗浄槽2から排水タンク34へ排液を排出するための排水管13、及び、バルブ等については省略している。また、排水タンク34は中和された排液を一時的に保持するために設置するものであるが、洗浄槽2から排液を直接排水設備へ排出することが可能であれば、設置する必要がない。このように洗浄装置1をラック30に組み、台車40に載置することにより、設置面積を縮小することができる。
図4を用いて洗浄装置の動作を説明する。制御器32は、整水器31、アルカリ水供給バルブ35、洗浄槽2に付随するモーター10、排水バルブ15の動作を制御する。
整水器31は給水管36より給水されて強酸化電位水を生成し、給液管14を介して洗浄槽2へ給液する。また、整水器31は強酸化電位水の生成時に生成される強還元電位水を配管37を介してアルカリ水タンク33へ給液する。洗浄槽2に収納された水車型回転体3を所定時間回転させて被洗浄物4を洗浄した後に、アルカリ水供給バルブ35を開いて所定量のアルカリ水を、配管38を介して洗浄槽2へ供給する。洗浄槽2内において、洗浄液6である強酸化電位水とアルカリ水とを混合して中和し、排水バルブ15を開いて排水タンク34に中和した排液を保持する。これらの動作を制御器32が配線39を介して制御する。
また、制御器32によりモーター10の回転を制御し、所定の周期で水車型回転体3の回転方向を正方向及び逆方向に回転させることができる。これにより、洗浄効果をより発揮させることができる。
洗浄槽2において洗浄終了後にアルカリ水を給液して中和する際に、水車型回転体3を回転させて混合しながら中和することができる。また、洗浄槽2の内部にpH計測器を設
置し、制御器32において槽内pHを監視し、所定のpHに達したことを制御器32が検知して、洗浄槽2の水車型回転体3の回転を停止し、排水バルブ15を開いて排液するようにすることができる。
図5は、洗浄装置1を組み込んだラック30を流し台42に載置した状態を示す斜視図である。台車40の代わりに流し台42にラック30を載置し、排水タンク34を使用しないで直接流し台42から流し43へ排液をホース41により排出することができる。ラック30に設置した機器は図3で説明したとおりである。このように簡便に設置することができるので、専用の排水設備を必要とせず、小規模な医院でも容易に使用することができる。
なお、洗浄槽2内部の底部に超音波振動素子を設置し、水車型回転体3の回転中、又は、回転終了後に制御器32により電力を供給して超音波振動を発生させて被洗浄物4の超音波洗浄を行うことができる。
本実施の形態に係る洗浄装置を表す概念的な断面図である。 本実施の形態に係る洗浄装置に収納する水車型回転体を表す斜視図である。 本実施の形態に係る洗浄装置をラック組み立てた状態を表す斜視図である。 本実施の形態に係る洗浄装置を表す機能ブロック図である。 本実施の形態に係る洗浄装置を流し台に設置した状態を表す斜視図である。
符号の説明
1 洗浄装置
2 洗浄槽
2a 内側壁部
2b 内傾斜部
2c 内底部
3 水車型回転体
4 被洗浄物
6 洗浄液
7 受け部
8 軸
10 モーター
15 排水バルブ
18 羽根板
21 突起部
31 整水器
32 制御器
33 アルカリ水タンク
35 アルカリ水供給バルブ

Claims (12)

  1. 洗浄液を保持するための洗浄槽と、該洗浄槽内に回転可能に収納され、外周部に被洗浄物を保持するための保持手段を有する水車型回転体と、該水車型回転体を回転させるためのモーターとを備える洗浄装置であって、
    該被洗浄物が該水車型回転体の回転中心よりも下部において該洗浄槽に保持された該洗浄液と接触して洗浄が行われ
    前記水車型回転体の外周部には回転中心から放射状の方向に複数の穴あき羽根板を備え、これら複数の穴あき羽根板の外周に前記保持手段としてのゴムバンドを渡し、該ゴムバンドと前記水車型回転体との間に前記被洗浄物を収納した収納ケースを挟むことで、前記被洗浄物を保持する洗浄装置。
  2. 前記穴あき羽根板の外周辺には溝が形成され、前記ゴムバンドは、前記溝に取り付けられることで、前記複数の穴あき羽根板の外周に渡される請求項1に記載の洗浄装置。
  3. 該洗浄槽は、該水車型回転体の外周に沿って、該洗浄液を保持するための内側壁部と内傾斜部と内底部とを有する請求項1又は請求項2に記載の洗浄装置。
  4. 該水車型回転体は、該水車型回転体の側面の回転中心に突起部を有し、
    該洗浄槽は、該洗浄槽の側壁を貫通する回転軸と、該洗浄槽の内壁の該回転軸の近傍に該水車型回転体の突起部を受けるための受け部とを有し、
    該回転軸と該水車型回転体の突起部とは回転伝達手段により回転の伝達を可能とし、
    該水車型回転体を該受け部に着脱自在に設置可能とした請求項1から3のいずれか1項に記載の洗浄装置。
  5. 該水車型回転体は外周が多角形の形状を有し、該多角形の各辺に該被洗浄物を保持可能とした請求項1からのいずれか1項に記載の洗浄装置。
  6. 該水車型回転体は、該モーターの駆動により正回転および逆回転することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の洗浄装置。
  7. 洗浄液である強酸化電位水を生成するための整水器を更に備える請求項1から6のいずれか1項に記載の洗浄装置。
  8. 該整水器は該強酸化電位水の生成とともにアルカリ水である強還元電位水を生成する請求項7に記載の洗浄装置。
  9. 該洗浄液を中和するためのアルカリ水を収納するためのアルカリ水タンクと、該アルカリ水タンクから該洗浄槽に該アルカリ水を供給するためのアルカリ水供給バルブと、該洗浄槽から洗浄液を排出するための排水バルブと、該モーターの回転および該整水器の動作を制御するための制御器とを更に備える請求項7又は請求項8に記載の洗浄装置。
  10. 該制御器は、該整水器を制御して強酸化電位水と強還元電位水とを生成し、該強酸化電位水を該洗浄槽へ、該強還元電位水を該アルカリ水タンクへそれぞれ供給し、該モーターを制御して該水車型回転体を回転させ、所定時間の経過後に該アルカリ水供給バルブを制御して該アルカリ水を該洗浄槽へ供給し、該強酸化電位水を中和させた後に該排水バルブを制御して中和した排液を該洗浄槽から排出することを特徴とする請求項9に記載の洗浄装置。
  11. 最上段に該整水器を設置し、その下部に該アルカリ水タンクを設置し、その下部に該洗浄槽を設置した請求項10に記載の洗浄装置。
  12. 該洗浄槽の底部に超音波洗浄素子を備えることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の洗浄装置。
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