JP4582534B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、抽選プログラム等、遊技用のプログラムが記録される不揮発性メモリを制御基板に実装して成る遊技機に関する。
遊技機として、例えば、特許文献1に開示されたスロットマシンが知られている。スロットマシンには、同文献1の図1に示されているように、本体部前面に3列のリール19a,19b,19cを有するリール機構が組み込まれ、これらリール19a,19b,19cの側方(右側壁面)に、いわゆる演出表示を行うための表示装置としての表示パネル(ELランプ)3が設けられている。
かかる構成において、遊技者により回転開始ノブが押下されると、ゲーム開始となり、リール19a,19b,19cを所定速度で回転させ、次に停止釦が押下されると、リール19a,19b,19cを順次停止させる。そして、停止した3個のリール19a,19b,19cに描かれている特定の絵柄(例えば、数字の7)が入賞ライン上に揃うと「大当り」となり、表示パネル3に同文献1の図4に示されている表示を行うことによって大当たりが出たことを知らせ、遊技者に対し快感を与えるようにしている。
特開2001−170250号公報
ところで、上記したスロットマシンにあっては、CPUと、フラッシュROMのような再書き込み可能なメモリ(以下、不揮発性メモリという)が実装された制御基板が内部に設置され、この不揮発性メモリに記録されたプログラムに従ってCPUが演算処理を行うことで遊技機の動作を制御している。例えば、主制御基板と呼ばれる制御基板が大当たりを抽選し、また、大当たり時に連続して発生する入賞回数の管理等を行っており、ホール(遊技場)に多数設置されているそれぞれのスロットマシンに対し、かかる大当たりを発生させる確率や連続する入賞回数等、遊技の勝敗に係る数値情報等が予め主制御基板に設定されている。
このため、より高い配当率で遊技ができる設定値に変えた別のプログラムに書替えることで、高い配当を不当に得ようとする者がいる。このような不正な行為によっては、ホール側に多大な損害を与える場合があり、対策が望まれていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、プログラムの書替えに十分な時間があれば書替える不正行為に要する時間も長くなり不正が困難になることに着目し、プログラムの書替えを時間制御することで不正行為を防止し、被害を抑えることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために請求項1に記載の発明は、不揮発性メモリ素子と、外部から供給された、前記不揮発性メモリ素子に対するプログラムデータの書込み要求信号を受信する制御回路と、前記制御回路から供給された前記書込み要求信号を受信してから所定時間遅延させた後、前記制御回路へ送信する遅延回路と、前記遅延回路から送信された前記書込み要求信号を受信した前記制御回路により起動され、外部から供給された前記プログラムデータの前記不揮発性メモリ素子への書込みを許可する書込み回路と、前記制御回路により前記不揮発性メモリ素子への前記プログラムデータの書込みがReady状態にあるか否かが設定され、この設定内容が外部から読み出し可能なレジスタ回路と、から成る不揮発性メモリが実装された制御基板、を具備することを特徴とする遊技機である。
また請求項2に記載の発明は、不揮発性メモリ素子と、外部から供給された、前記不揮発性メモリ素子に対するプログラムデータの書込み要求信号を受信する制御回路と、前記制御回路から供給された前記書込み要求信号を受信してから所定時間遅延させた後、前記制御回路へ送信する遅延回路と、前記遅延回路から送信された前記書込み要求信号を受信した前記制御回路により起動され、外部から供給された前記プログラムデータの前記不揮発性メモリ素子への書込みを許可する書込み回路と、前記制御回路により前記不揮発性メモリ素子への前記プログラムデータの書込みがReady状態にあるか否かが設定され、この設定内容が外部から読み出し可能な前記不揮発性メモリ素子の任意の領域に割付けられた記憶領域と、から成る不揮発性メモリが実装された制御基板、を具備することを特徴とする遊技機である。
本発明によれば、制御基板に実装された不揮発性メモリの制御回路が、外部からプログラムデータの書込み要求信号を受信して遅延回路に供給し、遅延回路が、書込み要求信号を受信してから所定時間遅延させた後、制御回路へ送信し、制御回路が送信された書込み要求信号を受信して書込み回路を起動し、書込み回路が、外部から供給されたプログラムデータの不揮発性メモリ素子への書込みを許可する構成とすることで、プログラムを書替える不正行為に要する時間を長く設定でき、このため不正が困難になる。この間に、管理人等による監視、あるいは、扉が開放されるとそのホールの管理人へ異常を報知する検知装置等、不正行為を防止する機械的な対策と併用することで不正を発見できる機会が増え、このことにより被害を抑えることができる。
また、本発明によれば、不揮発性メモリ素子へのプログラムデータの書込みがReady状態にあるか否かが設定される専用レジスタにより、あるいは専用レジスタの代替として不揮発性メモリ素子のある領域を用いることで、出力端子(ピン)が不要となり、このため、プログラムが記録される不揮発性メモリの小型化および高集積効果が得られ、遊技機における制御基板の実装スペースの有効利用もはかれる。
以下、本発明の好適な実施形態につき図面を参照しながら説明する。ここでは、本発明が適用された遊技機として、スロットマシン1について説明する。
図1は、スロットマシン1の外観構造を表した斜視図、図2はスロットマシン1の内部構造を表した図である。図1において、スロットマシン1は、箱状の筐体3と、筐体3と蝶番機構により開閉可能に取り付けられたフロントドア2とを備えている。
フロントドア2の遊技者に面する側には、意匠的にデザインされ硬質プラスチックでそれぞれほぼ一体的に形成された、いわゆる化粧板に相当する上部パネル部21、中部パネル部22、及び下部パネル部23が設けられている。そして、中部パネル部22と下部パネル部23との間に、遊技者側に若干突出し、ゲーム操作をおこなうための後述するスイッチ類が配置されている操作卓24が一体的に設けられている。なお、上部パネル部21、中部パネル部22、下部パネル部23、及び操作卓24は遊技者側に面し、これらにより「前面パネル部」が構成されている。
上部パネル部21には、高輝度発光ダイオード等で形成された演出用ランプ211と、演出効果音を発する図示しないスピーカが裏面側に取り付けられスリット溝孔からなる放音部212a,212bがそれぞれ配設されている。
また、放音部212a,212bの間には、透明な硬質プラスチック板等が嵌め込まれて形成された表示窓214に面して液晶表示部213が配置されている。液晶表示部213は、ゲームの演出に係る映像を表示し表示窓214を通して目視される。
中部パネル部22には、硬質プラスチック板等で形成されたパネル面221が設けられている。パネル面221のほぼ中央には略長方形の透明な表示窓222が形成され、表示窓222を通して筐体3内に取り付けられている3個のリール311a,311b,311cを目視できるようになっている。
ここで、詳細は後述するが、筐体3内に設置されている回胴装置31は、3個の円筒形状のリール311a,311b,311cが回転軸方向に並べられて構成され、各リール311a,311b,311cの外周面にはその周方向に沿って複数種類の図柄が描かれている。そして、遊技者は、表示窓222を通して一のリールに描かれた上下方向3個の図柄と、横方向に配列されたリール3列の図柄を目視することができる。また、遊技者の指示操作に応じて、各リール311a,311b,311cは回転及び停止の動作が行われ、これにより、表示されるリールの図柄の種類が変更されるようになっている。
また、中部パネル部22のパネル面221には、裏面側に設けられている図示しないランプを点灯させることで例えば入賞役への内部当選など遊技状態に関する情報を演出表示する演出表示部223と、複数の発光ダイオードがマトリクス状に配列され各発光ダイオードを選択的に発光させることでドット画像を演出表示する演出表示部224と、スロットマシン1にクレジット(貯留)されている遊技メダル(以下、単に「メダル」)数や、入賞によって獲得したメダル数、または入賞役への当選回数等の数値情報を表示する状態表示LED225が設けられている。
更にパネル面221には、スロットマシン1の使用方法やゲーム内容の説明等が、視覚効果を高めてデザインされた文字等によって描かれている。
中部パネル部22の側部には、蛍光灯や高輝度発光ダイオードで形成された演出用ランプ226a,226bが設けられている。ゲームの進行に応じて上述した複数の演出用ランプ211,226a,226bが点滅等することで、ゲームの演出効果を高めるようになっている。
中部パネル部22の下側には、遊技者側に向かいながら若干下方に傾斜した平面を有する操作卓24が形成されている。操作卓24の当該平面の右側には、メダルを投入するためのメダル投入部241が設けられ、当該平面の左側には、押しボタンスイッチである3個のベットボタン242,243,244が設けられている。
ベットボタン242,243,244はスロットマシンの1ゲームに賭けるメダルの枚数を提示するためのボタンスイッチである。ゲームを開始する際に、ベットボタン242が押圧操作されることで、貯留されているメダルから1枚のメダルがゲームに対して賭けられる。同様に、ベットボタン243又は244が押圧操作されることで、それぞれ2枚又は3枚のメダルが賭けられる。なお、ベットボタン244は、1回のゲームに賭けることができる最多枚数のメダルを提示するために設けられていることから、特に「マックスベットボタン」と呼ばれている。
操作卓24の前面左側には、リール311a,311b,311cの回転開始を指示するためのスタートレバー245が設けられ、操作卓24の前面ほぼ中央には、リール311a,311b,311cの回転停止を指示するための押しボタンスイッチである3個のストップボタン246a,246b,246cが各リール311a,311b,311cに対応して設けられている。
スタートレバー245は、先端に球形の操作ノブを有する揺動可能な操作旱を備え、操作旱が傾倒操作されるとオン、操作旱から手が離されるとスプリングの付勢力によって自動的に元の位置に戻ってオフ状態となるスイッチユニットで形成されている。ストップボタン246a,246b,246cは、押圧操作することで回転中のリール311a,311b,311cをそれぞれ独立して停止させるためのスイッチである。
すなわち、遊技者がベットボタン242,243,244の何れかを押圧操作することで当該ゲームに賭けるメダル数を提示し、そして、スタートレバー245を傾倒操作すると、各リール311a,311b,311cが一斉に回転する。この時スロットマシン1は、当該ゲームの入賞に係る役(入賞役)の抽選を内部的な処理により行う(以下、これを「内部抽選」という)。
各リール311a,311b,311cが所定の回転数に達すると、ストップボタン246a,246b,246cによるリール停止操作が準備完了の状態となる。この状態で、遊技者がストップボタン246a,246b,246cを任意の順序で押圧操作することにより、対応するリールが停止制御される。そして、停止した3個のリール311a,311b,311cにより表示される図柄が上述の内部抽選で当選した役に対応する組合せで有効なライン上に揃うと入賞となり、その入賞役の種類に応じた枚数のメダルが遊技者に配当されるようになっている。
操作卓24の前面右側には、フロントドア2を開錠するための鍵が挿入される鍵穴247が設けられている。スロットマシン1の管理者等が鍵穴247に所定の鍵を挿入して開錠操作すると、蝶番機構によって筐体3に取り付けられているフロントドア2を前方へ開くことができ、またフロントドア2を筐体3側に閉じると、自動的にこれらを施錠するようになっている。
下部パネル部23には、スロットマシン1のゲーム内容又は登場キャラクタなどを紹介するためのパネル231が設けられている。またパネル231の下側には、メダルを排出するための排出口232と、排出されたメダルを受ける受皿233とが設けられている。更に排出口232に隣接して、多数の孔から形成された放音部234a,234bが設けられ、演出効果音を発する後述のスピーカが放音部234a,234bの裏面側に配置されている。
次に、図2を参照して、フロントドア2の裏面構造と、筐体3の内部構造を説明する。なお、図2は、フロントドア2を筐体3から開いた状態を表している。同図において、フロントドア2の裏面上部には、演出用ランプ211の光源である複数の高輝度発光ダイオード251が配列されると共に、上述の放音部212a,212bに対向してスピーカ252a,252bが取り付けられている。また、図2には示されていないが、スピーカ252a,252bの間に上述の表示窓214が位置しており、液晶表示部213がその表示面を表示窓214に向けて取り付けられている。更に、液晶表示部213の裏面側に、電気回路基板で形成されたサブ制御基板200が取り付けられている。
なお、詳細は後述するが、スロットマシン1全体の動作は、筐体3側に設けられている主制御基板100によって統括制御されており、サブ制御基板200は、液晶表示部213の表示制御、及び演出用ランプ213,226a,226b、スピーカ252a,252bの制御等、ゲームの演出に係る制御を主に行っている。
サブ制御基板200の下方には、リール311a,311b,311cを目視させるための表示窓222を有するパネル面221が取り付けられている。表示窓222の下方には、中央表示基板240と呼ばれる電気回路(中継)基板が設けられている。中央表示基板240には、操作卓24に設けられているベットボタン242,243,244と、スタートレバー245と、ストップボタン246a,246b,246cなどのスイッチ類が電気的に接続されており、これらスイッチ類の出力信号が主制御基板100に転送されるように配線接続されている。
中央表示基板240の下方には、メダル投入部241に投入される投入物を正規のメダルか異物か判別して振り分けるセレクト機構261と、セレクト機構261で振り分けられたメダルを筐体3内に設けられているホッパ装置321へ案内するガイド部材262と、セレクト機構261で振り分けられた異物を排出口232へ案内するガイド部材263と、ホッパ装置321から排出されるメダルを排出口232へ案内するガイド部材264が設けられている。また、排出口232の両側には、上述した放音部234a,234bに対向してスピーカ253a,253bが取り付けられており、これにより放音部234a,234bを介して演出効果音を出力するように構成されている。
次に、筐体3内の略中央には、リール311a,311b,311cを備える回胴装置31が設けられている。回胴装置31は、フロントドア2が筐体3側に閉じられると表示窓222にリール311a,311b,311cが対向するように、筐体3の所定フレーム(符号略)に位置決めして取り付けられている。なお、回胴装置31の上面には、リール311a,311b,311cを回転駆動させるステッピングモータを制御するための電気回路基板である図示しない回胴装置基板310が設けられている。
回胴装置31の上方には、スロットマシン1の全体動作を集中制御する主制御基板100が取り付けられている。回胴装置31の下方には、ホッパ装置321と、ホッパ装置321から溢れたメダルを収容するための補助貯留部322と、主電源装置331が設けられている。主電源装置331の側面には、いわゆる配電盤に相当する電源装置基板330が設けられている。更に、筐体3の上部右側の内壁に、遊技場に設置されている「ホールコンピュータ」と呼ばれる管理用コンピュータと接続可能な外部集中端子基板390が取り付けられている。
そして、上述の主制御基板100、サブ制御基板200、中央表示基板240、回胴装置基板310、電源装置基板330、外部集中端子基板390は、何れも導電性配線パターンの形成された絶縁性樹脂基板上に集積回路(IC)やトランジスタ、抵抗、コンデンサ等の電子部品が搭載されて配線接続されたいわゆる電気回路基板として形成されている。なお、主制御基板100とサブ制御基板200は、それぞれ硬質プラスチックのケースに収納されたユニット構造となっている。
次に、図3のブロック図を参照して、スロットマシン1に設けられている制御システムについて説明する。まず、図2には説明の便宜上示されていないが、主制御基板100には、サブ制御基板200、回動装置基板310、中央表示基板240、電源装置基板330、及び外部集中端子基板390がそれぞれ配線ケーブルによって接続されている。
主制御基板100は、演算装置としてのCPU(又はワンチップのマイコン)と半導体メモリであるROM、及びRAM等の電子部品が搭載されており、ROMに予め記憶されているシステムプログラムとスロットマシンゲーム用のプログラムをCPUが実行し、各制御基板200,310,240,330,390に所定の指令を含む制御信号を送出することで、それぞれに分散制御を行わせ、これによりスロットマシン1全体を集中制御する。
中央表示基板240は、ベットボタン242,243,244と、スタートレバー245及びストップボタン246a,246b,246cが接続され、これらスイッチから出力される出力信号を主制御基板100へ転送する中継基板として機能する。また、中央表示基板240は、セレクト機構261に設けられている遊技メダル検出センサから出力される出力信号を主制御基板100へ転送し、メダル投入部241に投入されたメダル枚数を知らせると共に、異物の投入や目詰まりの発生等を知らせる。また、中央表示基板240には、モニタLED248が接続されており、スロットマシン1が異常の場合にそのエラー情報等を表示する。
サブ制御基板200は、CPUと、半導体メモリであるROM,RAMと、液晶表示部213に演出映像を表示させる制御を行うためのVDP(Video Display Processor)を搭載している。サブ制御基板200には、演出用ランプ211,226a,226bと、スピーカ252a,252b,253a,253bと、液晶表示部213と、演出表示部223,224等の各種遊技情報表示部とが接続され、主制御基板100から演出開始を示唆する制御信号が供給されると、これら演出用ランプ211,226a,226bとスピーカ252a,252b,253a,253bを駆動し、また液晶表示部213に演出映像を表示することによって、遊技者の視覚と聴覚に訴える演出を行う。
回胴装置基板310には、リール311a,311b,311cを回転駆動するステッピングモータ312a,312b,312cと、各リール311a,311b,311cの回転位置を検出するフォトセンサ313a,313b,313cが接続されている。そして、主制御基板100からリール311a,311b,311cを回転又は停止させるべき旨の制御信号が供給されると、回胴装置基板310は、フォトセンサ313a,313b,313cからの検出信号を受けて各リール311a,311b,311cの回転位置を適切に把握しつつ、ステッピングモータ312a,312b,312cへの駆動パルス信号を制御してリール311a,311b,311cの動作を制御する。
電源装置基板330は、主電源装置331で発生される各種電源電圧をホッパ装置321その他の各所に配電する配電回路が形成されており、かかる配電回路からスロットマシン1の動作に必要なシステム電源を供給する。また、電源装置基板330は、主制御基板100からメダルの払い出しをすべき旨の指令を受けると、ホッパ装置321を制御してメダルの払い出しを行わせる。
外部集中端子基板390は、主制御基板100から出力されるスロットマシン1の状態信号又はゲームの進行状況等を示す信号を、上述のホールコンピュータへ送出するための端子基板である。
かかる構成を有するスロットマシン1は、先の遊技者にメダルの払出しを完了すると待機状態となり、この待機状態において例えば新たな遊技者がメダル投入部241にメダルを投入すると、ゲームを行うことが可能となる。
遊技者がメダル投入部241にメダルを投入し、ベットボタン242,243,244の何れかによって当該ゲームに賭けるメダル数を提示した後、スタートレバー245をオン操作すると、主制御基板100は、3個のリール311a,311b,311cを一斉に回転させ始める。同時に入賞役を内部抽選し、その結果当選した役がある場合、その当選役に対応するフラグを記憶する。
次に、遊技者がストップボタン246a,246b,246cを任意の順番でオン操作すると、主制御基板100は、それに従い順次各リールを停止させる制御を行う。そして、全てのリール311a,311b,311cが停止したことを検知すると、各リールが表示する図柄と、上述のフラグに対応する当選役に係る図柄の組み合わせとが一致しているかどうか判定する。
すなわち、表示窓222に面して停止した9個の図柄のうち、上中下段の横3列の線上に並んだ3組の図柄と、右斜めと左斜めの2本の対角線上に並んだ2組の図柄を調べ、何れか1つの組の図柄が当選役の条件を満足して揃うと、上述のフラグに対応する役に入賞したと判定する。役への入賞が確定すると、当該役の種類に応じて予め決められた配当数のメダルが遊技者に払い出される。
ここで、本スロットマシン1には、通常のゲームとは別に、より多くのメダルを配当する役に入賞できる特別ゲームを数回連続して行うことができる大当たり入賞役が用意されている。そして、本スロットマシン1は、この大当たり入賞役が発生する確率を複数のレベルに設定することができる。例えば、設定レベル1では、この大当たり入賞役が内部当選する確率が1/350であって、設定レベル6では、この確率が1/300である。このように、設定レベルを適宜に設定変更することで、そのスロットマシン1の出玉率を変更できるようになっている。なお、かかる設定レベルは、スロットマシン1の主制御基板100に備えられるCPU(又はマイコン)内の記憶素子、或いは主制御基板100のRAM等に記憶され、ホールの管理者等がスロットマシン1に対し所定の操作を行うことで、この設定レベルを変更できるようになっている。
図4は、本発明実施形態に係わる不揮発性メモリの内部構成の一例を示す図である。図4に示される不揮発性メモリは、図3に示す主制御基板100に実装され、遊技機用の抽選プログラムが記録される。
不揮発性メモリは、最小構成で、メモリセル101と、制御回路102と、遅延回路103と、書込み回路104と、アドレステコーダ105と、出力イネーブル回路106と、入出力バッファ107で構成される。
メモリセル101は、フラッシュROM等の不揮発性メモリ素子であり、外部(CPU)から読出し要求を受信したときに、そのアドレス情報(Address)をデコードした値に該当するプログラムデータ(Data)を入出力バッファ107経由で要求元であるCPUへ供給する。このとき、否定論理のOE(Output Enable)信号が有効となっており、出力イネーブル回路106によりアドレスデコーダ105に出力イネーブル信号が供給されていることが条件である。
本発明で特徴的なことは、遅延回路103が不揮発性メモリに内蔵されていることである。遅延回路103は、CPUからメモリセル101に対する書込み要求信号(否定論理のWE:Write Enable信号)を制御回路102経由で受信し、所定時間遅延させた後、制御回路102へ送信する。制御回路102は、遅延回路103から所定時間遅延されたWE信号(否定論理)を受信することにより書込み回路104を起動し、CPUによって入出力バッファ107に供給されるプログラムデータ(Data)の書込みを許可する。すなわち、書込み動作を開始するまでの間に一定の遅延時間を設けている。このとき、データを書込むべきメモリセル101のアドレスは、アドレスデコーダ105へ供給されている。
このことにより、制御基板100に実装された不揮発性メモリが、CPUから書込み要求信号を受信して所定時間経過後に要求元に書込み許可信号を送信して書込みを許可する構成とすることで、プログラムを書替える不正行為に要する時間を長く設定できる。
なお、上記した本実施形態によれば、制御回路102からCPUに対し、書込み許可信号を通知するための1本の出力端子(Ready)が必要となる。但し、これは、レジスタ108を追加することにより不要になる。
すなわち、レジスタ108には、制御回路102により、メモリセル101へのプログラムデータの書込みがReady状態にあるか否かが設定される。具体的には、制御回路102が遅延回路103により所定時間遅延されたWE信号を受信することにより、レジスタ108の特定のビットに割付けられたReadyフラグをONする。このレジスタ108は、CPUにより読み出しが可能なように構成されている。このことにより、入出力ピン(出力端子:Ready)を不要とすることができ、入出力ピン数削減に寄与することができる。
なお、専用のレジスタ108を設けるまでもなく、メモリセル101の特定の領域で代替しても構わない。この場合、入出力バッファ107を介してCPUによって読み込まれ、プログラムデータの書込みが可能か否か判断される。
また、上記した遅延回路103を不揮発性メモリに内蔵させることにより、プログラムデータを書込む際、常に書込み遅延があるため、正規のプログラムデータを書込む量産時に工数がかかり、生産数が落ちてコストアップの要因になる。従って、ここでは、半導体メーカから納品された未書込みの不揮発性メモリに対して遅延回路103を動作させずに書込む配慮がなされており、このことにより、書込み作業の効率があがる。
このために、一度書込みを行ったか否かを判断するために必要な書込み履歴保持回路109が付加される。書込み履歴保持回路109は、具体的にはROMにヒューズ層を形成することで一度だけプログラム可能なワンタイムプログラムブルROM(ヒューズROM)で構成され、一度も書込みが行われていなければこの書込み履歴保持回路109を動作させることなく書込み動作を行い、書込み終了後、書込み履歴保持回路109に書込み実績があることを記録する。制御回路102は書込みにあたり、書込み履歴保持回路109を参照して書込みの履歴があれば上記したように、遅延回路103を動作させて書込み動作を一定時間遅延させる。
なお、書込み履歴保持回路109は、上記したようにフューズROMのように、一度記録されたら記録を消去できない半導体の他に、半導体メーカに持ち込まなければ記録を消せない半導体素子としても良い。要は、不正を行う者が簡単に書込み履歴の記録を消せない構造となっていることが重要である。
に、不揮発性メモリに対する書込み処理の流れがフローチャートで示されている。図において、制御回路102は、CPUからプログラムデータの書込み要求を受信したとき、まず、書込み履歴保持回路109を参照して書込み履歴の有無をチェックする(S51)。ここで、書込み履歴が無いことが確認された場合(S51、No)、すなわち、量産時、制御回路102は、CPUに対して即時書込み許可を応答する(S52)。
一方、S51の判断処理で書込み履歴があることが確認され場合(S51、Yes)、制御回路102は、遅延回路103出力による所定の遅延時間が経過したか否かをチェックし(S53)、所定の遅延時間が経過するまでタイマ値の更新を行い(S54)、所定の遅延時間経過後に書込みを許可する(S52)。
以上説明のように本発明は、制御基板に実装された不揮発性メモリが、CPUから書込み要求信号を受信して所定時間経過後に要求元に書込み許可信号を送信して書込みを許可する構成とすることで、プログラムを書替える不正行為に要する時間を長く設定でき、このことにより不正を困難にするものである。この間に、管理人等による監視、あるいは、扉が開放されるとそのホールの管理人へ異常を報知する検知装置等、不正行為を防止する機械的な対策と併用することで不正を発見できる機会が増え、従って、被害を最小限に抑えることができる。
また、本発明によれば、書込み許可を外部に通知するデータが設定される専用レジスタにより、あるいは専用レジスタの代替として不揮発性メモリ素子のある領域を用いることで、出力端子(ピン)が不要となり、このため、プログラムが記録される不揮発性メモリの小型化および高集積効果が得られ、遊技機における制御基板の実装スペースの有効利用もはかれる。
本発明実施形態に係るスロットマシンの外観構造を表した斜視図である。 本発明実施形態に係るスロットマシンの内部構造を表した図である。 本発明実施形態に係るスロットマシンの制御システムを表すブロック図である。 本発明実施形態に係る不揮発性メモリの内部構成例を示す図である。 本発明実施形態の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
100 制御基板
101 メモリセル
102 制御回路
103 遅延回路
104 書込み回路
105 アドレスデコーダ
106 出力イネーブル回路
107 入出力バッファ
108 レジスタ

Claims (2)

  1. 不揮発性メモリ素子と、
    外部から供給された、前記不揮発性メモリ素子に対するプログラムデータの書込み要求信号を受信する制御回路と、
    前記制御回路から供給された前記書込み要求信号を受信してから所定時間遅延させた後、前記制御回路へ送信する遅延回路と、
    前記遅延回路から送信された前記書込み要求信号を受信した前記制御回路により起動され、外部から供給された前記プログラムデータの前記不揮発性メモリ素子への書込みを許可する書込み回路と、
    前記制御回路により前記不揮発性メモリ素子への前記プログラムデータの書込みがReady状態にあるか否かが設定され、この設定内容が外部から読み出し可能なレジスタ回路と、
    から成る不揮発性メモリが実装された制御基板、
    を具備することを特徴とする遊技機。
  2. 不揮発性メモリ素子と、
    外部から供給された、前記不揮発性メモリ素子に対するプログラムデータの書込み要求信号を受信する制御回路と、
    前記制御回路から供給された前記書込み要求信号を受信してから所定時間遅延させた後、前記制御回路へ送信する遅延回路と、
    前記遅延回路から送信された前記書込み要求信号を受信した前記制御回路により起動され、外部から供給された前記プログラムデータの前記不揮発性メモリ素子への書込みを許可する書込み回路と、
    前記制御回路により前記不揮発性メモリ素子への前記プログラムデータの書込みがReady状態にあるか否かが設定され、この設定内容が外部から読み出し可能な前記不揮発性メモリ素子の任意の領域に割付けられた記憶領域と、
    から成る不揮発性メモリが実装された制御基板、
    を具備することを特徴とする遊技機。
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