JP4581943B2 - U字セグメント順次接合ステータコイル - Google Patents

U字セグメント順次接合ステータコイル Download PDF

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Description

本発明は、回転電機のステータコイルとして使用されるU字セグメント順次接合ステータコイルの改良に関し、特にその頭部側コイルエンドに用いるコイル間渡り線の改良に関する。
U字セグメント順次接合ステータコイルが、たとえば車両用交流発電機などのステータコイルとして提案され、実用化されている。下記の特許文献1〜21は、本出願人により出願されたU字セグメント順次接合ステータコイルの一部である。このU字セグメント順次接合ステータコイルは、U字導体の一対の脚部をステータコアの一端面側からステータコアの略1磁極ピッチ離れたスロットに個別に挿通し、ステータコアの他端面側にて相ごとに直列接続して構成される。
U字導体は、U字状の頭部先端部と、この頭部先端部の両端から個別に延在する一対の頭部斜行部と、これら一対の頭部斜行部から延在してスロットに個別に収容される一対のスロット導体部と、これら一対のスロット導体部から個別に延在する一対の端部斜行部と、端部斜行部の先端部により構成されて他のU字導体の端部斜行部の先端部に接合される端部先端部(接合部)とからなる。
頭部先端部及び頭部斜行部は頭部側コイルエンドを構成し、頭部斜行部及び端部先端部は端部側コイルエンドを構成する。スロット導体部と頭部斜行部と端部先端部とは脚部を構成している。各スロットは径方向において偶数個の導体収容位置をそれぞれ有している。各U字導体の一対のスロット導体部は、互いに異なる導体収容位置に収容されている。端部先端部が互いに接合される一対のU字導体のスロット導体部は、互いに異なる収容位置に収容されている。一本のU字導体の一対のスロット導体部を略1磁極ピッチ離隔するために、このU字導体の頭部斜行部及び頭部斜行部は周方向へ曲げられている。典型的な製造方法では、各頭部斜行部及び頭部斜行部はほぼ半磁極ピッチだけ周方向へ斜行している。
U字導体の頭部斜行部を周方向へ展開するために、松葉状に形成された未展開のU字導体の上記頭部斜行部予定部分は相対的に1磁極ピッチ捻られる。U字導体の一対の頭部斜行部予定部分の周方向への捻り(展開)は、U字導体のスロット導体部予定部分を一対のリング(回動リング又は捻りリングとも呼ぶ)で保持しつつ、この一対のリングを1磁極ピッチ相対回動させることにより実現される。更に説明すると、松葉状の未展開U字導体のスロット導体部予定部分を保持しつつ相対回動することによりU字導体の一対の頭部斜行部予定部分を周方向へ展開させて頭部斜行部となす頭部展開工程が実行される。
同様に、U字導体の端部斜行部を周方向へ展開するために、頭部斜行部が展開されたU字導体のスロット導体部をステータコアのスロットに挿入した後、端部斜行部予定部分をステータコアのスロットに挿通した後、端部先端部予定部分を一対のリングで保持しつつこの一対のリングを1磁極ピッチ相対回動させることにより、一対の端部斜行部予定部分を周方向へ捻って(展開して)端部斜行部となす端部展開工程が実行される。典型的なコイル捻り装置とその動作についてはたとえば下記の特許文献2、特許文献20及び特許文献21に開示されている。
一つのU字導体の一対のスロット導体部は互いに異なる2つの導体収容位置に個別に収容される。2つのU字導体の直列接続は、一方のU字導体の端部先端部と、この端部先端部に径方向に隣接する他方のU字導体の端部先端部とを接合することにより行われる。一例において、各スロットの周方向に隣接する2つの導体収容位置を用いて一つのU字セグメント順次接合ステータコイルを構成することができる。これを2位置型U字セグメント順次接合ステータコイルと称する。他例において、各スロットの周方向に隣接する4つの導体収容位置を用いて一つのU字セグメント順次接合ステータコイルを構成することができる。これを4位置型U字セグメント順次接合ステータコイルと称する。4位置型U字セグメント順次接合ステータコイルは、径方向最内側の導体収容位置と径方向最外側の導体収容位置とに一対の脚部が個別に収容される大セグメントと、径方向二番目の導体収容位置と径方向三番目の導体収容位置とに一対の脚部が個別に収容される小セグメントとが用いられる。頭部側コイルエンドにおいて、大セグメントの頭部先端部は小セグメントの頭部先端部を包むように配置される。
このようにして構成された各相コイルをたとえば星形接続してU字セグメント順次接合ステータコイルが完成される。各相コイル(一相のU字セグメント順次接合ステータコイル)の中性点引き出し線及び相出力引き出し線は、適切な部位でU字状セグメントのU字状の頭部を分割することにより、あるいは、2つのI字導体により構成することができる。
スロットの導体収容位置を増加することにより、スロットの2つの導体収容位置を占有する2位置型U字セグメント順次接合ステータコイル、もしくは、スロットの4つの導体収容位置を占有する4位置型U字セグメント順次接合ステータコイルを径方向へ複数配置できることは明白である。更に詳しく説明すると、2位置型U字セグメント順次接合ステータコイルではスロットの互いに隣接する2つの導体収容位置がU字導体のスロット導体部により占有され、4位置型U字セグメント順次接合ステータコイルではスロットの互いに隣接する2つの導体収容位置がU字導体のスロット導体部により占有される。上記2位置型U字セグメント順次接合ステータコイルや4位置型U字セグメント順次接合ステータコイルを径方向に重ねて配置すれば、モータ出力を向上することができる。
以下、この方式を複数コイル径方向重ね構造と称し、これら複数のコイルのうち、径方向内側のコイル(すなわち内側のU字セグメント順次接合ステータコイル)を内側コイルと称し、径方向外側のコイル(すなわち外側のU字セグメント順次接合ステータコイル)を外側コイルと略称する。
上記した複数コイル径方向重ね構造における頭部斜行部の形成のために、内側コイル用U字導体と外側コイル用U字導体とを、多重回動リングを用いて一斉同時に捻る方法が提案されている。以下、この方式を一斉捻り方式又は一斉回動方式と呼ぶ。
上記した内側コイル及び外側コイルからなる複数コイル径方向重ね配置方式では、同相の内側コイルと外側コイルとを直列接続するために、外側コイルの最終(最初でもよい)のスロット導体部と、内側コイルの最初(最終でもよい)のスロット導体部と、これら2つのスロット導体部を連ねる特別形状の頭部とをもつコイル間渡り線を用いて、内側コイルと外側コイルとを直列接続することが好適である。
上記説明したU字セグメント順次接合ステータコイル及びその製造方法は、既述した下記の特許文献などによりもはや周知技術のレベルに達しているため、これ以上の従来技術説明は省略する。このU字セグメント順次接合ステータコイルは、明らかに古来の巻回式のステータコイルに比べて巻き線構造が簡単となる結果、スロット占積率向上やコイルエンドのコンパクト化を実現することができるうえ、巻き線工程も簡素化することができる。
特許第3118837号公報 特許第3178468号公報 特許第3199068号公報 特開2000−139049号公報 特開2000−350423号公報 特開2001−045721号公報 特開2001−069731号公報 特開2001−245447号公報 特開2002−218689号公報 特開2003−189520号公報 特開2004−032882号公報 特開2004−032884号公報 特開2004−032890号公報 特開2004−032897号公報 特開2004−048939号公報 特開2004−048941号公報 特開2004−048967号公報 特開2004−064914号公報 特開2004−166316号公報 特開2005−6364号公報 特開2005−211951号公報
上記した内側コイル及び外側コイルからなる複数コイル径方向重ね配置方式は、これら両コイル間を相ごとに接続するコイル間渡り線を必要とした。このため、従来より、一対のスロット導体部の一方を内側コイルと同じ導体収容位置に配置し、一対のスロット導体部の他方が外側コイルと同じ導体収容位置に配置し、これら一対のスロット導体部を頭部側コイルエンドにおいて大きなU字状頭部である頭部渡り部により繋いでなるコイル間渡り線を採用していた。この頭部渡り部は、U字状の頭部先端部と、互いに周方向逆向きに捻られて(展開された)、頭部先端部の両端を上記一対のスロット導体部に個別に接続する一対の斜行渡り部とからなる。このため、従来のコイル間渡り線の一対の斜行渡り部は、全体としてハ字状に形成されていた。
しかしながら、ハ字状の斜行渡り部をもつ従来のコイル間渡り線の一対のスロット導体部は、内側コイル及び外側コイルの特定の導体収容位置にしか収容することができず、その結果、内側コイルと外側コイルとの接続パターンが限定されてしまうという欠点があった。
更に説明すると、U字セグメント順次接合ステータコイルでは、内側コイル及び外側コイルの実質1ターンを構成するU字導体(通常U字導体とも言う)の他に、内側コイルと外側コイルとを相ごとに接続するコイル間渡り線、内側コイル内の同じ相の通常U字導体を接続する内側コイル内渡り線、外側コイル内の同じ相の通常U字導体を接続する外側コイル内渡り線、外部端子をなす外部引き出し線、中性点に接続する中性点用引き出し線を各相ごとに必要とする。外部端子や中性点の位置は回転電機の設計条件により限定された位置に配置され、その結果として他の線の周方向位置をおのずから定められてしまう。この結果、従来のようにコイル間渡り線の導体収容位置が限定されることは、U字セグメント順次接合ステータコイルの設計自由度を著しく制限してしまう。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、内側コイルと外側コイルとの間を繋ぐコイル間渡り線の配置自由度を大幅に改善したU字セグメント順次接合ステータコイルを提供することをその目的としている。
上記課題を解決するこの発明のU字セグメント順次接合ステータコイルは、スロットの内側コイル用導体収容位置に軸方向一方側から挿通された多数の内側コイル用U字導体の先端を順次接続してなる内側コイルと、前記スロットの外側コイル用導体収容位置に軸方向一方側から挿通された多数の外側コイル用U字導体の先端を順次接続して前記内側コイルの径方向外側に配設される外側コイルと、前記内側コイルの一端と前記外側コイルの一端とを接続するコイル間渡り線とを備え、
前記内側コイル及び外側コイルの頭部側コイルエンドは、前記U字導体の頭部先端部と、この頭部先端部の両端から周方向及び軸方向に対して斜設されて前記スロットに達する一対の頭部斜行部とを有するU字セグメント順次接合ステータコイルにおいて、前記コイル間渡り線は、前記内側コイルの頭部斜行部と径方向等位置にて周方向及び軸方向に対して斜設されて前記スロットに達する内側の斜行渡り部と、前記外側コイルの頭部斜行部と径方向等位置にて周方向及び軸方向に対して斜設されて前記スロットに達する外側の斜行渡り部と、前記2つの斜行渡り部を連ねる頭部渡り部とを有し、前記頭部渡り部は、内側コイルの頭部先端部と外側コイルの頭部先端部との間のコイル間窪み部に収容されて周方向へ延在する周方向渡り部と、前記周方向渡り部の一端から前記内側コイルの前記頭部先端部の間のセグメント間隙間に収容されて略径内方向へ延在し、前記内側の斜行渡り部に達する前記内側の径方向渡り部と、前記周方向渡り部の他端から前記外側コイルの前記頭部先端部の間のセグメント間隙間に収容されて略径外方向へ延在し、前記外側の斜行渡り部に達する前記外側の径方向渡り部とを有し、前記コイル間渡り線の一対の斜行渡り部は、周方向同じ向きに延在していることをその特徴としている。
すなわち、この発明のコイル間渡り線は、周方向へ延在する周方向渡り部とその両端から略径方向へ延在する径方向渡り部とからなる頭部渡り部と、この頭部渡り部の一対の径方向渡り部の先端から互いに周方向同じ向きに斜行する一対の斜行渡り部を有している。このようにすれば、本発明のコイル間渡り線の互いに周方向同じ向きに斜行する一対の斜行渡り部は、互いに周方向同じ向きに斜行する通常U字導体の頭部斜行部に周方向に隣接することができるため、従来の「ハ字状の斜行渡り部をもつ従来のコイル間渡り線」では決して配置することができなかった内側コイルのための導体収容位置と外側コイルの導体収容位置との間に配置することができる。たとえば、内側コイル及び外側コイルのたとえば時計方向に斜行する頭部斜行部に連なるスロット導体部が収容される導体収容位置にコイル間渡り線の一対のスロット導体部を収容することができる。これに対して、従来の「ハ字状」の斜行渡り部をもつコイル間渡り線の一対の斜行渡り部は互いに周方向逆向きに斜行する頭部斜行部にしか周方向に隣接することができない。このため、必要に応じて、本発明のコイル間渡り線を用いたり、従来のハ字状のコイル間渡り線を用いたりすることにより、コイル間渡り線の配置自由度を増大することができる。
好適な態様において、前記二つの径方向渡り部の一方は、前記内側コイル用U字導体又は前記外側コイル用U字導体の頭部先端部の間のセグメント間隙間にあって当該頭部先端部の軸方向外側から当該頭部先端部の周囲を半周する形状方向転換部を有する。これにより、通常U字導体の軸方向最も外側のU字状頭部に干渉するのを防止しつつ、コイル間渡り線の一対の斜行渡り部を周方向同じ向きに斜行させることができる。すなわち、既述したように本発明のコイル間渡り線は、一対の径方向渡り部と、内側コイルと外側コイルの間に位置して周方向へ延設されてこれら一対の径方向渡り部を繋ぐ周方向渡り部とをもつため、コイル間渡り線の一対の斜行渡り部が、通常U字導体のU字状に形成されて略径方向に延在するその頭部先端部と空間的に干渉する可能性が大きくなる。そこでこの発明では、コイル間渡り線の一対の径方向渡り部の一方を、内側コイル又は外側コイルのための通常U字導体の頭部先端部の軸方向外側からこの頭部先端部の周囲を半周するように湾曲させることによりその後の斜行渡り部の向きを反転する構成を採用している。このようにすれば、コイル間渡り線の特にその径方向渡り部と通常U字導体の頭部先端部との上記空間的な干渉を良好に回避しつつコイル間渡り線の一対の斜行渡り部を周方向同じ向きに斜行させることができる。また、この態様によれば、コイル間渡り線の一対の径方向渡り部のうち、方向転換部をもつ径方向渡り部は軸方向外側に突出しつつ略径方向からみて略半円形状に湾曲するため、この方向転換部の内部の空間に、コイル引き出し線や中性点用引き出し線やコイル内渡り線の径方向延在部分を配置することもできる。なお、ここで言うコイル引き出し線とは内側コイル又は外側コイルの端部を外部端子に接続するための引き出し線を意味し、中性点用引き出し線とは内側コイル又は外側コイルの端部を中性点に接続する引き出し線を意味し、コイル内渡り線とは内側コイル又は外側コイル内において同相の部分コイル間を接続する渡り線を意味する。更に、この方向転換部は、通常U字導体の略径方向に延在する頭部先端部と、コイル引き出し線や中性点用引き出し線やコイル内渡り線の径方向延在部分とをまとめて迂回することもできる。これにより、引き出し線やコイル内渡り線の径方向延在部と本発明のコイル間渡り線とをクロスさせることができる。その結果、U字セグメント順次接合ステータコイルのコイル間渡り線の配置自由度を向上することができる。
更に詳しく説明すると、内側コイル及び外側コイルからなる複数コイル径方向重ね配置方式において、コイル間渡り線は、内側コイル用U字導体及び外側コイル用U字導体(通常U字導体と総称する)とは異なる周方向展開量をもつ場合がある。この場合、コイル間渡り線が接続すべき内側コイルの最終の周方向位置(又は最初の周方向位置)と外側コイルの最初の周方向位置(又は最終の周方向位置)とは、通常U字導体の周方向展開量(通常は1磁極ピッチ)とは全く異なる。また、内側コイルや外側コイルがたとえば4位置型U字導体順次接続式コイルで構成される場合、大セグメントのU字状頭部により囲まれる小セグメントのU字状頭部にコイル間渡り線を繋ぐ場合、コイル間渡り線の配置に際して、大セグメントのU字状頭部が邪魔になる。更に、コイル間渡り線の一対の斜行渡り部は、それらと周方向に隣接する通常U字導体の頭部斜行部と同じ向きに斜行する必要があるが、その結果としてコイル間渡り線の一対の斜行渡り部を周方向同一向きに斜行させねばならない場合も生じる。この場合には、コイル間渡り線の頭部渡り部の三次元形状が非常に複雑となることが予想され、実用的な構造及び製造方法についてまだ開発されていなかった。これが、従来、コイル間渡り線の一対の斜行渡り部を周方向同じ向きに斜行させていた理由である。これに対して、この態様によれば、コイル間渡り線の一つの径方向渡り部に上記方向転換部を設けたため、他の通常U字導体の頭部先端部との干渉を抑止しつつ、コイル間渡り線の一対の斜行渡り部を周方向同じ向きに斜行させることが可能となった。
好適な態様において、前記内側コイル及び外側コイルのうち、前記コイル間渡り線の方向転換部に近接する側のコイルは、スロットの径方向に連続する4つの導体収容位置に挿通される小セグメント及び大セグメントにより構成され、前記コイル間渡り線の方向転換部に連なる斜行渡り部は、前記小セグメントの頭部斜行部に周方向に隣接して前記小セグメントの頭部斜行部と周方向同じ向きに斜行している。
すなわち、この態様によれば、コイル間渡り線の頭部渡り部に属する一対の径方向渡り部のうち、方向転換部をもつ径方向渡り部は4位置型U字導体順次接続式コイルを構成する小セグメント及び大セグメントのうち、小セグメントの頭部斜行部に周方向に隣接してこの頭部斜行部と周方向同じ向きに斜行する。この時、小セグメントのU字状の頭部先端部は大セグメントのU字状の頭部先端部により囲まれているが、この態様のコイル間渡り線の頭部渡り部は、この大セグメントの頭部先端部の周囲を半周する形状に形成されているため、コイル間渡り線の一対の斜行渡り部を支障無く周方向同じ向きとし、かつ、その斜行渡り部を周方向に隣接する小セグメントの頭部斜行部と同じ向きに斜行させることができる。また、この方向転換部により引き出し線やその他の渡り線を迂回させることもできる。
好適な態様において、前記内側コイルの一端と前記外側コイルの一端とを接続するコイル間渡り線を複数本有し、前記複数のコイル間渡り線の少なくとも一本の径方向渡り部は、前記方向転換部を有し、前記複数のコイル間渡り線同士は、前記方向転換部以外の部位にて軸方向に重なる。すなわち、この態様によれば、軸方向に重なる2つのコイル間渡り線が、上記した軸方向に膨設される径方向渡り部の方向転換部を避ける位置にて軸方向に重なるため、二階建てのコイル間渡り線構造を頭部側コイルエンドの軸方向突出長増大を抑止しつつ実現することができる。
本発明のU字セグメント順次接合ステータコイルを車両用交流発電機のステータコイルとして採用した実施形態を図面を用いて説明する。ただし、本発明は下記の実施形態に限定解釈されるべきではなく、本発明の技術思想を他の公知技術等を用いて実施しても良いことは当然である。
(実施形態1)
(全体構造の説明)
この車両用交流発電機の軸方向断面図を図1に示す。ただし、図1においてステータコイル12は模式的に図示されている。交流発電機は電機子として働く固定子10と、界磁子として働く回転子50と、フロントハウジング61及びリアハウジング62と、交流電力を直流電力に変換する整流器65とを備えている。回転子50はシャフト51と一体に回転するもので、ランデル型ポールコア52、界磁コイル53、スリップリング54、斜流ファン56及び遠心ファン57を備えている。ランデル型ポールコア52は一組のポールコア52a及び52bを組合わせて構成されている。シャフト51はプーリ58を通じて車両エンジンにより回転駆動される。フロントハウジング61及びリアハウジング62は回転子50を支持するとともに固定子10を挟持している。
固定子10は、ステータコア11と、ステータコア11に巻装されたステータコイル12とからなる。ステータコイル12は、多数のU字導体を順次接続して構成された公知のU字セグメント順次接合ステータコイルである。13はステータコイル12のうちステータコア11からリヤ側に突出する頭部側コイルエンド、14はステータコイル12のうちステータコア11からフロント側に突出する端部側コイルエンドである。したがって、U字セグメント順次接合ステータコイルを構成する各U字導体は、ステータコア11の各スロットにリヤ側からフロント側へ貫挿されている。各U字導体の先端部は相ごとに順次接続されて3つの相コイルが形成され、各相コイルが三相星形巻線されてステータコイル12を構成している。
図1に示す実施例では、各U字導体の一対の脚部は1磁極ピッチ離れた一対のスロットに個別に収容されている。図1において、スロットは、径方向に8つの導体収容位置をもち、径方向内側から1〜4番目の導体収容位置に内側コイル用U字導体が挿通され、径方向内側から5〜8番目の導体収容位置に外側コイル用U字導体が挿通されている。各内側コイル用U字導体は端部側にて順次接続されて内側コイルを構成し、各外側コイル用U字導体は端部側にて順次接続されて外側コイルを構成している。内側コイル及び外側コイルはそれぞれ3相の相コイルにより構成され、内側コイル及び外側コイルの同相の相コイルは後述するコイル間渡り線により直接接続されている。この実施例では、内側コイルの各相コイルの残る端部は相互に接続されて中性点を構成し、外側コイルの各相コイルの残る端部はそれぞれの相の外部引き出し線を構成している。
(頭部側コイルエンドの説明)
頭部側コイルエンド13は、各U字導体のU字状頭部により構成されている。このU字状頭部は、U字状の頭部先端部とこの頭部先端部の両端から軸方向スロットへ向けて近づきつつ周方向へ略半磁極ピッチ延在する(斜行する)一対の頭部斜行部とからなる。同じU字状頭部の一方の頭部斜行部と他方の頭部斜行部とは径方向に1導体収容位置ピッチだけずらして配置され、U字状の頭部先端部は略径方向に延在してこれら一対の頭部先端部を連ねている。
なお、端部側コイルエンド14は、各U字導体の飛び出し端部からなる。この飛び出し端部は、スロットから出た後、軸方向スロットから離れる向きへ延在しつつ周方向へ略半磁極ピッチだけ延在する(斜行する)一対の端部斜行部と、端部斜行部の先端から軸方向に突出する端部先端部とからなる。内側コイル用U字導体の互いに径方向に隣接する一対の端部先端部は溶接され、外側コイル用U字導体の互いに径方向に隣接する一対の端部先端部は溶接されている。
この実施例では、内側コイル及び外側コイルは、既述した互いに径方向に隣接する4つの導体収容位置を占めるU字導体により構成される4位置型U字セグメント順次接合ステータコイルからなり、形状及び構造は本質的に同じである。内側コイルに用いる内側コイル用U字導体を図2を参照して説明する。外側コイルに用いる外側コイル用U字導体の形状及び構造も図2に示すものと同じである。
図2において、各スロットの径方向に連続する4つの導体収容位置のうち1、4番目の導体収容位置に頭部曲率半径が大きいU字導体である大セグメント17が挿通され、2、3番目の導体収容位置に頭部曲率半径が小さいU字導体である小セグメント27が挿通されている。大セグメント17のうち一対のスロット挿入部分をスロット導体部18a、18bと称する。小セグメント27のうち一対のスロット挿入部分をスロット導体部28a、28bと称する。19は大セグメント17のU字状頭部、29は小セグメント27のU字状頭部である。大セグメント17は、一対の飛び出し端部21a及び21bをもち、飛び出し端部21a及び21bは端部斜行部22a及び22bと、端部先端部23a及び23bとをもつ。同様に、小セグメント27は、一対の飛び出し端部31a及び31bをもち、飛び出し端部31a及び31bは端部斜行部32a及び32bと、端部先端部33a及び33bとをもつ。端部先端部23bと33bは溶接されて溶接部41aとなり、端部先端部23a、33aは溶接されて溶接部41bとなる。結局、4位置型U字セグメント順次接合ステータコイルでは、小セグメント27とこれを囲む大セグメント17とにより構成されることがわかる。
この大セグメント17と小セグメント27とのペアをそれぞれ用いたステータコイル12の頭部側コイルエンド13の形状を図3に示す。100は内側コイル、200は外側コイルである。図3において、17aは、大きなU字導体である大セグメント17の頭部先端部、27aは、小さいU字導体である小セグメント27の頭部先端部、17bは大セグメント17の径方向内側の頭部斜行部、17cは大セグメント17の径方向外側の頭部斜行部、27bは小セグメント27の径方向内側の頭部斜行部、27cは小セグメント27の径方向外側の頭部斜行部、17dは大セグメント17の内側のスロット導体部、17eは大セグメント17の外側のスロット導体部、27dは小セグメント27の内側のスロット導体部、27eは小セグメント27の外側のスロット導体部である。
ステータコア11のスロットは、径方向に8つの導体収容位置C1〜C8を有している。導体収容位置C1〜C4には内側コイル100を構成する大セグメント17及び小セグメント27のスロット導体部17d、27d、27e、17eが収容されている。導体収容位置C5〜C8には外側コイル200を構成する大セグメント17及び小セグメント27のスロット導体部17d、27d、27e、17eが収容されている。
上記した4位置型U字セグメント順次接合ステータコイルの標準の構造及び製造方法については、先に記載した各特許文献たとえば特許文献20等に詳述されてもはや周知となっているため、これ以上の説明を省略する。ただし、本発明は、上記した4位置型U字セグメント順次接合ステータコイル以外にたとえば2位置型U字セグメント順次接合ステータコイルなどにも採用できることはもちろんである。
(コイル間渡り線の配置)
コイル間渡り線300の配置を図3〜図5に示す。コイル間渡り線300のスロット導体部は導体収容位置C2、C6間に配置されている。図3は頭部側コイルエンド13近傍の側面図であり、図4は頭部側コイルエンド13のコイル間渡り線300近傍を周方向に展開した状態を示す周方向部分展開図であり、図5は頭部側コイルエンド13を軸方向リヤ側からみた正面図である。
図3において、300は、内側コイル100と外側コイル200とを相ごとに直列接続するためのコイル間渡り線である。コイル間渡り線300は、
内側コイルの一端と外側コイル200の一端とを接続するコイル間渡り線である。C1〜C8はスロットの径方向に並ぶ8つの導体収容位置を示す。C1は径方向最内側の導体収容位置、C8は径方向最外側の導体収容位置を示す。
コイル間渡り線300は、所定のスロットの導体収容位置C2に収容される内側のスロット導体部301と、所定のスロットの導体収容位置C6に収容される外側のスロット導体部302と、スロット導体部301から延設されて内側コイル100の小セグメント27の頭部斜行部27bと周方向同じ向きに斜設される内側の斜行渡り部303と、スロット導体部302から延設されて外側コイル200の小セグメント27の頭部斜行部27bと周方向同じ向きに斜設される外側の斜行渡り部304と、2つの斜行渡り部303、304を連ねる頭部渡り部305とからなる。スロット導体部301は、内側コイル100の最初(または最終)のスロット導体部を構成しており、スロット導体部302は、外側コイル200の最終(又は最初)のスロット導体部を構成している。コイル間渡り線300の内側の斜行渡り部303は、内側コイル100の頭部斜行部27bと径方向等位置にてそれと同一方向に斜設され、更に、コイル間渡り線300の外側の斜行渡り部304は、外側コイル200の頭部斜行部27bと径方向等位置にてそれと同一方向に斜設されている。すなわち、コイル間渡り線300の頭部渡り部305の径方向内端に連なって周方向かつ軸方向へ斜行する内側の斜行渡り部303は、内側コイル100の小セグメント27の頭部斜行部27bの一つが占有するべき位置に配置される。また、コイル間渡り線300の頭部渡り部305の径方向外端に連なって周方向かつ軸方向へ斜行する外側の斜行渡り部304は、外側コイル200の小セグメント27の頭部斜行部27bが占有すべき位置に配置される。つまり、コイル間渡り線300の斜行渡り部303が、内側コイル100の小セグメント27の頭部斜行部27bと径方向等位置にてそれと同一方向に斜設され、更に、コイル間渡り線300の斜行渡り部304が、外側コイル200の小セグメント27の頭部斜行部27bと径方向等位置にてそれと同一方向に斜設されているため、斜行渡り部303、304から頭部渡り部305への連続と方向変換とが、他の小セグメント27の各部に邪魔されることは無い。次に、頭部渡り部305について更に詳しく説明する。頭部側コイルエンド13のコイル間渡り線300近傍を軸方向後方から見た状態を図5に示す。頭部渡り部305は、内側コイル100と外側コイル200との境界部に沿いつつ周方向に延在する周方向渡り部3051と、内側の径方向渡り部3052と、外側の径方向渡り部3053とからなる。周方向渡り部3051は、内側コイル100の頭部先端部17aと外側コイル200の頭部先端部17aとの間に位置して周方向へ延在するコイル間窪み部xに収容されて周方向へ延在する。
内側の径方向渡り部3052は、周方向渡り部3051の一端から内側コイル100の大セグメント17の頭部先端部17aの間のセグメント間隙間yに収容されて略径内方向へ延在している。内側の径方向渡り部3052は、内側コイル100の各小セグメント27の頭部先端部27aの一つが占めるべき位置にて他の頭部先端部27aと同様に略径方向に延在している。
外側の径方向渡り部3053は、周方向渡り部3051の他端から外側コイル200の大セグメント17の頭部先端部17aの間のセグメント間隙間zに収容される前に、図5に示すように大セグメント17の頭部先端部17aの軸方向外側に覆い被さるように屈曲した後、このセグメント間隙間z内に曲げられ、その後、反時計方向に斜行する。結局、径方向渡り部3053は、大セグメント17の頭部先端部17aの周囲を約半周湾曲して方向を反転し、その後、反時計方向に斜行する斜行渡り部に連なっている。この明細書では、径方向渡り部3053の上記約180度方向変換する部位を方向転換部と称する。なお、図5において、黒く着色した領域はコイル間渡り線300の頭部渡り部305の後端面をなす平坦側面である。
この実施形態のコイル間渡り線300の頭部渡り部305は、大セグメント17の軸方向外側に突出する上記径方向渡り部3053はもつものの、全体として、図3に示すように略クランク形状に形成されているため、頭部渡り部305をコンパクトに配置できるとともに、頭部側コイルエンド13の軸方向突出長を上記方向転換部を除いて縮小することができる。また、周方向渡り部3051の長さ及び位置を調節することにより、外側コイル200と相ごとに接続すべき内側コイル100の相ごとの開始(又は終了)位置を適切に選択することができる。同じく、内側コイル100と相ごとに接続すべき外側コイル200の相ごとの終了(又は開始)位置を適切に選択することができる。
(コイル間渡り線300の製造方法の説明)
以下、コイル間渡り線300の作製について以下に説明する。まず、コイル間渡り線300及び通常U字導体の周方向展開に用いる多重回動リング400について説明する。
(多重回動リングの説明)
この実施形態にて用いる4重リングにより構成した多重回動リング400について図6を参照して説明する。この多重回動リング400は、通常U字導体やコイル間渡り線用U字導体を周方向展開する(捻る)ため装置である。ただし、この発明の実施に採用可能な多重回動リングは図12に示す四重の多重回動リング400に限定されるものではなく、8重リング構成としてもよく、3重リング構成としてもよく、あるいはその他の個数のリング構成としてもよい。
図6に示す4重リング構成では、各スロットの導体収容位置C1、C2のU字導体の直線部を保持するリング401と、各スロットの導体収容位置C3、C4のU字導体の直線部を保持するリング402と、各スロットの導体収容位置C5、C6のU字導体の直線部を保持するリング403と、各スロットの導体収容位置C7、C8のU字導体の直線部を保持するリング404とを相対回動可能に同軸配置してなる。一斉回動時にリング401、403は時計方向へ、リング402、404は反時計方向へ回動するものとする。
なお、8重リング構成では、相対回動可能に同軸配置された8つのリングが各導体収容位置C1〜C8ごとに個別に配置される。3重リング構成では、各スロットの導体収容位置C1、C2のU字導体の直線部を保持するリングと、各スロットの導体収容位置C3〜C6のU字導体の直線部を保持するリングと、各スロットの導体収容位置C7、C8のU字導体の直線部を保持するリングとを相対回動可能に同軸配置して構成される。なお、いずれの構成においても、各リングは、周方向にスロットピッチでU字導体の直線部を保持する孔を有している。
(コイル間渡り線300の周方向展開方法の説明)
コイル間渡り線300の周方向展開方法の好適な実施形態を以下に説明する。
図3〜図5に示すコイル間渡り線300の一対の斜行渡り部303、304は導体収容位置C2、C6に配置される。斜行渡り部303は内側コイル用U字導体の小セグメント27の径方向内側の頭部斜行部27cに対して周方向に隣接し、斜行渡り部304は外側コイル用U字導体の小セグメント27の径方向内側の頭部斜行部27cに対して周方向に隣接する。
多重回動リング400として4重リングを用いる場合、導体収容位置C2、C6のスロット導体部を回動させる一対のリング401、403は同方向に回動し、コイル間渡り線300の一対の斜行渡り部303、304は図10に示すように周方向同じ向きに斜行する。つまり、図5にて説明すると、黒く塗りつぶした頭部渡り部305のうち、径方向渡り部3053は、径方向渡り部3052から時計方向へ延在する周方向渡り部3051を、反時計方向へ延在するコイル間渡り線300の斜行渡り部304(図3参照)に繋ぐため、180度方向反転する必要がある。このため、この実施形態3では、予めプレス成形などにより頭部渡り部305の形状を作製した直線部未展開のコイル間渡り線300の直線部に実施形態4と同様の予備展開工程により所定スロットピッチの斜行渡り部の形成を予備的に行う。
更に具体的に説明する。リング401〜404の孔は、一斉展開直前において周方向等位置となっているべきである。したがって、コイル間渡り線300の一対の直線部は一斉展開直前にて放射線r4、r5(図5参照)上の孔に入るべきものであるが、コイル間渡り線300の直線部(すなわち径方向渡り部3052、3053の先端)は放射線r2、r3(実際には径方向渡り部3053の先端は放射線r3より更に時計方向にずれている)の位置に存在しており、周方向に半ピッチずれている。この問題を解決するには、径方向渡り部3052、3053に連なる一対の直線部を予め略半スロットピッチ余分に捻っておけばよい。
すなわち、プレス成形により頭部渡り部305が形成され、かつ、斜行渡り部303、304がまだ形成されていない(未展開の)コイル間渡り線300をまず最初にリング401、403に挿し、その後、頭部渡り部305の周方向回動を禁止しつつリング401、403を反時計方向へ略半スロットピッチだけ回動させて、その斜行渡り部303、304を半スロットピッチ斜行させる(予備展開工程)。なお、斜行渡り部303、304となるべきコイル間渡り線300の直線部はこの予備展開分だけあらかじめ余分に抜き出しておく。また、この予備展開の前のリング401、403の孔は、リング402、404の孔に対して略半スロットピッチずらしておき、予備展開後、各リング401〜404の孔は放射方向に並ぶようにする。
次に、未展開の通常U字導体(内側コイル用U字導体及び外側コイル用U字導体)を多重回動リング400に挿し、一斉回動を行う。これにより、コイル間渡り線300への斜行渡り部303、304の形成と通常U字導体への頭部斜行部の形成とを円滑に行うことができる。なお、リング403の予備回動量(予備捻り量)をリング401のそれより大きく設定しても良い。
(変形態様)
既述した4重の多重回動リング400を用いる代わりに、たとえば導体収容位置C1を占有するリングと導体収容位置C2を占有するリングとを別々のリングとし、同様に、導体収容位置C5を占有するリングと導体収容位置C6を占有するリングとを別々のリングとしてもよい。
(実施形態2)
次に、実施形態1で説明した方向転換部をもつコイル間渡り線300と、その他のコイル間渡り線とを軸方向に見た場合に重ねる二階建て構造のコイル間渡り線配置について以下に説明する。
図示説明は省略するが、コイル間渡り線としては、実施形態1で説明した導体収容位置C2、C6のスロット導体部を繋ぐコイル間渡り線の他に、導体収容位置C1、C8のスロット導体部を繋ぐコイル間渡り線や、スロット導体部C2、C7のスロット導体部を繋ぐコイル間渡り線などを採用することができる。
図3〜図5に示すコイル間渡り線300に第2のコイル間渡り線を軸方向に重ねる場合について図5を参照して説明する。図3〜図5からわかるように、実施形態1のコイル間渡り線300は、径方向渡り部3053だけが軸方向リヤ側に突出しているが、その周方向渡り部3051や径方向渡り部3052は軸方向へ突出していない。したがって、コイル間渡り線300の周方向渡り部3051上に第2のコイル間渡り線の周方向渡り部を問題なく配置することができる。
この場合には、この第2のコイル間渡り線300の周方向渡り部は、図5に示すコイル間渡り線300の周方向渡り部3051よりもコイル間渡り線300の軸方向幅だけ突出する。しかし、図5に示すコイル間渡り線300の径方向渡り部3053はもともとそれ以上、軸方向に突出しているため頭部側コイルエンドの軸方向突出長が更に増大することがない。
つまり、図5のコイル間渡り線300を二階建てコイル間渡り線構造の低層側に用いる場合、頭部側コイルエンドの軸方向長の増大を生じることなく他のコイル間渡り線を軸方向に重ねることができるわけである。
実施形態1のステータコイルを採用する車両用交流発電機の軸方向断面図である。 大セグメントと小セグメントとからなるコイル用のU字導体ペアの模式斜視図である。 頭部側コイルエンド構造を示す軸方向模式側面図である。 図3の頭部側コイルエンドの部分周方向展開図である。 図3の頭部側コイルエンドを後方から見た部分正面図である。 (a)はU字導体の周方向展開(捻り)に用いる多重回動リングを示す模式半平面図であり、(b)は模式径方向断面図である。
符号の説明
17 大セグメント
17a 頭部先端部
17b 頭部斜行部
17c 頭部斜行部
27 小セグメント
27a 頭部先端部
27b 頭部斜行部
27c 頭部斜行部
100 内側コイル
200 外側コイル
300 コイル間渡り線
301 スロット導体部
302 スロット導体部
303 斜行渡り部
304 斜行渡り部
305 頭部渡り部
3051 周方向渡り部
3052 径方向渡り部
3053 径方向渡り部
400 多重回動リング
401〜404 リング

Claims (4)

  1. スロットの内側コイル用導体収容位置に軸方向一方側から挿通された多数の内側コイル用U字導体の先端を順次接続してなる内側コイルと、前記スロットの外側コイル用導体収容位置に軸方向一方側から挿通された多数の外側コイル用U字導体の先端を順次接続して前記内側コイルの径方向外側に配設される外側コイルと、前記内側コイルの一端と前記外側コイルの一端とを接続するコイル間渡り線とを備え、
    前記内側コイル及び外側コイルの頭部側コイルエンドは、前記U字導体の頭部先端部と、この頭部先端部の両端から周方向及び軸方向に対して斜設されて前記スロットに達する一対の頭部斜行部とを有するU字セグメント順次接合ステータコイルにおいて、
    前記コイル間渡り線は、
    前記内側コイルの頭部斜行部と径方向等位置にて周方向及び軸方向に対して斜設されて前記スロットに達する内側の斜行渡り部と、前記外側コイルの頭部斜行部と径方向等位置にて周方向及び軸方向に対して斜設されて前記スロットに達する外側の斜行渡り部と、前記2つの斜行渡り部を連ねる頭部渡り部とを有し、
    前記頭部渡り部は、
    内側コイルの頭部先端部と外側コイルの頭部先端部との間のコイル間窪み部に収容されて周方向へ延在する周方向渡り部と、
    前記周方向渡り部の一端から前記内側コイルの前記頭部先端部の間のセグメント間隙間に収容されて略径内方向へ延在し、前記内側の斜行渡り部に達する前記内側の径方向渡り部と、
    前記周方向渡り部の他端から前記外側コイルの前記頭部先端部の間のセグメント間隙間に収容されて略径外方向へ延在し、前記外側の斜行渡り部に達する前記外側の径方向渡り部と、
    を有し、
    前記コイル間渡り線の一対の斜行渡り部は周方向同じ向きに延在していることを特徴とするU字セグメント順次接合ステータコイル。
  2. 請求項1記載のU字セグメント順次接合ステータコイルにおいて、
    前記二つの径方向渡り部の一方は、前記内側コイル用U字導体又は前記外側コイル用U字導体の頭部先端部の間のセグメント間隙間にあって当該頭部先端部の軸方向外側から当該頭部先端部の周囲を半周する形状方向転換部を有するU字セグメント順次接合ステータコイル。
  3. 請求項2記載のU字セグメント順次接合ステータコイルにおいて、
    前記内側コイル及び外側コイルのうち、前記コイル間渡り線の方向転換部に近接する側のコイルは、スロットの径方向に連続する4つの導体収容位置に挿通される小セグメント及び大セグメントにより構成され、
    前記コイル間渡り線の方向転換部に連なる斜行渡り部は、前記小セグメントの頭部斜行部に周方向に隣接して前記小セグメントの頭部斜行部と周方向同じ向きに斜行しているU字セグメント順次接合ステータコイル。
  4. 請求項2記載のU字セグメント順次接合ステータコイルにおいて、
    前記内側コイルの一端と前記外側コイルの一端とを接続するコイル間渡り線を複数本有し、
    前記複数のコイル間渡り線の少なくとも一本の径方向渡り部は、前記方向転換部を有し、
    前記複数のコイル間渡り線同士は、前記方向転換部以外の部位にて軸方向に重なるU字セグメント順次接合ステータコイル。
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