JP4581852B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式の複写機、プリンタ、FAX等の画像形成に係わる現像装置を有する画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置の一方式として、像担持体である感光体の周辺に帯電手段、像露光手段及び現像手段を配置し、帯電手段による感光体への帯電と像露光手段によって感光体上に潜像を形成し、当該静電潜像を現像手段である現像装置によって接触反転現像によりトナー画像形成を行う画像形成装置が用いられる。
近年、高度情報化技術の進展によりデジタル技術に基づく高画質の画像形成装置の必要性が高まっている。これらの要求に応えるためにトナーとキャリアからなる現像剤の小径化が必須である。
現像剤の小粒径化に伴い密度が増大し、現像剤同士の間隔が狭くなり、現像剤の流動性が低下しがちとなるため、現像スリーブ上の現像剤搬送量を管理することが重要となる。
すなわち、現像剤搬送量が適正値より少なければ十分な現像性が得られず、また同適正値よりも多ければ、キャリア付着や現像領域(ニップ部)で現像剤詰まり(パッキング)が発生する。これは、小粒径のキャリアからなる現像剤の場合は、キャリア付着や現像剤詰まりが発生しやすいので、現像剤搬送量の適正範囲は従来型の大粒径のキャリアに比較して狭くなっている。したがって、より正確な搬送量の管理が必要となる。
従来、現像スリーブ上の現像剤搬送量を測定する技術や、測定の結果から適正な現像剤搬送量に調整(以下、制御ともいう。)する次のような技術が提案されている。
現像スリーブ上の現像剤層からの反射光を検知し、この測定値から現像剤搬送量を算出し、適正な搬送量になるように現像剤規制ブレードの厚みを調整する方法(例えば、特許文献1参照)や、現像領域における現像剤と圧電センサとの接触を検知するか、また、反射光量を測定して、適正な搬送量になるように現像剤規制ブレードと現像スリーブとの間隙を調整する方法(例えば、特許文献2参照)等が提案されている。
特開2000−267436号公報 特開2002−258613号公報
しかしながら、搬送量を調整する方法に関しては、上記2件の従来技術とも現像剤規制ブレードを使用し、簡単な構成で搬送量を調整できる利点があるが、規制部にて現像剤に多大なストレスを与える欠点がある。特に、高画質を追求するために小粒径トナー+小粒径キャリアの現像剤を採用する場合には、ストレスによる現像剤劣化は従来の現像剤に比較して深刻なものとなる。そこで、現像剤の寿命を延長するめに、現像剤ストレスの少ない技術手段が求められている。
本発明は、上記のような欠点を回避し、現像剤のストレスを極力減少し、現像剤の寿命を延長できる現像装置を有する画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的は、下記の構成によって達成される。
(1)像担持体に形成された静電潜像を、現像剤を担持して回転する現像スリーブで顕像化する現像装置を有する画像形成装置において、前記現像スリーブ上の現像領域よりも上流側で、前記現像スリーブに平行に対向して設けられた現像剤層形成ローラと、当該現像剤層形成ローラ下流側に、前記現像スリーブに平行に対向して従動ローラとを設け、当該従動ローラが前記現像スリーブ上の現像剤層との接触により回転する際の回転数を測定した後、当該回転数から現像剤搬送量を算出し、適正な現像剤搬送量になるように前記現像剤層形成ローラの回転数を変化させることを特徴とする画像形成装置(第1の発明)。
(2)像担持体に形成された静電潜像を、現像剤を担持して回転する現像スリーブで顕像化する現像装置を有する画像形成装置において、前記現像スリーブ上の現像領域よりも上流側で、前記現像スリーブに平行に対向して設けられた現像剤層形成ローラと、当該現像剤層形成ローラ下流側に、前記現像スリーブに平行に対向して従動ローラとを設け、当該従動ローラが前記現像スリーブ上の現像剤層との接触により回転する際の回転トルクを測定した後、当該回転トルクから現像剤搬送量を算出し、適正な現像剤搬送量になるように前記現像剤層形成ローラの回転数を変化させることを特徴とする画像形成装置(第2の発明)。
(3)像担持体に形成された静電潜像を、現像剤を担持して回転する現像スリーブで顕像化する現像装置を有する画像形成装置において、前記現像スリーブ上の現像領域よりも上流側で、前記現像スリーブに平行に対向して設けられた現像剤層形成ローラと、当該現像剤層形成ローラ下流側に、前記現像スリーブに平行に対向して従動ローラとを設け、当該従動ローラが前記現像スリーブ上の現像剤層との接触により回転する際の前記従動ローラの回転軸の変位量を測定した後、当該変位量から現像剤搬送量を算出し、適正な現像剤搬送量になるように前記現像剤層形成ローラの回転数を変化させることを特徴とする画像形成装置(第3の発明)。
層形成ローラにより現像スリーブ上の現像剤搬送量が適正になるため、キャリア付着、画像かぶり等の画像不良を防止でき、且つ現像剤溜まりの発生がかなり回避されるので、規制部での圧力や摩擦による現像剤ストレスを低減でき、現像剤の寿命を延長できる。
以下本発明の実施の形態の画像形成装置について説明する。
図1は、画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
図1において、画像形成装置は、両面原稿自動送り装置RADFおよび画像形成装置本体Aからなっている。
両面原稿自動送り装置RADFは、画像形成装置本体Aの上部にあり開閉可能となっている。原稿給紙台aの原稿は、給紙ローラb、分離ローラc、レジストローラd、さらに搬送ドラムeに搬送され、原稿が搬送される。
次に、画像形成装置本体Aは、画像読み取り装置1、制御手段である制御部2、画像書き込み装置3、画像形成手段4、カセット給紙手段5、搬送手段6、定着装置7、排紙手段8、再搬送手段9等で構成されている。
画像読み取り装置1の光学系は、光源と第1ミラーを備える露光ユニット14、第2ミラーと第3ミラーから成るVミラーユニット15、レンズ16、CCDイメージセンサ17により構成されている。両面原稿自動送り装置RADFによる原稿読み取りは、露光ユニット14がスリット露光用ガラス13の下方の初期位置に停止した位置において行われる。原稿台ガラス11上の原稿の読み取りは、露光ユニット14及びVミラーユニット15を移動させながら行われる。
画像読み取り装置1において読み取られた原稿画像の画像情報は画像処理手段を含む制御部2により画像処理が行われ、画像データとして信号化され、一旦メモリに格納される。画像書き込み手段3に含まれる図示しない半導体レーザからの出力光が、像担持体である感光体ドラム21に照射され静電潜像を形成する。
画像形成手段4においては、像担持体である感光体ドラム21に対し、帯電器22により電荷(本実施の形態では負帯電)が付加され、画像書き込み手段3からのレーザ光照射により静電潜像が形成され、本発明に係わる現像装置23により静電潜像が顕像化されてトナー像(本実施の形態では負電荷)となる。なお、当該現像装置の詳細については後述する。次いで、カセット給紙手段5から搬送され、トナー像と同期がとられた転写材である用紙P上に転写器29Aにより転写され、分離器29Bにより用紙Pが剥離される。トナー像が転写された用紙Pは、搬送手段6により搬送され、定着手段7により定着され、排紙手段8により装置外の排紙トレイ81に排出される。一方、クリーニング手段であるクリーニング装置26により転写残のトナーが除去される。なお、両面コピーの場合は、第1面に画像形成された用紙Pは、搬送路切り替え板82により再搬送手段9に送り込まれ、反転され、再び画像形成手段4において第2面に画像形成後、排紙手段8により装置外の排紙トレイ81に排出される。反転排紙の場合は、搬送路切り替え板82により通常の排紙通路から分岐した用紙Pは、反転排紙部83においてスイッチバックして表裏反転された後、排紙手段8により装置外の排紙トレイ81に排出される。
次に、本発明に係わる現像剤搬送量(以下、単に搬送量という。)を調整する機構を具備した現像装置について説明する。
図2は、現像スリーブ上の現像剤層との接触により回転する従動ローラを具備する現像装置の拡大図を示す。
図3は、従動ローラ部の断面構成を示す図である。
なお、以降の図面における同一参照符号の部材は同一機能をもつこととする。
図2において、当該現像スリーブ231の内部には、固定の磁性体を有する磁気発生手段(マグネットロール)N、Sが内設され、現像剤は、不図示の駆動源に係合して反時計方向に回転する現像スリーブ231の回転に伴い、スリーブ表面に付着しながら現像領域Dに搬送される。232は前記現像スリーブ231上の現像剤搬送量を抑える現像剤層形成ローラ(以下、層形成ローラという。)で、固定の磁性体を有する磁気発生手段(マグネットロール)N、Sが内設され、不図示の駆動源からの動力で反時計方向に回転する。前記層形成ローラ232は、現像スリーブ231上の現像領域Dよりも前記現像スリーブ231の回転方向上流側に、前記現像スリーブ231のロール面に平行且つ一定の間隔で対向して現像剤層を挟むように設けられており、両ローラの対向部においてそれぞれの表面が逆(カウンター)方向に走行するように回転し、現像剤の搬送量を規制している。234は現像剤の攪拌部材である。
図3(a)は、従動ローラを軸方向から視た図で、図3(b)は、図3(a)のYY矢視断面を示している。
図3(a)、(b)において、233は、現像スリーブ231と平行に対向して設けられた従動ローラであり、当該従動ローラ233の両端部は、支持枠体236の両端折り曲げ部dに設けられたスライド溝Gに係合したスライド軸受235に軸着し、当該スライド軸受235は前記支持枠体236側に一端が固定されたコイルばね237を介して前記現像スリーブ233の回転中心方向である矢印H方向にスライド可能な機構になっている。ただし、従動ローラ233へのバネ圧は、現像スリーブ231に現像剤が存在しない場合には微接触する程度に設定するのが好ましい。
本発明は、現像剤の条件に応じて最適な搬送量を維持するために層形成ローラの回転数を制御することを特徴としている。
以下、層形成ローラの回転数の制御について説明する。
前記従動ローラ233は現像スリーブ231上の現像剤層との接触により回転するが、従動ローラ233の回転数、回転トルク、回転軸位置は現像スリーブ231上の現像剤層の搬送量に依存して変化するので、これらの回転数、回転トルク、回転軸位置から搬送量を算出することができる。すなわち、搬送量(現像剤層の厚み)が多いほど現像剤層が従動ローラ233を回転させる力が大きくなることから、従動ローラ233の回転数(回転速度)もしくは回転トルクは大きくなる。また従動ローラ233の回転軸の変位量も増加する。
第1の発明では、従動ローラの回転数を検知して搬送量を算出し、適正な搬送量に調整する方法がとられている。
従動ローラ233の回転数を測定するロータリーエンコーダM1が回転軸238に配備され、その回転数が制御部2に伝達される。当該制御部2で測定された回転数から搬送量が算出され、搬出量が目標値よりも少ない場合には、層形成ローラ232の回転数を下げ、搬送量が適正値(目標値)よりも多い場合には、層形成ローラ232の回転数を上げるように不図示の駆動部に指令することで、搬送量を目標値に近づくように調整している。
なお、制御部2は、従動ローラの回転数と搬送量との関係、および現像スリーブ231が適正量の現像剤を搬送するための層形成ローラ232の回転数のプログラムを記憶している。
第2の発明では、従動ローラの回転トルクを検知して搬送量を算出し、適正な搬送量に調整する方法がとられている。
図4は、回転トルクにより搬送量を算出する方式を説明するための図である。
搬送量の変化は従動ローラ233の回転トルクを変化させる。すなわち、搬送量が多ければ、回転トルクが上がり、搬送量が少なければ回転トルクが下がる。また、従動ローラ233の回転トルクが変化すると、現像スリーブ231の回転トルクも変化し、駆動力源である駆動モータ239の電流値も変化する。したがって、この電流値が電流計M2によって測定され、制御部2へ伝達される。さらに制御部2は、前記従動ローラ233の回転トルクを算出し、回転トルクから搬送量が算出され、搬送量が目標値よりも少ない場合には、層形成ローラ232の回転数を下げ、搬送量が目標値よりも多い場合には、層形成ローラ232の回転数を上げるように不図示の駆動部に指令することで、搬送量を目標値に近づくように調整している。
なお、制御部2は、回転トルクと搬送量との関係、および現像スリーブ231が適正量の現像剤を搬送するための層形成ローラ232の回転数のプログラムを記憶している。
第1、第2の発明の実施の形態では、従動ローラはスライド軸受と一緒に移動(スライド)するが、軸位置を固定しても良い。
第3の発明では、従動ローラの回転軸の変位量を検知して搬送量を算出し、適正な搬送量に調整する方法がとられている。
搬送量が変化すると、従動ローラ233の回転軸238の軸位置は変位する。
図5は、従動ローラの回転軸の変位を算出する方式を説明するための図である。
図6は、従動ローラの回転軸の変位を検知する検知部が搭載された図である。
図5、図6において、25は透過型光学センサで発光部251と受光部252から構成されている。253は楔状の遮光板で、当該楔部が前記発光部251と前記受光部252の間で前記受光部252の一部を遮るようにスライド軸受235に貼着されている。したがって、搬送量(現像剤層)の変化によって回転軸238(およびスライド軸受235)が変位するに伴い、受光部252の受光量も変化する。ただし、遮光板の楔部は、現像剤層の厚さが最大時と最小時でも受光部252の一部をカバーしているものとする。
搬送量が多くて現像剤層が厚いと回転軸235は押し上げられ、受光部252の受光量は増加し、逆に搬送量が少なくて現像剤層が薄いと回転軸238は押し下げられ受光量は
減少する。ここで検出された受光量は制御部2に伝達され、搬送量が算出される。
この場合も、制御部2は、搬送量が目標値よりも少ない場合には、層形成ローラ232の回転数を下げ、搬送量が目標値よりも多い場合には、層形成ローラ232の回転数を上げるように不図示の駆動部に指令することで、搬送量を目標値に近づくように調整している。
なお、制御部2は、受光量と搬送量との関係、および現像スリーブ231が適正量の現像剤を搬送するための層形成ローラ232の回転数のプログラムを記憶している。
しかしながら、搬送量が同じでもトナー濃度が変化した場合には従動ローラ233の回転数(回転トルク、軸変位量)は図7(a)に示すように変化する。例えば、トナー濃度が高い方が従動ローラ233の回転数(回転トルク、軸変位量)は大きくなる。また、搬送量とトナー濃度が同じでも温湿度が変化した場合には従動ローラ233の回転数(回転トルク、軸変位量)も図7(b)に示すように変化する。例えば、絶対湿度が低い方が従動ローラ233の回転数(回転トルク、軸変位量)は大きくなる。
図7は、トナー濃度や環境状態の変化による従動ローラの回転数(回転トルク、軸変位量)と搬送量との関係を示すグラフである。
そこで、トナー濃度、温湿度の変化による回転数(回転トルク、軸変位量)の測定誤差を補正すると、さらに搬送量の調整精度を向上させることができる。
図8は、図2、図4、図5における現像剤搬送量の制御を、トナー濃度と温湿度に応じた補正を加える方式を説明するための図である。
図8において、S1は、現像剤の透磁率を検知するトナー濃度検知センサで、検知された信号は制御部2へ伝達され、S2は、少なくとも湿度を含む稼働環境を検知する温湿度センサで、検知された信号は制御部2へ伝達される。
前記制御部2に伝達された前記ロータリーエンコーダM1(図3参照)による前記従動ローラ233の回転数、または現像スリーブ231の駆動モータ235の電流値、または従動ローラ233の回転軸変位量は、前記トナー濃度検知センサS1と前記温湿度センサS2とで検知されたデータで正常値(図7参照)範囲に補正され、当該正常値に応じた最適な搬送量に相当する層形成ローラ232の回転速度(回転数)を選択し、当該層形成ローラ232の駆動源にその回転数を指示する。
しかしながら、前記トナー濃度と、前記温湿度とが所定の範囲から外れた場合には、補正を行っも搬送量を正確に把握することは難しいと判断して、搬送量測定と搬送量調整を実施しないようにしてもよい。
なお、制御部2は、トナー濃度、環境条件で生じる従動ローラ232の回転数、または回転トルク、または回転軸変位量の誤差を補正する算出プログラムおよび、補正後に最適搬送量を得る層形成ローラの回転速度のテーブルを記憶しており、それらに応じて回転速度を選択し、不図示の駆動源を介して層形成ローラ232に回転の指示を出し、現像剤搬送量を制御することができる。
以上、本実施の形態では、従動ローラ233は回転の応答性を良くするために、図3(b)、図6(a)の実線にて示すような短いローラ(画像幅より短い)を使用しているが、層形成ローラ下流で現像領域上流に短いローラあるため、磁器ブラシへの接触跡(図6(b)参照)が懸念される(画像領域下流近傍に配置すれば接触跡の問題はない。)ので、プリントジョブ終了後に1回実施するのが好ましい。
なお、同図で、点線で示すような最大画像以上の長さの従動ローラにしておけば、従動ローラが現像スリーブ上の磁器ブラシに接触することによるブラシ形状が変化しても、画像幅全域に亘って均一(同レベル)になる(図6(c)参照)ので、従動ローラの接触跡が画像上で目立つことがない。これは大量のプリントジョブ実施中でも搬送量の測定ができる利点がある。
さらに、従動ローラを、層形成ローラよりも下流で且つ現像領域より上流に設置することで、現像スリーブ上の現像剤層(磁器ブラシ)を均一にする効果もある。
次に、本発明の効果を確認するための確認実験について述べる。
・確認実験1(図2参照)
実験条件
画像形成装置: デジタルモノクロ機
コピー速度: A4横送り、75枚/分
プロセス速度: 420mm/秒
画像領域/非画像領域: 62.5/37.5
感光体ドラム直径: 80mm
帯電電圧: −700V
<現像スリーブ関係>
現像装置 図2参照
現像スリーブ電位: −500V
感光体ベタ露光電位: −50V
現像バイアス交流成分: 1.0kVp-p(矩形波、5kHz)
露光ユニット: 半導体レーザ(波長780nm)
現像スリーブ直径: 30mm(磁極数5極)
現像スリーブ着磁部長さ: 330mm
感光体ドラム〜現像スリーブ隙間: 約0.3mm
現像スリーブ現像剤搬送量: 約250±40g(目標値)
現像スリーブ移動速度/プロセス速度:2.0
<層形成ローラ関係>
層形成ローラ直径: 20mm/磁極数3極
層形成ローラ〜現像スリーブ隙間: 約0.5mm
ローラ線速度: 現像スリーブ線速度との比0.5〜2.0
(互いにカウンタ方向)
層形性ローラ着磁部長さ: 330mm
層形成ローラと現像スリーブの中心
を結ぶ直線と水平線との角度: 50°(層形成ローラが上部位置)
現像スリーブの層形成磁極: 磁束密度ピーク値=50mT(半値幅50°)
層形成ローラの対現像スリーブ磁極: 磁極密度ピーク値=40mT(半値幅40°)
<従動ローラ関係>
従動ローラ長さ: 50mm
従動ローラ直径: 16mm
従動ローラ材質: 非磁性ステンレス
従動ローラ長手方向長さ: 50mm
従動ローラ〜現像スリーブ隙間: 0.3mm
送量測定法: 従動ローラ回転数より算出
従動ローラ回転数測定手段: ロータリーエンコーダ
<現像剤関連>
トナー: 体積平均粒径4.5μmの重合トナー(黒)
キャリア: 体積平均粒径25μm、磁化強度60emu/g
トナー濃度: 6%
<搬送量の測定及び調整>
実施タイミング: ウォームアップ時、500プリント達成毎(プリ ント中の場合はジョブ終了後)
実験内容
上記実験条件の下に実写テスト行い、性能を比較した。
<テスト内容>
印字パターン: 平均印字率6%のモノクロ画像(線画部、ベタ部 あり)、線画部には縦ラインペアパターン(2ラ イン黒、2ライン白)を含む。
総プリント数: 10万プリント
印字モード: A4サイズ連続印字2千プリントの繰り返し(0 〜2万プリント)、A4サイズ連続印字500プ リントの繰り返し(2万〜10万プリント)
環境(温度、湿度): 20℃、50%(0〜2万プリント)
30℃、80%(2万〜5万プリント)
10℃、20%(5万〜8万プリント)
20℃、50%(8万〜10万プリント)
ベタ濃度推移の確認: 500プリント毎にベタ画像透過濃度を測定し、 X−Rite濃度計で測定した透過濃度1.35 〜1.45範囲内であれば合格と判定
かぶり濃度推移の確認: 500プリント毎に白地部のX−Rite濃度計 で測定した相対反射濃度が0.006以下であれ ば合格と判定
キャリア付着の確認: 500プリンと毎に縦ラインペアパターン部分の キャリア付着レベルを目視評価し限度見本サンプ ルよりも程度が軽微ならば合格と判定。
使用濃度計: X−Rite
・確認実験2(図4参照)
確認実験1とは搬送量測定法と測定手段が異なり、他の実験条件は確認実験1と同じ。
搬送量測定法: 従動ローラ回転トルクより算出
測定手段: 現像スリーブ駆動モータの電流値を測定する。
実験内容
確認実験1と同じ
・確認実験3(図5、6参照)
確認実験1、2とは搬送量測定法と測定手段が異なり、他の実験条件は確認実験1と同じ。
搬送量測定法: 従動ローラ回転軸の変位量より算出
測定手段: 透過型光学センサ
実験内容
確認実験1と同じ
・確認実験4
従動ローラ長さを「320mm(最大画像幅以上)」と、搬送量の測定及び調整の 実施のタイミングを「500プリント到達毎(プリント中でも実施する)」とにし た点以外は確認実験1と同じ。
・確認実験5
従動ローラ長さを「320mm(最大画像幅以上)」と、搬送量の測定及び調整の 実施のタイミングを「500プリント到達毎(プリント中でも実施する)」とにし た点以外は確認実験2と同じ。
・確認実験5
従動ローラ長さを「320mm(最大画像幅以上)」と、搬送量の測定及び調整の 実施のタイミングを「500プリント到達毎(プリント中でも実施する)」とにし た点以外は確認実験3と同じ。
・確認実験6
従動ローラ長さを「320mm(最大画像幅以上)」と、搬送量の測定及び調整の 実施のタイミングを「500プリント到達毎(プリント中でも実施する)」とにし た点以外は確認実験3と同じ。
以上の6つの確認実験の他に、層形成ローラの効果を比較するため、公知の現像剤層成方式である規制ブレードを使用した2つの比較実験を行った(図9参照)
図9は、公知の搬送量制御方式の例を示す図である。
・比較実験1
図9(a)の機構で構成し、従動ローラ回転数をロータリーエンコーダで測定し、搬送量を算出し、算出結果に応じて、不図示の駆動部で規制ブレードを矢印方向にスライドし、現像スリーブとの隙間を調節する。
実験条件
<従動ローラ関連>
確認実験1と同じ
<規制ブレード関連>
規制ブレード〜現像スリーブ隙間: 0.3〜0.7mm(標準値=0.5mm)
現像スリーブと規制ブレード中心を
結ぶ直線と水平線の角度: 50°(規制ブレードが上部位置)
<テスト内容>
確認実験1と同じ
・比較実験2(図9(b))
本実験においては、搬送量測定および制御は行わず(従動ローラ無し)、現像剤層形成には位置固定の規制ブレードのみを使用する。それ以外の実験条件は比較実験1と同じ。
実験条件
<規制ブレード関連>
規制ブレード〜現像スリーブ隙間: 0.5mmに固定
現像スリーブと規制ブレード中心
結ぶ直線と水平線の角度: 50°(規制ブレードが上部位置)
<テスト内容>
確認実験1と同じ
・実験結果
表1に示すような結果が得られた。なお、表中の○は合格、×は不合格を意味する。
Figure 0004581852
表1において、確認実験1、2、3の場合には、2000プリント連続印字を行ったテスト初期(スタート〜2万プリント)を除いては、搬送量測定と搬送量調整を十分な頻度で実施しているので搬送量の変動が抑えられ、ベタ濃度が常に適正範囲内にあった。また、搬送量過多によるキャリア付着の発生も無かった。さらに、現像層の規制を総形成ローラで行っているために現像剤に対するストレスが低減でき、トナーの帯電性能の低下が少なく、テスト終了までトナーの帯電不足による画像かぶりの発生が無かった。しかし、テスト初期(スタート〜2万プリント)においては、搬送量測定と搬送量調整を実施しない2000プリント連続印字中に現像剤の帯電量上昇に起因する搬送量低下が起こり、画像濃度が低下して、ベタ濃度推移に関しては性能未達であった。キャリア付着とかぶりに関しては問題なかった。
確認実験4、5、6の場合には、テスト初期(スタート〜2万プリント)において実施される2000プリント連続印字中にも搬送量測定と搬送量調整を実施するので、画像問題は全く発生しなかった。
一方、現像剤層の規制に規制ブレードを使用した比較実験1の場合には、規制ブレードと現像スリーブの隙間を調整して搬送量の変動を抑えているためにベタ濃度は常に適正範囲内にあり(テスト初期では、確認実験1〜3と同様に性能未達)、また、搬送量過多によるキャリア付着の発生も無かったが、規制ブレードによって現像剤にストレスが加えられるため、トナーの帯電性能の低下が起こり、テスト後半ではトナーの帯電不足による画像かぶりが発生した。
さらに、搬送量測定と搬送量調整を実施しない比較実験2の場合には、高温高湿(30℃、80%)環境下で搬送量増加によるベタ濃度過多とキャリア付着が発生し、低温低湿(10℃、20%)環境下では搬送量減少によるベタ濃度不足が発生した。また、テスト初期では、確認実験1〜3と同様にベタ濃度推移が性能未達であった。さらに、現像剤層の規制に規制ブレードを使用しているために、現像剤ストレスが加えられ、トナーの帯電性能の低下がおこり、テスト後半ではトナーの帯電不足による画像かぶりが発生した。
なお、上記確認実験1、2、3、4、5、6において、トナー濃度、温湿度データによる従動ローラ233の回転数、駆動モータの電流値、従動ローラの回転軸変位量の補正処理は行っていないが、当該補正処理を行へば、より測定精度を向上させることができる。
画像形成装置の全体構成を示す説明図である。 現像スリーブ上の現像剤層との接触により回転する従動ローラを具備する現像装置の拡大図を示す。 従動ローラ部の断面構成を示す図である。 回転トルクにより搬送量を測定する方式を説明するための図である。 従動ローラの回転軸の変位を測定する方法を説明するための図である。 従動ローラの回転軸の変位を検知する検知部が搭載された図である。 トナー濃度や環境状態の変化による従動ローラの回転数(回転トルク、軸変位量)と搬送量との関係を示すグラフである。 図2、図4、図5における現像剤搬送量の制御を、トナー濃度と温湿度に応じた補正を加える方式を示す図である。 公知の搬送量制御方式の例を示す図である。
符号の説明
1 画像読み取り装置
2 制御部
21 感光体ドラム
23 現像装置
25 透過型光学センサ
231 現像スリーブ
232 現像剤層形成ローラ
233 従動ローラ
234 撹拌部材
235 スライド軸受
238 回転軸
239 駆動モータ
M1 ロータリーエンコーダ
M2 電流計
S1 トナー濃度センサ
S2 温湿度センサ
D 現像領域

Claims (5)

  1. 像担持体に形成された静電潜像を、現像剤を担持して回転する現像スリーブで顕像化する現像装置を有する画像形成装置において、前記現像スリーブ上の現像領域よりも上流側で、前記現像スリーブに平行に対向して設けられた現像剤層形成ローラと、当該現像剤層形成ローラ下流側に、前記現像スリーブに平行に対向して従動ローラとを設け、当該従動ローラが前記現像スリーブ上の現像剤層との接触により回転する際の回転数を測定した後、当該回転数から現像剤搬送量を算出し、適正な現像剤搬送量になるように前記現像剤層形成ローラの回転数を変化させることを特徴とする画像形成装置。
  2. 像担持体に形成された静電潜像を、現像剤を担持して回転する現像スリーブで顕像化する現像装置を有する画像形成装置において、前記現像スリーブ上の現像領域よりも上流側で、前記現像スリーブに平行に対向して設けられた現像剤層形成ローラと、当該現像剤層形成ローラ下流側に、前記現像スリーブに平行に対向して従動ローラとを設け、当該従動ローラが前記現像スリーブ上の現像剤層との接触により回転する際の回転トルクを測定した後、当該回転トルクから現像剤搬送量を算出し、適正な現像剤搬送量になるように前記現像剤層形成ローラの回転数を変化させることを特徴とする画像形成装置。
  3. 像担持体に形成された静電潜像を、現像剤を担持して回転する現像スリーブで顕像化する現像装置を有する画像形成装置において、前記現像スリーブ上の現像領域よりも上流側で、前記現像スリーブに平行に対向して設けられた現像剤層形成ローラと、当該現像剤層形成ローラ下流側に、前記現像スリーブに平行に対向して従動ローラとを設け、当該従動ローラが前記現像スリーブ上の現像剤層との接触により回転する際の前記従動ローラの回転軸の変位量を測定した後、当該変位量から現像剤搬送量を算出し、適正な現像剤搬送量になるように前記現像剤層形成ローラの回転数を変化させることを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記従動ローラは、前記現像剤層形成ローラと前記現像スリーブとの対向部よりも現像スリーブ回転方向下流側で且つ現像領域よりも現像スリーブ回転方向上流側の位置で、現像スリーブに平行且つ最大画像幅以上の長さに亘って対向させて設置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記現像剤搬送量の算出の際、現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段と、少なくとも湿度を含む稼働環境を検知する環境データ検知手段とで測定された測定値に基づいて現像剤搬送量を補正することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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