JP4578079B2 - ゴムスポンジ部材の製造方法 - Google Patents

ゴムスポンジ部材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4578079B2
JP4578079B2 JP2003308702A JP2003308702A JP4578079B2 JP 4578079 B2 JP4578079 B2 JP 4578079B2 JP 2003308702 A JP2003308702 A JP 2003308702A JP 2003308702 A JP2003308702 A JP 2003308702A JP 4578079 B2 JP4578079 B2 JP 4578079B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
vulcanization
elastic layer
sponge member
degree
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003308702A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005075946A (ja
Inventor
勝之 豊田
憲治 服部
隆博 酒見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2003308702A priority Critical patent/JP4578079B2/ja
Publication of JP2005075946A publication Critical patent/JP2005075946A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4578079B2 publication Critical patent/JP4578079B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Description

本発明は、外径寸法精度の高いゴムスポンジ部材、および、その製造方法に関する。
レーザプリンタ、複写機、ファックス等の画像形成装置において、種々のゴムスポンジローラが用いられている。これらは、例えば、感光ドラム表面を帯電させる帯電ローラ、感光ドラム上に形成されたトナー像を紙等の記憶媒体に転写するための転写ローラ、トナーを帯電させて感光ドラムに移載する現像ローラ、トナーを現像ローラに供給するためのトナー供給ローラ、トナーを感光ドラムから拭き去るためのクリーニングローラ等の弾性を有する導電性ローラである。これらのローラには、所定の電気的、機械的物性のほか、高精度な外形寸法を担持することを要求されており、例えば、外形寸法にばらつきがあれば、感光ドラムに対する接触圧は均一でなくなり所期した性能を満足させることができなくなる。
そして、これらのローラは、感光ドラム等に均一な圧力で弾性接触するよう、弾性層がシャフトの周りに設けられ、場合によっては、その弾性層の外周に表皮層等が設けられる。この弾性層は、ゴム発泡体よりなり、幾多の気泡よりなる空隙部分を有し、通常、表面のごく一部を除き、これらの気泡のほとんどは、外気に連通することのない独立気泡であり、独立気泡は周囲が閉じられていて圧縮弾性を有するので、ローラに適度の弾性を付与することができる。
このうちゴム発泡体よりなる弾性層は、通常、次のようにして形成される。ゴム発泡体形成材料を押出機等により筒状に押し出して所定の長さで裁断したあとダミーシャフトを挿入して未加硫成形体を形成する。ついで、この成型体を金型内に配置しもしくは加圧された熱媒体中で所定時間加熱し、一次加硫を行う。この間、発泡反応は進行するものの、加圧作用により気泡は未形成の状態であるが、加圧加硫後、これを大気圧まで減圧させることにより内部に気泡を生成することができる。次いで、これをいったん冷却した後、大気圧下で再加熱し所定時間放置する熱処理を行うが、これは、内部の応力を除去して、その後の寸法を安定化させるためである(例えば、特許文献1参照。)。
そして、その後、ゴムスポンジローラをこの外形寸法を高精度に仕上げるため、研磨等の機械的加工の処理を行ったのちこれを製品として出荷するが、従来のゴムスポンジローラにおいては、研磨直後には高精度に仕上がった外形寸法が、使用時にはこれが変化していて十分な寸法精度を維持することができないという問題があった。
特開2002−115714号公報
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、弾性等、所望の機械的特性を担持してなお、研磨等の外形寸法特定のための工程の後の環境変化に際しても外径寸法を変化させることのない、ゴムスポンジローラ等のゴムスポンジ部材の製造方法を提案することを目的とする。
(1)本発明は、内部に空隙部分を有するゴム発泡体よりなる弾性層を具えたゴムスポン
ジ部材を、前記空隙部分のうち表面に連通する連通化空隙部分の容積が空隙部分の全容積
に占める割合を表す連通化度が10〜40%となるよう製造するに際し、
未加硫の弾性層を昇温加圧して一次加硫を行ったのち、これを大気圧まで減圧して発泡
反応を起こさせ、次いで、所定温度に保持しながら所定圧力で加圧して二次加硫を行い、
二次加硫に際し、温水を用いて一次加硫済の弾性層を保温加圧したあと、温水を減圧する
ことにより独立気泡を破壊して連通化させることを特徴とするゴムスポンジ部材の製造方
法である。
(2)本発明は、(1)において、一次加硫の加硫度を、50〜70%とするゴムスポンジ部材の製造方法である。
(3)本発明は、(1)又は、(2)において、一次加硫に際し、温水を用いて未加硫のスポンジ部材を昇温加圧するゴムスポンジ部材の製造方法である。
本発明のゴムスポンジ部材によれば、連通化空隙部分の容積が空隙部分全容積に占める割合を、10〜40%としたので、所望の弾性を損なうことなく、研磨等の外径特定工程の後、環境変化によっても外径寸法が変化することがないという利点がある。
本発明の実施形態について、図1〜図3に基づいて説明する。この実施形態は、ゴムスポンジ部材の例として、画像形成装置に用いられる、ゴムスポンジローラについて説明するが、本発明は、ローラ状のスポンジ部材に限定されるものでなく、あらゆる形状のゴムスポンジ部材に用いることができる。図1は、感光ドラムの表面を帯電するのに用いられる帯電ローラを例にとって、スポンジローラの構造を示す断面図である。
帯電ローラの場合、ゴムスポンジローラ10は、シャフト1、シャフト1の周りに配設された弾性層2、ローラ周面を形成する表皮層4、および、弾性層2と表皮層4との間に設けられた抵抗調整層3よりなる。ここで、シャフト1は、プリンタ等の電子写真装置に軸支される部分であり、金属あるいはプラスチック製のものが用いられる。帯電ローラ以外のゴムスポンジローラの場合は、表皮層4や抵抗調整層3がなかったり、これらの層に代えて異なる構造の層が設けられたりするが、いずれのローラにおいても弾性層2は必須の構成要件である。
弾性層2は、ゴム組成物中に幾多の気泡を含んだゴム発泡体よりなる。図2は、弾性層2から切り出した外表面近傍の一部分を示す断面図であり、ゴム組成物中の気泡は、ゴムスポンジローラの空隙部分を構成するが、全空隙部分は、外表面Fに連通する連通空隙部分Aと、外表面Fに連通していない非連通空隙部分Bとに区別することができる。そして、全空隙部分の容積Vに占める連通空隙部分Aの容積VAの割合を100分率で表わした割合を連通化度C(C = VA / Vx 100)とするとき、本発明の弾性層2においては、連通化度Cは10〜40%の範囲にある。
ここで、連通化度の計算に必要なV、VAの測定は次のようにして行う。まず、弾性層2のゴム発泡体1gに対するVは、式(1)により求める。式(1)において、Da、Dssは、それぞれ弾性層2の見掛け密度、および、ゴム組成物(ソリッド部分)の密度であり、これらは、それぞれ、既知の方法で測定された体積と質量とから求めることができる。

V= 1 / Da−1 / Ds (1)
弾性層2のゴム発泡体1gに対するVAは、この弾性層を水中に浸漬したときの吸水率で表わすことができ、この吸水率の測定は、次のようにして行う。W1を浸漬前の弾性層2の質量、W2を、水を吸収させた浸漬後の弾性層2の質量とし、吸水率qは、式(2)で表わされ、これは、連通空隙部分Aに入り込んだ水の質量を示すので、もし、連通空隙部分Aが完全に水で充満した場合には、水の比重は1なのでこれはゴム発泡体1g当たりの連通空隙部分Aの容積、すなわちVAを表わすことになり、結局、VAは式(3)で表わされる。

q=(W2−W1)/ W1 (2)
VA=(W2−W1)/ W1 (3)
この吸水率の測定においては、連通空隙部分Aを完全に水で充満させることが重要で、このため、図3に示すような装置を用いて行う。すなわち、この装置は、圧力調整室5内に界面活性剤を添加した水を満たした水槽6を配設したものであり、予め浸漬前の弾性層2の重量W1を測定したあと、周面に弾性層2が露出した状態のゴムスポンジローラ10を、水槽6の水中に浸漬する。次いで、圧力調整室5の空気を脱気し、圧力調整室5を負圧にして3分間そのまま放置する。このことにより、界面活性剤の作用もあり、連通空隙部分Aの空気を脱気させ、これを水と置換することができる。そして、水を奥まで浸透させるために、圧力調整室5の圧力を大気圧に戻し、この状態で3分間放置する。最後に、水中から弾性層2を取出し、その質量W2を測定する。
そもそも、非連通空隙部分に含まれる気泡は、独立気泡であり、独立気泡は、前述の通り適度の弾性力をローラに付与するものであるが、一方、外気に連通していないため温度の変化によって体積が変化するという性質も併せ持ち、このことは、研磨等による摩擦で加熱させられた状態で高精度に仕上げられたローラが、その後の冷却により、独立気泡の容積が減少して外形寸法をばらつかせる、という結果をもたらすことになる。これに対する対応策として、一部の気泡を外気と連通させれば、気泡の圧縮弾性を減じて外形寸法の安定化が可能になることを見出して本発明はなされたものである。
そして、連通化度Cが10%未満では、非連通空隙部分の温度に対する容積変化が大きく、外形寸法を安定させることがむつかしく、一方、これが40%を越えると、連通空隙部分が多くなりすぎ、圧縮弾性を司る部分の割合が減じ、所期したローラの弾性を得ることができなくなる。
本発明のゴムスポンジローラ10の弾性層2を形成するに際しては、材料として導電性ゴム発泡体形成材料(以下、単に発泡体形成材料と称すことがある。)が用いられる。この発泡体形成材料は、ゴム材料、化学発泡剤、導電性付与材、さらに、所望により加硫剤、加硫促進剤、オイル、可塑剤、亜鉛華、ステアリン酸、炭酸カルシム、マグネシアなどのゴム用添加剤を含有するものである。上記ゴム材料としては、例えばEPDMゴム(エチレンプロピレンジエンゴム)、ウレタンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、ブチルゴム、アクリルゴムなどが挙げられ、これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中で、特にEPDMゴム及びクロロプレンゴムが緻密で均一な発泡セルが得られ、かつ耐熱性などの耐久性が良好であり、好ましい。
また、化学発泡剤としては、特に制限はなく、公知の無機発泡剤及び有機発泡剤の中から適宜選択して用いることができる。ここで、無機発泡剤としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、水素化ホウ酸ナトリウムなどが挙げられ、有機発泡剤としては、例えばアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、バリウムアゾジカルボキシレート、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、p−トルエンスルホニルヒドラジドなどが挙げられる。これらの化学発泡剤は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの中で、特にp,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)及びアゾジカルボンアミドが、緻密で均一な発泡セルが得られるので好ましい。この化学発泡剤の使用量は、ゴム材料100質量部に対し、通常0.5〜20質量部、好ましくは1〜15質量部の範囲である。
一方、導電性付与剤としては、例えばカーボンブラック;ニッケルや銅などの金属粉末;酸化錫,酸化チタン,酸化亜鉛などの金属酸化物粉末やその他導電性金属複酸化物粉末;金属やアンモニウムなどの過塩素酸塩,アルキル硫酸塩,カルボン酸塩,ホウフッ化水素酸塩などのイオン導電剤の中から適宜選択して用いることができる。これらの導電性付与剤は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、所望の固有抵抗値をもつ弾性層2が得られるように、導電性付与剤の種類に応じて適宜選定することができる。
加硫剤としては、ゴム材料の種類に応じて、公知の加硫剤,例えば硫黄や過酸化物などの中から適宜選択することができる。
次に、前記の発泡体形成材料を用いたゴムスポンジローラ10の製造方法について説明する。まず、前記各成分を含有する発泡体形成材料を調製する。この際、ゴム材料,導電性付与剤,及び化学発泡剤と加硫剤とを除く他の添加剤を70〜130℃程度の温度で混練したのち、これに50〜90℃程度の比較的低温で化学発泡剤及び加硫剤を混練し、早期加硫や早期発泡を抑制することが好ましい。混練は、通常ロール,ニーダー,ミキサーなどを用いて行われる。次いで、このようにして調製された発泡体形成材料を、例えば押出成形機によりチューブ状に押出し成形する。この際の押出し成形の温度は、早期加硫や早期発泡を抑制するために、加硫温度や発泡温度よりも低い温度、例えば70〜100℃程度に設定するのが有利である。
次に、このチューブ状成形体を所定寸法にカッターなどで切断したのち、これにシャフト(ダミーシャフト)を挿入して未加硫成形体を作製し、これを加硫缶にセットして、一次加硫を行う。一次加硫に際しては、金型を用いて加硫することもできるが、この場合、金型の費用が膨大なものになるので、金型を用いない方法が好ましく、未加硫成形体を、直接、加硫缶にセットするのがよい。また、加圧する熱媒体として、温水を用いるが好ましく、もし、これを蒸気とした場合には、蒸気の飽和蒸気圧曲線で定まる圧力以上には加圧できず、加圧力不足により、部分的に気泡が発生し均一な発泡を阻害してしまうという問題が生じるのに対比して、温水を用いて加圧した場合には、温度と無関係に圧力を設定することができ、このような問題を防止することができる。さらに、温水は非圧縮性流体であるため瞬時に減圧することができ、これにより均一な発泡を可能にすることができる。
一次加硫においては、加硫度を50〜70%とするのが好ましく、これを50%未満とした場合には、未加硫状態で発泡して、チューブ状成型体が割れてしまい、また、これを70%を越えるものとした場合には、チューブ状成型体の加硫が進み過ぎて、ゴムが固くなり発泡しなくなってしまう。
本明細書における加硫度の定義を以下に示す。ゴム組成物の加硫度とは、式(4)に定義させる値Rであり、ゴム組成物の加硫反応の進行程度を表わすものである。

R =(ν/ν0)x 100 (4)

式中、νは、対象サンプルの網目鎖濃度であり、ν0は、加硫度が100%のコントロールサンプルの網目鎖濃度であり、したがって、式(4)は、加硫度の代表特性として網目鎖濃度を用いたものである。
ここで、網目鎖濃度νはトルエン膨潤法を用いて求めることができる。このトルエン膨潤法は、トルエンを溶媒として溶媒中で膨潤させた後のゴムの体積分率Vr、溶媒の分子容VSOL(cm3/mol)、溶媒とゴムとの相互作用パラメータχから、式(5)に示す、Flory-Rehnerの式を用いてνを求めるものである。

ν = (Vr+ln(1−Vr)+χVr 2)/ (2 x VSOL(Vr 1/3−Vr/2)) (5)
式(5)において、ゴムの体積分率Vrとは、ゴム組成物から充填剤を除いたゴム部分について、溶剤を含む膨潤後のゴム部分に対する、溶剤を含まないゴム部分の率を示すものであり、式(6)により表わすことができる。

Vr = (VU−VF)/(VS−VF) (6)

式中、VUは膨潤前のゴム組成物の体積、Vsは膨潤後のゴム組成物の体積、VFは充填剤の体積であり、VU、VSはJIS K 6258の加硫ゴムの浸漬試験方法の試験により求め、VFは、充填剤を構成する元素ごとの質量分析とそれぞれの元素の比重から求める。
具体的な加硫条件は、目標として設定した加硫度、ゴム材料等の許容限界温度、発泡条件、発泡圧力等を考慮して定められ、例えば、加硫温度を、150〜170℃、加硫圧力を、1500〜2500kPa、そして、加硫時間を、1〜15分とするのが好ましい。
一次加硫の終了後、圧力を大気圧まで戻して、圧力により抑制されていた気泡を生成させる。このとき、急激に圧力を減ずるのがよくこのことにより細かい気泡を生成することができる。この加硫済ローラを冷却したあと、二次加硫を行う。ダミーシャフトを弾性体2から取り外すのは、二次加硫の工程の前でも後でもよい。
二次加硫の加硫条件として重要なことは、内部応力除去のために所定温度でこれを保持する従来のプロセスに加えて、所定の圧力を加えて最後にこれを減圧することであり、このことにより、独立気泡を破壊して連通化度を制御することができる。
二次加硫も一次加硫同様に、金型を用いずに行うのがよく、また、加圧熱媒体としては非圧縮性流体である温水を用いるのが好ましく、このことにより、最後の減圧を急激に行うことが可能となり、独立気泡を効果的に破壊することができる。具体的な加硫条件としては、例えば、加硫温度を、130〜150℃、加硫圧力を、200〜400kPa、そして、加硫時間を、20〜40分とするのが好ましい。
次に、接着剤付き本シャフト1を、弾性層2に挿入して加熱接着させたのち、所望のローラ径になるように、公知の方法で研磨処理することにより、目的のゴムスポンジローラをえることができる。なお、ゴムスポンジローラを帯電ローラとする場合には、このあと弾性層の外側に、ディップ塗装等の方法を用いて、表皮層4や抵抗調整層3を形成することができる。
一次加硫、二次加硫の条件を変えることにより、互いに加硫度、連通化度の異なる5種類のゴムスポンジローラA、B、C、DおよびEを試作し、これらの外径の経時変化を測定し比較した。それぞれのゴムスポンジローラについて、試作条件を表1に、加硫度および連通化度の値を図4に、外径経時変化の測定結果を図5に示した。なお、図4の横軸は連通化度、縦軸はトータルの加硫度を表わし、図5の横軸は、研磨後の経過時間、縦軸は経過時間毎の外径の測定結果を表わす。
ここで、発泡体形成材料としては、EPDMゴムを用いた。また、一次加硫はそれぞれのローラについて同一条件で行い、その時の加硫条件は、温水加硫(温度:160℃、圧力:2000kPa、時間:10分)とした。また、加硫度の算出に際しては、前述の式(4)を用いたが、加硫度100%のコントロールサンプルとして、この一次加硫条件で加硫を行ったあとオーブン中で180℃x240分の条件で二次加硫を行ったものをものを用いた。なお、式(5)において、網目鎖濃度νを求めるに際し用いた、トルエンとEPDMゴムとの相互作用パラメータχは0.49であり、トルエンの分子容VSOL(cm3/mol)は、106.15cm3/molである。
Figure 0004578079
図4、図5から明らかなように、連通化度が10%以上でないと、研磨後の外径が変化してしまい、連通化度が10%未満の場合、加硫度が70%未満では、比較例1(ローラA)のように、研磨の時間の経過とともに外径寸法が減少するが、これは、気泡内のガスが徐々に抜けていくからであり、一方、加硫度が加硫度が70%以上では、比較例2、3(ローラD、E)のように、研磨の時間の経過とともに外径寸法が増加し、これは、気泡内の残余の内圧により、気泡が膨張するからである。
このゴムスポンジ部材によれば、研磨等の加工後も寸法変化をすることなく、外形の寸法を高精度なものに維持することができ、ゴムスポンジローラ以外にもスポンジブレード等、高い寸法精度が要求される形態においても有利なものとなる。
ゴムスポンジローラを示す断面図である。 ゴムスポンジローラの空隙部分を示す断面図である。 吸水率の測定方法に用いる装置の模式図である。 各種ゴムスポンジローラの加硫度および連通化度の値を示すグラフである。 各種ゴムスポンジローラの外径の経時変化を示すグラフである。
符号の説明
1 シャフト
2 弾性層
3 抵抗調整層
4 表皮層
5 圧力調整室
6 水槽
10 ゴムスポンジローラ
A 非連通空隙部分
B 連通空隙部分
F 外表面

Claims (3)

  1. 内部に空隙部分を有するゴム発泡体よりなる弾性層を具えたゴムスポンジ部材を、前記空隙部分のうち表面に連通する連通化空隙部分の容積が空隙部分の全容積に占める割合を表す連通化度が10〜40%となるよう製造するに際し、
    未加硫の弾性層を昇温加圧して一次加硫を行ったのち、これを大気圧まで減圧して発泡反応を起こさせ、次いで、所定温度に保持しながら所定圧力で加圧して二次加硫を行い、二次加硫に際し、温水を用いて一次加硫済の弾性層を保温加圧したあと、温水を減圧することにより独立気泡を破壊して連通化させることを特徴とするゴムスポンジ部材の製造方法。
  2. 一次加硫の加硫度を、50〜70%とする請求項1に記載のゴムスポンジ部材の製造方法。
  3. 一次加硫に際し、温水を用いて未加硫のスポンジ部材を昇温加圧する請求項1又は2に記載のゴムスポンジ部材の製造方法。
JP2003308702A 2003-09-01 2003-09-01 ゴムスポンジ部材の製造方法 Expired - Fee Related JP4578079B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003308702A JP4578079B2 (ja) 2003-09-01 2003-09-01 ゴムスポンジ部材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003308702A JP4578079B2 (ja) 2003-09-01 2003-09-01 ゴムスポンジ部材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005075946A JP2005075946A (ja) 2005-03-24
JP4578079B2 true JP4578079B2 (ja) 2010-11-10

Family

ID=34411106

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003308702A Expired - Fee Related JP4578079B2 (ja) 2003-09-01 2003-09-01 ゴムスポンジ部材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4578079B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5186337B2 (ja) * 2008-03-06 2013-04-17 東海ゴム工業株式会社 発泡弾性体およびその製造方法ならびに電子写真機器用導電性ロール
JP2013096539A (ja) * 2011-11-04 2013-05-20 Inoac Corp 導電性ロール

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51128383A (en) * 1975-04-30 1976-11-09 Hitachi Shipbuilding Eng Co Direct curing method by warm water
JPH01247433A (ja) * 1988-03-29 1989-10-03 Shin Etsu Chem Co Ltd 発泡性オルガノシロキサン組成物
JPH02112929A (ja) * 1988-10-22 1990-04-25 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 発泡成形体及びその製造方法
JPH07251421A (ja) * 1994-01-28 1995-10-03 Sumitomo Rubber Ind Ltd 更生タイヤの製造方法及びそれに用いる加硫金型
JPH1024427A (ja) * 1996-07-09 1998-01-27 Satake Giken Kk ゴムの成形方法
JP2000234038A (ja) * 1999-02-15 2000-08-29 Mitsui Chemicals Inc スポンジ用熱硬化性ゴム組成物及びその加硫ゴム発泡成形体
JP2001114926A (ja) * 1999-10-14 2001-04-24 Bridgestone Corp 連通気泡構造を有する発泡体の製造方法
JP2002115714A (ja) * 2000-10-10 2002-04-19 Bridgestone Corp 導電性発泡体ローラの製造方法及び画像形成装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51128383A (en) * 1975-04-30 1976-11-09 Hitachi Shipbuilding Eng Co Direct curing method by warm water
JPH01247433A (ja) * 1988-03-29 1989-10-03 Shin Etsu Chem Co Ltd 発泡性オルガノシロキサン組成物
JPH02112929A (ja) * 1988-10-22 1990-04-25 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 発泡成形体及びその製造方法
JPH07251421A (ja) * 1994-01-28 1995-10-03 Sumitomo Rubber Ind Ltd 更生タイヤの製造方法及びそれに用いる加硫金型
JPH1024427A (ja) * 1996-07-09 1998-01-27 Satake Giken Kk ゴムの成形方法
JP2000234038A (ja) * 1999-02-15 2000-08-29 Mitsui Chemicals Inc スポンジ用熱硬化性ゴム組成物及びその加硫ゴム発泡成形体
JP2001114926A (ja) * 1999-10-14 2001-04-24 Bridgestone Corp 連通気泡構造を有する発泡体の製造方法
JP2002115714A (ja) * 2000-10-10 2002-04-19 Bridgestone Corp 導電性発泡体ローラの製造方法及び画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005075946A (ja) 2005-03-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7973093B2 (en) Foamed rubber member
JP5158738B2 (ja) 発泡ゴムロール及び発泡ゴムロールの製造方法
JP4578079B2 (ja) ゴムスポンジ部材の製造方法
JP5186337B2 (ja) 発泡弾性体およびその製造方法ならびに電子写真機器用導電性ロール
JP6820678B2 (ja) シリコーンゴムスポンジ
JP2005186323A (ja) ウレタンスポンジロール及びその製造方法
JP2007308654A (ja) 発泡ゴムの製造方法
JP2004017398A (ja) 発泡体ローラの製造方法及びその方法により得られた発泡体ローラ
JPH09114228A (ja) 導電性弾性ローラ
JP2003084520A (ja) 半導電性発泡ゴムローラー及びその製造方法
JP2007293007A (ja) 発泡体ローラの製造方法および発泡体ローラ
JP3185285B2 (ja) 発泡導電性ロールの製造方法
JPH10319678A (ja) 導電性ゴムローラ
JPH08272209A (ja) 導電性ロールおよびその製法
JP3373196B2 (ja) 帯電部材
JP2002187157A (ja) 発泡ゴムローラの製造方法及び画像形成装置
JP4716702B2 (ja) Oaローラの製造方法
JP3804320B2 (ja) 発泡性ゴム組成物及び導電性ロール
WO2004094512A1 (ja) 導電性発泡体及び導電性発泡体の製造方法
JP4130538B2 (ja) 連通セルを有する発泡体ローラの製造方法及び画像形成装置
JP6512842B2 (ja) 転写ローラおよび電子写真画像形成装置
JP4642631B2 (ja) 弾性体ローラ成形用金型の表面粗さ回復方法
JP2002115714A (ja) 導電性発泡体ローラの製造方法及び画像形成装置
JP2002113734A (ja) 連通気泡構造を有する発泡体の製造方法及び画像形成装置
JP2018155844A (ja) トナー搬送ローラ及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060606

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090310

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090508

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20090508

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090602

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090728

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100803

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100824

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130903

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees