JP4576867B2 - α,β−不飽和カルボン酸の製造方法 - Google Patents
α,β−不飽和カルボン酸の製造方法 Download PDFInfo
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Description
すなわち、本発明は、硫酸ニッケルの存在下に、
式(1)
(式中、Rは水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を表す。)
で示されるカルボン酸とホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒド前駆体とを、
硫酸ニッケル1gあたり、カルボン酸を0.1g/hr〜100g/hrの範囲で供給することにより、連続式に反応させることを特徴とする式(2)
(式中、Rは前記と同じ意味を表す。)
で示されるα,β−不飽和カルボン酸の製造方法を提供するものである。
本発明で用いられる式(1)で示されるカルボン酸(以下、カルボン酸(1)と称す。)おいて、Rが水素原子の場合に対応するカルボン酸は酢酸である。
本発明に用いられる金属硫酸塩は、金属と硫酸イオンを含むものであれば特に限定されず、硫酸バナジルのようなオキシ金属硫酸塩も含むものである。金属硫酸塩の具体例としては、例えば、硫酸ニッケル、硫酸コバルト(II)および硫酸コバルト(III)などの硫酸コバルト、硫酸鉄(II)および硫酸鉄(III)などの硫酸鉄、硫酸アルミニウム、硫酸バナジル、硫酸銅(I)および硫酸銅(II)などの硫酸銅、硫酸クロム(II)および硫酸クロム(III)などの硫酸クロム、硫酸マンガン(II)および硫酸マンガン(III)などの硫酸マンガン、硫酸ジルコニウム、硫酸亜鉛、硫酸銀、硫酸パラジウム、硫酸インジウム、硫酸ニッケルアンモニウム等が挙げられる。この中で、硫酸ニッケル、硫酸コバルト、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、硫酸バナジルが好ましく、硫酸ニッケルがさらに好ましい。これらは、単独であっても混合物であっても複合化されていてもよいし、結晶水を含んでいてもよい。また、シリカやアルミナ等の担体に担持して用いることも可能である。
蒸発皿に乗せた硫酸ニッケル6水和物(NiSO4・6H2O、ナカライテスク製、特級)30gを350℃に昇温したマッフル炉に投入、350℃で5時間保持した。得られた黄色固体を成型し、12〜24meshの大きさのものを篩い分けして取り出した。
本成型品5gを内径1/2インチのSUS管で製作した反応管に入れた。また、反応管の上流に配置した気化管には石英粒(和光純薬製、20〜28mesh)を詰めた。
300℃に加熱した気化管及び反応管に、プロピオン酸(関東化学製、特級)とトリオキサン(関東化学製、特級)の混合液(トリオキサン20gをプロピオン酸230g中に溶解したものを使用)を0.1ml/minの流量で、窒素を82ml/minの流量で導入した。反応管内圧は、反応管の下流に設けた背圧弁によりゲージ圧で2kg/cm2(0.2MPa相当)に保持した。
送液開始より2時間後から4時間後に捕集された反応液をガスクロマトグラフィーにより定量分析したところ、プロピオン酸に対するメタクリル酸の収率は11%であり、トリオキサンに対するメタクリル酸の収率(生成メタクリル酸のモル数を導入トリオキサンのホルムアルデヒド換算モル数で除した値、以下同じ。)は47%であった。
触媒調製時に硫酸ニッケル6水和物を室温でマッフル炉に入れてから350℃まで昇温して5時間保持した以外は、実施例1と同様に反応を行った結果、プロピオン酸に対するメタクリル酸の収率は9%であり、トリオキサンに対するメタクリル酸の収率は40%であった。
触媒調製時にマッフル炉の温度を300℃まで昇温、保持した以外は実施例2と同様に反応を行った結果、プロピオン酸に対するメタクリル酸の収率は11%であり、トリオキサンに対するメタクリル酸の収率は49%であった。
触媒調製時に硫酸ニッケル6水和物を室温でマッフル炉に入れてから400℃まで昇温、保持した以外は実施例1と同様に反応を行った結果、プロピオン酸に対するメタクリル酸の収率は8%であり、トリオキサンに対するメタクリル酸の収率は37%であった。
硫酸ニッケル6水和物15gと硫酸コバルト7水和物(CoSO4・7H2O)1.8gをイオン交換水200gに溶解した後、エバポレーターで50℃減圧下に乾固した。得られた固体を350℃に昇温したマッフル炉に投入、350℃で5時間保持した。得られた固体を成型し、12〜24meshの大きさのものを篩い分けして取り出した。
上記で調製した触媒を使用した以外は実施例1と同様に反応を行った結果、プロピオン酸に対するメタクリル酸の収率は7%であり、トリオキサンに対するメタクリル酸の収率は32%であった。
蒸発皿に乗せた硫酸ニッケル6水和物30gを300℃に昇温したマッフル炉に投入、300℃で5時間保持した。得られた黄色固体を成型し、12〜24meshの大きさのものを篩い分けして取り出した。
本成型品5gを内径3/4インチのSUS管で製作した反応管に入れた。反応管の上流には気化管は配置しなかった。
300℃に加熱した反応管に、プロピオン酸とトリオキサンの混合液(トリオキサン20gをプロピオン酸230g中に溶解したものを使用)を0.2ml/minの流量で、窒素を123ml/minの流量で導入した。反応管内圧は、反応管の下流に設けた背圧弁によりゲージ圧で2kg/cm2(0.2MPa相当)に保持した。
送液開始より1時間後から3時間後に捕集された反応液をガスクロマトグラフィーにより定量分析したところ、プロピオン酸に対するメタクリル酸の収率は12%であり、トリオキサンに対するメタクリル酸の収率は54%であった。
触媒調製時に硫酸ニッケル6水和物30gを250℃に昇温したマッフル炉に投入、250℃に5時間保持した以外は実施例6と同様に反応を行った結果、プロピオン酸に対するメタクリル酸の収率は12%であり、トリオキサンに対するメタクリル酸の収率は54%であった。
蒸発皿に乗せた硫酸ニッケル6水和物30gを350℃に昇温したマッフル炉に投入、350℃で5時間保持した。得られた黄色固体を成型し、12〜24meshの大きさのものを篩い分けして取り出した。
本成型品5gを内径3/4インチのSUS管で製作した反応管に入れた。反応管の上流には気化管は配置しなかった。
330℃に加熱した反応管に、プロピオン酸とトリオキサンの混合液(トリオキサン20gをプロピオン酸230g中に溶解したものを使用)を0.2ml/minの流量で、窒素を82ml/minの流量で導入した。反応管内圧は、反応管の下流に設けた背圧弁によりゲージ圧で2kg/cm2(0.2MPa相当)に保持した。
送液開始より1時間後から3時間後に捕集された反応液をガスクロマトグラフィーにより定量分析したところ、プロピオン酸に対するメタクリル酸の収率は8%であり、トリオキサンに対するメタクリル酸の収率は35%であった。
コロイダルシリカ(日産化学製、40wt%−SiO2含有)38.2g中にフッ化ニオブ(アルドリッチ製)12.1gを徐々に添加し、1時間室温で攪拌して熟成させた。水を蒸発させ乾固して得られた白色固体を300℃で4時間、450℃で6時間焼成した。得られた白色固体を成型、12〜24meshの大きさのものを篩い分けして取り出した。
本成型品5gを内径3/4インチのSUS管で製作した反応管に入れ、石英ウールで触媒をおさえた後石英粒を40g導入した。また、反応管の上流に配置した気化管には石英粒を詰めた。300℃に加熱した気化管及び反応管に、プロピオン酸(関東化学製、特級)とトリオキサン(関東化学製、特級)の混合液(トリオキサン20gをプロピオン酸230g中に溶解したものを使用)を0.1ml/minの流量で、窒素を82ml/minの流量で導入した。反応管内圧は、反応管の下流に設けた背圧弁によりゲージ圧で2kg/cm2(0.2MPa相当)に保持した。
送液開始より2時間後から4時間後に捕集された反応液をガスクロマトグラフィーにより定量分析したところ、プロピオン酸に対するメタクリル酸の収率は6%であり、トリオキサンに対するメタクリル酸の収率は27%であった。
Claims (3)
- カルボン酸が、酢酸またはプロピオン酸である請求項1に記載のα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
- ホルムアルデヒド前駆体が、トリオキサンである請求項1または2に記載のα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
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