JP4815876B2 - α,β−不飽和カルボン酸及びエステルの製造方法 - Google Patents

α,β−不飽和カルボン酸及びエステルの製造方法 Download PDF

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本発明は、カルボン酸、カルボン酸無水物又はカルボン酸エステルとメチレン化剤とを反応させるα,β−不飽和カルボン酸又はα,β−不飽和カルボン酸エステルの製造方法に関する。得られるα,β−不飽和カルボン酸又はα,β−不飽和カルボン酸エステルのうち、アクリル酸やメタクリル酸、アクリル酸メチルやメタクリル酸メチルは、アクリレート系樹脂モノマーの原料として重要な化合物である。
α,β−不飽和カルボン酸又はα,β−不飽和カルボン酸エステルの中でも特に重要なメタクリル酸及びメタクリル酸メチルは、従来、アセトンと青酸を反応させてアセトンシアノヒドリンを経由するルートにより広く生産されている。しかし、この製法では極めて毒性の高い青酸を使用しており、また硫酸アンモニウム等が大量に副生するといった問題点があった。また、イソブテンの酸化によりメタクロレインを得て、さらに酸化させるといった方法でも生産されている。しかし、多管式の極めて大型の反応器を必要とするといった問題点があった。
一方、カルボン酸又はカルボン酸エステルとメチレン化剤を反応させて、α,β−不飽和カルボン酸又はα,β−不飽和カルボン酸エステルを製造する方法が提案されている。例えば、ニオブの酸化物を含む触媒を使用することにより、ホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド前駆体とカルボン酸、カルボン酸エステル又は無水カルボン酸とを接触させるα,β−不飽和カルボン酸又はそのエステルの製造方法が記載されている(特許文献1参照)。しかし、この方法では吸湿しやすく取り扱いにくいフッ化ニオブを使用するなど触媒調製が煩雑であった。また、使用するフッ化ニオブは高価であり、コスト面でも実用的とは言いがたい方法であった。
また、酸強度がpKa≦−3.0の酸点を有する固体触媒を用いたアクリル酸又はメタクリル酸の製造方法も提案されている(特許文献2参照)。これには、Al23含量13〜28%のシリカアルミナを用いた方法について開示されているが、その選択率は必ずしも十分なものではなかった。
特表2001−507697号公報 特開昭60−246342号公報
本発明は、カルボン酸、カルボン酸無水物又はカルボン酸エステルとメチレン化剤とを反応させ、α,β−不飽和カルボン酸又はα,β−不飽和カルボン酸エステルを優れた選択率で製造する方法を提供しようとするものである。
そこで本発明者らは、カルボン酸、カルボン酸無水物又はカルボン酸エステルとメチレン化剤とを反応させてα,β−不飽和カルボン酸又はα,β−不飽和カルボン酸エステルを製造する方法について鋭意検討した結果、簡便に調製可能な含有量5重量%以下の周期表13族の金属を含有する触媒を用いることによって、優れた選択率で反応が進行することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、式(1)
Figure 0004815876
(式中、R1は水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を表す。)
で示されるカルボン酸又は式(2)
Figure 0004815876
(式中、R1は前記と同じ意味を表す。)
で示されるカルボン酸無水物とメチレン化剤とを周期表第13族の金属を5重量%以下の量含有する触媒の存在下に反応させることを特徴とする式(3)
Figure 0004815876
(式中、R1は前記と同じ意味を表す。)
で示されるα,β−不飽和カルボン酸の製造方法;及び式(4)
Figure 0004815876
(式中、R1は水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を表し、R2はアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。)
で示されるカルボン酸エステルとメチレン化剤とを周期表第13族の金属を5重量%以下の量含有する触媒の存在下に反応させることを特徴とする式(5)
Figure 0004815876
(式中、R1及びR2は前記と同じ意味を表す。)
で示されるα,β−不飽和カルボン酸エステルの製造方法を提供するものである。


カルボン酸、カルボン酸無水物又はカルボン酸エステルとメチレン化剤からα,β−不飽和カルボン酸又はα,β−不飽和カルボン酸エステルを製造する方法において、簡便に調製できる触媒を用いて、優れた選択率で反応を実施することが可能となり、本発明は工業的製造方法として優れている。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いられる式(1)で示されるカルボン酸(以下、カルボン酸(1)と称す。)及び式(2)で示されるカルボン酸無水物(以下、カルボン酸無水物(2)と称す。)において、R1は水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を表す。R1は直鎖でも分岐でも環状であってもよい。R1が水素原子の場合に対応するカルボン酸は酢酸であり、R1が水素原子の場合に対応するカルボン酸無水物は無水酢酸である。
1がアルキル基である場合において、アルキル基の炭素数は通常、1〜10の範囲である。かかるカルボン酸(1)としては、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、3−メチルブタン酸、カプロン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、ノナン酸、カプリン酸、ウンデカン酸等が挙げられる。またカルボン酸無水物(2)としては、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水吉草酸、無水3−メチルブタン酸、無水カプロン酸、無水ヘプタン酸、無水カプリル酸、無水ノナン酸、無水カプリン酸、無水ウンデカン酸等が挙げられる
1がアリール基である場合において、アリール基の炭素数は通常、6〜10の範囲である。かかるカルボン酸(1)としては、フェニル酢酸、p−トルイル酢酸、ナフチル酢酸等が挙げられる。またカルボン酸無水物(2)としては、無水フェニル酢酸、無水p−トルイル酢酸、無水ナフチル酢酸等が挙げられる
1がアラルキル基である場合において、アラルキル基の炭素数は通常、7〜10の範囲である。かかるカルボン酸(1)としては3−フェニルプロピオン酸等が挙げられる。またカルボン酸無水物(2)としては無水3−フェニルプロピオン酸等が挙げられる。
1がアルケニル基である場合において、アルケニル基の炭素数は通常、2〜10の範囲である。かかるカルボン酸(1)としては、ビニル酢酸、4−ペンテン酸、10−ウンデセン酸等が挙げられる。またカルボン酸無水物(2)としては、無水ビニル酢酸、無水4−ペンテン酸、無水10−ウンデセン酸等が挙げられる。
1がアルキニル基である場合において、アルキニル基の炭素数は通常、2〜10の範囲である。かかるカルボン酸(1)としては、3−ブチン酸、3−ペンチン酸、3−ヘキシン酸等が挙げられる。またカルボン酸無水物(2)としては、無水3−ブチン酸、無水3−ペンチン酸、無水3−ヘキシン酸等が挙げられる。
1は好ましくは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基であり、さらに好ましくは、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。
カルボン酸(1)としては、酢酸、プロピオン酸が好ましく、さらに好ましくはプロピオン酸が挙げられる。
カルボン酸無水物(2)としては、無水酢酸、無水プロピオン酸が好ましく、さらに好ましくは無水プロピオン酸が挙げられる。
本発明で用いられる式(4)で示されるカルボン酸エステル(以下、カルボン酸エステル(4)と称す。)において、R1は水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を表し、R2はアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
1がアルキル基である場合においてはアルキル基の炭素数は通常、1〜10の範囲であり、アリール基である場合においてはアリール基の炭素数は通常、6〜10の範囲であり、アラルキル基である場合においてはアラルキル基の炭素数は通常、7〜10の範囲であり、アルケニル基である場合においてはアルケニル基の炭素数は通常、2〜10の範囲であり、アルキニル基である場合においてはアルキニル基の炭素数は通常、2〜10の範囲である。R1は直鎖でも分岐でも環状であってもよい。好ましくは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基が挙げられ、さらに好ましくは、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基が挙げられる。
2がアルキル基である場合においてはアルキル基の炭素数は通常、1〜10の範囲であり、アリール基である場合においてはアリール基の炭素数は通常、6〜10の範囲であり、アラルキル基である場合においてはアラルキル基の炭素数は通常、7〜10の範囲であり、アルケニル基である場合においてはアルケニル基の炭素数は通常、2〜10の範囲である。R2は直鎖でも分岐でも環状であってもよい。好ましくは炭素数1〜10のアルキル基が挙げられ、さらに好ましくは、炭素数1〜3のアルキル基が挙げられる。
かかるカルボン酸エステル(4)としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸ヘプチル、酢酸オクチル、酢酸ノニル、酢酸デシル、酢酸フェニル、酢酸ナフチル、酢酸トリル、酢酸ベンジル、酢酸フェニルエチル、酢酸ビニル、酢酸アリル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸シクロヘキシル、プロピオン酸ヘプチル、プロピオン酸オクチル、プロピオン酸ノニル、プロピオン酸デシル、プロピオン酸フェニル、プロピオン酸ナフチル、プロピオン酸トリル、プロピオン酸ベンジル、プロピオン酸フェニルエチル、プロピオン酸ビニル、プロピオン酸アリル、酪酸メチル、酪酸エチル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、3−メチルブタン酸メチル、3−メチルブタン酸エチル、カプロン酸メチル、カプロン酸エチル、ヘプタン酸メチル、ヘプタン酸エチル、カプリル酸メチル、カプリル酸エチル、ノナン酸メチル、ノナン酸エチル、カプリン酸メチル、カプリン酸エチル、ウンデカン酸メチル、ウンデカン酸エチル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、p−トルイル酢酸メチル、p−トルイル酢酸エチル、ナフチル酢酸メチル、ナフチル酢酸エチル、3−フェニルプロピオン酸メチル、3−フェニルプロピオン酸エチル、ビニル酢酸メチル、ビニル酢酸エチル、4−ペンテン酸メチル、4−ペンテン酸エチル、10−ウンデセン酸メチル、10−ウンデセン酸エチル、3−ブチン酸メチル、3−ブチン酸エチル、3−ペンチン酸メチル、3−ペンチン酸エチル、3−ヘキシン酸メチル、3−ヘキシン酸エチル等が挙げられる。
この中で、酢酸メチル、プロピオン酸メチルが好ましく、さらに好ましくはプロピオン酸メチルが挙げられる。
本発明で使用されるメチレン化剤としては、ホルムアルデヒド、ホルムアルデヒド前駆体、メチラールが挙げられる。これらは溶媒を含んだ状態で用いてもよい。
ホルムアルデヒドは、種々の形態で用いることができる。ホルマリンのような水溶液で供給することも、ホルムアルデヒド100%で供給することもできるが、ホルムアルデヒド100%で供給することが難しい場合は、ホルムアルデヒド前駆体を用いることができる。ホルムアルデヒド前駆体は、反応前又は反応系中で容易に分解してホルムアルデヒドを与える化合物であれば特に限定されない。ホルムアルデヒド前駆体の具体例としては、トリオキサン、パラホルムアルデヒド等が挙げられるが、トリオキサンが好ましい。これらは有機又は無機の媒体で希釈して使用することもできる。
メチレン化剤の供給量は、使用するカルボン酸(1)又はカルボン酸エステル(4)に対し通常0.01〜10モル倍である。ただし、ホルムアルデヒド前駆体を使用する場合はホルムアルデヒド換算として算出する。好ましくは0.03〜3モル倍であり、さらに好ましくは0.1〜2モル倍程度である。
カルボン酸無水物(2)を使用する場合には、メチレン化剤の供給量は、使用するカルボン酸無水物(2)に対し通常0.02〜20モル倍である。ただし、ホルムアルデヒド前駆体を使用する場合はホルムアルデヒド換算として算出する。好ましくは0.06〜6モル倍であり、さらに好ましくは0.2〜4モル倍程度である。
カルボン酸(1)又はカルボン酸無水物(2)とメチレン化剤とを反応させて製造されるα,β−不飽和カルボン酸は、式(3)で示されるものである。R1が水素原子の場合、つまり原料カルボン酸(1)又は原料カルボン酸無水物(2)が酢酸又は無水酢酸のときは、得られる式(3)で示されるα,β−不飽和カルボン酸(以下、α,β−不飽和カルボン酸(3)と称す。)はアクリル酸であり、R1がメチル基、つまり原料カルボン酸又は原料カルボン酸無水物がプロピオン酸又は無水プロピオン酸のときは、α,β−不飽和カルボン酸(3)はメタクリル酸となる。
カルボン酸エステル(4)とメチレン化剤とを反応させて製造されるα,β−不飽和カルボン酸エステルは、式(5)で示されるものである。R1が水素原子の場合、つまり原料カルボン酸エステル(4)が酢酸エステルのときは、得られる式(5)で示されるα,β−不飽和カルボン酸エステル(以下、α,β−不飽和カルボン酸エステル(5)と称す。)はアクリル酸エステルであり、R1がメチル基、つまり原料カルボン酸エステル(4)がプロピオン酸エステルのときは、α,β−不飽和カルボン酸エステル(5)はメタクリル酸エステルとなる。
本発明において使用する触媒は、周期表第13族の金属を含有する触媒である。
本発明に用いられる触媒は、含有量5重量%以下の第13族の金属を含有する触媒であれば特に限定されない。第13族の金属としては、Al、Ga、In、Tlが挙げられるが、好ましくはAl又はGaである。これらは、酸化物として用いることができる。第13族の金属単独の酸化物、2種以上の第13族の金属の酸化物の混合物であってもよく、第13族の金属の酸化物と他の金属酸化物との混合物であってもよい、また第13族の金属と他の金属との複合酸化物として存在していてもよい。これらはいずれも担体に担持されている形態が好ましい。担体としては、SiO2、Al23、TiO2、ZrO2、ZnO、Fe23、CeO2、SiC、ゼオライト、活性炭等が挙げられるが、担持される第13族の金属を実質上含まない担体が選択される。これらの担体の中でSiO2が好ましい。
担体への担持方法は含浸法、共沈法、乾固法、噴霧乾燥法などが挙げられる。この中で含浸法が第13族の金属を高分散に担持することができ好ましい。含浸法で担持する方法としては例えば、硝酸塩などの第13族の金属源の水溶液中に担体を入れて含浸させた後、ろ過して得た固体を乾燥、焼成して得る方法が挙げられる。このときの焼成温度は、一般には100℃〜1300℃の範囲であり、好ましくは200℃〜1200℃の範囲であり、より好ましくは300℃〜1000℃程度の範囲である。
第13族の金属の含有量は多すぎると第13族金属が凝集して十分な効果が得られず、少なすぎるとその効果は低くなるため、適切な範囲を選択する必要がある。含有量は、触媒に対する第13族の金属として通常、0.001〜5重量%の範囲で使用され、好ましくは0.01〜3重量%であり、より好ましくは0.05〜2重量%であり、さらに好ましくは0.05〜1.5重量%であり、最も好ましくは0.1〜1重量%である。
本反応は連続式でも回分式でも実施できるが、工業的には連続式が好ましい。
連続式で反応を行うときの原料カルボン酸(1)、カルボン酸無水物(2)、カルボン酸エステル(4)の供給量は、一般に触媒1gあたり0.1g/hr〜100g/hrの範囲であり、好ましくは0.3g/hr〜20g/hr程度の範囲である。
本反応において、カルボン酸(1)、カルボン酸無水物(2)又はカルボン酸エステル(4)とメチレン化剤の他に、不活性ガスも供給することができる。不活性ガスとしては窒素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられるが、価格の面から窒素が通常使用される。
反応温度は、低すぎると反応速度が遅く、高すぎると副反応が起こりやすくなるため、150℃〜500℃の範囲で反応を行うことが好ましい。より好ましくは200℃〜400℃の範囲であり、さらに好ましくは250℃〜350℃程度の範囲である。
反応圧力は、特に制限はないが、あまり高すぎると設備費が高額になるため、通常はゲージ圧で0 MPa(0 MPaは、大気圧を意味する。)〜10MPaの範囲で実施する。より好ましくは0.05MPa〜1MPa程度の範囲である。
反応終了後の反応混合物は、目的物であるα,β−不飽和カルボン酸(3)又はα,β−不飽和カルボン酸エステル(5)と、未反応の原料、またその他の不純物を含むこともある。この反応混合物から、それぞれの用途に必要な純度までα,β−不飽和カルボン酸(3)又はα,β−不飽和カルボン酸エステル(5)を精製してもよく、その方法は特に限定されず、蒸留、抽出等の一般的な方法が適用できる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
1.02gのGa(NO33・nH2O(和光純薬製)を200gのイオン交換水に溶解した溶液中に14.3gのSiO2ビーズ(CARiACT、富士シリシア製)を投入、50℃で5時間攪拌した。デカンテーションにより溶液を取り除いたビーズを100℃減圧下で乾燥した後、500℃に調節したマッフル炉中5時間焼成して触媒を調製した。IES−AES法による元素分析の結果、Ga量は0.60wt%であった。
本触媒5gを内径3/4インチのSUS管で製作した反応管に導入した。300℃に加熱した反応管に、プロピオン酸(関東化学製、特級)とトリオキサン(関東化学製、特級)の混合液(トリオキサン20gをプロピオン酸230g中に溶解したものを使用)を0.2ml/minの流量で、窒素を82ml/minの流量で導入した。反応管内圧は、反応管の下流に設けた背圧弁によりゲージ圧で2kg/cm2(0.2MPa相当)に保持した。
送液開始より1時間後から3時間後に捕集された反応液をガスクロマトグラフィー(GC)により定量分析したところ、プロピオン酸の転化率は8.6%であり、転化したプロピオン酸に対するメタクリル酸の選択率は92%であった。
[実施例2]
1.92gのGa(NO33・nH2O(和光純薬製)を200gのイオン交換水に溶解した溶液中に14.3gのSiO2ビーズを投入したこと以外は実施例1と同様に触媒を調製した。IES−AES法による元素分析の結果、Ga量は0.79wt%であった。
本触媒5gを用いた以外は実施例1と同様に反応を行ったところ、プロピオン酸の転化率は7.8%であり、転化したプロピオン酸に対するメタクリル酸の選択率は91%であった。
[実施例3]
0.91gのAl(NO33・9H2O(和光純薬製)を200gのイオン交換水に溶解した溶液中に14.3gのSiO2ビーズを投入したこと以外は実施例1と同様に触媒を調製した。IES−AES法による元素分析の結果、Al量は0.13wt%であった。
本触媒5gを用いた以外は実施例1と同様に反応を行ったところ、プロピオン酸の転化率は9.0%であり、転化したプロピオン酸に対するメタクリル酸の選択率は92%であった。
[実施例4]
1.78gのAl(NO33・9H2O(和光純薬製)を200gのイオン交換水に溶解した溶液中に14.3gのSiO2ビーズを投入したこと以外は実施例1と同様に触媒を調製した。IES−AES法による元素分析の結果、Al量は0.17wt%であった。
本触媒5gを用いた以外は実施例1と同様に反応を行ったところ、プロピオン酸の転化率は9.3%であり、転化したプロピオン酸に対するメタクリル酸の選択率は91%であった。
[実施例5]
9.09gのAl(NO33・9H2O(和光純薬製)を100gのイオン交換水に溶解した溶液中に7.1gのSiO2ビーズを投入したこと以外は実施例1と同様に触媒を調製した。IES−AES法による元素分析の結果、Al量は0.61wt%であった。
本触媒5gを用いた以外は実施例1と同様に反応を行ったところ、プロピオン酸の転化率は8.8%であり、転化したプロピオン酸に対するメタクリル酸の選択率は87%であった。
[実施例6]
1.18gのAl(NO33・9H2O(和光純薬製)を100gのイオン交換水に溶解した溶液中に7.2gのSiO2ビーズを投入、50℃で2時間攪拌した。減圧下でドライアップしたビーズを100℃減圧下で乾燥した後、500℃に調節したマッフル炉中5時間焼成して触媒を調製した。IES−AES法による元素分析の結果、Al量は0.93wt%であった。
本触媒5gを用いた以外は実施例1と同様に反応を行ったところ、プロピオン酸の転化率は8.6%であり、転化したプロピオン酸に対するメタクリル酸の選択率は85%であった。
[実施例7]
0.95gのGa(NO33・nH2O(和光純薬製)を200gのイオン交換水に溶解した溶液中に14.3gのSiO2ビーズ(CARiACT、富士シリシア製)を投入、50℃で5時間攪拌した。デカンテーションにより溶液を取り除いたビーズを100℃減圧下で乾燥した後、500℃に調節したマッフル炉中5時間焼成した。この焼成品のうち6.8gを、0.46gのGa(NO33・nH2O(和光純薬製)を100gのイオン交換水に溶解した溶液中に投入、50℃で5時間攪拌した。デカンテーションにより溶液を取り除いたビーズを100℃減圧下で乾燥した後、500℃に調節したマッフル炉中5時間焼成して触媒を調製した。IES−AES法による元素分析の結果、Ga量は1.11wt%であった。
本触媒5gを用いた以外は実施例1と同様に反応を行ったところ、プロピオン酸の転化率は9.0%であり、転化したプロピオン酸に対するメタクリル酸の選択率は90%であった。
[比較例1]
10.4gのAl(NO33・9H2O(和光純薬製)と33.1gのSi(OEt)4(和光純薬製)を40gのイオン交換水と320gのエタノールの混合液に溶解した溶液中にアンモニア水をpHが8になるまで滴下、室温で4時間攪拌した。加圧ろ過によりろ液を除去した白色沈殿物を100℃減圧下で乾燥した後、500℃に調節したマッフル炉中5時間焼成して触媒を調製した。IES−AES法による元素分析の結果、Al量は6.42wt%であった。
本触媒5gを用いた以外は実施例1と同様に反応を行ったところ、プロピオン酸の転化率は9.2%であり、転化したプロピオン酸に対するメタクリル酸の選択率は76%であった。

Claims (7)

  1. 式(1)
    Figure 0004815876
    (式中、R1は水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基又はア
    ルキニル基を表す。)
    で示されるカルボン酸又は式(2)
    Figure 0004815876
    (式中、R1は前記と同じ意味を表す。)
    で示されるカルボン酸無水物とメチレン化剤とを、シリカにガリウムを担持した触媒であって、ガリウムの触媒に対する含有量が、0.001〜5重量%である触媒の存在下に反応させることを特徴とする式(3)
    Figure 0004815876
    (式中、R1は前記と同じ意味を表す。)
    で示されるα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
  2. 式(4)
    Figure 0004815876
    (式中、R1は水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基又はア
    ルキニル基を表し、R2はアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表
    す。)
    で示されるカルボン酸エステルとメチレン化剤とを、シリカにガリウムを担持した触媒であって、ガリウムの触媒に対する含有量が、0.001〜5重量%である触媒の存在下に反応させることを特徴とする式(5)
    Figure 0004815876
    (式中、R1及びR2は前記と同じ意味を表す。)
    で示されるα,β−不飽和カルボン酸エステルの製造方法。
  3. 式(1)で示されるカルボン酸が、酢酸又はプロピオン酸である請求項記載の製造方法。
  4. 式(1)で示されるカルボン酸が、プロピオン酸である請求項1記載の製造方法。
  5. メチレン化剤が、トリオキサンである請求項1〜のいずれか記載の製造方法。
  6. ガリウムの触媒に対する含有量が、0.05〜1.5重量%である請求項1〜5のいずれか記載の製造方法。
  7. ガリウムの触媒に対する含有量が、0.1〜1重量%である請求項1〜5のいずれか記載の製造方法。
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