JP4576267B2 - 表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、発泡成形体製造用ポリスチレン系樹脂発泡粒子及びポリスチレン系樹脂発泡成形体 - Google Patents

表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、発泡成形体製造用ポリスチレン系樹脂発泡粒子及びポリスチレン系樹脂発泡成形体 Download PDF

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Description

本発明は、低い蒸気圧力で成形しても十分に融着させることができ、耐割れ特性に優れた発泡成形体を得ることができる未発泡状態の表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、該発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡させて得られた発泡成形体製造用ポリスチレン系樹脂発泡粒子及び該発泡成形体製造用ポリスチレン系樹脂発泡粒子を発泡成形して得られたポリスチレン系樹脂発泡成形体に関する。
発泡性ポリスチレン系樹脂を発泡成形して得られる発泡成形体は、軽量性、断熱性、経済性等に優れており、断熱材、梱包材などとして広く用いられている。しかし、ポリスチレン系樹脂は硬質樹脂であり、剛性があるために、圧縮などの静的荷重には強いが、衝撃等の動的荷重には弱く、割れやすいという欠点があり、耐割れ性が改善されたポリスチレン系樹脂発泡成形体の提供が切望されている。
また近年、省エネルギー成形の観点から、従来品よりも低い蒸気圧力で良好な成形体が得られる発泡性スチレン系樹脂粒子が要望されている。この低圧成形法によれば、発泡成形時に省エネルギーが図れることに加え、成形時の2次発泡圧力が低くなり、成形時の放冷時間(加熱、水冷後、2次発泡圧力を離型可能な水準まで下げるのに要する時間)を短縮できる利点もある。
従来、発泡成形体又はポリスチレン系樹脂発泡粒子の特性改善に関して、例えば特許文献1〜3に開示された技術が提案されている。
特許文献1には、結晶性の熱可塑性樹脂から成る発泡状態の芯層と、前記熱可塑性樹脂より融点が低いか、または、実質的に融点を示さないエチレン系重合体から成り、且つ実質的に非発泡状態である被覆層とから構成されている発泡樹脂粒子が開示されている。この被覆層としては高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン等が挙げられている。この従来技術では、ポリプロピレン、ポリエステルのような軟化温度が高い結晶性樹脂発泡粒子であっても、低圧(低温)汎用成形機で成形でき、従来の高圧(高温)成形機で成形した成形体と同等の物性を有する成形体が得られる効果を有する旨が記載されている。
特許文献2には、熱可塑性樹脂からなる予備発泡粒子の表面に、3〜30μmの厚さで接着液を被覆し、次いで接着液で被覆されている予備発泡粒子の表面に機能性粉体を展着させ、乾燥することを特徴とする機能性発泡粒子が開示されている。この機能性粉体としては、導電性、誘電性、磁性、抗菌性、吸湿性、消臭性、マイナスイオン発生、防虫性等を有する粉体が記載されている。この従来技術では、発泡粒子表面に機能付与する際に、粒子表面に接着液を介して機能性粉体を強固に展着できるとともに、粒子相互の付着を防止することができ、その結果機能性粒子を効率よく製造することができる効果を有する旨が記載されている。しかし、この機能性発泡粒子は、表面に機能性粉体を展着していることから、この機能性発泡粒子同士を加熱融着することはできず、発泡成形体を製造する用途には使用できない。
特許文献3には、20℃での熱伝導率が0.015Kcal/m・h・℃以下の発泡剤を含んだ熱可塑性樹脂粒子の表面にガスバリア性樹脂を被覆してなる熱可塑性樹脂予備発泡粒子から成形されてなることを特徴とする成形体が開示されている。熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン系樹脂が、またガスバリア性樹脂としてはポリ塩化ビニリデン系樹脂が挙げられている。この従来技術では、熱伝導率の低い発泡剤を含む熱可塑性樹脂予備発泡粒子の表面をガスバリア性樹脂で被覆することにより、粒子中からの低熱伝導率発泡剤の大気中への逸散が防止され、長期間に渡って熱伝導率の低下が起こらない成形体が得られる効果を有する旨が記載されている。
特開平10−77359号公報 特開2004−18773号公報 特開平8−67762号公報
しかしながら、前述した従来技術には、次のような問題があった。
特許文献1に記載された従来技術では、発泡樹脂粒子の被覆層樹脂は芯層の結晶性熱可塑性樹脂より融点の低いエチレン系重合体であるが、融点は低いものの常温で固体の樹脂であり、また加熱溶融させたとしても粘弾性流体となり粘度が高すぎるために粒子表面に簡単に被覆することができない。従って、複合樹脂粒子を製造するには共押出で芯層の結晶性樹脂と表層のエチレン系樹脂を別個に押し出し、ダイ内で芯層樹脂と被覆層樹脂を複合一体化して鞘芯型複合体として押し出した後、カットして粒子化する必要がある。このようにして得られた粒子はエチレン系樹脂で被覆されているとはいえ粒子のカット面には被覆層が存在せず、芯層樹脂が露出した状態となる。従って、この粒子を発泡成形体とした際にも、個々の粒子の芯層樹脂である結晶性樹脂が成形体表面のところどころに露出した成形体となる。その為、たとえ被覆層樹脂として、芯層樹脂より柔軟で伸びの良い樹脂を選択したとしても、成形体表面では被覆層樹脂がところどころ切れており、衝撃等が加わった際に被覆層で衝撃を吸収して割れにくくなるという効果は期待できない。また、成形には0.8〜1.5kg/cmG程度の蒸気圧が必要である。
特許文献2に記載された従来技術は、熱可塑性樹脂からなる予備発泡粒子の表面に接着液を被覆するものであるが、この接着液は機能性粉体を粒子表面に強固に付着させるための展着剤として用いられるものである。好適な接着液の例示としてエチレン酢酸ビニル系エマルジョンの記載があるが、接着液は予備発泡粒子の表面に機能性粉体を展着することができれば、特に限定されないと記載されており、接着液により機能性粉体の展着以外の機能(低圧融着性向上や耐衝撃性等)を付与することについては何ら示唆されていない。実施例に記載されている接着液は、アクリル共重合エマルジョンのみであり、これを粒子表面に被覆しても、アクリル樹脂は硬質樹脂であり耐衝撃性や低圧融着性の向上は期待できない。また、発泡粒子表面に接着液を介して粉体を展着させる方法では、発泡粒子表面に粉体が密集して隙間無く展着されることから、発泡粒子相互の付着が実質的に観察されない反面、成形時には粒子相互の融着を強く阻害するため、十分な強度をもつ成形体は得られない。さらに、特許文献2はどこにも成形方法についての示唆はなく、実施例においても、成形については記載されていない。
特許文献3に記載された従来技術は、発泡性熱可塑性樹脂粒子の表面に樹脂被覆するものであるが、被覆する樹脂はポリ塩化ビニリデン等のガスバリア性樹脂であり、被覆樹脂皮膜で粒子の強度(耐割れ性)を改良するものではなく、粒子中に含まれる発泡剤が粒子から逸散するのを防止するものであり、成形体の耐割れ性の改善効果は達成し得ない。
本発明は前記事情に鑑みてなされ、低い蒸気圧力で成形しても十分に融着させることができ、耐割れ特性に優れた発泡成形体を得ることができる未発泡状態の表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、該表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡させて得られた発泡成形体製造用ポリスチレン系樹脂発泡粒子及び該発泡成形体製造用ポリスチレン系樹脂発泡粒子を発泡成形して得られたポリスチレン系樹脂発泡成形体の提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、未発泡状態の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面に、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル−特殊エステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル−アクリル系樹脂からなる群から選択される1種又は2種以上の樹脂でありガラス転移点が−20℃〜50℃である軟質樹脂層が設けられ、該軟質樹脂層の表面に、前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100質量部に対して0.05〜5質量部の無機粉体である合着防止剤が付着していることを特徴とする表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を提供する。
本発明の表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、前記軟質樹脂層の被覆量が前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100質量部に対して0.05〜15質量部であることが好ましい。
また本発明は、未発泡状態の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面に、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル−特殊エステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル−アクリル系樹脂からなる群から選択される1種又は2種以上の樹脂でありガラス転移点が−20℃〜50℃である軟質樹脂を含むエマルジョンを塗布した後、該エマルジョンが完全に乾燥するまでの間に、その表面に無機粉体である合着防止剤を付着させ、さらに該エマルジョンを乾燥させて、前述した本発明に係る表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることを特徴とする表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法を提供する。
本発明の表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、前記エマルジョンが、前記軟質樹脂を含む水性エマルジョンであることが好ましい。
本発明の表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、前記エマルジョンの粘度を50〜2000mPa・sの範囲とすることが好ましい。
また本発明は、前述した本発明に係る表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡させて得られた発泡成形体製造用ポリスチレン系樹脂発泡粒子であって、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の膨張によって前記発泡粒子表面に付着した合着防止剤が、前記発泡粒子相互間の加熱融着が可能な程度に分散して存在していることを特徴とする発泡成形体製造用ポリスチレン系樹脂発泡粒子を提供する。
また本発明は、前述した本発明に係る発泡成形体製造用ポリスチレン系樹脂発泡粒子を型内に充填し、加熱して型内発泡させて発泡粒子同士を融着させて得られたポリスチレン系樹脂発泡成形体を提供する。
本発明によれば、低い蒸気圧力で成形しても十分に融着させることができ、耐割れ特性に優れた発泡成形体を得ることができる表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、発泡成形体製造用ポリスチレン系樹脂発泡粒子及びポリスチレン系樹脂発泡成形体を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明に係る表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の一実施形態を示す図である。本実施形態の表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子1は、未発泡状態の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子2の表面に、ガラス転移点が−20℃〜50℃である軟質樹脂層3が設けられ、この軟質樹脂層3の表面に、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100質量部に対して0.05〜5質量部の合着防止剤粒子4が付着していることを特徴とする。
本発明において用いられる未発泡状態の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子2は、ポリスチレン系樹脂に発泡剤を含有させて作られる粒子である。その材料のポリスチレン系樹脂は、スチレン系単量体の単独重合体はもちろん共重合体も含まれる。スチレン系単量体には、スチレンのほかメチルスチレン、エチルスチレンなども含まれる。また、共重合体はスチレン単量体が50モル%以上含まれている共重合体を含んでいる。共重合体の相手方単量体としては、メタクリル酸メチルなどのメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、無水マレイン酸などが挙げられる。またポリスチレン系樹脂には、ブタジエンゴム、ハイインパクトポリスチレン、スチレン−ブタジエンのブロック共重合体、グラフト共重合体などを適宜混合することができる。
この発泡性ポリスチレン系樹脂粒子2に用いられる発泡剤としては、例えばプロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン等の炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類等が使用可能であり、これらの中でも、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン単独もしくはこれらの混合物が特に好適である。発泡剤の添加量は、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子2の目標発泡倍率により増減できるが、一般的にはポリスチレン系樹脂100質量部に対して2〜15質量部の範囲が好ましい。
この発泡性ポリスチレン系樹脂粒子2には、ポリスチレン系樹脂及び発泡剤以外の添加成分として、気泡核剤、帯電防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、難燃剤、可塑剤等の当該分野で周知の各種添加剤を必要に応じて1種又は2種以上添加することができる。
この発泡性ポリスチレン系樹脂粒子2の形状や寸法は特に限定されないが、真球状、円柱状、略球状などの形状が一般的であり、真球状又は略球状の場合の粒径は通常0.3〜2.0mm程度とすることが好ましく、円柱状の場合は粒子径0.5〜1.5mm、粒子長2.0〜8.0mm程度とすることが好ましい。
この発泡性ポリスチレン系樹脂粒子2の表面を覆って設けられた軟質樹脂層3は、ガラス転移点が−20℃〜50℃の範囲、好ましくは0〜30℃の範囲の軟質樹脂からなる。この軟質樹脂のガラス転移点が−20℃未満であると、常温放置時に粒子がべとつき、合着防止剤粒子4粒子同士の合着が起こり易くなる。一方、軟質樹脂のガラス転移点が50℃を超えると、表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子1を発泡させて発泡成形体を製造する際に、成形時の加熱で軟質樹脂層3が十分に軟化溶融せず、発泡粒子同士の接着が弱くなるおそれがある。
ここで、ガラス転移点は、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」記載の方法により測定されるものである。即ち、示差走査熱量計装置 DSC200型(セイコー電子工業(株)製)を用い、測定容器に試料を10mg充填して、窒素ガス流量30ml/minのもとで、予め転移温度より約50℃低い温度で装置が安定するまで保持した後、20℃/minの昇温速度で転移終了時よりも約30℃高い温度まで加熱してガラス転移温度を測定し中間点ガラス転移温度をガラス転移点(Tg)とした。
この軟質樹脂は、ガラス転移点が前述した数値範囲のものであればよいが、発泡成形体を製造した際に、得られた発泡成形体の耐割れ性を改善し得る樹脂材料が好ましい。発泡成形体の耐割れ性を改善し得る軟質樹脂樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、エチレン−塩化ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル−特殊エステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル−アクリル系樹脂、ゴム系樹脂等の各種共重合樹脂が挙げられる。その中でもエチレン樹脂成分を含むものが好ましく、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂粉末のエマルジョンが特に好ましい。軟質樹脂の融点は、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体であれば、酢酸ビニルの含有量、あるいは可塑剤の添加量に左右され、好ましい酢酸ビニル含有量としては10〜25質量%程度である。
軟質樹脂層3の被覆量は、発泡性スチレン系樹脂粒子100質量部に対して、0.05〜15質量部の範囲が好ましく、3〜7質量部の範囲がさらに好ましい。軟質樹脂層3の被覆量が0.05質量部未満では、耐割れ性の向上は期待できず、低圧融着性も不十分となるおそれがある。十分な耐割れ性を発現するには、3質量部以上被覆することが好ましい。一方、15質量部を超える被覆量で軟質樹脂層3を被覆しても、それ以上の耐割れ性向上は期待できず、また樹脂粒子表面に均一に被覆することが困難となる。
この軟質樹脂層3に付着させる合着防止剤粒子4としては、表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子1同士の合着を防止できるものであればよく、その材料は特に限定されないが、コストとハンドリングの面から、炭酸カルシウム、タルク、水酸化アルミニウム、カオリン、ケイソウ土等の無機粉体が好ましい。
この合着防止剤粒子4の被覆量は、発泡性スチレン系樹脂粒子100質量部に対して、0.05〜5質量部の範囲が好ましく、0.1〜3質量部の範囲がさらに好ましい。0.05質量部未満では、発泡性樹脂粒子同士の合着が発生するおそれがあり、5質量部を超えて添加すると成形時に発泡粒子同士の融着性が低下するおそれがある。
この合着防止剤粒子4の粒径は、0.5〜100μmの範囲が好ましく、1〜50μmの範囲がさらに好ましい。0.5μm未満では、表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子1同士の合着が発生しやすく、また成形時に発泡性樹脂粒子同士の融着性が不十分となる事がある。100μmを超えると、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子2表面に被覆固着させ難く、発泡成形時に剥離して成形型の蒸気孔目詰まり等の原因となるおそれがある。
本実施形態の表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子1は、加熱発泡することによって軟質樹脂層3が表面を被覆した発泡成形体製造用ポリスチレン系樹脂発泡粒子が得られ、さらにこれを発泡成形体の製造に用いることで、低い蒸気圧力で成形しても十分に融着させることができ、耐割れ特性に優れた発泡成形体を製造することができる。
表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子1の表面に付着している合着防止剤粒子4は、表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子1の製造時、あるいは該粒子の搬送、計量、充填、包装などの取り扱いにおいて、粒子同士の合着を防止することで、該粒子の製造が容易となるとともに、製造後の該粒子の取り扱いを容易にすることができる。
また、この合着防止剤粒子4は、表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子1の加熱発泡後に得られる発泡粒子の表面では発泡粒子相互間の加熱融着が可能な程度に疎らになって存在するようになるので、発泡成形の際に発泡粒子同士の表面融着を妨げることはなく、発泡粒子同士が十分に融着し合った発泡成形体を得ることができる。
次に、前述した表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子1の製造方法を説明する。
まず、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子2と、軟質樹脂層3形成用の軟質樹脂エマルジョンと、合着防止剤粒子4とを用意する。発泡性ポリスチレン系樹脂粒子2は、市販品を用いてもよいし、従来公知の各種の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子製造方法、例えば懸濁重合法や水中押出法等の製造方法を用いて製造したものを用いてもよい。
この製造方法で用いる軟質樹脂エマルジョンとしては、前述した軟質樹脂層3形成用の軟質樹脂を水中に分散せしめた水性エマルジョンが好ましい。使用する軟質樹脂エマルジョンの粘度としては、50〜2000mPa・sの範囲が好ましく、100〜1000mPa・sの範囲が特に好ましい。軟質樹脂エマルジョンの粘度が2000mPa・sを超えると発泡性樹脂粒子表面に均一に被覆することが困難となり、50mPa・s未満では発泡性樹脂粒子表面に必要量の軟質樹脂を被覆させることが難しくなる。この軟質樹脂エマルジョンには、軟質樹脂と水の主剤以外に、界面活性剤などの乳化剤、消泡剤、分散安定剤、可塑剤、増粘剤、pH調整剤などの添加剤を必要に応じて加えることができる。
ここで、粘度は、BM型回転粘度計を用いて、JIS K7117:1987「液状の樹脂の回転粘度計による粘度試験方法」記載の方法により測定されるものである。
次に、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子2の表面に軟質樹脂エマルジョンを塗布する。この塗布方法は特に限定されないが、次のような塗布方法を用いることが好ましい。
(1)タンブラー、ミキサー等の混合機に発泡性ポリスチレン系樹脂粒子2を槽内に入れ、軟質樹脂エマルジョンを槽内に注入し、樹脂粒子を混合して樹脂粒子表面に均一に軟質樹脂エマルジョンを塗布する方法。
(2)発泡性ポリスチレン系樹脂粒子2表面に軟質樹脂エマルジョンをスプレーして均一に塗布する方法。
(3)発泡性ポリスチレン系樹脂粒子2を軟質樹脂エマルジョン液槽に浸漬し、引き上げる方法等。
次に、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子2表面に塗布した軟質樹脂エマルジョンが完全に乾燥するまでの間に、その表面に合着防止剤粒子4を付着させる。この方法は特に限定されず、例えば、前記混合機を用いる場合には、軟質樹脂エマルジョンを塗布した後、槽内の粒子を乾燥させながら、合着防止剤粒子4を散布し、混合することによって容易に行うことができる。
合着防止剤粒子4の付着後、軟質樹脂エマルジョンを乾燥させて、前述した表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子1を得る。
この製造方法では、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子2表面に軟質樹脂エマルジョンを被覆した後、これが完全に乾燥固化する前に、合着防止剤粒子4を展着させ樹脂粒子表面を被覆固着させることで、軟質樹脂エマルジョンの乾燥固化過程で樹脂粒子同士が合着してしまうことを防止でき、容易に発泡性スチレン系樹脂粒子2の表層全体に軟質樹脂層3を形成することができる。
次に、図2を参照して本発明に係る発泡成形体製造用ポリスチレン系樹脂発泡粒子(以下、発泡粒子と記す。)の実施形態を説明する。図2に示す発泡粒子10は、前述した表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子1を加熱して発泡(以下、予備発泡と記す。)させて得られたものである。この発泡粒子10は、発泡粒子本体11の表面に軟質樹脂層3を有し、この軟質樹脂層3には、合着防止剤粒子4が発泡粒子相互間の加熱融着が可能な程度に分散して付着している。
前述した表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子1を予備発泡した場合、軟質樹脂層3は予備発泡による粒子表面積の増大に対応して伸び、表面が薄い軟質樹脂層3で覆われた発泡粒子10を得ることができる。最表面に付着している合着防止剤粒子4は、予備発泡時の表面積増大に伴って粒子間の間隔が広がり、均一かつ、疎らに存在する様になる。このため発泡粒子10同士の合着を適度に防止し、かつ発泡成形時には合着防止剤粒子4による融着阻害が起こらない。その結果、表面に形成された軟質樹脂層3により発泡成形時の低圧融着性が向上し、耐割れ性が付与された発泡成形体を得ることができる。
予備発泡は、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を用いる発泡成形の分野で従来より公知の装置及び予備発泡条件にて行うことができる。この時の予備発泡倍数は、嵩倍率で5〜120倍の範囲が好ましく、15〜70倍が更に好ましく、30〜60倍がもっとも好ましい。5倍未満では、表面に付着させた合着防止剤粒子4により成形時の融着が不十分となるおそれがあり、120倍を超えて発泡すると発泡後の発泡粒子10の収縮が著しくなるため、良好な発泡成形体が得られないことがある。
この発泡粒子10は、発泡粒子本体11の表面に、ガラス転移点が−20℃〜50℃である軟質樹脂層3が設けられたものなので、低い蒸気圧力で成形しても十分に融着させることができ、耐割れ特性に優れた発泡成形体を得ることができる。
本発明は、前述した発泡粒子10を型内に充填し、加熱して型内発泡させて発泡粒子同士を融着させて得られた発泡成形体もまた提供する。前述した発泡粒子10を型内発泡成形する方法は、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を用いる発泡成形の分野で従来より公知の装置及び発泡成形条件にて行うことができる。本発明の発泡成形体は、前述した通り発泡粒子表面にガラス転移点が−20℃〜50℃である軟質樹脂層3が設けられた発泡粒子10を用いたものなので、耐割れ性が改善された発泡成形体となる。
なお、前述した実施形態及び後述する実施例の記載は、本発明の例示に過ぎず、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、各種の変更や修正が可能である。
例えば、合着防止剤は、前述した粉体状の合着防止剤粒子4に限らず、短繊維状、中空のバルーン状、微細な箔状などの形状のものを用いることもできる。
[実施例1]
通風乾燥機能を備えた転動流動造粒コーティング装置(株式会社パウレック製、マルチプレックスMP−25型:内容積44リットル)を用いて、発泡性ポリスチレン樹脂粒子(積水化成品工業株式会社製、商品名、エスレンビーズHDMF2:粒径約0.9mm、発泡剤としてブタン約6質量%含有)10kgをコーティング装置内で撹拌流動させながら、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名、スミカフレックス510HQ:有効固形分55質量%、粘度約400mPa・s、樹脂ガラス転移点0℃)550g(発泡性樹脂粒子100質量部に対し有効固形分で3.0質量部)を毎分20gの割合で装置内に設けられた噴霧ノズルより連続的に発泡性樹脂粒子に噴霧して、発泡性ポリスチレン樹脂粒子の表面に均一に被覆した。次に、合着防止剤として、炭酸カルシウム粉末(白石工業株式会社製、商品名、赤玉:平均粒径約2μm)150gをコーティング装置内に添加して撹拌混合して、エマルジョンが被覆された樹脂粒子表面に均一に被覆した。その後、エマルジョンが乾燥固化し合着防止剤が表面に固着するまで通風乾燥を行ってから取り出して表面に合着防止剤が被覆固着された軟質樹脂層を有する表面改質発泡性スチレン樹脂粒子を得た。
この表面改質発泡性スチレン樹脂粒子をポリエチレン製の袋に入れて23℃で24時間放置した後、目視にて粒子同士の合着有無を確認した。この発泡性スチレン樹脂粒子を内容積約40リットルの小型バッチ式予備発泡機にて嵩倍率50倍に予備発泡した。
得られた予備発泡粒子を23℃で24時間熟成させた後、型窩300×400×50mmを有する小型発泡成形機(株式会社積水工機製作所製、ACE−3型成形機)を使用して、ゲージ圧力0.55kgf/cmの水蒸気で30秒間加熱して発泡成形し、その後冷却して取り出し、300×400×50mmの板状発泡成形体を得た。
[実施例2]
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョンの添加量を910g(発泡性樹脂粒子100質量部に対し有効固形分で5.0質量部)、炭酸カルシウム粉末の添加量を250gに変えた以外は、実施例1と同様にして、300×400×50mmの板状発泡成形体を得た。
[実施例3]
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョンの添加量を1820g(発泡性樹脂粒子100質量部に対し有効固形分で10.0質量部)、炭酸カルシウム粉末の添加量を350gに変えた以外は、実施例1と同様にして、300×400×50mmの板状発泡成形体を得た。
[実施例4]
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョンの添加量を2500g(発泡性樹脂粒子100質量部に対し有効固形分で13.8質量部)、炭酸カルシウム粉末の添加量を480gに変えた以外は、実施例1と同様にして、300×400×50mmの板状発泡成形体を得た。
[実施例5]
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン15gに蒸留水30gを加えた希釈液(発泡性樹脂粒子100質量部に対し有効固形分で0.08質量部)を添加し、炭酸カルシウム粉末の添加量を5gに変えた以外は、実施例1と同様にして、300×400×50mmの板状発泡成形体を得た。
[実施例6]
炭酸カルシウム粉末を水酸化アルミニウム粉末(日本軽金属株式会社製、商品名、B103:平均粒径約10μm)に変えて200g添加した以外は、実施例2と同様にして、300×400×50mmの板状発泡成形体を得た。
[実施例7]
軟質樹脂エマルジョン種をエチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名、スミカフレックスS−830:有効固形分50質量%、粘度約150mPa・s、ガラス転移点20℃)に変えて1000g(発泡性樹脂粒子100質量部に対し有効固形分で5.0質量部)添加した以外は実施例2と同様にして、300×400×50mmの板状発泡成形体を得た。
[実施例8]
軟質樹脂エマルジョン種をエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョン(昭和高分子株式会社製、商品名、ポリゾールEVA AD−70:有効固形分50質量%、粘度約300mPa・s、ガラス転移点−18℃)に変えて1000g(発泡性樹脂粒子100質量部に対し有効固形分で5.0質量部)添加した以外は実施例2と同様にして、300×400×50mmの板状発泡成形体を得た。
[比較例1]
エマルジョン及び合着防止剤を添加していない無処理の発泡性スチレン樹脂粒子について、実施例1と同様の発泡成形操作を行い、300×400×50mmの板状発泡成形体を得た。
[比較例2]
成形時の蒸気圧力(ゲージ圧力)を0.55kgf/cmから0.8kgf/cmに変更した以外は、比較例1と同様にして300×400×50mmの板状発泡成形体を得た。
[比較例3]
合着防止剤として炭酸カルシウム粉末を添加しない以外は、実施例2と同様にして軟質樹脂層を有する発泡性スチレン樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子には合着が認められ、この樹脂粒子をポリエチレン製の袋に入れて23℃で24時間放置すると、樹脂粒子は強固に合着塊状化して、発泡成形はできなかった。
[比較例4]
添加する炭酸カルシウム粉末の量を850gに変えた以外は、実施例2と同様にして300×400×50mmの板状発泡成形体を得た。
実施例1〜8、比較例1、2、4で予備発泡後に得られた発泡粒子の軟質樹脂層の厚みを測定し、得られた板状発泡成形体を45℃の乾燥室内で24時間乾燥し、23℃の恒温室内で更に24時間養生させてから、以下の試験方法に従って、予備発泡粒子嵩倍率、成形体融着率、落球衝撃値及び軟質樹脂被膜厚みを測定した。結果を表1に示す。
<予備発泡粒子嵩倍率測定方法>
容積3000mlのポリプロピレン製ビーカーに、ビーカーの底を叩きながら予備発泡粒子を最密充填したのち、この予備発泡粒子の重量を0.1g単位で測定し次式により求めた。
嵩倍率(倍)=予備発泡粒子嵩容積(3000ml)/予備発泡粒子重量(g)
<成形体融着率測定方法>
板状発泡成形体(幅300mm、長さ400mm、厚み50mm)の表面に、一対の長辺の中心同士を結ぶ直線に沿ってカッターナイフで深さ約2mmの切り込みを入れ、この切り込みに沿って成形体を破断して2分割し、その破断面に存在する発泡粒子の内、任意に選択した100〜150個について、粒子自体が破断しているか、粒子界面で剥離しているかを目視により確認し、粒子自体が破断している個数をA、粒子界面で剥離している個数をBとして次式により求めた。
成形体融着率(%)=〔 A /(A+B) 〕×100
<落球衝撃値測定方法>
得られた発泡成形体よりバンドソーにて、幅40mm、長さ215mm、厚み20mmの片面に成形スキン面を有する測定試料を必要数切り出し、スキン面が下(綱球衝突面の裏側)になるよう試験機にセットして以下の方法で測定した。
使用鋼球:198g
試験片 :215×40×20tmm
試験スハ゜ン:150mm
試験方法:図3を参照して試験方法を説明する。まず、試料保持具21に試験片20を保持する。次に、高さHを変化させながら試験片20に鋼球22を落下させる(一水準、n=5)。試験片(5個)の全数が破壊しない最高の高さから、全数が破壊する最低の高さまで、5cm間隔で高さを変えて試験し、以下の式より試験片の半数破壊高さを求めて落球衝撃値とした。半数破壊高さ計算式はJIS K7211「硬質プラスチックの落錘衝撃試験方法通則」記載の式と同じである。
落球衝撃値=H50=HL−ΔH×(S/100−1/2)
H50 :50%破壊高さ =落球衝撃値(cm)
HL :全数破壊するときの最低高さ
ΔH :変化させる高さ(5cm)
S :各高さで破壊した割合(%)の総合計(%)
<軟質樹脂被膜厚み測定方法>
任意に選択した予備発泡粒子5個について、粒子の中心を通る平面で切断し、切断面を四酸化ルテニウムとオスミウム酸にて染色固化後、透過型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、H−7600)にて切断面の拡大写真を撮影し、撮影画像より読みとった軟質樹脂皮膜厚みの平均値を軟質樹脂被膜厚みとした。
Figure 0004576267
表1の結果から、本発明に係る実施例1〜8の表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、粒子同士の合着が無く、低い蒸気圧力で成形しても発泡粒子同士を十分に融着させることができ、耐割れ特性に優れた発泡成形体を得ることができた。
一方、軟質樹脂層を設けない比較例1,2の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、低い蒸気圧力で成形した場合には発泡粒子同士が十分に融着しなかった。また、軟質樹脂層を設けたが合着防止剤を使用していない比較例3の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、軟質樹脂層の形成後に合着して発泡成形できなかった。また、軟質樹脂層を設け、合着防止剤を使用したが、合着防止剤を過剰(発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100質量部に対し8.5質量部)に付着させた比較例4の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、合着しなかったが、合着防止剤が多いために発泡粒子同士が十分に融着しなかった。
本発明に係る表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る発泡成形体製造用ポリスチレン系樹脂発泡粒子の実施形態を示す断面図である。 実施例で行った落球衝撃値の測定方法を説明する構成図である。
符号の説明
1…表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、2…発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、3…軟質樹脂層、4…合着防止剤粒子、10…発泡成形体製造用ポリスチレン系樹脂発泡粒子、11…発泡粒子本体、20…試験片、21…試料保持具。

Claims (7)

  1. 未発泡状態の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面に、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル−特殊エステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル−アクリル系樹脂からなる群から選択される1種又は2種以上の樹脂でありガラス転移点が−20℃〜50℃である軟質樹脂層が設けられ、該軟質樹脂層の表面に、前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100質量部に対して0.05〜5質量部の無機粉体である合着防止剤が付着していることを特徴とする表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  2. 前記軟質樹脂層の被覆量が前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100質量部に対して0.05〜15質量部であることを特徴とする請求項1に記載の表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  3. 未発泡状態の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面に、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル−特殊エステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル−アクリル系樹脂からなる群から選択される1種又は2種以上の樹脂でありガラス転移点が−20℃〜50℃である軟質樹脂を含むエマルジョンを塗布した後、該エマルジョンが完全に乾燥するまでの間に、その表面に無機粉体である合着防止剤を付着させ、さらに該エマルジョンを乾燥させて、請求項1又は2に記載の表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることを特徴とする表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  4. 前記エマルジョンが、前記軟質樹脂を含む水性エマルジョンであることを特徴とする請求項に記載の表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  5. 前記エマルジョンの粘度を50〜2000mPa・sの範囲とすることを特徴とする請求項3又は4に記載の表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  6. 請求項1又は2に記載の表面改質発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡させて得られた発泡成形体製造用ポリスチレン系樹脂発泡粒子であって、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の膨張によって前記発泡粒子表面に付着した合着防止剤が、前記発泡粒子相互間の加熱融着が可能な程度に分散して存在していることを特徴とする発泡成形体製造用ポリスチレン系樹脂発泡粒子。
  7. 請求項に記載の発泡成形体製造用ポリスチレン系樹脂発泡粒子を型内に充填し、加熱して型内発泡させて発泡粒子同士を融着させて得られたポリスチレン系樹脂発泡成形体。
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