JP4575808B2 - 被覆塩水計測装置および被覆塩水計測方法 - Google Patents
被覆塩水計測装置および被覆塩水計測方法 Download PDFInfo
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Description
上記のように構成した請求項1にかかる発明においては、所定面に対して電波送信手段が電波を照射し、電波受信手段が反射した電波を受信し、計測制御手段が照射波と反射波との関係に基づいて、同無機塩水の有無を計測する。
電波反射部材は各種の構成を採用することが可能であり、その一例として、請求項4にかかる発明では、上記電波反射部材は、カーボンファイバークロスで構成してある。
カーボンファイバークロスは電波反射が高いため、照射電波は効率的に反射される。
この他、請求項5にかかる発明は、上記無機塩水が凍結防止剤の溶解水である場合の発明であり、請求項6にかかる発明は、上記無機塩水が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムや酢酸マグネシウムナトリウムのいずれかまたはこれらの組み合わせを含む場合の発明である。
ところで、このような被覆塩水計測装置は単独で存在する場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものである。従って、ソフトウェアであったりハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。
むろん、その記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。また、一次複製品、二次複製品などの複製段階については全く問う余地無く同等である。その他、供給方法として通信回線を利用して行なう場合でも本発明が利用されていることにはかわりない。
本発明をソフトウェアで実現する場合、ハードウェアやオペレーティングシステムを利用する構成とすることも可能であるし、これらと切り離して実現することもできる。例えば、各種の演算処理といっても、その実現方法はオペレーティングシステムにおける所定の関数を呼び出して処理することも可能であれば、このような関数を呼び出すことなくハードウェアから入力することも可能である。そして、実際にはオペレーティングシステムの介在のもとで実現するとしても、プログラムが媒体に記録されて流通される過程においては、このプログラムだけで本発明を実施できるものと理解することができる。
さらに、請求項2にかかる発明によれば、道路面上には傾斜によって常に一様な水膜が形成されるため無機塩水の有無を容易に検知することができる。
さらに、請求項3にかかる発明によれば、反射電波をロスなく発生させることができるので、計測の信頼性も向上する。
さらに、請求項4にかかる発明によれば、カーボンファイバークロスは電波反射効率が高い上にしなやかであるので道路面に埋設するのに好適である。
さらに、請求項5にかかる発明によれば、凍結防止剤の膜厚を特定するのに好適である。
さらに、請求項6にかかる発明によれば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムや酢酸マグネシウムナトリウムのいずれかまたはこれらの組み合わせからなる凍結防止剤の膜厚を特定するのに好適である。
さらに、請求項7にかかる発明によれば、同様の効果を奏する被覆塩水計測方法を提供できる。
しかし、本願出願人はこのような状況の中においても反射率が変化する際のピーク値(極値)に着目したところ、膜厚と同ピーク値が現れる周波数との間に相関関係が生じていることを発見した。
図5は、このピーク値が現れる周波数(ピーク周波数)と膜厚との対応関係を示している。同図に示すように、縦軸のピーク周波数が1.5GHz〜3.3GHzの範囲で変化するのに対応して膜厚は0mm(乾燥状態)〜1.00mmの範囲で一対一で対応することが分かる。従って、ピーク周波数ごとに膜厚を対応づけてテーブル等とし、周波数膜厚関係記憶部4に記憶しておく。
図において、ステップS100では、CPU8が制御主体となって電波送信手段1における発振器11の周波数を望ましくは1GHz〜6GHzぐらいの範囲、より狭めた範囲としては1.5GHz〜3.5GHzぐらいの範囲で変化させつつ、その際の反射率を送受信変化量算出部3から取得する。より具体的には、周波数を変化させる範囲において所定の周波数間隔を設けて発振器11に発振周波数を設定し、発振器11が同発振周波数で発振すると送信アンテナ12を介して路面Rに送信する。送信された電波は路面Rの状況および路面Rに埋設した電波反射体9によって反射電波となり、受信アンテナ22と検波器21を介して電波受信手段2にて受信される。その受信結果を得て送受信変化量算出部3が反射率を求め、CPU8は先に設定した発振周波数と反射率との対応関係を得る。その後、発振周波数を所定の周波数間隔で変化させながら各発振周波数に対応する反射率を得て所定の記憶領域に記憶していく。
なお、本実施例においては、上述したように1GHz〜3.5GHzの範囲で発振周波数を変化させているが、この周波数帯域は、電波送信手段1である発振器11と送信アンテナ12、および電波受信手段2である受信アンテナ22と検波器21の形状等によって変化する。すなわち、これらの形状、大きさによっては利用する周波数帯域を変化させることで以下に説明するような膜厚等の測定は可能であることが分かっている。
従って、所定面に照射する周波数は上記実施例の周波数に限定されるものではなく、図2〜4に示すように水膜の膜厚に対してピーク反射率がシフトする他の周波数帯を用いても、同様な計測を実行することが可能である。
路面状態判別部5はこの膜厚に基づいて路面状態が乾燥しているのか否か、凍結防止剤の溶解水が路面Rを被覆しているのか否かを特定する。従って、上述したステップS100〜S400の制御は上述した計測制御手段の一例に相当する。
路面R上の水膜の膜厚だけでよければステップS400で処理を終了すればよい。しかし、膜厚を特定できることにより、凍結防止剤の溶解水の濃度も求めたいのであれば、ステップS500では、濃度まで特定する。濃度を特定するためには、図2〜図4に示した各膜厚ごとにおける反射率の変化を濃度ごとに記憶したテーブル等を周波数膜厚関係記憶部4か別途の記憶領域に記憶しておき、同テーブルを参照し、任意の周波数での反射率を使用して濃度を特定する。
11…発振器
12…送信アンテナ
2…電波受信手段
21…検波器
22…受信アンテナ
3…送受信変化量算出部
4…周波数膜厚関係記憶部
5…路面状態判別部
6…出力部
7…制御プログラム記憶部
8…CPU
9…電波反射体
Claims (7)
- 所定面における無機塩水の濃度を計測するにあたり、同面に対して照射電波を照射し、同面にて反射した反射電波を受信し、同照射電波と同反射電波との関係に基づいて、同無機塩水の膜厚を計測する被覆塩水計測装置であって、
周波数を所定範囲で変化させつつ上記面に対して上記照射電波を照射する電波送信手段と、
上記反射電波を受信してその強度を検知する電波受信手段と、
上記反射電波の上記照射電波に対する比率が極値となるときの上記周波数であるピーク周波数を取得し、
上記ピーク周波数に対して一意に対応する上記無機塩水の膜厚を規定した周波数膜厚関係を参照して、上記ピーク周波数に対応する上記無機塩水の膜厚を特定する計測制御手段とを具備することを特徴とする被覆塩水計測装置。 - 上記所定面は、道路面であることを特徴とする上記請求項1に記載の被覆塩水計測装置。
- 上記道路面の下には、電波反射部材を埋設してあることを特徴とする上記請求項1〜請求項2のいずれかに記載の被覆塩水計測装置。
- 上記電波反射部材は、カーボンファイバークロスであることを特徴とする上記請求項3に記載の被覆塩水計測装置。
- 上記無機塩水は、凍結防止剤の溶解水であることを特徴とする上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の被覆塩水計測装置。
- 上記無機塩水は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムや酢酸マグネシウムナトリウムのいずれかまたはこれらの組み合わせを含む上記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の被覆塩水計測装置。
- 所定面における無機塩水の濃度を計測するにあたり、同面に対して照射電波を照射し、同面にて反射した反射電波を受信し、同照射電波と同反射電波との関係に基づいて、同無機塩水の膜厚を計測する被覆塩水計測方法であって、
周波数を所定範囲で変化させつつ上記面に対して上記照射電波を照射し、
上記反射電波を受信してその強度を検知し、
上記反射電波の上記照射電波に対する比率が極値となるときの上記周波数であるピーク周波数を取得し、
上記ピーク周波数に対して一意に対応する上記無機塩水の膜厚を規定した周波数膜厚関係を参照して、上記ピーク周波数に対応する上記無機塩水の膜厚を特定することを特徴とする被覆塩水計測方法。
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