JP4176586B2 - 路面状態判別方法およびその装置 - Google Patents

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Description

本発明は一般道路や高速道路における路面に、水や氷が存在する状態を判別するための方法およびその装置に関する。
従来より画像処理を用いて凍結などの路面状態を判別する方法や装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この出願は所定の路面監視エリアに対してレーザ光を投光走査し、路面から反射されるレーザ光を監視画像として記憶し、この監視画像と予め記憶した判定用画像とを比較して最も類似する路面判定用画像データを見つけ出し、凍結状態であるか否かを検出するものである。
特開2002−39861号
ところで、図7のように路面上の水や氷にレーザ光や自然光が当たった場合の反射率Γと透過率Tは以下のように比誘電率εrの関数として定義することができる。
Figure 0004176586
ここで、Eiは電磁波の入射エネルギー、Erは反射エネルギー、Etは透過エネルギーであり、また、比誘電率εr=媒質の誘電率ε/真空の誘電率ε0である。
一方、一般の物質の複素比誘電率
Figure 0004176586
は、その実数部をε’、虚数部である誘電損失をε''として、デバイの緩和理論から、
Figure 0004176586
となることが知られている。但し、σは導電率、ε0 *は空気の誘電率(8.854×10-12F/m)であり、水,氷の場合、導電率σはほぼ0であることから、式(5)の第2項は無視することができ、式(5−1)とすることができる。
ここで、
Figure 0004176586
は直流電場における比誘電率、
Figure 0004176586
は高周波電場における比誘電率、ωは角周波数、τは誘電緩和時間である。
この(4)、(5−1)式に10Hz〜1000GHzの周波数fと以下に示す値を代入して複素比誘電率を算出すると図3に示すグラフとなる。
Figure 0004176586
このグラフから明らかなように、水と氷とでは複素比誘電率が変化する周波数域が大きく異なる。特に反射率Γを変化させる誘電率虚数部ε”はそれぞれ100Hz近傍〜100KHz近傍と1GHz近傍〜100GHz近傍において大きく変化しているが、前記した従来例の公開公報におけるレーザ光や可視光に使われる数100GHz以上の電磁波および光の周波数領域に対しては、水も氷も同じ値(略「0」)になっている。
同様に、誘電率実数部ε’についても、数100GHz以上の周波数では水も氷も同様の値になっている。すなわち、光の周波数領域の電磁波では反射率Γの主体となる比誘電率εrに変化を生じないことから画像処理を含む光学的反射強度を利用する従来の計測方法では、水と氷とを識別することができないといった問題があった。さらに、従来の計測方法では、水の厚さを判別できないと言った問題があった。
本発明は前記した問題点を解決せんとするもので、その目的とするところは、電波反射体を敷設した路面上の水または氷に電波を照射した場合に生じる電波の変化を検出することにより、路面上における水または氷の有無あるいは水の厚みを正確に判別することが可能な路面状態判別方法およびその装置を提供せんとするものである。
本発明の路面状態判別方法は前記した目的を達成せんとするもので、請求項1の手段は、電波反射体を敷設した路面に向けて電波を照射するとともに反射した電波を受信し、照射した電波に対する受信した電波の変化を基に路面上における水または氷の有無を判別することを特徴とする。
請求項2の手段は、電波反射体を敷設した路面に向けて電波を照射するとともに反射した電波を受信し、照射した電波に対する受信した電波の変化を基に路面上における水の厚みを判別することを特徴とする。
請求項3の手段は、請求項1項または請求項2項の何れかに記載の路面状態判別方法において、受信した電波の変化を、照射した電波の強度に対する受信した電波の強度の比である電波の減衰量として求め、予め記憶した減衰量に対する基準値と比較することにより前記判別を行うことを特徴とする。
請求項4の手段は、請求項1項または請求項2項の何れかに記載の路面状態判別方法において、受信した電波の変化を、受信した電波の強度として求め、予め記憶した受信強度に対する基準値と比較することにより前記判別を行うことを特徴とする。
請求項5の手段は、請求項1項乃至請求項4項の何れかに記載の路面状態判別方法において、電波反射体を敷設した路面に向けて複数の周波数の電波を照射するとともに反射した電波を受信し、照射した複数の周波数の電波に対する受信した電波の変化を基に前記判別を行うことを特徴とする。
請求項6の手段は、請求項1項乃至請求項5項の何れかに記載の路面状態判別方法において、電波反射体が網目状であることを特徴とする。
請求項7の手段は、請求項6項に記載の路面状態判別方法において、網目の間隔が電波の波長の1/10以下であることを特徴とする。
請求項8の手段は、請求項1項乃至請求項5項の何れかに記載の路面状態判別方法において、電波反射体は、誘電体に混合された導電材であることを特徴とする。ここで、誘電体はアスファルト、コンクリート、塗料等を採用可能である。
請求項9の手段は、請求項1項乃至請求項8項の何れかに記載の路面状態判別方法において、電波反射体をアスファルト、コンクリート、塗料を含む誘電体からなる路面内に敷設したことを特徴とする。
請求項10の手段は、請求項3項乃至請求項9項の何れかに記載の路面状態判別方法において、前記基準値が路面上における水または氷あるいは路面上における水の複数の厚みについて予め測定された電波に対応した複数の値域として定義され、路面に照射した電波の変化がいずれの値域に相当するか判別して水または氷の有無あるいは水の厚みを計測することを特徴とする。
請求項11の手段は、請求項1項乃至請求項10項の何れかに記載の路面状態判別方法において、前記路面に照射する電波の周波数域は水または氷の複素比誘電率が変化する周波数域であることを特徴とする。
請求項12の手段は、請求項1項乃至請求項11項の何れかに記載の路面状態判別方法において、路面に向けて複数の周波数の電波を照射するとともに反射波を含む電波を受信してフーリエ逆変換し、逆変換後の時間空間で路面から反射した電波の信号を抽出し、抽出後の信号をフーリエ変換した信号にて前記電波の変化を算出することを特徴とする。
請求項13の手段は、請求項12に記載の路面状態判別方法において、所定のフィルタ関数を前記フーリエ逆変換後の信号に乗じることにより、路面から反射した電波が照射された後、受信されるまでの時間に相当する時間空間域に現れる信号のピークを抽出することを特徴とする。
請求項14の手段は、請求項1項乃至請求項13項の何れかに記載の路面状態判別方法において、前記路面の表面には、深さが略一定の凹部が形成されていることを特徴とする。
本発明の路面状態判別装置における請求項15の手段は、電波反射体を敷設した路面に向けて電波を照射する電波の送信手段と、前記路面から反射した電波を受信する受信手段と、前記送信手段から照射した電波の強度に対する受信手段で受信した電波の強度の比であるところの電波の減衰量を算出する送受信変化量算出部と、電波の減衰量に対する基準値を予め記憶した基準データ記憶部と、送受信変化量算出部で算出した電波の減衰量と基準データ記憶部で記憶した基準値とを比較し路面上における水または氷の有無を判別する路面状態判別部とを備えたものである。
本発明の路面状態判別装置における請求項16の手段は、電波反射体を敷設した路面に向けて電波を照射する電波の送信手段と、前記路面から反射した電波を受信する受信手段と、前記受信手段により受信した電波の強度を計測する受信強度計測部と、電波の受信強度に対する基準値を予め記憶した基準データ記憶部と、受信強度計測部で計測した電波の強度と基準データ記憶部に記憶した基準値とを比較し路面上における水または氷の有無を判別する路面状態判別部とを備えたものである。
本発明の路面状態判別装置における請求項17の手段は、電波反射体を敷設した路面に向けて電波を照射する電波の送信手段と、前記路面から反射した電波を受信する受信手段と、前記送信手段から照射した電波の強度に対する受信手段で受信した電波の強度の比であるところの電波の減衰量を算出する送受信変化量算出部と、電波の減衰量に対する基準値を予め記憶した基準データ記憶部と、送受信変化量算出部で算出した電波の減衰量と基準データ記憶部で記憶した基準値とを比較し路面上における水の厚みを判別する路面状態判別部とを備えたものである。
本発明の路面状態判別装置における請求項18の手段は、電波反射体を敷設した路面に向けて電波を照射する電波の送信手段と、前記路面から反射した電波を受信する受信手段と、前記受信手段により受信した電波の強度を計測する受信強度計測部と、電波の受信強度に対する基準値を予め記憶した基準データ記憶部と、受信強度計測部で計測した電波の強度と基準データ記憶部に記憶した基準値とを比較し路面上における水の厚みを判別する路面状態判別部とを備えたものである。
請求項19の手段は、請求項15項乃至請求項18項の何れかに記載の路面状態判別装置において、前記送信手段は路面に向けて複数の周波数の電波を照射し、前記基準データ記憶部は前記複数の周波数の電波のそれぞれに対応した値を記憶していることを特徴とする。
請求項20の手段は、請求項15項乃至請求項19項の何れかに記載の路面状態判別装置において、前記送信手段は路面に向けて複数の周波数の電波を照射し、前記受信手段は反射波を含む電波を受信し、上記送受信変化量算出部は、受信手段で受信した電波に対してフーリエ逆変換処理を行うフーリエ逆変換部と、所定のフィルタ関数を前記フーリエ逆変換後の信号に乗じることにより、路面から反射した電波が照射された後、受信されるまでの時間に相当する時間空間域に現れる信号のピークを抽出する時間フィルタ部と、抽出後の信号をフーリエ変換するフーリエ変換部とを備え、当該フーリエ変換後の信号から前記電波の変化を算出することを特徴とする。
本発明は前記したように、光学的反射強度を利用する従来の計測方法では原理上判別することができなかった水と氷の判別あるいは水の厚みの判別を可能にするといった効果を有する。さらに、本発明は路面に電波反射体を敷設したことによりアスファルト等に対する電波の透過(図7のEt)による影響を受けることなく、水に対する電波の一層顕著な減衰を出現させることが可能であり、以ってより高精度の路面状態判別をおこなうことができる。

特に、受信した電波の変化を、照射した電波の強度に対する受信した電波の比である電波の減衰量として求め、予め記憶した減衰量に対する基準値と比較し、あるいは、受信した電波の強度として求め予め記憶した受信強度に対する基準値と比較することにより、路面状態を精度よく判別することができる等の効果を有するものである。
さらに、電波反射体の形状を網目状にするなどしてアスファルト等と同等の水の浸透性を確保した状態で、路面上の水または氷の有無あるいは水の厚みを高精度に判別できるように構成可能である。さらに、電波反射体を路面に埋設することにより、電波反射体を路面上に露出させることなく路面上の水または氷の有無あるいは水の厚みを高精度に判別できるように構成可能である。
また、電波反射体を誘電体(アスファルト、コンクリート、塗料等)からなる路面内に敷設することにより、金属板を路面上に敷設する場合と比較して路面を滑りにくくすることができるとともに、電波の反射特性をより顕著にし、判別精度を一層向上させることができる。さらに、乱反射成分による干渉を除去する処理を行うことにより、判定精度を向上させることが可能である。さらに、路面の表面に深さが略一定の凹部を形成することにより、水の留まる量を一定にすることができ、特定の周波数によって計測を行うことが可能になる。
以下、本発明に係る路面状態判別方法を用いた路面状態判別装置の一実施の形態を図1により説明する。図1は路面状態を判別する道路に配置された路面状態判別装置で、1は路面に路面と同じ高さで敷設した鉄板からなる電波反射体。2は電波反射体1を敷設した路面に電波を照射する送信手段にして、ギガHz域の発振周波数の電界を生成する発振器21と、入力された信号を増幅し例えば0GHz〜8GHz(下限の周波数は厳密には0より大きい)の電波として路面Rに対して照射する送信アンテナ22とから構成される。
3は受信手段にして、電波反射体1を敷設した路面から反射した電波を受信する受信アンテナ32と受信した各電波を検波する検波器31とから構成される。なお、送信アンテナ22と受信アンテナ32は梁柱などの支持手段によって路面に電波が略垂直に照射されるように並べて配置される。
4は前記送信手段2から照射した電波の強度に対する受信手段3で受信した電波の強度の比であるところの電波の減衰量を算出する送受信変化量算出部、5は路面に照射する電波の周波数および減衰量に対する基準値を記憶した基準データ記憶部、6は送受信変化量算出部4からの減衰量と基準データ記憶部5に記憶した基準値とを比較する路面状態判別部である。
7は通信手段を備え、路面状態判別部6で判別された路面の水または氷の有無を図示しない中央の観測装置に配信する出力部、8は路面状態を判別するためのプログラムを記憶した制御プログラム記憶部、9は制御プログラム記憶部8のプログラムと図示しないキースイッチにより設定されたサンプリング周期や発振周波数などの設定値に従い前記の2〜7を制御し、路面状態判別を実行するCPUである。
はじめに計測の原理を説明すると、図4(a)のようにアスファルトからなる路面上に水または氷が存在する場合には、水または氷とアスファルトによる二層の誘電体の平面波に対する特性インピーダンスを求める数式を展開した下記の数式によって減衰量を求めることができる。
ここで、図4(a)に示す水、氷からの反射、吸収の状態を等価回路で示すと図4(b)となる。この場合の受端側から見込んだ電波伝搬の特性インピーダンス
Figure 0004176586
は、水または氷に対する平面波の電波伝搬のインピーダンスを
Figure 0004176586
、アスファルトに対する平面波の電波伝搬のインピーダンスを
Figure 0004176586
、伝送定数を
Figure 0004176586
、誘電体の厚みをdとすれば、
Figure 0004176586
となる。
ここで、水、氷の複素比誘電率と複素比透磁率は、
Figure 0004176586
であり、水、氷内を伝搬する平面波の特性インピーダンス
Figure 0004176586
および伝搬定数
Figure 0004176586
は、
Figure 0004176586
と表される。
ここで、水、氷は非磁性体であることから、
Figure 0004176586
となり、
Figure 0004176586
を得る。
さらに、本願発明では前記等価回路において終端をアスファルトに代えて電波反射体である鉄板を用いることから、この値Zl =0と前記(8)式を(6)式に代入することにより、
Figure 0004176586
が得られる。
そして、前記で述べた水と氷に関する数値および周波数の0GHz〜8GHzを前記(4)(5−1)および(3)式に代入して求めた複素比誘電率
Figure 0004176586
を前記(8) 式に代入し、水または氷内を伝搬する平面波の特性インピーダンス
Figure 0004176586
と伝搬定数
Figure 0004176586
を求める。
さらに、水または氷の厚みであるdを例えば2mmとし、0GHz〜8GHzの各周波数に対する波長λ(m) を(9)式に代入すると水または氷だけの特性インピーダンス
Figure 0004176586
が求められる。
また、この特性インピーダンスからこの誘電体に対する反射率Γは、
Figure 0004176586
として表される。そこで、この求めた反射率Γから図5に示す0GHz〜8GHzの周波数に対する電波の減衰量(20log10Γ(dB))のグラフが求められる。
次に、前記した構成に基づいて図2のフローチャートに従い動作を説明する。最初に、設定値以下の気温または路温を図示しない温度センサによって検知して路面状態判別のプログラムがスタートすると、CPU9は制御プログラム記憶部8に記憶したプログラムに従い予め基準データ記憶部5に記憶した周波数( 例えば4.3GHz) の信号を発振器21に送り送信アンテナ22から4.3GHzの電波を電波反射体1を敷設した路面に向けて照射する( ステップS1) 。なお、この時に送信した電波の送信強度Woを計測してCPU9に一時記憶する。次に、電波反射体1から反射し受信アンテナ32で受信した同じ周波数の電波を検波し、受信した電波の受信強度Wiを出力する(ステップS2)。
次に、CPU9は送受信変化量算出部4において、送信した電波の強度に対する受信した電波の強度の比(反射率)を減衰量20log10(Wi/Wo)として算出し、CPU9に一時記憶する( ステップS3) 。次に、CPU9は路面状態判別部6にて送受信変化量算出部4で算出した減衰量の値と基準データ記憶部5に予め記憶した4.3GHzの周波数に対する減衰量の基準値x、例えば図5に示す−7dB>x>−9dBとの比較(ステップS4)と、x>−0.1dBとの比較(ステップS5)を行い、基準値内の場合にそれぞれ水と氷を判別する。
なお、基準値は、例えば4.3GHzの電波に対する水の減衰量(計算値)の−8.4dBと、氷の減衰量(計算値)の0dBに対して計測場所の電波の受信状況に応じて設定すればよい。むろん、基準値は水と氷で減衰量が異なり、両者の区別ができるような値域として定義すればよい。また、送信する電波の周波数は4.3GHzに限らず、水と氷の減衰量が異なり、両者の区別ができる周波数であればどのような周波数でもかまわない。また、基準値は、前記式に判別しようとする厚みdなどのパラメータを代入して求めた減衰量に応じて設定しても良い。
そして、ステップS4で「水」、ステップS5で「氷」と判別された場合には出力部7から中央の観測装置にそれぞれの判別結果を配信(ステップS6、ステップS7)する。そして、水の基準にも氷の基準にも該当しないとステップS4およびステップS5で判定した場合には、通報無しとして処理を行う(ステップS8)。すなわち、この処理によって水または氷の有無を判別していると言える。また、ステップS1の送信処理の開始と同時に計時を繰り返す図示しないサンプリングタイマがタイムアップしたか否かを判定(ステップS9)し、タイムアップしたと判定した場合にはステップS1に戻り前記のステップS1以降の動作を繰返し実施する。
ただし、図5から明らかなように水と氷の減衰量には大きな違い(8dBの差)があるため、「水」と「氷」を判別する1つの基準値、例えばx<−4dBを設定してその値との大小比較により水と氷を判別するようにしてもよい。また、「水」の減衰量の変化が「氷」に比べて大きい特性を利用して、0GHz〜8GHz複数の周波数の電波に対する受信強度の変化を基準値として設定するようにしてもよい(例えば、2GHzと4GHzの周波数に対する電波の減衰の変化としてx>4dBの基準値を設定したり、あるいは、2GHzと4GHzの電波の計測値に対してそれぞれ0dBと−8dBの基準値を設定し、同じ変化がある場合に水と判定する)。
なお、前記で説明した実施の形態の他に、図6のように図1の送受信変化量算出部3に代えて受信強度計測部15を設けるとともに、基準データ記憶部4には基準値として予め電波の周波数に対する受信強度(=送信強度×反射率)を記憶し、路面状態判別部6で受信強度計測部15で求めた受信強度と基準データ記憶部に記憶した基準値との比較を直接に行い路面状態を判別するようにしてもよい。
また、前記の実施形態においては0GHz〜8GHz域の周波数を用いる実施形態を提案したが、図3のグラフから明らかなように水の複素比誘電率が大きく変化している1GHz近傍〜100GHz近傍の領域の電波を用いて路面状態を判別することが可能である。同様に、氷の複素比誘電率が大きく変化している100Hz近傍〜100KHz近傍の領域の電波を用いても路面における水または氷を判別することが可能である。
ただし、前記の実施形態のように水と氷の両者を同時に判別する必要は無く、必要とする何れか一方の状態だけを判別するようにしてもよい。本発明は上述の論理式で説明したように、数100GHz以下の電波を電波反射体を敷設した路面に照射した場合に、水または氷に電波の著しい減衰特性が発生することを利用して判別を行うものである。よって、本発明の実施形態の判別方法に留まらず、図5に示すそれぞれの電波反射特性を識別できる種々の判別方法を用いることが可能である。
前記実施形態は、水の状態(液体または固体)によって、複素比誘電率が大きく変化する周波数域が異なることを利用して水または氷の有無を判別していたが、複素比誘電率が水の厚みに依存し、その結果として前記減衰量、受信強度が変化することを利用して、水の厚みを判別する実施形態を採用することが可能である。
この実施形態は、前記図1に示すハードウェア構成と同様の構成によって実現可能であるが、基準データ記憶部4においては、電波の変化量(減衰量等)を示す基準値を送信周波数毎に予め定義し、水の厚みに対応させて記憶している。図8は、本実施形態にかかる路面状態判別装置にて0GHz〜8GHz(ここでも厳密には0GHzは0より大きなある周波数)の周波数で電波を送信し、反射波を受信したときの減衰量を示している。
同図に示すように、各周波数において水の厚みによって減衰量が異なり、減衰量が極小となる周波数も異なる。そこで、周波数毎に減衰量の値域を定義するとともにその周波数および減衰量の値域を水の厚みに対応させ、前記基準データ記憶部5に基準値として記憶する。例えば、図8に示す例において、2GHzの電波を送信する場合に基準値を−17dB>x>−23dBとし、水の厚みとして4mmを対応させる。
また、4.3GHzの電波を送信する場合に基準値を−5dB>x>−10dBとして水の厚み2mmを対応させ、6GHzの電波を送信する場合に基準値を−0.5dB>x>−2dBとして水の厚み1mmを対応させ、8GHzの電波を送信する場合に基準値を0dB>x>−0.5dBとして水の厚み0.5mmを対応させる。この基準値によれば、ある送信電波の周波数に対して観測した減衰量と基準値との比較によって水の厚みを判別することが可能になる。
具体的な処理としては、図2におけるステップS1では、基準値に定義された周波数での発振を各ループ毎に実施する。ステップS2,S3およびステップS9は図2に示す処理と同様の処理である。ステップS4〜S8では図2に示す実施形態と異なる処理を行う。すなわち、ステップS4においては、前記ステップS3で取得した変化量が前記基準データ記憶部4に記憶された基準値であって、送信周波数に対応した基準値の何れかに該当するか否かを判別し、該当する場合にはその基準値に対応した水の厚みを判別し、ステップS6にてその判別結果を配信する。
ステップS4において、前記ステップS3で取得した変化量が前記基準データ記憶部4に記憶された基準値の何れかに該当すると判別されないときには、ステップS8と同様に通報なしとして処理を行う。ステップS5,S7は実施しない。以上の処理により、路面上の水の厚みを判別することが可能である。むろん、この実施形態においては、水の厚みを判別することができればよく、水の厚みを0.5mm,1mm,2mm,4mmとすることは必須ではなく他の厚みに対する基準値を予め保持しても良い。
さらに、前記図8に示すように、水の量によって減衰量の極小値が高周波域に移動することから、送信波の周波数を例えば0GHz〜8GHzまで変化させ、減衰量が極小となる周波数によって水の厚みを判別しても良い。また、かかる構成により路面上に薄く水膜を形成している状態であるのか、少量の水がたまっている状態であるのか、すなわち湿潤の程度を判別することも可能になる。そこで、水の有無を判別する基準を水の厚みに対して任意に設定することが可能となる。
さらに、本発明に適用可能な電波反射体1は、実施形態の鉄板などの金属体に限定されるものでなく、金属体と同等な導電性を有する導電性プラスチックや導電性塗料などを用いることも可能であり、さらに、アスファルトやコンクリートの路面に導電材たる金属粉を混入したものであっても良い。また、金属粉に限らず、炭素を導電材として用いることも可能である。
図9は、炭素を40%混入させた導電性コンクリートにおける減衰量を示している。縦軸は減衰量であり、横軸は周波数である。尚、同図においては、1GHz〜6GHzにおいてコンクリート面が湿っている状態(水濡れ)とコンクリート面に水膜を形成している状態とについて示している。同図に示すように、水が少ない状態(水濡れ)から水の量が増加(水膜状態)になることで、減衰量が増加することがわかる。従って、この差異によって水の厚みを計測することが可能になる。
さらに、路面に敷設する電波反射体の形状としても上述のような板状のものに限られない。例えば、網目状に形成した金属を路面に敷設する構成を採用しても良い。金属板に2辺がそれぞれd1,d2の長さの穴を形成した網目上の電波反射体を路面に敷設し、両辺の長さを調整すると、0.8GHz〜3.8GHzの周波数の電波を照射した場合、図10に示すように穴のない板状の電波反射体とほとんど同等の反射率、すなわち電波の変化が得られることが確認されている。なお、図10では、網目状に形成した金属とアルミ板とのそれぞれについて減衰量を示すとともに両者の比を示している。
なお、当該両辺のそれぞれが電波の波長の1/10以下であると、この網目状の金属板から電波が略全反射するので、両辺のそれぞれを電波の波長の1/10以下にすることが好ましい。また、網目状の金属板においては、穴を通じて水を金属板の下方に浸透させることができ、アスファルト等と同等の浸透性を確保した状態で、しかも路面上の水または氷の有無あるいは水の厚みを高精度に判別することが可能である。
さらに、電波反射体を路面上に露出させることなく、路面内に敷設しても良い。このように路面内へ敷設することで、路面上の水の有無あるいは、水の厚みを高精度に判別できるようになるとともに、車両通行時のタイヤと路面との摩擦抵抗が通常の施工状態と同じで滑りにくくなることから、施工による車両への影響は全くなく導入がさらに容易になる。
図11は、上から水あるいは氷とアスファルトと電波反射体である金属板が層を形成している場合の計測の原理を説明する説明図である。図11(a)に示すように水または氷の特性インピーダンスをZ1,アスファルトの特性インピーダンスをZ2,金属板の特性インピーダンスをZlとすると、その等価回路は図11(b)の上部のように表現される。
このとき、電波を路面に対して垂直に照射(入射角0度)した場合は、上記の(8)式に対応する水,氷またはアスファルトに対する平面波の電波伝搬の特性インピーダンスZと伝送係数γはそれぞれ次の式によって表される。
Figure 0004176586
また、電波反射体としての金属板とアスファルトとの合成インピーダンスは、上述のように上記(6)式に金属板のインピーダンスZl=0を代入した以下の式となる。
Figure 0004176586
同様にして、この合成インピーダンスに水または氷のインピーダンスZ1を加えた合成インピーダンスZinとこの合成インピーダンスに(11)(12)式を代入して複素比誘電率εrによって展開した計算式は次の通りとなる。
Figure 0004176586
そこで、上記(10)式にこのインピーダンスZinを代入することによって反射率Γが求められる。従って、この反射率に基づいて電波の変化(減衰量、受信強度等)を算出し、水または氷の有無あるいは水の厚みを判別することが可能になる。図12は反射体を厚さ5mmのアスファルトに埋設したアスファルト上の水と氷の電波反射特性を示す図である。同図に示すように2mmの水または氷においては周波数1.8GHzで水の減衰量が極小値をとるので、周波数1.8GHzにおいて減衰量が−10dB以下であれば水2mm、減衰量が−1dB以上であれば氷2mmと判別するなど、種々の判別によって水または氷の有無を判別することが可能になる。
また、図13乃至図15は、電波反射体をそれぞれコンクリート、塗料、アクリルに埋設した場合の水と氷の電波反射特性を示す図である。これらの図から明らかなように、2mmの水または氷においては周波数1.8GHzで水の減衰量が極小値をとるので、上記のアスファルトの場合と同様に水または氷の有無を判別することが可能になる。
また、図16は電波反射体を埋設したアスファルト上の水の電波反射特性を厚み毎に示す図である。同図に示すように各周波数において水の厚みによって減衰量およびその極小値の周波数が異なるので、減衰量が極小となる周波数を取得し、その周波数によって水の厚みを判別するなど、種々の構成を採用可能である。尚、このような三層構造においては、上述の二層構造と比較して電波の変化がより大きくなる。従って、より高精度に検出を行うことが可能になる。むろん、金属板の上層に配設される物質としては、アスファルトに限らず上述のコンクリートや塗料、アクリルなど道路に施工可能な誘電体を用いれば良い。
また、実施形態に示す構成においては、送信アンテナと受信アンテナとを個別に配置したが、例えば、図1に示す発信器11と検波器21の間に送信と受信の切り分けを行う方向性分波器を用い、その方向性分波器に送受信アンテナを接続することにより、一つのアンテナによって送受信を兼用させてもよい。この場合には、入射角0度、すなわち、路面に対して電波が垂直に照射される。
なお、上記の実施形態では電波を路面に対して垂直に照射(入射角0度)した場合を例として説明したが、電波反射体と水,氷からなる路面に対して特定の入射角θをもって照射する場合の受端側から見た上記(8)式に対応する水または氷に対する平面波の電波伝搬の特性インピーダンスと伝送定数、および(9)式に対応する水または氷だけの特性インピーダンス、並びに(10)式に対応する反射率Γは、それぞれ次のように説明できる。
水または氷からなる誘電体に電波が入射角θで入射した場合の特性インピーダンスZ1と伝搬定数γは、水または氷の特性インピーダンスをZ1とすると、次の式によって表される。
Figure 0004176586
一方、電波反射体である金属板のインピーダンスZl=0であるため、上記式(6)に代入することによりZinが求められる。
Figure 0004176586
さらに、電波反射体(金属板)、アスファルト、水,氷などのように多層の誘電体層からなる路面に対して特定の入射角θをもって照射する場合には、次の計算式が適用される。
Figure 0004176586
ここで、ε2、はアスファルトなどの複素比誘電率であり、前期同様、代表的にはε2=6.0+4.0j程度となる。
この理論展開をもとに、電波の入射角に対する減衰量の入射角依存性について計算した結果を図17に示す。この図17のように、アスファルト上の水に対する電波の減衰量は、電波を路面に対して垂直に照射しても、60度までの入射角で斜めに照射してもその依存性は少なく、水と氷に対して同様な特性を得ることが可能である。
さらに、判定精度を向上させるため、乱反射成分による干渉を除去する処理を行っても良い。すなわち、図1に示す路面状態判別装置において、受信アンテナ32が受信する信号は、送信波が路面で反射した反射波のみならず路面付近の種々の物体(例えばガードレール)での反射等が重畳された状態(干渉した状態)である。そこで、干渉を除去するために前記図18に示す構成を採用しても良い。
図18において、位相検出部10と複素信号変換部41とフーリエ逆変換部42と時間フィルタ部43とフーリエ変換部44とは図1に示す路面状態判別装置に加えられた構成である。かかる構成において、発振器21は所定の帯域で複数の周波数の信号を発振し、検波器31では各周波数での発振信号に対応した信号を受信波として取得する。位相検出部10は発振器21および検波器31に接続されており、発振器21の出力と検波器31の出力から受信信号の位相を検出し、当該位相を示す位相信号を送受信変化量算出部4に供給する。複合信号変換部41は、当該位相信号と前記検波器31が出力する受信電波の強度信号(A(f))を取得し、複素信号データ(F(ω)=A(f)(cosωt+jsinωt))として出力する。なお、fは周波数でω=2πfである。
位相検出部10および複素信号変換部41による処理は、前記発振器21によって発振された信号の各周波数について実施され、得られた複素信号データは図示しないメモリに記憶される。フーリエ逆変換部42は、複素信号データについて以下の式
Figure 0004176586
に従ってフーリエ逆変換を実施するモジュールであり、フーリエ逆変換後の複素時間信号データf(t)を出力する。ここで、tは時間である。時間フィルタ部43は、この複素信号データf(t)に対して以下の式
Figure 0004176586
に従って時間フィルタG(t)を作用させ、所望の時間帯域における信号データg(t)を抽出する。尚、時間フィルタG(t)としては、各種関数を採用可能であり、矩形,ガウス,ハミング,ハニング関数等を採用可能である。
そして、フーリエ変換部44は、当該抽出された信号データg(t)を以下の式
Figure 0004176586
に従ってフーリエ変換し、干渉が除去され、路面からの反射成分を抽出した複素周波数信号データF(ω)を取得する。送受信変化量算出部4では、当該干渉を除去した後の複素周波数信号データF(ω)から受信電波の強度を算出し、前記発振器21で出力した送信波の強度を用いて前記減衰量や、受信強度を取得する。この結果、干渉の影響を排除し水や氷による電波の変化を確実に取得することができ、高精度で水や氷の有無あるいは水の厚みを判別することが可能になる。
図19〜図22は、このように干渉波を除去する処理の効果を説明する説明図である。これらの図は、送信アンテナおよび受信アンテナの下方中央に位置する路面上に水2mmを張った状態で前記周波数を1GHz〜5GHzまで変化させた場合について説明する説明図である。図19は、前記位相検出部10および複素信号変換部41〜フーリエ変換部44での処理を行わない場合の受信波と送信波の電波の変化をdBで示している。
同図に示すスペクトルでは、全周波数帯域に渡って小さなピークが連続しているが、これは各周波数において路面で反射する電波以外の干渉を多く含むとともにその影響が周波数毎に異なることに起因している。図20は、この場合の受信波についてフーリエ逆変換を行った場合の絶対値を示しており、横軸は時間(秒)、縦軸は絶対値である。送信波が路面の一点で反射し、その反射波のみを受信したのであれば、図20の横軸の一点で大きなピークとなるはずであるが、図20では2つの大きなピークが現れ、また、小さなノイズ成分が多数含まれている。
図20では、右側の最大ピークが路面からの反射波であり、左側のピークは送信アンテナから受信アンテナに直接入射する電波である。また、その他の小さなノイズは他の部分や乱反射成分あるいはノイズである。本発明においては、図20の最大ピークのみを参照して受信波に対する減衰量等を判断すべきであり、このために前記時間フィルタを作用させる。
図21は時間フィルタによって最大ピークのみを抽出した状態を示している。そして、図22はこの抽出した信号をフーリエ変換して受信波の信号とし、この受信波と送信波とで算出した減衰量を周波数に対して示した図である。同図に示すように減衰量は非常になめらかになっており、以上の処理によって前記図19で示した干渉の影響が排除されたことがわかる。すなわち、これにより、路面で反射して受信アンテナに受信された電波と送信波との変化を正確に比較することができ、正確に高精度で水や氷の有無あるいは水の厚みを判別することが可能になる。
さらに、電波には偏波が存在するが、以下に説明する実験結果から明らかなように、電波の入射面(入射波と反射波とで構成される平面)に対して電界成分が垂直なTE波と入射面に対して磁界成分が垂直なTM波とについて同様な減衰量の特性が得られるため、上記の実施形態ではTM波による測定結果を提示している。図23は、2mmの水を張った路面に対してTM波とTE波とを45°の入射角で実験した場合の減衰量を示している。同図に示すように、TE波,TM波のいずれであってもほぼ同様の結果である。なお、TE波の反射率Γを求める場合には、上記のTM波の計算式に代えて、以下の計算式を用いて上記の実施形態と同様の判別を行えばよい。
Figure 0004176586
さらにまた、反射体にアスファルトなどの誘電体を積層する場合には、図24のように一定の水が誘電体上に溜まるように誘電体を加工することで溜まる水の最大値が一定となるため特定の周波数帯を用いた厚みの計測が可能となる。また、この構成により、上限と下限の周波数範囲を特定することができる。図25は、図24のように塗料で2mmの土手を形成した場合の水の電波反射特性を厚み毎に示す図である。ただし、反射体として上述の導電性コンクリートなどを利用する場合には、コンクリート自体を図24のように加工すればよい。また、電波反射体または誘電体を電波反射体に積層した路面に傾斜させることによって水膜を均質とすることで、安定した計測精度を得ることが可能となる。
本発明に係る路面状態判別装置の一例を示す回路ブロック図である。 同上の回路ブロックの動作を示すフローチャートである。 水と氷の複素比誘電率の特性図である。 計測の原理を示す説明図である。 本発明の水と氷の電波反射特性を示す図である。 他の路面状態判別装置の回路ブロック図である。 路面にレーザ光や自然光が当たった場合の反射率と透過率を示す説明図である。 水の厚み変化による電波反射特性図である。 導電性コンクリートにおける減衰量を示す図である。 金網と反射板の反射特性を示す図である。 三層を形成している場合の計測の原理を説明する説明図である。 反射体を埋設したアスファルト上の水と氷の電波反射特性を示す図である。 反射体を埋設したコンクリート上の水と氷の電波反射特性を示す図である。 反射体を埋設した塗料上の水と氷の電波反射特性を示す図である。 反射体を埋設したアクリル上の水と氷の電波反射特性を示す図である。 反射体を埋設したアスファルト上の水の電波反射特性を厚み毎に示す図である。 電波の反射率の入射角依存性を示す図である。 他の路面状態判別装置の回路ブロック図である。 干渉波を除去する処理の効果を説明する説明図である。 干渉波を除去する処理の効果を説明する説明図である。 干渉波を除去する処理の効果を説明する説明図である。 干渉波を除去する処理の効果を説明する説明図である。 TE波およびTM波の比較を示す図である。 加工された誘電体を説明するための説明図である。 塗料で2mmの土手を形成した場合の水の電波反射特性を厚み毎に示す図である。
符号の説明
1 電波反射体
2 送信手段
21 発振器
22 送信アンテナ
3 受信手段
31 検波器
32 受信アンテナ
4 送受信変化量算出部
5 基準データ記憶部
6 路面状態判別部
7 出力部
8 制御プログラム記憶部
9 CPU
15 受信強度計測部

Claims (11)

  1. 電波反射体を埋設した、アスファルト、コンクリート、塗料を含む誘電体からなる路面に向けて複数の周波数の電波を照射するとともに反射した電波を受信し、照射した複数の周波数の電波の強度に対する受信した電波の強度の比である電波の減衰量を求め、路面上における水の複数の厚み毎に予め測定された複数の周波数の電波に対応した減衰量の基準値と比較することにより路面上における水の厚みを判別することを特徴とする路面状態判別方法。
  2. 電波反射体は、網目状であることを特徴とする請求項1項に記載の路面状態判別方法。
  3. 網目の間隔は、電波の波長の1/10以下であることを特徴とする請求項項に記載の路面状態判別方法。
  4. 電波反射体は、誘電体に混合された導電材であることを特徴とする請求項1項乃至請求項項の何れかに記載の路面状態判別方法。
  5. 前記基準値は、路面上における水の複数の厚みについて予め測定された電波に対応した複数の値域として定義され、路面に照射した電波の変化がいずれの値域に相当するか判別して水の厚みを計測することを特徴とする請求項項乃至請求項項の何れかに記載の路面状態判別方法。
  6. 前記路面に照射する電波の周波数域は水または氷の複素比誘電率が変化する周波数域であることを特徴とする請求項1項乃至請求項項の何れかに記載の路面状態判別方法。
  7. 路面に向けて複数の周波数の電波を照射するとともに反射波を含む電波を受信してフーリエ逆変換し、逆変換後の時間空間で路面から反射した電波の信号を抽出し、抽出後の信号をフーリエ変換した信号にて前記電波の変化を算出することを特徴とする請求項1項乃至請求項項の何れかに記載の路面状態判別方法。
  8. 所定のフィルタ関数を前記フーリエ逆変換後の信号に乗じることにより、路面から反射した電波が照射された後、受信されるまでの時間に相当する時間空間域に現れる信号のピークを抽出することを特徴とする請求項に記載の路面状態判別方法。
  9. 前記路面の表面には、深さが略一定の凹部が形成されていることを特徴とする請求項1項乃至請求項項の何れかに記載の路面状態判別方法。
  10. 電波反射体を埋設した、アスファルト、コンクリート、塗料を含む誘電体からなる路面に向けて複数の周波数の電波を照射する電波の送信手段と、
    前記路面から反射した電波を受信する受信手段と、
    前記送信手段から照射した複数の周波数の電波の強度に対する受信手段で受信した電波の強度の比であるところの電波の減衰量を算出する送受信変化量算出部と、
    路面上における水の複数の厚み毎に予め測定された複数の周波数の電波に対応した減衰量の基準値を予め記憶した基準データ記憶部と、
    送受信変化量算出部で算出した電波の減衰量と基準データ記憶部で記憶した基準値とを比較し路面上における水の厚みを判別する路面状態判別部と、
    を備えることを特徴とする路面状態判別装置。
  11. 前記送信手段は路面に向けて複数の周波数の電波を照射し、前記受信手段は反射波を含む電波を受信し、
    上記送受信変化量算出部は、
    受信手段で受信した電波に対してフーリエ逆変換処理を行うフーリエ逆変換部と、
    所定のフィルタ関数を前記フーリエ逆変換後の信号に乗じることにより、路面から反射した電波が照射された後、受信されるまでの時間に相当する時間空間域に現れる信号のピークを抽出する時間フィルタ部と、
    抽出後の信号をフーリエ変換するフーリエ変換部とを備え、
    当該フーリエ変換後の信号から前記電波の変化を算出することを特徴とする請求項10項に記載の路面状態判別装置。
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