JP2004077475A - 路面状態判別方法およびその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来における路面に向けて光を照射して路面状態を判別する方法にあっては、光の周波数領域の波長では反射率の主体となる比誘電率に変化を生じないことから画像処理を含む光学的反射強度を利用する従来の計測方法では、水と氷とを識別することができないといった問題があった。
【解決手段】 路面に向けて電波を照射するとともに反射した電波を受信し、照射した電波に対する受信した電波の変化を基に路面上における水または氷の有無を判別する。
【選択図】    図1

Description

 本発明は一般道路や高速道路における路面に、水や氷が存在する状態を判別するための方法およびその装置に関する。
 従来より画像処理を用いて凍結などの路面状態を判別する方法や装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この出願は所定の路面監視エリアに対してレーザ光を投光走査し、路面から反射されるレーザ光を監視画像として記憶し、この監視画像と予め記憶した判定用画像とを比較して最も類似する路面判定用画像データを見つけ出し、凍結状態であるか否かを検出するものである。
特開2002−39861号
 ところで、図10のように路面上の水や氷にレーザ光や自然光が当たった場合の反射率Γは以下のように比誘電率εrの関数として定義することができる。
Figure 2004077475
 ここで、Eiは電磁波の入射エネルギー、Erは反射エネルギーであり、また、比誘電率εr=媒質の誘電率ε/真空の誘電率ε0である。
 一方、一般の物質の複素比誘電率
Figure 2004077475
は、その実数部をε’、虚数部である誘電損失をε''として、デバイの緩和理論から、
Figure 2004077475
となることが知られている。但し、σは導電率、ε0 *は空気の誘電率(8.854×10-12F/m)であり、水,氷の場合、導電率σはほぼ0であることから、式(4)の第2項は無視することができ、結局式(4−1)とすることができる。
 ここで、
Figure 2004077475
は直流電場における比誘電率、
Figure 2004077475
は高周波電場における比誘電率、ωは角周波数、τは誘電緩和時間である。
 この(3)、(4)式に10Hz〜1000GHzの周波数fと以下に示す値を代入して複素比誘電率を算出すると図3に示すグラフとなる。
Figure 2004077475
 このグラフから明らかなように、水と氷とでは複素比誘電率が変化する周波数域が大きく異なる。特に反射率Γを変化させる誘電率虚数部ε'' はそれぞれ100Hz近傍〜100KHz近傍と1GHz近傍〜100GHz近傍において大きく変化しているが、前記した従来例の公開公報におけるレーザ光や可視光に使われる数100GHz以上の光の周波数領域に対しては、水も氷も同じ値(略「0」)になっている。
 同様に、誘電率実数部ε’についても、数100GHz以上の周波数では水も氷も同様の値になっている。すなわち、式(1)のように光の周波数領域では反射率Γの主体となる比誘電率εrに変化を生じないことから画像処理を含む光学的反射強度を利用する従来の計測方法では、水と氷とを識別することができないといった問題があった。さらに、従来の計測方法では、水の厚さを判別することができないと言った問題があった。
 本発明は前記した問題点を解決せんとするもので、その目的とするところは、路面上の水または氷に電波を照射した場合に生じる電波の変化を検出することにより、路面上における水または氷の有無あるいは水の厚みを正確に判別することが可能な路面状態判別方法およびその装置を提供せんとするものである。
 本発明の路面状態判別方法は前記した目的を達成せんとするもので、請求項1の手段は、路面に向けて電波を照射するとともに反射した電波を受信し、照射した電波に対する受信した電波の変化を基に路面上における水または氷の有無を判別することを特徴とする。
 請求項2の手段は、路面に向けて電波を照射するとともに反射した電波を受信し、照射した電波に対する受信した電波の変化を基に路面上における水の厚みを判別することを特徴とする。
 請求項3の手段は、請求項1項または請求項2項の何れかに記載の路面状態判別方法において、受信した電波の変化を、照射した電波の強度に対する受信した電波の比である電波の減衰量として求め、予め記憶した減衰量に対する基準値と比較することにより前記判別を行うことを特徴とする。
 請求項4の手段は、請求項1項または請求項2項の何れかに記載の路面状態判別方法において、受信した電波の変化を、受信した電波の強度として求め、予め記憶した受信強度に対する基準値と比較することにより前記判別を行うことを特徴とする。
 請求項5の手段は、請求項1項または請求項2項の何れかに記載の路面状態判別方法において、受信した電波の変化を、照射した電波の強度に対する受信した電波の強度の差であるところの路面による電波の吸収・透過量として求め、予め記憶した吸収・透過量に対する基準値と比較することにより前記判別を行うことを特徴とする。
 請求項6の手段は、請求項1項乃至請求項5項の何れかに記載の路面状態判別方法において、路面に向けて複数の周波数の電波を照射するとともに反射した電波を受信し、照射した複数の周波数の電波に対する受信した電波の変化を基に前記判別を行うことを特徴とする。
 請求項7の手段は、請求項1項乃至請求項6項の何れかに記載の路面状態判別方法において、電波を照射する路面に電波吸収体を埋設したことを特徴とする。
 請求項8の手段は、請求項1項乃至請求項7項の何れかに記載の路面状態判別方法において、路面に電波吸収体を埋設し、水、氷および乾燥を判別することを特徴とする。
 請求項9の手段は、請求項3項乃至請求項8項の何れかに記載の路面状態判別方法において、前記基準値は、路面上における水または氷あるいは路面上における水の複数の厚みについて予め測定された電波に対応した複数の値域として定義され、路面に照射した電波の変化がいずれの値域に相当するか判別して水または氷の有無あるいは水の厚みを計測することを特徴とする。
 請求項10の手段は、請求項1項乃至請求項9項の何れかに記載の路面状態判別方法において、前記路面に照射する電波の周波数域は水または氷の複素比誘電率が変化する周波数域であることを特徴とする。
 請求項11の手段は、請求項1項乃至請求項10項の何れかに記載の路面状態判別方法において、路面に向けて複数の周波数の電波を照射するとともに反射波を含む電波を受信してフーリエ逆変換し、逆変換後の時間空間で路面から反射した電波の信号を抽出し、抽出後の信号をフーリエ変換した信号にて前記電波の変化を算出することを特徴とする。
 請求項12の手段は、請求項11に記載の路面状態判別方法において、所定のフィルタ関数を前記フーリエ逆変換後の信号に乗じることにより、路面から反射した電波が照射された後、受信されるまでの時間に相当する時間空間域に現れる信号のピークを抽出することを特徴とする。
 本発明の路面状態判別装置における請求項13の手段は、路面に向けて電波を照射する電波の送信手段と、前記路面から反射した電波を受信する受信手段と、前記送信手段から照射した電波の強度に対する受信手段で受信した電波の強度の比であるところの電波の減衰量を算出する送受波変化量算出部と、電波の減衰量に対する基準値を予め記憶した基準データ記憶部と、送受波変化量算出部で算出した電波の減衰量と基準データ記憶部で記憶した基準値とを比較し路面上における水または氷の有無を判別する路面状態判別部とを備えるものである。
 本発明の路面状態判別装置における請求項14の手段は、路面に向けて電波を照射する電波の送信手段と、前記路面から反射した電波を受信する受信手段と、前記受信手段により受信した電波の強度を計測する受信強度計測部と、電波の受信強度に対する基準値を予め記憶した基準データ記憶部と、受信強度計測部で計測した電波の強度と基準データ記憶部に記憶した基準値とを比較し路面上における水または氷の有無を判別する路面状態判別部とを備えるものである。
 本発明の路面状態判別装置における請求項15の手段は、路面に向けて電波を照射する電波の送信手段と、前記路面から反射した電波を受信する受信手段と、前記送信手段から照射した電波の強度に対する受信手段で受信した電波の強度の差であるところの路面による電波の吸収・透過量を算出する送受波変化量算出部と、電波の吸収・透過量に対する基準値を予め記憶した基準データ記憶部と、送受波変化量算出部で算出した電波の吸収・透過量と基準データ記憶部で記憶した基準値とを比較し路面上における水または氷の有無を判別する路面状態判別部とを備えるものである。
 本発明の路面状態判別装置における請求項16の手段は、路面に向けて電波を照射する電波の送信手段と、前記路面から反射した電波を受信する受信手段と、前記送信手段から照射した電波の強度に対する受信手段で受信した電波の強度の比であるところの電波の減衰量を算出する送受波変化量算出部と、電波の減衰量に対する基準値を予め記憶した基準データ記憶部と、送受波変化量算出部で算出した電波の減衰量と基準データ記憶部で記憶した基準値とを比較し路面上における水の厚みを判別する路面状態判別部とを備えるものである。
 本発明の路面状態判別装置における請求項17の手段は、路面に向けて電波を照射する電波の送信手段と、前記路面から反射した電波を受信する受信手段と、前記受信手段により受信した電波の強度を計測する受信強度計測部と、電波の受信強度に対する基準値を予め記憶した基準データ記憶部と、受信強度計測部で計測した電波の強度と基準データ記憶部に記憶した基準値とを比較し路面上における水の厚みを判別する路面状態判別部とを備えるものである。
 本発明の路面状態判別装置における請求項18の手段は、路面に向けて電波を照射する電波の送信手段と、前記路面から反射した電波を受信する受信手段と、前記送信手段から照射した電波の強度に対する受信手段で受信した電波の強度の差であるところの路面による電波の吸収・透過量を算出する送受波変化量算出部と、電波の吸収・透過量に対する基準値を予め記憶した基準データ記憶部と、送受波変化量算出部で算出した電波の吸収・透過量と基準データ記憶部で記憶した基準値とを比較し路面上における水の厚みを判別する路面状態判別部とを備えるものである。
 請求項19の手段は、請求項13項乃至請求項18項の何れかに記載の路面状態判別装置において、前記送信手段は路面に向けて複数の周波数の電波を照射し、前記基準データ記憶部は前記複数の周波数の電波のそれぞれに対応した値を記憶していることを特徴とする。
 請求項20の手段は、請求項13項乃至請求項19項の何れかに記載の路面状態判別装置において、前記送信手段は路面に向けて複数の周波数の電波を照射し、前記受信手段は反射波を含む電波を受信し、上記送受波変化量算出部は、受信手段で受信した電波に対してフーリエ逆変換処理を行うフーリエ逆変換部と、所定のフィルタ関数を前記フーリエ逆変換後の信号に乗じることにより、路面から反射した電波が照射された後、受信されるまでの時間に相当する時間空間域に現れる信号のピークを抽出する時間フィルタ部と、抽出後の信号をフーリエ変換するフーリエ変換部とを備え、当該フーリエ変換後の信号から前記電波の変化を算出することを特徴とする。
 本発明は、光学的反射強度を利用する従来の計測方法では原理上判別することができなかった水と氷の判別あるいは水の厚みの判別を可能にするといった効果を有する。さらに、本発明は、路面に照射した電波に対する複素比誘電率に基づく水と氷の顕著な反射特性の相違に着目して水または氷を判別することから、水と氷を正確に判別し、また、水の厚みに関しても正確に判別することが可能であり、特に、受信した電波の変化を、照射した電波の強度に対する受信した電波の比である電波の減衰量として求め、予め記憶した減衰量に対する基準値と比較し、あるいは、受信した電波の強度として求め予め記憶した受信強度に対する基準値と比較することにより、路面状態を精度よく判別することができるものである。
 また、受信した電波の変化を、照射した電波の強度に対する受信した電波の強度の差であるところの路面による電波の吸収・透過量として求め、予め記憶した吸収・透過量に対する基準値と比較することにより路面上における水または氷の有無を判別するようにしたので、変化量を拡大して表現することができるため、精度の高い基準値の設定が一層容易になるといった効果を有するものである。
 さらにまた、路面に照射した複数の周波数に対する電波の減衰量や吸収・透過量の変化が水または氷の何れかが他方に比べて大きく変化する特性を利用することで、各々の変化に対して基準値を設けることにより水または氷を単独かつ高精度に判別できるといった効果を有するものである。
 さらに、路面に電波吸収体を埋設するとアスファルトやコンクリートなどの誘電体による影響を排除して水あるいは氷による電波の変化をより際だたせることができ、水または氷の有無あるいは水の厚みをより正確に判別することができる。さらに、この路面においては、路面に水または氷が存在しない乾燥した状態と路面上に氷が存在する状態とを区別することができる。さらに、タイムドメイン法を用いることにより乱反射成分による干渉を除去することが可能なため、判定精度を一層向上させることができるといった効果を有するものである。
 以下、本発明に係る路面状態判別方法を用いた路面状態判別装置の一実施の形態を図1により説明する。図1は路面状態を判別する道路に配置された路面状態判別装置で、1は路面Rに電波を照射する送信手段にして、ギガHz域の発振周波数の電界を生成して電波を発振する発振器11と、入力された信号を増幅し例えば0GHz〜6GHz(下限の周波数は厳密には0より大きい)の電波として路面Rに対して照射する送信アンテナ12とから構成される。
 2は受信手段にして、路面Rから反射した電波を受信する受信アンテナ22と受信した各電波を検波する検波器21とから構成される。なお、送信アンテナ12と受信アンテナ22は梁柱などの支持手段によって路面Rに電波が略垂直に照射されるように並べて配置される。
 3は前記送信手段から照射した電波の強度に対する受信手段で受信した電波の強度の比であるところの電波の減衰量を算出する送受波変化量算出部、4は路面に照射する電波の周波数および減衰量に対する基準値を記憶した基準データ記憶部、5は送受波変化量算出部3からの減衰量と基準データ記憶部4に記憶した基準値とを比較する路面状態判別部である。
 6は通信手段を備え、路面状態判別部5で判別された路面の水または氷の有無を図示しない中央の観測装置に配信する出力部、7は路面状態を判別するためのプログラムを記憶した制御プログラム記憶部、8は制御プログラム記憶部7のプログラムと図示しないキースイッチにより設定されたサンプリング周期や発振周波数などの設定値に従い前記の1〜6を制御し、路面状態判別を実行するCPUである。
 はじめに計測の原理を説明すると、図8(a)のようにアスファルトからなる路面に水または氷からなる一層の誘電体が存在する場合には、水または氷とアスファルトによる2層の誘電体の平面波に対する特性インピーダンスを求める数式を展開した下記の数式によって減衰量を求めることができる。
 ここで、図8(a)に示す水、氷からの反射、吸収の状態を等価回路で示すと図8(b)となる。この場合の受端側から見込んだ電波伝搬の特性インピーダンス
Figure 2004077475
は伝送定数を
Figure 2004077475
とすれば、
Figure 2004077475
となる。
 ここで、水、氷の複素比誘電率、複素比透磁率は
Figure 2004077475
であり、水、氷内を伝搬する平面波の特性インピーダンス
Figure 2004077475
および伝搬定数
Figure 2004077475
は、
Figure 2004077475
 ここで、水、氷は非磁性体であることから
Figure 2004077475
となり、
Figure 2004077475
を得る。
 そして、前記で述べた水と氷に関する数値および周波数の0GHz〜6GHzを前記(3)(4−1)および(2)式に代入して求めた複素比誘電率
Figure 2004077475
を前記(7)式に代入し、水または氷内を伝搬する平面波の特性インピーダンス
Figure 2004077475
と伝搬定数
Figure 2004077475
を求める。
 さらに、水または氷の厚みであるdを例えば2mmとし、代表的なアスファルトの複素比誘電率εl=6.0+0.4jからアスファルトに関する電波伝搬の特性インピーダンス
Figure 2004077475
を求め(5)式に代入すると受端側から見込んだ特性インピーダンス
Figure 2004077475
が求められる。
 また、この特性インピーダンスからこの誘電体に対する反射率Γは、路面に対して電波を垂直に照射した場合、
Figure 2004077475
として表される。そこで、この求めた反射率Γから図4〜図7に示す0GHz〜6GHzの周波数に対する電波の減衰量(20log10Γ(dB))が求められる。なお、図4〜図7の水と氷の電波反射特性には図3に示す周波数において0GHz〜6GHzの複素比誘電率
Figure 2004077475
の変化が反映されており、そのため水に関しては減衰量の変化の大きい曲線として、氷に関しては減衰量の変化の小さい直線として表現されている。
 また、図4は水または氷とアスファルトによって2層を形成している場合の減衰量を示しており、図5は水または氷とコンクリートによって2層を形成している場合の減衰量を示しており、図6は水または氷とアクリルによって2層を形成している場合の減衰量を示しており、図7は水または氷と塗料によって2層を形成している場合の減衰量を示している。これらの計測データから明らかなように、道路に施工可能な上記の何れの誘電体においても水と氷に対する電波の減衰量あるいはその変化が異なっており、当該減衰量の差異あるいはその変化の様子によって水または氷の有無を判別することができる。
 次に、前記した構成に基づいて図2のフローチャートに従い動作を説明する。最初に、設定値以下の気温または路温を図示しない温度センサによって検知して路面状態判別のプログラムがスタートすると、CPU8は制御プログラム記憶部7に記憶したプログラムに従い予め基準データ記憶部4に記憶した第1波の周波数( 例えば3GHz) の信号を発振器11に送り送信アンテナ12から3GHzの電波を路面Rに向けて照射する( ステップS1) 。なお、この時に送信した電波の送波強度Woとして計測してCPU8に一時記憶する。次に、路面Rから反射し受信アンテナ22で受信した同じ周波数の電波を検波し、受信した電波の受波強度Wiとして出力する(ステップS2)。
 次に、CPU8は送受波変化量算出部3において、送信した電波の強度に対する受信した電波の強度の比(反射率)を減衰量20log10(Wi/Wo)として算出し、CPU8に一時記憶する( ステップS3) 。
 次に、CPU8は路面状態判別部5にて送受波変化量算出部3で算出した減衰量の値と基準データ記憶部4に予め記憶した3GHzの周波数に対する減衰量の基準値x、例えば図4に示す0dB>x>−3dBとの比較(ステップS4)と、−10dB>x>−12dBとの比較(ステップS5)を行い、基準値内の場合にそれぞれ水と氷を判別する。
 なお、基準値は、例えば3GHzの電波に対する水の減衰量(計算値)の−1.5dBと、氷の減衰量(計算値)の−11.0dBに対して計測場所の電波の受信状況に応じて設定すればよい。むろん、基準値は水と氷で減衰量が異なり、両者の区別ができるような値域として定義すればよい。また、送信する電波の周波数は3GHzに限らず、水と氷の減衰量が異なり、両者の区別ができる周波数であればどのような周波数でもかまわない。
 そして、ステップS4で「水」、ステップS5で「氷」と判別された場合には出力部6から中央の観測装置にそれぞれの判別結果を配信(ステップS6、ステップS7)する。そして、水の基準にも氷の基準にも該当しないとステップS4およびステップS5で判定した場合には、通報無しとして処理を行う(ステップS8)。すなわち、この処理によって水または氷の有無を判別していると言える。また、ステップS1の送信処理の開始と同時に計時を繰り返す図示しないサンプリングタイマがタイムアップしたか否かを判定(ステップS9)し、タイムアップしたと判定した場合にはステップS1に戻り次の周波数(例えば、4GHz、5GHz、6GHzとそれぞれ実行し、6GHzを実行の後1GHzに戻り、2GHz、3GHzと周波数を変化させる)による計測を前記と同じ方法で繰返し実施する。このように、複数の周波数について計測を行うことにより、判別の精度を高めることができる。
 ただし、図4から明らかなように水と氷の減衰量には大きな違い(例えば、8dBの差)があるため、「水」と「氷」を判別する1つの基準値、例えば−6dBを設定して、2GHz〜6GHzの内の何れかの周波数に対する減衰量と比較するようにしてもよい。また、「水」の減衰量の変化が「氷」に比べて大きい特性を利用して、その変化量を基準値として設定してもよい(例えば、0.5GHzと2GHzの周波数に対する減衰量の変化に対して6dBを閾値とし、6dB以上変化したら水と判定し、0.5GHzと2GHzの周波数に対する減衰量の変化に対して2dBを閾値とし、減衰量の変化が2dB以下であれば氷と判定)。
 なお、前記で説明した実施の形態の他に、図9のように図1の送受波変化量算出部3に代えて受信強度計測部15を設けるとともに、基準データ記憶部4には基準値として予め電波の周波数に対する受信強度(=送波強度×反射率)を記憶し、路面状態判別部5で受信強度計測部15で求めた受信強度と基準データ記憶部に記憶した基準値との比較を行い路面状態を判別するようにしてもよい。
 また、電波の水と氷による変化を求める基準を電波の減衰量ではなく、水または氷と路面による電波の吸収・透過量(20log10(1−反射率) )とした場合には上述した電波の周波数に対する変化が拡大して表現されるため、基準値の設定が一層容易となる。なお、この場合に、前記の実施形態の減衰量が吸収・透過量として計算され前記と同様な適宜な基準値と比較される以外は、図1と図2に示す実施形態に同じである。
 また、前記の実施形態においては0GHz〜6GHzの周波数の電波を用いて路面における水または氷を判別する方法を提案したが、図3のグラフから明らかなように水の複素比誘電率が大きく変化している1GHz近傍〜100GHz近傍の領域の電波を用いて路面状態を判別することが可能である。同様に、氷の複素比誘電率が大きく変化している100Hz近傍〜100KHz近傍の領域の電波を用いても路面における水または氷を判別することが可能である。ただし、前記の実施形態のように水と氷の両者を同時に判別する必要は無く、必要とする何れか一方の状態だけを判別するようにしてもよい。
 本発明は上述の論理式と図4で示したように、数100GHz以下の電波を2層構造の誘電体に照射した場合に、周波数に対して複素比誘電率が大きく変化する側(前記実施形態では水+アスファルト等の誘電体)に電波を減衰し減衰波形が大きく変化する特性が現れ、複素比誘電率の変化が少ない側(前記実施形態では氷+アスファルト等の誘電体)には周波数に対して電波を減衰しない特性が表れる特徴を利用するものである。すなわち、水と氷の一方に対して他方の減衰量が大きく変化する特性を「水」と「氷」の路面状態判別に利用するものである。
 よって、本発明の実施形態に留まらず、照射した電波に対する受信した電波の変化を基に両者の変化の間に一定の基準値を設けたり、特定の周波数に対して水または氷を判別する特定の基準値を設けたり、または、複数の周波数に対する受信した電波の変化に対する基準値を設けて路面上における水または氷の有無を判別するなど、本願発明の技術思想である誘電率の変化に伴う電波の反射特性の変化を利用する判別方法および判別装置に関しては本願発明に含まれるものとする。
 前記実施形態は、水の状態(液体または固体)によって、複素比誘電率が大きく変化する周波数域が異なることを利用して水または氷の有無を判別していたが、上記の式(5)に示すように複素比誘電率が水の厚みに依存し、その結果として前記減衰量、受信強度、透過・吸収量が変化することを利用して、水の厚みを判別する実施形態を採用可能である。
 そこで、次に説明する水の厚みを判別する実施形態では、前記図1に示すハードウェア構成と同様の構成によって実現可能であるが、基準データ記憶部4においては、送信周波数に対する変化量(減衰量等)を示す基準値を予め決められた水の厚み毎に記憶している。図11は、本実施形態にかかる路面状態判別装置にて0GHz〜2GHz(ここでも厳密には0GHzは0より大きなある周波数)の周波数で電波を送信し、反射波を受信したときの減衰量を示している。
 同図に示すように、各周波数において水の厚みによって減衰量が異なる。そこで、前記基準データ記憶部4には、送信する周波数における減衰量の値域を水の厚みに対応させ、基準値として記憶する。例えば、図11に示す例において、1GHzの電波を送信する場合に、4mmに対する基準値を0dB>x>−3dB,2mmに対する基準値を−3dB≧x>−5dB,1mmに対する基準値を−5dB≧x>−7.5dB,0.5mmに対する基準値を−7.5dB≧xとすれば、観測した減衰量と基準値との比較によって水の厚みを判別することが可能になる。
 具体的な処理としては、図2におけるステップS1〜S3およびステップS9は図2に示す処理と同様の処理を行い、ステップS4〜S8にて図2に示す実施形態と異なる処理を行う。すなわち、ステップS4においては、前記ステップS3で取得した変化量が前記基準データ記憶部4に記憶された基準値の何れかに該当するか否かを判別し、該当する場合にはその基準値に対応した水の厚みを判別し、ステップS6にてその判別結果を配信する。
 ステップS4において、前記ステップS3で取得した変化量が前記基準データ記憶部4に記憶された基準値の何れかに該当すると判別されないときには、ステップS8と同様に通報なしとして処理を行う。ステップS5,S7は実施しない。以上の処理により、路面上の水の厚みを判別することが可能である。むろん、この実施形態においては、水の厚みを判別することができればよく、水の厚みを0.5mm,1mm,2mm,4mmとすることは必須ではなく他の厚みに対する基準値を予め保持しても良い。また、水の厚みを水の有無を判別するための基準値とし、例えば、厚み1mmあるいは1mm以上の水の検出をもって「水有り」と判別しても良い。
 さらに、前記実施形態においては、アスファルト等の路面に対して電波を照射していたが、より正確に電波の変化を検出し、路面上における水または氷の有無や水の厚みを判別するために、路面に対して電波吸収体を埋設しても良い。例えば、フェライト粉末、導電性カーボンをプラスチック等のバインダに混合したシートを路面に埋設するような構成を採用可能である。
 このような路面に対して、前記図1に示すような構成の路面状態判別装置で前記送信電波と受信電波の変化を検出すると、誘電体からの影響を排除して水あるいは氷による電波の変化をより際だたせることができる。この結果、水または氷の有無あるいは水の厚みをより正確に判別することができる。さらに、この路面においては、路面に水または氷が存在しない乾燥した状態と路面上に氷が存在する状態とを区別することができる。
 図12は路面に吸収体を埋設した場合の反射率を前記と同様に0GHz〜6GHzについて示しており、図13はその減衰量(20log10(反射率))を示している。図12に示すように、水2mmの反射率,氷2mmの反射率および乾燥状態での反射率がそれぞれ異なっており、この反射率の差異によって図13に示すように水2mm,氷2mmおよび乾燥状態で減衰量が異なる。尚、乾燥状態での反射率は“0”であるので、減衰量は−∞となり、図13には明示されていないが、いずれにしても水と氷と乾燥状態とで減衰量が異なる。従って、水,氷,乾燥状態それぞれについての値域を基準値として前記基準データ記憶部4に記憶させておくことにより、前記図1に示す路面状態判別装置にて減衰量を測定し、基準値と比較することで水,氷,乾燥状態のそれぞれを区別することが可能になる。
 さらに、判定精度を向上させるため、乱反射成分による干渉を除去する処理(タイムドメイン法による処理)を行っても良い。すなわち、図1に示す路面状態判別装置において、受信アンテナ22が受信する信号は、送信波が路面で反射した反射波のみならず路面付近の種々の物体(例えばガードレール)での反射等が重畳された状態(干渉した状態)である。そこで、干渉を除去するために前記図14に示す構成を採用しても良い。
 図14において、位相検出部9と複素信号変換部31とフーリエ逆変換部32と時間フィルタ部33とフーリエ変換部34とは図1に示す路面状態判別装置に加えられた構成である。かかる構成において、発振器11は所定の帯域で複数の周波数の信号を発振し、検波器21では各周波数での発振信号に対応した信号を受信波として取得する。位相検出部9は発振器11および検波器21に接続されており、発振器11の出力と検波器21の出力から受信信号の位相を検出し、当該位相を示す位相信号を送受波変化量算出部3に供給する。複合信号変換部31は、当該位相信号と前記検波器21が出力する受信電波の強度信号(A(f))を取得し、複素信号データ(F(ω)=A(f)(cosωt+jsinωt))として出力する。なお、fは周波数でω=2πfである。
 位相検出部9および複素信号変換部31による処理は、前記発振器11によって発振された信号の各周波数について実施され、得られた複素信号データは図示しないメモリに記憶される。フーリエ逆変換部32は、複素信号データについて以下の式
Figure 2004077475
に従ってフーリエ逆変換を実施するモジュールであり、フーリエ逆変換後の複素時間信号データf(t)を出力する。ここで、tは時間である。時間フィルタ部33は、この複素信号データf(t)に対して以下の式
Figure 2004077475
に従って時間フィルタG(t)を作用させ、所望の時間帯域における信号データg(t)を抽出する。尚、時間フィルタG(t)としては、各種関数を採用可能であり、矩形,ガウス,ハミング,ハニング関数等を採用可能である。
 そして、フーリエ変換部34は、当該抽出された信号データg(t)を以下の式
Figure 2004077475
に従ってフーリエ変換し、干渉が除去され、路面からの反射成分を抽出した複素周波数信号データF(ω)を取得する。送受波変化量算出部3では、当該干渉を除去した後の複素周波数信号データF(ω)から受信電波の強度を算出し、前記発振器11で出力した送信波の強度を用いて前記減衰量や、受信強度、透過・吸収量を取得する。この結果、干渉の影響を排除し、路面およびその上の水や氷による電波の変化を確実に取得することができ、高精度で水や氷の有無あるいは水の厚みを判別することが可能になる。
 図15〜図18は、このように干渉波を除去する処理の効果を説明する説明図である。これらの図は、送信アンテナおよび受信アンテナの下方中央に位置する路面上に水2mmを張った状態で前記周波数を1GHz〜5GHzまで変化させた場合について説明する説明図である。図15は、前記位相検出部9および複素信号変換部31〜フーリエ変換部34での処理を行わずに、受信波と送信波の電波の変化をdBで示している。
 同図に示すスペクトルでは、全周波数帯域に渡って小さなピークが連続しているが、これは各周波数において路面上で反射する電波以外の干渉を多く含むとともにその影響が周波数毎に異なることに起因している。図16は、この場合の受信波についてフーリエ逆変換を行った場合の絶対値を示しており、横軸は時間(秒)、縦軸は絶対値である。送信波が路面上の一点で反射し、その反射波のみを受信したのであれば、図16の横軸の一点で大きなピークとなるはずであるが、図16では2つの大きなピークが現れ、また、小さなノイズ成分が多数含まれている。
 図16では、右側の最大ピークが路面からの反射波であり、左側のピークは送信アンテナから受信アンテナに直接入射する電波である。また、その他の小さなノイズは他の部分や乱反射成分あるいはノイズである。本発明においては、図16の最大ピークのみを参照して受信波に対する減衰量等を判断すべきであり、このために前記時間フィルタを作用させる。
 図17は時間フィルタによって最大ピークのみを抽出した状態を示している。そして、図18はこの抽出した信号をフーリエ変換して受信波の信号とし、この受信波と送信波とで算出した減衰量を周波数に対して示した図である。同図に示すように減衰量は非常になめらかになっており、以上の処理によって前記図15で示した干渉の影響が排除されたことがわかる。すなわち、これにより、路面で反射して受信アンテナに受信された電波と送信波との変化を正確に比較することができ、正確に高精度で水や氷の有無あるいは水の厚みを判別することが可能になる。
 また、上記の実施形態に示す構成においては、送信アンテナと受信アンテナとを個別に配置したが、例えば、図1に示す発信器11と検波器21の間に送信と受信の切り分けを行う方向性分波器を用い、その方向性分波器に送受信アンテナを接続することにより、一つのアンテナによって送受信を兼用させてもよい。この場合には、入射角0度、すなわち、路面に対して電波が垂直に照射される。なお、電波の入射角に対する減衰量の入射角依存性については、アスファルト上の水に対する電波の減衰量を異なる複数の入射角について示した図19のように、電波を路面に対して垂直に照射しても、60度までの入射角で斜めに照射してもその依存性は少なく、水と氷に対して同様な特性を得ることが可能である。
 なお、上記実施形態では、電波を路面に対して垂直に照射(入射角0度)した場合の数式によって説明したが、特定の入射角θをもって照射する場合の受端側から見た上記(7)式に対応する電波伝搬の特性インピーダンスと伝送定数、およびアスファルトに関する電波伝搬の特性インピーダンス、並びに(8)式に対応する反射率Γは、それぞれ次の式によって計算される。図19は、この理論展開を用いて計算された結果である。
Figure 2004077475
ここで、εlは、アスファルト等の複素比誘電率であり、前記同様、代表的にはεl=6.0+0.4j程度となる。
 さらに、電波には偏波が存在するが、以下に説明する実験結果から明らかなように、電波の入射面(入射波と反射波とで構成される平面)に対して電界成分が垂直なTE波と入射面に対して磁界成分が垂直なTM波とについて同様な減衰量の特性が得られるため、上記の実施形態ではTM波による測定結果を提示している。図20は、2mmの水を張った路面に対してTM波とTE波とを45°の入射角で照射して実験した場合の減衰量を示している。同図に示すように、TE波,TM波のいずれであってもほぼ同様の結果である。つまり、TE波の反射率Γを求める場合、上記のTM波の場合の計算式に代えて以下の計算式を用いて上記の実施形態と同様の判別を行うことになる。
Figure 2004077475
本発明に係る路面状態判別装置の一例を示す回路ブロック図である。 同上の回路ブロックの動作を示すフローチャートである。 水と氷の複素比誘電率の特性図である。 アスファルトに対する水と氷の電波反射特性図である。 コンクリートに対する水と氷の電波反射特性図である。 アクリルに対する水と氷の電波反射特性図である。 塗料に対する水と氷の電波反射特性図である。 計測の原理を示す説明図である。 他の路面状態判別装置の回路ブロック図である。 路面にレーザ光や自然光が当たった場合の反射率を示す説明図である。 水の厚みの変化による電波反射特性図である。 吸収体上の水、氷、乾燥の電波反射特性図である。 吸収体上の水、氷の電波反射特性図である。 干渉波を除去する処理を説明する路面状態判別装置の回路ブロック図である。 干渉波を除去する処理を説明する説明図である。 干渉波を除去する処理を説明する説明図である。 干渉波を除去する処理を説明する説明図である。 干渉波を除去する処理を説明する説明図である。 電波の減衰率の入射角依存性を示す図である。 TE波およびTM波の減衰量に関する比較を示す図である。
符号の説明
 1    送信手段
 11   発振器
 12   送信アンテナ
 2    受信手段
 21   検波器
 22   受信アンテナ
 3    送受波変化量算出部
 4    基準データ記憶部
 5    路面状態判別部
 6    出力部
 7    制御プログラム記憶部
 8    CPU
 15   受信強度計測部

Claims (20)

  1. 路面に向けて電波を照射するとともに反射した電波を受信し、照射した電波に対する受信した電波の変化を基に路面上における水または氷の有無を判別することを特徴とする路面状態判別方法。
  2. 路面に向けて電波を照射するとともに反射した電波を受信し、照射した電波に対する受信した電波の変化を基に路面上における水の厚みを判別することを特徴とする路面状態判別方法。
  3. 受信した電波の変化を、照射した電波の強度に対する受信した電波の比である電波の減衰量として求め、予め記憶した減衰量に対する基準値と比較することにより前記判別を行うことを特徴とする請求項1項または請求項2項の何れかに記載の路面状態判別方法。
  4. 受信した電波の変化を、受信した電波の強度として求め、予め記憶した受信強度に対する基準値と比較することにより前記判別を行うことを特徴とする請求項1項または請求項2項の何れかに記載の路面状態判別方法。
  5. 受信した電波の変化を、照射した電波の強度に対する受信した電波の強度の差であるところの路面による電波の吸収・透過量として求め、予め記憶した吸収・透過量に対する基準値と比較することにより前記判別を行うことを特徴とする請求項1項または請求項2項の何れかに記載の路面状態判別方法。
  6. 路面に向けて複数の周波数の電波を照射するとともに反射した電波を受信し、照射した複数の周波数の電波に対する受信した電波の変化を基に前記判別を行うことを特徴とする請求項1項乃至請求項5項の何れかに記載の路面状態判別方法。
  7. 電波を照射する路面に電波吸収体を埋設したことを特徴とする請求項1項乃至請求項6項の何れかに記載の路面状態判別方法。
  8. 路面に電波吸収体を埋設し、水、氷および乾燥を判別することを特徴とする請求項1項乃至請求項7項の何れかに記載の路面状態判別方法。
  9. 前記基準値は、路面上における水または氷あるいは路面上における水の複数の厚みについて予め測定された電波に対応した複数の値域として定義され、路面に照射した電波の変化がいずれの値域に相当するか判別して水または氷の有無あるいは水の厚みを計測することを特徴とする請求項3項乃至請求項8項の何れかに記載の路面状態判別方法。
  10. 前記路面に照射する電波の周波数域は水または氷の複素比誘電率が変化する周波数域であることを特徴とする請求項1項乃至請求項9項の何れかに記載の路面状態判別方法。
  11. 路面に向けて複数の周波数の電波を照射するとともに反射波を含む電波を受信してフーリエ逆変換し、逆変換後の時間空間で路面から反射した電波の信号を抽出し、抽出後の信号をフーリエ変換した信号にて前記電波の変化を算出することを特徴とする請求項1項乃至請求項10項の何れかに記載の路面状態判別方法。
  12. 所定のフィルタ関数を前記フーリエ逆変換後の信号に乗じることにより、路面から反射した電波が照射された後、受信されるまでの時間に相当する時間空間域に現れる信号のピークを抽出することを特徴とする請求項11に記載の路面状態判別方法。
  13. 路面に向けて電波を照射する電波の送信手段と、
     前記路面から反射した電波を受信する受信手段と、
     前記送信手段から照射した電波の強度に対する受信手段で受信した電波の強度の比であるところの電波の減衰量を算出する送受波変化量算出部と、
     電波の減衰量に対する基準値を予め記憶した基準データ記憶部と、
     送受波変化量算出部で算出した電波の減衰量と基準データ記憶部で記憶した基準値とを比較し路面上における水または氷の有無を判別する路面状態判別部と、
     を備えることを特徴とする路面状態判別装置。
  14. 路面に向けて電波を照射する電波の送信手段と、
     前記路面から反射した電波を受信する受信手段と、
     前記受信手段により受信した電波の強度を計測する受信強度計測部と、
     電波の受信強度に対する基準値を予め記憶した基準データ記憶部と、
     受信強度計測部で計測した電波の強度と基準データ記憶部に記憶した基準値とを比較し路面上における水または氷の有無を判別する路面状態判別部と、
     を備えることを特徴とする路面状態判別装置。
  15. 路面に向けて電波を照射する電波の送信手段と、
     前記路面から反射した電波を受信する受信手段と、
     前記送信手段から照射した電波の強度に対する受信手段で受信した電波の強度の差であるところの路面による電波の吸収・透過量を算出する送受波変化量算出部と、
     電波の吸収・透過量に対する基準値を予め記憶した基準データ記憶部と、
     送受波変化量算出部で算出した電波の吸収・透過量と基準データ記憶部で記憶した基準値とを比較し路面上における水または氷の有無を判別する路面状態判別部と、
     を備えることを特徴とする路面状態判別装置。
  16. 路面に向けて電波を照射する電波の送信手段と、
     前記路面から反射した電波を受信する受信手段と、
     前記送信手段から照射した電波の強度に対する受信手段で受信した電波の強度の比であるところの電波の減衰量を算出する送受波変化量算出部と、
     電波の減衰量に対する基準値を予め記憶した基準データ記憶部と、
     送受波変化量算出部で算出した電波の減衰量と基準データ記憶部で記憶した基準値とを比較し路面上における水の厚みを判別する路面状態判別部と、
     を備えることを特徴とする路面状態判別装置。
  17. 路面に向けて電波を照射する電波の送信手段と、
     前記路面から反射した電波を受信する受信手段と、
     前記受信手段により受信した電波の強度を計測する受信強度計測部と、
     電波の受信強度に対する基準値を予め記憶した基準データ記憶部と、
     受信強度計測部で計測した電波の強度と基準データ記憶部に記憶した基準値とを比較し路面上における水の厚みを判別する路面状態判別部と、
     を備えることを特徴とする路面状態判別装置。
  18. 路面に向けて電波を照射する電波の送信手段と、
     前記路面から反射した電波を受信する受信手段と、
     前記送信手段から照射した電波の強度に対する受信手段で受信した電波の強度の差であるところの路面による電波の吸収・透過量を算出する送受波変化量算出部と、
     電波の吸収・透過量に対する基準値を予め記憶した基準データ記憶部と、
     送受波変化量算出部で算出した電波の吸収・透過量と基準データ記憶部で記憶した基準値とを比較し路面上における水の厚みを判別する路面状態判別部と、
     を備えることを特徴とする路面状態判別装置。
  19. 前記送信手段は路面に向けて複数の周波数の電波を照射し、前記基準データ記憶部は前記複数の周波数の電波のそれぞれに対応した値を記憶していることを特徴とする前記請求項13項乃至請求項18項の何れかに記載の路面状態判別装置。
  20. 前記送信手段は路面に向けて複数の周波数の電波を照射し、前記受信手段は反射波を含む電波を受信し、
     上記送受波変化量算出部は、
     受信手段で受信した電波に対してフーリエ逆変換処理を行うフーリエ逆変換部と、
     所定のフィルタ関数を前記フーリエ逆変換後の信号に乗じることにより、路面から反射した電波が照射された後、受信されるまでの時間に相当する時間空間域に現れる信号のピークを抽出する時間フィルタ部と、
     抽出後の信号をフーリエ変換するフーリエ変換部とを備え、
     当該フーリエ変換後の信号から前記電波の変化を算出することを特徴とする請求項13項乃至請求項19項の何れかに記載の路面状態判別装置。

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