JP2006250634A - 被覆塩水計測装置および被覆塩水計測方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ステップS100では、電波送信手段1における発振器11の周波数を1GHz〜6GHzぐらいの範囲で変化させつつ、その際の反射率を送受信変化量算出部3から取得し、ステップS200にて反射率のピーク値を取得するとともに、ステップS300では、このようにして求めたピーク値が現れる周波数を特定し、ステップS400では、このピーク周波数を引数として周波数膜厚関係記憶部4に記憶されているテーブル等を参照し、対応する膜厚を取得するようにしたので、従来のような推測等の余地が無くなり、正確に膜厚を測定することができる。
【選択図】 図6
Description
上記のように構成した請求項1にかかる発明においては、所定面に対して電波送信手段が電波を照射し、電波受信手段が反射した電波を受信し、計測制御手段が照射波と反射波との関係に基づいて、同無機塩水の有無を計測する。
ここで、強度の比率は、それぞれ別個に強度を求めておく場合も含むし、強度の差異が直接求められる回路等を利用してもよい。さらに、強度の比率は必ずしも割り算の関係にある必要はなく、一対一の対応関係となる別の演算結果として導出するようにしても良い。
この特徴量は各種の特定の仕方があり、その一例として、請求項3にかかる発明は、請求項2に記載の被覆塩水計測装置において、上記計測制御手段は、上記所定の対応関係として、上記照射される電波の周波数の変化に対する上記比率が変化する際における同変化の傾向が反転する周波数と膜厚とを対応させた周波数膜厚関係を利用する構成としてある。
このように各膜厚に対する一の周波数を対応させる関係づけはシンプルではあるが、他の方法が実現不能なわけではない。例えば、カーブを特定する別の手法を採用しても構わない。すなわち、曲率であるとか、中心点であるとか、微分値の変化対応などもカーブを特定するのに貢献し得るからである。そして、そのような他の手法を採用する場合でも、本発明が利用されることは当然である。
極値相当値の表し方の一例として、請求項5にかかる発明は、上記請求項1〜請求項4のいずれかにおいて、上記極値相当値は、上記比率における増減傾向が変化するときの上記周波数を極値相当値とする構成としてある。
照射電波と反射電波の強度の比率に極値相当値が生じるので、ある周波数で何らかのピークをなすとすれば、その周波数に至るまでの同比率の増減傾向と、同周波数を超えた後での同比率の増減傾向は逆転する。従って、上記のように構成した請求項5にかかる発明においては、この増減傾向の変化に着目することで極値相当値を得る。
むろん、このような無機塩水の状態を検知する効果的な適用例は、道路面上における凍結防止剤の溶解水の有無であり、請求項7にかかる発明では、上記請求項1〜請求項6のいずれかに記載の被覆塩水計測装置において、上記所定面は、道路面であることを特徴としている。
電波反射部材は各種の構成を採用することが可能であり、その一例として、請求項9にかかる発明では、上記電波反射部材は、カーボンファイバークロスで構成してある。
カーボンファイバークロスは電波反射が高いため、照射電波は効率的に反射される。
この他、請求項10にかかる発明は、上記無機塩水が凍結防止剤の溶解水である場合の発明であり、請求項11にかかる発明は、上記無機塩水が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムや酢酸マグネシウムナトリウムのいずれかまたはこれらの組み合わせを含む場合の発明である。
ところで、このような被覆塩水計測装置は単独で存在する場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものである。従って、ソフトウェアであったりハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。
むろん、その記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。また、一次複製品、二次複製品などの複製段階については全く問う余地無く同等である。その他、供給方法として通信回線を利用して行なう場合でも本発明が利用されていることにはかわりない。
本発明をソフトウェアで実現する場合、ハードウェアやオペレーティングシステムを利用する構成とすることも可能であるし、これらと切り離して実現することもできる。例えば、各種の演算処理といっても、その実現方法はオペレーティングシステムにおける所定の関数を呼び出して処理することも可能であれば、このような関数を呼び出すことなくハードウェアから入力することも可能である。そして、実際にはオペレーティングシステムの介在のもとで実現するとしても、プログラムが媒体に記録されて流通される過程においては、このプログラムだけで本発明を実施できるものと理解することができる。
また、膜厚を特定することができれば、照射電波と反射電波との関係から濃度も判定できる。このため、請求項13にかかる発明においては、所定面における無機塩水の濃度を計測するにあたり、同面に対して電波を照射し、反射した電波を受信し、照射波と反射波との関係に基づいて、同無機塩水の濃度を計測する被覆塩水計測装置であって、上記面に対して所定の周波数の電波を照射する電波送信手段と、上記面からの反射電波を受信してその強度を検知する電波受信手段と、上記電波送信手段における照射電波の周波数を所定範囲で変化させつつ、上記電波受信手段での検知結果に基づいて照射電波と反射電波の強度の関係を求め、同関係の変化と膜厚との対応関係とから上記面における無機塩水による被覆の膜厚を求め、同膜厚を特定した状態での上記照射電波と反射電波の強度の関係から上記無機塩水の濃度を特定する濃度計測制御手段とを具備する構成としてあり、かかる手法からなる、請求項14にかかる発明は、所定面における無機塩水の濃度を計測するにあたり、同面に対して電波を照射し、反射した電波を受信し、照射波と反射波との関係に基づいて、同無機塩水の濃度を計測する被覆塩水計測方法であって、上記照射電波の周波数を所定範囲で変化させつつ、上記面からの反射電波を受信してその強度を検知し、照射電波と反射電波の強度の関係を求め、同関係の変化と膜厚との対応関係とから上記面における無機塩水による被覆の膜厚を求め、同膜厚を特定した状態での上記照射電波と反射電波の強度の関係から上記無機塩水の濃度を特定する構成としてある。
また、請求項2にかかる発明によれば、照射電波と反射電波の強度の関係を強度の比率として求めることでより簡易に求めることができる。
さらに、請求項3にかかる発明によれば、周波数と膜厚とが一対一に対応する周波数膜厚関係を利用することで用意する対応関係が簡易になる。
さらに、請求項4にかかる発明によれば、比率が変化する際に現れる極値相当値を採用することで周波数と膜厚との対応関係が容易になる。
さらに、請求項5にかかる発明によれば、比率における増減傾向が変化する点に着目することで極値相当値を得やすくなる。
さらに、請求項6にかかる発明によれば、比率が最も小さくなったときに着目するので演算はきわめて容易となり、構成を簡素化することができる。
さらに、請求項7にかかる発明によれば、道路面上には傾斜によって常に一様な水膜が形成されるため無機塩水の有無を容易に検知することができる。
さらに、請求項8にかかる発明によれば、反射電波をロスなく発生させることができるので、計測の信頼性も向上する。
さらに、請求項9にかかる発明によれば、カーボンファイバークロスは電波反射効率が高い上にしなやかであるので道路面に埋設するのに好適である。
さらに、請求項10にかかる発明によれば、凍結防止剤の膜厚を特定するのに好適である。
さらに、請求項11にかかる発明によれば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムや酢酸マグネシウムナトリウムのいずれかまたはこれらの組み合わせからなる凍結防止剤の膜厚を特定するのに好適である。
さらに、請求項12にかかる発明によれば、同様の効果を奏する被覆塩水計測方法を提供できる。
さらに、請求項13および請求項14にかかる発明によれば、上記と同様の手法で照射電波と反射電波の強度との関係から膜厚を特定し、特定された膜厚によってと濃度との対応関係を比較的簡易に求めることが可能となる。
しかし、本願出願人はこのような状況の中においても反射率が変化する際のピーク値(極値)に着目したところ、膜厚と同ピーク値が現れる周波数との間に相関関係が生じていることを発見した。
図5は、このピーク値が現れる周波数(ピーク周波数)と膜厚との対応関係を示している。同図に示すように、縦軸のピーク周波数が1.5GHz〜3.3GHzの範囲で変化するのに対応して膜厚は0mm(乾燥状態)〜1.00mmの範囲で一対一で対応することが分かる。従って、ピーク周波数ごとに膜厚を対応づけてテーブル等とし、周波数膜厚関係記憶部4に記憶しておく。
図において、ステップS100では、CPU8が制御主体となって電波送信手段1における発振器11の周波数を望ましくは1GHz〜6GHzぐらいの範囲、より狭めた範囲としては1.5GHz〜3.5GHzぐらいの範囲で変化させつつ、その際の反射率を送受信変化量算出部3から取得する。より具体的には、周波数を変化させる範囲において所定の周波数間隔を設けて発振器11に発振周波数を設定し、発振器11が同発振周波数で発振すると送信アンテナ12を介して路面Rに送信する。送信された電波は路面Rの状況および路面Rに埋設した電波反射体9によって反射電波となり、受信アンテナ22と検波器21を介して電波受信手段2にて受信される。その受信結果を得て送受信変化量算出部3が反射率を求め、CPU8は先に設定した発振周波数と反射率との対応関係を得る。その後、発振周波数を所定の周波数間隔で変化させながら各発振周波数に対応する反射率を得て所定の記憶領域に記憶していく。
なお、本実施例においては、上述したように1GHz〜3.5GHzの範囲で発振周波数を変化させているが、この周波数帯域は、電波送信手段1である発振器11と送信アンテナ12、および電波受信手段2である受信アンテナ22と検波器21の形状等によって変化する。すなわち、これらの形状、大きさによっては利用する周波数帯域を変化させることで以下に説明するような膜厚等の測定は可能であることが分かっている。
従って、所定面に照射する周波数は上記実施例の周波数に限定されるものではなく、図2〜4に示すように水膜の膜厚に対してピーク反射率がシフトする他の周波数帯を用いても、同様な計測を実行することが可能である。
路面状態判別部5はこの膜厚に基づいて路面状態が乾燥しているのか否か、凍結防止剤の溶解水が路面Rを被覆しているのか否かを特定する。従って、上述したステップS100〜S400の制御は上述した計測制御手段の一例に相当する。
路面R上の水膜の膜厚だけでよければステップS400で処理を終了すればよい。しかし、膜厚を特定できることにより、凍結防止剤の溶解水の濃度も求めたいのであれば、ステップS500では、濃度まで特定する。濃度を特定するためには、図2〜図4に示した各膜厚ごとにおける反射率の変化を濃度ごとに記憶したテーブル等を周波数膜厚関係記憶部4か別途の記憶領域に記憶しておき、同テーブルを参照し、任意の周波数での反射率を使用して濃度を特定する。
11…発振器
12…送信アンテナ
2…電波受信手段
21…検波器
22…受信アンテナ
3…送受信変化量算出部
4…周波数膜厚関係記憶部
5…路面状態判別部
6…出力部
7…制御プログラム記憶部
8…CPU
9…電波反射体
Claims (14)
- 所定面における無機塩水の被覆の有無を計測するにあたり、同面に対して電波を照射し、反射した電波を受信し、照射波と反射波との関係に基づいて、同無機塩水の有無を計測する被覆塩水計測装置であって、
上記面に対して所定の周波数の電波を照射する電波送信手段と、
上記面からの反射電波を受信してその強度を検知する電波受信手段と、
上記電波送信手段における照射電波の周波数を所定範囲で変化させつつ、上記電波受信手段での検知結果に基づいて照射電波と反射電波の強度の関係を求め、同関係の変化と所定の対応関係とから上記面における無機塩水による被覆の状態を特定する計測制御手段とを具備することを特徴とする被覆塩水計測装置。 - 上記計測制御手段は、上記照射電波と反射電波の強度の関係として同照射電波と同反射電波との強度の比率を求めることを特徴とする上記請求項1に記載の被覆塩水計測装置。
- 上記計測制御手段は、上記所定の対応関係として、上記照射される電波の周波数の変化に対する上記比率が変化する際における、同変化の傾向が反転する周波数と膜厚とを対応させた周波数膜厚関係を利用することを特徴とする上記請求項2に記載の被覆塩水計測装置。
- 上記計測制御手段は、照射される電波の周波数が変化していく際における上記比率が変化する際の極値相当値とそのときの電波の周波数とを対応づけた上記周波数膜厚関係を利用することを特徴とする上記請求項3に記載の被覆塩水計測装置。
- 上記極値相当値は、上記比率における増減傾向が変化するときの上記周波数を極値相当値とすることを特徴とする上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の被覆塩水計測装置。
- 上記比率が最も小さくなったときの周波数を極値相当値とすることを特徴とする上記請求項5に記載の被覆塩水計測装置。
- 上記所定面は、道路面であることを特徴とする上記請求項1〜請求項6のいずれかに記載の被覆塩水計測装置。
- 上記道路面の下には、電波反射部材を埋設してあることを特徴とする上記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の被覆塩水計測装置。
- 上記電波反射部材は、カーボンファイバークロスであることを特徴とする上記請求項1〜請求項8のいずれかに記載の被覆塩水計測装置。
- 上記無機塩水は、凍結防止剤の溶解水であることを特徴とする上記請求項1〜請求項9のいずれかに記載の被覆塩水計測装置。
- 上記無機塩水は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムや酢酸マグネシウムナトリウムのいずれかまたはこれらの組み合わせを含む上記請求項1〜請求項10のいずれかに記載の被覆塩水計測装置。
- 所定面における無機塩水の被覆の有無を計測するにあたり、同面に対して電波を照射し、反射した電波を受信し、照射波と反射波との関係に基づいて、同無機塩水の有無を計測する被覆塩水計測方法であって、
上記照射電波の周波数を所定範囲で変化させつつ、上記面からの反射電波を受信してその強度を検知し、照射電波と反射電波の強度の関係を求めつつ同強度の変化と所定の対応関係とから上記面における無機塩水による被覆の状態を特定することを特徴とする被覆塩水計測方法。 - 所定面における無機塩水の濃度を計測するにあたり、同面に対して電波を照射し、反射した電波を受信し、照射波と反射波との関係に基づいて、同無機塩水の濃度を計測する被覆塩水計測装置であって、
上記面に対して所定の周波数の電波を照射する電波送信手段と、
上記面からの反射電波を受信してその強度を検知する電波受信手段と、
上記電波送信手段における照射電波の周波数を所定範囲で変化させつつ、上記電波受信手段での検知結果に基づいて照射電波と反射電波の強度の関係を求め、同関係の変化と膜厚との対応関係とから上記面における無機塩水による被覆の膜厚を求め、同膜厚を特定した状態での上記照射電波と反射電波の強度の関係から上記無機塩水の濃度を特定する濃度計測制御手段とを具備することを特徴とする被覆塩水計測装置。 - 所定面における無機塩水の濃度を計測するにあたり、同面に対して電波を照射し、反射した電波を受信し、照射波と反射波との関係に基づいて、同無機塩水の濃度を計測する被覆塩水計測方法であって、
上記照射電波の周波数を所定範囲で変化させつつ、上記面からの反射電波を受信してその強度を検知し、照射電波と反射電波の強度の関係を求め、同関係の変化と膜厚との対応関係とから上記面における無機塩水による被覆の膜厚を求め、同膜厚を特定した状態での上記照射電波と反射電波の強度の関係から上記無機塩水の濃度を特定することを特徴とする被覆塩水計測方法。
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