X線診断装置やMRI装置、あるいはX線CT装置などを用いた医用画像診断技術は、コンピュータ技術の発展に伴って急速な進歩を遂げ、今日の医療において必要不可欠なものとなっている。
X線診断は、近年ではカテーテル手技の発展に伴い循環器分野を中心に進歩を遂げている。循環器診断用のX線診断装置は、通常、X線発生部、X線検出部、X線発生部及びX線検出部を保持する保持装置、寝台(天板)、信号処理部、表示部等から構成されている。そして、保持装置はC形アームあるいはΩアームを患者(以下では、被検体と呼ぶ)の周囲で回動、回転あるいは移動することによって最適な位置や方向におけるX線撮影を可能にしている。
X線診断装置のX線検出部に用いられる検出器は、従来、X線フィルムやI.I.(イメージ・インテンシファイア)が使用されてきた。このI.I.を用いたX線撮影方法では、X線発生部から発生したX線が被検体を透過することによって得られたX線投影データ(以下、投影データと呼ぶ)をI.I.によって光学画像に変換し、更に、この光学画像をX線TVカメラによって電気信号に変換した後A/D変換してモニタに表示している。このため、I.I.を用いたX線撮影方法は、フィルム方式では不可能であったリアルタイム撮影を可能とし、又、デジタル信号で投影データの収集ができるため、種々の画像処理が可能となった。一方、前記I.I.に替わるものとして、近年、2次元配列の平面検出器が注目を集め、その一部は既に実用化の段階に入っている。
従来の循環器用X線診断装置に用いられているC形アーム保持装置を図9に示す。このC形アーム保持装置1110におけるC形アーム1103の一端(下端)にはX線発生部1101が、又、他端(上端)には、例えば平面検出器を備えたX線検出部1102が前記X線発生部1101に対向して取り付けられている。そして、図中の1点鎖線1108は、X線部1101におけるX線管の焦点とX線検出部1102の平面検出器の中心を結ぶ、撮影軸を示している。また一点鎖線は、天板1107が横手基準位置にある時の中心線、撮影時には被検体の体軸に略一致する撮影姿勢の基準となる基準線BLを示している。
C形アーム1103は、アームホルダ1104を介して床面1106に据え付けられたスタンド1105に保持されており、アームホルダ1104の端部にはC形アーム1103が矢印aで示す方向にスライド自在に取り付けられている。一方、スタンド1105の上部には、アームホルダ1104が矢印bで示した方向に回動あるいは回転自在に取り付けられており、スタンド1105は、床面1106に固定されたスタンド固定部1105aと支柱軸を中心に矢印cで示す方向に回動可能なスタンド可動部1105bから構成されている。
X線発生部1101及びX線検出部1102(以下、これらを纏めて撮像系と呼ぶ。)は、方向aに対するC形アーム1103のスライドと方向bに対するアームホルダ1104の回動により、天板1107に載置された図示しない被検体に対して好適な位置及び方向に設定される。又、スタンド可動部1105bをc方向に回動することにより、前記撮像系及びC形アーム1103を被検体に対して退避させることができる。この撮像系及びC形アーム1103の退避により、被検体の頭部周辺には医師や検査士(以下、操作者と呼ぶ。)のためのワーキングスペースが確保でき、検査前あるいは検査終了後における被検体の天板1107への載せ替えや体位の変換、あるいは麻酔機材の配備等が容易となる。
尚、上述のアームホルダ1104は、図9に示すようにL字形状のオフセットアームが通常用いられる。アームホルダ1104をL字形状にすることにより、C形アーム1103を天板1107の側方に設置させることができるため、天板1107の長軸方向における端部をスタンド1105の近傍まで矢印dの方向に移動させることが可能となる。即ち、L字形状のアームホルダ1104を用いることにより天板1107の移動範囲が拡大し、被検体に対する撮影範囲を広げることができる。又、アームホルダ1104をL字形状にすることにより、被検体の頭部近傍に操作者のためのワーキングスペースを確保することができる利点を有している。
しかしながら、上述のスタンド可動部1105bの回動あるいはL字形状のアームホルダ1104によるワーキングスペースの確保や撮影範囲の拡大は、スタンド1105の位置が床面1106に固定されているため限界があり、操作者にとって必ずしも十分ではなかった。
このような問題点を改善するために、一端が天井に回動自在に取り付けられたアームの他端にアームホルダを取り付けた天井吊式C形アーム保持装置を構成し、アームの回動軸の位置を天板の長手中心線に対応させることによって被検体の撮影部位を任意に設定することが可能な方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−70248号公報
以下図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1、図2に示すように、床旋回アーム54は、その一端において略鉛直な第1回転軸Z1まわりに旋回自在(d)に床面59上に設けられる。第1回転軸Z1は、鉛直軸であり、水平な基準線BLと直交する。なお、撮影時には、被検体150の体軸が基準線BLに略一致するように、被検体150は天板17上に設置される。また、基準線BLは、天板17の中心線に略一致する。天板17は基準線BLと平行な長手方向に沿って移動可能に寝台18に設けられる。第1回転軸Z1は、天板17の長手方向の可動範囲MR内において基準線BLと交差する。つまり、床旋回アーム54は、天板17の長手方向の可動範囲MR内に設けられる。
床旋回アーム54の他端においては略鉛直な第2回転軸Z2まわりに回転自在(c)にスタンド53が支持される。スタンド53には略水平な第3回転軸(C形アーム水平回転軸)Z3まわりに回転自在(b)にアームホルダ52が支持される。アームホルダ52には、C形アーム水平回転軸Z3と直交する略水平な第4回転軸(スライド回転軸)Z4まわりにスライド回転自在(a)に略C形アーム51が支持される。C形アーム51の一端にはX線発生部1が搭載され、C形アーム51の他端には、典型的には、2次元状に配列された複数のX線検出半導体素子を有するX線検出部(フラットパネルデテクタ(FPD)と通称される)2が搭載される。
図5(a)に示されているように、正面から見たとき、C形アーム51の中心線CLは、X線管球のX線焦点とX線検出部2の検出面中心を結ぶ撮影軸SAと重なるように、つまりC形アーム51の中心線CLを通る面内に、X線管球のX線焦点とX線検出部2の検出面中心を結ぶ撮影軸SAが配置されるように、C形アーム51に対してX線発生部1及びX線検出部2がオフセットゼロに設けられる。
図示しないが、X線発生部1はX線管球と、X線照射野を矩形、円形等任意の形状に成形するX線絞り機構とを有する。X線絞り機構は、X線管球のX線焦点とX線検出部2の検出面中心を結ぶ撮影軸SA(第5回転軸Z5に一致)回りに軸回転自在に軸回転機構515−1(図3参照)に支持される。同様に、X線検出部2は、撮影軸SA(第5回転軸Z5)回りに軸回転自在に軸回転機構515−2に支持される。なお、X線絞り機構がX線照射野を円形に成形するとき、画像を正立させるために、X線絞り機構をX線検出部2とともに撮影軸SA(第5回転軸Z5)回りに軸回転する必要は必ずしもない。
X線発生部1のX線焦点と、X線検出部2の検出面中心とを通る撮影軸SA(Z5)は、C形アーム水平回転軸Z3と、スライド回転軸Z4とに一点で交差するように、設計されている。周知の通り、当該交点の絶対座標(撮影室座標系上の位置)は、C形アーム51がC形アーム水平回転軸Z3まわりに回転しようと、C形アーム51がスライド回転軸Z4まわりに回転しようと、床旋回アーム54が第1回転軸Z1まわりに旋回しようと、スタンド53が第2回転軸Z2まわりに回転しない限りにおいては変位しないもので、一般的には、アイソセンタISと呼ばれている。
図1に示したように、第2回転軸Z2まわりのスタンド53の回転角が基準角度(ゼロ°)にあって、C形アーム51が床旋回アーム54の上に重なって最も小さく折り畳まれた姿勢にあるとき、当該アイソセンタが、床旋回アーム54の第1回転軸Z1上に位置するように、換言すると、撮影軸SA(Z5)と、C形アーム水平回転軸Z3と、スライド回転軸Z4とが、当該アイソセンタにおいて床旋回アーム54の第1回転軸Z1と交差するように、設計されている。つまり、床旋回アーム54の第1回転軸Z1とスタンド53の第2回転軸Z2との距離と、スタンド53の第2回転軸Z2とアイソセンタISとの距離とが同一になるように、床旋回アーム54の長さ、スタンド53の大きさ、アームホルダ52の大きさ、C系アーム51の半径が総合的に決定されている。
このような設計のもとでは、C形アーム水平回転軸Z3まわりのC系アーム51の回転角が基準角度(ゼロ°)にあり、しかもスライド回転軸Z4まわりのC系アーム51の回転角が基準角度(ゼロ°)にあって、それにより当該撮影軸SA(Z5)が鉛直方向にあるとき、上記の第2回転軸Z2まわりのスタンド53の回転角が基準角度(ゼロ°)にある状況のもとでは、撮影軸SA(Z5)は床旋回アーム54の第1回転軸Z1に略一致する。
図3に示すように、システム制御部10からの制御信号又は操作部9からの操作信号に基づいて移動機構駆動部3の移動機構駆動制御部33の制御のもとで、典型的には電源としての駆動部311,312,313,314,315−1,315−2、316からC形アーム保持装置5の機構511,512,513,514,515−1,515−2、516の電動機に対してそれぞれ駆動信号が供給される。それにより各部が回転、スライドする。同様に、システム制御部10からの制御信号又は操作部9からの操作信号に基づいて移動機構駆動部3の移動機構駆動制御部33の制御のもとで、天板機構駆動部32から駆動信号が天板17の長手/横手方向移動機構171、上下方向移動機構172に供給される。それにより天板17がブレーキ解除の状態になり、長手方向f(Y方向)あるいは横手方向(X方向)に移動可能な状態となる、あるいは天板17が上下方向gに昇降制御する。
図4には、操作部11の操作面を示している。操作面は、タッチパネル式スクリーンと、実体的なスイッチやボタンが配置された操作卓とのいずれかにより実現される。操作面には、各部の移動をマニュアルで操作するためのマニュアル操作ボタン211〜227、233、234が設けられている。また、操作面には、C形アーム保持装置5を予め決められた姿勢に自動的に移動するためのプリセットボタン229、230、231、232が設けられている。
床旋回ボタン211がクリック又は押されたとき、その操作量、典型的には押している時間に応じた角度だけ、床旋回アーム54が床旋回アーム回動機構514により回転軸Z1回りに順方向(反時計回り)に旋回するように制御部33は駆動部31を制御する。床旋回ボタン212がクリック又は押されたとき、その操作量に応じた角度だけ、床旋回アーム54が床旋回アーム回動機構514により回転軸Z1回りに逆順方向(時計回り)に旋回するように制御部33は駆動部31を制御する。
スタンド回転ボタン213がクリック又は押されたとき、その操作量に応じた角度だけスタンド53がスタンド回動機構513により回転軸Z2回りに順方向(反時計回り)に旋回するように制御部33は駆動部31を制御する。スタンド回転ボタン214がクリック又は押されたとき、その操作量に応じた角度だけスタンド53がスタンド回動機構513により回転軸Z2回りに逆方向(時計回り)に旋回するように制御部33は駆動部31を制御する。
アームホルダ水平回転ボタン215がクリック又は押されたとき、その操作量に応じた角度だけアームホルダ52がアームホルダ回動機構512により回転軸Z3回りに順方向に水平回転するように制御部33は駆動部31を制御する。アームホルダ水平回転ボタン216がクリック又は押されたとき、その操作量に応じた角度だけアームホルダ52がアームホルダ回動機構512により回転軸Z3回りに逆方向に水平回転するように制御部33は駆動部31を制御する。
C形アームスライド回転ボタン217がクリック又は押されたとき、その操作量に応じた角度だけC形アーム51がアームホルダ52に沿ってC形アームスライド機構511により回転軸Z4回りに順方向にスライド回転するように制御部33は駆動部31を制御する。C形アームスライド回転ボタン218がクリック又は押されたとき、その操作量に応じた角度だけC形アーム51がアームホルダ52に沿ってC形アームスライド機構511により回転軸Z4回りに逆方向にスライド回転するように制御部33は駆動部31を制御する。
X線管/検出器軸回転ボタン219がクリック又は押されたとき、その操作量に応じた角度だけX線絞り装置が検出器2とともに軸回転機構515−1,515−2により回転軸Z5(撮影軸SA)回りに同期して順方向に軸回転するように制御部33は駆動部31を制御する。X線管/検出器軸回転ボタン220がクリック又は押されたとき、その操作量に応じた角度だけX線絞り装置が検出器2とともに軸回転機構515−1,515−2により回転軸Z5(撮影軸SA)回りに同期して逆方向に軸回転するように制御部33は駆動部31を制御する。
天板昇降ボタン225がクリック又は押されたとき、その操作量に応じた距離だけ天板17が上下方向移動機構172により鉛直軸に沿って上方向に上昇するように制御部33は駆動部32を制御する。天板昇降ボタン226がクリック又は押されたとき、その操作量に応じた距離だけ天板17が上下方向移動機構172により鉛直軸に沿って下降するように制御部33は駆動部32を制御する。天板ブレーキボタン227がクリック又は押されたとき、ブレーキが解除され、天板17が長手方向(Y方向)あるいは横手方向(X方向)に移動可能な状態となる。天板移動後もう一度天板ブレーキボタン227がクリック又は押されたときはブレーキがかかる。
SID変更ボタン233がクリック又は押されたとき、その操作量に応じた距離だけX線管1とX線検出器2とを撮影軸SAに沿って同期してアイソセンタISから離反させてSID(X線管検出器間距離)を拡大するために制御部33はSID変更機構516を制御する。SID変更ボタン234がクリック又は押されたとき、その操作量に応じた距離だけX線管1とX線検出器2とを撮影軸SAに沿って同期してアイソセンタISに接近させてSID(X線管検出器間距離)を短縮するために制御部33はSID変更機構516を制御する。
左右直線移動ボタン221がクリック又は押されたとき、その操作量に応じた距離だけ撮影軸SAが、図7(a)に示すその初期位置を通り且つ基準線BLに直交する直線WLとの交差を維持しながら左側に移動するように、制御部33は駆動部314,313を制御して、X線管1とX線検出器2をCアーム51とともに直線WLと略平行に直線的に移動する(図7(b)参照)。撮影軸SAを直線的に移動するために、制御部33は、床旋回アーム54のZ1回りの回転と、スタンド53のZ2回りの回転とを制御する。実際的な制御としては、撮影軸SAが直線WL上に位置するための床旋回アーム54の回転角とスタンド53の回転角との関係が予め決定されており、その関係に従って制御部33は床旋回アーム54の回転とスタンド53の回転とを個々に制御する。もちろん、撮影軸SAが直線WL上に位置するように、制御部33は、床旋回アーム54の回転に対してスタンド53の回転を連動させても良い。また、撮影軸SAが直線WL上に位置するように、制御部33は、スタンド53の回転に対して床旋回アーム54の回転を連動させても良い。床旋回アーム54とスタンド53とは典型的には同時に回転するが、床旋回アーム54の回転とスタンド53の回転とが交互に行われても良い。
さらに、床旋回アーム54のZ1回りの回転と、スタンド53のZ2回りの回転とに伴う画像の向きの回転を防止して、画像の正立を維持するために、制御部33は、床旋回アーム54のZ1回りの回転とスタンド53のZ2回りの回転に対して、軸回転機構515−1,515−2によるX線絞り装置及びX線検出器の回転軸Z5(撮影軸SA)回りの回転を連動させる。なお、X線絞り装置によるX線束が円形の場合、X線絞り装置の回転は不要で、X線検出器の回転だけを床旋回アーム54及びスタンド53の回転に対して連動させればよい。
同様に、左右直線移動ボタン222がクリック又は押されたとき、その操作量に応じた距離だけ撮影軸SAが直線WLとの交差を維持しながら右側に移動するように、制御部33は駆動部314,313を制御して、X線管1とX線検出器2をCアーム51とともに直線WLと略平行に直線的に移動する。撮影軸SAを直線的に移動するために、制御部33は、床旋回アーム54のZ1回りの回転と、スタンド53のZ2回りの回転とを制御する。実際的な制御としては、撮影軸SAが直線WL上に位置するための床旋回アーム54の回転角とスタンド53の回転角との関係が予め決定されており、その関係に従って制御部33は床旋回アーム54の回転とスタンド53の回転とを個々に制御する。もちろん、撮影軸SAが直線WL上に位置するように、制御部33は、床旋回アーム54の回転に対してスタンド53の回転を連動させても良い。また、撮影軸SAが直線WL上に位置するように、制御部33は、スタンド53の回転に対して床旋回アーム54の回転を連動させても良い。床旋回アーム54とスタンド53とは典型的には同時に回転するが、床旋回アーム54の回転とスタンド53の回転とが交互に行われても良い。
さらに、床旋回アーム54のZ1回りの回転と、スタンド53のZ2回りの回転とに伴う画像の向きの回転を防止して、画像の向きを固定するために、制御部33は、床旋回アーム54のZ1回りの回転とスタンド53のZ2回りの回転に対して、軸回転機構515−1,515−2によるX線絞り装置及びX線検出器の回転軸Z5(撮影軸SA)回りの回転を連動させる。
このようにアーム54の床回転とスタンド53の回転を連動させることにより、床固定式の保持装置でも患者横手方向のワイドなカバレッジを提供することができる。特徴ある配置状態としては、患者上腕ポジションがある。この配置までの一連のシーケンスとしては、マニュアル/オートポジショニング操作により、患者頭入れポジションにアーム51をセットし、左右の任意の位置まで移動する。具体的なシーケンスでは、アーム54の床回転で患者頭入れにアーム51をセットし、アーム54の床回転とスタンド53の回転が連動動作をし患者右あるいは左方向に移動する。この配置で可能なアーム51の動きとしては、ボタン221、222のワンアクションにて、アーム54の床回転とスタンド53の回転が連動して動き、患者左右方向に直線状に動作する。X線検出器2とX線絞り装置は常時画像が正立するように制御され、ユーザが手動で設定する必要が無い。必要に応じて、手動で任意の回転角に設定することも可能である。配置後、検査/手術中に装置側からできる特徴的動作としては、左右のストロークが増えることにより、最近症例が増えている、上腕からのアプローチに対応できる。X線絞り装置やX線検出器2の任意回転により、腕が斜めになっている際の不要被曝を防止できる。
頭尾直線移動ボタン223がクリック又は押されたとき、その操作量に応じた距離だけ撮影軸SAが、基準線BLとの交差を維持しながら頭部側に移動するように、制御部33は駆動部314,313を制御して、X線管1とX線検出器2をCアーム51とともに基準線BLと略平行に直線的に移動する(図7(c)参照)。
撮影軸SAを直線的に移動するために、制御部33は、床旋回アーム54のZ1回りの回転と、スタンド53のZ2回りの回転とを制御する。実際的な制御としては、撮影軸SAが基準線BL上に位置するための床旋回アーム54の回転角とスタンド53の回転角との関係が予め決定されており、その関係に従って制御部33は床旋回アーム54の回転とスタンド53の回転とを個々に制御する。もちろん、撮影軸SAが基準線BL上に位置するように、制御部33は、床旋回アーム54の回転に対してスタンド53の回転を連動させても良い。また、撮影軸SAが基準線BL上に位置するように、制御部33は、スタンド53の回転に対して床旋回アーム54の回転を連動させても良い。床旋回アーム54とスタンド53とは典型的には同時に回転するが、床旋回アーム54の回転とスタンド53の回転とが交互に行われても良い。なお、頭尾直線移動は、床旋回アーム54は被検体の左右いずれの側においても実現できる。床旋回アーム54を被検体の左右いずれの側に配置するかは操作者の指示により決定される。
さらに、床旋回アーム54のZ1回りの回転と、スタンド53のZ2回りの回転とに伴う画像の向きの回転を防止して、画像の向きを固定するために、制御部33は、駆動部315−1,315−2を制御して、床旋回アーム54のZ1回りの回転とスタンド53のZ2回りの回転に対して、軸回転機構515−1,515−2によるX線絞り装置及びX線検出器の回転軸Z5(撮影軸SA)回りの回転を連動させる。
頭尾直線移動ボタン224がクリック又は押されたとき、その操作量に応じた距離だけ撮影軸SAが、基準線BLとの交差を維持しながら足側に移動するように、制御部33は駆動部314,313を制御して、X線管1とX線検出器2をCアーム51とともに基準線BLと略平行に直線的に移動する。撮影軸SAを直線的に移動するために、制御部33は、床旋回アーム54のZ1回りの回転と、スタンド53のZ2回りの回転とを制御する。実際的な制御としては、撮影軸SAが基準線BL上に位置するための床旋回アーム54の回転角とスタンド53の回転角との関係が予め決定されており、その関係に従って制御部33は床旋回アーム54の回転とスタンド53の回転とを個々に制御する。もちろん、撮影軸SAが基準線BL上に位置するように、制御部33は、床旋回アーム54の回転に対してスタンド53の回転を連動させても良い。また、撮影軸SAが基準線BL上に位置するように、制御部33は、スタンド53の回転に対して床旋回アーム54の回転を連動させても良い。床旋回アーム54とスタンド53とは典型的には同時に回転するが、床旋回アーム54の回転とスタンド53の回転とが交互に行われても良い。
さらに、床旋回アーム54のZ1回りの回転と、スタンド53のZ2回りの回転とに伴う画像の向きの回転を防止して、画像の向きを固定するために、制御部33は、駆動部315−1,315−2を制御して、床旋回アーム54のZ1回りの回転とスタンド53のZ2回りの回転に対して、軸回転機構515−1,515−2によるX線絞り装置及びX線検出器の回転軸Z5(撮影軸SA)回りの回転を連動させる。
このように、床回転アーム54の回転とスタンド53の回転を連動させることにより、床固定式の保持装置でも患者長手方向のワイドなカバレッジを提供することができる。特徴ある配置状態として、例えば患者下肢ポジションがある。この配置までの一連のシーケンスとしては、マニュアル/オートポジショニング操作により、患者下肢ポジションにアーム51をセットする。アーム54の床回転で患者左側あるいは右側にアーム54をセットし、床回転アーム54の回転とスタンド53の回転とを連動動作し、X線管1及びX線検出器2を足側に移動する。この配置で可能なアーム51の動きとしては、ボタン223、224を押すワンアクションにて、床回転アーム54の回転とスタンド53の回転が連動して動き、X線管1及びX線検出器2が患者長手方向に直線的に移動する。これにより全身の検査や手術が可能となる。この配置においても、臨床角制御により、患者基準のRAO/LAO,CRA/CAUのアーム動作がワンアクションで可能となる。X線検出器2とX線絞り装置は常時画像が正立するように制御され、ユーザが手動で設定する必要が無い。配置後、検査や手術中に装置側からできる特徴的動作としては、寝台を動かさず、アーム動作のみによる長手方向のスキャン撮影、下肢DSA(ディジタル・サブトラクション・アンギオグラフィ)撮影がある。また、アーム51を極力患者の足側に退避させ、患者周辺をクリアにすることにより、X線を必要としない外科的手技との共存が可能となる。外科手術を手技中に切り替える状況が発生する、小児症例に対応することができる。
右頭部アプローチポジションボタン229がクリック又は一押されたとき、図5(a)、図5(b)に示すように、被検体150に右頭部から術者がアプローチするためのワークスペースを拡大するのに好適な事前設定された姿勢(ポジション)にC形アーム保持装置5が設置されるように、制御部33は駆動部313、314を制御する。具体的には、スタンド53が基準位置まで回転することにより、C形アーム51が床旋回アーム54の上に重なり、つまり第1回転軸Z1と第2回転軸Z2とを結ぶ第1姿勢線PL1に対して、第2回転軸Z2と第5回転軸Z5(撮影軸SA)とを結ぶ第2姿勢線PL2が一致する。それにより床旋回アーム54の第1回転軸Z1に対してX線絞り及び検出器2の第5回転軸Z5(撮影軸SA)が略一致する。さらに、第1、第2姿勢線PL1,PL2が基準線BLに対してプラス側に略45度で傾斜する。そのようなプリセットされた姿勢になるように、制御部33は駆動部314を制御して、第2回転軸Z2まわりのスタンド53の位置がゼロ度の状態で第1回転軸Z1まわりの床旋回アーム54の回転を制御する。このような姿勢により被検体150の右頭部に術者がアプローチするための十分広いワークスペースが確保される。またその姿勢が右頭部アプローチポジションボタン229の操作により自動設定されるので、当該姿勢に迅速に移行することができる。必要に応じてボタン211、212によるマニュアル操作により傾斜角度は微調整される。なお、制御部33は、X線検出部2(FPD)やX線絞り装置の回転に応じて画像の向きを補正するように制御する。また、プリセット角度は、設定により適宜変更可能である。
左頭部アプローチポジションボタン230がクリック又は一押されたとき、図5(a)、図5(c)に示すように、被検体150に左頭部から術者がアプローチするためのワークスペースを拡大するのに好適な事前設定された姿勢(ポジション)にC形アーム保持装置5が設置されるように、制御部33は駆動部313、314を制御する。具体的には、右頭部アプローチポジションと同様に、C形アーム51が床旋回アーム54の上に重なる。さらに、第1、第2姿勢線PL1,PL2が基準線BLに対してマイナス側に略45度で傾斜する。そのようなプリセットされた姿勢になるように、制御部33は駆動部314を制御して、第2回転軸Z2まわりのスタンド53の位置がゼロ度の状態で第1回転軸Z1まわりの床旋回アーム54の回転を制御する。このような姿勢により被検体150の左頭部に術者がアプローチするための十分広いワークスペースが確保される。またその姿勢が左頭部アプローチポジションボタン230の操作により自動設定されるので、当該姿勢に迅速に移行することができる。必要に応じてボタン211、212によるマニュアル操作により傾斜角度は微調整される。なお、制御部33は、X線検出部2(FPD)やX線絞り装置の回転に応じて画像の向きを補正するように制御する。また、プリセット角度は、設定により適宜変更可能である。
頭部フリーアプローチポジションボタン231がクリック又は一押されたとき、図6(a)、図6(b)にに示すように、被検体150に頭部全域から術者がアプローチするためのワークスペースを拡大するのに好適な事前設定された姿勢(ポジション)にC形アーム保持装置5が設置されるように、制御部33は駆動部313、314を制御する。この頭部全域にワークスペースが確保される姿勢は、典型的には、水平両端にX線発生部105とX線検出器103を搭載した天井吊り型のΩ形アーム101と併用してバイプレーン撮影をする際に効果的である。
具体的には、右頭部アプローチポジションと同様に、C形アーム51が床旋回アーム51の上に重なる。さらに、第1、第2姿勢線PL1,PL2が基準線BLに対してプラス又はマイナス側に略135度で傾斜する。そのようなプリセットされた姿勢になるように、制御部33は駆動部314を制御して、第2回転軸Z2まわりのスタンド53の位置がゼロ度の状態で第1回転軸Z1まわりの床旋回アーム54の回転を制御する。このような姿勢により被検体150の頭部全域に術者がアプローチするための十分広いワークスペースが確保される。またその姿勢が頭部フリーアプローチポジションボタン231の操作により自動設定されるので、当該姿勢に迅速に移行することができる。必要に応じてボタン211、212によるマニュアル操作により傾斜角度は微調整される。なお、制御部33は、X線検出部2(FPD)やX線絞り装置の回転に応じて画像の向きを補正するように制御する。また、プリセット角度は、設定により適宜変更可能である。
このようにバイプレーン時にΩアーム101と寝台天板17の間にCアーム51を床回転させることにより頭側が完全にクリアになる。特徴ある配置状態としては、バイプレーン完全頭側フリーポジションであり、この配置までの一連のシーケンスでは、Ωアーム101を退避ポジションへ移動し、Cアーム51を床回転させ、患者左側約110°以上の位置に移動する。そして、Ωアーム101を退避ポジションからバイプレーンセットポジションへ移動する。操作者が患者左側に位置するときは、Cアーム51を患者右側対称の位置に移動させる。この配置で可能なアーム51の動きとしては、この配置においても、臨床角制御により、患者基準のRAO/LAO,CRA/CAUのアーム動作がワンアクションで可能である。Cアーム51とΩアーム101を同期させるシンクロ操作が可能である。X線検出器2とX線絞り装置は常時画像が正立するように制御され、ユーザが手動で設定する必要が無い。配置後、検査や手術中に装置側からできる特徴的動作としては、頭側完全にフリーになるので、全身麻酔装置の設置や左右頚動脈のアプローチに有利である。病院スタッフの患者アプローチが容易となる。この配置でも、通常のバイプレーンセット状態と同じ操作性、角度付けを提供できる。脳の症例において、外科手技の切り替えを天板17の長手移動のみで対応できる。
斜入撮影ポジションボタン232がクリック又は一押されたとき、図8に示すように、被検体150を頭部から撮影領域に挿入するのに好適な斜入撮影(被検体150を正面と側面との間の斜め方向から撮影する)の姿勢(ポジション)にC形アーム保持装置5が設置されるように、制御部33は駆動部31を制御する。具体的には、第1回転軸Z1と第2回転軸Z2とを結ぶ第1姿勢線PL1に対して、第2回転軸Z2と第5回転軸Z5(撮影軸SA)とを結ぶ第2姿勢線PL2が一致して、C形アーム51が床旋回アーム51の上に重なる。そしてC形アーム51が軸Z4と軸Z3回りにそれぞれ所定角度ずつ回転して、撮影軸SAが基準線BLに対して斜め方向から交差する。さらに、X線絞り装置及びX線検出器2が所定角度だけ軸回転Z5され、それにより画像の適正な向きが確保される。斜入撮影時にも、十分広いワークスペースを確保し、且つ頭部入れの可能な姿勢を設定することができる。またその姿勢がポジションボタン232の操作により自動設定されるので、当該姿勢に迅速に移行することができる。必要に応じてボタン211〜218によるマニュアル操作により傾斜角度は微調整される。なお、各ボタン229、230、231、232については、専用のスイッチを設けなくても、例えばテンキーによりある番号に内容を記憶させて再現するようにしても良い。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…X線発生部、2…X線検出部、3…移動機構駆動部、5…Cアーム保持装置、9…操作部、10…システム制御部、311…Cアームスライド機構駆動部、312…アームホルダ回転機構駆動部、313…スタンド回転機構駆動部、314…床旋回アーム回転機構駆動部、315…軸回転機構駆動部、316…SID変更機構駆動部、32…天板機構駆動部、33…移動機構駆動制御部、51…Cアーム、52…アームホルダ、53…スタンド、54…床旋回アーム、150…被検体、171…天板長手方向移動機構、172…天板上下方向移動機構、511…Cアームスライド機構、512…アームホルダ回動機構、513…スタンド回動機構、514…床旋回アーム回動機構。