JP4575128B2 - 熱可塑性合成樹脂フィルム - Google Patents
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(A)熱可塑性合成樹脂と、
(B)本質的にSiO2単位からなる親水性シリカ微粒子の表面にR1 3SiO1/2単位(式中、R1は同一または異なり、置換または非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基を表す)を導入する工程を含む疎水化処理によって得られる、1次粒子の平均粒径が0.01〜20μmの球状疎水性シリカ微粒子と
を含有してなる組成物をフィルム状に成形することによって得られる熱可塑性合成樹脂フィルム、
を提供する。
樹脂(A)である熱可塑性合成樹脂は、従来公知のものを用いることができる。その具体例としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、これらを構成する単量体の共重合体等のポリオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、これらを構成する単量体との共重合体等のポリエステル樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12等のナイロン、これらを構成する単量体との共重合体等のポリアミド樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステルおよびナイロンからなる群から選ばれる少なくとも一種が好ましい。
本発明で用いられる球状疎水性シリカ微粒子は、本質的にSiO2単位からなる親水性シリカ微粒子の表面にR1 3SiO1/2単位(式中、Rlは同一または異なり、置換または非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基を表す)を導入する工程を含む疎水化処理によって得られる、1次粒子の平均粒径が0.01〜20μmの球状疎水性シリカ微粒子である。なお、ここで、親水性シリカ微粒子が「本質的にSiO2単位からなる」とは、該シリカ微粒子の90質量%以上、好ましくは99質量%以上がSiO2単位からなることを意味する。
まず、一般式(I):
Si(OR2)4 (I)
(式中、R2は同一または異なり、炭素原子数1〜6の1価炭化水素基を表す)
で表される4官能性シラン化合物および/またはその部分加水分解縮合生成物を、親水性有機溶媒と、水と、塩基性化合物との混合溶液中で、加水分解、縮合することによって、親水性シリカ微粒子分散液が得られる。前記4官能性シラン化合物およびその部分加水分解縮合生成物は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
R3OH (II)
(式中、R3は炭素原子数1〜6の1価炭化水素基を表す)
で表されるアルコールが挙げられる。
球状疎水性シリカ微粒子の製造は、本質的にSiO2単位からなる親水性シリカ微粒子の表面にR1 3SiO1/2単位を導入する工程を含む疎水化処理によって球状疎水性シリカ微粒子を得る工程である。ここでは、前記方法により調製された親水性シリカ微粒子を用いた方法を一例として説明するが、別の親水性シリカ微粒子を用いる場合には、まず、前述のアルコール混合溶媒等の親水性有機溶媒/水の混合溶媒分散液とするか、親水性シリカ微粒子有機溶媒分散液とした後に、以下の工程を行うことが好ましい。
R1 3SiNHSiR1 3 (III)
(式中、R1は上記と同じである)
で表されるシラザン化合物、もしくは一般式(IV):
R1 3SiX (IV)
(式中、R1は上記と同じであり、XはOH基または加水分解性基を表す)
で表されるシラン化合物、またはこれらの混合物を添加し、シリカ微粒子表面に存在するシラノール基をトリアルキルシリル化して高度に疎水化する工程によって、球状疎水性シリカ微粒子が得られる。これらのシラザン化合物、シラン化合物は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
本発明の別の実施形態では、親水性シリカ微粒子の表面にR1 3SiO1/2単位を導入する前に、該表面にR4SiO3/2単位(式中、R4は置換または非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基を表す)を導入して表面処理シリカ微粒子を得た後、該表面処理シリカ微粒子の表面にR1 3SiO1/2単位を導入することによって、球状疎水性シリカ微粒子を得ることもできる。ここでは、前記方法により調製された親水性シリカ微粒子を用いた方法を一例として説明するが、別の親水性シリカ微粒子を用いる場合には、まず、前述のアルコール混合溶媒等の親水性有機溶媒/水の混合溶媒分散液とするか、親水性シリカ微粒子水性分散液とした後に、以下の工程を行うことが好ましい。
R4Si(OR5)3 (V)
(式中、R4は置換または非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基を表し、R5は同一または異なり、炭素原子数1〜6の1価炭化水素基を表す)
で表される3官能性シラン化合物もしくはその部分加水分解縮合生成物、またはこれらの混合物を添加し、親水性シリカ微粒子の表面を処理することにより、表面処理シリカ微粒子が得られる。ここで用いる親水性シリカ微粒子分散液は、アルコール混合溶媒等の親水性有機溶媒/水の混合溶媒分散液であっても、水性分散液であってもよい。水性分散液である場合には、前記親水性シリカ微粒子混合溶媒分散液の分散媒を水に変換することによって、親水性シリカ微粒子水性分散液を調製することができる。具体的には、例えば、前記混合溶媒分散液に水を添加し親水性有機溶媒を留去する操作(必要に応じてこの操作を繰り返す)により行うことができる。このときに添加される水の量は、使用した親水性有機溶媒および生成したアルコールの量の合計に対して、質量基準で、好ましくは0.5〜2倍量、より好ましくは0.7〜1.2倍量、特に好ましくはほぼ1倍量である。この3官能性シラン化合物、その部分加水分解縮合生成物は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
本発明における球状疎水性シリカ微粒子の配合量は、特に限定されないが、(A)熱可塑性合成樹脂100質量部に対して、通常、0.01〜5質量部であり、好ましくは0.05〜3質量部であり、より好ましくは0.1〜2質量部である。かかる範囲を満たすと、熱可塑性合成樹脂フィルムの耐ブロッキング性および透明性がより優れたものとなる。
本発明の熱可塑性合成樹脂フィルムに用いられる組成物には、上記(A)熱可塑性合成樹脂と(B)球状疎水性シリカ微粒子のほかに、必要に応じて、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤、加工助剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤等を、本発明の作用効果を損なわない範囲で配合することができる。
本発明の熱可塑性合成樹脂フィルムを作製する際に、熱可塑性合成樹脂に球状疎水性シリカ微粒子を配合する方法は、公知の方法に従えばよく、ヘンシェルミキサー、V型ブレンダー、リボンブレンダー、らいかい機、二軸混練り押出機等の混合機を用いて各成分を所定量ずつ均一に混合すればよい。また、球状疎水性シリカ微粒子を熱可塑性合成樹脂の原料であるモノマーまたはその中間体に配合してもよい。上記混合により、該フィルムの原料となる組成物(混合状態)が得られる。この組成物を、Tダイ法、サーキュラーダイ法、二軸延伸法等の公知の成形法により、成形した状態での厚さが前述のとおりとなるようにフィルム状に成形することにより、本発明の熱可塑性合成樹脂フィルムを得ることができる。
攪拌機と、滴下ロートと、温度計とを備えた3リットルのガラス製反応器に、メタノール623.7gと、水38.9gと、28質量%アンモニア水52.3gとを添加して混合した。この混合溶液を20℃で攪拌しながら、テトラメトキシシラン1163.7g(7.65モル)と、5.48質量%アンモニア水418.1gとを同時に添加開始し、テトラメトキシシランは6時間、アンモニア水は5時間かけて滴下した。テトラメトキシシラン滴下完了後も0.5時間攪拌を続けて加水分解および縮合反応を行い、親水性シリカ微粒子分散液(懸濁液)を得た。この分散液に、室温で、ヘキサメチルジシラザン184.7g(1.14モル)を添加した後、60℃に加熱し、3時間反応させて、親水性シリカ微粒子の表面をトリメチルシリル化した。次いで、溶媒を減圧下で留去することにより、1次粒子の平均粒径が0.3μmの球状疎水性シリカ微粒子1を540g得た。
攪拌機と、滴下ロートと、温度計とを備えた3リットルのガラス製反応器に、メタノール623.7gと、水20.0gと、28質量%アンモニア水71.2gとを添加して混合した。この混合溶液を20℃で攪拌しながら、テトラメトキシシラン1163.7g(7.65モル)と、7.46質量%アンモニア水418.1gとを同時に添加開始し、テトラメトキシシランは6時間、アンモニア水は5時間かけて滴下した。テトラメトキシシラン滴下完了後も0.5時間攪拌を続けて加水分解および縮合反応を行い、親水性シリカ微粒子分散液(懸濁液)を得た。この分散液に、室温で、ヘキサメチルジシラザン184.7g(1.14モル)を添加した後、60℃に加熱し、3時間反応させて、親水性シリカ微粒子の表面をトリメチルシリル化した。次いで、溶媒を減圧下で留去することにより、1次粒子の平均粒径が0.54μmの球状疎水性シリカ微粒子2を545g得た。
攪拌機と、滴下ロートと、温度計とを備えた3リットルのガラス製反応器に、エタノール623.7gと、水41.4gと、28質量%アンモニア水49.8gとを添加して混合した。この混合溶液を35℃で攪拌しながら、テトラエトキシシラン1591.2g(7.65モル)と、5.22質量%アンモニア水418.1gとを同時に添加開始し、テトラエトキシシランは6時間、アンモニア水は5時間かけて滴下した。テトラエトキシシラン滴下完了後も0.5時間攪拌を続けて加水分解および縮合反応を行い、親水性シリカ微粒子分散液(懸濁液)を得た。この分散液に、室温で、ヘキサメチルジシラザン184.7g(1.14モル)を添加した後、60℃に加熱し、3時間反応させて、親水性シリカ微粒子の表面をトリメチルシリル化した。次いで、溶媒を減圧下で留去することにより、1次粒子の平均粒径が1.18μmの球状疎水性シリカ微粒子3を549g得た。
攪拌機と、滴下ロートと、温度計とを備えた3リットルのガラス製反応器に、メタノール623.7gと、水38.9gと、28質量%アンモニア水52.3gとを添加して混合した。この混合溶液を20℃で攪拌しながら、テトラメトキシシラン1163.7g(7.65モル)と、5.48質量%アンモニア水418.1gとを同時に添加開始し、テトラメトキシシランは6時間、アンモニア水は5時間かけて滴下した。テトラメトキシシラン滴下完了後も0.5時間攪拌を続けて加水分解および縮合反応を行い、親水性シリカ微粒子分散液(懸濁液)を得た。次いで、ガラス製反応器にエステルアダプターと冷却管とを取り付け、60〜70℃に加熱してメタノール1,132gを留去した時点で、水1,200gを添加し、さらに70〜90℃に加熱してメタノール273gを留去することにより、親水性シリカ微粒子水性分散液(水性懸濁液)を得た。この分散液に、室温で、メチルトリメトキシシラン11.6g(テトラメトキシシラン1モル当たり0.01モルとなる量)を0.5時間かけて滴下し、滴下完了後も12時間攪拌して、親水性シリカ微粒子の表面を処理することにより、表面処理シリカ微粒子分散液を得た。この分散液に、メチルイソブチルケトン1,440gを添加した後、80〜110℃に加熱し、メタノール水1,163gを7時間かけて留去した。得られたケトンを分散媒とする分散液に、室温で、ヘキサメチルジシラザン150g(0.93モル)を添加し、120℃に加熱し、3時間反応させて、表面処理シリカ微粒子の表面をトリメチルシリル化した。次いで、溶媒を減圧下で留去することにより、1次粒子の平均粒径が0.30μmの球状疎水性シリカ微粒子4を529g得た。
合成例3と同じにして親水性シリカ微粒子分散液(懸濁液)を調製した。その後、ヘキサメチルジシラザンによるトリメチルシリル化処理を行わずに、この分散液から溶媒を減圧下で留去することにより、1次粒子の平均粒径が1.10μmの球状親水性シリカ微粒子を450g得た。
攪拌機と、滴下ロートと、温度計とを備えた1リットルのガラス製反応器に、1質量%アンモニア水750gを添加した。この溶液を攪拌しながら、メチルトリメトキシシラン200g(1.47モル)を40分かけて滴下した。反応温度は、滴下開始時には10℃であり、滴下終了時には30℃となるように制御した。次いで、加熱して84℃で還流させ、この温度を保持しながら、1時間攪拌を続けた。その後、冷却することにより、フラスコ内に析出した生成物を捕集し、この生成物を水洗した後に乾燥することにより、1次粒子の平均粒径が1.0μmの球状ポリメチルシルセスキオキサン微粒子を91g得た。
表1に示す配合量で、ポリプロピレン(商品名:F-226D、株式会社グランドポリマー製)および球状疎水性シリカ微粒子1〜4を、二軸混練り押出機(商品名:ラボプラストミル、株式会社東洋精機製作所製)に仕込み、180℃、30rpmの条件で10分間混合することにより混合物を得、その混合物をフィルム状に成形することにより、厚さ50μmのフィルムを作製した。
実施例1において、球状疎水性シリカ微粒子1の代わりに、球状親水性シリカ微粒子を表1に示す配合量で配合した以外は、実施例1と同様にして、フィルムを作製し、該フィルムについて、静摩擦係数および曇り度を測定した。得られた測定結果を表1に示す。
実施例1において、球状疎水性シリカ微粒子1の代わりに、球状ポリメチルシルセスキオキサン微粒子を表1に示す配合量で配合した以外は、実施例1と同様にして、フィルムを作製し、該フィルムについて、静摩擦係数および曇り度を測定した。得られた測定結果を表1に示す。
実施例1において、球状疎水性シリカ微粒子1を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、フィルムを作製し、該フィルムについて、静摩擦係数および曇り度を測定した。得られた測定結果を表1に示す。
表2に示す配合量で、ポリエチレン(商品名:ウルトラゼックス3021F、三井化学株式会社製)および球状疎水性シリカ微粒子1〜3を、二軸混練り押出機(商品名:ラボプラストミル、株式会社東洋精機製作所製)に仕込み、150℃、30rpmの条件で10分間混合することにより混合物を得、その混合物をフィルム状に成形することにより、厚さ50μmのフィルムを作製した。
実施例5において、球状疎水性シリカ微粒子1の代わりに、球状親水性シリカ微粒子を表2に示す配合量で配合した以外は、実施例5と同様にして、フィルムを作製し、該フィルムについて、静摩擦係数および曇り度を測定した。得られた測定結果を表2に示す。
実施例5において、球状疎水性シリカ微粒子1の代わりに、球状ポリメチルシルセスキオキサン微粒子を表2に示す配合量で配合した以外は、実施例5と同様にして、フィルムを作製し、該フィルムについて、静摩擦係数および曇り度を測定した。得られた測定結果を表2に示す。
実施例5において、球状疎水性シリカ微粒子1を配合しなかった以外は、実施例5と同様にして、フィルムを作製し、該フィルムについて、静摩擦係数および曇り度を測定した。得られた測定結果を表2に示す。
表3に示す配合量で、ナイロン6(商品名:アミランCM1021XF、東レ株式会社製)および球状疎水性シリカ微粒子1〜3を、二軸混練り押出機(商品名:ラボプラストミル、株式会社東洋精機製作所製)に仕込み、240℃、30rpmの条件で10分間混合することにより混合物を得、その混合物をフィルム状に成形することにより、厚さ50μmのフィルムを作製した。
実施例8において、球状疎水性シリカ微粒子1の代わりに、球状親水性シリカ微粒子を表3に示す配合量で配合した以外は、実施例8と同様にして、フィルムを作製し、該フィルムについて、静摩擦係数および曇り度を測定した。得られた測定結果を表3に示す。
実施例8において、球状疎水性シリカ微粒子1の代わりに、球状ポリメチルシルセスキオキサン微粒子を表3に示す配合量で配合した以外は、実施例8と同様にして、フィルムを作製し、該フィルムについて、静摩擦係数および曇り度を測定した。得られた測定結果を表3に示す。
実施例8において、球状疎水性シリカ微粒子1を配合しなかった以外は、実施例8と同様にして、フィルムを作製し、該フィルムについて、静摩擦係数および曇り度を測定した。得られた測定結果を表3に示す。
表4に示す配合量で、ポリカーボネート(商品名:パンライトL-1250、帝人化成株式会社製)および球状疎水性シリカ微粒子1〜3を、二軸混練り押出機(商品名:ラボプラストミル、株式会社東洋精機製作所製)に仕込み、230℃、30rpmの条件で10分間混合することにより混合物を得、その混合物をフィルム状に成形することにより、厚さ50μmのフィルムを作製した。
実施例11において、球状疎水性シリカ微粒子1の代わりに、球状親水性シリカ微粒子を表4に示す配合量で配合した以外は、実施例11と同様にして、フィルムを作製し、該フィルムについて、静摩擦係数および曇り度を測定した。得られた測定結果を表4に示す。
実施例11において、球状疎水性シリカ微粒子1の代わりに、球状ポリメチルシルセスキオキサン微粒子を表4に示す配合量で配合した以外は、実施例11と同様にして、フィルムを作製し、該フィルムについて、静摩擦係数および曇り度を測定した。得られた測定結果を表4に示す。
実施例11において、球状疎水性シリカ微粒子1を配合しなかった以外は、実施例11と同様にして、フィルムを作製し、該フィルムについて、静摩擦係数および曇り度を測定した。得られた測定結果を表4に示す。
表1〜4から明らかなように、実施例は、請求項1に記載された要件を満たす(B)球状疎水性シリカ微粒子を用いて熱可塑性合成樹脂フィルムを作製したものであり、静摩擦係数(耐ブロッキング性)および曇り度(透明性)が両方とも優れていた。
一方、比較例は、(B)球状疎水性シリカ微粒子の代わりに、シリカ微粒子の表面を疎水化処理していない球状親水性シリカ微粒子や球状ポリメチルシルセスキオキサン微粒子を用いるか、あるいはシリカ微粒子を全く用いずに、熱可塑性合成樹脂フィルムを作製したものであり、得られたフィルムの静摩擦係数および曇り度の少なくとも一方が劣り、これらの特性が両方とも優れることはなかった。
Claims (3)
- (A)熱可塑性合成樹脂と、
(B)本質的にSiO2単位からなる親水性シリカ微粒子の表面にR 4 SiO 3/2 単位(式中、R 4 は置換または非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基を表す)を導入する工程と、該工程を経た前記表面にR1 3SiO1/2単位(式中、R1は同一または異なり、置換または非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基を表す)を導入する工程とを含む疎水化処理によって得られる、1次粒子の平均粒径が0.01〜20μmの球状疎水性シリカ微粒子と
を含有してなる組成物をフィルム状に成形することによって得られる熱可塑性合成樹脂フィルム。 - 前記(A)熱可塑性合成樹脂が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステルおよびナイロンからなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項1に係るフィルム。
- 前記(B)球状疎水性シリカ微粒子の配合量が、前記(A)熱可塑性合成樹脂100質量部に対して0.01〜5質量部である請求項1又は2に係るフィルム。
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