JP4575128B2 - 熱可塑性合成樹脂フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、熱可塑性合成樹脂と球状疎水性シリカ微粒子とを含有してなり、特に各種包装材料に有用である、熱可塑性合成樹脂フィルムに関する。
熱可塑性合成樹脂フィルムは、各種包装材料として汎用されている。しかし、熱可塑性合成樹脂フィルムはブロッキングを起こし易く、成形時のフィルム巻取りの際に巻取り速度が低下したり、巻戻しの際に巻戻し速度が低下したりするので、生産速度が落ちる等、作業性を損なうという問題がある。また、熱可塑性合成樹脂フィルムを袋に用いた場合には、袋の開口性が悪い等の使用上の問題がある。
これらの問題を解決するために、熱可塑性合成樹脂に各種ブロッキング防止剤を配合する方法が提案されている。具体的には、例えば、ポリプロピレンに、無水活性珪酸を配合する方法(特許文献1)、カオリナイトを配合する方法(特許文献2)、ゼオライト微粒子を配合する方法(特許文献3)、二酸化珪素と脂肪酸のマグネシウム塩またはアルミニウム塩を併用する方法(特許文献4)、層状構造を有する無機粉体を配合する方法(特許文献5)、および金属粉の粉塵の爆燃により生じた金属酸化物微粒子を配合する方法(特許文献6)が提案されている。また、ポリエステルに、酸化珪素、二酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン等の無機質粒子を配合する方法(特許文献7)、および粒径の異なる不活性無機微粒子を併用する方法(特許文献8)が提案されている。
しかし、上記で提案された方法によって耐ブロッキング性(ブロッキングを防止する性質)はある程度得られるが、十分な耐ブロッキング性を得るために各種ブロッキング防止剤の配合量を増加させると、得られるフィルムの透明性が損なわれたり、フィルム同士の擦れによりフィルム表面に傷が生じたりする問題がある。
これらの問題を解決するために、シリコーン樹脂パウダーを配合する方法が提案されている。具体的には、例えば、ポリプロピレンに、三次元網状構造を有する非溶融型シリコーン樹脂粉末を配合する方法(特許文献9〜11)、およびポリメチルシルセスキオキサン微粒子とヒドロキシ脂肪酸グリセリドを併用する方法(特許文献12)が提案されている。また、ポリエステルにCHSiO3/2単位を含むポリシロキサン化合物の微粉末を配合する方法(特許文献13)、CHSiO3/2単位を含むポリシロキサン化合物の微粉末と不活性微粒子とを併用する方法(特許文献14〜16)、ポリオレフィンにジメチルポリシロキサンを主成分とするシリコーン樹脂粉末とフッ化エチレン系樹脂粉末を併用する方法(特許文献17)、および熱可塑性樹脂組成物にトリアルキルシラン、トリアルキルシラノール、トリアルキルアルコキシシラン、ヘキサアルキルジシラザン等で表面疎水化処理されたポリメチルシルセスキオキサン微粉末を配合する方法(特許文献18)が提案されている。
しかしながら、上記で提案された方法は、いずれも前記問題点をすべて解決するものではなかった。
特公昭39−16908号公報 特公昭43−24523号公報 特開昭49−23245号公報 特開昭58−225142号公報 特開昭57−18747号公報 特開平4−348147号公報 特開昭54−57562号公報 特開昭52−11908号公報 特開昭62−215646号公報 特開昭62−232448号公報 特開昭62−233248号公報 特開平2−41344号公報 特開平3−56538号公報 特開昭63−278939号公報 特開昭63−286438号公報 特開平1−223156号公報 特開平6−69362号公報 特開平2−150438号公報
本発明は、フィルム同士の擦れによる傷が生じにくく、透明性、耐ブロッキング性、成形時の作業性、および袋状成形物に用いた場合の開口性等の実用性が優れた熱可塑性合成樹脂フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、
(A)熱可塑性合成樹脂と、
(B)本質的にSiO単位からなる親水性シリカ微粒子の表面にR SiO1/2単位(式中、Rは同一または異なり、置換または非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基を表す)を導入する工程を含む疎水化処理によって得られる、1次粒子の平均粒径が0.01〜20μmの球状疎水性シリカ微粒子と
を含有してなる組成物をフィルム状に成形することによって得られる熱可塑性合成樹脂フィルム、
を提供する。
本発明の熱可塑性合成樹脂フィルムは、透明性が優れるため本来の外観を損なうことがない上に、フィルム同士の擦れによる傷が生じにくく、優れた耐ブロッキング性および滑り性を有し、成形時の巻き取りおよび巻き戻しの際の作業性にも優れている。さらに、このフィルムを袋状成形物に用いた場合には、その袋状成形物は開口性等の実用性に著しく優れたものとなる。本発明の熱可塑性合成樹脂フィルムは、とりわけ一般包装用の包装材料として有用なので、その分野への応用が特に期待される。
本発明の熱可塑性合成樹脂フィルムは、下記の樹脂(A)と微粒子(B)とを含有してなる組成物をフィルム状に成形することによって得られるものである。このフィルムの厚さは、成形した状態で、通常、1〜500μmであり、好ましくは10〜100μmである。この熱可塑性合成樹脂フィルムは、特に各種包装材料として、食品、電子工業、医薬、化粧品等の分野で好適に用いられる。
以下、前記フィルムの製造に用いられる各成分について詳細に説明する。
<(A)熱可塑性合成樹脂>
樹脂(A)である熱可塑性合成樹脂は、従来公知のものを用いることができる。その具体例としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、これらを構成する単量体の共重合体等のポリオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、これらを構成する単量体との共重合体等のポリエステル樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12等のナイロン、これらを構成する単量体との共重合体等のポリアミド樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステルおよびナイロンからなる群から選ばれる少なくとも一種が好ましい。
熱可塑性合成樹脂は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
<(B)球状疎水性シリカ微粒子>
本発明で用いられる球状疎水性シリカ微粒子は、本質的にSiO単位からなる親水性シリカ微粒子の表面にR SiO1/2単位(式中、Rは同一または異なり、置換または非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基を表す)を導入する工程を含む疎水化処理によって得られる、1次粒子の平均粒径が0.01〜20μmの球状疎水性シリカ微粒子である。なお、ここで、親水性シリカ微粒子が「本質的にSiO単位からなる」とは、該シリカ微粒子の90質量%以上、好ましくは99質量%以上がSiO単位からなることを意味する。
この球状疎水性シリカ微粒子の1次粒子の平均粒径は、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.3〜5μmである。この平均粒径が0.01μmより小さい場合には、滑り性、耐ブロッキング性が低下することがあり、20μmより大きい場合には、滑り性、耐ブロッキング性が低下することがあり、さらにフィルムの透明性、強度を損なう恐れがある。「平均粒径」とは、体積平均粒径である。また、「球状」とは、真球だけでなく、通常、球形度が0.6〜1、好ましくは0.8〜1の範囲にある若干歪んだ球も含む。なお、ここで球形度とは、(実際の粒子と同じ体積を有する球の表面積)/(実際の粒子の表面積)を意味する。
前記式中、Rは、好ましくは炭素原子数1〜4、特に好ましくは1〜2の1価炭化水素基である。Rで表される1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等のアルキル基等が挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、特に好ましくは、メチル基、エチル基である。また、これらの1価炭化水素基の水素原子の一部または全部が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、好ましくは、フッ素原子で置換されていてもよい。
球状疎水性シリカ微粒子の製造は、上述のとおり、親水性シリカ微粒子を出発原料として行われる。この親水性シリカ微粒子の製造方法は、特に限定されないが、例えば、以下の方法が挙げられる。
・親水性シリカ微粒子の調製
まず、一般式(I):
Si(OR) (I)
(式中、Rは同一または異なり、炭素原子数1〜6の1価炭化水素基を表す)
で表される4官能性シラン化合物および/またはその部分加水分解縮合生成物を、親水性有機溶媒と、水と、塩基性化合物との混合溶液中で、加水分解、縮合することによって、親水性シリカ微粒子分散液が得られる。前記4官能性シラン化合物およびその部分加水分解縮合生成物は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
一般式(I)中、Rは、炭素原子数が、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜2の1価炭化水素基である。Rで表される1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;フェニル基等のアリール基等が挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、特に好ましくは、メチル基、エチル基である。
一般式(I)で表される4官能性シラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、テトラフェノキシシラン等が挙げられ、好ましくは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、特に好ましくは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランである。また、その部分加水分解縮合生成物としては、例えば、メチルシリケート、エチルシリケート等が挙げられる。
前記親水性有機溶媒としては、一般式(I)で表される4官能性シラン化合物と、その部分加水分解縮合生成物と、水と、塩基性化合物とを溶解するものであれば特に制限されず、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、酢酸セロソルブ等のセロソルブ類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類等が挙げられ、好ましくはアルコール類、セロソルブ類、特に好ましくはアルコール類である。
前記アルコール類としては、一般式(II):
OH (II)
(式中、Rは炭素原子数1〜6の1価炭化水素基を表す)
で表されるアルコールが挙げられる。
一般式(II)中、Rは、炭素原子数が、好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜2の1価炭化水素基である。Rで表される1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等のアルキル基等が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、より好ましくはメチル基、エチル基である。
一般式(II)で表されるアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等が挙げられ、好ましくは、メタノール、エタノールである。アルコールの炭素原子数が増えると、生成する球状シリカ微粒子の粒子径が大きくなる。従って、目的とする球状シリカ微粒子の粒子径によりアルコールの種類を選択することが望ましい。
前記塩基性化合物としては、例えば、アンモニア;ジメチルアミン、ジエチルアミン等の有機アミン等が挙げられ、好ましくはアンモニア、ジエチルアミン、特に好ましくはアンモニアである。これらの塩基性化合物は、水に所要量を溶解した後、得られた水溶液(塩基性)を前記親水性有機溶媒と混合すればよい。
このとき使用される水の量は、一般式(I)で表される4官能性シラン化合物および/またはその部分加水分解縮合生成物のヒドロカルビルオキシ基の合計1モルに対して0.5〜5モルとなる量であることが好ましく、0.6〜2モルとなる量であることがより好ましく、0.7〜1モルとなる量であることが特に好ましい。水に対する親水性有機溶媒の比率は、質量比で0.5〜10であることが好ましく、1〜5であることがより好ましく、1.5〜2であることが特に好ましい。塩基性化合物の量は、一般式(I)で表される4官能性シラン化合物および/またはその部分加水分解縮合生成物のヒドロカルビルオキシ基の合計1モルに対して0.01〜1モルとなる量であることが好ましく、0.02〜0.6モルとなる量であることがより好ましく、0.04〜0.2モルとなる量であることが特に好ましい。
一般式(I)で表される4官能性シラン化合物等の加水分解および縮合は、周知の方法、即ち、塩基性化合物を含む親水性有機溶媒と水との混合物中に、一般式(I)で表される4官能性シラン化合物等を添加することにより行われる。
前記親水性シリカ微粒子分散液は、アルコール混合溶媒等の親水性有機溶媒/水の混合溶媒分散液として得られる。
・球状疎水性シリカ微粒子の調製
球状疎水性シリカ微粒子の製造は、本質的にSiO単位からなる親水性シリカ微粒子の表面にR SiO1/2単位を導入する工程を含む疎水化処理によって球状疎水性シリカ微粒子を得る工程である。ここでは、前記方法により調製された親水性シリカ微粒子を用いた方法を一例として説明するが、別の親水性シリカ微粒子を用いる場合には、まず、前述のアルコール混合溶媒等の親水性有機溶媒/水の混合溶媒分散液とするか、親水性シリカ微粒子有機溶媒分散液とした後に、以下の工程を行うことが好ましい。
親水性シリカ微粒子分散液(または、後述の表面処理シリカ微粒子)に、一般式(III):
SiNHSiR (III)
(式中、Rは上記と同じである)
で表されるシラザン化合物、もしくは一般式(IV):
SiX (IV)
(式中、Rは上記と同じであり、XはOH基または加水分解性基を表す)
で表されるシラン化合物、またはこれらの混合物を添加し、シリカ微粒子表面に存在するシラノール基をトリアルキルシリル化して高度に疎水化する工程によって、球状疎水性シリカ微粒子が得られる。これらのシラザン化合物、シラン化合物は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
一般式(III)および(IV)中、Rは、好ましくは炭素原子数1〜4、特に好ましくは1〜2の1価炭化水素基である。Rで表される1価炭化水素基としては、先に例示したものと同じものが挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、特に好ましくは、メチル基、エチル基である。また、これらの1価炭化水素基の水素原子の一部または全部が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、好ましくは、フッ素原子で置換されていてもよい。これらのRは、前述のR SiO1/2単位として親水性シリカ微粒子表面に導入される。
一般式(IV)中、Xで表される加水分解性基としては、例えば、塩素原子、アルコキシ基、アミノ基、アシルオキシ基等が挙げられ、好ましくは、アルコキシ基、アミノ基、特に好ましくは、アルコキシ基である。
一般式(III)で表されるシラザン化合物の具体例としては、ヘキサメチルジシラザンが挙げられる。一般式(IV)で表されるシラン化合物の具体例としては、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール等のモノシラノール化合物;トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン等のモノクロロシラン;トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のモノアルコキシシラン;トリメチルシリルジメチルアミン、トリメチルシリルジエチルアミン等のモノアミノシラン;トリメチルアセトキシシラン等のモノアシロキシシランが挙げられる。これらの使用量は、使用した親水性シリカ微粒子が含有するSiO単位1モル当たり0.05〜0.5モル、好ましくは0.1〜0.5モルである。
上記球状疎水性シリカ微粒子は、常法によって粉体として得ることができる。
−別の実施形態−
本発明の別の実施形態では、親水性シリカ微粒子の表面にR SiO1/2単位を導入する前に、該表面にRSiO3/2単位(式中、Rは置換または非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基を表す)を導入して表面処理シリカ微粒子を得た後、該表面処理シリカ微粒子の表面にR SiO1/2単位を導入することによって、球状疎水性シリカ微粒子を得ることもできる。ここでは、前記方法により調製された親水性シリカ微粒子を用いた方法を一例として説明するが、別の親水性シリカ微粒子を用いる場合には、まず、前述のアルコール混合溶媒等の親水性有機溶媒/水の混合溶媒分散液とするか、親水性シリカ微粒子水性分散液とした後に、以下の工程を行うことが好ましい。
親水性シリカ微粒子分散液に、一般式(V):
Si(OR) (V)
(式中、Rは置換または非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基を表し、Rは同一または異なり、炭素原子数1〜6の1価炭化水素基を表す)
で表される3官能性シラン化合物もしくはその部分加水分解縮合生成物、またはこれらの混合物を添加し、親水性シリカ微粒子の表面を処理することにより、表面処理シリカ微粒子が得られる。ここで用いる親水性シリカ微粒子分散液は、アルコール混合溶媒等の親水性有機溶媒/水の混合溶媒分散液であっても、水性分散液であってもよい。水性分散液である場合には、前記親水性シリカ微粒子混合溶媒分散液の分散媒を水に変換することによって、親水性シリカ微粒子水性分散液を調製することができる。具体的には、例えば、前記混合溶媒分散液に水を添加し親水性有機溶媒を留去する操作(必要に応じてこの操作を繰り返す)により行うことができる。このときに添加される水の量は、使用した親水性有機溶媒および生成したアルコールの量の合計に対して、質量基準で、好ましくは0.5〜2倍量、より好ましくは0.7〜1.2倍量、特に好ましくはほぼ1倍量である。この3官能性シラン化合物、その部分加水分解縮合生成物は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
一般式(V)中、Rは、炭素原子数が、好ましくは1〜3、特に好ましくは1〜2の1価炭化水素基である。Rで表される1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基等のアルキル基等が挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、特に好ましくは、メチル基、エチル基である。また、これらの1価炭化水素基の水素原子の一部または全部が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、好ましくはフッ素原子で置換されていてもよい。
一般式(V)中、Rは、炭素原子数が、好ましくは1〜3、特に好ましくは1〜2の1価炭化水素基である。Rで表される1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基等が挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、特に好ましくは、メチル基、エチル基である。
一般式(V)で表される3官能性シラン化合物の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等のトリアルコキシシラン;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエチルシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、これらの部分加水分解縮合生成物等が挙げられる。
一般式(V)で表される3官能性シラン化合物の添加量は、使用された親水性シリカ微粒子のSiO単位1モル当たり、通常、0.001〜1モル、好ましくは0.01〜0.1モルである。
前記表面処理シリカ微粒子は、アルコール混合溶媒等の親水性有機溶媒/水の混合溶媒分散液または水性分散液として得られる。この表面処理シリカ微粒子(分散液)は、このまま、該表面処理シリカ微粒子の表面にR SiO1/2単位を導入してもよいが、該表面処理シリカ微粒子の分散液の分散媒を有機溶媒に変換した後に、該表面処理シリカ微粒子の表面にR SiO1/2単位を導入してもよい。
前記分散媒を、アルコール混合溶媒等の親水性有機溶媒/水混合分散媒または水性分散媒から有機溶媒に変換するには、前記分散液に有機溶媒を添加し、前記親水性有機溶媒/水または水を留去する操作(必要に応じてこの操作を繰り返す)により行うことができる。
このとき添加される有機溶媒の量は、使用した親水性シリカ微粒子に対して質量比で0.5〜5倍量、好ましくは2〜5倍量、特に好ましくは3〜4倍量である。この有機溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン等のケトン系溶媒が挙げられ、好ましくはメチルイソブチルケトンである。
−配合量−
本発明における球状疎水性シリカ微粒子の配合量は、特に限定されないが、(A)熱可塑性合成樹脂100質量部に対して、通常、0.01〜5質量部であり、好ましくは0.05〜3質量部であり、より好ましくは0.1〜2質量部である。かかる範囲を満たすと、熱可塑性合成樹脂フィルムの耐ブロッキング性および透明性がより優れたものとなる。
球状疎水性シリカ微粒子は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
<その他の成分>
本発明の熱可塑性合成樹脂フィルムに用いられる組成物には、上記(A)熱可塑性合成樹脂と(B)球状疎水性シリカ微粒子のほかに、必要に応じて、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤、加工助剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤等を、本発明の作用効果を損なわない範囲で配合することができる。
その他の任意成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
<フィルム製造方法>
本発明の熱可塑性合成樹脂フィルムを作製する際に、熱可塑性合成樹脂に球状疎水性シリカ微粒子を配合する方法は、公知の方法に従えばよく、ヘンシェルミキサー、V型ブレンダー、リボンブレンダー、らいかい機、二軸混練り押出機等の混合機を用いて各成分を所定量ずつ均一に混合すればよい。また、球状疎水性シリカ微粒子を熱可塑性合成樹脂の原料であるモノマーまたはその中間体に配合してもよい。上記混合により、該フィルムの原料となる組成物(混合状態)が得られる。この組成物を、Tダイ法、サーキュラーダイ法、二軸延伸法等の公知の成形法により、成形した状態での厚さが前述のとおりとなるようにフィルム状に成形することにより、本発明の熱可塑性合成樹脂フィルムを得ることができる。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。なお、以下の実施例において、室温とは25℃を意味する。
[合成例1(球状疎水性シリカ微粒子1の合成)]
攪拌機と、滴下ロートと、温度計とを備えた3リットルのガラス製反応器に、メタノール623.7gと、水38.9gと、28質量%アンモニア水52.3gとを添加して混合した。この混合溶液を20℃で攪拌しながら、テトラメトキシシラン1163.7g(7.65モル)と、5.48質量%アンモニア水418.1gとを同時に添加開始し、テトラメトキシシランは6時間、アンモニア水は5時間かけて滴下した。テトラメトキシシラン滴下完了後も0.5時間攪拌を続けて加水分解および縮合反応を行い、親水性シリカ微粒子分散液(懸濁液)を得た。この分散液に、室温で、ヘキサメチルジシラザン184.7g(1.14モル)を添加した後、60℃に加熱し、3時間反応させて、親水性シリカ微粒子の表面をトリメチルシリル化した。次いで、溶媒を減圧下で留去することにより、1次粒子の平均粒径が0.3μmの球状疎水性シリカ微粒子1を540g得た。
[合成例2(球状疎水性シリカ微粒子2の合成)]
攪拌機と、滴下ロートと、温度計とを備えた3リットルのガラス製反応器に、メタノール623.7gと、水20.0gと、28質量%アンモニア水71.2gとを添加して混合した。この混合溶液を20℃で攪拌しながら、テトラメトキシシラン1163.7g(7.65モル)と、7.46質量%アンモニア水418.1gとを同時に添加開始し、テトラメトキシシランは6時間、アンモニア水は5時間かけて滴下した。テトラメトキシシラン滴下完了後も0.5時間攪拌を続けて加水分解および縮合反応を行い、親水性シリカ微粒子分散液(懸濁液)を得た。この分散液に、室温で、ヘキサメチルジシラザン184.7g(1.14モル)を添加した後、60℃に加熱し、3時間反応させて、親水性シリカ微粒子の表面をトリメチルシリル化した。次いで、溶媒を減圧下で留去することにより、1次粒子の平均粒径が0.54μmの球状疎水性シリカ微粒子2を545g得た。
[合成例3(球状疎水性シリカ微粒子3の合成)]
攪拌機と、滴下ロートと、温度計とを備えた3リットルのガラス製反応器に、エタノール623.7gと、水41.4gと、28質量%アンモニア水49.8gとを添加して混合した。この混合溶液を35℃で攪拌しながら、テトラエトキシシラン1591.2g(7.65モル)と、5.22質量%アンモニア水418.1gとを同時に添加開始し、テトラエトキシシランは6時間、アンモニア水は5時間かけて滴下した。テトラエトキシシラン滴下完了後も0.5時間攪拌を続けて加水分解および縮合反応を行い、親水性シリカ微粒子分散液(懸濁液)を得た。この分散液に、室温で、ヘキサメチルジシラザン184.7g(1.14モル)を添加した後、60℃に加熱し、3時間反応させて、親水性シリカ微粒子の表面をトリメチルシリル化した。次いで、溶媒を減圧下で留去することにより、1次粒子の平均粒径が1.18μmの球状疎水性シリカ微粒子3を549g得た。
[合成例4(球状疎水性シリカ微粒子4の合成)]
攪拌機と、滴下ロートと、温度計とを備えた3リットルのガラス製反応器に、メタノール623.7gと、水38.9gと、28質量%アンモニア水52.3gとを添加して混合した。この混合溶液を20℃で攪拌しながら、テトラメトキシシラン1163.7g(7.65モル)と、5.48質量%アンモニア水418.1gとを同時に添加開始し、テトラメトキシシランは6時間、アンモニア水は5時間かけて滴下した。テトラメトキシシラン滴下完了後も0.5時間攪拌を続けて加水分解および縮合反応を行い、親水性シリカ微粒子分散液(懸濁液)を得た。次いで、ガラス製反応器にエステルアダプターと冷却管とを取り付け、60〜70℃に加熱してメタノール1,132gを留去した時点で、水1,200gを添加し、さらに70〜90℃に加熱してメタノール273gを留去することにより、親水性シリカ微粒子水性分散液(水性懸濁液)を得た。この分散液に、室温で、メチルトリメトキシシラン11.6g(テトラメトキシシラン1モル当たり0.01モルとなる量)を0.5時間かけて滴下し、滴下完了後も12時間攪拌して、親水性シリカ微粒子の表面を処理することにより、表面処理シリカ微粒子分散液を得た。この分散液に、メチルイソブチルケトン1,440gを添加した後、80〜110℃に加熱し、メタノール水1,163gを7時間かけて留去した。得られたケトンを分散媒とする分散液に、室温で、ヘキサメチルジシラザン150g(0.93モル)を添加し、120℃に加熱し、3時間反応させて、表面処理シリカ微粒子の表面をトリメチルシリル化した。次いで、溶媒を減圧下で留去することにより、1次粒子の平均粒径が0.30μmの球状疎水性シリカ微粒子4を529g得た。
[合成例5(球状親水性シリカ微粒子の合成)]
合成例3と同じにして親水性シリカ微粒子分散液(懸濁液)を調製した。その後、ヘキサメチルジシラザンによるトリメチルシリル化処理を行わずに、この分散液から溶媒を減圧下で留去することにより、1次粒子の平均粒径が1.10μmの球状親水性シリカ微粒子を450g得た。
[合成例6(球状ポリメチルシルセスキオキサン微粒子の合成)]
攪拌機と、滴下ロートと、温度計とを備えた1リットルのガラス製反応器に、1質量%アンモニア水750gを添加した。この溶液を攪拌しながら、メチルトリメトキシシラン200g(1.47モル)を40分かけて滴下した。反応温度は、滴下開始時には10℃であり、滴下終了時には30℃となるように制御した。次いで、加熱して84℃で還流させ、この温度を保持しながら、1時間攪拌を続けた。その後、冷却することにより、フラスコ内に析出した生成物を捕集し、この生成物を水洗した後に乾燥することにより、1次粒子の平均粒径が1.0μmの球状ポリメチルシルセスキオキサン微粒子を91g得た。
<実施例1〜4>
表1に示す配合量で、ポリプロピレン(商品名:F-226D、株式会社グランドポリマー製)および球状疎水性シリカ微粒子1〜4を、二軸混練り押出機(商品名:ラボプラストミル、株式会社東洋精機製作所製)に仕込み、180℃、30rpmの条件で10分間混合することにより混合物を得、その混合物をフィルム状に成形することにより、厚さ50μmのフィルムを作製した。
得られたフィルムについて、該フィルム同士の静摩擦係数を、摩擦係数測定機(商品名:小型万能試験機、テスター産業株式会社製)で、加重2,300gの条件で測定した。また、該フィルムを4枚重ね合わせたときの曇り度(ヘーズ)を、曇り度計(商品名:NDH 2000、日本電色工業株式会社製)で測定した。得られた測定結果を表1に示す。なお、静摩擦係数の値は、フィルムの滑り性、成形時の作業性および袋状形成物の開口性等の特性の指標となる。
<比較例1>
実施例1において、球状疎水性シリカ微粒子1の代わりに、球状親水性シリカ微粒子を表1に示す配合量で配合した以外は、実施例1と同様にして、フィルムを作製し、該フィルムについて、静摩擦係数および曇り度を測定した。得られた測定結果を表1に示す。
<比較例2、3>
実施例1において、球状疎水性シリカ微粒子1の代わりに、球状ポリメチルシルセスキオキサン微粒子を表1に示す配合量で配合した以外は、実施例1と同様にして、フィルムを作製し、該フィルムについて、静摩擦係数および曇り度を測定した。得られた測定結果を表1に示す。
<比較例4>
実施例1において、球状疎水性シリカ微粒子1を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、フィルムを作製し、該フィルムについて、静摩擦係数および曇り度を測定した。得られた測定結果を表1に示す。
Figure 0004575128
<実施例5〜7>
表2に示す配合量で、ポリエチレン(商品名:ウルトラゼックス3021F、三井化学株式会社製)および球状疎水性シリカ微粒子1〜3を、二軸混練り押出機(商品名:ラボプラストミル、株式会社東洋精機製作所製)に仕込み、150℃、30rpmの条件で10分間混合することにより混合物を得、その混合物をフィルム状に成形することにより、厚さ50μmのフィルムを作製した。
得られたフィルムについて、実施例1と同様にして、静摩擦係数および曇り度を測定した。得られた測定結果を表2に示す。
<比較例5>
実施例5において、球状疎水性シリカ微粒子1の代わりに、球状親水性シリカ微粒子を表2に示す配合量で配合した以外は、実施例5と同様にして、フィルムを作製し、該フィルムについて、静摩擦係数および曇り度を測定した。得られた測定結果を表2に示す。
<比較例6>
実施例5において、球状疎水性シリカ微粒子1の代わりに、球状ポリメチルシルセスキオキサン微粒子を表2に示す配合量で配合した以外は、実施例5と同様にして、フィルムを作製し、該フィルムについて、静摩擦係数および曇り度を測定した。得られた測定結果を表2に示す。
<比較例7>
実施例5において、球状疎水性シリカ微粒子1を配合しなかった以外は、実施例5と同様にして、フィルムを作製し、該フィルムについて、静摩擦係数および曇り度を測定した。得られた測定結果を表2に示す。
Figure 0004575128
<実施例8〜10>
表3に示す配合量で、ナイロン6(商品名:アミランCM1021XF、東レ株式会社製)および球状疎水性シリカ微粒子1〜3を、二軸混練り押出機(商品名:ラボプラストミル、株式会社東洋精機製作所製)に仕込み、240℃、30rpmの条件で10分間混合することにより混合物を得、その混合物をフィルム状に成形することにより、厚さ50μmのフィルムを作製した。
得られたフィルムについて、実施例1と同様にして、静摩擦係数および曇り度を測定した。得られた測定結果を表3に示す。
<比較例8>
実施例8において、球状疎水性シリカ微粒子1の代わりに、球状親水性シリカ微粒子を表3に示す配合量で配合した以外は、実施例8と同様にして、フィルムを作製し、該フィルムについて、静摩擦係数および曇り度を測定した。得られた測定結果を表3に示す。
<比較例9>
実施例8において、球状疎水性シリカ微粒子1の代わりに、球状ポリメチルシルセスキオキサン微粒子を表3に示す配合量で配合した以外は、実施例8と同様にして、フィルムを作製し、該フィルムについて、静摩擦係数および曇り度を測定した。得られた測定結果を表3に示す。
<比較例10>
実施例8において、球状疎水性シリカ微粒子1を配合しなかった以外は、実施例8と同様にして、フィルムを作製し、該フィルムについて、静摩擦係数および曇り度を測定した。得られた測定結果を表3に示す。
Figure 0004575128
<実施例11〜13>
表4に示す配合量で、ポリカーボネート(商品名:パンライトL-1250、帝人化成株式会社製)および球状疎水性シリカ微粒子1〜3を、二軸混練り押出機(商品名:ラボプラストミル、株式会社東洋精機製作所製)に仕込み、230℃、30rpmの条件で10分間混合することにより混合物を得、その混合物をフィルム状に成形することにより、厚さ50μmのフィルムを作製した。
得られたフィルムについて、実施例1と同様にして、静摩擦係数および曇り度を測定した。得られた測定結果を表4に示す。
<比較例11>
実施例11において、球状疎水性シリカ微粒子1の代わりに、球状親水性シリカ微粒子を表4に示す配合量で配合した以外は、実施例11と同様にして、フィルムを作製し、該フィルムについて、静摩擦係数および曇り度を測定した。得られた測定結果を表4に示す。
<比較例12>
実施例11において、球状疎水性シリカ微粒子1の代わりに、球状ポリメチルシルセスキオキサン微粒子を表4に示す配合量で配合した以外は、実施例11と同様にして、フィルムを作製し、該フィルムについて、静摩擦係数および曇り度を測定した。得られた測定結果を表4に示す。
<比較例13>
実施例11において、球状疎水性シリカ微粒子1を配合しなかった以外は、実施例11と同様にして、フィルムを作製し、該フィルムについて、静摩擦係数および曇り度を測定した。得られた測定結果を表4に示す。
Figure 0004575128
<評価>
表1〜4から明らかなように、実施例は、請求項1に記載された要件を満たす(B)球状疎水性シリカ微粒子を用いて熱可塑性合成樹脂フィルムを作製したものであり、静摩擦係数(耐ブロッキング性)および曇り度(透明性)が両方とも優れていた。
一方、比較例は、(B)球状疎水性シリカ微粒子の代わりに、シリカ微粒子の表面を疎水化処理していない球状親水性シリカ微粒子や球状ポリメチルシルセスキオキサン微粒子を用いるか、あるいはシリカ微粒子を全く用いずに、熱可塑性合成樹脂フィルムを作製したものであり、得られたフィルムの静摩擦係数および曇り度の少なくとも一方が劣り、これらの特性が両方とも優れることはなかった。

Claims (3)

  1. (A)熱可塑性合成樹脂と、
    (B)本質的にSiO単位からなる親水性シリカ微粒子の表面に SiO 3/2 単位(式中、R は置換または非置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基を表す)を導入する工程と、該工程を経た前記表面に SiO1/2単位(式中、Rは同一または異なり、置換または非置換の炭素原子数1〜6の1価炭化水素基を表す)を導入する工程を含む疎水化処理によって得られる、1次粒子の平均粒径が0.01〜20μmの球状疎水性シリカ微粒子と
    を含有してなる組成物をフィルム状に成形することによって得られる熱可塑性合成樹脂フィルム。
  2. 前記(A)熱可塑性合成樹脂が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステルおよびナイロンからなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項1に係るフィルム。
  3. 前記(B)球状疎水性シリカ微粒子の配合量が、前記(A)熱可塑性合成樹脂100質量部に対して0.01〜5質量部である請求項1又は2に係るフィルム。
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