JP4574895B2 - 無線端末 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話機等の無線端末に係り、特に筐体の違法分解を確実に検知し、違法分解されたことを各所に通知できる無線端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の携帯電話機などの無線端末では、ユーザによる違法分解を防止する最も一般的な方法として、筐体を結合しているネジの形状を特殊な形状にする方法があった。従来の無線端末におけるネジの位置及びネジ形状について、図7を使って説明する。図7は、従来の無線端末におけるネジの位置及びネジ形状例を示す説明図である。
一般的に携帯端末、例えば携帯電話機では、製品の組み立て行程の最終段階として、図7(a)に示すように、充電池のはめ込み部分から携帯電話機の背面筐体130と基板102とを貫通して携帯電話機の前面(キーパッドや表示部がある面)筐体132のネジ受け穴に絞め込まれるように締結ネジ131を絞めていて、例えば、図7(b)に示すように4本の締結ネジ131で背面筐体130、基板102、前面筐体132を固定している。
この時、従来の無線端末では、ユーザによる違法分解を防止するために、図7(c)に示すように、締結ネジ131として、(A)十字ネジや(B)すりわりネジのような一般的なヘッド形状のネジを使用せず、(C)6本溝、(D)5本溝、(E)3本溝のような特殊なヘッド形状のネジを用いて筐体を固定し、一般的なドライバでの分解ができないようにしてユーザによる違法分解を防止していた。
【0003】
しかし、各特殊ネジに合うドライバを手に入れれば分解は可能となってしまう。また、実際に携帯電話分解用ドライバセットが普通の日曜大工用品店で販売されていることからも、分解防止にはなっていないのが実状であり、違法分解が実施されたかどうかを見分けることもできなかった。
これを防止する手段として、充電池のはめ込み部分に、通常は図7(b)に示すように4本の締結ネジ131を避けた場所に貼られている製品の銘板ラベル133を、図8に示すように、4本の締結ネジ131の内の1本又は複数本若しくは全てに被せるように銘板ラベル133を貼り付けておき、分解された場合には銘板ラベル133が破損してわかるようにする手段もある。図8は、従来の無線端末における分解検知を可能とする銘板ラベルの貼り付け状況を示す説明図である。
【0004】
尚、何らかの分解を検知して通報する従来技術としては、平成9年5月2日公開の特開平9−115063号「盗難防止装置」(出願人:松下電器産業株式会社、発明者:山田浩一他)がある。
この従来技術は、上ケースの植設された弾性を有する第1の接点と、上ケースを閉じたときに第1の接点に当接するように下ケースに固定して設けられた第2の接点と、電池収納ケース後方に第1の接点が当接して摺動するように設けられた傾斜を有するリブを有する盗難防止装置であり、たとえ商品を盗もうとする者が工具などを使用して盗難防止装置を分解するとか電池からの電源の供給を遮断しても、第1の接点と第2の接点が接触することにより、警報が発せられ、不法行為が防止できるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の無線端末における銘板ラベル133をネジに被せるようにして張り付ける方法では、剥がし方によっては、必ずしも破損するとは限らず、違法分解を完全に見分けるには至っていないという問題点があった。
この結果、本来ならば有償修理対象である違法分解による故障修理が、保証期間内であれば無償修理品として扱われ、実数は定かではないが少なからず無線端末メーカに損害を与えている。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、従来の無線端末の違法分解を見分けられないために本来有償で修理されるものを無償で修理しなければならなかった問題を解決するために、筐体の違法分解を確実に検知し、違法分解されたことを各所に通知できる無線端末を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、無線端末において、筐体が分解されその後組み立てられたときに、当該分解が違法に為されたことを検知する違法分解検知手段と、当該違法分解検知手段により違法分解されたことが検知されると違法分解された旨の警告表示を表示手段に出力する警告表示手段と、違法分解検知手段により違法分解されたことが検知されると、無線端末の識別子と共に違法分解されたことを通報する電子メールを特定のメールアドレスに送信する通報メール送信手段と、当該電子メールを送信した後に、警告表示手段による警告表示を除く無線端末の機能を停止する機能停止手段とを有することを特徴としており、筐体の違法分解を確実に検知し、違法分解されたことを各所に通知できる。
【0008】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、無線端末において、筐体が分解されその後組み立てられたときに、当該分解が違法に為されたことを検知する違法分解検知手段が、
第1の電極と,第3の電極と,第3電極とが配置され、出荷時及び正常分解後の組み立て時には前記第1の電極と前記第3の電極とが接続されるよう設定され、分解されると前記第1の電極と前記第2の電極とが接続されるよう動作する分解検知スイッチと、
本体電源投入時に前記分解検知スイッチの状態が前記第1の電極と前記第2の電極とを接続している場合に、違法に分解されたと検知する違法分解検知部とを有するものなので、簡単ではあるが外部からは容易に解明できないスイッチの構造で、筐体の違法分解を確実に検知し、違法分解されたことを各所に通知できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
尚、以下で説明する機能実現手段は、当該機能を実現できる手段であれば、どのような回路又は装置であっても構わず、また機能の一部又は全部をソフトウェアで実現することも可能である。更に、機能実現手段を複数の回路によって実現してもよく、複数の機能実現手段を単一の回路で実現してもよい。
【0010】
上位概念的に説明すれば、本発明に係る無線端末は、筐体が分解されその後組み立てられたときに、当該分解が違法に為されたことを検知すると違法分解されたことを表示部に表示したり、無線端末の識別子と共に違法分解されたことを通報する電子メールを送信したり、無線端末の機能を停止するなどして、筐体の違法分解を確実に検知し、違法分解されたことを各所に通知できるものである。
【0011】
機能実現手段で説明すれば、本発明に係る無線端末は、筐体が分解されその後組み立てられたときに、当該分解が違法に為されたことを検知する違法分解検知手段と、違法に分解されたことが検知されると違法分解されたことを通知する違法分解通知手段とを有し、違法分解通知手段が、違法分解されたことを表示部に表示する警告表示手段、又は無線端末の識別子と共に違法分解されたことを通報する電子メールを送信する通報メール送信手段、若しくはその両方の手段と、無線端末の機能を停止する機能停止手段とを有するものなので、筐体の違法分解を確実に検知し、違法分解されたことを各所に通知できるものである。
【0012】
尚、本発明の実施の形態における各手段と図1の各部との対応を示すと、違法分解検知手段は違法分解検知手段20に相当し、違法分解通知手段は違法分解通知手段11に相当し、警告表示手段は警告表示手段12、通報メール送信手段は警告メール送信手段13、機能停止手段は機能停止手段14に相当している。
【0013】
まず、本発明の実施の形態にかかる無線端末の概略構成について、図1を使って説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る無線端末の構成ブロック図である。
本発明の無線端末は、図1に示すように、無線端末として一般的な構成である無線信号の送受信を行うアンテナ1と、無線信号の変復調を行う無線部2と、キーパッドなどの入力部3と、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)などの表示部4と、無線端末の識別子及びユーザ設定項目を記憶している不揮発性メモリなどの記憶部5と、無線端末全体を制御する制御部10とから構成され、更に本発明の特徴部分である違法分解検知手段20が設けられている。
尚、本発明の無線端末の制御部10内には、本発明の特徴部分として違法分解を通知する各種手段を具備する違法分解通知手段11が設けられている点が、一般的な無線端末の制御部10とは異なっている。
【0014】
本発明の無線端末の各部について説明するが、アンテナ1、無線部2、入力部3、表示部4、記憶部5は、無線端末における一般的な構成であるので、詳細な説明は省略する。
違法分解検知手段20は、筐体が違法に分解されたことを検知して、違法分解検知信号を出力するものである。尚、筐体の分解としては、正常な状態での分解、例えば、修理などの依頼に対して正当な技術者が分解した場合は違法分解とはならないので、違法分解と正常分解とを区別して、違法分解の場合にだけ違法分解検知信号を出力するものである。
違法分解検知手段20の具体的な実現方法の詳細については、後述する。
【0015】
制御部10は、無線端末における一般的な制御に加えて、本発明の特徴部分として、違法分解検知手段20で違法分解が検知されると、違法分解が為された旨を各方面に通知する違法分解通知手段11を有している。
違法分解通知手段11内の具体的な通知手段としては、ここでは警告表示手段12と、警告メール送信手段13と、機能停止手段14とを具備している。尚、警告表示手段12と警告メール送信手段13とは、どちらか一方のみを有する構成であっても構わない。
【0016】
警告表示手段12は、違法分解検知手段20からの違法分解検知信号に従って、違法分解された旨を表示部4に表示する手段である。表示内容としては、違法分解を実施した本人への警告の意味で、「違法分解されました」等のように表示したり、更に分解者への警告度を高めるために「違法分解されましたので、サービス窓口にて有償で修理を承ります」といった内容の表示を行ってもよい。
警告メール送信手段13は、違法分解検知手段20からの違法分解検知信号に従って、違法分解された旨のメール(違法分解通知メール)を予め設定されている特定のメールアドレス宛に送信する手段である。尚、違法分解通知メールには、記憶部5に記憶されている無線端末装置の識別子を含めるようにし、また特定のメールアドレスとは、無線端末の通信事業者のサービス窓口の管理用アドレスなどとする。
機能停止手段14は、違法分解検知手段20からの違法分解検知信号に従って、警告表示手段12による機能を除く全機能を停止する手段である。
尚、警告表示手段12、警告メール送信手段13、機能停止手段14は、全て実現してもよいし、警告表示手段12と警告メール送信手段13はどちらか1つを実現してもよい。
また、機能停止手段14のみを実行するようにしても構わない。
また、警告表示手段12と警告メール送信手段13の実行順序は、どちらが先であっても構わないが、確実にメールを送信するためには、警告メール送信手段13を先にした方がより適当である。
【0017】
次に、違法分解検知手段20の具体的な実現方法について説明する。
違法分解検知手段20は、筐体が違法に分解されたことを検知して、違法分解検知信号を出力するものであり、本発明では、本体へ電源を供給する電源供給電極と、装置電源から正常時に電源を供給する正常検知電極と、装置電源から異常時に電源を供給する異常検知電極とを具備していて、出荷時及び正常分解後の組み立て時にはスイッチが電源供給電極と正常検知電極とを接続して本体へ電源を供給するようにして組み立て、分解されるとスイッチが電源供給電極と異常検知電極とを接続して本体へ電源を供給するように切り替える分解検知スイッチ103と、本体電源投入時に分解検知スイッチの状態が電源供給電極と異常検知電極とを接続している場合に、違法に分解されたと検知して違法分解信号を出力する違法分解検知部とで構成している。
【0018】
ここで、分解検知スイッチと違法分解検知部の動作概念について、図2を使って説明する。図2は、本発明の分解検知スイッチと違法分解検知部の動作の基本概念を示す説明図である。
本発明の分解検知スイッチは、図2に示すように、装置電源(又は、制御部用電源)からの供給電源を分岐して供給する分解検知用の電源供給電極111と、正常を検知するポート(図2では、ポートB)に電源を供給する正常検知電極113と、違法分解を検知するポート(図2では、ポートA)に電源を供給する異常検知電極112とを設ける。図2において、電源付近のスイッチは、無線端末の操作パネル等に設けられている電源ボタンの押下によって切替が成される電源スイッチである。
尚、ここで、図2及び以降の図における各電極と請求項との対応は、電源供給電極111が請求項の第1の電極に相当し、異常検知電極112が請求項の第2の電極に相当し、正常検知電極113が請求項の第3の電極に相当している。
また、図2において、電源供給電極111、異常検知電極112、正常検知電極113及びその間で切り替わるスイッチ(接続端子)部分が分解検知スイッチ103に相当し、制御部10内で、ポートA及びポートBの電位確認によって、接続端子がスイッチ異常検知電極112に接続されているか正常検知電極11に接続されているかを判断する部分が、違法分解検知部に相当している。
【0019】
そして正常時には、正常検知電極113と電源供給電極111とをスイッチが接続した状態(正常状態)とし、本体電源が投入されると、装置電源から正常検知電極113を介して制御部10のポートBに電源を供給する。そして、分解されるとスイッチが切り替わって異常検知電極112と電源供給電極111とをスイッチが接続した状態(異常状態)になり、本体電源が投入されると、異常検知電極112を介して制御部10のポートAに電源が供給されるようにする。
そして、本体電源が投入された時に、制御部10において、ポートA及びポートBの電位を監視し、ポートBの高電位が検知されれば、正常検知電極113と電源供給電極111とが接続されている為正常であると認識し、逆にポートAの高電位が検知されれば、異常検知電極112と電源供給電極111とが接続されている為違法分解が成されたと認識して違法分解検知信号を出力するようにすればよい。
【0020】
尚、分解によって、スイッチが異常検知電極112側に切り替わっても、筐体組み立て前に、当該スイッチの仕組みを承知しているメーカの修理担当者等がスイッチを正常検知電極113側に戻して筐体を組み立てれば、本体電源投入時には、違法分解とは認識されず、違法分解検知信号の出力は為されないようになっている。
【0021】
次に、本発明の分解検知スイッチ103の実装について、図3を使って説明する。図3は、本発明の無線端末の分解検知スイッチの実装例を携帯電話機の例で示す説明図であり、(a)が携帯電話機の上面図(一部透視図)であり、(b)が(a)における縦線(一部屈折有り)A−A′で切断した断面図Aであり、(c)が(a)における横線B−B′で切断した断面図Bである。
本発明の分解検知スイッチ103は、図3(a)に示すように、携帯電話機の本体101の例えば最下部で基板102上に実装する。これは、通常の組立工程においては、無線端末装置の入力部3や表示部4がある面(前面と呼ぶ)を下にした状態で、前面の筐体ケース部104-aの上に基板102をのせ、その上に装置上部及び側部の複数のツメを咬ませながら背面の筐体ケース部104-bをかぶせ、最終的に充電池設置部分のネジで固定するため、筐体の分解の際には、まず最下部から前面の筐体ケース部104-aと背面の筐体ケース部104-bを分解するので、この部分に設けるのが最適である。
【0022】
そして、図3(b)、(c)に示すように、基板102上に分解検知スイッチ103を実装し、前面の筐体ケース部104-aの内部に設けられた突起105で分解検知スイッチ103のボタンを押す構造としておき、前面の筐体ケース部104-aと背面の筐体ケース部104-bとが分解されると、押下されていたボタンがフリーになり、それによって上記説明した電源供給電極111と正常検知電極113又は異常検知電極112とを接続するスイッチが切り替わるような仕組みにし、分解を検知するようになっている。
【0023】
次に、分解検知スイッチ103の構造の詳細と動作原理について、分解検知スイッチ103を組み立てる手順に沿って説明する。
分解検知スイッチ103の組み立て手順は、第1のスイッチ基本状態、第2のスイッチ設定状態、第3のスイッチ固定状態である。
まず、第1のスイッチ基本状態について、図4を使って説明する。図4は、本発明の分解検知スイッチ103の基本状態を示す構造図であり、(a)は分解検知スイッチ103内部の上面図であり、(b)は(a)に示した分解検知スイッチ103内部をA方向から見たA方向透視図であり、(c)は(a)に示した分解検知スイッチ103内部をB方向から見たB方向透視図であり、(d)は、(a)に示した分解検知スイッチ103に外ケース123を取り付けた状態の上面図である。
【0024】
本発明の分解検知スイッチ103は、図4(a)に示すように、電極として電源供給電極111、異常検知電極112、正常検知電極113の3極を設け、各電極は、ケース内部の下ベース板121上で後述する接続端子115が接続される部分と内ケース122及び外ケース123を跨いでケース外部に突出する部分を持つようになっている。
そして、電源供給電極111のケース内部に位置する部分の中心付近を中心軸として回転する接続端子115を、下ベース板121に固定された接続端子軸120にはめこむ。
【0025】
ここで、接続端子115が、上記説明した正常時と分解時とで電極を切り換えるスイッチの働きをする物で、図4では接続端子115を接続端子軸120を軸にして回転させることによって、電源供給電極111と違法分解通知手段11又は電源供給電極111と正常検知電極113とを接続して通電させることができるようになっている。
また、図4(b)に示すように、接続端子115の接続端子軸部分15′は、内ケース122にあけられた穴から内ケース122上部に突出しており、接続端子軸部分15′の先端にすり割り等のまわり止めを設け、その上部にツマミ124を内ケース122を挟むように差し込む。ツマミ124は、内ケース122上でツマミ124を回すことによって、接続端子115を回転できる構造になっており、ツマミ124の上部に接続端子115の位置が認識できるようなネジ山又は模様を設けておく。
【0026】
そして、接続端子115は、接続端子用バネ116によって反時計回りの方向で加重がかけられ、バネの開いた状態で異常検知電極112に接触するようにし、ツマミ124を時計回り方向に回すことによって接続端子用バネ116に加圧することでバネが閉じた状態になると、接続端子115を正常検知電極113に接触する状態にできるが、その力を除くと異常検知電極112側に戻ってしまう構造にする。
【0027】
そして、正常検知電極113付近に、ツマミ124を時計回り方向に回転させることによって移動してきた接続端子115を正常検知電極113側でロックするための板バネ117を設ける。板バネ117は、図4(c)に示すように、一端が板バネ固定板114に固定され、板バネ固定板114を挟むように湾曲されて、異常検知電極112側から正常検知電極113側(図4(c)右側から左側)に接続端子115が移動してくるのに従って下方向に加重(加圧)されて更に湾曲し、接続端子115が板バネ117を越えたところで、下方向の加重が除かれて開放されバネが戻る仕組みになっている。また、板バネ117は、ボタン118の押下によっても、下方向に加重されて湾曲するようになっている。
【0028】
また、板バネ117の上部に設けられたボタン118は、ボタン用バネ119によって常に上に持ち上げる加重がかけられ、内ケース122と外ケース123の間に取り付けられている。そして、ボタン118の上部から加重がかからない状態では、ボタン118が外ケース123上部に突出し、内ケース122内部には、突出しない状態となり、ボタン118の上部から加重をかけると、ボタン118が外ケース123上部にはさほど突出せず、内ケース122内部に突出する状態になり、その結果、板バネ117を加圧することになる。
【0029】
図4(a)、(b)、(c)に示す状態で外ケース123が被せられていると、図4(d)に示すように、外ケース123の上部からは、突出したボタン118と、穴からツマミ124の上部の様子を見ることができ、例えば、接続端子115が異常検知電極112側に接触している時に、ツマミ124上の模様は十字の状態であるとする。
【0030】
次に、第2のスイッチ設定状態について、図5を使って説明する。図5は、本発明の分解検知スイッチ103の設定状態を示す構造図であり、(a)は分解検知スイッチ103内部の上面図であり、(b)は(a)に示した分解検知スイッチ103内部をA方向から見たA方向透視図であり、(c)は(a)に示した分解検知スイッチ103内部をB方向から見たB方向透視図であり、(d)は、(a)に示した分解検知スイッチ103に外ケース123を取り付けた状態の上面図である。
出荷前の組み立て段階や、正規修理を実施して完了後に再組み立てする場合には、筐体を閉じる前に、ツマミ124を時計回り方向に回転させ、図5(a)に示すように、接続端子115を正常検知電極113側に移動させる。この時、板バネ117は接続端子115が正常検知電極113側(図5(c)右側から左側)に移動してくるのに従って下方向に加重されて一旦湾曲し、接続端子115が板バネ117を越えたところで、下方向の加重が除かれてバネが戻り、図5(c)に示すように、接続端子115に引掛かって固定し、接続端子115が正常検知電極113上でロックされることになる。
図5(a)、(b)、(c)に示す状態で外ケース123が被せると、図5(d)に示すように、外ケース123の上部からは、突出したボタン118と、穴からツマミ124の上部の様子を見ることができ、接続端子115が正常検知電極113側に接触し、板バネ117でロックされている状態は、ツマミ124上の十字模様が図4(d)の状態から約45度回転した状態になっている。
【0031】
次に、第3のスイッチ固定状態について、図6を使って説明する。図6は、本発明の分解検知スイッチ103の固定状態を示す構造図であり、(a)は分解検知スイッチ103内部の上面図であり、(b)は(a)に示した分解検知スイッチ103内部及び前面の筐体ケース部104を取り付けた状態をA方向から見たA方向透視図であり、(c)は(a)に示した分解検知スイッチ103内部及び前面の筐体ケース部104を取り付けた状態をB方向から見たB方向透視図であり、(d)は、(a)に示した分解検知スイッチ103に外ケース123を取り付けた状態の一部の上面図である。
【0032】
図5に示したスイッチ設定状態で、前面の筐体ケース部104-a、分解検知スイッチ103の付いた基板102、背面の筐体ケース部104-bを閉じると、図6(b)(c)に示すように、前面の筐体ケース部104-aの内側に設けられた突起105がボタン118を外ケース123まで押下する。
これにより、図6(c)に示すように、ボタン118の下部の先端が板バネ117を押し下げ、これまで接続端子115をロックしていた板バネ117が外れて接続端子115のロックが解除され、接続端子115は接続端子用バネ116の働きによって異常検知電極112側に戻ろうとする。
しかし、この時ボタン118が板バネ117の上部に接触する形で存在するため、接続端子115はボタン118に引っかかって止まり、接続端子115はボタン118によって再びロックされ、接続端子115と正常検知電極113との接触は保たれることになる。
図6(a)、(b)、(c)に示す状態で外ケース123上から見た状態を予測すると、図6(d)に示すように、接続端子115が正常検知電極113側に接触し、ボタン118でロックされている状態は、ツマミ124上の十字模様が図5(d)の状態からほんの少し戻った角度だけ回転した状態になっている。
【0033】
上記説明した図6に示す状態で、無線端末は出荷されて使用され、その後、筐体が分解されて筐体が開かれると、図6に示す前部の筐体ケース部104-aが外れて、ボタン118を上部から押下する力が除去され、ボタン118がボタン用バネ119が戻る力で持ち上がり、接続端子115のロックが外れてフリーとなり、接続端子用バネ116の戻る(開く)力で異常検知電極112側に回転して戻り、異常検知電極112と接触して、図4に示した状態に戻ることになる。
【0034】
ここで行われた分解が、メーカのサービス等による正規の修理であれば、当然分解検知スイッチ103の仕組みを承知していて、組み立て時と同様に上記説明したステップで接続端子115を再び板バネ117でロックさせてから、筐体ケース部104を閉じることにより、電源供給電極111と正常検知電極113の接触によって、本体の電源を投入したときには正常の電源供給が成され違法分解検知信号は出力されない。
【0035】
一方、違法分解時には、この分解検知スイッチ103の仕組みが判らず、そのままで筐体ケース部104を閉じるので、接続端子115は異常検知電極112側で接触したままとなり、本体の電源を投入したときには異常検知電極112を介して電源供給が成され、違法分解検知部の働きで違法に分解されたと検知され異常検知信号が出力されるようになる。
【0036】
次に、本発明の無線端末の動作について説明する。
本発明の無線端末では、組み立て時に、図3に示す本体101下部に設けた分解検知スイッチ103において、図4に示すツマミ124を右方向に回転させ、接続端子115を正常検知電極113側に移動させて、図5に示すように板バネ117でロックさせておき、図6に示すように前面の筐体ケース部104-aの突起105部分にボタン118がくるようにして筐体ケース部104を組み立てる。それにより、突起105部分がボタン118を押下した形で固定され、板バネ117のロックが外れ、接続端子115がボタン118によって再びロックされた状態となり、接続端子115と正常検知電極113とが接触した正常状態で出荷される。
この時、装置電源が投入されると、正常検知電極113から電源供給電極111に電流が流れ、正常状態で電源が供給される。
【0037】
そして、無線端末が分解されると、前面の筐体ケース部104-aの突起105がボタン118から離れ、ボタン118が戻ることによって接続端子115のロックが外れ、接続端子115が異常検知電極112側に戻ってしまう。
このまま筐体ケース部104が閉じられると、接続端子115の状態は変化せず、装置電源が投入されると、異常検知電極112から電源供給電極111に電流が流れ、異常状態で電源が供給され、違法分解検知信号が制御部10に出力される。
【0038】
そして、制御部10の違法分解通知手段11では、この違法分解検知信号に従い、警告表示手段12で違法分解があった旨を表示部4に表示し、警告メール送信手段13で記憶部5に記憶されている当該無線端末の識別子を含めた違法分解された旨のメール(違法分解通知メール)を予め設定されている通信事業者のサービス窓口などの特定のメールアドレス宛に送信し、機能停止手段14で、無線端末の警告表示手段12による機能を除く全機能を停止する。
尚、警告表示手段12と警告メール送信手段13の実行順序は、どちらが先であっても構わない。
また、警告表示手段12と警告メール送信手段13とは、どちらか一方のみを実行するようにしても構わない。
【0039】
本発明の実施の形態の無線端末によれば、違法分解検知手段20で違法分解を検知すると、警告表示手段12で表示部4に違法分解されました旨の警告文を表示して、機能停止手段14で警告文の表示を除く全機能を停止するので、違法分解を実施した本人への警告を発することができると共に、通信事業者のサービス窓口などに修理依頼があったときに、事業者及び修理依頼者の双方で違法分解されたことを確認でき、トラブルことなく無償修理の対象外にする措置がとれる効果がある。
【0040】
また、本発明の実施の形態の無線端末によれば、違法分解検知手段20で違法分解を検知すると、警告メール送信手段13で当該無線端末の識別子を含む違法分解されました旨の警告文(違法分解通知メール)を通信事業者のサービス窓口などの特定のメールアドレス宛に送信して、機能停止手段14で警告文の表示を除く全機能を停止するので、事業者側では、修理依頼があったときに、当該無線端末の識別子から違法分解されたことが確認でき、無償修理の対象外にする措置がとれる効果がある。
また、違法分解通知メールを送信してから、全機能を停止するので、たとえ再分解して分解検知スイッチ103の構造を解明して復帰させたとしても、違法分解した事実は通信事業者側に記録されるので、無償修理対象から除外することが可能である。
【0041】
また、本発明の無線端末によれば、上記説明のように、表示及び違法分解通知メールによって無線端末の違法分解の証拠が残るので、通信事業者側(又はメーカ側)としては違法分解された製品を無償で修理する必要がなくなり、修理費用を確実に回収できる効果がある。
また、違法分解について心無いユーザに警告を発することができ、更にむやみに分解しようとは思わなくなるので、感電等の事故からユーザを守ることができる効果がある。
また、違法分解通知メールを蓄積管理することによって、購入ユーザのデータとの関連づけで違法分解の常習者を認識し、販売時のブラックリストなどにも利用できる効果がある。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、筐体が分解されその後組み立てられたときに、当該分解が違法に為されたことを検知する違法分解検知手段と、当該違法分解検知手段により違法分解されたことが検知されると違法分解された旨の警告表示を表示手段に出力する警告表示手段と、違法分解検知手段により違法分解されたことが検知されると、無線端末の識別子と共に違法分解されたことを通報する電子メールを特定のメールアドレスに送信する通報メール送信手段と、当該電子メールを送信した後に、警告表示手段による警告表示を除く無線端末の機能を停止する機能停止手段とを有する無線端末としているので、無線端末が違法分解されたことを確認でき、筐体の違法分解を確実に検知し、違法分解されたことを各所に通知できる効果がある。
【0043】
また、本発明によれば、筐体が分解されその後組み立てられたときに、当該分解が違法に為されたことを検知する違法分解検知手段が、第1の電極と,第3の電極と,第3電極とが配置され、出荷時及び正常分解後の組み立て時には第1の電極と第3の電極とが接続されるよう設定され、分解されると第1の電極と第2の電極とが接続されるよう動作する分解検知スイッチと、本体電源投入時に分解検知スイッチの状態が第1の電極と第2の電極とを接続している場合に、違法に分解されたと検知する違法分解検知部とを有する無線端末としているので、簡単ではあるが外部からは容易に解明できないスイッチの構造で、筐体の違法分解を確実に検知し、違法分解されたことを各所に通知できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る無線端末の構成ブロック図である。
【図2】本発明の分解検知スイッチと違法分解検知部の動作の基本概念を示す説明図である。
【図3】本発明の無線端末の分解検知スイッチの実装例を携帯電話機の例で示す説明図である。
【図4】本発明の分解検知スイッチの基本状態を示す構造図である。
【図5】本発明の分解検知スイッチの設定状態を示す構造図である。
【図6】本発明の分解検知スイッチの固定状態を示す構造図である。
【図7】従来の無線端末におけるネジの位置及びネジ形状例を示す説明図である。
【図8】従来の無線端末における分解検知を可能とする銘板ラベルの貼り付け状況を示す説明図である。
【符号の説明】
1…アンテナ、 2…無線部、 3…入力部、 4…表示部、 5…記憶部、10…制御部、 11…違法分解通知手段、 12…警告表示手段、 13…警告メール送信手段、 14…機能停止手段、 101…本体、 102…基板、 103…分解検知スイッチ、 104…筐体ケース部、 105…突起、 111…電源供給電極、 112…異常検知電極、 113…正常検知電極、 114…板バネ固定板、 115…接続端子、 116…接続端子用バネ、 117…板バネ、 118…ボタン、 119…ボタン用バネ、 120…接続端子軸、 121…下ベース板、 122…内ケース、 123…外ケース、 124…ツマミ、 130…背面筐体、 131…締結ネジ、 132…前面筐体、 133…銘板ラベル

Claims (2)

  1. 筐体が分解されその後組み立てられたときに、当該分解が違法に為されたことを検知する違法分解検知手段と、
    当該違法分解検知手段により違法分解されたことが検知されると違法分解された旨の警告表示を表示手段に出力する警告表示手段と
    前記違法分解検知手段により違法分解されたことが検知されると、無線端末の識別子と共に違法分解されたことを通報する電子メールを特定のメールアドレスに送信する通報メール送信手段と、
    当該電子メールを送信した後に、前記警告表示手段による警告表示を除く無線端末の機能を停止する機能停止手段とを有することを特徴とする無線端末。
  2. 筐体が分解されその後組み立てられたときに、当該分解が違法に為されたことを検知する違法分解検知手段と、違法に分解されたことが検知されると違法分解されたことを通知する違法分解通知手段とを有し、
    前記違法分解検知手段が、第1の電極と,第2の電極と,第3電極とが配置され、出荷時及び正常分解後の組み立て時には前記第1の電極と前記第3の電極とが接続されるよう設定され、分解されると前記第1の電極と前記第2の電極とが接続されるよう動作する分解検知スイッチと、本体電源投入時に前記分解検知スイッチの状態が前記第1の電極と前記第2の電極とを接続している場合に、違法に分解されたと検知する違法分解検知部とを有する違法分解検知手段であり、
    前記分解検知スイッチが、前記第1の電極と前記第3の電極とを接続する正常状態と、前記第1の電極と前記第2の電極とを接続する異常状態との間で移動して切り替わる接続端子と、前記接続端子に接続され、開いた状態で前記接続端子を前記異常状態とし、閉じた状態で前記接続端子を前記正常状態とする第1のバネと、前記異常状態から前記正常状態へ移行する過程で前記接続端子によって加圧されるが、前記正常状態となると開放されて前記接続端子をロックし、再び外部から加圧されると前記接続端子のロックを解除する板バネと、外部からの圧力で前記板バネに加圧すると共に板バネのロックが解除された前記接続端子を再びロックし、外部からの圧力がなくなると前記接続端子のロックを解除して、前記異常状態に戻すボタンと、前記ボタンが外部から加圧されると縮んだ状態となり、前記外部からの加圧がなくなると戻った状態になって前記ボタンを戻して前記ボタンによる前記接続端子のロックを解除させる第2のバネとを有し、出荷時及び正常分解後の組み立て時には、前記異常状態から前記正常状態に移行されて前記第1のバネが閉じた状態になり、前記板バネで前記接続端子をロックし、筐体が閉じられると、筐体内部の突起によって前記ボタンが押下されて前記板バネに加圧して前記接続端子の前記板バネによるロックを解除し、前記ボタンで前記接続端子を再びロックして、正常状態となるように設定され、分解して筐体が開かれると、前記筐体内部の突起から前記ボタンが開放されて外部からの圧力がなくなり、前記ボタンによる前記接続端子のロックが解除され、前記第1のバネが開いた状態となって前記異常状態に戻るように動作する分解検知スイッチであることを特徴とする無線端末。
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