JP4574808B2 - 火災感知器及び火災感知装置のノイズ除去処理方法 - Google Patents

火災感知器及び火災感知装置のノイズ除去処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光部を一定周期で発光駆動し、火災による煙に応じて変化した発光部からの光を受光部で受光して煙検出信号として検出する火災感知器及び火災感知装置のノイズ除去処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、火災による煙を検出する光電式の火災感知器にあっては、発光部を一定周期で発光駆動し、発光部からの光の火災の煙による散乱光や減衰光等を受光部で受光して電気信号に変換し、煙濃度に対応した煙検出信号、所謂煙アナログ値として検出している。
【0003】
このような火災感知器には、受信機や中継器等の上位装置からコマンドを受けて検出している煙アナログ値を送信して上位装置側で最終火災を判断するアナログタイプの火災感知器と、感知器自身で煙アナログ値が火災レベルを越えたことを検出して火災検出信号を上位装置に送出する所謂オンオフタイプの火災感知器がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来の光電式の火災感知器にあっては、電源線から入ってくるノイズや空中から飛んでくるノイズに対して、誤動作しないように対策する必要がある。最近では、携帯電話の普及の影響で高周波ノイズに対しても強くする必要が高まっている。またIEC等の国際規格でもノイズの規格が厳しくなる方向である。
【0005】
このようなノイズ対策として、従来はノイズ吸収素子を回路に加えたり、プリント基板のパターンを工夫してノイズに強くしている。また、アナログタイプの火災感知器では、マイクロプロセッサ(以下「MPU」という)を搭載しているので、検出した煙アナログ値の移動平均処理等でノイズによる変動を小さくしている。
【0006】
しかし、ノイズ規格が高周波まで広がり、その強度も高くなってきたので、ノイズ吸収素子の追加やパターンの引き回しでは対策が限界に来ている。また、MPUによる移動平均の処理では、一瞬のノイズによる変動は小さくできるものの、ある程度長い時間ノイズが続いた場合はその影響を抑えきれず、最悪誤動作してしまうという問題点がある。
【0007】
また、ノイズ対策の他の例としては回路基板等をシールドケースで覆ってしまい、電波等のノイズを遮蔽してしまうものがある(特開昭63−163698号公報)。
【0008】
この例では、図11に示すように、火災感知器100の回路基板を両面プリント基板115として、その下面に形成したシールド板としての機能を有する銅箔及び、その上部に配置した金属製のシールドケース120により回路素子116への電波等のノイズの影響を除去している。
【0009】
また、両面プリント基板115の下面に配置される発光素子108,受光素子109及びコンデンサ117は、発光部ホルダ106,受光部ホルダ107及びコンデンサ収納部114で覆われているが、特にノイズの影響を除去したい受光素子109についてだけは受光部ホルダ107内に受光素子109を覆う金属製のシールドキャップ(図示せず)を装着することで、電波等のノイズの影響を受けにくいものとしている。
【0010】
なお、図11中符号101は本体カバー、102は接続端子、103は外カバー、103aは煙流入口、104は検煙部、121は検煙部104への虫の侵入を防止する金網を示している。
【0011】
しかし、このように火災感知器を厳重にシールド部材によりシールドするにはその部品数が増加すると共に、組立工程が増すためコスト高となる恐れがある。
【0012】
本発明は、ノイズによる誤動作を防止するようにした火災感知器及び火災感知装置のノイズ除去処理方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明は次のように構成する。まず本発明は、発光部を一定周期で発光駆動する発光部と、煙に応じて変化した発光部からの光を受光する受光部と、発光部の発光によって受光部から出力される信号を煙検出信号(煙アナログ値)として検出し前回までに保持している煙検出信号を更新する煙検出部とを備えた光電式の火災感知器を対象とする。
【0014】
このような光電式の火災感知器につき本発明は、発光部を発光していない時に受光部から出力される信号をノイズ検出信号として検出するノイズ検出部と、ノイズ検出信号が所定のノイズ判定レベルを越えている場合、ノイズの影響を除去処理するノイズ除去処理部とを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、ノイズ除去処理部は、ノイズ検出信号が所定のノイズ判定レベルを越えている場合は、煙検出部で検出した煙検出信号による前回までの煙検出信号の更新を禁止することによってノイズの影響を除去処理することを特徴とする。
【0016】
このような本発明の火災感知器によれば、ノイズ検出部によって発光部のLEDが点灯しないときのアナログ値をノイズ検出信号として検出し、本来は零である値がノイズによって上昇して所定のノイズ判定レベルを超えたときに、ノイズの影響を受けていると判断する。そしてノイズの影響であると判断した場合は、そのときの煙検出信号をキャンセルし、火災を判断しないようにしてノイズの影響を除去する。
【0017】
このため受光増幅回路の動作期間に亘りノイズが継続的に加わった場合の煙検出信号により誤動作してしまうことを確実に防止できる。
【0018】
またコストの高いノイズ吸収素子を多用することなく、必要最低限のノイズ吸収素子でノイズ対策が行える。またシールド部材を完璧に設ける必要もなく、更にカットアンドトライによるパターン対策の必要が無く、あるレベルまでのパターン対策でノイズ対策できるので、対策期間を短くすることができる。
【0019】
ここで受光部は、発光部の発光を含む前後の一定期間に亘り動作する受光増幅回路を有し、ノイズ検出部は、受光増幅回路の動作期間内の発光期間以外のタイミングでノイズ検出信号を検出する。このように発光期間を含まない前後の受光増幅回路の動作期間にノイズ検出を行うことで、ノイズ検出のために受光増幅回路を別途動作する必要がない。
【0020】
本発明の火災感知器のノイズ検出部は、発光部の発光期間終了後発光の影響を受けない十分に時間が経過した後にノイズ検出信号を検出する。これにより発光部の発光後の残光の影響を防止し、正確なノイズ検出を行うことができる。
【0021】
本発明の火災感知器に設けたノイズ除去処理部は、ノイズ検出信号が所定のノイズ判定レベルを越えていない場合でも、更に過去の一定時間内にノイズ検出信号が所定のノイズ判定レベルを越えていた場合は、煙検出部で検出している煙検出信号による前回までの煙検出信号の更新を禁止する。
【0022】
これはノイズによって煙検出アナログ値は大きく変動して異常になったり正常になったりを繰り返す場合があるので、ノイズ除去処理は一定時間継続させ、即ち、途中でノイズが無くなっても一定時間ノイズなしが継続するまでは、ノイズ判定レベルを超える前の正常な煙検出アナログ値の保持を継続させる。一定時間継続してノイズ判定レベルを超えていなければ、最新の煙検出アナログ値に更新して保持し、通常動作に戻る。
【0023】
本発明の火災感知器は、更に周囲温度を検出する温度検出部を設け、ノイズ除去処理部は温度検出部の検出温度が所定レベル以上となった場合は、ノイズ除去処理を強制的に解除する。
【0024】
実火災が発生した場合、ノイズ除去処理によって火災検出が遅れる可能性がある。そこで、温度検出部を追加し、検出温度がある値以上になった場合はノイズ除去処理を強制的に解除して通常動作に戻し、ノイズがあっても有効に煙検出アナログ値を検出して更新することで、ノイズ除去処理による火災検出の遅れることを防止する。
【0025】
本発明の火災感知器は、温度検出部の今回の検出温度が別に定めたレベル以上になったときであって、前回検出した検出温度より高い場合、今回検出温度を前回検出温度に一定値を加算したものとして処理する。
【0026】
これにより、温度検出部がノイズの影響を受け、その検出温度が急激に高くなることがあり、このような場合誤って火災感知器のノイズ除去処理を解除してしまうこととなる。一般に前回の検出温度と次回の検出温度が極端に上昇することはまれであり、このようなノイズによる温度検出部の誤信号の発生を防止する必要がある。
【0027】
本発明の火災感知器によれば、このようなノイズによる急激な出力上昇があったときでも、直ちに火災感知器のノイズ除去処理を解除することなく、一旦前回検出温度に一定値を加算したものを検出温度として処理する。この温度上昇が瞬時的なノイズによるものであれば、次回以降の検出温度は、ノイズに影響されない所定レベル以下の正常な値となる。
【0028】
一方、万一この検出温度がノイズの影響がない正規の信号であれば、その後も検出温度は所定レベルを超えて増加するから、検出温度には一定値が次々加算されていき、所定レベル以上になり煙検出のノイズ除去処理を解除し、通常動作に戻す。
【0029】
本発明の火災感知器を、煙検出信号を受信機や中継器等の上位装置に送って火災を判断するアナログタイプとする場合には、更に、受信機や中継器等の上位装置からのコマンドに基づいて煙検出部に保持している煙検出信号を送出する伝送部を設ける。
【0030】
また本発明の火災感知器を、感知器自身で煙検出信号から火災を判断するオンオフタイプとする場合には、更に、煙検出部に保持している煙検出信号が所定の火災判定レベルを越えた場合に、受信機や中継器等の上位装置に火災検出信号を送出する火災信号送出部を設ける。
【0031】
また、本発明の火災感知器は、一定周期で発光する発光部と、煙に応じて変化した発光部からの光を受光する受光部と、発光部の発光時に受光部から出力される信号を煙検出信号として検出する煙検出部と、煙検出部で検出した煙検出信号が所定の火災判定レベルを越えている場合に火災と判断する火災判断部とを備えた火災感知器に於いて、発光部を発光していない時に受光部から出力される信号をノイズ検出信号として検出するノイズ検出部を備え、ノイズ検出部の検出するノイズ検出信号が所定のノイズ判定レベルを越える場合に、火災判断部による火災判断処理を禁止、または火災判断部からの火災出力を禁止させるようにしたことを特徴とする。
【0032】
更に本発明は、火災感知装置のノイズ除去処理方法を提供するものであり、火災による煙に応じて変化した発光部からの光を受光する受光部から出力される信号を煙検出信号として検出し、発光部を発光していないときに受光部から出力される信号をノイズ検出信号として検出し、ノイズ検出信号が所定のノイズ判定レベルを超えている場合、ノイズの影響を除去する処理を行うことを特徴とするものである。
【0033】
また、本発明の火災感知装置のノイズ除去処理方法は、火災による煙に応じて変化した発光部からの光を受光する受光部から出力される信号を煙検出信号として検出して前回までに保持している煙検出信号を更新し、発光部を発光していない期間に受光部から出力される信号をノイズ検出信号として検出し、ノイズ検出信号が所定のノイズ判定レベルを越えている場合は、現在検出している煙検出信号による前回までの煙検出信号の更新を禁止することによってノイズの影響を除去処理することを特徴とする。
【0034】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明によるノイズ除去処理の機能を備えたアナログ火災感知器のブロック図である。
【0035】
図1において、防災受信盤1から引き出された伝送路2に対しては、本発明のノイズ除去処理の機能を備えたアナログ火災感知器3Aが接続されている。アナログ火災感知器3Aは、防災受信盤1からの伝送路2に対し1または複数接続されるが、説明を簡単にするため1台の接続を例にとっている。
【0036】
アナログ火災感知器3Aには、制御部となるMPU4、伝送回路5、不揮発性メモリとなるEEPROM6、発光部7及び受光部10が設けられる。発光部7はLED発光回路8と発光素子としての赤外LED9を備える。また受光部10は、受光素子としてのフォトダイオードPD11、受光回路12、受光増幅回路13、更にMPU4からの制御でオンして受光増幅回路13に電源を供給して動作状態とするスイッチ15が設けられる。
【0037】
MPU4にはAD変換器14が設けられ、この実施形態では受光増幅回路13から得られた受光信号を所定のタイミングでサンプリングして取り込んでいる。
またMPU4には、煙検出部16、ノイズ検出部17、ノイズ除去処理部18及び火災判断部19としての機能が設けられる。
【0038】
EEPROM6には、固有のアドレスデータ、火災判定レベルデータ、ノイズ判定レベルデータ等の情報が記憶されている。
【0039】
防災受信盤1は、伝送路2を介して接続した複数のアナログ火災感知器3Aで検出している煙検出アナログ値をポーリングにより収集して最終の火災判断をしている。防災受信盤1に対しては例えば127台のアナログ火災感知器3Aを接続することができ、各アナログ火災感知器3Aにはポーリングのためのアドレス1〜127が割り当てられる。
【0040】
防災受信盤1は一定の周期、例えば3秒ごとに各アナログ火災感知器3Aに対して一斉に煙検出アナログ値の検出動作を行わせるためのサンプリングコマンド(AD変換命令)を送出する。続いて防災受信盤1は、最大127個のアナログ火災感知器3Aに対し、そのアドレスを順番に指定したポーリングコマンドを送出する。
【0041】
防災受信盤1から3秒周期ごとのサンプリングコマンドを受信したアナログ火災感知器3Aは、発光部7の発光駆動と受光部10の受光動作によってサンプリングコマンド受信時の煙検出アナログ値を取得するためのMPU4の検出動作を行う
【0042】
即ちMPU4は、伝送回路5を介して防災受信盤1からサンプリングコマンドを受信すると、まず受光部10のスイッチ15をオンして受光増幅回路13を動作状態とし、この状態でLED発光回路8に制御パルスを出力して赤外LED9の発光動作を行わせる。
【0043】
一般に使用される散乱光式の煙感知器にあっては、赤外LED9とフォトダイオードPD11が検煙部内に所定角度を持って配置されている。煙が感知器本体の検煙部に流入すると赤外LED9から発光された光は煙で散乱され、フォトダイオードPD11で受光されて電気信号に変換され受光回路12から受光増幅回路13で増幅された後にAD変換器14に入力している。MPU4は、発光タイミングに同期してAD変換器14の変換動作を行い、そのときの煙検出アナログ値を取得してMPU4のもつメモリ20上に記憶する。
【0044】
この防災受信盤1からのサンプリングコマンドに基づく煙検出アナログ値の検出は、MPU4に設けている煙検出部16の機能として行われる。即ち煙検出部16は、発光部7をサンプリングコマンドの受信に基づいて発光駆動し、このとき受光部10より得られる信号をAD変換器14でディジタルデータに変換して煙検出アナログ値として読み込んでメモリ20に保存する。
【0045】
このとき前回のサンプリングコマンドで検出された煙検出アナログ値が既にメモリ20に保存されていることから、新たに検出した煙検出アナログ値の上書きによる更新を行うことで、常に最新の煙検出アナログ値をメモリ20に記録保持している。
【0046】
図2は、図1の煙検出部16による煙検出アナログ値をAD変換して取り込む際の受光部10の受光増幅回路13の動作、赤外LED9の発光タイミング、更にAD変換器14の取込タイミングのタイムチャートである。
【0047】
防災受信盤1からサンプリングコマンドを受信すると、図2(A)のように、MPU4は約5msの間、スイッチ15をオンして電源を供給することで、受光部10の受光増幅回路13が動作状態となる。この受光増幅回路13の動作が十分安定したタイミングで、図2(B)のように赤外LED9の発光駆動が約100μsに亘り行われる。
【0048】
この発光期間の後半の50μsのタイミングで、図2(C)のように受光増幅回路13から得られた受光信号のAD変換器14による煙検出アナログ値の取込みが行われる。
【0049】
図1のMPU4に設けているノイズ検出部17は、赤外LED9の発光期間以外の受光増幅回路13の動作状態のタイミングで、受光増幅回路13からの出力信号をAD変換器14で取り込み、ノイズ検出アナログ値を取得する。即ち図2(C)のように、図2(A)の受光増幅回路13が5msに亘り動作状態にある間で且つ図2(B)の赤外LED9の発光タイミングとなる100μsを十分に外れた赤外LED9の発光の影響を受けない十分に時間が経過した後、例えば発光終了から500μs経過したタイミングで、50μsに亘りノイズ検出アナログ値のAD変換器14による取込みを行っている。
【0050】
図1のMPU4に設けたノイズ除去処理部18は、煙検出部16による煙検出アナログ値の取込み及びノイズ検出部17によるノイズ検出アナログ値の取込みが済んだ時点で、ノイズ検出アナログ値が予め定めたノイズ判定レベルを越えている場合に、煙検出部16で検出している煙検出アナログ信号による前回までの煙検出アナログ値の更新を行わないことによって、ノイズ判定レベルを越える大きなノイズが得られたときのノイズの影響を除去している。
【0051】
もちろん、ノイズ除去処理部18は、ノイズ検出アナログ値が所定のノイズ判定レベルより小さければ、煙検出部16で検出する最新の煙検出アナログ値により、メモリ20に記憶している前回までの煙検出アナログ値に対する上書きで更新することになる。
【0052】
図3は、図1のアナログ火災感知器3Aにおける煙検出処理とノイズ除去処理のフローチャートである。図3の処理は、防災受信盤1からのサンプリングコマンドの受信で行われ、ステップS1で検出値のAD変換を行う。即ち、図2(C)に示したように、防災受信盤1からのサンプリングコマンドに同期した受光増幅回路13の動作中における赤外LED9の発光タイミングで最初のAD変換を行い、続いて500μs経過した後の赤外LED9が発光していないが受光増幅回路13が動作状態にあるタイミングでAD変換を行う。
【0053】
これによって、ステップS2のように発光時のAD変換による煙検出アナログ値と、発光が停止している状態でのAD変換によるノイズ検出アナログ値の取得が行われる。
【0054】
ここでAD変換により得られるディジタルデータとしての各アナログ値は、AD変換器14の最大出力を10進で「255」とした場合、煙がない場合の煙検出アナログ値は例えば「60」であるが、感知器の検煙部に煙が流入するとアナログ値は上昇し、例えば煙検出アナログ値が「150」に設定した火災判定レベルを越えると火災判断部19は火災を判断する。尚、この煙検出アナログ値に基づく最終的な火災判断は、図1の実施形態にあっては防災受信盤1側で行われる。
【0055】
ステップS2で煙検出アナログ値とノイズ検出アナログ値が取得できたならば、以下のステップS3〜S7において、図1のノイズ除去処理部18によるノイズ除去処理を行う。このノイズ除去処理は、AD変換により取得したノイズ検出アナログ値を予め定めたノイズ判定レベルと比較する。
【0056】
この比較によりステップS4でノイズ判定レベルをノイズ検出アナログ値が越えていなければ、煙検出アナログ値におけるノイズの影響はないものと判断して、ステップS5に進み、過去一定時間内にノイズ検出アナログ値がノイズ判定レベルを越えているか否かチェックする。
【0057】
この過去のノイズの影響はノイズ判定レベルを超えるノイズ検出アナログ値が存在するか否かを判定する一定時間としては、例えばサンプリングコマンドが3秒周期であったとすると、15回分のサンプリングに対応した一定時間となる15回×3秒=45秒を設定し、過去45秒以内即ち過去15回分のAD変換の間にノイズ検出アナログ値がノイズ判定レベルを越えているか否かチェックする。
【0058】
過去一定時間内にノイズ検出アナログ値がノイズ判定レベルを越えていない場合には、煙検出アナログ値に影響を及ぼすようなノイズがないものと判断し、ステップS6で前回までの煙検出アナログ値を新たに検出した煙検出アナログ値で更新し、メモリ20のデータを最新の煙検出アナログ値とする。
【0059】
このメモリ20上で更新された最新の煙検出アナログ値は、防災受信盤1からの3秒周期のサンプリングコマンドに続くアナログ火災感知器3Aのアドレス1〜127を指定したポーリングコマンドを受信し、自己のアドレス一致が得られたときに、メモリ20から読み出してポーリングコマンドに対する応答データとして最新の煙検出アナログ値が防災受信盤1に送出される。
【0060】
一方、図3のステップS4でノイズ検出アナログ値が所定のノイズ判定レベルを超えていた場合には、ステップS7に進み、メモリ20上に保存しているそれまでの煙検出アナログ値を更新せずに前回までの煙検出アナログ値を保持する。
【0061】
具体的には、ノイズなしの状態で赤外LED9が発光していないときにAD変換で取り込んだノイズ検出アナログ値は「0」である。そこでステップS4のノイズ判定レベルとして例えば「20」を設定し、このノイズ判定レベル「20」をノイズ検出アナログ値が越えたときに、ステップS7に進み、ノイズが混入している最新の煙検出アナログ値による前回までの煙検出アナログ値の更新を禁止し、結果として前回までの値を保持する。
【0062】
このようなノイズ除去処理を行うことで、ノイズの影響により火災判定レベルを越えるような煙検出アナログ値が検出されたとしても、誤った火災判断は行われない。具体的には、例えばメモリ20に保存してある前回の煙検出アナログ値が「60」、今回の処理による煙検出アナログ値が「160」、今回の処理によるノイズ検出アナログ値が「100」であったとすると、ノイズ検出アナログ値は「100」でノイズ判定レベル「20」を越えていることから、メモリ20の煙検出アナログ値は[160」に更新されず、「60」のままで保持される。
【0063】
したがって、煙検出アナログ値は「60」のままであり、火災判定レベル「150」を越えないことから、火災とは判断されない。本発明のノイズ除去処理を行わなければ、メモリ20の煙検出アナログ値は「160」に更新されるため、火災判定レベル「150」を越えることになり誤った火災判断をすることになる。
【0064】
また図3のステップS5で過去一定時間内にノイズ検出アナログ値がノイズ判定レベルを越していた場合には、煙検出アナログ値に影響を及すようなノイズが存在する可能性があると判断し、ステップS7に進み、メモリ20に保存しているそれまでの煙検出アナログ値を更新せず、前回までの煙検出アナログ値をそのまま保持する。
【0065】
そして、次の防災受信盤1からのサンプリングコマンドに続くポーリングコマンドでアドレス一致が得られると、前回の煙検出アナログ値をポーリングの応答データとして防災受信盤1に送出するようになる。
【0066】
図4は、図1のアナログ火災感知器3Aの具体的な実施形態のブロック図である。図4において、アナログ火災感知器3Aは、感知器ベース30aと感知器本体30bで構成される。感知器本体30bには、ベース側からの接続極性を無極性化するための整流回路22、ノイズ吸収回路23、伝送信号検出回路24、応答信号出力回路25が設けられる。
【0067】
伝送信号検出回路24と応答信号出力回路25が図1の伝送回路5を構成している。また伝送信号検出回路24は防災受信盤1からの電圧モードによるサンプリングコマンドやポーリングコマンドの呼出信号を検出してMPU4に供給する。
【0068】
MPU4に対し接続した不揮発性メモリとしてのEEPROM6には、アドレス、火災判定レベル、ノイズ判定レベル等の情報が設定されている。MPU4はサンプリングコマンドを受信すると、図3に示したノイズ除去処理を伴う煙検出アナログ値の検出動作を行う。またポーリングコマンドを受けると、メモリ20に保存している煙検出アナログ値のディジタルデータを読み出して防災受信盤1にポーリングの応答データとして返送する。
【0069】
煙検出動作は、LED発光回路8、赤外LED9、図1に示したフォトダイオードPD11を内蔵した受光回路12、及び受光信号を増幅してMPU4に供給する受光増幅回路13及びスイッチ15で行われる。更に、試験動作のためにテストLED27も設けられている。
【0070】
MPU4は、防災受信盤1からデータのサンプリングコマンドを受信すると、端末アドレスで決まる各アナログ火災感知器に固有な待ち時間Twの経過時点でまずスイッチ15をオンして受光増幅回路13を動作状態とし、この状態で赤外LED9を発光駆動し、受光回路12及び受光増幅回路13を介して得られた煙検出信号をAD変換によるディジタル検出データに変換してメモリ20に記憶する。赤外LED9と受光回路12による煙検出方式は、通常、散乱光式で行われる。
【0071】
MPU4のメモリ20に保存されている煙検出アナログ値は、防災受信盤1からのアドレス指定によるポーリングコマンドを受信した際に、防災受信盤1側に送出するようになる。
【0072】
更にMPU4は、防災受信盤1からのサンプリングコマンドで煙検出アナログ値を取得した際に、このアナログ値を所定の火災判定レベルと比較して火災と判断した場合には直ちに割込信号を防災受信盤1側に送出し、火災を検出しているアナログ火災感知器の検索動作を防災受信盤1側から行わせ、火災を判断しているアナログ火災感知器を特定し、通常のポーリング処理によらず速やかに火災感知器における火災判断結果がアナログ火災感知器から防災受信盤1に送出できるようにしている。
【0073】
ここでMPU4による煙検出アナログ信号は応答信号出力回路25に与えられ、電流モードで防災受信盤1に対し信号送出を行う。更に、MPU4以降は定電圧回路26からの定電圧供給を受けて動作する。更に感知器ベース30aには発報表示灯回路21が設けられ、火災検出時に外部に露出している発報表示灯を点灯する。
【0074】
図5は、図4のアナログ火災感知器における処理動作のフローチャートである。まず電源を投入すると、ステップS1で所定の初期設定が行われ、ステップS2で防災受信盤1からの信号受信の有無をチェックしている。防災受信盤1からの信号を受信するとステップS3に進み、受信信号がサンプリングコマンドか否かチェックする。
【0075】
サンプリングコマンドでなかった場合にはステップS4に進み、コマンドに含まれている呼出アドレスと感知器自身の自己アドレスとの一致をチェックし、アドレス一致が得られればステップS5に進み、制御コマンドか否かチェックする。
【0076】
このときコマンドが通常のポーリングコマンドであった場合には、そのときメモリ20に保持している最新の煙検出アナログ値を返送するため、ステップS7に進み、メモリ20に記憶している煙検出アナログ値のデータを読み出して防災受信盤1に送信する応答送信を行う。
【0077】
一方、感知器試験等の制御コマンドであった場合にはステップS6に進み、指定された感知器試験等の制御を実行する。
【0078】
またステップS3でサンプリングコマンドの受信が判別された場合には、ステップS8に進み、感知器に設定したアドレスに応じた待ち時間Twを設定し、ステップS9で待ち時間Twの経過を待つ。
【0079】
ステップS9で待ち時間Twが経過すると、ステップS10に進み、発光駆動とAD変換による取込み等の処理を行う。このステップS10の処理が、図3に示した本発明による煙検出アナログ値とノイズ検出アナログ値の取込みとこのときのノイズ除去処理の内容となる。
【0080】
ここでステップS9におけるアドレスによる待ち時間Twの設定は、図1の防災受信盤1に伝送路を介して複数のアナログ火災感知器3Aを接続している場合、サンプリングコマンドの受信で全ての感知器で一斉に発光駆動を行うと線路電流が大きくなり過ぎ、防災受信盤1の電源容量が大きくなることから、これを回避するため各アナログ火災感知器3Aに異なる待ち時間Twを設定して順番に発光駆動によるサンプリングを行うようにするための処理である
【0081】
ステップS10で本発明のノイズ除去処理を伴う煙検出アナログ値のサンプリングが済むと、ステップS11でメモリ20に記憶された煙検出アナログ値とEEPROM6に記憶された所定の火災判定レベルを比較し、火災か否か判断する。火災であった場合には、ステップS12に進み、防災受信盤1に対し割込送信を行う。
【0082】
この割込送信に対し防災受信盤1側では、火災検出を行った感知器を検索する検索処理が行われ、火災検出を行った割込送信元の火災感知器を特定し、通常のポーリングによらず火災検出で割込みを行っている火災感知器に対し、これを特定して直ちに最新の煙検出アナログ値を返送させる火災割込処理を行うことになる。
【0083】
ステップS11で火災でなかった場合には、ステップS13に進み、そのとき検出している煙検出アナログ値が所定の断線判定領域にあるか否かチェックして断線の有無を判断する。もし断線であればステップS14に進み、障害データを得るポーリングコマンドに対し応答データとして障害ビットをデータフォーマットにセットして返送するようになる。
【0084】
図6は、本発明によるノイズ除去処理を備えたアナログ火災感知器の他の実施形態であり、この実施形態にあっては検出温度が所定温度レベル以上であった場合に、ノイズ除去処理を強制的に解除するようにしたことを特徴とする。
【0085】
図6において、防災受信盤1からの伝送路2に対し接続されたアナログ火災感知器3Aは、基本的に図1の実施形態と同じであるが、MPU4に対し更に熱検出回路40を新たに設けている。
【0086】
熱検出回路40は、例えば感知器本体の外部にサーミスタ等の温度検出素子を設けており、火災による熱気流を受けた際の温度を検出することができる。なお、温度検出素子は感知器内部に配置してもよい。また、回路中に設けたダイオードの温度特性を利用して感知器内の温度を検出することもできる。熱検出回路40からの温度検出値はAD変換器14により取り込まれ、ノイズ除去処理部18は熱検出回路40による検出温度が予め定めた所定温度レベル以上であった場合には実火災の可能性が高いと判断し、この場合にはノイズ除去処理を強制的に解除するようにしている。
【0087】
このため周囲温度が予め定めた所定温度レベルを越えている状態では、ノイズ検出部17で検出されたノイズ検出アナログ値が所定のノイズ判定レベルを越えていても、煙検出部16で検出された最新の煙検出アナログ値によりメモリ20の前回の値を更新し、これによってノイズ除去処理に妨げられることなく最新の煙検出アナログ値を防災受信盤1側に送出することができると共に、最新の煙検出アナログ値により火災判断を行うことができる。
【0088】
図7は、図6のアナログ火災感知器における煙検出アナログ値及びノイズ除去処理のフローチャートである。
【0089】
図7において、ステップS1のAD変換にあっては、受光部10に設けている受光増幅回路13から得られる赤外LED発光時のAD変換による煙検出アナログ値と発光時以外の消灯タイミングでのノイズ検出アナログ値の取込みに加え、熱検出回路40からの温度データの取込みを行う。
【0090】
したがって、ステップS2にあっては、煙検出アナログ値、ノイズ検出アナログ値及び温度データの3つの検出値が取得される。次にステップS3で温度データとEEPROM6に予め設定している温度レベルを比較し、ステップS4で所定温度レベルを温度データが超えている場合には、ステップS5,S6,S7のノイズ除去処理をスキップしてステップS8に進み、前回までの煙検出アナログ値を最新の煙検出アナログ値に更新するようになる。
【0091】
もちろん、ステップS4で温度データが所定の温度レベルを越えていない場合には、ステップS5でノイズ判定レベルとノイズ検出アナログ値を比較し、ステップS6でノイズ判定レベルを越えていれば、ステップS9で煙検出アナログ値を更新せずに前回までの値をそのまま保持する。
【0092】
一方、ノイズ判定レベルを越えていなければステップS7に進み、過去一定時間内にノイズ判定レベルを越えていなければステップS8で前回までの煙検出アナログ値を最新の煙検出アナログ値に更新し、過去一定時間内にノイズ判定レベルを超えていればステップS9でノイズ除去処理のため煙検出アナログ値の更新をせずに前回までの値をそのまま保持するようになる。
【0093】
このような火災感知器において、熱検出回路40の今回の検出温度が所定レベル以上になったときであって、前回検出した検出温度より高い場合、今回検出温度を前回検出温度に一定値を加算したものとして処理することが、熱検出回路40のノイズによる誤動作を防止するために有効である。
【0094】
即ち、熱検出回路40がノイズの影響を受け、その検出温度が急激に高くなることがあり、このような場合誤って火災感知器のノイズ除去処理を解除してしまうことになる。一般に前回の検出温度と次回の検出温度が極端に上昇することはまれであり、このようなノイズによる熱検出回路40の誤信号の発生を防止する。
【0095】
本例による火災感知器によれば、図8に示すように、前記ノイズ除去処理を解除する所定の温度レベル(例えば60℃)のほかにもう一つの所定レベル(例えば50℃)を定めておく。そして、温度検出回路からノイズによる急激な出力上昇があったときには、直ちに火災感知器のノイズ除去処理を解除することなく、一旦前回検出温度に一定値ΔT(例えばΔT=0.5℃)を加算したものを今回の検出温度として処理する。
【0096】
図8に示すように、熱検出回路40が時刻t0まで周囲温度を25℃として検出していた場合、時刻t1において55℃を検出した場合、本例では検出温度を55℃ではなく、25℃+0.5℃=25.5℃として出力する。従って直ちに火災感知器の煙検出におけるノイズ除去処理が解除されることはない。
【0097】
この温度上昇がノイズによるものであれば、次回以降の検出温度は、ノイズに影響されない所定レベル以下の正常な値となる。
【0098】
一方、万一この検出温度がノイズの影響がない正規の信号であれば、その後t2.t3・・・と温度が上昇していき、いずれも検出温度は所定レベルを超えて増加するから、検出温度は0.5℃が次々加算されていき、時刻txにおいてノイズ除去処理を解除する所定の温度レベルである60℃を越え、火災感知器は煙検出のノイズ除去処理を解除し、通常動作に戻す。
【0099】
図9は、本発明によるノイズ除去処理を備えたオンオフ型火災感知器のブロック図である。
【0100】
図9において、防災受信盤1から引き出された信号線2Aに対してはオンオフ型火災感知器3Bが接続される。オンオフ型火災感知器3Bは、図1のアナログ火災感知器3Aの伝送回路5に代えて火災信号送出回路21を設けている。火災信号送出回路21は、MPU4の火災判断部19で火災を判断した場合に防災受信盤1に対し火災信号を送出する。
【0101】
オンオフ型火災感知器3Bの火災信号送出回路21に続いては、MPU4、不揮発性メモリとしてのEEPROM6、発光部7、受光部10が設けられる。発光部7はLED発光回路8と赤外LED9で構成される。また受光部10は受光素子としてのフォトダイオードPD11、受光回路12、受光増幅回路13、スイッチ15で構成される。
【0102】
MPU4には、煙検出部16、ノイズ検出部17、ノイズ除去処理部18、火災判断部19、更にAD変換器14が設けられている。したがって、火災信号送出回路21以外の感知器構成は基本的には図1のアナログ火災感知器3Aと同じになる。オンオフ型火災感知器3BにおいてMPU4の制御機能が異なる点は、感知器自身で一定のサンプリング周期、例えば3秒ごとに発光部7を発光駆動して受光部10からの信号取込みにより煙検出アナログ値を取得し、この煙検出アナログ値を予め定めた火災判定レベルと比較して火災の有無を判断している点である。
【0103】
これ以外のノイズ検出部17及びノイズ除去処理部18による処理は、アナログ火災感知器3Aの場合と基本的に同じである。
【0104】
このためオンオフ型火災感知器3Bにあっても、MPU4で発光部7を発光駆動するサンプリングタイミングにあっては、図2に示した受光増幅回路13の動作、赤外LED9の発光タイミングによる発光、更にAD変換器14による取込みが行われ、図3のフローチャートに従った煙検出アナログ値とノイズ検出アナログ値の取得、及びノイズ検出アナログ値とノイズ判定レベルの比較によるノイズ除去処理が同様に行われることになる。
【0105】
図10は、ノイズ除去処理を備えた本発明のオンオフ型火災感知器の他の実施形態であり、この実施形態にあっては、検出温度が所定温度レベル以上てあった場合にはノイズ除去処理を強制的に解除するようにしたことを特徴とする。
【0106】
このため図10のオンオフ型火災感知器3BのMPU4に対しては新たに熱検出回路40が設けられ、火災による熱気流を受けたときの周囲温度を熱検出回路40で検出してAD変換器14で取り込む。MPU4のノイズ除去処理部18は、温度データが所定の温度レベルを越えていた場合にはノイズ除去処理の動作を強制的に解除し、ノイズ検出アナログ値がノイズ判定レベルを超えていても、ノイズ除去処理を行うことなく最新の煙検出アナログ値を使用した火災判定レベルとの比較による火災判断を感知器自身で行うようにしている。
【0107】
この図10の煙検出処理及びノイズ除去処理は、図7のアナログ火災感知器のフローチャートの場合と基本的に同じになる。
【0108】
尚、上記の実施形態にあっては、ノイズ検出アナログ値が、所定のノイズ判定レベルを越える場合に、今回の煙検出アナログ値による更新を禁止し、前回の煙検出アナログ値をそのまま保持するようにしているが、本発明の本質は、ノイズ検出アナログ値が、所定のノイズ判定レベルを越える際にはノイズの影響を除去する処理を行い、ノイズを含んでいる可能性のある煙検出アナログ値による火災判断を防止できれば良いものである。
【0109】
したがって、例えばノイズ検出アナログ値が、所定のノイズ判定レベルを越える場合に、火災判断部による火災判断処理を禁止させたり、火災判断部からの火災出力を禁止させたりするようなものであっても良いものである。
【0110】
また、上記の実施形態は、アナログ火災感知器3A及びオンオフ型火災感知器3Bの発光部7と受光部10の光電式煙検出方式として、発光部の光軸に対し角度をずらして受光部を配置し煙による発光部からの光の散乱光を受光する散乱光式を例にとるものであったが、これ以外の光電式煙検出方式として、発光部からの光の火災による煙の減衰を検出する減光式検出方式や、煙流入空間を介して配置した反射板に対し発光部から光を照射しその反射光を受光部で受光して煙を検出する反射式煙検出方式等の適宜の方式を対象とすることができる。
【0111】
また上記のアナログ火災感知器3Aの実施形態にあっては、感知器側でノイズ除去処理を行う場合を例にとるものであったが、防災受信盤1側でノイズ除去処理を行うようにしてもよい。この場合は、少なくともノイズ検出アナログ値を防災受信盤へ送信することになる。
【0112】
更に上記の実施形態は防災受信盤1に対しアナログ火災感知器またはオンオフ火災感知器を接続した設備構成を例にとるものであったが、集中監視装置としての防災受信盤に対し中継盤を複数接続し、各中継盤ごとに引き出された伝送路に図1のように複数のアナログ火災感知器もしくはオンオフ火災感知器を接続する設備構成についても全く同様に適用できる。
【0113】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明によれば、煙検出アナログ値以外に、ノイズレベルのみを検出して判断し、ノイズレベルが大きい場合にはそのときの煙検出アナログ値を使用せずにノイズが発生する以前の煙検出アナログ値を使用するようにしたため、瞬時的なノイズではなくある程度長い時間続くようなノイズに対しても火災判断の誤動作を確実に防止することができる。
【0114】
またノイズの影響を断続的に受けている場合にあっても、一定時間継続してノイズがない状態が続かない限りノイズ除去処理を続けるため、断続的なノイズであっても、安定してノイズ除去処理を行って火災判断の誤動作を確実に防止できる。
【0115】
更に本発明のノイズ除去処理はMPUによるソフト的な処理であるため、コストの高いノイズ吸収素子等の回路素子を対応する必要がなく、現在実用化されている最低限のノイズ吸収素子を使用するだけでノイズ対策ができる。
【0116】
また、従来よりノイズ対策はカットアンドトライで対策する場合が多かったが、本発明のソフトウェアによるノイズ除去処理によって、あるレベルまでのノイズ対策が対応でき、実際にノイズによる誤動作が起きたときの対策を迅速に行うことができる。
【0117】
更にまた、周囲温度を検出して所定温度レベル以上の場合には、ノイズ除去処理を強制的に解除することでノイズ除去処理よりも実火災における火災検出を優先させることができ、ノイズ除去処理によって実火災時の火災検出が遅れてしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるノイズ除去処理を備えたアナログ火災感知器のブロック図
【図2】図1の受光増幅回路、赤外LED、AD変換器取込みタイミングのタイムチャート
【図3】図2のMPUによる煙検出処理とノイズ除去処理のフローチャート
【図4】図1のアナログ火災感知器の具体的な実施形態の回路図
【図5】図4のアナログ火災感知器の処理動作を示したフローチャート
【図6】本発明によるアナログ火災感知器の他の実施形態のブロック図
【図7】図6のMPUによる煙検出処理とノイズ除去処理のフローチャート
【図8】図6のアナログ火災感知器の温度検出値のノイズ除去を説明するグラフ
【図9】本発明によるノイズ除去処理を備えたオンオフ火災感知器のブロック図
【図10】本発明によるオンオフ火災感知器の他の実施形態のブロック図
【図11】従来の火災感知器のノイズ対策を示す火災感知器の断面図
【符号の説明】
1:防災受信盤
2:伝送路
3A:アナログ火災感知器
3B:オンオフ火災感知器
4:MPU
5:伝送回路
6:EEPROM(不揮発メモリ)
7:発光部
8:LED発光回路
9:赤外LED(発光素子)
10:受光部
11:フォトダイオード(受光素子)
12:受光回路
13:受光増幅回路
14:AD変換器
15:スイッチ
16:煙検出部
17:ノイズ検出部
18:ノイズ除去処理部
19:火災判断部
20:メモリ
21:火災信号送出回路
40:熱検出回路

Claims (6)

  1. 一定周期で発光駆動する発光部と、煙に応じて変化した前記発光部からの光を受光する受光部と、前記発光部の発光によって前記受光部から出力される信号を煙検出信号として検出し前回までに保持している煙検出信号を更新する煙検出部とを備えた火災感知器に於いて、
    前記発光部を発光していない時に前記受光部から出力される信号をノイズ検出信号として検出するノイズ検出部と、
    前記ノイズ検出信号が所定のノイズ判定レベルを越えている場合、前記煙検出部の、煙検出信号の更新を禁止するノイズ除去処理を実施するノイズ除去処理部と
    を備えたことを特徴とする火災感知器。
  2. 請求項1に記載の火災感知器に於いて、前記ノイズ除去処理部は、前記ノイズ検出信号が前記所定のノイズ判定レベルを越えていない場合でも、過去の一定時間内に前記ノイズ検出信号が前記所定のノイズ判定レベルを越えていた場合は、前記ノイズ除去処理を実施することを特徴とする火災感知器。
  3. 請求項1又は2に記載の火災感知器に於いて、更に、周囲温度を検出する温度検出部を設け、前記ノイズ除去処理部は前記温度検出部の検出温度が所定レベル以上となった場合はノイズ除去処理を強制的に解除することを特徴とする火災感知器。
  4. 請求項3に記載の火災感知器に於いて、前記温度検出部の今回の検出温度が別に定めたレベル以上になったときであって、前回検出した検出温度より高い場合、今回検出温度を前回検出温度に一定値を加算したものとして処理することを特徴とする火災感知器。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の火災感知に於いて、更に、受信機や中継器等の上位装置からのコマンドに基づいて前記ノイズ検出信号を送出する伝送部を設けたことを特徴とする火災感知器。
  6. 発光部を一定周期で発光駆動して火災による煙に応じて変化した前記発光部からの光を受光部で受光し、
    前記発光部の発光によって前記受光部から出力される信号を煙検出信号として検出して前回までに保持している煙検出信号を更新し、
    前記発光部を発光していない時に前記受光部から出力される信号をノイズ検出信号として検出し、
    前記ノイズ検出信号が所定のノイズ判定レベルを越えている場合は、現在検出している煙検出信号による前回までの煙検出信号の更新を禁止してノイズの影響を除去処理することを特徴とする火災感知装置のノイズ除去処理方法。
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