JP4573282B2 - エピタキシャルシリコンウェーハの製造方法 - Google Patents

エピタキシャルシリコンウェーハの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体用の高集積度デバイスに使用されるエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法に関し、さらに詳しくは、窒素ドープされたシリコン単結晶から得られたウェーハにエピタキシャル層を成長させる際に、エピタキシャル層中に発生する積層欠陥や転位等の欠陥(以下、「エピタキシャル欠陥」という)の発生が少ないエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来から、高集積度デバイスの基板として用いられるシリコンウェーハは、チョクラルスキー法(以下、「CZ法」という)によって育成されたシリコン単結晶から加工される。CZ法は、内側の石英製容器と外側の黒鉛製容器とから構成される坩堝の内部に充填したシリコン多結晶をヒーターで加熱溶融した後、この融液の表面に種結晶を浸し、これを回転させつつ成長させ、上方に引き上げることによって単結晶を育成させる方法である。
【0003】
CZ法で育成されたシリコンウェーハには、結晶育成中に過剰に導入された点欠陥(空孔)が凝集して生じる微小空洞欠陥が含まれている。この空洞欠陥は、研磨によってウェーハ表面に露出すると、微小なピットとなる。ウェーハ表面に露出されたピットは、レーザーパーティクルカウンターによって微小欠陥として検出され、Crystal Originated Particle(以下、「COP」という)と呼ばれる。
【0004】
このCOPはデバイスの歩留まりを低下させることから、ウェーハのCOP密度(単位面積当たりのCOP個数)を低減させる必要がある。また、ウェーハ表面に露出していない微小空洞欠陥であっても、ウェーハ表面近傍のデバイス活性領域中に存在すれば、デバイスの特性を劣化させる。このため、高集積度デバイスとして用いられるシリコンウェーハウェーハでは、表面で検出されるCOPだけでなく、ウェーハ表面近傍のデバイス活性領域に存在する微小空洞欠陥の密度も低減させる必要がある。
【0005】
CZ法によるシリコン単結晶の育成時には、微小空洞欠陥が形成される温度領域(1100℃前後)が存在することが認識されている。このため、ウェーハ中の形成される空洞欠陥を低減するため、この温度領域を徐冷する方法が行われている。しかし、この徐冷方法を採用すると、単位体積当たりの欠陥個数を減少させることができるが、個別の空洞欠陥のサイズが肥大化することになる。最近のように、デバイスの高集積化の進展に伴ってパターンサイズの微細化が促進されると、COPや微小空洞欠陥のサイズが無視できなくなり、表面およびデバイス活性領域に、COPや微小空洞欠陥が存在しないウェーハが要請されることになる。
【0006】
このような要請から、最先端のデバイス用基板として、COPや微小空洞欠陥が殆ど存在することがないエピタキシャル層をウェーハ上に成長させたエピタキシャルウェーハが開発され、高集積化デバイスに多く用いられるようになっている。しかし、欠陥が少なく結晶の完全性が高いエピタキシャルウェーハを用いるとしても、その後のデバイス工程におけるエピタキシャル層の金属不純物による汚染によって、デバイス特性が悪化することになる。
【0007】
このような金属系元素の不純物による汚染は、デバイスの集積が高密度化するほどプロセスも複雑になって、その機会が増加し影響も大きくなってくる。金属汚染の排除は、基本的にはプロセス環境および使用材料のクリーン化にあるが、デバイスプロセスにおいて金属汚染を完全になくすことは困難であり、その対処手段としてゲッタリング技術の開発が重要になる。このゲッタリング技術は、汚染により侵入してきた不純物元素をデバイス活性領域外の場所(シンク)に捕獲し、デバイス活性領域で無害化する手段である。
【0008】
ゲッタリング技術としては、デバイスプロセスの熱処理中に自然に誘起される酸素起因の酸素析出物を利用して不純物元素を捕獲する、イントリンシックゲッタリング(intrinsic gettering、以下、単に「IG」とする)と呼ばれるものがある。しかし、エピタキシャル工程で1050℃〜1200℃の高温熱処理がウェーハに施されると、シリコン単結晶から切り出されたウェーハに内在する酸素析出核が縮小、消滅し、その後のデバイスプロセスにおいて、ウェーハ内にゲッタリング源となる酸素析出物を充分に誘起することが困難になる。このため、このゲッタリング技術を適用しても、プロセス全体にわたって金属不純物に対して充分なIG効果を望めないという問題が生じる。
【0009】
従来から、このような問題を解決するため、CZ法によって単結晶を育成する際に窒素をドープし、エピタキシャル工程で施される高温熱処理によっても消失し難い酸素析出核をウェーハ内部に形成するシリコン単結晶の製造方法が提案されている(例えば、特開平11−189493号公報および特開2000−44389号公報等参照)。すなわち、提案された製造方法によれば、CZ法によって窒素をドープして育成することによって、結晶中の酸素析出核の熱的安定性を増加させ、エピタキシャル工程によっても酸素析出核が縮小、消滅しないシリコンウェーハの作り込みが可能になる。
【0010】
ウェーハ表面上に形成されるエピタキシャル層には全く欠陥が存在しないのではなく、エピタキシャル層中には積層欠陥や転位等の欠陥、すなわち、エピタキシャル欠陥が存在する。このエピタキシャル欠陥を低減するため、上記で提案された方法では、エピタキシャル処理前に水素雰囲気や不活性ガス雰囲気中で短時間の高温熱処理を施すことが開示されている。しかし、高温熱処理でエピタキシャル欠陥を低減させようとすると、従来から採用されていた水素ベークより高温または長時間の熱処理を行う必要がある。このような熱処理条件をウェーハに施すと、エピタキシャル欠陥の低減を図ることができるが、高温の熱処理によってウェーハにスリップが発生したり、長時間の熱処理によってスループットが低下するという新たな問題が生ずることになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した窒素ドープにともなうエピタキシャル欠陥に関する問題に鑑みてなされたものであり、窒素をドープして育成されたシリコン単結晶から作製されたウェーハを用いる場合であっても、エピタキシャルウェーハを製造する工程において、新たな熱処理プロセスの追加や熱処理条件の変更を行うことなく、エピタキシャル欠陥の発生を低減することができるエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するため、CZ法で窒素をドープする条件、エピタキシャル処理条件を変動させながら、エピタキシャル欠陥の発生要因を調査した。まず、窒素ドープの有無による影響に関して、同じ条件でエピタキシャル成長を実施した場合には、ウェーハ中に発生するエピタキシャル欠陥は、窒素を含まないエピタキシャルウェーハに比べて、窒素を含むエピタキシャルウェーハの方が多い。このことから、窒素をドープするウェーハに発生するエピタキシャル欠陥は、ウェーハに起因すると推定できる。
【0013】
上記の推定を裏付けるため、同一ウェーハに関して、エピタキシャル成長前とエピタキシャル成長後のウェーハ表面で検出される欠陥( Light Point Defect、以下、「LPD」という)を、レーザーパーティクルカウンタで検査した。次に、レーザーパーティクルカウンタで検出されたLPDの座標を比較したところ、両者で一致するものがあった。この検査結果から、上記の推定である、窒素をドープするウェーハにエピタキシャル成長処理を施した際に発生するエピタキシャル欠陥はウェーハに起因、すなわち、エピタキシャル成長前の基板そのものに起因することが明らかになる。
【0014】
そこで、エピタキシャル欠陥の原因を特定するため、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope、以下「AFM」という)を用いて、窒素を1×1014atoms/cm3ドープしたウェーハに発生するLPDの実体を観察した。その結果、LPDはピット状の欠陥であって、そのサイズや面内分布から推定してCOPであるとすることができる。そうであれば、COPは窒素をドープしないウェーハでも観察されることから、ピット自体がエピタキシャル欠陥の原因とは推定し難く、両者の観察結果を詳細に比較した。
【0015】
図1は、ウェーハ表面で検出されたCOPをAFMで観察した結果を示す写真である。図1中の(a)は窒素をドープしたウェーハで検出されたCOPをAFMでの観察した結果を示す写真であり、一方、(b)は窒素をドープしていないウェーハで検出されたCOPをAFMでの観察した結果を示す写真である。これらの観察結果では、明るさ(または白黒)のコントラストは被観察物の高低を示しており、明るい(または白い)方が高いことを表している。
【0016】
両者を比較すると、図1(a)に示す窒素をドープしたウェーハで検出されたCOPは、その周囲に突起物を伴っていることが分かる。そして、この突起物はCOPの内壁酸化膜に起因した突起物であることが推測される。一方、図1(b)に示す窒素をドープしていないウェーハで検出されたCOPには、このような突起物は観察されない。この観察結果から、COP周囲の突起物に起因してエピタキシャル欠陥が発生するのではないかと推定した。
【0017】
上記の推定に基づいて、欠陥の要因となる突起物を除去する方法を検討した。
まず、従来から付着パーティクルを除去するのに有効な、アンモニア(NH4OH)と過酸化水素(H22)を含む洗浄液を用いてウェーハの洗浄を実施したが、COPの周囲に存在する突起物は除去できなかった。ところが、フッ酸(FH)を含む洗浄液を用いてウェーハの洗浄を実施すると、COPの周囲に存在する突起物を除去することができた。
【0018】
図1(c)は、(a)に示すCOPをフッ酸を含む洗浄液(1%HF-H2O)を用いて洗浄した場合のCOPをAFMでの観察した結果を示す写真である。図1(c)に示すように、フッ酸を含む洗浄液を用いて洗浄することによって、COPの周囲の突起物は除去されている。このように、フッ酸によるエッチングによって容易に突起物が除去されることから、前述の通り、COPの周囲に存在する突起物は酸化物である可能性が高い。
【0019】
さらに、上記で推定したエピタキシャル欠陥の要因と、フッ酸を含む洗浄液の効果とを確認するため、フッ酸を含む水溶液を用いて洗浄したウェーハと、同じ洗浄を行わなかったウェーハとを用いて、エピタキシャル成長後のエピタキシャル欠陥の発生状況を比較している。この比較結果では、後述する実施例に示すように、フッ酸を含む水溶液を用いて洗浄したウェーハ欠陥数は、同じ洗浄を行わなかったウェーハに比べ、約半数以下に低減できることが確認できた。したがって、エピタキシャル成長前にフッ酸を含む水溶液を用いてウェーハを洗浄することによって、欠陥の要因となるCOPの周囲に存在する突起物を除去すれば、エピタキシャル欠陥の発生を低減できることが明らかになる。
【0020】
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、下記(1)、(2)のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法を要旨としている。
(1)CZ法によって窒素をドープしたシリコン単結晶を育成し、このシリコン単結晶から切り出されたウェーハをフッ酸(HF)を含む水溶液を用いて洗浄することによりCOPに起因した突起物を除去した後、当該ウェーハの表面上にエピタキシャル層を成長させることを特徴とするエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法である。上記の洗浄は、ウェーハの鏡面研磨後に行うのが望ましい。
(2)上記(1)のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法では、窒素濃度を1×1013atoms/cm3〜1×1016atoms/cm3の範囲でドープするのが望ましい。さらに、フッ酸濃度(質量%)が0.5%〜50%である水溶液を用いてウェーハを洗浄するのが望ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法では、CZ法によって窒素をドープしたシリコン単結晶を育成し、このシリコン単結晶から切り出されたウェーハをフッ酸(HF)を含む水溶液中で洗浄することによりCOPに起因した突起物を除去した後、当該ウェーハの表面上にエピタキシャル層を成長させることを特徴としている。
【0022】
本発明で採用するドープの方法は、所要濃度の窒素をドープできるのであれば、どのような方法でもよく、例えば、原料中または融液中への窒化物の混合、炉内への窒素あるいは窒素化合物ガスを流しながらの単結晶育成、溶融前の高温にて多結晶シリコンへの窒素あるいは窒素化合物ガスの吹き付け、窒化物製るつぼの使用等があげられる。いずれの場合であっても、窒化物の量、窒素ガスの濃度、またはこれらの吹き付け時間を調整することによって、結晶中にドープされる窒素濃度を調整することができる。
【0023】
CZ法による育成中に、シリコン単結晶に窒素をドープすることによって、結晶中の酸素の凝縮を促進し、酸素析出核の密度を高くするとともに、熱的な安定性を増加させる。このため、ドープする窒素濃度は、1×1013atoms/cm3〜1×1016atoms/cm3の範囲にするのが望ましい。これによって、酸素析出核の熱的な安定性を確保することができる。ドープする窒素濃度が1×1013atoms/cm3より小さい場合には、酸素析出核の形成が促進されず、一方、窒素濃度が1×1016atoms/cm3を超える場合には、単結晶が有転位化するという問題がある。また、エピタキシャル欠陥の発生は、窒素濃度が1×1014atoms/cm3を超えると顕著になることから、特に本発明で規定するフッ酸洗浄が必要となる。
【0024】
CZ法によって育成されたシリコン単結晶は、通常の方法に従ってウェーハに加工される。例えば、外周研削、オリエンテーションフラット加工の後、内周刃ソーやワイヤーソーによるウェーハ切断によってスライシングされ、面取り、ラッピングに続いて、加工変質層の除去するため化学エッチングが施され、さらにポリッシングによって光学的な光沢をもつ鏡面ウェーハに仕上げられる。鏡面研磨によって仕上げられたシリコンウェーハは、その後エピタキシャル成長が行われる。
【0025】
本発明の製造方法では、上記のエピタキシャル成長を行う前に、フッ酸を含む水溶液を用いて洗浄を実施する。ここで規定する洗浄の目的が、研磨によってウェーハ表面に露出し、エピタキシャル欠陥の要因となるCOPの周囲に伴う突起物を除去することであるから、最終の研磨処理である鏡面研磨工程とエピタキシャル成長工程との間で実施するのが望ましい。
【0026】
洗浄に用いる水溶液中のフッ酸濃度は、特に限定する必要がないが、質量%で0.5%〜50%にするのが望ましい。通常、半導体用として使用される高純度のフッ酸濃度は50%であるから、これを原液のままで使用するか、または水(H2O)で希釈して使用する。希釈する際にフッ酸濃度が0.5%未満になると、COPに伴う突起物の溶解、除去に要する時間が長くなるので実用的でない。
【0027】
フッ酸を含む水溶液による洗浄後は、ウェーハ表面にパーティクルが付着し易くなるので、パーティクルを除去する作用がある、アンモニアと過酸化水素水を含む水溶液による洗浄、いわゆるSC-1洗浄を行うのが望ましい。その後、必要に応じて、金属不純物を除去する作用を発揮する塩酸と過酸化水素水を含む水溶液による洗浄、いわゆるSC-2洗浄を行うようにしてもよい。
【0028】
所定の洗浄後、シリコンウェーハの表面上にエピタキシャル層を成長させる。
エピタキシャル成長処理は、半導体用ディバイスとして通常用いられる方法でよく、気相エピタキシャルである有機金属気相成長法(MOCVD法)や分子線エピタキシャル法(MBE法)のいずれであっても、結晶欠陥のないエピタキシャル層の形成方法であればどんな方法でも適用することができる。
【0029】
【実施例】
本発明のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法の効果を、下記の実施例1〜2に基づいて詳細に説明する。ただし、本発明の内容は、これらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
結晶中の窒素濃度が2×1014atoms/cm3になるように、CZ法によって窒素をドープして育成されたシリコン単結晶から切り出して、面取り、ラッピング、化学エッチング後に鏡面研磨されたウェーハを20枚(ウェーハ番号:♯1〜20)準備した。この20枚のうち10枚(♯11〜20)のウェーハは、5%HF−H2Oのフッ酸を含む水溶液を用いて10分間の洗浄を実施したのに対し、残りの10枚(♯1〜10)はフッ酸を含まない4%H22−4%NH4OH−H2Oの水溶液によるSC-1洗浄、および4%H22−4%HCl−H2Oの水溶液によるSC-2洗浄を実施した。SC-1洗浄およびSC-2洗浄の洗浄時間は、10分間とした。
【0030】
洗浄された20枚のシリコンウェーハの表面には、1200℃の処理温度で厚さ5μmのシリコンエピタキシャル層を成長させた。エピタキシャル処理には放葉形式の成長炉を用い、SiHCl3+H2を導入して輻射加熱方式でエピタキシャル成長させた。その後、レーザーパーティクルカウンタを用いて、表面で検出されるLPD個数を測定した。
【0031】
図2は、実施例1でエピタキシャル成長後に表面で検出されるLPD個数を測定した結果を示す図である。SC-1洗浄およびSC-2洗浄の場合には、LPD個数は平均で9.9個/ウェーハであるのに対し、フッ酸を含む水溶液(5%HF)を用いて洗浄を行った場合は、平均で4.9個/ウェーハとなり、LPD個数が半減していることが分かる。
(実施例2)
実施例2では、結晶中の窒素濃度が4×1014atoms/cm3になるように、CZ法によって窒素をドープして育成されたシリコン単結晶から切り出して、面取り、ラッピング、化学エッチング後に鏡面研磨されたウェーハを20枚(ウェーハ番号:♯1〜20)準備した。実施例1と同様に、10枚(♯11〜20)のウェーハは、5%HF−H2Oのフッ酸を含む水溶液を用いて10分間の洗浄を実施したのに対し、残りの10枚(♯1〜10)はフッ酸を含まない4%H22−4%NH4OH−H2Oの水溶液によるSC-1洗浄、および4%H22−4%HCl−H2Oの水溶液によるSC-2洗浄を実施した。
【0032】
その後、実施例1と同条件で、シリコンウェーハの表面にエピタキシャル成長させて、レーザーパーティクルカウンタで、表面で検出されるLPD個数を測定した。
【0033】
図3は、実施例2でエピタキシャル成長後に表面で検出されるLPD個数を測定した結果を示す図である。図3に示す結果では、フッ酸を含む水溶液(5%HF)を用いて洗浄を行った場合は、LPD個数は平均で5.2個/ウェーハであったのに対し、SC-1洗浄およびSC-2洗浄の場合には、LPD個数は平均で30.2個/ウェーハと大幅に増加している。
【0034】
実施例2のように、ドープされる窒素濃度が高くなる場合には、フッ酸を含まないSC-1洗浄およびSC-2を行ったウェーハでは、表面で検出されるLPD個数は、実施例1に比べて著しく増加したが、5%HF水溶液を用いて洗浄を行ったウェーハのLPD個数は、実施例1とほぼ同じ水準で留まっている。このことからも、エピタキシャル成長前にフッ酸を含む水溶液を用いて洗浄を行うことによって、窒素ドープしたウェーハに起因するエピタキシャル欠陥の要因を取り除くことができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法によれば、窒素をドープして育成されたシリコン単結晶から作製されたエピタキシャルウェーハであっても、エピタキシャル成長前にフッ酸を含む水溶液を用いて洗浄を行うことによって、エピタキシャル欠陥の発生を抑制することができる。すなわち、エピタキシャル工程において、新たな熱処理プロセスの追加や熱処理条件の変更を行うことなく、エピタキシャル欠陥の発生が少ない、高品質なエピタキシャルウェーハを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ウェーハ表面で検出されたCOPをAFMでの観察した結果を示す写真である。(a)は窒素をドープしたウェーハで検出されたCOPをAFMでの観察した結果を示す写真であり、(b)は窒素をドープしていないウェーハで検出されたCOPをAFMでの観察した結果を示す写真であり、さらに(c)は前記(a)に示すCOPをフッ酸を含む洗浄液を用いて洗浄した場合のCOPをAFMでの観察した結果を示す写真である。
【図2】実施例1でエピタキシャル成長後に表面で検出されるLPD個数を測定した結果を示す図である。
【図3】実施例2でエピタキシャル成長後に表面で検出されるLPD個数を測定した結果を示す図である。

Claims (4)

  1. チョクラルスキー法によって窒素をドープしたシリコン単結晶を育成し、このシリコン単結晶から切り出されたウェーハをフッ酸(HF)を含む水溶液を用いて洗浄することによりCOPに起因した突起物を除去した後、当該ウェーハの表面上にエピタキシャル層を成長させることを特徴とするエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
  2. フッ酸(HF)を含む水溶液を用いる洗浄を上記ウェーハの鏡面研磨の後に行うことを特徴とする請求項1に記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
  3. ドープされた窒素濃度が1×1013atoms/cm3〜1×1016atoms/cm3であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
  4. フッ酸濃度(質量%)が0.5%〜50%である水溶液を用いてウェーハを洗浄することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
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