JP4571396B2 - 電界型単電子箱多値メモリ回路およびその制御方法 - Google Patents

電界型単電子箱多値メモリ回路およびその制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子または正孔からなる素電荷を用いて動作制御する半導体回路技術に関し、特に複数の素電荷を用いて多値を記憶する技術に関する。
近年、高度情報化社会の発展に伴い、通信機器や情報処理装置で用いられる半導体回路では、さらなる高集積化および低消費電力化が求められている。このような相反する課題を解決する技術として、1つの電子または正孔からなる素電荷を用いて動作制御する半導体集積回路、いわゆる単電子デバイス/単正孔デバイス(以下、これらを代表して単電子デバイスという)が研究されつつあり、この種の単電子デバイスの1つとして、素電荷1つを情報として記憶する単電子メモリ回路がある。
一般に、メモリ回路は、情報となる電子を蓄積するセルと、電子を読み出す素子群からなる。メモリ回路の大容量化のために、セルや他の素子群を小さくし、素子密度を上げることが行われる。このとき、セルサイズを小さくすると蓄積する電子の数が減少する。しかし、セル同士で蓄積される電子数のバラつきがあると、電子数の減少とともに相対的にバラつきが大きくなって誤動作に繋がるので、セルに蓄積する電子数を減らすことができない。そのため、セルサイズを単純に小さくすることが困難となり、蓄積電子数が減らないような構造や材料の工夫が必要となり、メモリ回路の大容量化を困難にさせている。また、大容量化により素子密度も上昇するがメモリに蓄積される電子数の減少は相対的に小さいので・消費電力の増加にも繋がるという問題がある。
メモリ回路の大容量化については、1つのセルに多くの情報を蓄える多値化によっても実現できる。図35に、従来の多値メモリ回路の構成例を示す。図35(a)に示すように、この多値メモリ回路は、コントロールゲート電極CG、ソース電極S、およびドレイン電極Dからなる電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor:FET)のゲート酸化膜中に電子が蓄積されるフローティングゲートFGを有する構造である。
この多値メモリ回路では、図35(b)に示すように、ソース電極Sからドレイン電極Dに電子を高電界で流し、高いエネルギーを持たせることで、電子はフローティングゲートFGに蓄積するものとなっている。この結果、FETの電気特性が蓄積電子数に応じて変化するので、その電気特性をフローティングゲートFGに蓄積された情報として読み出すことができる。
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
F.Masuoka etc., "A New Flash E2PROM Cell using triple polysilicon technology",December 9-12,1984,International Electron Devices Meeting Vol.17,84CH2099-0,IEEE,pp464-467
このような従来技術(図35参照)では、フローティングゲートFGに蓄積する電子数をコントロールすることで、多値化が可能となる。多値記憶技術のポイントは、しきい値のバラつきをある程度許容しながら正しい値を記録/読み出しできるようなメモリセルの精度を実現することである。
ここで、バラつきを許容するには、メモリ回路の電源電圧を上げて、メモリ回路の動作範囲を大きくするのが最も簡単な解決法であるが、これではメモリ回路を駆動するための消費電力が増大してしまうという問題がある。また、電子が蓄積されるフローティングゲートFGのサイズ縮小によってバラつきの許容範囲は狭くなるという問題を生じる。
また、フローティングゲートFGに蓄積された電子を消去する場合、図35(c)に示すように、ソース電極Sとコントロールゲート電極CGの間に高電界を加え、ファウラーノルトハイムのトンネルによって、電子を引き出すことになる。
この際、蓄積する時も同様であるが、電子はフローティングゲートFGとMOS電極に挟まれた絶縁膜層をトンネルすることになるので、絶縁膜の寿命を短くしてメモリデバイスとしての信頼性と寿命に問題を引き起こす。また、蓄積、消去に要する時間も数マイクロ秒から数秒と長く、高速動作できないという問題がある。
多値メモリ回路の大容量化を実現するためには、主要素視の縮小化に伴い、さらなるセル内の電子数の正確なコントロールが必須であり、従来の多値メモリ回路では、両課題の解決は困難であった。そのため、電子数の誤差を補正するためにベリファイ動作が必要となり、電子の蓄積/消去後にその蓄積情報に誤りがないかどうかチェックする必要があり、誤りがあった場合には、あらためて蓄積/消去することになる。よって、それらに要する全体の時間が長くなるとともに、回路や書き込み消去プロセスが複雑になっていた。
以上のように、メモリ情報の多値化を行う場合は、電子数のコントロールを、より精密に行わなければならないだけでなく、電子の蓄積や消去に要する時間も長いという問題も生じる。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、蓄積する素電荷を1つずつ正確に制御でき、1つの素電荷で1つの情報を表すことで多値化が図れるとともに、蓄積や消去に要する時間を短縮できる電界型単電子箱多値メモリ回路およびその制御方法を提供することを目的としている。
このような目的を達成するために、本発明にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路は、電荷を蓄積する導体からなる単電子箱と、任意の電荷調整電圧が印加されるエレクトロンリザーバ電極と、単電子箱とエレクトロンリザーバ電極との間に接続されたチャネルを有し、このチャネルをスイッチングしてエレクトロンリザーバ電極と単電子箱との間で電荷調整電圧に応じた量の電荷を移動させることにより単電子箱内の電荷量を調整する制御用FETと、単電子箱に容量接合されたチャネルを有し、単電子箱に蓄積されている電荷量に応じた検出電流をチャネルに流す検出用FETとを備え、単電子箱は、制御用FETのゲート電極に印加される制御電圧によって制御用FETのチャネルに形成されるエネルギーバリアと、検出用FETのチャネルとの間に形成される容量とに挟まれることによって、蓄積される電荷量がクーロンブロッケード効果によって制御されるものである。
これら電界型単電子箱多値メモリ回路において、検出用FETとして、単電子箱と容量接合された単電子島を有する単電子トランジスタを用いてもよい。
また、本発明にかかる他の電界型単電子箱多値メモリ回路は、電荷を蓄積する導体からなる第1の単電子箱と、電荷を蓄積する導体からなる第2の単電子箱と、任意の電荷調整電圧が印加されるエレクトロンリザーバ電極と、第1の単電子箱とエレクトロンリザーバ電極との間に接続されたチャネルを有し、チャネルをスイッチングしてエレクトロンリザーバ電極と第1の単電子箱との間で電荷調整電圧に応じた量の電荷を移動させることにより第1の単電子箱内の電荷量を調整する第1の制御用FETと、第1の単電子箱と第2の単電子箱との間に接続されたチャネルを有し、チャネルをスイッチングして第1の単電子箱と第2の単電子箱との間で電荷を移動させることにより第2の単電子箱内の電荷量を調整する第2の制御用FETと、第2の単電子箱に容量接合されたチャネルを有し、第2の単電子箱に蓄積されている電荷量に応じた検出電流をチャネルに流す検出用FETとを備えるものである。
この際、検出用FETとして、第2の単電子箱と容量接合された単電子島を有する単電子トランジスタを用いてもよい。
また、本発明にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路の制御方法は、制御用FETをオフ状態からオン状態に制御することにより、エレクトロンリザーバ電極と単電子箱との間で電荷を移動させる第1のステップを備えるものである。
この場合、単電子箱に蓄積されている電荷量が示す第1の情報を第2の情報へ変更する際は、第1のステップで、第1の情報と第2の情報の差分に相当する電荷を、エレクトロンリザーバ電極と第1の単電子箱との間で移動させるようにしてもよい。
また、単電子箱に蓄積されている電荷量を変更した際、検出用FETから単電子箱に蓄積されている電荷量に応じたベリファイ用の検出電流を出力する第2のステップをさらに備えてもよい。
また、本発明にかかる他の電界型単電子箱多値メモリ回路の制御方法は、第2の制御用FETをオフ状態に制御し、第1の制御用FETをオフ状態からオン状態に制御することにより、エレクトロンリザーバ電極から第1の単電子箱へ電荷を移動させる第1のステップと、第1の制御用FETをオン状態からオフ状態へ制御した後、第2の制御用FETをオン状態に制御することにより、第1の単電子箱から第2の単電子箱へ電荷を移動させる第2のステップとを備えるものである。
この場合、第2の単電子箱に蓄積されている電荷量が示す第1の情報を第2の情報へ変更する際は、第1のステップで、第1の情報と第2の情報の差分に相当する電荷を、エレクトロンリザーバ電極から第1の単電子箱へ移動させるようにしてもよい。
また、本発明にかかる他の電界型単電子箱多値メモリ回路制御方法は、第1の制御用FETをオフ状態に制御し、第2の制御用FETをオフ状態からオン状態に制御することにより、第2の単電子箱から第1の単電子箱へ電荷を移動させる第1のステップと、第2の制御用FETをオン状態からオフ状態へ制御した後、第1の制御用FETをオン状態に制御することにより、第1の単電子箱からエレクトロンリザーバ電極へ電荷を移動させる第2のステップとを備えるものである。
この場合、第2の単電子箱に蓄積されている電荷量が示す第1の情報を第2の情報へ変更する際は、第1のステップで、第1の情報と第2の情報の差分に相当する電荷を、第2の単電子箱から第1の単電子箱へ移動させるようにしてもよい。
また、本発明にかかる他の電界型単電子箱多値メモリ回路制御方法は、第1の制御用FETと第2の制御用FETとを同時にオン状態に制御することにより、エレクトロンリザーバ電極と第2の単電子箱との間で電荷を移動させるステップを備えるものである。
また、第2の単電子箱に蓄積されている電荷量を変更した際、検出用FETから第2の単電子箱に蓄積されている電荷量に応じたベリファイ用の検出電流を出力する第3のステップをさらに備えてもよい。
本発明によれば、クーロンブロッケード効果を利用して単電子箱に蓄積する電荷量を1つずつ正確に制御できる。したがって、1つの素電荷で1つの情報を表すことで多値化を図ることができるとともに、蓄積や消去に要する時間を短縮でき、メモリ回路の高集積化および低消費電力化を実現できる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路について説明する。図1は本発明の第1の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路の構成を示す回路図である。
以下では、素電荷として電子を用いる場合を例として説明する。
この電界型単電子箱多値メモリ回路は、単電子箱3、制御用電界効果トランジスタ(以下、制御用FETという)1、および検出用電界効果トランジスタ(以下、検出用FETという)2から構成されている。
単電子箱3は、1つ以上の電子を蓄積する導体である。制御用FET1は、単電子箱3とエレクトロンリザーバ電極ER(以下、電極ERという)との間に接続されたチャネル1Cを有し、そのチャネル1Cがコントロールゲート電極CG(以下、電極CGという)と容量接合されているFETである。検出用FET2は、ドレイン電極Dとソース電極Sに接続されたチャネル2Cを有し、そのチャネル2Cが単電子箱3と容量接合されているFETである。
本実施の形態では、電子を蓄積する導体からなる単電子箱3と、この単電子箱3と電極ERとの間の電子の移動をチャネルにより制御する制御用FET1と、単電子箱3と容量接合された検出用FET2とを設け、電極ERへ任意の電荷調整電圧を印加することにより、クーロンブロッケード効果を利用して単電子箱3内の電子の数を制御するとともに、制御用FET1のチャネル1Cのエネルギーバリアを調整して、電極ERと単電子箱3との間における電子の移動を制御し、単電子箱3内の電子数を検出用FET2で検出するようにしたものである。
[デバイス構造]
次に、図2〜図4を参照して、本実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路のデバイス構造について説明する。図2〜図4は、本実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路のデバイス構造を示す平面図、III−III断面図、およびIV−IV断面図である。
本実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路は、図2〜図4に示すようなデバイス構造をなしており、例えば次のようにして形成する。
まず、基板10上に形成された絶縁層9上に半導体からなるSOI(Silicon On Insulator)層(図示せず)を形成し、このSOI層を用いて、細線チャネルからなる制御用FET1のチャネル1Cと、電極ER用導体パターンと、制御用FET1のチャネル1Cに繋がった単電子箱3用導体パターンと、細線チャネルからなる検出用FET2のチャネル2Cと、検出用FET2のドレイン電極D用導体パターンおよびソース電極S用導体パターンとを形成する。単電子箱3用導体パターン、検出用FET2のドレイン電極D用導体パターン、あるいはソース電極S用導体パターンについては、絶縁層9上に金属で形成してもよい。
その後、制御用FET1のチャネル1C上部に、絶縁層8を介して電極CG用導体パターンを形成する。この際、単電子箱3用導体パターンは、制御用FET1のチャネル1Cから検出用FET2のチャネル2Cの近傍まで形成されるが、図3のように検出用FET2のチャネル2Cをその上側から絶縁層8を介して囲むように形成してもよい。これにより単電子箱3に蓄積される電子を高感度で検知することができる。
そして、これら制御用FET1、電極CG、単電子箱3、および検出用FET2の上部に、絶縁層8を介してセンスゲート電極SG(以下、電極SGという)用導体パターンを形成する。この際、電極SGに印加する電圧によって、電子を検知する検出用FET2を最適な条件にセッティングすることができる。なお、この電極SGを検出用FET2の上部に形成することは必須ではなく、例えば検出用FET2と同一平面上に形成してもよい。
制御用FET1の設計サイズとしては、図4に示したチャネル1C部分の断面において縦横10nm程度であり、単電子箱3用導体パターンもこれとほぼ同じ断面サイズである。また単電子箱3用導体パターンの長さすなわち電極CGから検出用FET2側に出っ張った部分の長さは数10nm程度である。電極CGの断面サイズは図3に示した断面において数10nmである。
検出用FET2の設計サイズとしては、図3に示したチャネル2C部分の断面において縦横数10nm程度であり、断面IV−IVと平行な方向におけるチャネル2Cの長さは数10nm〜数100nmが望ましいが必須ではない。また検出用FET2のチャネル2Cと単電子箱3との距離は、数nm〜数10nmが望ましい。
[単電子箱内の電子検知動作]
次に、図5を参照して、本実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路の動作のうち、単電子箱3に蓄積されている電子の検知動作について説明する。図5は、検出用FET2の動作特性を示す説明図である。
電子は、後述する電子蓄積動作により、電極ERから制御用FET1を介して単電子箱3に蓄積される。検出用FET2のドレイン電流Idの特性は、単電子箱3に蓄積された電子数すなわち電荷量に応じて、図5のように変化し、電子数の増加に応じて電極SGのセンスゲート電圧Vgに対し正の方向にシフトする。
この際、電圧Vgを固定してドレイン電流Idを検出電流としてモニタすると、単電子箱3内の電子数に応じて電流値が変化することになり、その電流値により単電子箱3内の電子数を検知することができる。
したがって、1つの電子で1つのメモリ情報を表すことで、電子数分の情報をメモリとして保存することが可能となり多値メモリ回路が実現できる。
また、後述する電子蓄積動作時に、検出用FET2から出力したベリファイ用の検出電流に基づき単電子箱3内の蓄積電子数をモニタすることにより、電子の蓄積が正確に行えたか否かについて電子を蓄積したまま確認することができる。したがって、電子蓄積数に誤りがあれば電子蓄積動作を再試行することで誤りを訂正することが可能となる。
なお、図5から明らかなように、電極SGに印加する電圧Vgで電子数と検出用FET2を流れる検出電流との関係すなわち検出用FET2の動作特性を調整することができるが、電極SGを用いずにSi細線の形状やその中にドープする不純物の濃度によって検出用FET2の動作特性を調整することもできる。
[単電子箱への電子蓄積原理]
次に、図6および図7を参照して、本実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路における、単電子箱への電子蓄積の原理について説明する。図6は、単電子箱を用いた典型的なメモリ回路を示す等価回路図である。図7は、単電子箱のエネルギー準位と電子数の関係を示す説明図である。
このメモリ回路は、トンネル接合11、キャパシタ12、およびこれらトンネル接合11とキャパシタ12に挟まれた微小な導電性の島からなる単電子箱13から構成されており、クーロンブロッケード効果を利用して単電子箱13内の電子数を制御する。
クーロンブロッケード効果とは、微小な導電性の島への電荷の進入が、その進入による島全体の帯電エネルギーの変化が大きいために妨げられる現象のことである。導体に電荷が進入するとき、それによる帯電エネルギー増加分に相当するエネルギー準位を導体が持つことになる。そのため、新たに電荷がその導体内に進入しようとする際には、そのエネルギー準位に相当するエネルギーが電極から与えられる必要がある。この際、必要なエネルギーがない場合、クーロンブロッケード効果により電子の進入が防げられる。
図6の等価回路では、単電子箱13がトンネル接合11とキャパシタ12に挟まれているため、単電子箱13内の電子数によるエネルギー増加分に相当するエネルギー準位が、単電子箱13に発生する。
ここで、端子14,15間の電圧Vが小さく、端子14と端子15のエネルギー準位の間に単電子箱13のエネルギー準位がない場合、電子は単電子箱13に入ることができない。一方、電圧Vが大きくなり、端子14と端子15のエネルギー準位の間に単電子箱13の準位のいずれかが存在するようになると、電子は端子14から単電子箱13の準位に入ることができる。
したがって、電圧Vを変化させたとき、図7のように単電子箱13の電子の数が階段状に変わる。単電子箱13の量子サイズ効果を無視した場合、電子1個分で変化するエネルギー準位の幅はほぼe/Cgとなり、電圧Vに応じて単電子箱13内の電子数が決まる。ここで、eは電気素量であり、Cgはキャパシタ12の容量である。
このように、クーロンブロッケード効果を利用して、端子14と端子15との間の電圧Vを調整することで、単電子箱13内の電子数を精密に制御することができる。
[単電子箱への電子蓄積動作]
次に、図8を参照して、本実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路の動作のうち、単電子箱3への電子の蓄積動作(メモリ動作)について説明する。図8は、本実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路の電子蓄積動作を示す説明図であり、それぞれ単電子箱3および制御用FET1のチャネル1Cにおける電子のエネルギーバンドダイアグラムと、これに対する等価回路とが示されている。
まず、図8(a)の初期状態では、単電子箱3に電子は入っておらず、電極CGに印加されたオフ制御電圧によって制御用FET1はオフ状態に制御されており、電極ERと単電子箱3は制御用FET1のエネルギーバリアによって電気的に分かれている。そして、多数の電子を誘起するように、例えばセンスゲート電圧Vgに対して負となる電荷調整電圧を電極ERに印加する。この状態では電極CGによるエネルギーバリアが存在するため、電子は単電子箱3に入れない。
次に、電極CGに制御用FET1がオン状態となるオン制御電圧を印加すると、図8(b)のように、電極ERと単電子箱3とが制御用FET1のチャネル1Cによって電気的に繋がり、電極ERの電子が単電子箱3に入る。
その後、電極CGをオフ制御電圧に戻していくと、エネルギーバリアが上昇し、制御用FET1がオン状態からオフ状態に変わっていく。このとき、図8(c)のようにエネルギーバリアがトンネル接合のようになり、単電子箱3がトンネル接合とキャパシタ(単電子箱3と検出用FET2間の容量)で挟まれた状態、すなわち前述した図6の等価回路と等しくなる。
このため、クーロンフロッケード効果によって数個の電子のみが単電子箱3に残り、他の電子は電極ERに戻る。
この際、単電子箱3に残る電子の数は、主に電極ERに印加された電荷調整電圧、単電子箱に接続されたキャパシタの容量などで決まる。上記電子蓄積動作では、蓄積する電子の数は電極ERに印加する電荷調整電圧、あるいは電極SGに印加する電圧を調整することにより、蓄積する電子の数を容易かつ精度よく制御できる。
この後、さらに電極CGへのオフ制御電圧によりエネルギーバリアが上昇して、制御用FET1は完全にオフ状態となり、単電子箱3に残った電子がメモリ情報として保存され、前述のように検出用FET2によって検知される。
なお、単電子箱3に蓄積する電子の数を精度よく制御するためには、単電子箱3のサイズが小さいことが要求される。本実施の形態にかかるメモリ回路では、単電子箱3の大きさは、図9に示したように、実際のデバイス構造における加工サイズL0ではなく、電極CGによるポテンシャルバリアPBの大きさで決まる。
したがって、加工サイズL0よりさらに小さなサイズL1の単電子箱3を形成することができ、電子数をより正確に制御できる。
[単電子箱からの電子消去動作]
次に、図10を参照して、本実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路の動作のうち、単電子箱3に蓄積されている電子の消去動作について説明する。図10は、本実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路の電子消去動作を示す説明図であり、それぞれ単電子箱3および制御用FET1のチャネル1Cにおける電子のエネルギーバンドダイアグラムと、これに対する等価回路とが示されている。
まず、図10(a)のように、電極ERに電子が存在しないような初期電圧、例えばセンスゲート電圧に対して正の電圧を電極ERへ印加する。また電極CGへオフ制御電圧を印加することにより制御用FET1がオフ状態とされており、そのエネルギーバリアにより単電子箱3内の電子は保存されたままである。
次に、電極CGへオン制御電圧を印加して制御用FET1をオン状態にすると、電極CGによるエネルギーバリアがなくなり、電極ERと単電子箱が電気的に繋がって、図10(b)のように単電子箱内の電子が電極ER側に移動する。
そして、図10(c)のように、電極CGをオフ制御電圧に戻し制御用FET1をオフ状態にすると、エネルギーバリアが発生して単電子箱3が電極ERから電気的に切り離され、電子が消去された初期状態となる。
以上では、電子を完全に消去する場合を例として説明したが、図10(b)において、電極ERに印加する電荷調整電圧を選択することにより、前述した電子蓄積動作と同様にクーロンブロッケード効果を利用して、消去する電子数すなわち単電子箱3に残す電子数を精度よく制御できる。これにより、既存のメモリ回路と比較して少ない動作手順でメモリ情報を書き換えることができ、高速動作が可能となる。
このように、本実施の形態では、電子を蓄積する導体からなる単電子箱3と、この単電子箱3と電極ERとの間の電子の移動をチャネル1Cにより制御する制御用FET1と、単電子箱3と容量接合された検出用FET2とを設け、電極ERへの電荷調整電圧を調整することにより、クーロンブロッケード効果を利用して単電子箱3内の電子の数を制御するとともに、制御用FET1のチャネル1Cのエネルギーバリアを調整して、電極ERと単電子箱3との間における電子の移動を制御するようにしたものである。
したがって、単電子箱3に対する電子の蓄積動作および消去動作に要する時間は、制御用FET1のスイッチング時間に依存するため、ナノ秒単位での動作が可能となる。
また、本実施の形態では、前述した図35のように、電子がチャネルの絶縁膜を突き抜けて移動する構造を採用していない。したがって、多値メモリで問題となっていた電子トンネルによる絶縁膜の寿命の問題も発生せず、長期にわたり安定した動作特性を維持することができる。
また、単電子箱3や制御用FET1および検出用FET2は、サイズが小さいほど単電子箱3に対する電子の移動を高精度に制御できるとともに、検出用FET2による単電子箱内の電子を高感度で検知できる。したがって、既存のメモリ回路とは反対に、本実施の形態にかかるメモリ回路では素子サイズの縮小化は望ましく、メモリ回路の大容量化を実現する上で大きなメリットとなる。
また、回路構成を変更することなく、複数の電子を単電子箱に蓄積することができ、複数の電子を用いたメモリ情報の多値化を容易に行うことができ、大容量化が可能となる。
また、単電子箱に蓄積する電子の数が少なくてもよいことから、メモリ回路を大容量化した場合でも、既存のメモリ回路に比べて消費電力の増加を抑制できる。
[第2の実施の形態]
次に、図11〜図14を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路について説明する。図11は本発明の第2の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路を示す回路図である。図12〜図14は、本発明の第2の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路のデバイス構造を示す平面図、XIII−XIII断面図、およびXIV−XIV断面図である。
前述した第1の実施の形態では、図2に示したように、検出用FET2のチャネル2Cをその上側から囲むように単電子箱3用導体パターンを形成する場合を例として説明した。本実施の形態では、図12〜図14に示すように、単電子箱3用導体パターンを検出用FET2のチャネル2C近傍まで形成し、チャネル2Cの上部には形成しないようにしたものである。したがって、回路図では、図11に示すような等価回路となる。
このようなデバイス構造により、単電子箱3に接合される容量が第1の実施の形態とは異なるものの、他の構成について第1の実施の形態と同様であり、前述と同様にして、単電子箱3に対する電子検知動作、電子蓄積動作、および電子消去動作を実行することができ、前述と同様の作用効果が得られる。
また、上記デバイス構造の違いにより、SOI基板を用いた場合には、単電子箱3用導体パターンと検出用FET2のチャネル2Cとを同時に形成できる。これにより、第1の実施の形態と比較して製造工程を簡素化でき、製造コストを削減できる。
[第3の実施の形態]
次に、図15〜図18を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路について説明する。図15は本発明の第3の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路を示す回路図である。図16〜図18は、本発明の第3の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路のデバイス構造を示す平面図、XVII−XVII断面図、およびXVIII−XVIII断面図である。
本実施の形態は、前述した第1の実施の形態のうち、検出用FET2に代えて単電子トランジスタ(SET:Single Electoron Transister)20を用いた点が異なる。なお、その他の構成について前述と同様である。
すなわちこの電界型単電子箱多値メモリ回路は、制御用FET1、単電子箱3、および検出用単電子トランジスタ20(以下、検出用SET20という)から構成されている。検出用SET20は、単電子島23がキャパシタ24を介して単電子箱3に容量結合されており、キャパシタ25を介して電極SGに容量結合されるものとなる。
単電子トランジスタとは、後述のように、2つのトンネル接合とこれらトンネル接合に挟まれた単電子島と呼ばれる導体とから構成されたトランジスタであり、単電子島内の電子数という低電圧かつ微小電流でドレイン電流を制御できるという特徴を持つ。
本実施の形態によれば、検出用FET2に代えてこのような単電子トランジスタを用いたので、単電子箱3内の電子数を高感度で検出できる。
[デバイス構造]
本実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路は、図16〜図18に示すようなデバイス構造をなしており、例えば次のようにして形成する。
まず、基板10上に形成された絶縁層9上に半導体からなるSOI層(図示せず)を形成し、このSOI層を用いて、細線チャネルからなる制御用FET1のチャネル1Cと、電極ER用導体パターンと、制御用FET1のチャネル1Cに繋がった単電子箱3用導体パターンと、細線チャネルからなる検出用SET20のチャネル20Cと、検出用SET20のドレイン電極D用導体パターンおよびソース電極S用導体パターンとを形成する。そして、制御用FET1のチャネル1C上部に、絶縁層8を介して電極CG用導体パターンを形成する。単電子箱3用導体パターン、検出用SET20のドレイン電極D用導体パターン、あるいはソース電極S用導体パターンについては、絶縁層9上に金属で形成してもよい。
この際、単電子箱3用導体パターンは、制御用FET1のチャネル1Cから検出用SET20のチャネル20Cの近傍まで形成されるが、図17のように検出用SET20のチャネル20Cをその上側から絶縁層8を介して囲むように形成してもよい。これにより単電子箱3に蓄積される電子を高感度で検知することができる。
なお、検出用SET20のチャネル20Cについても、例えばY.Takahashi et al.IEEE Transaction no Electron Device,Vol.43(1996),p.1213に記載のパターン依存酸化法(PADOX:PAtten-Depecdent OXidation)を用いることで、細線チャネルを検出用SET20のチャネル20Cとすることができる。
検出用SET20の設計サイズとしては、図17に示したチャネル20C部分の断面において縦横数10nm程度であり、断面XVIII−XVIIIと平行な方向におけるチャネル20Cの長さは数10nm〜数100nmが望ましく、チャネル20Cと単電子箱3用導体パターンとの距離は数10nmが望ましい。なお、このほかの設計サイズは、前述した第1の実施の形態と同様である。
[単電子箱内の電子検知動作]
次に、図19を参照して、本実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路の動作のうち、単電子箱3に蓄積されている電子の検知動作について説明する。図19は、後述する検出用SET20の周期的動作特性を示す説明図である。
単電子箱3に電子がないとき、検出用SET20に流れるドレイン電流Idはセンスゲート電圧Vgに対して図19の実線60のような特性を示す。電子が1つ単電子箱に蓄積されると、特性は点線61のような特性にシフトし、電子が2つ蓄積されると特性が破線62のようにシフトするとする。電圧Vgを固定してドレイン電流Idをモニタすると電子数に応じて電流が変わるので、単電子箱内の電子数を検知することができ、1つの電子で1つのメモリ情報を表すことで、電子数分のメモリ情報を保存することが可能となる。
このとき、前述した第1の実施の形態において、検出用FET2が例えば図5のようなドレイン電流特性を持つ場合、電圧Vgを固定してドレイン電流Idをモニタしたとき、単電子箱3内の電子量が多いためにシフト量が大きくなるとドレイン電流Idが全く流れなくなってしまい、検知電流によって単電子箱内の電子数を知ることができなくなる。
これに対して、本実施の形態のように検出用SET20を用いると、電流Idは電圧Vgに対して常に周期的に変化し流れるので、単電子箱に多くの電子が入りドレイン電流特性が電圧Vgに対し正の方向に大きくシフトしても、電子数の情報を検知することができる。ただし、周期的に電流Idが増減するので、これを考慮に入れる必要が生じる場合もある。
[単電子トランジスタ]
ここで、図20および図21を参照して、単電子トランジスタ20の動作原理について説明する。図20は単電子トランジスタ20の等価回路を示す回路図である。図21は、単電子トランジスタ20の動作特性を示す説明図である。
単電子トランジスタ20は、電子を蓄積する導体からなる単電子島23と、このソースと電極Sおよびドレイン電極Dとの間にトンネル接合21,22がそれぞれ設けられ、ゲート電極Gがキャパシタ24を介して単電子島23に容量接合した構造をなす電界効果トランジスタである。
単電子島23は、トンネル接合21,22に挟まれているために、電子1個が単電子島23に入ることによるエネルギー増加分に相当するエネルギー準位が単電子島23に発生する。
ゲート・ソース間電圧Vgsを変化させると、ゲート電極Gと単電子島23との容量的な結合により、単電子島23のエネルギー準位が一定のギャップを保ったまま上下する。
この際、ソース・ドレイン間電圧Vdsがこのギャップよりも小さい場合、ギャップ内にソースとドレインの両方の伝導可能なエネルギー準位がないと、ソース・ドレイン間に電流Idが流れないクーロンブロッケード状態となる。
一方、ソースとドレインのエネルギー準位の間に単電子島23のエネルギー準位のいずれかが入ると、単電子島23のエネルギー準位を介してソース・ドレイン間に電流Idが流れる状態になる。
これにより、あるゲート・ソース間電圧Vgsではクーロンブロッケード効果で単電子島23内の電子数がn個(nは整数)で安定となって、電流Idは流れない。しかし、ゲート・ソース間電圧Vgsが増加するとクーロンブロッケード効果が低下して、もう1個電子が単電子島23へ進入できるものとなる。
この際、後者の領域にゲート・ソース間電圧Vgsが入ると、単電子島23の電子数がnとn+1の両方の値を取れるので、1個の電子が単電子島23内に入り、次に出て行く状態、すなわち単電子島23内の電子数がnとn+1との間を往復する状態を繰り返すことで、電流Idが流れるようになる。
したがって、ゲート・ソース間電圧Vgsを変化させると、ソース・ドレイン間の電流Idが図21のように振動することになる。その振動の周期はVgsにおいてe/CSET-gとなる。ここに、eは電気素量であり、CSET-gはゲートキャパシタ24の容量値である。
この種の単電子トランジスタは、低電圧・微小電流で動作するので消費電力が極めて小さいこと、また素子面積が極めて小さいことなどの理由により、論理回路・記憶回路応用の観点からも注目を集めている。
前述した第3の形態によれば、検出用FET2に代えてこのような単電子トランジスタ20を用いたので、単電子箱3内の電子数を高感度で検出できる。
[第4の実施の形態]
次に、図22〜図25を参照して、本発明の第4の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路について説明する。図22は本発明の第4の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路を示す回路図である。図23〜図25は、本発明の第4の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路のデバイス構造を示す平面図、XXIV−XXIV断面図、およびXXV−XXV断面図である。
前述した第3の実施の形態では、図3に示したように、検出用SET20のチャネル20Cをその上側から囲むように単電子箱3用導体パターンを形成する場合を例として説明した。本実施の形態では、図23〜図25に示すように、単電子箱3用導体パターンを検出用SET20のチャネル20C近傍まで形成し、チャネル20Cの上部には形成しないようにしたものである。
したがって、回路図では、図22に示すように、単電子箱3と検出用SET20の単電子島23との間が容量結合されるとともに、単電子箱3および検出用SET20の単電子島23とが、それぞれ電極SGと容量結合されるものとなる。
このようなデバイス構造により、単電子箱3に接合される容量が第3の実施の形態とは異なるものの、他の構成について第3の実施の形態と同様であり、前述と同様にして、単電子箱3に対する電子検知動作、電子蓄積動作、および電子消去動作を実行することができ、前述と同様の作用効果が得られる。
また、上記デバイス構造の違いにより、SOI基板を用いた場合には、単電子箱3用導体パターンと検出用SET20のチャネル20Cとを同時に形成できる。これにより、第3の実施の形態と比較して製造工程を簡素化でき、製造コストを削減できる。
[第5の実施の形態]
次に、図26〜図28を参照して、本発明の第5の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路について説明する。図26は本発明の第5の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路を示す回路図である。図27,図28は、本発明の第5の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路のデバイス構造を示す平面図、およびXXVIII−XXVIII断面図である。
本実施の形態は、前述した第1の実施の形態のうち、制御用FETと単電子箱との組を2段階設けた点が異なる。なお、その他の構成について前述と同様である。
すなわちこの電界型単電子箱多値メモリ回路は、制御用FET1A、単電子箱3A、制御用FET1B、単電子箱3B、および検出用FET2から構成されている。単電子箱3A,3Bは、1つ以上の電子を蓄積する導体である。制御用FET1Aは、単電子箱3Aと電極ERとの間に接続されたチャネル1ACを有し、そのチャネル1ACが電極CGAと容量接合されているFETである。制御用FET1Bは、単電子箱3Aと単電子箱3Bとの間に接続されたチャネル1BCを有し、そのチャネル1BCが電極CGBと容量接合されているFETである。検出用FET2は、ドレイン電極Dとソース電極Sに接続されたチャネル2Cを有し、そのチャネル2Cが単電子箱3Bと容量接合されているFETである。
[デバイス構造]
次に、図27および図28を参照して、本実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路のデバイス構造について説明する。本実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路は、図27および図28に示すようなデバイス構造をなしており、例えば次のようにして形成する。
まず、基板10上に形成された絶縁層9上に半導体からなるSOI層(図示せず)を形成し、このSOI層を用いて、電極ER用導体パターンと、細線チャネルからなる制御用FET1Aのチャネル1ACと、このチャネル1ACに繋がった単電子箱3A用導体パターンと、細線チャネルからなる制御用FET1Bのチャネル1BCと、このチャネル1BCに繋がった単電子箱3B用導体パターンと、細線チャネルからなる検出用FET2のチャネル2Cと、検出用FET2のドレイン電極Dおよびソース電極S用導体パターンとを形成する。単電子箱3A,3B用導体パターン、検出用FET2のドレイン電極D用導体パターン、あるいはソース電極S用導体パターンについては、絶縁層9上に金属で形成してもよい。
その後、制御用FET1Aのチャネル1AC上部に、絶縁層8を介して電極CGA用導体パターンを形成するとともに、制御用FET1Bのチャネル1BC上部に、絶縁層8を介して電極CGB用導体パターンを形成する。
この際、単電子箱3B用導体パターンは、制御用FET1Bのチャネル1BCから検出用FET2のチャネル2Cの近傍まで形成されるが、図28のように検出用FET2のチャネル2Cをその上側から絶縁層8を介して囲むように形成してもよい。これにより単電子箱3Bに蓄積される電子を高感度で検知することができる。
そして、これら制御用FET1A、電極CGA、制御用FET1B、単電子箱3A、電極CGB、単電子箱3B、および検出用FET2の上部に、絶縁層8を介してセンスゲート電極SG(以下、電極SGという)用導体パターンを形成する。この際、電極SGに印加する電圧によって、電子を検知する検出用FET2を最適な条件にセッティングすることができる。なお、この電極SGを検出用FET2の上部に形成することは必須ではなく、例えば検出用FET2と同一平面上に形成してもよい。
これら回路要素の設計サイズとしては、電極CGAと電極CGBの間隔が数10nm〜100nm程度が望ましい。他のサイズは第1の実施例で述べたものと同様である。
[単電子箱への電子蓄積動作]
次に、図29を参照して、本実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路の動作のうち、単電子箱3A,3Bへの電子の蓄積動作(メモリ動作)について説明する。図29は、本実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路の電子蓄積動作を示す説明図であり、それぞれ単電子箱3A,3Bおよび制御用FET1A,1Bのチャネル1AC,1BCにおける電子のエネルギーバンドダイアグラムが示されている。
まず、図29(a)の初期状態では、単電子箱3A,3Bに電子は入っておらず、電極CGA,CGBに印加されたオフ制御電圧によって制御用FET1A,1Bはオフ状態に制御されており、電極ER、単電子箱3A,3Bは制御用FET1A,1Bのエネルギーバリアによってそれぞれ電気的に分かれている。そして、多数の電子を誘起するように、例えばセンスゲート電圧Vgに対して負となる電荷調整電圧を電極ERに印加する。この状態では電極CGAによるエネルギーバリアが存在するため、電子は単電子箱3Aに入れない。
次に、電極CGAに制御用FET1Aがオン状態となるオン制御電圧を印加すると、図29(b)のように、電極ERと単電子箱3Aとが制御用FET1Aのチャネル1ACによって電気的に繋がり、電極ERの電子が単電子箱3Aに入る。
その後、電極CGAをオフ制御電圧に戻していくと、エネルギーバリアが上昇し、制御用FET1Aがオン状態からオフ状態に変わっていく。このとき、エネルギーバリアがトンネル接合のようになりクーロンフロッケード効果によって数個の電子のみが単電子箱3Aに残り、他の電子は電極ERに戻る。
この際、単電子箱3Aに残る電子の数は、主に電極ERに印加された電荷調整電圧、単電子箱3Aに接続されたキャパシタの容量などで決まる。上記電子蓄積動作では、蓄積する電子の数は電極ERに印加する電荷調整電圧、あるいは電極SGに印加する電圧を調整することにより、蓄積する電子の数を容易かつ精度よく制御できる。
その後、電極CGAを完全にオフ制御電圧に戻すとエネルギーバリアがさらに上昇して制御用FET1Aが完全にオフ状態となり、図29(c)のように単電子箱3Aに残った電子がメモリ情報として保存される。
続いて、電極CGBに制御用FET1Bがオン状態となるオン制御電圧を印加すると、図29(d)のように、単電子箱3Aと単電子箱3Bとが制御用FET1Bのチャネル1BCによって電気的に繋がり、単電子箱3Aの電子が単電子箱3Bに入る。そして電極CGBを初期電圧に戻していくと、単電子箱3Aと単電子箱3Bの間のエネルギーバリアが上昇し、制御用FET1Bがオン状態からオフ状態になって、図29(e)に示すように、単電子箱3Bに残った電子がメモリ情報として保存される。
このとき、図29(c)の段階で単電子箱3Aにあった電子が単電子箱3Bに偏るように制御することで制御用FET1Bがオフになった時点で、電子は単電子箱3Bに移動することになる。ここでの電子移動制御については、例えば電極CGBによる制御用FET1Bでのエネルギーバリアによる斥力を大きくする、単電子箱3Bと容量的に接合した検出用FET2のポテンシャルを下げて電子を引きつける、あるいは単電子箱3Bに蓄積されるエネルギーの最小値が単電子箱3Aに蓄積されるエネルギーの最小値より小さくなるようにするなどの制御方法がある。
これら、図29(b)から図29(e)の各ステップを1サイクルとして、このサイクルを繰り返すことにより電子を電極ERから単電子箱3Aを介して単電子箱3Bに蓄積させる。したがって、メモリ情報となる単電子箱3Bに存在する電子数は、電極ERから単電子箱3Aに蓄積させる電子数とサイクル数によって決まる。
このように、本実施の形態では、制御用FET1と単電子箱3との組を2段階設けて、これら2つの組で順に電子を移動させるようにしたので、サイクル数に応じて多値の情報を記憶させることができ、電子注入用電源として最低1つの電圧値を用意すればよいことがわかる。既存の多値メモリでは、記憶する多値の種類に応じた数だけ電子注入用電源が個別に必要であった。したがって、本実施の形態にかかるメモリ回路によれば、回路の簡素化、低消費電力化が可能となる。
また、本実施の形態にかかるメモリ回路によれば、単電子箱3A,3Bを異なる2つの記憶素子と見なせることとから、例えば単電子箱3B内の電子がn個ある状態から、単電子箱3A内の電子k個分だけ、単電子箱3B内の電子が増えたとき、どのようなメモリ情報になるのかが分かるという、加算回路のような演算機能をメモリ回路で実現することも可能である。
[単電子箱からの電子消去動作]
次に、図30を参照して、本実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路の動作のうち、単電子箱3Bに蓄積されている電子の消去動作について説明する。図30は、本実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路の電子消去動作を示す説明図であり、それぞれ単電子箱3A,3Bおよび制御用FET1A,1Bにおけるチャネル1AC,1BCの電子のエネルギーバンドダイアグラムが示されている。
まず、図30(a)のように、電極ERに電子が存在しないような電荷調整初期電圧、例えばセンスゲート電圧に対し正の電圧を電極ERに印加する。また、電極CGA,CGBへオフ制御電圧を印加することにより制御用FET1A,1Bがオフ状態とされており、単電子箱3B内の電子は、保存されたままである。
次に、電極CGBへオン制御電圧を印加して制御用FET1Bをオン状態にすると、図30(b)のように電極CGBによるエネルギーバリアがなくなり、単電子箱3Bと単電子箱3Aが電気的に繋がり、電子が単電子箱3A側に流れ込む。
そして、図30(c)のように、電極CGBをオフ制御電圧に戻し制御用FET1Bをオフにすると、単電子箱3A,3Bが電気的に切り離され、このときクーロンブロッケード効果により単電子箱3Aには数個の電子のみが移動し、それ以外の電子は単電子箱3Bに戻る。
このとき、単電子箱3Bに残る電子の数は、例えば単電子箱3A,3Bのサイズや電極ERに印加された電荷調整電圧などによって決まる。また、単電子箱3A,3Bのサイズについては第1の実施の形態(図9参照)で述べたように、単電子箱3A,3Bの加工寸法と電極CGA,CGBによるエネルギーバリアの大きさによってコントロールすることができる。
次に、電極CGAにオン制御電圧を印加して制御用FET1Aをオン状態とすると、図30(d)のように単電子箱3Aに蓄積された電子が電極ERに流れ込む。そして電極CGAをオフ制御電圧に戻すと図30(a)のようになり、単電子箱3Bから電子の一部が消去された状態となる。
これら図30(a)〜(d)の動作を1サイクルとして、このサイクルを所望の回数だけ繰り返すことで単電子箱3Aに蓄積された電子のうち、任意の数だけ消去することができる。
既存のメモリ回路では、メモリ情報を書き換えようとした場合、消去動作により全ての電子がメモリセルからなくなるので、新たな情報に相当する電子数を再度蓄積する必要がある。
本実施の形態にかかるメモリ回路によれば、例えば単電子箱3Bに電子がn個あるときの”A”というメモリ情報から、電子が(n−k)個ある時の”B”というメモリ情報に直接変換することができるので、メモリ動作の速度向上が可能となる。また、ある情報から電子をk個引いたとき、どのような情報になるのかを知ることができるという、引算回路のような演算機能をメモリ回路で実現することも可能である。
なお、上記説明では、単電子箱3Bから所定数ずつ電子を消去する場合について説明したが、単電子箱3Bの電子を全て1回の操作で消去する場合には、図30(b)の段階で電極CGA,CGBの両方へオン制御電圧を印加して制御用FET1A,1Bを同時にオン状態に制御すればよい。
また、本実施の形態にかかるメモリ回路では、電子の蓄積/消去を、電極ERに印加する電荷調整電圧と制御用FET1A,1Bによるスイッチング動作のサイクル数によって制御できるので、例えば任意の信号を電極ERに印加すると、その信号をサイクル数で積分した情報を得ることができ、新たなメモリ回路、例えば演算機能を有するメモリ回路が実現可能となる。
また、単電子箱3Aはクーロンブロッケード効果が有効になるほど小さい必要は無い。
なお、検出用FET2による単電子箱3B内の電子検知動作については、前述した第1の実施の形態における電子検知動作と同様である。
[第6の実施の形態]
次に、図31〜図34を参照して、本発明の第6の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路について説明する。図31は本発明の第6の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路を示す回路図である。図32,図33は、本発明の第6の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路のデバイス構造を示す平面図、およびXXXIII−XXXIII断面図である。図34は、本実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路の動作特性を示す説明図である。
前述した第5の実施の形態では、図27に示したように、検出用FET2のチャネル2Cをその上側から囲むように単電子箱3B用導体パターンを形成する場合を例として説明した。本実施の形態では、図32に示すように、単電子箱3B用導体パターンを検出用FET2のチャネル2C近傍まで形成し、チャネル2Cの上部には形成しないようにしたものである。したがって、回路図では、図31に示すような等価回路となる。
このようなデバイス構造により、単電子箱3Bに接合される容量が第5の実施の形態とは異なるものの、他の構成について第5の実施の形態と同様であり、前述と同様にして、単電子箱3Bに対する電子検知動作、電子蓄積動作、および電子消去動作を実行することができ、前述と同様の作用効果が得られる。
また、上記デバイス構造の違いにより、SOI基板を用いた場合には、単電子箱3B用導体パターンと検出用FET2のチャネル2Cとを同時に形成できる。これにより、第5の実施の形態と比較して製造工程を簡素化でき、製造コストを削減できる。
設計サイズとしては、電極CGAと電極CGBの間隔が130nm、これらコントロールゲート長は20nm、電極ERのチャネル幅は50nm、単電子箱3Bの長さは30nm、SOI層の厚さは10nm程度である。
図34は電子蓄積を行ったときの動作特性であるが、本実施の形態にかかるデバイス構成においても、1サイクルで蓄積する電子数が電極ERに印加する電荷調整電圧によって決まることが分かり、上記に示したような動作が可能であることを示している。
なお、前述した第5および第6の実施の形態では、単電子箱3B内に蓄積されている電子数を検出するFETとして検出用FET2を用いた場合を例として説明したが、前述した第3および第4の実施の形態のように、検出用FET2に代えて単電子トランジスタ20を用いてもよく、前述と同様の作用効果が得られる。
また、前述した各実施の形態では、単電子箱で蓄積する素電荷として電子を用いた場合を例として説明したが、印加する電圧の正負を反転させることにより素電荷として正孔を用いることもできる。
また、前述した各実施の形態では、単電子箱内に残っている電子の数を増減できることから、例えば単電子箱に電子がn個あるときの”A”というメモリ情報から、電子がn+k個ある時の”B”というメモリ情報へ変更する際、単電子箱にその差分に相当する電子をk個だけ追加すればよい。またn−k個ある時の”C”というメモリ情報へ変更する際には、単電子箱にその差分に相当する電子をk個だけ消去すればよく、いずれの場合もメモリ情報を他の値へ直接変更することができる。したがって、”A”を消去して”B”を新たに書き込む場合と比較してメモリ動作の速度向上が可能となる。
また、前述した第2、第4、および第6の実施の形態では、図13、図24、および図33に示すように、単電子箱3,3B用導体パターンと単電子箱3,3B内の電子を検知する検出用FET2あるいは検出用単電子トランジスタ20が同一平面上に形成されるデバイス構成となっている。このようなデバイス構成では、単電子箱、FETなどを単結晶シリコンで作製できるので、デバイスとしての特性の制御性と再現性が高いという利点がある。
しかし、この構成は必須ではなく、例えば単電子箱やそれに繋がるFETのチャネルなどを、多結晶シリコンやアモルファスシリコンなどからなる、いわゆるTFT(Thin Film Transistor)で代用することも可能である。この場合は、単電子箱内の電子を検知するトランジスタと同時にTFTを作製する必要はないので、これらの相対的な位置関係も自由度が高まり、同一平面上にする必要もない。これにより、メモリ回路の更なる高集積化が可能となる。
本発明の第1の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路の構成を示す回路図である。 本発明の第1の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路のデバイス構造を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路のデバイス構造を示すIII−III断面図である。 本発明の第1の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路のデバイス構造を示すIV−IV断面図である。 図1の検出用FETの動作特性を示す説明図である。 単電子箱を用いた典型的なメモリ回路を示す等価回路図である。 単電子箱のエネルギー準位と電子数の関係を示す説明図である。 第1の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路の電子蓄積動作を示す説明図である。 単電子箱のサイズを示す説明図である。 第1の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路の電子消去動作を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路を示す回路図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路のデバイス構造を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路のデバイス構造を示すXIII−XIII断面図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路のデバイス構造を示すXIV−XIV断面図である。 本発明の第3の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路を示す回路図である。 本発明の第3の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路のデバイス構造を示す平面図である。 本発明の第3の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路のデバイス構造を示すXVII−XVII断面図である。 本発明の第3の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路のデバイス構造を示すXVIII−XVIII断面図である。 検出用単電子トランジスタの動作特性を示す説明図である。 単電子トランジスタの等価回路を示す回路図である。 単電子トランジスタの動作特性を示す説明図である。 本発明の第4の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路を示す回路図である。 本発明の第4の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路のデバイス構造を示す平面図である。 本発明の第4の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路のデバイス構造を示すXXIV−XXIV断面図である。 本発明の第4の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路のデバイス構造を示すXXV−XXV断面図である。 本発明の第5の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路を示す回路図である。 本発明の第5の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路のデバイス構造を示す平面図である。 本発明の第5の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路のデバイス構造を示すXXVIII−XXVIII断面図である。 本発明の第5の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路の電子蓄積動作を示す説明図である。 本発明の第5の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路の電子消去動作を示す説明図である。 本発明の第6の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路を示す回路図である。 本発明の第6の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路のデバイス構造を示す平面図である。 本発明の第6の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路のデバイス構造を示すXXXIII−XXXIII断面図である。 本発明の第6の実施の形態にかかる電界型単電子箱多値メモリ回路の動作特性を示す説明図である。 従来の単電子メモリ回路を示す説明図である。
符号の説明
1,1A,1B…制御用FET、1C,1AC,1BC…チャネル、2…検出用FET、2C…チャネル、20…検出用SET、20C…チャネル、3,3A,3B…単電子箱、8,9…絶縁層、10…基板、ER,CG,CGA,CGB,D,S,SG…電極。

Claims (13)

  1. 電荷を蓄積する導体からなる単電子箱と、
    任意の電荷調整電圧が印加されるエレクトロンリザーバ電極と、
    前記単電子箱と前記エレクトロンリザーバ電極との間に接続されたチャネルを有し、このチャネルをスイッチングして前記エレクトロンリザーバ電極と前記単電子箱との間で前記電荷調整電圧に応じた量の電荷を移動させることにより前記単電子箱内の電荷量を調整する制御用FETと、
    前記単電子箱に容量接合されたチャネルを有し、前記単電子箱に蓄積されている電荷量に応じた検出電流を前記チャネルに流す検出用FETとを備え、
    前記単電子箱は、前記制御用FETのゲート電極に印加される制御電圧によって前記制御用FETのチャネルに形成されるエネルギーバリアと、前記検出用FETのチャネルとの間に形成される容量とに挟まれることによって、蓄積される電荷量がクーロンブロッケード効果によって制御される
    ことを特徴とする電界型単電子箱多値メモリ回路。
  2. 請求項1に記載の電界型単電子箱多値メモリ回路において、
    前記検出用FETは、前記単電子箱と容量接合された単電子島を有する単電子トランジスタからなることを特徴とする電界型単電子箱多値メモリ回路。
  3. 電荷を蓄積する導体からなる第1の単電子箱と、
    電荷を蓄積する導体からなる第2の単電子箱と、
    任意の電荷調整電圧が印加されるエレクトロンリザーバ電極と、
    前記第1の単電子箱と前記エレクトロンリザーバ電極との間に接続されたチャネルを有し、前記チャネルをスイッチングして前記エレクトロンリザーバ電極と前記第1の単電子箱との間で前記電荷調整電圧に応じた量の電荷を移動させることにより前記第1の単電子箱内の電荷量を調整する第1の制御用FETと、
    前記第1の単電子箱と前記第2の単電子箱との間に接続されたチャネルを有し、前記チャネルをスイッチングして前記第1の単電子箱と前記第2の単電子箱との間で電荷を移動させることにより前記第2の単電子箱内の電荷量を調整する第2の制御用FETと、
    前記第2の単電子箱に容量接合されたチャネルを有し、前記第2の単電子箱に蓄積されている電荷量に応じた検出電流を前記チャネルに流す検出用FETとを備えることを特徴とする電界型単電子箱多値メモリ回路。
  4. 請求項に記載の電界型単電子箱多値メモリ回路において、
    前記検出用FETは、前記第2の単電子箱と容量接合された単電子島を有する単電子トランジスタからなることを特徴とする電界型単電子箱多値メモリ回路。
  5. 請求項1または請求項2に記載の電界型単電子箱多値メモリ回路を制御する制御方法であって、
    前記制御用FETをオフ状態からオン状態に制御することにより、前記エレクトロンリザーバ電極と前記単電子箱との間で電荷を移動させる第1のステップを備えることを特徴とする電界型単電子箱多値メモリ回路の制御方法。
  6. 請求項に記載の電界型単電子箱多値メモリ回路の制御方法において、
    前記単電子箱に蓄積されている電荷量が示す第1の情報を第2の情報へ変更する際は、前記第1のステップで、前記第1の情報と前記第2の情報の差分に相当する電荷を、前記前記エレクトロンリザーバ電極と前記第1の単電子箱との間で移動させることを特徴とする電界型単電子箱多値メモリ回路の制御方法。
  7. 請求項に記載の電界型単電子箱多値メモリ回路の制御方法において、
    前記単電子箱に蓄積されている電荷量を変更した際、前記検出用FETから前記単電子箱に蓄積されている電荷量に応じたベリファイ用の検出電流を出力する第2のステップをさらに備えることを特徴とする電界型単電子箱多値メモリ回路の制御方法。
  8. 請求項または請求項4に記載の電界型単電子箱多値メモリ回路を制御する制御方法であって、
    前記第2の制御用FETをオフ状態に制御し、前記第1の制御用FETをオフ状態からオン状態に制御することにより、前記エレクトロンリザーバ電極から前記第1の単電子箱へ電荷を移動させる第1のステップと、
    前記第1の制御用FETを前記オン状態からオフ状態へ制御した後、前記第2の制御用FETをオン状態に制御することにより、前記第1の単電子箱から前記第2の単電子箱へ電荷を移動させる第2のステップとを備えることを特徴とする電界型単電子箱多値メモリ回路の制御方法。
  9. 請求項に記載の電界型単電子箱多値メモリ回路の制御方法において、
    前記第2の単電子箱に蓄積されている電荷量が示す第1の情報を第2の情報へ変更する際は、前記第1のステップで、前記第1の情報と前記第2の情報の差分に相当する電荷を、前記エレクトロンリザーバ電極から前記第1の単電子箱へ移動させることを特徴とする電界型単電子箱多値メモリ回路の制御方法。
  10. 請求項または請求項4に記載の電界型単電子箱多値メモリ回路を制御する制御方法であって、
    前記第1の制御用FETをオフ状態に制御し、前記第2の制御用FETをオフ状態からオン状態に制御することにより、前記第2の単電子箱から前記第1の単電子箱へ電荷を移動させる第1のステップと、
    前記第2の制御用FETを前記オン状態からオフ状態へ制御した後、前記第1の制御用FETをオン状態に制御することにより、前記第1の単電子箱から前記エレクトロンリザーバ電極へ電荷を移動させる第2のステップとを備えることを特徴とする電界型単電子箱多値メモリ回路の制御方法。
  11. 請求項10に記載の電界型単電子箱多値メモリ回路の制御方法において、
    前記第2の単電子箱に蓄積されている電荷量が示す第1の情報を第2の情報へ変更する際は、前記第1のステップで、前記第1の情報と前記第2の情報の差分に相当する電荷を、前記第2の単電子箱から前記第1の単電子箱へ移動させることを特徴とする電界型単電子箱多値メモリ回路の制御方法。
  12. 請求項または請求項4記載の電界型単電子箱多値メモリ回路を制御する制御方法であって、
    前記第1の制御用FETと前記第2の制御用FETとを同時にオン状態に制御することにより、前記エレクトロンリザーバ電極と前記第2の単電子箱との間で電荷を移動させるステップを備えることを特徴とする電界型単電子箱多値メモリ回路の制御方法。
  13. 請求項請求項12のいずれか1つに記載の電界型単電子箱多値メモリ回路の制御方法において、
    前記第2の単電子箱に蓄積されている電荷量を変更した際、前記検出用FETから前記第2の単電子箱に蓄積されている電荷量に応じたベリファイ用の検出電流を出力する第3のステップをさらに備えることを特徴とする電界型単電子箱多値メモリ回路の制御方法。
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